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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025014
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】部品搭載装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20240216BHJP
   H05K 13/08 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
H05K13/04 P
H05K13/04 A
H05K13/08 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022128088
(22)【出願日】2022-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 恒太
(72)【発明者】
【氏名】稲田 貴彦
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353CC03
5E353CC04
5E353CC22
5E353EE02
5E353EE89
5E353GG01
5E353GG22
5E353GG29
5E353GG31
5E353HH01
5E353HH11
5E353JJ02
5E353JJ25
5E353JJ48
5E353KK02
5E353KK03
5E353LL04
5E353PP01
5E353QQ01
(57)【要約】
【課題】部品搭載装置のタクトを向上させる。
【解決手段】部品搭載装置10は、基板Bを固定する固定機構と、固定機構に固定された基板Bに部品Eを搭載するヘッドユニット30と、基板Bを撮像する撮像部21と、制御部110と、を備え、固定機構は、基板Bを仮固定する仮固定部50と、仮固定部50に仮固定された基板Bを本固定する本固定部40と、を有し、制御部110は、基板Bの仮固定後から基板Bの本固定までの間において、仮固定部50に仮固定された基板Bの状態を認識するために、仮固定部50に仮固定された基板Bに設けられている所定の認識マークを撮像部21により撮像する制御を行う。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を固定する固定機構と、
前記固定機構に固定された前記基板に部品を搭載するヘッドユニットと、
前記基板を撮像する撮像部と、
制御部と、を備え、
前記固定機構は、前記基板を仮固定する仮固定部と、前記仮固定部に仮固定された前記基板を本固定する本固定部と、を有し、
前記制御部は、前記基板の仮固定後から前記基板の本固定までの間において、前記仮固定部に仮固定された前記基板の状態を認識するために、前記仮固定部に仮固定された前記基板に設けられている所定の認識マークを前記撮像部により撮像する制御を行う、部品搭載装置。
【請求項2】
請求項1に記載の部品搭載装置であって、
前記制御部は、前記撮像部により前記基板に設けられた位置認識マークを撮像すると共に、その画像から前記基板の位置情報を取得し、前記基板に対する前記ヘッドユニットによる前記部品の搭載目標位置を補正する制御を行う、部品搭載装置。
【請求項3】
請求項1に記載の部品搭載装置であって、
前記制御部は、前記撮像部により前記基板に設けられた良否認識マークを撮像すると共に、その画像から前記基板の良否情報を取得し、前記基板の所定領域に対する前記部品の搭載可否を決定する、部品搭載装置。
【請求項4】
請求項2に記載の部品搭載装置であって、
前記制御部は、前記基板の生産計画に基づき、前記固定機構に固定される前記基板の種類を取得し、
前記制御部は、前記固定機構に固定される前記基板の種類が特定の種類である場合に限り、前記基板を本固定した後に、前記撮像部を制御して前記位置認識マークを撮像する、部品搭載装置。
【請求項5】
請求項2に記載の部品搭載装置であって、
前記制御部は、前記位置認識マークを撮像した画像に基づく前記搭載目標位置の補正を、前記本固定部により前記基板を本固定する前に行う、部品搭載装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の部品搭載装置であって、
前記本固定部は、前記基板に対して昇降可能であり、上昇時に前記基板に下方から当接して支持する第1支持部と、前記第1支持部を昇降駆動させる第1昇降駆動部と、を有し、
前記仮固定部は、前記基板を挟み込む第1クランプ部と、前記第1クランプ部を駆動させるクランプ駆動部と、を有し、
