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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024024987
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】浴室用装置
(51)【国際特許分類】
   A61H 33/06 20060101AFI20240216BHJP
   F24F 6/14 20060101ALI20240216BHJP
   A47K 4/00 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
A61H33/06 N
F24F6/14
A47K4/00
A61H33/06 Q
A61H33/06 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022128030
(22)【出願日】2022-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 恵祐
(72)【発明者】
【氏名】弓削 力也
【テーマコード(参考)】
2D132
3L055
4C094
【Fターム(参考)】
2D132GA00
3L055BB01
4C094AA01
4C094BA18
4C094BB18
4C094DD09
4C094EE08
4C094FF02
4C094GG04
(57)【要約】
【課題】サウナ施設の如きサウナと水風呂とを体験することができる浴室用装置を提供する。
【解決手段】浴室用装置1は、浴室BR内の温度が所定の浴室温度になるように、加熱された温水を浴室内に噴霧するミスト運転を実行可能なミスト噴霧装置(浴室暖房機10)と、浴室BRの浴槽BT内の水をヒートポンプ装置の作動により所定の風呂水温度に冷却する風呂水冷却運転を実行し得るように構成された風呂水温調装置40と、ミスト運転と風呂水冷却運転とを連係させて実行させるようにミスト噴霧装置(浴室暖房機10)及び風呂水温調装置40を作動させる制御装置60とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室に設置され、該浴室内の温度が所定の浴室温度になるように、加熱された温水を浴室内に噴霧するミスト運転を実行可能に構成されたミスト噴霧装置と、
ヒートポンプ装置を含み、前記浴室に設置された浴槽内の水を前記ヒートポンプ装置の作動により所定の風呂水温度に冷却する風呂水冷却運転を実行し得るように構成された風呂水温調装置と、
前記ミスト運転と前記風呂水冷却運転とを連係させて実行させるように前記ミスト噴霧装置及び前記風呂水温調装置を作動させる制御装置とを備えることを特徴とする浴室用装置。
【請求項2】
請求項1記載の浴室用装置において、
前記制御装置は、前記ミスト運転と前記風呂水冷却運転とを並行して実行させるように前記ミスト噴霧装置及び前記風呂水温調装置を作動させる第1運転モードの処理を実行可能であり、該第1運転モードの処理では、前記ミスト運転に要する時間であるミスト運転時間と前記風呂水冷却運転に要する時間である風呂水冷却運転時間とを特定し、当該特定したミスト運転時間及び風呂水冷却運転時間のそれぞれに基づいて、前記ミスト運転と前記風呂水冷却運転とが同時に終了するように、該ミスト運転及び該風呂水冷却運転のそれぞれの開始タイミングを決定するように構成されていることを特徴とする浴室用装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の浴室用装置において、
前記制御装置は、前記ミスト運転と前記風呂水冷却運転との連係運転が終了するタイミングの所定時間前に、該所定時間後に該連係運転が終了する旨の報知情報を出力する機能をさらに有するように構成されていることを特徴とする浴室用装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1、2に見られるように、浴室で温水のミストと冷水のミストとを噴霧可能とした装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-268172号公報
【特許文献2】特開2002-143265号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、一般のサウナ施設では、通常、ユーザは、サウナ(蒸し風呂)と水風呂と体験でき、このようなサウナと水風呂とを自宅でも体験し得ることが望まれる。しかるに、特許文献1、2に見られる装置では、温水のミストの噴霧によって、サウナを疑似的に体験できるものの、冷水のミスト噴霧は水風呂とは異なっており、水風呂を体験し得るものではない。
【0005】
