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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024024958
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】高周波モジュールおよび通信装置
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/04 20060101AFI20240216BHJP
   H03G 3/10 20060101ALI20240216BHJP
   H03F 3/24 20060101ALI20240216BHJP
   H03F 3/68 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
H04B1/04 A
H03G3/10 A
H03F3/24
H03F3/68
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022127968
(22)【出願日】2022-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100189430
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100190805
【弁理士】
【氏名又は名称】傍島 正朗
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 智
(72)【発明者】
【氏名】松井 俊樹
(72)【発明者】
【氏名】吉崎 保展
(72)【発明者】
【氏名】森沢 文雅
【テーマコード(参考)】
5J100
5J500
5K060
【Fターム(参考)】
5J100AA02
5J100AA08
5J100AA24
5J100BA01
5J100BB01
5J100BB02
5J100BB15
5J100BC02
5J100CA18
5J100CA28
5J100CA30
5J100DA01
5J100FA01
5J500AA01
5J500AA41
5J500AC21
5J500AC36
5J500AC81
5J500AC92
5J500AF10
5J500AF15
5J500AH06
5J500AH10
5J500AH24
5J500AH38
5J500AK12
5J500AK26
5J500AK29
5J500AK41
5J500AM08
5J500AS14
5J500AT01
5K060CC04
5K060HH06
5K060JJ08
5K060LL11
(57)【要約】
【課題】要求出力電力の変化に対して安定的な出力電力特性を有する高周波モジュールを提供する。
【解決手段】高周波モジュール1は、電力増幅器11と、電力増幅器11に接続されたバイアス回路21と、電力増幅器11に接続されたバイアス回路23と、を備え、バイアス回路21は、電力増幅器11のパワーモードに対応した第1デジタル制御信号を受けるレジスタ31と、レジスタ31の情報に基づいて第1バイアス電流を生成するよう構成された電流生成回路41と、を有し、バイアス回路23は、パワーモードに対応した第2デジタル制御信号を受けるレジスタ33と、レジスタ33の情報に基づいて第2バイアス電流を生成するよう構成された電流生成回路43と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電力増幅器と、
前記第1電力増幅器に接続された第1バイアス回路と、
前記第1電力増幅器に接続された第2バイアス回路と、を備え、
前記第1バイアス回路は、
前記第1電力増幅器のパワーモードに対応した第1デジタル制御信号を受ける第1レジスタと、
前記第1レジスタの情報に基づいて第1バイアス電流を生成するよう構成された第1電流生成回路と、を有し、
前記第2バイアス回路は、
前記パワーモードに対応した第2デジタル制御信号を受ける第2レジスタと、
前記第2レジスタの情報に基づいて第2バイアス電流を生成するよう構成された第2電流生成回路と、を有する、
高周波モジュール。
【請求項2】
前記第2バイアス回路は、前記第1電力増幅器と前記第1バイアス回路とを結ぶ経路に接続されている、
請求項1に記載の高周波モジュール。
【請求項3】
前記第1電流生成回路は、
前記第1レジスタに接続された第1DAコンバータと、
前記第1DAコンバータに接続された第1電流源回路と、を有し、
前記第2電流生成回路は、
前記第2レジスタに接続された第2DAコンバータと、
前記第2DAコンバータに接続された第2電流源回路と、を有する、
請求項1に記載の高周波モジュール。
【請求項4】
前記第1電流生成回路は、
前記第1レジスタおよび前記第2レジスタに接続された第1DAコンバータと、
前記第1DAコンバータに接続された第1電流源回路と、を有し、
前記第2電流生成回路は、
前記第1DAコンバータに接続された第2電流源回路を有する、
請求項1に記載の高周波モジュール。
【請求項5】
さらに、
前記第1デジタル制御信号を前記第1レジスタに供給し、かつ、前記第2デジタル制御信号を前記第2レジスタに供給するよう構成された制御回路を備える、
請求項1に記載の高周波モジュール。
【請求項6】
前記制御回路は、
前記パワーモードが切り替わる第1タイミングで前記第2デジタル制御信号を前記第2レジスタに出力することで、前記第2バイアス回路から前記第2バイアス電流を出力させ、
前記第1タイミングから所定時間経過後の第2タイミングで前記第1デジタル制御信号を前記第1レジスタに出力することで、前記第1バイアス回路から前記第1バイアス電流を出力させる、
請求項5に記載の高周波モジュール。
【請求項7】
前記第2デジタル制御信号により出力される前記第2バイアス電流は、前記第1デジタル制御信号により出力される前記第1バイアス電流よりも小さい、
請求項6に記載の高周波モジュール。
【請求項8】
前記制御回路は、
前記第2タイミングで前記第1デジタル制御信号を前記第1レジスタに出力するとともに、前記第2バイアス電流の供給を停止する第2デジタル制御信号を第2レジスタに出力する、
請求項6に記載の高周波モジュール。
【請求項9】
さらに、
前記第1電力増幅器と縦続接続された第2電力増幅器と、
前記第2電力増幅器に接続された第3バイアス回路と、を備え、
前記第3バイアス回路は、
前記第2電力増幅器のパワーモードに対応した第3デジタル制御信号を受ける第3レジスタと、
前記第3レジスタの情報に基づいて第3バイアス電流を生成するよう構成された第3電流生成回路と、を有し、
前記第2バイアス回路は、前記第1電力増幅器および前記第2電力増幅器に接続され、
前記第2レジスタは、前記第1電力増幅器のパワーモードに対応した第2デジタル制御信号および前記第2電力増幅器のパワーモードに対応した第4デジタル制御信号を受ける、
請求項1に記載の高周波モジュール。
【請求項10】
さらに、
前記第1電力増幅器と縦続接続された第2電力増幅器と、
前記第2電力増幅器に接続された第3バイアス回路と、を備え、
前記第2電力増幅器に接続された第4バイアス回路と、を備え、
前記第3バイアス回路は、
前記第2電力増幅器のパワーモードに対応した第3デジタル制御信号を受ける第3レジスタと、
前記第3レジスタの情報に基づいて第3バイアス電流を生成するよう構成された第3電流生成回路と、を有し、
前記第4バイアス回路は、
前記パワーモードに対応した第4デジタル制御信号を受ける第4レジスタと、
前記第4レジスタの情報に基づいて第4バイアス電流を生成するよう構成された第4電流生成回路と、を有する、
請求項1に記載の高周波モジュール。
【請求項11】
さらに、
第3電力増幅器と、
前記第1バイアス回路と前記第1電力増幅器および前記第3電力増幅器との間に接続され、前記第1バイアス回路および前記第2バイアス回路と前記第1電力増幅器との接続、ならびに、前記第1バイアス回路および前記第2バイアス回路と前記第3電力増幅器との接続を切り替える第1スイッチと、を備え、
前記第1レジスタは、前記第1電力増幅器のパワーモードに対応した第1デジタル制御信号および前記第3電力増幅器のパワーモードに対応した第5デジタル制御信号を受け、
前記第2レジスタは、前記第1電力増幅器のパワーモードに対応した第2デジタル制御信号および前記第3電力増幅器のパワーモードに対応した第6デジタル制御信号を受ける、
請求項1に記載の高周波モジュール。
【請求項12】
さらに、
第3電力増幅器と、
前記第2バイアス回路と、前記第1電力増幅器および前記第3電力増幅器との間に接続され、前記第2バイアス回路と前記第1電力増幅器との接続、および、前記第2バイアス回路と前記第3電力増幅器との接続を切り替える第2スイッチと、を備え、
前記第2レジスタは、前記第1電力増幅器のパワーモードに対応した第2デジタル制御信号および前記第3電力増幅器のパワーモードに対応した第6デジタル制御信号を受ける、
請求項1に記載の高周波モジュール。
【請求項13】
さらに、
第3電力増幅器と、
前記第1バイアス回路および前記第2バイアス回路と前記第1電力増幅器および前記第3電力増幅器との間に接続され、前記第1バイアス回路および前記第2バイアス回路と前記第1電力増幅器との接続、ならびに、前記第1バイアス回路および前記第2バイアス回路と前記第3電力増幅器との接続を切り替える第3スイッチと、を備え、
前記第1レジスタは、前記第1電力増幅器のパワーモードに対応した第1デジタル制御信号および前記第3電力増幅器のパワーモードに対応した第5デジタル制御信号を受け、
前記第2レジスタは、前記第1電力増幅器のパワーモードに対応した第2デジタル制御信号および前記第3電力増幅器のパワーモードに応じた第6デジタル制御信号を受ける、
請求項1に記載の高周波モジュール。
【請求項14】
さらに、
前記第1バイアス回路および前記第1電力増幅器を結ぶ経路と第2バイアス回路との間に接続され、前記第1バイアス電流の少なくとも一部を前記経路から引き抜くよう構成された第1引抜き回路を備える、
請求項1に記載の高周波モジュール。
【請求項15】
前記第1引抜き回路は、
前記第2バイアス回路に接続された第1制御端子、前記経路に接続された第1端子、およびグランドに接続された第2端子を有する第1トランジスタを備える、
請求項14に記載の高周波モジュール。
【請求項16】
さらに、
前記第1引抜き回路および前記第2バイアス回路と前記経路との間に接続され、前記第1引抜き回路と前記経路との接続、および、前記第2バイアス回路と前記経路との接続を切り替える第4スイッチを備える、
請求項14に記載の高周波モジュール。
【請求項17】
前記第1電力増幅器、前記第1バイアス回路、前記第2バイアス回路、および前記制御回路は、1つの半導体ICに含まれている、
請求項5に記載の高周波モジュール。
【請求項18】
高周波信号を処理する信号処理回路と、
前記信号処理回路とアンテナとの間で前記高周波信号を伝送する、請求項1~17のいずれか1項に記載の高周波モジュールと、を備える、
通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波モジュールおよび通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電力増幅回路と、当該電力増幅回路にバイアス電流を供給するバイアス回路と、当該バイアス回路に接続されたプリチャージ回路と、を備えたパワーモジュール(高周波モジュール)が開示されている。プリチャージ回路は、出力電力検出回路の感度不足を補い、かつ、温度依存性を有するような電流を生成してバイアス電流に付加する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-19582号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような高周波モジュールでは、電力増幅回路に対する要求出力電力(パワーモード)に対応させてバイアス電流を変化させる。しかしながら、上記要求出力電力の大きな変化に対応させてバイアス電流を変化させると、定常的にバイアス電流を補うプリチャージ回路が付加されていても、要求出力電力の大きな変化に対応させてバイアス電流を急激かつ高精度に変化させることは困難である。このため、要求出力電力の変化に対して電力増幅回路の出力電力特性が不安定となるといった問題が生じてしまう。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、要求出力電力の変化に対して安定的な出力特性を有する高周波モジュールおよび通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る高周波モジュールは、第1電力増幅器と、第1電力増幅器に接続された第1バイアス回路と、第1電力増幅器に接続された第2バイアス回路と、を備え、第1バイアス回路は、第1電力増幅器のパワーモードに対応した第1デジタル制御信号を受ける第1レジスタと、第1レジスタの情報に基づいて第1バイアス電流を生成するよう構成された第1電流生成回路と、を有し、第2バイアス回路は、パワーモードに対応した第2デジタル制御信号を受ける第2レジスタと、第2レジスタの情報に基づいて第2バイアス電流を生成するよう構成された第2電流生成回路と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、要求出力電力の変化に対して安定的な出力特性を有する高周波モジュールおよび通信装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態に係る高周波モジュールおよび通信装置の回路構成図である。