前記制御部は、前記クランプ駆動部と、前記昇降駆動部と、を個別に制御して、前記仮固定部による前記基板の仮固定と、前記本固定部による前記基板の本固定と、をそれぞれ任意のタイミングで実行する、部品搭載装置。
【請求項7】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の部品搭載装置であって、
前記本固定部は、前記基板に対して昇降可能であり、上昇時に前記基板に下方から当接して支持する第2支持部と、前記第2支持部を昇降駆動させる第2昇降駆動部と、を有し、
前記仮固定部は、前記基板を挟み込む第2クランプ部を有し、
前記第2クランプ部は、前記第2昇降駆動部により上昇駆動される前記第2支持部と当接し、前記第2支持部と連動して上昇することにより前記基板に当接して前記基板を仮固定し、
前記制御部は、前記第2昇降駆動部を制御して、前記本固定部による前記基板の本固定の動作中に、前記仮固定部による前記基板の仮固定を行う、部品搭載装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、基板を固定する固定機構を有する部品搭載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
部品実装前のプリント基板の前処理段階に費やす時間を最小限に短縮することができる部品実装方法および部品実装装置(部品搭載装置)が公知である。特許文献1は、他の基板における部品の実装中に、予めローダ部分に待機中の基板上に設けられたマーク(認識マーク)を、ローダ部分の基板上面にあるカメラ(撮像部)によって撮影しておくことで、実装前処理時間を削減することができる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-069288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
基板に部品を搭載する前に、撮像部が認識マークを撮像し、基板の位置などを認識する。従来は、部品搭載装置に対して基板の固定が完了した後に、認識マークを撮像していた。この場合、基板の固定が完了するまで撮像を開始しない場合、撮像部の待ち時間が長くなり、タクトの低下につながっていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
部品搭載装置は、基板を固定する固定機構と、前記固定機構に固定された前記基板に部品を搭載するヘッドユニットと、前記基板を撮像する撮像部と、制御部と、を備え、前記固定機構は、前記基板を仮固定する仮固定部と、前記仮固定部に仮固定された前記基板を本固定する本固定部と、を有し、前記制御部は、前記基板の仮固定後から前記基板の本固定までの間において、前記仮固定部に仮固定された前記基板の状態を認識するために、前記仮固定部に仮固定された前記基板に設けられている所定の認識マークを前記撮像部により撮像する制御を行う。
【発明の効果】
【0006】
仮固定後、本固定までの間に認識マークを撮像するため、撮像を早期に開始して基板の状態を認識でき、部品搭載装置のタクトを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】部品搭載装置の平面図
図2】部品搭載装置の正面図
図3】エアシリンダクランプによる仮固定動作を説明するための側面模式図
図4】エアシリンダクランプを用いた搭載準備動作を説明するための側面模式図
図5】複数個取り基板に付されたバッドマークを示す平面図
図6】部品搭載装置の電気的構成を示すブロック図
図7】実施形態1に係る構成の搭載準備動作を示すタイムチャート
図8】実施形態1に係る構成の搭載準備動作を示すフローチャート
図9】PU連動式クランプを用いた搭載準備動作を説明するための側面模式図
図10】実施形態2に係る構成の搭載準備動作を示すタイムチャート
【発明を実施するための形態】
【0008】
<実施形態1>
本開示の部品搭載装置10の具体例を説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。実施形態1は、図1に示すように、部品Eをプリント基板等の基板B上に搭載する部品搭載装置10を例示している。
【0009】
<部品搭載装置の全体構成>
部品搭載装置10は、図1および図2に示すように、平面視略矩形状の基台11と、基板Bを搬送する搬送装置12と、基板B上に部品Eを搭載する部品搭載ユニット20と、部品搭載ユニット20に部品Eを供給するための部品供給装置13と、基板Bを下方から支持するためのプッシュアップ装置(以下「PU装置」と表記する)40と、を備えて構成されている。
【0010】