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、サウナ施設の如きサウナと水風呂とを体験することができる浴室用装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の浴室用装置は、上記の目的を達成するために、浴室に設置され、該浴室内の温度が所定の浴室温度になるように、加熱された温水を浴室内に噴霧するミスト運転を実行可能に構成されたミスト噴霧装置と、
ヒートポンプ装置を含み、前記浴室に設置された浴槽内の水を前記ヒートポンプ装置の作動により所定の風呂水温度に冷却する風呂水冷却運転を実行し得るように構成された風呂水温調装置と、
前記ミスト運転と前記風呂水冷却運転とを連係させて実行させるように前記ミスト噴霧装置及び前記風呂水温調装置を作動させる制御装置とを備えることを特徴とする(第1発明)。
【0007】
なお、本発明において、ミスト運転と風呂水冷却運転とを連係させるというのは、ミスト運転及び風呂水冷却運転のそれぞれの運転の開始時刻又は終了時刻、それぞれの運転の実行時間、それぞれの運転で実現する浴室の温度や浴槽内の水の温度等に関する運転条件をミスト運転と風呂水冷却運転とで関係付けることを意味する。
【0008】
上記第1発明によれば、ミスト運転と風呂水運転とを連係させることで、浴室に疑似的にサウナ(蒸し風呂)と水風呂とを実現することが可能となる。このため、ユーザは、浴室内で、サウナ施設の如きサウナと水風呂とを体験することが可能となる。
【0009】
上記第1発明では、前記制御装置は、前記ミスト運転と前記風呂水冷却運転とを並行して実行させるように前記ミスト噴霧装置及び前記風呂水温調装置を作動させる第1運転モードの処理を実行可能であり、該第1運転モードの処理では、前記ミスト運転に要する時間であるミスト運転時間と前記風呂水冷却運転に要する時間である風呂水冷却運転時間とを特定し、当該特定したミスト運転時間及び風呂水冷却運転時間のそれぞれに基づいて、前記ミスト運転と前記風呂水冷却運転とが同時に終了するように、該ミスト運転及び該風呂水冷却運転のそれぞれの開始タイミングを決定するように構成されているという態様を採用し得る(第2発明)。
【0010】
これによれば、ミスト運転と風呂水冷却運転とを同時に終了させることができるため、その終了後、ユーザは、浴室のサウナ状態と浴槽の水風呂状態とが適切になった状態で、サウナと水風呂とを交互に体験することが可能となる。従って、ユーザは疑似的なサウナ施設としての浴室をリアル感を持って利用することができる。
【0011】
上記第1発明又は第2発明では、前記制御装置は、前記ミスト運転と前記風呂水冷却運転との連係運転が終了するタイミングの所定時間前に、該所定時間後に該連係運転が終了する旨の報知情報を出力する機能をさらに有するように構成されていることが好ましい(第3発明)。
【0012】
これによれば、ユーザは、浴室を疑似的なサウナ施設として使用できるようになるタイミングを、その所定時間前に知ることができる。このため、ユーザは、ミスト運転と風呂水冷却運転との連係運転の終了前に事前準備をした上で、該連係運転の終了後、速やかに疑似的なサウナ施設を体験することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態の浴室用装置の全体構成を示す図。
図2】実施形態の浴室用装置に備えた浴室暖房機(ミスト噴霧装置)の構成を示す図。
図3】実施形態の浴室用装置の制御に係る構成を示すブロック図。
図4】実施形態におけるサウナ準備運転での制御装置の処理を示すフローチャート。
図5】サウナ準備運転における風呂水冷却運転の処理を示すフローチャート。
図6】サウナ準備運転におけるミスト運転の処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施形態を図1図6を参照して説明する。図1を参照して、本実施形態の浴室用装置1は、浴室BRに設置された浴室暖房機10と、浴室暖房機10に接続された熱源機30と、浴室BRに設置された浴槽BTに接続された風呂水温調装置40とを備える。
【0015】
浴室暖房機10は、浴室BRの暖房を行う暖房運転を実行可能な温水式の暖房機である。この浴室暖房機10は、ミスト運転機能付きの暖房機であり、本発明におけるミスト噴霧装置に相当する。該浴室暖房機10は、浴室BRの暖房を行う暖房運転を実行可能であることに加えて、浴室BR内にミストを噴霧するミスト運転を実行可能である。
【0016】
かかる浴室暖房機10は、図2に示すように、浴室BR内に臨む下面部に、浴室BR内の空気の吸込み口11と、温風の吹き出し口12とを有する共に、吹き出し口12に隣接してミストノズル13が配置されている。吹き出し口12には、風向制御用のルーバ12aが付設されている。
【0017】
また、浴室暖房機10の下部側の内部には、吸込み口11の上方で、送風ファン14と、暖房用熱交換器15とが搭載され、浴室暖房機10上部側の内部には、ミスト用熱交換器20が搭載されている。さらに、浴室暖房機10の下部には、浴室BR内の室温(吸込み口11から吸い込まれる空気の温度)を検出する温度センサ19が吸込み口11に臨んで配置されている。