図2】比較例に係る高周波モジュールの回路構成図である。
図3】実施の形態に係る高周波モジュールのバイアス電流の供給タイミングの一例を示すグラフである。
図4A】実施の形態に係る高周波モジュールのパワーモード変化時(パワー増加時)における消費電流の時間応答特性を示すグラフである。
図4B】比較例に係る高周波モジュールのパワーモード変化時(パワー増加時)における消費電流の時間応答特性を示すグラフである。
図5】変形例1に係る高周波モジュールの回路構成図である。
図6】変形例2に係る高周波モジュールの回路構成図である。
図7】変形例3に係る高周波モジュールの回路構成図である。
図8】変形例4に係る高周波モジュールの回路構成図である。
図9】変形例5に係る高周波モジュールおよび通信装置の回路構成図である。
図10】変形例6に係る高周波モジュールの回路構成図である。
図11】変形例7に係る高周波モジュールの回路構成図である。
図12】変形例8に係る高周波モジュールの回路構成図である。
図13】変形例9に係る高周波モジュールの回路構成図である。
図14A】変形例8および変形例9に係る高周波モジュールのパワーモード変化時(パワー減少時)における消費電流の時間応答特性を示すグラフである。
図14B】比較例に係る高周波モジュールのパワーモード変化時(パワー減少時)における消費電流の時間応答特性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置および接続形態等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。以下の実施例および変形例における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、図面に示される構成要素の大きさまたは大きさの比は、必ずしも厳密ではない。各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化する場合がある。
【0010】
また、本開示において、平行および垂直等の要素間の関係性を示す用語、および、矩形状等の要素の形状を示す用語、ならびに、数値範囲は、厳格な意味のみを表すのではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度の差異をも含むことを意味する。
【0011】
また、本開示において、「接続される」とは、接続端子および/または配線導体で直接接続される場合だけでなく、他の回路素子を介して電気的に接続される場合も含むことを意味する。また、「AとBとの間に接続される」、「AおよびBの間に接続される」とは、AおよびBを結ぶ経路上でAおよびBと接続されることを意味する。
【0012】
また、本開示において、「経路」とは、高周波信号が伝搬する配線、当該配線に直接接続された電極、および当該配線または当該電極に直接接続された端子等で構成された伝送線路であることを意味する。
【0013】
また、本開示において、「部品Aが経路Bに直列配置される」とは、部品Aの信号入力端および信号出力端の双方が、経路Bを構成する配線、電極、または端子に接続されていることを意味する。
【0014】
(実施の形態)
[1 高周波モジュールおよび通信装置の回路構成]
本実施の形態に係る高周波モジュール1および通信装置4の回路構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、本実施の形態に係る高周波モジュール1および通信装置4の回路構成図である。
【0015】
[1.1 通信装置4の回路構成]
通信装置4は、いわゆるユーザ端末(UE:User Equipment)に相当し、典型的には、携帯電話、スマートフォン、タブレットコンピュータ等である。このような通信装置4は、高周波モジュール1と、アンテナ2と、RF信号処理回路(RFIC:Radio Frequency Integrated Circuit)3と、を備える。
【0016】
高周波モジュール1は、アンテナ2とRFIC3との間で高周波信号を伝送する。高周波モジュール1の回路構成については後述する。
【0017】
アンテナ2は高周波モジュール1のアンテナ接続端子100に接続される。アンテナ2は、高周波モジュール1から高周波信号を受信して外部に出力する。
【0018】
RFIC3は、高周波信号を処理する信号処理回路の一例である。具体的には、RFIC3は、ベースバンド信号処理回路(BBIC:Baseband Integrated Circuit:図示せず)から入力された送信信号をアップコンバート等により信号処理し、当該信号処理して生成された送信信号を、高周波モジュール1の送信経路に出力する。また、RFIC3は、高周波モジュール1の受信経路を介して入力された受信信号を、ダウンコンバート等により信号処理し、当該信号処理して生成された受信信号をBBICへ出力する。
【0019】
また、RFIC3は、高周波モジュール1が有するバイアス制御回路20を制御する。なお、RFIC3の制御機能の一部または全部は、RFIC3の外部に構成されてもよく、例えば、BBICまたは高周波モジュール1に構成されてもよい。
【0020】
なお、本実施の形態に係る通信装置4において、アンテナ2は必須の構成要素ではない。
【0021】
[1.2 実施の形態に係る高周波モジュール1の回路構成]
次に、高周波モジュール1の回路構成について説明する。図1に示すように、高周波モジュール1は、電力増幅器11および12と、バイアス制御回路20と、バイアス回路21、22および23と、加算器51および52と、フィルタ60と、整合回路70と、アンテナ接続端子100と、信号入力端子110と、制御信号端子120と、を備える。
【0022】
電力増幅器11は、第1電力増幅器の一例であり、信号入力端子110とアンテナ接続端子100との間に接続されており、第1バンドの高周波信号を増幅可能である。
【0023】
電力増幅器12は、第2電力増幅器の一例であり、信号入力端子110とアンテナ接続端子100との間に接続されており、第1バンドの高周波信号を増幅可能である。電力増幅器12は、電力増幅器11と縦続接続されている。
【0024】
電力増幅器11は高周波モジュール1のドライブアンプ(前段アンプ)に相当し、電力増幅器12は高周波モジュール1のパワーアンプ(後段アンプ)に相当する。
【0025】
電力増幅器11および12のそれぞれは、増幅トランジスタを有する。上記増幅トランジスタは、例えば、ヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT:Heterojunction Bipolar Transistor)等のバイポーラトランジスタ、または、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)等の電界効果トランジスタである。上記増幅トランジスタの材料としては、例えば、Si、GaAs、SiGeおよびGaNが挙げられる。
【0026】
なお、高周波モジュール1は、電力増幅器11、バイアス回路21および加算器51を備えなくてもよい。この場合には、電力増幅器12が第1電力増幅器に相当し、バイアス回路22が第1バイアス回路に相当する。
【0027】
また、高周波モジュール1は、電力増幅器12、バイアス回路22および加算器52を備えなくてもよい。この場合には、電力増幅器11が第1電力増幅器に相当し、バイアス回路21が第1バイアス回路に相当する。
【0028】
バイアス回路21は、第1バイアス回路の一例であり、電力増幅器11に接続されている。バイアス回路21は、レジスタ31と、電流生成回路41と、を有している。
【0029】
レジスタ31は、第1レジスタの一例であり、バイアス制御回路20から電力増幅器11のパワーモードに対応した第1デジタル制御信号を受ける。
【0030】
なお、パワーモードとは、通信装置4が出力すべき電力(要求出力電力と記す場合がある)であり、例えば基地局から要求される電力を示す。パワーモードとしては、例えば、23dBm(ハイパワーモード)、10dBm(ローパワーモード)などがある。
【0031】
電流生成回路41は、第1電流生成回路の一例であり、レジスタ31の情報に基づいて第1バイアス電流を生成するよう構成されている。具体的には、電流生成回路41は、第1DAコンバータおよび第1電流源回路を有している。第1DAコンバータは、レジスタ31に格納された、第1バイアス電流の大きさを示すデジタル情報をアナログ信号に変換し、第1電流源回路は、第1DAコンバータで変換されたアナログ信号に基づいて第1バイアス電流を生成する。電流生成回路41の構成によれば、レジスタ31に格納された、バイアス電流の大きさを示すデジタル情報をアナログ信号に変換することが可能となる。
【0032】
バイアス回路22は、第3バイアス回路の一例であり、電力増幅器12に接続されている。バイアス回路22は、レジスタ32と、電流生成回路42と、を有している。
【0033】
レジスタ32は、第3レジスタの一例であり、バイアス制御回路20から電力増幅器12のパワーモードに対応した第3デジタル制御信号を受ける。
【0034】
電流生成回路42は、第3電流生成回路の一例であり、レジスタ32の情報に基づいて第3バイアス電流を生成するよう構成されている。具体的には、電流生成回路42は、第3DAコンバータおよび第3電流源回路を有している。第3DAコンバータは、レジスタ32に格納された、第3バイアス電流の大きさを示すデジタル信号をアナログ信号に変換し、第3電流源回路は、第3DAコンバータで変換されたアナログ信号に基づいて第3バイアス電流を生成する。
【0035】
バイアス回路23は、第2バイアス回路の一例であり、電力増幅器11および12に接続されている。バイアス回路23は、レジスタ33と、電流生成回路43と、を有している。
【0036】
レジスタ33は、第2レジスタの一例であり、バイアス制御回路20から電力増幅器11のパワーモードに対応した第2デジタル制御信号を受け、また、電力増幅器12のパワーモードに対応した第4デジタル制御信号を受ける。
【0037】
電流生成回路43は、第2電流生成回路の一例であり、レジスタ33の情報に基づいて第2バイアス電流を生成するよう構成されている。具体的には、電流生成回路43は、第2DAコンバータおよび第2電流源回路を有している。第2DAコンバータは、レジスタ33に格納された、第2バイアス電流の大きさを示すデジタル信号をアナログ信号に変換し、第2電流源回路は、第2DAコンバータで変換されたアナログ信号に基づいて第2バイアス電流を生成する。電流生成回路43の構成によれば、レジスタ33に格納された、バイアス電流の大きさを示すデジタル情報をアナログ信号に変換することが可能となる。
【0038】
加算器51は、バイアス回路21から出力された第1バイアス電流と、バイアス回路23から出力された第2バイアス電流とを合成(加算)する。加算器52は、バイアス回路22から出力された第3バイアス電流と、バイアス回路23から出力された第2バイアス電流とを合成(加算)する。
【0039】
なお、加算器51および52は、2つのバイアス電流を合成(加算)する機能を有していればよい。この観点から、バイアス回路23が電力増幅器11とバイアス回路21とを結ぶ経路上の第1ノードに接続されている場合には、第1ノードが加算器51に相当する。また、バイアス回路23が電力増幅器12とバイアス回路22とを結ぶ経路上の第2ノードに接続されている場合には、第2ノードが加算器52に相当する。なお、この構成によれば、第1バイアス電流と第2バイアス電流とが、上記経路上のノードにて電流合成されて電力増幅器11および12に供給されるので、電力増幅器11および12に設けられるバイアス供給端子を、それぞれ1つにできる。
【0040】
バイアス制御回路20は、制御回路の一例であり、制御信号端子120と、バイアス回路21、22および23との間に接続されている。バイアス制御回路20は、電力増幅器11および12が出力すべき要求出力電力に対応した制御信号をRFIC3から受け、当該制御信号に基づいて、第1デジタル制御信号をレジスタ31に供給し、第2デジタル制御信号および第4デジタル制御信号をレジスタ33に供給し、第3デジタル制御信号をレジスタ32に供給するよう構成されている。第1デジタル制御信号~第4デジタル制御信号は、例えば、データ信号とクロック信号とを送信するソース同期方式の制御信号を用いることができるが、これに限定されない。例えば、第1デジタル制御信号~第4デジタル制御信号にクロック埋め込み方式が適用されてもよい。