以下の説明において、左右方向とは図1における左右方向(基台11の長辺方向)を基準とする。前後方向とは図1における上下方向(基台11の短辺方向)を基準として、図1においては図示下側を前側、図示上側を後側として説明する。上下方向とは、図における紙面に垂直な方向として説明する。
【0011】
<基台>
基台11は、図1に示すように、左右方向に横長な平面視略矩形状をなし、基台11上には、左右方向に延びる搬送装置12、部品搭載ユニット20などが配置されている。
【0012】
<搬送装置>
搬送装置12は、図2に示すように、左右方向に循環駆動する前後一対のコンベアベルト14を有しており、基板Bは、図1に示すように、上流側(左右方向の左側)からコンベアベルト14によってPU装置40上の搭載位置Pに搬入され、搭載位置Pにおいて部品Eの搭載作業が行われた後、コンベアベルト14によって下流(左右方向の右側)の部品搭載装置10に向かって搬出される。
【0013】
<部品供給装置>
部品供給装置13は、図1に示すように、フィーダ型とされ、搬送装置12の前後方向両側において左右方向に2つずつ並べることで、合計4箇所に配されている。これらの部品供給装置13には、複数のフィーダ16が左右方向に整列した状態で取り付けられている。各フィーダ16は、複数の部品Eが収容された部品供給テープをリールから引き出す図示しない電動式の送出装置などを備えており、搬送装置12側の端部から部品Eを一つずつ供給する。
【0014】
<部品搭載ユニット>
部品搭載ユニット20は、部品供給装置13から供給される部品Eを取り出して基板B上に搭載するものであって、図1に示すように、基台11の左右方向の両側に配される一対のY軸フレーム23と、一対のY軸フレーム23に架設されたX軸フレーム26と、X軸フレーム26に移動可能に取り付けられたヘッドユニット30と、を備えて構成されている。
【0015】
一対のY軸フレーム23には、Y軸フレーム23に沿って配されたY軸ガイドレール24と、Y軸サーボモータ25と、が設けられており、Y軸サーボモータ25が通電制御されると、X軸フレーム26と、X軸フレーム26に取り付けられたヘッドユニット30と、がY軸ガイドレール24に沿って前後方向に移動するようになっている。
【0016】
X軸フレーム26は左右方向に延びた形態とされ、X軸フレーム26には、図2に示すように、X軸フレーム26に沿って配されたX軸ガイドレール27と、X軸サーボモータ28と、が設けられており、X軸サーボモータ28が通電制御されると、ヘッドユニット30がX軸ガイドレール27に沿って左右方向に移動するようになっている。
【0017】
<ヘッドユニット>
ヘッドユニット30は、図1および図2に示すように、箱形状をなすヘッドユニット本体31と、部品Eの搭載動作を行う複数のヘッド32と、を有している。
【0018】
複数のヘッド32は、ヘッドユニット本体31から下方に突出した形態で左右方向に並んで配列されており、各ヘッド32は、上下方向に延びるシャフト33と、シャフト33の先端である下端部に着脱可能な吸着ノズル34と、を有している。
【0019】
シャフト33には、ヘッドユニット本体31内に設けられたZ軸サーボモータ35およびR軸サーボモータ36が取り付けられている。シャフト33は、Z軸サーボモータ35によって上下方向に昇降可能とされ、R軸サーボモータ36によって軸回りに回転可能とされている。
【0020】
吸着ノズル34は、図2に示すように、上下方向に延びる略筒状をなしている。吸着ノズル34は、シャフト33の下端部に設けられた図示しない保持部によって上端部が保持されることで、シャフト33の下端部に保持されている。また、各ヘッド32にはエア供給装置51から負圧が供給されるようになっており、吸着ノズル34の先端に吸引力が生じるようになっている。
【0021】
ヘッドユニット本体31の側面には、図2に示すように、基板カメラ(「撮像部」の一例)21が設けられており、基板カメラ21が基板Bのフィデューシャルマーク(「認識マーク」および「位置認識マーク」の一例)FMやバッドマーク(「認識マーク」および「良否認識マーク」の一例)BMを撮像して、基板Bを画像認識するようになっている。一方、基台11上における搭載位置Pの前後方向の両側には、図1に示すように、一対の部品カメラ15が設置されており、各部品カメラ15は、ヘッドユニット30のヘッド32に吸着保持された部品Eを撮像するようになっている。
【0022】
<エアシリンダクランプ(仮固定部)>
図2に示すように、エアシリンダクランプ50は、係止片46、クランププレート47、カム48、エアシリンダ49を有している。後述するように、エアシリンダクランプ50は基板Bを挟み込んで仮固定することができる。エアシリンダクランプ50は、「仮固定部」の一例である。エアシリンダ49は、「クランプ駆動部」の一例である。クランププレート47は、「第1クランプ部」の一例である。