【0018】
送風ファン14はその回転作動により、浴室BR内の空気を吸い込み、その吸い込んだ空気を吹き出し口12から浴室BR内に送風し得るように配置されている。暖房用熱交換器15は、加熱された温水を流す流路(図示省略)を有しており、吸込み口11から送風ファン14に流れる空気と温水との熱交換によって該空気を加熱するように、吸込み口11と送風ファン14との間の空気の流路上に配置されている。
【0019】
そして、暖房用熱交換器15は、浴室暖房機10と熱源機30との間で温水を循環させるための温水循環路16を介して熱源機30に接続されている。温水循環路16は、熱源機30から暖房用熱交換器15に温水を流す往路16aと、暖房用熱交換器15から熱源機30に温水を流す復路16bとを有する。往路16a及び復路16bの一方、例えば往路16aには、これを開閉する開閉弁17が組付けられている。該開閉弁17は、例えば熱動弁や電磁弁等により構成される。
【0020】
また、熱源機30には、図示しない温水循環用のポンプが搭載されている。そして、開閉弁17を開弁制御した状態で、熱源機30のポンプを作動させることで、熱源機30と暖房用熱交換器15との間で温水を循環させることが可能である。また、温水循環路16の往路16aには、暖房用熱交換器15に供給される温水の温度を検出する温度センサ18が組付けられている。
【0021】
熱源機30は、詳細な図示は省略するが、例えば公知の燃焼式の熱源機であり、温水循環路16の復路16bから流入する温水を図示しないバーナの燃焼運転により加熱するように構成されている。
【0022】
補足すると、熱源機30は、加熱された温水を貯える貯湯タンクを備えるものであってもよい。この場合、貯湯タンク内の温水の加熱は、バーナに限らず、ヒートポンプ装置や電熱式の加熱装置等により行い得る。また、熱源機30は、浴室暖房機10に供給する温水を加熱する機能に限らず、台所や浴室等への給湯を行う給湯運転機能や、浴槽BTへの湯はりや浴槽BT内の水の追い焚き(沸き上げ)を行う風呂運転機能を有していてもよい。
【0023】
浴室暖房機10のミスト用熱交換器20は、温水を流す第1流路20aと、水道水等の非加熱状態の水を流す第2流路20bとを有し、第1流路20aを流れる温水と、第2流路20bを流れる非加熱状態の水との熱交換(温水から水への伝熱)を行い得るように構成された液-液式の熱交換器である。第1流路20aの上流端は上流側温水路21を介して温水循環路16の往路16aの途中部に接続され、第1流路20aの下流端は、下流側温水路22を介して温水循環路16の復路16bの途中部に接続されている。また、上流側温水路21及び下流側温水路22の一方、例えば下流側温水路22には、流量制御弁23が組付けられている。該流量制御弁23は下流側温水路22を閉弁することも可能である。
【0024】
従って、流量制御弁23を開弁制御した状態で、熱源機30のポンプ(図示しない)を作動させることで、熱源機30から往路16a及び上流側温水路21を介してミスト用熱交換器20に温水を供給し、さらに、ミスト用熱交換器20の第1流路20aを経由した温水を該ミスト用熱交換器20から下流側温水路22及び復路16bを介して熱源機30に還流させることが可能となっている。そして、この場合、流量制御弁23を制御することで、ミスト用熱交換器20の第1流路20aを経由する温水の流量を調整することが可能である。
【0025】
ミスト用熱交換器20の第2流路20bの上流端は、給水路24に接続され、図示しない給水源から給水路24を介して非加熱状態の水が供給される。給水路24には、これを開閉可能な開閉弁25が組付けられている。該開閉弁25は、例えば熱動弁や電磁弁等により構成される。
【0026】
そして、ミスト用熱交換器20の第2流路20bの下流端は、ミスト用温水路26を介してミストノズル13に接続されている。ミスト用温水路26には、これを開閉可能な開閉弁27と、ミストノズル13に供給される温水の温度を検出する温度センサ28とが組付けられている。開閉弁27は、例えば熱動弁や電磁弁等により構成される。
【0027】
従って、開閉弁25,27を開弁制御することで、給水路24からミスト用熱交換器20の第2流路20bとミスト用温水路26とを経由してミストノズル13に水が供給される。このとき、ミスト用熱交換器20の第1流路20aに加熱された温水を流しておくことで、ミスト用熱交換器20の第2流路20bを流れる水が第1流路20aを流れる温水との熱交換によって加熱される。そして、ミスト用熱交換器20で加熱された水(温水)は、ミスト用温水路26を通ってミストノズル13に供給され、該ミストノズル13から温水のミストが浴室BR内に噴霧される。
【0028】
補足すると、ミスト用熱交換器20を省略し、熱源機30で加熱された温水が直接的にミストノズル13に供給されるようになっていてもよい。また、この場合、例えば、該温水に非加熱状態の水を適宜混合することで、ミストノズル13に供給される温水の温調を行ってもよい。