【0041】
これによれば、1つのバイアス制御回路20が2つのバイアス回路21および23の双方を制御し、また、バイアス回路22および23の双方を制御することで、2つのバイアス回路の起動タイミングを同調させることができる。つまり、第2バイアス電流の大きさおよび出力タイミングを第1バイアス電流または第3バイアス電流に対応させることができるので、電力増幅器11および12からの出力を安定化できる。
【0042】
フィルタ60は、アンテナ接続端子100と電力増幅器12との間に接続され、第1バンドを含む通過帯域を有する。整合回路70は、信号入力端子110と電力増幅器11との間に接続され、RFIC3と電力増幅器11とのインピーダンス整合をとる。なお、フィルタ60および整合回路70は、高周波モジュール1が備えていなくてもよい。
【0043】
バイアス回路21、22および23、ならびにバイアス制御回路20は、1つの半導体IC80に含まれている。これによれば、高周波モジュール1を小型化できる。
【0044】
なお、半導体IC80は、電力増幅器11および12を含んでもよい。これによれば、高周波モジュール1を、より小型化できる。
【0045】
[1.3 比較例に係る高周波モジュール500の回路構成]
次に、従来の高周波モジュールの一例である、比較例に係る高周波モジュール500の回路構成について説明する。図2に示すように、比較例に係る高周波モジュール500は、電力増幅器11および12と、バイアス制御回路20と、バイアス回路21および22と、プリチャージ回路543と、フィルタ60と、整合回路70と、アンテナ接続端子100と、信号入力端子110と、制御信号端子120と、を備える。比較例に係る高周波モジュール500は、実施の形態に係る高周波モジュール1と比較して、バイアス回路23の代わりにプリチャージ回路543が配置されている点が異なる。以下、比較例に係る高周波モジュール500について、実施の形態に係る高周波モジュール1と同じ点は説明を省略し、異なる点を中心に説明する。
【0046】
プリチャージ回路543は、電力増幅器11および12に接続されている。プリチャージ回路543は、電力増幅器11および12の要求出力電力の変化をバイアス制御回路20から受けることなく電力増幅器11および12に定常的に電流を供給する。これにより、電力増幅器11および12へ供給されるバイアス電流が増加または減少した場合であっても、プリチャージ回路543から定常的に電流が重畳されているので、バイアス電流の急激な変化を抑制できる。
【0047】
[1.4 実施の形態および比較例に係る高周波モジュールの出力特性の比較]
次に、実施の形態に係る高周波モジュール1および比較例に係る高周波モジュール500の出力特性を比較する。
【0048】
比較例に係る高周波モジュール500では、1つの電力増幅器に対して1つのバイアス回路および1つのプリチャージ回路543が接続されている。上述したように、プリチャージ回路543は、電力増幅器11および12の要求出力電力の変化をバイアス制御回路20から受けることなく電力増幅器11および12に定常的に電流を供給する。
【0049】
これに対して、実施の形態に係る高周波モジュール1では、1つの電力増幅器に対して2つのバイアス回路が接続され、当該2つのバイアス回路は、電力増幅器11および12の要求出力電力(パワーモード)の変化に対応したデジタル制御信号をバイアス制御回路20から受ける。これにより、電力増幅器11および12のそれぞれは、要求出力電力(パワーモード)に対応した2種類のバイアス電流を受けることができる。
【0050】
図3は、実施の形態に係る高周波モジュール1のバイアス電流の供給タイミングの一例を示すグラフである。同図には、高周波モジュール1におけるバイアス回路21および23のDAコンバータの出力値の時間応答特性が示されている。
【0051】
図3に示すように、電力増幅器11の要求出力電力値が、例えば10dBmから23dBmへと変化(パワー増加)した場合、バイアス制御回路20は、要求出力電力(パワーモード)が切り替わる時刻t1(第1タイミング)またはその直前に、第2デジタル制御信号をレジスタ33に出力する。これにより、バイアス回路23の第2DAコンバータから第2バイアス電流に相当するアナログ信号が出力される。なお、第2DAコンバータから出力される第2バイアス電流に相当するアナログ信号は、要求出力電力値に応じて最適化されている。つまり、第2デジタル制御信号は、要求出力電力に対応した信号となっている。
【0052】
次に、バイアス制御回路20は、時刻t1(第1タイミング)から所定時間経過後の時刻t2(第2タイミング)に、第1デジタル制御信号をレジスタ31に出力する。これにより、バイアス回路21の第1DAコンバータから第1バイアス電流に相当するアナログ信号が出力される。
【0053】
これによれば、要求出力電力(パワーモード)の切り替え時に、第1バイアス電流を供給する前に、第2バイアス電流がパワーモードに応じて供給されるので、上記切り替え時に発生する出力電力のオーバーシュートやバイアス電流の過剰供給を抑制できる。
【0054】
なお、時刻t2(第2タイミング)で、第1デジタル制御信号をレジスタ31に出力するとともに、第2バイアス電流の供給を停止するための第2デジタル制御信号をレジスタ33に出力することが望ましい。
【0055】
これによれば、第1バイアス電流が出力されるときに第2バイアス電流が停止されるので、消費電力を低減できる。
【0056】
また、時刻t1で出力される第2バイアス電流値は、時刻t2で出力される第1バイアス電流値よりも小さいことが望ましい。
【0057】
これによれば、要求出力電力(パワーモード)の切り替え時に、第1バイアス電流を供給する前に第1バイアス電流よりも小さい第2バイアス電流が供給されるので、パワーモードの切り替え時に電力増幅器11および12に供給されるバイアス電流を微調整できる。
【0058】
図4Aは、実施の形態に係る高周波モジュール1のパワーモード変化時(パワー増加時)における消費電流の時間応答特性を示すグラフである。また、図4Bは、比較例に係る高周波モジュール500のパワーモード変化時(パワー増加時)における消費電流の時間応答特性を示すグラフである。
【0059】
比較例に係る高周波モジュール500では、プリチャージ回路543から定常的に電流が供給されているので、図4Bに示すように、要求出力電力(パワーモード)の切り替えの遷移期間(図4Bの破線丸部)において、電力増幅器11および12から不要な消費電流が発生している。また、電力増幅器11および12の立ち上がり時の消費電流のオーバーシュート(スパイク)が顕著となる。特に5Gシステムなどの高速および大容量通信システムでは、立ち上がり時のオーバーシュート(スパイク)の発生する期間も通信に必要な時間となるため、当該期間に通信不良が発生するという問題が発生する。つまり、比較例に係る高周波モジュール500では、電力増幅器11および12の消費電流特性が要求出力電力値の変化に対して精度よく対応しておらず不安定な出力電力特性となる。
【0060】
これに対して、実施の形態に係る高周波モジュール1では、要求出力電力(パワーモード)の切り替え時(パワー増加時)に、第1バイアス電流を増加させる前に、パワーモード変化に応じた第2バイアス電流を第1バイアス電流の調整用電流として供給する。これにより、図4Aに示すように、要求出力電力(パワーモード)の切り替えの遷移期間(図4Aの破線丸部)において、電力増幅器11および12から不要な消費電流が発生しない期間があり、その後、消費電流が急激に立ち上がっている。また、電力増幅器11および12の立ち上がり時の消費電流のオーバーシュート(スパイク)を抑制できる。つまり、電力増幅器11および12の消費電流特性が要求出力電力値の変化に対して高精度に対応でき安定な出力特性となる。言い換えると、パワーモードを変更する際の急激なバイアス電流の変化を抑制することで、電力増幅器から要求出力電力を満たさない不要な応答を抑制し、通信装置4のパワーモード切り替え時の通信不良を低減することが可能となる。
【0061】
また、高周波モジュール1の上記構成によれば、縦続接続された電力増幅器11および12がバイアス回路23を兼用でき、例えば、第2バイアス電流を、第1バイアス電流および第3バイアス電流の調整用電流として用いることができる。よって、電力増幅器11および12の出力特性が安定した小型の高周波モジュール1を提供できる。
【0062】
[1.5 変形例1に係る高周波モジュール1Aの回路構成]
次に、変形例1に係る高周波モジュール1Aの回路構成について説明する。
【0063】
図5は、変形例1に係る高周波モジュール1Aの回路構成図である。同図に示すように、変形例1に係る高周波モジュール1Aは、電力増幅器11および12と、バイアス制御回路20と、バイアス回路21、22、23および24と、加算器51および52と、フィルタ60と、整合回路70と、アンテナ接続端子100と、信号入力端子110と、制御信号端子120と、を備える。本変形例に係る高周波モジュール1Aは、実施の形態に係る高周波モジュール1と比較して、バイアス回路24が付加されている点が異なる。以下、本変形例に係る高周波モジュール1Aについて、実施の形態に係る高周波モジュール1と同じ構成については説明を省略し、異なる構成を中心に説明する。
【0064】
バイアス回路21は、第1バイアス回路の一例であり、電力増幅器11に接続されている。バイアス回路21は、レジスタ31と、電流生成回路41と、を有している。
【0065】
バイアス回路22は、第3バイアス回路の一例であり、電力増幅器12に接続されている。バイアス回路22は、レジスタ32と、電流生成回路42と、を有している。
【0066】
バイアス回路23は、第2バイアス回路の一例であり、電力増幅器11に接続されている。バイアス回路23は、レジスタ33と、電流生成回路43と、を有している。
【0067】
バイアス回路24は、第4バイアス回路の一例であり、電力増幅器12に接続されている。バイアス回路24は、レジスタ34と、電流生成回路44と、を有している。レジスタ34は、第4レジスタの一例であり、バイアス制御回路20から電力増幅器12のパワーモードに対応した第4デジタル制御信号を受ける。電流生成回路44は、第4電流生成回路の一例であり、レジスタ34の情報に基づいて第4バイアス電流を生成するよう構成されている。具体的には、電流生成回路44は、第4DAコンバータおよび第4電流源回路を有している。第4DAコンバータは、レジスタ34に格納された、第4バイアス電流の大きさを示すデジタル信号をアナログ信号に変換し、第4電流源回路は、第4DAコンバータで変換されたアナログ信号に基づいて第4バイアス電流を生成する。
【0068】
加算器51は、バイアス回路21から出力された第1バイアス電流と、バイアス回路23から出力された第2バイアス電流とを合成(加算)する。加算器52は、バイアス回路22から出力された第3バイアス電流と、バイアス回路24から出力された第4バイアス電流とを合成(加算)する。
【0069】
バイアス制御回路20は、制御回路の一例であり、制御信号端子120と、バイアス回路21、22、23および24との間に接続されている。バイアス制御回路20は、電力増幅器11および12が出力すべき要求出力電力(パワーモード)に対応した制御信号をRFIC3から受け、当該制御信号に基づいて、第1デジタル制御信号をレジスタ31に供給し、第2デジタル制御信号をレジスタ33に供給し、第3デジタル制御信号をレジスタ32に供給し、第4デジタル制御信号をレジスタ34に供給するよう構成されている。第1デジタル制御信号~第4デジタル制御信号は、例えば、データ信号とクロック信号とを送信するソース同期方式の制御信号を用いることができるが、これに限定されない。例えば、第1デジタル制御信号~第4デジタル制御信号にクロック埋め込み方式が適用されてもよい。
【0070】
高周波モジュール1Aの上記構成によれば、電力増幅器11および12のそれぞれは、パワーモードに対応した2つのバイアス電流を受けることができる。上記2つのバイアス電流は、異なるレジスタの情報に基づいて個別に生成されるので、例えば、第2バイアス電流を第1バイアス電流の調整用電流として用いることで、電力増幅器11に1種類のバイアス電流が供給される場合に比べて、電力増幅器11の出力特性を安定化させることが可能となる。また例えば、第4バイアス電流を第3バイアス電流の調整用電流として用いることで、電力増幅器12に1種類のバイアス電流が供給される場合に比べて、電力増幅器12の出力特性を安定化させることが可能となる。また、電力増幅器11および12に対して個別にバイアス電流の調整用電流を供給できるので、高精度なバイアス電流の制御が可能となる。
【0071】
[1.6 変形例2に係る高周波モジュール1Bの回路構成]
次に、変形例2に係る高周波モジュール1Bの回路構成について説明する。
【0072】