【0023】
図3に示すように、基台11における搬送装置12の前後両側には、一対の側壁体45が設けられている。一対の係止片46は、一対の側壁体45の上部で互いに対向する側に張り出す形態で設けられている。
【0024】
側壁体45とコンベアベルト14との間には、クランププレート47が設けられている。クランププレート47は、板面を前後方向に向け、上下方向に短く左右方向に長い略矩形板状であり、側壁体45に対して上下方向に変位可能に取り付けられている。クランププレート47は、係止片46が側壁体45から張り出している部分の下方に位置している。
【0025】
図2に示すように、クランププレート47の下辺には、略三角形のカム48が摺動可能に当接している。カム48は、エアシリンダ49のシャフトと連結されている。エア供給装置51からエアシリンダ49に正圧又は負圧のエアが供給されると、シャフトの変位に伴ってカム48が回動し、カム48に押されたクランププレート47が上下方向に変位する。
【0026】
図3(a)は、シャフトが縮み、クランププレート47が下方に変位した状態を示している。図3(a)に示すクランププレート47の位置をアンクランプ位置とする。クランププレート47がアンクランプ位置にあるときは、基板Bはコンベアベルト14で支持されている。
【0027】
図3(b)は、エアシリンダ49のシャフトが伸び、クランププレート47が上方に変位した状態(図2参照)を示している。図3(b)に示すクランププレート47の位置をクランプ位置とする。クランププレート47がアンクランプ位置からクランプ位置に変位する過程では、クランププレート47の上辺が基板Bの下面に当接して基板Bを持ち上げる。クランププレート47がクランプ位置まで変位すると、基板Bはクランププレート47と係止片46との間で挟み付けられ、仮固定される。
【0028】
<プッシュアップ装置(本固定部)>
PU装置40は、基台11上における搭載位置Pの下方に取り付けられており、図2に示すように、複数個のプッシュアップピン(以下、「PUピン」と表記する)41を起立状態に保持したプッシュアッププレート(以下「PUプレート」と表記する)42と、PUプレート42を昇降させる昇降軸43を備えた第1昇降駆動部44と、から構成されている。PUピン41は、PUプレート42と一体的に昇降する。PUピン41とPUプレート42とで、「第1支持部」を構成している。
【0029】
第1昇降駆動部44は、エンコーダを備えたモータを有しており、昇降軸43の上下方向の変位量を制御部110(後述)に送信する。PU装置40は、基板Bを本固定する装置であり、「本固定部」の一例である。
【0030】
PUプレート42は、第1昇降駆動部44を動作させることで、図4(a)に示す下降位置と、図4(c)に示す上昇位置と、の間で変位可能になっている。図4(b)は、PUプレート42が下降位置と上昇位置の間にある状態を示している。
【0031】
PUプレート42が図4(a)に示す下降位置にある場合、各PUピン41は、基板Bに当接せず、基板Bから所定距離だけ下方に離れている。
【0032】
第1昇降駆動部44を動作させ、PUプレート42を図4(c)に示す上昇位置に変位させると、PUピン41が基板Bの下面に下方から当接し、基板Bを下方から支持する。基板Bは係止片46によって上方への変位が規制されているため、基板Bは係止片46とPUピン41とで上下から挟み付けられて本固定される。上述したエアシリンダクランプ50およびPU装置40は、併せて「固定機構」の一例である。
【0033】
本固定部のPUプレート42は、仮固定部のクランププレート47と比べて変位量が大きく、変位する際の速度が小さい。そのため、本固定に要する時間は、仮固定に要する時間と比べて長くなる。
【0034】
<基板>
図5は、部品搭載装置10に搬入される基板Bの平面図である。基板Bは、複数(本実施形態では3個)の単位基板B1~B3を含む複数個取り基板である。基板Bは矩形板状であり、四隅にはフィデューシャルマークFMが設けられている。部品搭載装置10は、基板カメラ21で各フィデューシャルマークFMを撮像した画像から、基板Bの状態(正確な位置や姿勢などの位置情報)を認識することができる。
【0035】
基板Bに含まれる単位基板B1~B3には、基板カメラ21により撮像されるバッドマークBMが付される場合がある。バッドマークBMは、前工程において行われた検査により不良である(欠陥がある)と判断された単位基板に付されるマークである。
【0036】