【0029】
図1に戻って、風呂水温調装置40は、ヒートポンプ装置41と、液-液式の風呂用熱交換器45とを備える。
ヒートポンプ装置41は公知の構成のものであり、冷媒を流す第1流路42aと水を流す第2流路42bとを有する熱交換器42(以降、HP第1熱交換器42という)と、図示しない圧縮機、外気側熱交換器(冷媒と外気との熱交換を行う熱交換器。以降、HP第2熱交換器という)、及び膨張機を含む冷媒回路43とを備える。
【0030】
この場合、冷媒回路43は、冷媒を、HP第1熱交換器42の第1流路42aから、圧縮機、HP第2熱交換器、膨張機を順に経由させて循環させることが可能である。このように冷媒を循環させた状態では、HP第1熱交換器42の第1流路42aを流れる冷媒が冷えた冷媒となるため、HP第1熱交換器42の第2流路42bを流れる水から第1流路42aを流れる冷媒に吸熱し、その吸熱した熱を冷媒回路43のHP第2熱交換器を介して外気に放熱する。これにより、HP第1熱交換器42の第2流路42bを流れる水を冷却することが可能である。
【0031】
なお、冷媒回路43は、上記のように冷媒を循環させ得るだけでなく、さらに冷媒を、HP第2熱交換器から圧縮機、HP第1熱交換器42の第1流路42a、膨張機を順に経由させて循環させることも行い得るように構成されていてもよい。このように冷媒を循環させた状態では、屋外の外気から冷媒回路43のHP第2熱交換器を介して冷媒に吸熱した熱を、HP第1熱交換器42において、第1流路42aを流れる冷媒から第2流路42bを流れる水に放熱することで該水を加熱することが可能である。
【0032】
風呂用熱交換器45は、ヒートポンプ装置41のHP第1熱交換器42の第2流路42bとの間で水を循環させる第1流路45aと、浴槽BTとの間で水を循環させる第2流路45bとを有する。HP第1熱交換器42の第2流路42bと、風呂用熱交換器45の第1流路45aとは、HP第1熱交換器42の第2流路42bから風呂用熱交換器45の第1流路45aに水を流す往路46aと、風呂用熱交換器45の第1流路44aからHP第1熱交換器42の第2流路42bに水を流す復路46bとを有するヒートポンプ側循環路46(以降、HP側循環路46という)を介して接続されている。
【0033】
そして、HP側循環路46の往路46a及び復路46bの一方、例えば、往路46aにはヒートポンプ装置41に搭載されたポンプ47が組み付けられている。このポンプ47の作動により、HP第1熱交換器42の第2流路42bと、風呂用熱交換器45の第1流路45aとの間で水が循環する。このとき、HP第1熱交換器42の第2流路42bを流れる水を前記したようにヒートポンプ装置41の作動により冷却することで、風呂用熱交換器45の第1流路45aに冷水が供給される。
【0034】
風呂用熱交換器45の第2流路45bと浴槽BTとは、風呂用熱交換器45の第2流路45bから浴槽BTに水を流す往路48aと、浴槽BTから風呂用熱交換器45の第2流路45bに水を流す復路48bとを有する風呂側循環路48を介して接続されている。往路48aの下流端と復路48bの上流端とは、浴槽BTの下部の側壁部に組み付けられた循環金具等のアダプタBTaを介して浴槽BTに接続されている。
【0035】
そして、風呂側循環路48の往路48a及び復路48bの一方、例えば、復路48bにポンプ49が組み付けられている。このポンプ49の作動により、風呂用熱交換器45の第2流路45bと浴槽BTとの間で水が循環する。このとき、風呂用熱交換器45の第1流路45aにヒートポンプ装置41で冷却された冷水を流すことで、風呂用熱交換器45の第2流路45bを流れる水が第1流路45aを流れる冷水との熱交換によって冷却され、その冷却された水(冷水)が風呂用熱交換器45から浴槽BTに供給される。ひいては、浴槽BT内の水が冷却される。
【0036】
また、風呂側循環路48の往路48a及び復路48bの一方、例えば往路48aには、図示しない給水源から非加熱状態の水が供給される給水路50が接続されている。該給水路50には、これを開閉可能な開閉弁51が組付けられている。該開閉弁51は、例えば熱動弁や電磁弁等により構成される。この開閉弁51を開弁制御することで給水路50から浴槽BTに給水することができる。また、復路48bには、浴槽BT内の水の温度を検出する温度センサ52が組付けられている。
【0037】
補足すると、ヒートポンプ装置41の冷媒回路43をHP第1熱交換器42において、第2流路42bを流れる水を加熱するように作動させた場合には、風呂用熱交換器45から浴槽BTに加熱された温水を供給し、浴槽BT内の水を沸き上げることもできる。ただし、熱源機30が風呂運転機能を有する場合には、浴槽BTへの湯の注湯(湯はり)や浴槽BT内の水の沸き上げ(追い焚き)を熱源機30により行ってもよい。
【0038】
図3を参照して、本実施形態の浴室用装置1は、さらに、浴室暖房機10、熱源機30、及び風呂水温調装置40の運転制御を行う機能を有する制御装置60と、浴室用装置1の運転操作を行うためのリモコン61とを備える。