図6は、変形例2に係る高周波モジュール1Bの回路構成図である。同図に示すように、変形例2に係る高周波モジュール1Bは、電力増幅器11および12と、バイアス制御回路20と、バイアス回路21、22、25および26と、加算器51および52と、フィルタ60と、整合回路70と、アンテナ接続端子100と、信号入力端子110と、制御信号端子120と、を備える。本変形例に係る高周波モジュール1Bは、変形例1に係る高周波モジュール1Aと比較して、バイアス回路23および24の代わりにバイアス回路25および26が付加されている点が異なる。以下、本変形例に係る高周波モジュール1Bについて、変形例1に係る高周波モジュール1Aと同じ構成については説明を省略し、異なる構成を中心に説明する。
【0073】
バイアス回路25は、第2バイアス回路の一例であり、電力増幅器11に接続されている。バイアス回路25は、レジスタ35と、電流生成回路45と、を有している。レジスタ35は、第2レジスタの一例であり、バイアス制御回路20から電力増幅器11のパワーモードに対応した第2デジタル制御信号を受ける。電流生成回路45は、第2電流生成回路の一例であり、レジスタ35の情報に基づいて第2バイアス電流を生成するよう構成されている。電流生成回路45は、第2電流源回路を有している。電流生成回路45は、第2DAコンバータを有さず、バイアス回路21の第1DAコンバータが、レジスタ35に格納された、第2バイアス電流の大きさを示すデジタル信号をアナログ信号に変換する。第2電流源回路は、第1DAコンバータに接続され、第1DAコンバータで変換されたアナログ信号に基づいて第2バイアス電流を生成する。
【0074】
バイアス回路26は、第4バイアス回路の一例であり、電力増幅器12に接続されている。バイアス回路26は、レジスタ36と、電流生成回路46と、を有している。レジスタ36は、第4レジスタの一例であり、バイアス制御回路20から電力増幅器12のパワーモードに対応した第4デジタル制御信号を受ける。電流生成回路46は、第4電流生成回路の一例であり、レジスタ36の情報に基づいて第4バイアス電流を生成するよう構成されている。電流生成回路46は、第4電流源回路を有している。電流生成回路46は、第4DAコンバータを有さず、バイアス回路22の第3DAコンバータが、レジスタ36に格納された、第4バイアス電流の大きさを示すデジタル信号をアナログ信号に変換する。第4電流源回路は、第3DAコンバータに接続され、第3DAコンバータで変換されたアナログ信号に基づいて第4バイアス電流を生成する。
【0075】
バイアス制御回路20は、制御回路の一例であり、制御信号端子120と、バイアス回路21、22、25および26との間に接続されている。バイアス制御回路20は、電力増幅器11および12が出力すべき要求出力電力に対応した制御信号をRFIC3から受け、当該制御信号に基づいて、第1デジタル制御信号をレジスタ31に供給し、第2デジタル制御信号をレジスタ35に供給し、第3デジタル制御信号をレジスタ32に供給し、第4デジタル制御信号をレジスタ36に供給するよう構成されている。第1デジタル制御信号~第4デジタル制御信号は、例えば、データ信号とクロック信号とを送信するソース同期方式の制御信号を用いることができるが、これに限定されない。例えば、第1デジタル制御信号~第4デジタル制御信号にクロック埋め込み方式が適用されてもよい。
【0076】
高周波モジュール1Bの上記構成によれば、電力増幅器11および12のそれぞれは、パワーモードに対応した2つのバイアス電流を受けることができる。よって、電力増幅器11および12の出力特性を安定化させることが可能となる。さらに、第2バイアス電流を生成する場合には、バイアス回路21の第1DAコンバータを用い、第4バイアス電流を生成する場合には、バイアス回路22の第3DAコンバータを用いるので、バイアス回路25および26がDAコンバータを有する必要が無く、バイアス回路25および26の回路規模を縮小できる。
【0077】
[1.7 変形例3に係る高周波モジュール1Cの回路構成]
次に、変形例3に係る高周波モジュール1Cの回路構成について説明する。
【0078】
図7は、変形例3に係る高周波モジュール1Cの回路構成図である。同図に示すように、変形例3に係る高周波モジュール1Cは、電力増幅器11、12および13と、バイアス制御回路20と、バイアス回路21、22、23および24と、加算器51および52と、フィルタ60と、整合回路70と、アンテナ接続端子100と、信号入力端子110と、制御信号端子120と、を備える。本変形例に係る高周波モジュール1Cは、変形例1に係る高周波モジュール1Aと比較して電力増幅器13が付加されている点、および、バイアス回路21~24の接続構成が異なる。以下、本変形例に係る高周波モジュール1Cについて、変形例1に係る高周波モジュール1Aと同じ構成については説明を省略し、異なる構成を中心に説明する。
【0079】
電力増幅器11は、第1電力増幅器の一例であり、信号入力端子110とアンテナ接続端子100との間に接続されており、第1バンドの高周波信号を増幅可能である。電力増幅器12は、第2電力増幅器の一例であり、信号入力端子110とアンテナ接続端子100との間に接続されており、第1バンドの高周波信号を増幅可能である。電力増幅器13は、信号入力端子110とアンテナ接続端子100との間に接続されており、第1バンドの高周波信号を増幅可能である。電力増幅器11、13、12は、信号入力端子110からこの順で、互いに縦続接続されている。
【0080】
電力増幅器11は高周波モジュール1のドライブアンプ(前段アンプ)に相当し、電力増幅器12は高周波モジュール1のパワーアンプ(後段アンプ)に相当する。
【0081】
バイアス回路21は、第1バイアス回路の一例であり、電力増幅器11および13に接続されている。バイアス回路21は、レジスタ31と、電流生成回路41と、を有している。
【0082】
バイアス回路22は、第3バイアス回路の一例であり、電力増幅器12に接続されている。バイアス回路22は、レジスタ32と、電流生成回路42と、を有している。
【0083】
バイアス回路23は、第2バイアス回路の一例であり、電力増幅器11および13に接続されている。バイアス回路23は、レジスタ33と、電流生成回路43と、を有している。
【0084】
バイアス回路24は、第4バイアス回路の一例であり、電力増幅器12に接続されている。バイアス回路24は、レジスタ34と、電流生成回路44と、を有している。
【0085】
バイアス制御回路20は、制御回路の一例であり、制御信号端子120と、バイアス回路21、22、23および24との間に接続されている。
【0086】
高周波モジュール1Cの上記構成によれば、電力増幅器11および13は、バイアス回路21および23からパワーモードに対応した同じ2つのバイアス電流を受けることができる。また、電力増幅器12は、バイアス回路22および24からパワーモードに対応した2つのバイアス電流を受けることができる。よって、電力増幅器11、12および13の出力特性を安定化させることが可能となる。さらに、電力増幅器11および13は同じバイアス回路21および23からバイアス電流を受けるので、3つの電力増幅器に対してバイアス回路の回路規模を縮小できる。
【0087】
なお、3つの電力増幅器11~13のうち、同じバイアス回路からバイアス電流を受ける組み合わせは、上述した電力増幅器11および13でなくてもよく、電力増幅器11および12の組み合わせ、または、電力増幅器12および13の組み合わせであってもよい。
【0088】
[1.8 変形例4に係る高周波モジュール1Dの回路構成]
次に、変形例4に係る高周波モジュール1Dの回路構成について説明する。
【0089】
図8は、変形例4に係る高周波モジュール1Dの回路構成図である。同図に示すように、変形例4に係る高周波モジュール1Dは、電力増幅器11、12および13と、バイアス制御回路20と、バイアス回路21、22、23、24および27と、加算器51および52と、フィルタ60と、整合回路70と、アンテナ接続端子100と、信号入力端子110と、制御信号端子120と、を備える。本変形例に係る高周波モジュール1Dは、変形例3に係る高周波モジュール1Cと比較して、バイアス回路27が付加されている点、および、バイアス回路21~24の接続構成が異なる。以下、本変形例に係る高周波モジュール1Dについて、変形例3に係る高周波モジュール1Cと同じ構成については説明を省略し、異なる構成を中心に説明する。
【0090】
バイアス回路21は、第1バイアス回路の一例であり、電力増幅器11に接続されている。バイアス回路21は、レジスタ31と、電流生成回路41と、を有している。
【0091】
バイアス回路22は、第3バイアス回路の一例であり、電力増幅器13に接続されている。バイアス回路22は、レジスタ32と、電流生成回路42と、を有している。
【0092】
バイアス回路23は、第2バイアス回路の一例であり、電力増幅器11に接続されている。バイアス回路23は、レジスタ33と、電流生成回路43と、を有している。
【0093】
バイアス回路24は、第4バイアス回路の一例であり、電力増幅器13に接続されている。バイアス回路24は、レジスタ34と、電流生成回路44と、を有している。
【0094】
バイアス回路27は、電力増幅器12に接続されている。バイアス回路27は、レジスタ37と、電流生成回路47と、を有している。
【0095】
バイアス制御回路20は、制御回路の一例であり、制御信号端子120と、バイアス回路21、22、23、24および27との間に接続されている。
【0096】
高周波モジュール1Dの上記構成によれば、電力増幅器11は、バイアス回路21および23からパワーモードに対応した2つのバイアス電流を受けることができる。また、電力増幅器13は、バイアス回路22および24からパワーモードに対応した2つのバイアス電流を受けることができる。一方、電力増幅器12は、バイアス回路27からパワーモードに対応した1つのバイアス電流を受けることができる。よって、電力増幅器11および13の出力特性を安定化させることが可能となる。なお、3つの電力増幅器11~13のうち、1つのバイアス回路から1つのバイアス電流を受ける電力増幅器は、上述した電力増幅器12でなくてもよく、電力増幅器11または13であってもよい。
【0097】
[1.9 変形例5に係る高周波モジュール1Eの回路構成]
次に、変形例5に係る高周波モジュール1Eおよび通信装置4Eの回路構成について説明する。
【0098】
図9は、変形例5に係る高周波モジュール1Eおよび通信装置4Eの回路構成図である。同図に示すように、本変形例に係る通信装置4Eは、高周波モジュール1Eと、アンテナ2と、RFIC3と、を備える。本変形例に係る通信装置4Eは、実施の形態に係る通信装置4と比較して、高周波モジュール1Eの構成のみが異なる。よって以下では、本変形例に係る高周波モジュール1Eの構成について説明する。
【0099】
図9に示すように、変形例5に係る高周波モジュール1Eは、電力増幅器11、12、14および15と、バイアス制御回路20と、バイアス回路21、22、23および24と、レジスタ38と、加算器51および52と、フィルタ60および61と、整合回路70および71と、スイッチ91および92と、アンテナ接続端子100と、信号入力端子110および111と、制御信号端子120と、を備える。本変形例に係る高周波モジュール1Eは、変形例1に係る高周波モジュール1Aと比較して、電力増幅器14および15、レジスタ38、スイッチ91および92、フィルタ61、ならびに整合回路71が付加されている点が異なる。以下、本変形例に係る高周波モジュール1Eについて、変形例1に係る高周波モジュール1Aと同じ構成については説明を省略し、異なる構成を中心に説明する。
【0100】
電力増幅器11は、第1電力増幅器の一例であり、信号入力端子110とアンテナ接続端子100との間に接続されており、第1バンドの高周波信号を増幅可能である。電力増幅器12は、第2電力増幅器の一例であり、信号入力端子110とアンテナ接続端子100との間に接続されており、第1バンドの高周波信号を増幅可能である。電力増幅器12は、電力増幅器11と縦続接続されている。
【0101】
電力増幅器14は、第3電力増幅器の一例であり、信号入力端子111とアンテナ接続端子100との間に接続されており、第2バンドの高周波信号を増幅可能である。電力増幅器15は、信号入力端子111とアンテナ接続端子100との間に接続されており、第2バンドの高周波信号を増幅可能である。電力増幅器15は、電力増幅器14と縦続接続されている。
【0102】
バイアス回路21は、第1バイアス回路の一例であり、スイッチ91を介して電力増幅器11または14に接続される。バイアス回路21は、レジスタ31と、電流生成回路41と、を有している。レジスタ31は、第1レジスタの一例であり、バイアス制御回路20から電力増幅器11のパワーモードに対応した第1デジタル制御信号、および、電力増幅器14のパワーモードに対応した第5デジタル制御信号を受ける。電流生成回路41は、第1電流生成回路の一例であり、レジスタ31の情報に基づいて第1バイアス電流を生成するよう構成されている。具体的には、電流生成回路41は、第1DAコンバータおよび第1電流源回路を有している。第1DAコンバータは、レジスタ31に格納された、第1バイアス電流の大きさを示すデジタル情報をアナログ信号に変換し、第1電流源回路は、第1DAコンバータで変換されたアナログ信号に基づいて第1バイアス電流を生成する。