バッドマークBMは、前工程の検査装置によって自動的に付されるか、または前工程の作業者により手動で付される。図5では、3つの単位基板B1~B3のうち、単位基板B2にバッドマークBMが付されている。バッドマークBMが付される際、バッドマークBMは、予め決められたバッドマークBMの付与予定位置(図5の単位基板B2では、単位基板B2の左端)に付される。したがって、バッドマークBMの付与予定位置を基板カメラ21で撮像することにより、バッドマークBMの撮像が可能である。
【0037】
基板カメラ21は、単位基板B1~B3におけるバッドマークBMの付与予定位置をそれぞれ撮像する。撮像した画像のうち、単位基板B2の付与予定位置のみからバッドマークBMが認識されると、単位基板B2の領域には部品Eは搭載されず、単位基板B1、B3の領域には部品Eが搭載される。部品搭載装置10は、バッドマークBMを撮像した画像から、基板Bの状態(単位基板の良否情報)を認識することができる。
【0038】
基板カメラ21は、付与予定位置におけるバッドマークBMの有無のみを認識できればよく、また、バッドマークBMはフィデューシャルマークFMよりも一般的にサイズが大きい。そのため、バッドマークBMの撮像時における認識精度は、フィデューシャルマークFMの撮像時と比べて低くてもよい。
【0039】
<部品搭載装置の電気的構成>
次に、部品搭載装置10の電気的構成を、図6を参照して説明する。部品搭載装置10は、制御部110によって全体が統括制御されており、制御部110は、CPUなどにより構成される演算処理部111を備えている。演算処理部111には、モータ制御部112、記憶部113、画像処理部114、外部入出力部115、部品供給装置通信部116、計時部117、操作部118などが接続されている。
【0040】
演算処理部111は、基板カメラ21で撮像した画像に基づいて、基板Bの実際の停止位置や、基板Bの伸縮量、水平面内における回転角度等を算出する。また、演算処理部111は、これらの算出結果に基づいて、ヘッドユニット30による部品Eの搭載目標位置を補正する。
【0041】
モータ制御部112は、演算処理部111の指令により、記憶部113に記憶されている搭載プログラムに基づいて、Y軸サーボモータ25、X軸サーボモータ28、Z軸サーボモータ35、R軸サーボモータ36、第1昇降駆動部44、搬送装置12などを制御して、基板Bの本固定や、部品Eの搭載を行う。
【0042】
記憶部113には、基板Bに部品Eを連続的に搭載するための連続搭載シーケンスなどの各種搭載プログラム、各種データなどが記憶されている。各種データには、生産が予定されている基板Bの生産計画や、部品Eの搭載目標位置、基板Bの種類、ヘッドユニット30に装着されているシャフト33や吸着ノズル34の識別情報などが含まれている。基板Bの生産計画には、基板Bの種類に関する情報が含まれる。基板Bの種類については後述する。
【0043】
画像処理部114は、基板カメラ21や部品カメラ15から出力される画像信号が取り込まれるようになっており、取り込んだ画像信号に基づいて、基板Bの画像のデータを生成する。
【0044】
外部入出力部115は、いわゆるインターフェースである。演算処理部111は、外部入出力部115を通じてエア供給装置51との制御信号の受け渡しを行う。演算処理部111からエア供給装置51に制御信号を送信することで、吸着ノズル34による部品Eの吸着や、エアシリンダ49に連結されたクランププレート47による基板Bの仮固定を制御できる。
【0045】
上述したように、本固定を行うPU装置40は、第1昇降駆動部44のモータにより駆動される。一方、仮固定を行うエアシリンダクランプ50は、エア供給装置51から供給されるエアにより駆動される。PU装置40とエアシリンダクランプ50の駆動源がそれぞれ異なるため、制御部110は、本固定の動作と仮固定の動作を個別に制御して、任意のタイミングで実行できる。例えば、本固定完了後に仮固定を開始したり、逆に仮固定完了後に本固定を開始したりできる。また、本固定の動作中に仮固定を開始したり、仮固定の動作中に本固定を開始したりできる。
【0046】
部品供給装置通信部116は、部品供給装置13に接続されており、部品供給装置13を統括して制御する。計時部117は、第1昇降駆動部44に内蔵されたモータが動作している動作時間を計測して計測結果を演算処理部111に送信する。演算処理部111は、第1昇降駆動部44の動作時間に基づき、第1支持部(PUプレート42及びPUピン41)の変位量を算出する。
【0047】
操作部118は、液晶モニタなどの図示しない表示装置、キーボードやマウスなどの図示しない入力装置などを備えており、作業者からの入力の受付や作業者への出力を行う。
【0048】
<基板の種類について>