【0039】
リモコン61は、図示しない複数の操作スイッチを含む操作部61a、表示部61b、及び発音部61cを有し、制御装置60と通信を行うことが可能である。そして、リモコン61は、ユーザによる操作部61aの操作に応じて、浴室暖房機10、熱源機30、及び風呂水温調装置40運転に関する指令情報や、運転条件を示す情報を制御装置60に送信することが可能である。
【0040】
また、リモコン61は、操作部61aの操作に応じた情報や指令表示部を有し、浴室暖房機10、熱源機30、及び風呂水温調装置40の運転に関して制御装置60から適宜与えられる情報を表示部61bで表示させることが可能である。
また、リモコン61は、様々な警報情報や音声案内情報を発音部61cから出力させることが可能である。
【0041】
制御装置60は、例えば、図示しないマイクロコンピュータ等のプロセッサ、メモリ(RAM、ROM等)、インターフェース回路、通信回路等を含む1つ以上の電子回路ユニットにより構成される。
【0042】
例えば、制御装置60は、浴室暖房機10、熱源機30、及び風呂水温調装置40に各々搭載され、且つ相互に通信を行いつつ協働して浴室用装置1の運転制御を実行可能な複数の電子回路ユニットの集合体として構成され得る。この場合、いずれかの電子回路ユニットが浴室暖房機10、熱源機30、及び風呂水温調装置40のそれぞれの局所的な作動制御を行う制御装置として機能するように電子回路ユニットの集合体が構成され得る。
【0043】
この制御装置60は、リモコン61と通信を行い得ると共に、浴室用装置1に備えられた様々なセンサ(前記温度センサ18,19,28,52等)の検出信号が入力される。そして、制御装置60は、実装されたハードウェア構成及びプログラム(ソフトウェア構成)により実現される機能によって、浴室暖房機10、熱源機30、及び風呂水温調装置40のそれぞれの作動制御を行うことが可能である。
【0044】
この場合、浴室暖房機10の作動制御は、送風ファン14、開閉弁17,25,27、流量制御弁23の作動制御を通じて行われる。また、熱源機30の作動制御は、図示しないバーナの燃料供給装置、燃焼用空気の送風ファン及び点火装置、並びに、図示しない温水循環用のポンプ等の作動制御を通じて行われる。また、風呂水温調装置40の作動制御は、ヒートポンプ装置41の冷媒回路43(圧縮機、膨張機等)、ポンプ47,49、及び開閉弁51の作動制御を通じて行われる。
【0045】
次に、本実施形態の浴室用装置1の作動を説明する。本実施形態では、浴室用装置1は、その運転モードとしてサウナ準備運転モードを有しており、ユーザは、サウナ準備運転モードでの運転(以降、サウナ準備運転という)の実行をリモコン61で設定することが可能である。なお、サウナ準備運転モードは、本発明における第1運転モードに相当する。
【0046】
このサウナ準備運転は、浴室暖房機10と風呂水温調装置40とを連係させて作動させることで、浴室BRで疑似的にサウナ(蒸し風呂)と水風呂とをユーザに体験させるために浴室BR内にサウナと水風呂を用意する運転モードである。この場合、浴室暖房機10と風呂水温調装置40とを連係させて作動させるというのは、詳しくは、浴室暖房機10によるミスト運転と、風呂水温調装置40による風呂水冷却運転とを並行して実行することである。
【0047】
ここで、上記ミスト運転は、浴室BR内の温度が所定の浴室温度になるように、加熱された温水を浴室BR内に噴霧する運転であり、風呂水冷却運転は、浴槽BT内の水を所定の風呂水温度に冷却する運転である。
【0048】
ユーザは、浴室用装置1にサウナ準備運転を実行させようとする場合、リモコン61の操作部61aの操作によって、浴槽BT内の水の水位(又は水量)の目標値である設定水位(又は設定水量)と、浴槽BT内の水の温度の目標値である風呂水設定温度とをそれぞれ所定の範囲内で設定すると共に、ミスト運転による浴室BR内の温度の目標値である浴室設定温度とミスト運転の実行要求時間としてのタイマー時間を所定の範囲内で設定する。なお、タイマー時間は、その時間内で浴室BR内の温度を浴室設定温度まで昇温させ得るように比較的長めの時間範囲内(例えば20~40分等)で設定される。そして、ユーザは、サウナ準備運転の実行を指示する操作をリモコン61の操作部61aで行う。
【0049】
制御装置60は、リモコン61でサウナ準備運転の実行が指示されると、図4のフローチャートに示す処理を実行する。STEP1において、制御装置60は、風呂水確認処理を実行する。この風呂水確認処理は、浴槽BT内に、リモコン61であらかじめ設定された設定水位(又は設定水量)以上の水が存在するか否かを確認し、浴槽BT内の水が設定水位(又は設定水量)に満たない場合に、浴槽BT内に設定水位(又は設定水量)まで水を補充する処理である。以降、浴槽BR内の水、又は浴槽BRに供給される水を風呂水という。
【0050】