【0103】
バイアス回路22は、第3バイアス回路の一例であり、スイッチ91を介して電力増幅器12または15に接続される。バイアス回路22は、レジスタ32と、電流生成回路42と、を有している。レジスタ32は、第3レジスタの一例であり、バイアス制御回路20から電力増幅器12のパワーモードに対応した第3デジタル制御信号、および、電力増幅器15のパワーモードに対応した第7デジタル制御信号を受ける。電流生成回路42は、第3電流生成回路の一例であり、レジスタ32の情報に基づいて第3バイアス電流を生成するよう構成されている。具体的には、電流生成回路42は、第3DAコンバータおよび第3電流源回路を有している。第3DAコンバータは、レジスタ32に格納された、第3バイアス電流の大きさを示すデジタル信号をアナログ信号に変換し、第3電流源回路は、第3DAコンバータで変換されたアナログ信号に基づいて第3バイアス電流を生成する。
【0104】
バイアス回路23は、第2バイアス回路の一例であり、スイッチ91を介して電力増幅器11または14に接続される。バイアス回路23は、レジスタ33と、電流生成回路43と、を有している。レジスタ33は、第2レジスタの一例であり、バイアス制御回路20から電力増幅器11のパワーモードに対応した第2デジタル制御信号、および、電力増幅器14のパワーモードに対応した第6デジタル制御信号を受ける。電流生成回路43は、第2電流生成回路の一例であり、レジスタ33の情報に基づいて第2バイアス電流を生成するよう構成されている。具体的には、電流生成回路43は、第2DAコンバータおよび第2電流源回路を有している。第2DAコンバータは、レジスタ33に格納された、第2バイアス電流の大きさを示すデジタル信号をアナログ信号に変換し、第2電流源回路は、第2DAコンバータで変換されたアナログ信号に基づいて第2バイアス電流を生成する。
【0105】
バイアス回路24は、第4バイアス回路の一例であり、スイッチ91を介して電力増幅器12または15に接続される。バイアス回路24は、レジスタ34と、電流生成回路44と、を有している。レジスタ34は、第4レジスタの一例であり、バイアス制御回路20から電力増幅器12のパワーモードに対応した第4デジタル制御信号、および、電力増幅器15のパワーモードに対応した第8デジタル制御信号を受ける。電流生成回路44は、第4電流生成回路の一例であり、レジスタ34の情報に基づいて第4バイアス電流を生成するよう構成されている。具体的には、電流生成回路44は、第4DAコンバータおよび第4電流源回路を有している。第4DAコンバータは、レジスタ34に格納された、第4バイアス電流の大きさを示すデジタル信号をアナログ信号に変換し、第4電流源回路は、第4DAコンバータで変換されたアナログ信号に基づいて第4バイアス電流を生成する。
【0106】
レジスタ38は、バイアス制御回路20とスイッチ91との間に接続され、バイアス制御回路20から第1バンドおよび第2バンドのうちの伝送すべきバンドの信号に対応した第9デジタル制御信号を受ける。
【0107】
加算器51は、バイアス回路21および23とスイッチ91との間に接続され、バイアス回路21から出力された第1バイアス電流と、バイアス回路23から出力された第2バイアス電流とを合成(加算)する。加算器52は、バイアス回路22および24とスイッチ91との間に接続され、バイアス回路22から出力された第3バイアス電流と、バイアス回路24から出力された第4バイアス電流とを合成(加算)する。
【0108】
バイアス制御回路20は、制御回路の一例であり、制御信号端子120と、バイアス回路21~24およびレジスタ38との間に接続されている。バイアス制御回路20は、電力増幅器11、12、14および15が出力すべき要求出力電力に対応した制御信号をRFIC3から受け、当該制御信号に基づいて、第1デジタル制御信号および第5デジタル制御信号をレジスタ31に供給し、第2デジタル制御信号および第6デジタル制御信号をレジスタ33に供給し、第3デジタル制御信号および第7デジタル制御信号をレジスタ32に供給し、第4デジタル制御信号および第8デジタル制御信号をレジスタ34に供給するよう構成されている。また、バイアス制御回路20は、第1バンドおよび第2バンドのうち高周波モジュール1Eが伝送すべきバンドの信号に対応した制御信号をRFIC3から受け、当該制御信号に基づいて、第9デジタル制御信号をレジスタ38に供給する。
【0109】
スイッチ91は、第1スイッチの一例であり、バイアス回路21~24と電力増幅器11、12、14および15との間に接続され、レジスタ38から供給された第9デジタル制御信号により、バイアス回路21および23と電力増幅器11との接続、ならびに、バイアス回路21および23と電力増幅器14との接続を切り替える。また、スイッチ91は、第9デジタル制御信号により、バイアス回路22および24と電力増幅器12との接続、ならびに、バイアス回路22および24と電力増幅器15との接続を切り替える。
【0110】
フィルタ61は、アンテナ接続端子100と電力増幅器15との間に接続され、第2バンドを含む通過帯域を有する。整合回路71は、信号入力端子111と電力増幅器14との間に接続され、RFIC3と電力増幅器14とのインピーダンス整合をとる。
【0111】
スイッチ92は、アンテナ接続端子100と電力増幅器11および12との接続、ならびに、アンテナ接続端子100と電力増幅器14および15との接続を切り替える。
【0112】
高周波モジュール1Eの上記構成によれば、スイッチ91により選択された電力増幅器11または14は、バイアス回路21および23からパワーモードに対応した2つのバイアス電流を受けることができる。また、スイッチ91により選択された電力増幅器12または15は、バイアス回路22および24からパワーモードに対応した2つのバイアス電流を受けることができる。つまり、第1バイアス電流および第2バイアス電流を、電力増幅器11および14のいずれかに選択的に供給でき、第3バイアス電流および第4バイアス電流を、電力増幅器12および15のいずれかに選択的に供給できる。よって、電力増幅器11、12、14および15の出力特性を安定化させることが可能となる。
【0113】
また、バイアス回路21~24、レジスタ38、スイッチ91およびバイアス制御回路20は、1つの半導体IC81に含まれている。これによれば、高周波モジュール1Eを小型化できる。
【0114】
なお、半導体IC81は、電力増幅器11、12、14および15を含んでもよい。これによれば、高周波モジュール1Eを、より小型化できる。
【0115】
[1.10 変形例6に係る高周波モジュール1Fの回路構成]
次に、変形例6に係る高周波モジュール1Fの回路構成について説明する。
【0116】
図10は、変形例6に係る高周波モジュール1Fの回路構成図である。同図に示すように、高周波モジュール1Fは、電力増幅器11、12、14および15と、バイアス制御回路20と、バイアス回路21、22、23および24と、レジスタ38および39と、フィルタ60および61と、整合回路70および71と、スイッチ92、93および94と、アンテナ接続端子100と、信号入力端子110および111と、制御信号端子120と、を備える。本変形例に係る高周波モジュール1Fは、変形例5に係る高周波モジュール1Eと比較して、スイッチ91の代わりに、スイッチ93および94が付加されている点が異なる。以下、本変形例に係る高周波モジュール1Fについて、変形例5に係る高周波モジュール1Eと同じ構成については説明を省略し、異なる構成を中心に説明する。
【0117】
バイアス回路21は、第1バイアス回路の一例であり、スイッチ93および94を介して電力増幅器11または14に接続される。バイアス回路21は、レジスタ31と、電流生成回路41と、を有している。
【0118】
バイアス回路22は、第3バイアス回路の一例であり、スイッチ93および94を介して電力増幅器12または15に接続される。バイアス回路22は、レジスタ32と、電流生成回路42と、を有している。
【0119】
バイアス回路23は、第2バイアス回路の一例であり、スイッチ94を介して電力増幅器11または14に接続される。バイアス回路23は、レジスタ33と、電流生成回路43と、を有している。
【0120】
バイアス回路24は、第4バイアス回路の一例であり、スイッチ94を介して電力増幅器12または15に接続される。バイアス回路24は、レジスタ34と、電流生成回路44と、を有している。
【0121】
レジスタ38は、バイアス制御回路20とスイッチ93との間に接続され、バイアス制御回路20から第1バンドおよび第2バンドのうちの伝送すべきバンドの信号に対応した第9デジタル制御信号を受ける。
【0122】
レジスタ39は、バイアス制御回路20とスイッチ94との間に接続され、バイアス制御回路20から第1バンドおよび第2バンドのうちの伝送すべきバンドの信号に対応した第10デジタル制御信号を受ける。
【0123】
バイアス制御回路20は、制御回路の一例であり、制御信号端子120と、バイアス回路21~24、レジスタ38および39との間に接続されている。バイアス制御回路20は、電力増幅器11、12、14および15が出力すべき要求出力電力に対応した制御信号をRFIC3から受け、当該制御信号に基づいて、第1デジタル制御信号および第5デジタル制御信号をレジスタ31に供給し、第2デジタル制御信号および第6デジタル制御信号をレジスタ33に供給し、第3デジタル制御信号および第7デジタル制御信号をレジスタ32に供給し、第4デジタル制御信号および第8デジタル制御信号をレジスタ34に供給するよう構成されている。また、バイアス制御回路20は、第1バンドおよび第2バンドのうち高周波モジュール1Fが伝送すべきバンドの信号に対応した制御信号をRFIC3から受け、当該制御信号に基づいて、第9デジタル制御信号をレジスタ38に供給し、第10デジタル制御信号をレジスタ39に供給する。
【0124】
スイッチ93は、第1スイッチの一例であり、バイアス回路21および22と電力増幅器11、12、14および15との間に接続され、レジスタ38から供給された第9デジタル制御信号により、バイアス回路21と電力増幅器11との接続、および、バイアス回路21と電力増幅器14との接続を切り替える。また、スイッチ93は、第9デジタル制御信号により、バイアス回路22と電力増幅器12との接続、および、バイアス回路22と電力増幅器15との接続を切り替える。
【0125】
スイッチ94は、第2スイッチの一例であり、バイアス回路23および24と電力増幅器11、12、14および15との間に接続され、レジスタ39から供給された第10デジタル制御信号により、バイアス回路23と電力増幅器11との接続、および、バイアス回路23と電力増幅器14との接続を切り替える。また、スイッチ94は、第10デジタル制御信号により、バイアス回路24と電力増幅器12との接続、および、バイアス回路24と電力増幅器15との接続を切り替える。
【0126】
高周波モジュール1Fの上記構成によれば、スイッチ94により選択された電力増幅器11または14は、バイアス回路23からパワーモードに対応したバイアス電流を受けることができる。また、スイッチ94により選択された電力増幅器12または15は、バイアス回路24からパワーモードに対応したバイアス電流を受けることができる。つまり、第2バイアス電流を、電力増幅器11および14のいずれかに選択的に供給でき、第4バイアス電流を、電力増幅器12および15のいずれかに選択的に供給できる。よって、電力増幅器11、12、14および15の出力特性を安定化させることが可能となる。
【0127】
[1.11 変形例7に係る高周波モジュール1Gの回路構成]
次に、変形例7に係る高周波モジュール1Gの回路構成について説明する。
【0128】
図11は、変形例7に係る高周波モジュール1Gの回路構成図である。同図に示すように、高周波モジュール1Gは、電力増幅器11、12、14および15と、バイアス制御回路20と、バイアス回路21、22、121および122と、フィルタ60および61と、整合回路70および71と、スイッチ92および95と、アンテナ接続端子100と、信号入力端子110および111と、制御信号端子120と、を備える。本変形例に係る高周波モジュール1Gは、変形例5に係る高周波モジュール1Eと比較して、スイッチ91の代わりに、スイッチ95が付加されている点が異なる。以下、本変形例に係る高周波モジュール1Gについて、変形例5に係る高周波モジュール1Eと同じ構成については説明を省略し、異なる構成を中心に説明する。
【0129】
バイアス回路21は、第1バイアス回路の一例であり、スイッチ95を介して電力増幅器11または14に接続される。バイアス回路21は、レジスタ31と、電流生成回路41と、を有している。
【0130】