仮固定のみ行った基板Bと、仮固定後さらに本固定を行った基板Bとでは、前者は後者ほど強く固定されていない。フィデューシャルマークFMの撮像においては、前者の基板Bは後者の基板Bよりも認識精度が得られにくい。仮固定後、本固定の前に、フィデューシャルマークFMを認識可能な認識精度が得られない基板を、特定の種類の基板BXとする。特定の種類の基板BXではない種類の基板は、基板BYとされる。基板BYは仮固定後、本固定の前であっても、フィデューシャルマークFMの認識が可能な認識精度が得られる基板である。
【0049】
基板BXは、「特定の種類の基板」の一例である。基板Bの種類が基板BXか基板BYかは、記憶部113に記憶されている生産計画の情報に予め含まれている。
【0050】
仮固定後、本固定前におけるフィデューシャルマークFMの認識精度は、基板寸法、基板反り量、基板厚み、基板の材質等によって判断できる。例えば、基板寸法が大きい場合は、基板寸法が小さい場合と比べて基板Bの撓みや伸縮が大きくなるため、フィデューシャルマークFMの認識精度は低くなる。
【0051】
なお、上述したように、バッドマークBMは、フィデューシャルマークFMより低い認識精度でも認識可能である。そのため、基板Bが特定の種類の基板BXであるか、その他の基板BYであるかにかかわらず、仮固定後、本固定の前に、基板カメラ21によるバッドマークBMの認識は可能である。
【0052】
<搭載準備動作>
次に、搭載準備動作について説明する。搭載準備動作とは、基板Bが部品搭載装置10の上流側から搭載位置Pに搬入された後、部品Eの搭載を開始する前に行われる動作である。搭載準備動作には、固定機構(PU装置40およびエアシリンダクランプ50)による基板Bの固定と、基板カメラ21によるマーク(フィデューシャルマークFMおよびバッドマークBM)の撮像と、フィデューシャルマークFMの画像に基づく搭載目標位置の補正(以下、補正処理ともいう)と、バッドマークBMの有無に基づく部品搭載可否の決定と、が含まれる。
【0053】
図4は、搭載準備動作における固定機構の動作を説明する模式図である。図4(a)は、搬送装置12のコンベアベルト14により、基板Bが搭載位置Pに搬入されて停止したときの固定機構の状態を示している。このとき、エアシリンダクランプ50のクランププレート47はアンクランプ位置にあり、PUプレート42は下降位置にある。基板Bは仮固定も本固定もされておらず、コンベアベルト14上に載置されている。
【0054】
基板Bの停止後、制御部110からの指示により、搭載準備動作が開始される。最初に、PU装置40による基板Bの本固定と、エアシリンダクランプ50による仮固定が略同時に開始される。なお、本実施形態では、本固定と仮固定が略同時に開始される場合を説明するが、どちらかが先に開始されてもよい。
【0055】
図4(b)は、クランププレート47がクランプ位置にあり、仮固定が完了しているのに対し、PUプレート42が上昇途中で本固定はまだ完了していない状態を示している。仮固定の開始から所定時間経過すると、制御部110は基板カメラ21に対し、認識マーク(フィデューシャルマークFMおよびバッドマークBM)の撮像を開始する指示を出す。所定時間は、エアシリンダクランプ50の動作開始から動作完了(仮固定の完了)までの時間よりも長くなるように設定される。
【0056】
基板カメラ21は、本固定が完了するのを待たず、仮固定のみが完了した状態で、認識マークの撮像を行う。認識マークの撮像中もPUプレート42は上昇を続け、PUプレート42が上限位置まで上昇すると、本固定が完了する。図4(c)は、認識マークの撮像と基板Bの本固定の両方が完了した状態を示す。
【0057】
<タイムチャート>
搭載準備動作中の各部の動作についてのタイムチャートを図7に示す。基板情報の読み込みと、基板Bが特定の種類の基板BXであるか否かの判断は、後述するフローチャートの説明と併せて説明する。
【0058】
時刻T10において、搬入された基板Bに対して、PU装置40による本固定と、エアシリンダクランプ50による仮固定が開始される。時刻T11において仮固定が先に完了する。
【0059】
仮固定の開始後、所定時間経過した時刻T12に、基板カメラ21による認識マークの撮像が開始される。所定時間の経過は計時部117によって検出される。認識マークには、フィデューシャルマークFMと、バッドマークBMとが含まれる。所定時間は、仮固定に要する時間(時刻T10~T11間)よりも長く設定される。したがって、仮固定の完了後に、基板カメラ21による認識マークの撮像が開始される。
【0060】
時刻T13で基板カメラ21による認識マークの撮像が完了すると、その後、制御部110において、フィデューシャルマークFMの画像に基づく部品Eの搭載目標位置の補正と、バッドマークBMの画像に基づく、単位基板B1~B3に対する部品Eの搭載可否の決定が行われる。補正処理および搭載可否の決定は、本固定が完了する時刻T15よりも前に完了するように実行される。