この風呂水確認処理は例えば次のように行われる。なお、風呂水確認処理は、公知の湯はり処理と同様の手法で行い得る処理であり、以下では概略的に説明する。風呂水確認処理では、制御装置60は、まず、風呂水温調装置40のポンプ49を作動させつつ、風呂側循環路48に備えられた図示しない水流スイッチの出力を確認することで、浴槽BT内にアダプタBTaの高さ以上の水量の風呂水が存在するか否かを確認し、当該風呂水が存在しない場合には、アダプタBTaの高さ以上の水位になるまで、給水路50から浴槽BT内に風呂水を補充するように開閉弁51の開閉制御を行う。
【0051】
浴槽BT内にアダプタBTaの高さ以上の水量の風呂水が当初から存在していた場合、あるいは、補充によって浴槽BT内の風呂水がアダプタBTaの高さ以上の水位に達した場合には、制御装置60は、風呂側循環路48に備えられた図示しない水位センサの出力から、浴槽BR内の風呂水の現在の水位(又は水量)を確認する。
【0052】
そして、制御装置60は、現在の水位(又は水量)が設定水位(又は設定水量)に一致し、又は設定水位(又は設定水量)を超えている場合には、そのまま風呂水確認処理を終了する。また、現在の水位(又は水量)が設定水位(又は設定水量)に満たない場合には、制御装置60は、現在の水位(又は水量)から設定水位(又は設定水量)までに必要な水量を演算し、その必要水量の風呂水が給水路50から浴槽BTに供給されるように開閉弁51の開閉制御を行う。そして、当該必要水量の風呂水の供給が終了すると、風呂水確認処理を終了する。
なお、熱源機30が風呂運転機能を有する場合には、熱源機30と浴槽BTとの間の風呂運転用の流路を使用して、風呂水確認処理を実行してもよい。
【0053】
制御装置60は、上記のように風呂水確認処理を実行しながら、STEP2において、風呂水確認処理の開始時から所定時間が経過したか否かを判断する処理を、その判断結果が肯定的になるまで逐次実行する。該所定時間は、その時間内に、風呂水確認処理が終了するように設定される時間であり、風呂水確認処理の開始直後に可変的に設定される。
【0054】
例えば、風呂水確認処理の開始直後に、浴槽BTのアダプタBTaの高さ以上の水位の風呂水が存在していないことが確認された場合には、上記所定時間として、長めの所定値が設定される。
【0055】
また、風呂水確認処理の開始直後に、浴槽BTのアダプタBTaの高さ以上の水位の風呂水が存在していることが確認された場合には、その時の水位の検出値に応じて上記所定時間が設定される。この場合、水位の検出値が設定水位に近いほど、上記所定時間が短くなるように該所定時間が設定される。
【0056】
STEP2の判断結果が肯定的になった場合には、制御装置60はSTEP3において、風呂水冷却運転に要する時間である風呂水冷却運転時間と、ミスト運転に要する時間であるミスト運転時間とを特定する。
【0057】
この場合、風呂水冷却運転時間は、例えば、現在の外気温度、浴槽BTの設定水位(又は設定水量)、風呂水設定温度、浴槽BT内の現在の風呂水温度から所定の演算式もしくはマップ等を用いて特定される。なお、現在の外気温度はヒートポンプ装置41の室外機等に備えられた図示しない温度センサにより検出され、浴槽BT内の風呂水温度は前記温度センサ52により検出される。また、ミスト運転時間については、本実施形態では、ユーザがリモコン61であらかじめ設定したタイマー時間がミスト運転時間として特定される。
【0058】
次いで、STEP4において、制御装置60は、STEP3で特定したミスト運転時間が風呂水冷却運転時間よりも短い時間であるか否かを判断する。STEP4の判断結果が肯定的である場合(ミスト運転時間<風呂水冷却運転時間である場合)には、制御装置60は、STEP5において、サウナ準備運転の実行開始時からの経過時間であるサウナ準備時間の計時を開始すると共に、風呂水冷却運転を開始させるように風呂水温調装置40を作動させる。
【0059】
この場合、風呂水冷却運転は、図5のフローチャートに示す如く実行される。STEP21において、制御装置60は、風呂水温調装置40のヒートポンプ装置41の冷却運転(HP第1熱交換器42の第1流路42aに冷えた冷媒を供給するように冷媒回路43を作動させる運転)を開始させると共に、ポンプ47,49の作動を開始させる。これにより、HP側循環路46で循環する水がHP第1熱交換器42で冷却されると共に、風呂側循環路48で循環する風呂水が風呂用熱交換器45で冷却されることで、浴槽BT内の風呂水が冷却される。
【0060】
そして、制御装置60は、STEP22において、浴槽BT内の風呂水の現在の温度(温度センサ52による検出値)が風呂水設定温度よりも低くなったか否かを判断する処理を、その判断結果が肯定的になるまで逐次繰り返す。
【0061】
そして、浴槽BT内の風呂水が冷却されることで、STEP22の判断結果が肯定的になると、制御装置60は、STEP23において、風呂水冷却運転を終了する。この場合、制御装置60は、ヒートポンプ装置41の冷却運転を停止させると共に、ポンプ47,49の作動を停止させる。