バイアス回路22は、第3バイアス回路の一例であり、スイッチ95を介して電力増幅器12または15に接続される。バイアス回路22は、レジスタ32と、電流生成回路42と、を有している。
【0131】
バイアス回路121は、第2バイアス回路の一例であり、スイッチ95を介して電力増幅器11または14に接続される。バイアス回路121は、レジスタ131と、電流生成回路141と、を有している。レジスタ131は、第2レジスタの一例であり、バイアス制御回路20から電力増幅器11のパワーモードに対応した第2デジタル制御信号、および、電力増幅器14のパワーモードに対応した第6デジタル制御信号を受ける。電流生成回路141は、第2電流生成回路の一例であり、レジスタ131の情報に基づいて第2バイアス電流を生成するよう構成されている。具体的には、電流生成回路141は、第2DAコンバータおよび第2電流源回路を有している。第2DAコンバータは、レジスタ131に格納された、第2バイアス電流の大きさを示すデジタル信号をアナログ信号に変換し、第2電流源回路は、第2DAコンバータで変換されたアナログ信号に基づいて第2バイアス電流を生成する。
【0132】
バイアス回路122は、第4バイアス回路の一例であり、スイッチ95を介して電力増幅器12または15に接続される。バイアス回路122は、レジスタ132と、電流生成回路142と、を有している。レジスタ132は、第4レジスタの一例であり、バイアス制御回路20から電力増幅器12のパワーモードに対応した第4デジタル制御信号、および、電力増幅器15のパワーモードに対応した第8デジタル制御信号を受ける。電流生成回路142は、第4電流生成回路の一例であり、レジスタ132の情報に基づいて第4バイアス電流を生成するよう構成されている。具体的には、電流生成回路142は、第4DAコンバータおよび第4電流源回路を有している。第4DAコンバータは、レジスタ132に格納された、第4バイアス電流の大きさを示すデジタル信号をアナログ信号に変換し、第4電流源回路は、第4DAコンバータで変換されたアナログ信号に基づいて第4バイアス電流を生成する。
【0133】
バイアス制御回路20は、制御回路の一例であり、制御信号端子120と、バイアス回路21、22、121および122との間に接続されている。バイアス制御回路20は、電力増幅器11、12、14および15が出力すべき要求出力電力に対応した制御信号をRFIC3から受け、当該制御信号に基づいて、第1デジタル制御信号および第5デジタル制御信号をレジスタ31に供給し、第3デジタル制御信号および第7デジタル制御信号をレジスタ32に供給し、第2デジタル制御信号および第6デジタル制御信号をレジスタ131に供給し、第4デジタル制御信号および第8デジタル制御信号をレジスタ132に供給するよう構成されている。
【0134】
スイッチ95は、第3スイッチの一例であり、バイアス回路21、22、121および122と電力増幅器11、12、14および15との間に接続され、バイアス回路21と電力増幅器11との接続、および、バイアス回路21と電力増幅器14との接続を切り替える。また、スイッチ95は、バイアス回路22と電力増幅器12との接続、および、バイアス回路22と電力増幅器15との接続を切り替える。また、スイッチ95は、バイアス回路121と電力増幅器11との接続、および、バイアス回路121と電力増幅器14との接続を切り替える。また、スイッチ95は、バイアス回路122と電力増幅器12との接続、および、バイアス回路122と電力増幅器15との接続を切り替える。
【0135】
上記構成によれば、高周波モジュール1Gが第1バンドの信号を伝送する場合、スイッチ95により、バイアス回路21および121と電力増幅器11とが接続され、バイアス回路22および122と電力増幅器12とが接続される。これにより、電力増幅器11において、第2バイアス電流を、第1バイアス電流の調整用電流として用いることができ、また、電力増幅器12において、第4バイアス電流を、第3バイアス電流の調整用電流として用いることができる。一方、高周波モジュール1Gが第2バンドの信号を伝送する場合、スイッチ95により、バイアス回路21および121と電力増幅器14とが接続され、バイアス回路22および122と電力増幅器15とが接続される。これにより、電力増幅器14において、第2バイアス電流を、第1バイアス電流の調整用電流として用いることができ、また、電力増幅器15において、第4バイアス電流を、第3バイアス電流の調整用電流として用いることができる。よって、電力増幅器11、12、14および15の出力特性を安定化させることが可能となる。
【0136】
[1.12 変形例8に係る高周波モジュール1Hの回路構成]
次に、変形例8に係る高周波モジュール1Hの回路構成について説明する。
【0137】
図12は、変形例8に係る高周波モジュール1Hの回路構成図である。同図に示すように、高周波モジュール1Hは、電力増幅器11および12と、バイアス制御回路20と、バイアス回路21、22、123および124と、加算器51および52と、減算器53および54と、FET75および76と、フィルタ60と、整合回路70と、アンテナ接続端子100と、信号入力端子110と、制御信号端子120と、を備える。本変形例に係る高周波モジュール1Hは、変形例1に係る高周波モジュール1Aと比較して、FET75および76、ならびに減算器53および54で構成された引抜き回路が付加されている点が異なる。以下、本変形例に係る高周波モジュール1Hについて、変形例1に係る高周波モジュール1Aと同じ構成については説明を省略し、異なる構成を中心に説明する。
【0138】
バイアス回路21は、第1バイアス回路の一例であり、電力増幅器11に接続されている。バイアス回路21は、レジスタ31と、電流生成回路41と、を有している。
【0139】
バイアス回路22は、第3バイアス回路の一例であり、電力増幅器12に接続されている。バイアス回路22は、レジスタ32と、電流生成回路42と、を有している。
【0140】
バイアス回路123は、第2バイアス回路の一例であり、電力増幅器11に接続されている。バイアス回路123は、レジスタ133と、電流生成回路143と、を有している。レジスタ133は、第2レジスタの一例であり、バイアス制御回路20から電力増幅器11のパワーモードに対応した第2デジタル制御信号を受ける。電流生成回路143は、第2電流生成回路の一例であり、レジスタ133の情報に基づいて第2バイアス電流を生成するよう構成されている。具体的には、電流生成回路143は、第2DAコンバータおよび第2電流源回路を有している。第2DAコンバータは、レジスタ133に格納された、第2バイアス電流の大きさを示すデジタル信号をアナログ信号に変換し、第2電流源回路は、第2DAコンバータで変換されたアナログ信号に基づいて第2バイアス電流を生成する。
【0141】
バイアス回路124は、第4バイアス回路の一例であり、電力増幅器12に接続されている。バイアス回路124は、レジスタ134と、電流生成回路144と、を有している。レジスタ134は、第4レジスタの一例であり、バイアス制御回路20から電力増幅器12のパワーモードに対応した第4デジタル制御信号を受ける。電流生成回路144は、第4電流生成回路の一例であり、レジスタ134の情報に基づいて第4バイアス電流を生成するよう構成されている。具体的には、電流生成回路144は、第4DAコンバータおよび第4電流源回路を有している。第4DAコンバータは、レジスタ134に格納された、第4バイアス電流の大きさを示すデジタル信号をアナログ信号に変換し、第4電流源回路は、第4DAコンバータで変換されたアナログ信号に基づいて第4バイアス電流を生成する。
【0142】
減算器53は、バイアス回路21から出力された第1バイアス電流の一部を、バイアス回路21および電力増幅器11を結ぶ経路から引き抜くよう構成されている。減算器54は、バイアス回路22から出力された第3バイアス電流の一部を、バイアス回路22および電力増幅器12を結ぶ経路から引き抜くよう構成されている。
【0143】
FET(Field Effect Transistor)75は、第1トランジスタの一例であり、ゲート端子(第1制御端子)がバイアス回路123に接続され、ドレイン端子(第1端子)が減算器53に接続され、ソース端子(第2端子)がグランドに接続されている。
【0144】
FET76は、ゲート端子がバイアス回路124に接続され、ドレイン端子が減算器54に接続され、ソース端子がグランドに接続されている。
【0145】
FET75と減算器53とは、第1引抜き回路を構成し、バイアス回路21から出力された第1バイアス電流の一部を、バイアス回路21および電力増幅器11を結ぶ経路から引き抜くよう構成されている。
【0146】
バイアス制御回路20は、制御回路の一例であり、制御信号端子120と、バイアス回路21、22、123および124との間に接続されている。バイアス制御回路20は、電力増幅器11および12が出力すべき要求出力電力に対応した制御信号をRFIC3から受け、当該制御信号に基づいて、第1デジタル制御信号をレジスタ31に供給し、第2デジタル制御信号をレジスタ133に供給し、第3デジタル制御信号をレジスタ32に供給し、第4デジタル制御信号をレジスタ134に供給するよう構成されている。第1デジタル制御信号~第4デジタル制御信号は、例えば、データ信号とクロック信号とを送信するソース同期方式の制御信号を用いることができるが、これに限定されない。例えば、第1デジタル制御信号~第4デジタル制御信号にクロック埋め込み方式が適用されてもよい。
【0147】
高周波モジュール1Hの上記構成によれば、電力増幅器11のパワーモードがハイパワー(例えば23dBm)からローパワー(例えば10dBm)への切り替え時に、第2デジタル制御信号に基づいて、バイアス回路123からFET75のゲート端子に、FET75が導通するようなゲート電圧が印加される。これにより、バイアス回路21から供給される第1バイアス電流の一部を予め引き抜くことが可能となる。言い換えると、第2デジタル制御信号に基づいて、負の第2バイアス電流を、第1バイアス電流の調整用電流として用いることができる。同様に、電力増幅器12のパワーモードがハイパワー(例えば23dBm)からローパワー(例えば10dBm)への切り替え時に、第4デジタル制御信号に基づいて、バイアス回路124からFET76のゲート端子に、FET76が導通するようなゲート電圧が印加される。これにより、バイアス回路22から供給される第3バイアス電流の一部を予め引き抜くことが可能となる。言い換えると、第4デジタル制御信号に基づいて、負の第4バイアス電流を、第3バイアス電流の調整用電流として用いることができる。
【0148】
よって、例えばハイパワーモードからローパワーモードへと変化する瞬間に、予め第1バイアス電流を小さくすることができるので、電力増幅器11および12の出力の立下り時間を短縮することが可能となる。
【0149】
また、第1引抜き回路がFET75を有することにより、バイアス回路123からFET75に印加されるゲート電圧(制御信号)により、上記経路からの第1バイアス電流の引き抜き量を調整できる。
【0150】
なお、減算器53および54は、バイアス電流の一部を引き抜く(減算する)機能を有していればよい。この観点から、バイアス回路123が電力増幅器11とバイアス回路21とを結ぶ経路上の第3ノードに接続されている場合には、第3ノードが減算器53に相当する。また、バイアス回路124が電力増幅器12とバイアス回路22とを結ぶ経路上の第4ノードに接続されている場合には、第4ノードが減算器54に相当する。
【0151】
[1.13 変形例9に係る高周波モジュール1Jの回路構成]
次に、変形例9に係る高周波モジュール1Jの回路構成について説明する。
【0152】
図13は、変形例9に係る高周波モジュール1Jの回路構成図である。同図に示すように、高周波モジュール1Jは、電力増幅器11および12と、バイアス制御回路20と、バイアス回路21、22、123および124と、FET75および76と、スイッチ96および97と、フィルタ60と、整合回路70と、アンテナ接続端子100と、信号入力端子110と、制御信号端子120と、を備える。本変形例に係る高周波モジュール1Jは、変形例8に係る高周波モジュール1Hと比較して、スイッチ96および97が付加されている点が異なる。以下、本変形例に係る高周波モジュール1Jについて、変形例8に係る高周波モジュール1Hと同じ構成については説明を省略し、異なる構成を中心に説明する。
【0153】
スイッチ96は、第4スイッチの一例であり、FET75およびバイアス回路123と、バイアス回路21および電力増幅器11を結ぶ経路との間に接続され、FET75と上記経路との接続、および、バイアス回路123と上記経路との接続を切り替える。具体的には、スイッチ96の共通端子は上記経路上のノード55に接続され、スイッチ96の第1選択端子はバイアス回路123に接続され、スイッチ96の第2選択端子はFET75に接続されている。
【0154】