【0061】
本実施形態では、基板カメラ21による撮像が完了した時刻T13から補正処理及び搭載可否の決定を開始し、本固定の完了前である時刻T14に完了する。その後本固定の完了を待って、ヘッド32による部品Eの搭載が開始される。仮に時刻T14において本固定がすでに完了していれば、補正処理及び搭載可否の決定を待って、ヘッド32による部品Eの搭載が開始される。
【0062】
本実施形態の部品搭載装置10では、基板Bの仮固定後、本固定までの間に、基板カメラ21による認識マークの撮像を行う。本固定の動作中に、並行して基板カメラ21による撮像ができるため、本固定の完了後に認識マークの撮像を行う場合と比べて、早期に撮像を終えて、撮像した画像に基づいた基板Bの状態の認識が可能になる。これにより、部品搭載装置10のタクトを向上させることができる。
【0063】
本実施形態の部品搭載装置10は、基板Bの仮固定後、本固定までの間に、基板カメラ21で基板Bに設けられたフィデューシャルマークFMを撮像し、撮像した画像から基板Bの位置情報を取得して部品Eの搭載目標位置を補正する。本固定の動作と並行してフィデューシャルマークFMの撮像と、搭載目標位置の補正ができるため、本固定の完了後すぐに、補正された搭載目標位置へ部品Eの搭載を開始でき、部品搭載装置10のタクトを向上させることができる。
【0064】
本実施形態の部品搭載装置10は、基板Bの仮固定後、本固定までの間に、基板カメラ21で基板Bに設けられたバッドマークBMを撮像し、撮像した画像から単位基板B1~B3に対する部品Eの搭載可否を決定する。本固定の動作と並行して、バッドマークBMの撮像と、部品Eの搭載可否を決定できるため、部品Eを搭載する単位基板に対して、本固定の完了後すぐに部品Eを搭載できる。これにより、部品搭載装置10のタクトを向上させることができる。
【0065】
本実施形態の部品搭載装置10では、基板Bの本固定が完了する前に、搭載目標位置の補正を行う。本固定が完了する前に補正をしておくことで、本固定の完了後はすぐに基板Bに対する部品Eの搭載が可能になる。これにより、部品Eの搭載を早期に開始できるため、部品搭載装置10のタクトを向上させることができる。
<フローチャート>
次に、搭載準備動作を図8のフローチャートを用いて、基板Bの種類が特定の種類の基板BXである場合と、他の種類の基板BYである場合について説明する。上述したタイムチャート(図7参照)で説明した各部の動作は、基板Bが他の種類の基板BYである場合の動作であり、図8のS30~S70に相当する部分である。なお、各部の動作は、上述したタイムチャートでは開始と完了の両方のタイミングを記載していたが、フローチャートでは完了時のみを記載している。
【0066】
搭載準備動作は、基板Bが搭載位置Pに搬入されるとスタートする。まず、S10において、演算処理部111は、記憶部113から基板Bの種類に関する情報を読み込む(S10)。
【0067】
次に、演算処理部111は、基板Bが特定の種類の基板BXであるか、他の種類の基板BYであるかを判断する(S20)。他の種類の基板BYである場合(S20:NO)、上述のタイムチャートで説明したように、基板BYの仮固定(S30)、フィデューシャルマークFMの撮像(S40)、バッドマークBMの撮像(S50)、補正処理および搭載可否の決定(S60)、基板BYの本固定(S70)、を順次行い、搭載準備動作を終了する。S30~S70では、基板BYの仮固定後、本固定までの間に、フィデューシャルマークFMおよびバッドマークBMの両方の撮像を行っている。搭載準備動作の終了後には、ヘッド32による部品Eの搭載が開始される。
【0068】
基板Bが特定の種類の基板BXに該当する場合は(S20:YES)、上述したように、仮固定後、本固定の前は、フィデューシャルマークFMを認識できる認識精度が得られにくい。そこで、上述したS30~S70のフローとは順番を変えて、本固定の完了(S100)後に、フィデューシャルマークFMの撮像(S110)を行い、その後、補正処理及び搭載可否の決定を行う(S120)。なお、バッドマークBMの認識(S90)は、仮固定の完了(S80)の後に行う。
【0069】
認識精度が高くなる本固定後にフィデューシャルマークFMの認識を行うことで、特定の種類の基板であっても、フィデューシャルマークFMの認識の成功率を高めることができる。また、本固定の動作中にバッドマークBMの撮像を行うため、本固定が完了するのを待ってフィデューシャルマークFMとバッドマークBMを撮像する場合と比べて早く撮像を終えて、部品Eの搭載を早期に開始できる。
【0070】