以上の如く風呂水冷却運転が実行されることで、浴槽BT内の風呂水は、風呂水設定温度に冷やされた冷水になる。
【0062】
図4に戻って、制御装置60は風呂水冷却運転の実行中にSTEP6において、風呂水冷却運転時間(STEP3で特定された時間)からサウナ準備時間(=STEP5からの経過時間)が、STEP3で特定されたミスト運転時間(=タイマー時間)に一致するか否かの判断処理をその判断結果が肯定的になるまで実行する。
【0063】
そして、STEP6の判断結果が肯定的になると、制御装置60は、STEP7において、ミスト運転を開始させるように浴室暖房機10及び熱源機30を作動させる。このように、STEP6の判断結果が肯定的になった時点でミスト運転を開始させることで、風呂水冷却運転とミスト運転とを同時に終了させ得るタイミングでミスト運転が開始される。
【0064】
STEP7で開始されるミスト運転は、図6のフローチャートに示す如く実行される。STEP31において、熱源機30の運転(詳しくは、温水循環路16のポンプの作動、バーナの燃焼運転による温水の加熱)を開始すると共に、浴室暖房機10の開閉弁17,25,27の開弁と流量制御弁23の作動制御と送風ファン14の作動とを開始させる。
【0065】
この場合、熱源機30では、暖房用熱交換器15に供給される温水の温度(温度センサ18で検出される温度)がリモコン61で設定された浴室BRの浴室設定温度以上の温度になるように温水の加熱量(バーナの燃焼量)が制御される。
【0066】
また、浴室暖房機10では、ミストノズル13に供給される温水の温度が、浴室BRの目標室温に一致もしくはほぼ一致する温度になるように、ミスト用熱交換器20の第1流路20aを通る温水の流量が制御される。
【0067】
これにより、送風ファン14から暖房用熱交換器15を経由して加熱された温風が浴室BRに送風されると共に、ミストノズル13から浴室BRにミスト化された温水が噴霧される。ひいては、浴室BRの加温・加湿が行われる。
【0068】
次いで、STEP32において、制御装置60は、ミスト運転の開始時から、ミスト運転時間としてのタイマー時間が経過したか否かを判断する。そして、この判断結果が否定的である場合には、制御装置60は、次にSTEP33において、浴室BR内の現在の温度(温度センサ19による検出値)がリモコン61で設定された浴室設定温度よりも高い温度に昇温したか否かを判断する。この判断結果が否定的である場合(浴室BR内の温度≦浴室設定温度以下である場合)には、制御装置60は、STEP32からの処理を繰り返す。
【0069】
また、次にSTEP33の判断結果が肯定的になった場合(浴室BR内の温度>浴室設定温度になった場合)には、制御装置60は、STEP34において、熱源機30の運転(詳しくは、温水循環路16のポンプの作動、バーナの燃焼運転による温水の加熱)を停止すると共に、浴室暖房機10の開閉弁17,25,27の閉弁と送風ファン14の作動停止とを行う。これにより、浴室BRへの温風の送風とミストの噴霧とが中断される。
【0070】
続いて、制御装置60は、STEP35において、STEP32と同様に、ミスト運転の開始時から、タイマー時間が経過したか否かを判断する。そして、この判断結果が否定的である場合には、STEP36において、浴室BR内の現在の温度(温度センサ19による検出値)がリモコン61で設定された浴室設定温度以下の温度に低下したか否かを判断する。
【0071】
このSTEP36の判断結果が否定的である場合(浴室BR内の温度>浴室設定温度である場合)には、制御装置60は、STEP35からの処理を繰り返す。また、STEP36の判断結果が肯定的になった場合(浴室BR内の温度≦浴室設定温度になった場合)には、制御装置60は、STEP31からの処理を再び実行する。
【0072】
また、STEP31又はSTEP35の判断結果が肯定的になった場合(ミスト運転の開始時からタイマー時間が経過した場合)には、制御装置60はSTEP37でミスト運転を終了する。この場合、浴室BRへの温風の送風とミストの噴霧とが行われていた場合には、STEP34の処理と同じ処理が行われた上でミスト運転が終了される。また、浴室BRへの温風の送風とミストの噴霧とが中断されていた場合には、そのままミスト運転が終了される。
以上のようにミスト運転が実行されることで、浴室BR内の温度が浴室設定温度近辺の温度に昇温して維持されるように浴室BR内の加温・加湿が行われる。
【0073】
図4に戻って、制御装置60は、STEP7でミスト運転を開始した後。STEP8において、風呂水冷却運転時間から現在のサウナ準備時間を差し引いた時間、すなわち、風呂水冷却運転及びミスト運転の終了予定時までの残時間が所定時間X(例えば4分等、比較的短い時間)になったか否かを判断する判断処理をその判断結果が肯定的になるまで逐次繰り返す。
【0074】
そして、STEP8の判断結果が肯定的になると、制御装置60は、STEP9において、サウナ準備運転の残時間が所定時間Xになった旨をリモコン61の表示部61b及び発音部61cの一方又は両方を介して報知させる。