スイッチ97は、FET76およびバイアス回路124と、バイアス回路22および電力増幅器12を結ぶ経路との間に接続され、FET76と上記経路との接続、および、バイアス回路124と上記経路との接続を切り替える。具体的には、スイッチ97の共通端子は上記経路上のノード56に接続され、スイッチ97の第1選択端子はバイアス回路124に接続され、スイッチ97の第2選択端子はFET76に接続されている。
【0155】
上記構成によれば、バイアス回路123からの指示に従いスイッチ96を切り替えることで、例えばローパワーモードからハイパワーモードへと変化する瞬間には、バイアス回路123から第2バイアス電流を調整電流として出力し、ハイパワーモードからローパワーモードへと変化する瞬間には、上記経路から第1バイアス電流の一部を引き抜くことが可能となる。また、バイアス回路124からの指示に従いスイッチ97を切り替えることで、例えばローパワーモードからハイパワーモードへと変化する瞬間には、バイアス回路124から第4バイアス電流を調整電流として出力し、ハイパワーモードからローパワーモードへと変化する瞬間には、上記経路から第3バイアス電流の一部を引き抜くことが可能となる。
【0156】
図14Aは、変形例8に係る高周波モジュール1H(および変形例9に係る高周波モジュール1J)のパワーモード変化時(パワー減少時)における消費電流の時間応答特性を示すグラフである。また、図14Bは、比較例に係る高周波モジュール500のパワーモード変化時(パワー減少時)における消費電流の時間応答特性を示すグラフである。
【0157】
比較例に係る高周波モジュール500では、プリチャージ回路543から定常的に電流が供給されているので、図14Bに示すように、要求出力電力(パワーモード)の切り替えの遷移期間(図14Bの破線丸部)において、電力増幅器11および12から不要な消費電流が発生している。また、電力増幅器11および12の立ち下がり時の消費電流のスパイク波形が顕著となる。
【0158】
これに対して、変形例8に係る高周波モジュール1H(および変形例9に係る高周波モジュール1J)では、要求出力電力(パワーモード)の切り替え時(パワー減少時)に、第1バイアス電流を減少させる前に、パワーモード変化に応じて第1バイアス電流の調整用電流として、第1バイアス電流の一部を引き抜く。これにより、図14Aに示すように、要求出力電力(パワーモード)の切り替えの遷移期間(図14Aの破線丸部)において、電力増幅器11および12から不要な消費電流が発生しない期間があり、その後、消費電流の立ち下がり時のスパイク波形も抑制されている。言い換えると、パワーモードを変更する際の急激なバイアス電流の変化を抑制することで、電力増幅器から要求出力電力を満たさない不要な応答を抑制し、パワーモード切り替え時の通信不良を低減することが可能となる。
【0159】
[2 効果など]
以上のように、本実施の形態に係る高周波モジュール1は、電力増幅器11と、電力増幅器11に接続されたバイアス回路21と、電力増幅器11に接続されたバイアス回路23と、を備え、バイアス回路21は、電力増幅器11のパワーモードに対応した第1デジタル制御信号を受けるレジスタ31と、レジスタ31の情報に基づいて第1バイアス電流を生成するよう構成された電流生成回路41と、を有し、バイアス回路23は、パワーモードに対応した第2デジタル制御信号を受けるレジスタ33と、レジスタ33の情報に基づいて第2バイアス電流を生成するよう構成された電流生成回路43と、を有する。
【0160】
これによれば、電力増幅器11は、パワーモードに対応した2つのバイアス電流(第1バイアス電流および第2バイアス電流)を受けることができる。上記2つのバイアス電流は、異なるレジスタの情報に基づいて個別に生成されるので、例えば、第2バイアス電流を、第1バイアス電流の調整用電流として用いることで、電力増幅器11に1種類のバイアス電流が供給される場合に比べて、要求出力電力の変化に対して電力増幅器11の出力電力特性を安定化させることが可能となる。
【0161】
また例えば、高周波モジュール1において、バイアス回路23は、電力増幅器11とバイアス回路21とを結ぶ経路に接続されていてもよい。
【0162】
これによれば、第1バイアス電流と第2バイアス電流とが、上記経路上のノードにて電流合成されて電力増幅器11に供給されるので、電力増幅器11のバイアス供給端子を1つにできる。
【0163】
また例えば、高周波モジュール1において、電流生成回路41は、レジスタ31に接続された第1DAコンバータと、第1DAコンバータに接続された第1電流源回路と、を有し、電流生成回路43は、レジスタ33に接続された第2DAコンバータと、第2DAコンバータに接続された第2電流源回路と、を有してもよい。
【0164】
これによれば、バイアス回路21および23にて、レジスタに格納された、バイアス電流の大きさを示すデジタル情報をアナログ電流値に変換することが可能となる。
【0165】
また例えば、変形例2に係る高周波モジュール1Bにおいて、電流生成回路41は、レジスタ31およびレジスタ35に接続された第1DAコンバータと、第1DAコンバータに接続された第1電流源回路と、を有し、電流生成回路45は、第1DAコンバータに接続された第2電流源回路を有してもよい。
【0166】
これによれば、バイアス回路25にて第2バイアス電流を生成する場合には、バイアス回路21の第1DAコンバータを用いるので、バイアス回路25がDAコンバータを有する必要が無く、バイアス回路25の回路規模を縮小できる。
【0167】
また例えば、高周波モジュール1は、さらに、第1デジタル制御信号をレジスタ31に供給し、かつ、第2デジタル制御信号をレジスタ33に供給するよう構成されたバイアス制御回路20を備えてもよい。
【0168】
これによれば、1つのバイアス制御回路20がバイアス回路21および23の双方を制御することで、両バイアス回路の起動タイミングを同調させることができる。つまり、第2バイアス電流の大きさおよび出力タイミングを第1バイアス電流に対応させることができるので、電力増幅器11からの出力電力を安定化できる。
【0169】
また例えば、高周波モジュール1において、バイアス制御回路20は、パワーモードが切り替わる時刻t1で第2デジタル制御信号をレジスタ33に出力することで、バイアス回路23から第2バイアス電流を出力させ、時刻t1から所定時間経過後の時刻t2で第1デジタル制御信号をレジスタ31に出力することで、バイアス回路21から第1バイアス電流を出力させてもよい。
【0170】
これによれば、パワーモードの切り替え時に、第1バイアス電流を供給する前に第2バイアス電流がパワーモードに応じて供給されるので、上記切り替え時に発生する出力電力のオーバーシュート(スパイク波形)やバイアス電流の過剰供給を抑制できる。
【0171】
また例えば、高周波モジュール1において、第2デジタル制御信号により出力される第2バイアス電流は、第1デジタル制御信号により出力される第1バイアス電流よりも小さくてもよい。
【0172】
これによれば、パワーモードの切り替え時に、第1バイアス電流を供給する前に第1バイアス電流よりも小さい第2バイアス電流が供給されるので、パワーモードの切り替え時に電力増幅器11に供給されるバイアス電流を微調整できる。
【0173】
また例えば、高周波モジュール1において、バイアス制御回路20は、時刻t2で第1デジタル制御信号をレジスタ31に出力するとともに、第2バイアス電流の供給を停止する第2デジタル制御信号をレジスタ33に出力してもよい。
【0174】
これによれば、第1バイアス電流が出力されるときに第2バイアス電流が停止されるので、消費電力を低減できる。
【0175】
また例えば、高周波モジュール1は、さらに、電力増幅器11と縦続接続された電力増幅器12と、電力増幅器12に接続されたバイアス回路22と、を備え、バイアス回路22は、電力増幅器12のパワーモードに対応した第3デジタル制御信号を受けるレジスタ32と、レジスタ32の情報に基づいて第3バイアス電流を生成するよう構成された電流生成回路42と、を有し、バイアス回路23は、電力増幅器11および12に接続され、レジスタ33は、電力増幅器11のパワーモードに対応した第2デジタル制御信号および電力増幅器12のパワーモードに対応した第4デジタル制御信号を受けてもよい。
【0176】
これによれば、縦続接続された電力増幅器11および12がバイアス回路23を兼用でき、例えば、第2バイアス電流を、第1バイアス電流および第3バイアス電流の調整用電流として用いることができる。よって、電力増幅器11および12の出力電力特性が安定した小型の高周波モジュール1を提供できる。
【0177】
また例えば、変形例1に係る高周波モジュール1Aは、縦続接続された電力増幅器11および12と、電力増幅器11に接続されたバイアス回路21および23と、電力増幅器12に接続されたバイアス回路22および24と、を備え、バイアス回路22は、電力増幅器12のパワーモードに対応した第3デジタル制御信号を受けるレジスタ32と、レジスタ32の情報に基づいて第3バイアス電流を生成するよう構成された電流生成回路42と、を有し、バイアス回路24は、パワーモードに対応した第4デジタル制御信号を受けるレジスタ34と、レジスタ34の情報に基づいて第4バイアス電流を生成するよう構成された電流生成回路44と、を有してもよい。
【0178】
これによれば、電力増幅器11および12のそれぞれは、パワーモードに対応した2つのバイアス電流を受けることができる。上記2つのバイアス電流は、異なるレジスタの情報に基づいて個別に生成されるので、例えば、第2バイアス電流を、第1バイアス電流の調整用電流として用いることで、電力増幅器11に1種類のバイアス電流が供給される場合に比べて、電力増幅器11の出力電力特性を安定化させることが可能となる。また例えば、第4バイアス電流を、第3バイアス電流の調整用電流として用いることで、電力増幅器12に1種類のバイアス電流が供給される場合に比べて、電力増幅器12の出力電力特性を安定化させることが可能となる。また、電力増幅器ごとに個別にバイアス電流の調整用電流を供給できるので、高精度なバイアス電流の制御が可能となる。
【0179】
また例えば、変形例5に係る高周波モジュール1Eは、電力増幅器11および14と、バイアス回路21と電力増幅器11および14との間に接続され、バイアス回路21および23と電力増幅器11との接続、ならびに、バイアス回路21および23と電力増幅器14との接続を切り替えるスイッチ91と、を備え、レジスタ31は、電力増幅器11のパワーモードに対応した第1デジタル制御信号および電力増幅器14のパワーモードに対応した第5デジタル制御信号を受け、レジスタ33は、電力増幅器11のパワーモードに対応した第2デジタル制御信号および電力増幅器14のパワーモードに対応した第6デジタル制御信号を受けてもよい。
【0180】
これによれば、第1バイアス電流および第2バイアス電流を、電力増幅器11および14のいずれかに選択的に供給できる。
【0181】
また例えば、変形例6に係る高周波モジュール1Fは、電力増幅器11および14と、電力増幅器11および14に接続可能なバイアス回路21と、電力増幅器11および14に接続可能なバイアス回路23と、バイアス回路23と電力増幅器11および14との間に接続され、バイアス回路23と電力増幅器11との接続、および、バイアス回路23と電力増幅器14との接続を切り替えるスイッチ94と、を備え、レジスタ33は、電力増幅器11のパワーモードに対応した第2デジタル制御信号および電力増幅器14のパワーモードに対応した第6デジタル制御信号を受けてもよい。
【0182】
これによれば、第2バイアス電流を、第1電力増幅器および第3電力増幅器のいずれかに選択的に供給できる。
【0183】
これによれば、スイッチ94により選択された電力増幅器11または14は、バイアス回路23からパワーモードに対応したバイアス電流を受けることができる。つまり、第2バイアス電流を、電力増幅器11および14のいずれかに選択的に供給できる。よって、電力増幅器11および14の出力電力特性を安定化させることが可能となる。
【0184】
また例えば、変形例7に係る高周波モジュール1Gは、電力増幅器11および14と、バイアス回路21および121と、バイアス回路21および121と電力増幅器11および14との間に接続され、バイアス回路21および121と電力増幅器11との接続、ならびに、バイアス回路21および121と電力増幅器14との接続を切り替えるスイッチ95と、を備え、レジスタ31は、電力増幅器11のパワーモードに対応した第1デジタル制御信号および電力増幅器14のパワーモードに対応した第5デジタル制御信号を受け、レジスタ131は、電力増幅器11のパワーモードに対応した第2デジタル制御信号および電力増幅器14のパワーモードに応じた第6デジタル制御信号を受けてもよい。
【0185】
これによれば、高周波モジュール1Gが第1バンドの信号を伝送する場合、スイッチ95により、バイアス回路21および121と電力増幅器11とが接続される。これにより、電力増幅器11において、第2バイアス電流を、第1バイアス電流の調整用電流として用いることができる。一方、高周波モジュール1Gが第2バンドの信号を伝送する場合、スイッチ95により、バイアス回路21および121と電力増幅器14とが接続される。これにより、電力増幅器14において、第2バイアス電流を、第1バイアス電流の調整用電流として用いることができる。よって、電力増幅器11および14の出力電力特性を安定化させることが可能となる。