【0075】
次いで、制御装置60は、STEP10において、風呂水冷却運転及びミスト運転の両方が終了したか否かを判断する処理をその判断結果が肯定的になるまで逐次繰り返し、その判断結果が肯定的になるとSTEP11において、サウナ準備運転を終了する。
【0076】
前記STEP4の判断結果が否定的である場合(ミスト運転時間≧風呂水冷却運転時間である場合)には、制御装置60は、STEP12において、サウナ準備運転の実行開始時からの経過時間であるサウナ準備時間の計時を開始すると共に、ミスト運転を開始させるように浴室暖房機10及び熱源機30を作動させる。この場合、STEP12で開始されるミスト運転は、STEP7で開始されるミスト運転と同様に、図5のフローチャートに示す如く実行される。
【0077】
次いで、STEP13において、ミスト運転時間(STEP3で特定された時間)からサウナ準備時間(=STEP12からの経過時間)が、STEP3で特定された風呂水冷却運転時間に一致するか否かの判断処理をその判断結果が肯定的になるまで実行する。
【0078】
そして、STEP13の判断結果が肯定的になると、制御装置60は、STEP14において、風呂水冷却運転を開始させるように風呂水温調装置40を作動させる。このように、STEP13の判断結果が肯定的になった時点で風呂水冷却運転を開始させることで、風呂水冷却運転とミスト運転とを同時に終了させ得るタイミングでミスト運転が開始される。また、STEP14で開始される風呂水冷却運転は、STEP5で開始される風呂水冷却運転と同様に、図5のフローチャートに示す如く実行される。
【0079】
補足すると、前記STEP4において、ミスト運転時間=風呂水冷却運転時間である場合には、STEP12に続くSTEP13の判断結果が肯定的になるので、風呂水冷却運転がミスト運転とほぼ同時に開始される。
【0080】
次いで、STEP15において、ミスト運転時間から現在のサウナ準備時間を差し引いた時間、すなわち、風呂水冷却運転及びミスト運転の終了予定時までの残時間が前記所定時間X(例えば4分等、比較的短い時間)になったか否かを判断する判断処理をその判断結果が肯定的になるまで逐次繰り返す。
【0081】
そして、STEP15の判断結果が肯定的になると、制御装置60は、前記したSTEP9の処理(サウナ準備運転の残時間が所定時間Xになった旨をリモコン61の表示部61b及び発音部61cの一方又は両方を介して報知する処理)を実行し、さらに、前記STEP10から処理を実行する。
本実施形態では、サウナ準備運転は以上説明した如く実行される。
【0082】
以上説明した実施形態によれば、サウナ準備運転によって、浴室BR内を加温・加湿するミスト運転と、浴槽BT内の風呂水を冷却する風呂水冷却運転とをほぼ同時に終了させることができるので、サウナ準備運転の終了後、速やかに、ユーザは、自宅の浴室BRにて、一般のサウナ施設と同様のサウナ(蒸し風呂)と水風呂とを交互に疑似的に体験することができる。このため、ユーザの自律神経系の調節能力を高める効果等が得られる。
【0083】
なお、本発明は以上説明した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態を採用することもできる。以下に他の実施形態をいくつか例示する。
前記実施形態では、ミスト運転時間としてのタイマー時間をユーザがリモコン61で設定するようにしたが、ミスト運転時間は、例えば、浴室設定温度から自動的に設定されるようにしてもよい。この場合、ミスト運転時間は、浴室設定温度が高いほど、長い時間になるように設定され得る。
【0084】
また、前記実施形態では、ミスト運転と風呂水冷却運転とを連係させる処理として、ミスト運転と風呂水冷却運転とを同時に終了させるようにした。ただし、ミスト運転と風呂水冷却運転との連係の態様として他の態様を採用してもよい。
【0085】
例えば、浴室BR内の温度の検出値、あるいは浴室設定温度が所定温度以上の高温である場合、浴室BR内のミスト等から浴槽BT内の風呂水への放熱に起因して風呂水の温度が上昇しやすいことから、風呂水冷却運転において、風呂水の温度を風呂水設定温度よりも所定温度だけ低い温度になるように、浴槽BT内の風呂水を冷却してもよい。あるいは、風呂水冷却運転時間を、風呂水の温度が風呂水設定温度に達した後に、所定時間、延長してもよい。
【0086】
また、前記実施形態では、風呂水温調装置40は、ヒートポンプ装置41と浴槽BTとの間に風呂用熱交換器45を備える装置であるが、風呂用熱交換器45を省略し、浴槽BTとヒートポンプ装置41のHP第1熱交換器42の第2流路42bとの間で風呂水を循環させるように、浴槽BTをHP第1熱交換器42に接続してもよい。
【符号の説明】
【0087】
1…浴室用装置、10…浴室暖房機(ミスト噴霧装置)、40…風呂水温調装置、60…制御装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6