【0186】
また例えば、変形例8に係る高周波モジュール1Hは、さらに、バイアス回路21および電力増幅器11を結ぶ経路とバイアス回路123との間に接続され、第1バイアス電流の少なくとも一部を上記経路から引き抜くよう構成された第1引抜き回路を備えてもよい。
【0187】
これによれば、電力増幅器11のパワーモードがハイパワーからローパワーへの切り替え時に、第2デジタル制御信号に基づいて、バイアス回路21から供給される第1バイアス電流の一部を予め引き抜くことが可能となる。言い換えると、第2デジタル制御信号に基づいて、負の第2バイアス電流を、第1バイアス電流の調整用電流として用いることができる。よって、予め第1バイアス電流を小さくすることができるので、電力増幅器11の出力電力の立下り時間を短縮することが可能となる。
【0188】
また例えば、変形例8に係る高周波モジュール1Hにおいて、第1引抜き回路は、バイアス回路123に接続されたゲート端子、上記経路に接続されたドレイン端子、およびグランドに接続されたソース端子を有するFET75を備えてもよい。
【0189】
これによれば、バイアス回路123からの制御信号により上記経路からの第1バイアス電流の引き抜き量を調整できる。
【0190】
また例えば、変形例9に係る高周波モジュール1Jは、さらに、第1引抜き回路およびバイアス回路123と上記経路との間に接続され、第1引抜き回路と上記経路との接続、および、バイアス回路123と上記経路との接続を切り替えるスイッチ96を備えてもよい。
【0191】
これによれば、バイアス回路123からの指示に従いスイッチ96を切り替えることで、例えばローパワーモードからハイパワーモードへと変化する瞬間には、バイアス回路123から第2バイアス電流を調整電流として出力し、ハイパワーモードからローパワーモードへと変化する瞬間には、上記経路から第1バイアス電流の一部を引き抜くことが可能となる。
【0192】
また例えば、高周波モジュール1において、電力増幅器11、バイアス回路21および23、ならびにバイアス制御回路20は、1つの半導体IC80に含まれていてもよい。
【0193】
これによれば、高周波モジュール1を小型化できる。
【0194】
また、本実施の形態に係る通信装置4は、高周波信号を処理するRFIC3と、RFIC3とアンテナ2との間で高周波信号を伝送する高周波モジュール1と、を備える。
【0195】
これによれば、高周波モジュール1の効果を通信装置4で実現することができる。
【0196】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態に係る高周波モジュールおよび通信装置について、実施の形態および変形例を挙げて説明したが、本発明に係る高周波モジュールおよび通信装置は、上記実施の形態および変形例に限定されるものではない。上記実施の形態および変形例における任意の構成要素を組み合わせて実現される別の実施の形態や、上記実施の形態および変形例に対して本発明の主旨を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例や、上記高周波モジュールおよび通信装置を内蔵した各種機器も本発明に含まれる。
【0197】
例えば、上記実施の形態および変形例に係る高周波モジュールおよび通信装置において、図面に開示された各回路素子および信号経路を接続する経路の間に、別の回路素子および配線などが挿入されていてもよい。
【0198】
また、上記実施の形態では、電力増幅器のパワーモードに対応した構成を記載したが、電力増幅器に限らず、受信回路に配置される低雑音増幅器に本構成を適用しても構わない。なお、低雑音増幅器の場合は、ゲインモードに対応した動作となる。
【0199】
以下に、上記実施の形態および変形例に基づいて説明した高周波モジュールおよび通信装置の特徴を示す。
【0200】
<1>
第1電力増幅器と、
前記第1電力増幅器に接続された第1バイアス回路と、
前記第1電力増幅器に接続された第2バイアス回路と、を備え、
前記第1バイアス回路は、
前記第1電力増幅器のパワーモードに対応した第1デジタル制御信号を受ける第1レジスタと、
前記第1レジスタの情報に基づいて第1バイアス電流を生成するよう構成された第1電流生成回路と、を有し、
前記第2バイアス回路は、
前記パワーモードに対応した第2デジタル制御信号を受ける第2レジスタと、
前記第2レジスタの情報に基づいて第2バイアス電流を生成するよう構成された第2電流生成回路と、を有する、高周波モジュール。
【0201】
<2>
前記第2バイアス回路は、前記第1電力増幅器と前記第1バイアス回路とを結ぶ経路に接続されている、<1>に記載の高周波モジュール。
【0202】
<3>
前記第1電流生成回路は、
前記第1レジスタに接続された第1DAコンバータと、
前記第1DAコンバータに接続された第1電流源回路と、を有し、
前記第2電流生成回路は、
前記第2レジスタに接続された第2DAコンバータと、
前記第2DAコンバータに接続された第2電流源回路と、を有する、<1>または<2>に記載の高周波モジュール。
【0203】
<4>
前記第1電流生成回路は、
前記第1レジスタおよび前記第2レジスタに接続された第1DAコンバータと、
前記第1DAコンバータに接続された第1電流源回路と、を有し、
前記第2電流生成回路は、
前記第1DAコンバータに接続された第2電流源回路を有する、<1>または<2>に記載の高周波モジュール。
【0204】
<5>
さらに、
前記第1デジタル制御信号を前記第1レジスタに供給し、かつ、前記第2デジタル制御信号を前記第2レジスタに供給するよう構成された制御回路を備える、<1>~<4>のいずれかに記載の高周波モジュール。
【0205】
<6>
前記制御回路は、
前記パワーモードが切り替わる第1タイミングで前記第2デジタル制御信号を前記第2レジスタに出力することで、前記第2バイアス回路から前記第2バイアス電流を出力させ、
前記第1タイミングから所定時間経過後の第2タイミングで前記第1デジタル制御信号を前記第1レジスタに出力することで、前記第1バイアス回路から前記第1バイアス電流を出力させる、<5>に記載の高周波モジュール。
【0206】
<7>
前記第2デジタル制御信号により出力される前記第2バイアス電流は、前記第1デジタル制御信号により出力される前記第1バイアス電流よりも小さい、<6>に記載の高周波モジュール。
【0207】
<8>
前記制御回路は、
前記第2タイミングで前記第1デジタル制御信号を前記第1レジスタに出力するとともに、前記第2バイアス電流の供給を停止する第2デジタル制御信号を第2レジスタに出力する、<6>または<7>に記載の高周波モジュール。
【0208】
<9>
さらに、
前記第1電力増幅器と縦続接続された第2電力増幅器と、
前記第2電力増幅器に接続された第3バイアス回路と、を備え、
前記第3バイアス回路は、
前記第2電力増幅器のパワーモードに対応した第3デジタル制御信号を受ける第3レジスタと、
前記第3レジスタの情報に基づいて第3バイアス電流を生成するよう構成された第3電流生成回路と、を有し、
前記第2バイアス回路は、前記第1電力増幅器および前記第2電力増幅器に接続され、
前記第2レジスタは、前記第1電力増幅器のパワーモードに対応した第2デジタル制御信号および前記第2電力増幅器のパワーモードに対応した第4デジタル制御信号を受ける、<1>に記載の高周波モジュール。
【0209】
<10>
さらに、
前記第1電力増幅器と縦続接続された第2電力増幅器と、
前記第2電力増幅器に接続された第3バイアス回路と、を備え、
前記第2電力増幅器に接続された第4バイアス回路と、を備え、
前記第3バイアス回路は、
前記第2電力増幅器のパワーモードに対応した第3デジタル制御信号を受ける第3レジスタと、
前記第3レジスタの情報に基づいて第3バイアス電流を生成するよう構成された第3電流生成回路と、を有し、
前記第4バイアス回路は、
前記パワーモードに対応した第4デジタル制御信号を受ける第4レジスタと、
前記第4レジスタの情報に基づいて第4バイアス電流を生成するよう構成された第4電流生成回路と、を有する、<1>に記載の高周波モジュール。
【0210】
<11>
さらに、
第3電力増幅器と、
前記第1バイアス回路と前記第1電力増幅器および前記第3電力増幅器との間に接続され、前記第1バイアス回路および前記第2バイアス回路と前記第1電力増幅器との接続、ならびに、前記第1バイアス回路および前記第2バイアス回路と前記第3電力増幅器との接続を切り替える第1スイッチと、を備え、
前記第1レジスタは、前記第1電力増幅器のパワーモードに対応した第1デジタル制御信号および前記第3電力増幅器のパワーモードに対応した第5デジタル制御信号を受け、
前記第2レジスタは、前記第1電力増幅器のパワーモードに対応した第2デジタル制御信号および前記第3電力増幅器のパワーモードに対応した第6デジタル制御信号を受ける、<1>に記載の高周波モジュール。
【0211】
<12>
さらに、
第3電力増幅器と、
前記第2バイアス回路と、前記第1電力増幅器および前記第3電力増幅器との間に接続され、前記第2バイアス回路と前記第1電力増幅器との接続、および、前記第2バイアス回路と前記第3電力増幅器との接続を切り替える第2スイッチと、を備え、
前記第2レジスタは、前記第1電力増幅器のパワーモードに対応した第2デジタル制御信号および前記第3電力増幅器のパワーモードに対応した第6デジタル制御信号を受ける、<1>に記載の高周波モジュール。
【0212】
<13>
さらに、
第3電力増幅器と、
前記第1バイアス回路および前記第2バイアス回路と前記第1電力増幅器および前記第3電力増幅器との間に接続され、前記第1バイアス回路および前記第2バイアス回路と前記第1電力増幅器との接続、ならびに、前記第1バイアス回路および前記第2バイアス回路と前記第3電力増幅器との接続を切り替える第3スイッチと、を備え、
前記第1レジスタは、前記第1電力増幅器のパワーモードに対応した第1デジタル制御信号および前記第3電力増幅器のパワーモードに対応した第5デジタル制御信号を受け、
前記第2レジスタは、前記第1電力増幅器のパワーモードに対応した第2デジタル制御信号および前記第3電力増幅器のパワーモードに応じた第6デジタル制御信号を受ける、<1>に記載の高周波モジュール。
【0213】
<14>
さらに、
前記第1バイアス回路および前記第1電力増幅器を結ぶ経路と第2バイアス回路との間に接続され、前記第1バイアス電流の少なくとも一部を前記経路から引き抜くよう構成された第1引抜き回路を備える、<1>に記載の高周波モジュール。
【0214】
<15>
前記第1引抜き回路は、
前記第2バイアス回路に接続された第1制御端子、前記経路に接続された第1端子、およびグランドに接続された第2端子を有する第1トランジスタを備える、<14>に記載の高周波モジュール。
【0215】
<16>
さらに、
前記第1引抜き回路および前記第2バイアス回路と前記経路との間に接続され、前記第1引抜き回路と前記経路との接続、および、前記第2バイアス回路と前記経路との接続を切り替える第4スイッチを備える、<14>または<15>に記載の高周波モジュール。
【0216】
<17>
前記第1電力増幅器、前記第1バイアス回路、前記第2バイアス回路、および前記制御回路は、1つの半導体ICに含まれている、<5>に記載の高周波モジュール。
【0217】
<18>
高周波信号を処理する信号処理回路と、
前記信号処理回路とアンテナとの間で前記高周波信号を伝送する、<1>~<17>のいずれかに記載の高周波モジュールと、を備える、通信装置。
【産業上の利用可能性】
【0218】
本発明は、マルチバンド対応のフロントエンド部に配置される電力増幅回路または通信装置として、携帯電話などの通信機器に広く利用できる。
【符号の説明】
【0219】
1、1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G、1H、1J、500 高周波モジュール
2 アンテナ
3 RFIC
4、4E 通信装置
11、12、13、14、15 電力増幅器
20 バイアス制御回路
21、22、23、24、25、26、27、121、122、123、124 バイアス回路
31、32、33、34、35、36、37、38、39、131、132、133、134 レジスタ
41、42、43、44、45、46、47、141、142、143、144 電流生成回路
51、52 加算器
53、54 減算器
55、56 ノード
60、61 フィルタ
70、71 整合回路
75、76 FET
80、81 半導体IC
91、92、93、94、95、96、97 スイッチ
100 アンテナ接続端子
110、111 信号入力端子
120 制御信号端子
543 プリチャージ回路
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B