本実施形態の部品搭載装置10では、基板Bの種類によってフローを変える。基板BYである場合は、仮固定の完了後本固定までの間に、フィデューシャルマークFMとバッドマークBMの両方を撮像する。基板BXである場合は、仮固定の完了後本固定までの間に、バッドマークBMの撮像を行い、高い認識精度が求められるフィデューシャルマークFMの撮像は、十分な認識精度が得られる本固定後に行う。
【0071】
基板Bの種類がBX、BYのどちらであっても、本固定の動作中に少なくともバッドマークBMの撮像を行うため、早期に部品Eの搭載を開始して、部品搭載装置10のタクトを向上させることができる。
【0072】
<実施形態2>
<PU連動式クランプ(仮固定部)>
実施形態2の部品搭載装置210について、図9図10を参照して説明する。実施形態2の部品搭載装置210は、基板Bを固定する仮固定部の構成が、実施形態1とは異なる。本実施形態の仮固定部は、PUプレート142の昇降動作に連動して昇降する、プッシュアップ(PU)連動式クランプ150である。PU連動式クランプ150は、「仮固定部」の一例である。クランププレート147は、「第2クランプ部」の一例である。PUピン141と、PUプレート142とで、第2支持部を構成している。
【0073】
図9は、PU連動式クランプ150による仮固定と本固定の動作を説明するための側面図である。PU連動式クランプ150は、一対の係止片46、一対のクランププレート147、を有している。
【0074】
上述したエアシリンダクランプ50とは異なり、PU連動式クランプ150は、クランププレート147の駆動源となるエアシリンダ49やモータを有していない。クランププレート147は、以下に説明するように、PUプレート142と当接して下方から持ち上げられることにより、上下に変位する。クランププレート147は、クランププレート47よりも上下方向に長く、クランププレート147の上下方向の長さは、PUプレート142の上面からPUピン141の上端までの距離と略等しい。
【0075】
クランププレート147は、図9(a)に示すアンクランプ位置から、図9(c)に示すクランプ位置までの間を上下に変位可能である。クランププレート147がアンクランプ位置にあるとき、基板Bはコンベアベルト14上に載置されている。
【0076】
第2昇降駆動部144を動作させて、PUプレート142を図9(a)の下限位置から上昇させると、本固定の動作が開始される。PUプレート142が上限位置に到達する前に、PUプレート142の上面にクランププレート147の下辺が当接する。その後PUプレート142をさらに上昇させると、クランププレート147はPUプレート142に突上げられてPUプレート142とともに上昇し、仮固定が開始される(図9(b)参照)。クランププレート147が上昇すると、クランププレート147の上辺が基板Bの下面を下方から支持して持ち上げる。本実施形態では、クランププレート147が基板Bを下方から支持すると、基板Bの上面が係止片46に当接していなくても、仮固定が完了したと判断する。また、クランププレート147が基板Bの下面に当接するのと略同時に、PUピン141の上端も基板Bの下面に当接して基板Bを下方から支持して持ち上げる。
【0077】
図9(c)に示すように、PUプレート142が上限位置まで変位したときは、クランププレート147の上辺は、係止片46との間で基板Bを挟み付けている。それと同時に、PUピン141が基板Bの下面を下方から支持しており、基板Bの本固定が完了している。
【0078】
<タイムチャート>
実施形態2の構成における、搭載準備動作中の各部の動作を、図10のタイムチャートに示す。部品搭載装置210に基板Bが搬入されると、搭載準備動作が開始される。このときの時刻をT30とする。時刻T30において、PU装置140による本固定が開始され、PUプレート142が下限位置から上昇する。
【0079】
PUプレート142が下限位置から所定距離上昇すると、時刻T31において、PUプレート142の上面がクランププレート147の下辺に当接し、クランププレート147が持ち上げられる。時刻T31においてクランププレート147がPUプレート142の上昇に伴って上昇するとすぐに、クランププレート147が基板Bに下方から当接して支持し、仮固定が完了する。
【0080】
第2昇降駆動部144のモータが有するエンコーダが、昇降軸143の変位量を制御部110に送信することにより、制御部110はPUプレート142が所定距離上昇したことを検出する。
【0081】
時刻T31で仮固定が完了した後、第2駆動部144が、PUプレート142が所定距離上昇したことを検出すると、そのときの時刻T32において、基板カメラ21による認識マークの撮像が開始される(図9(b)参照)。認識マークの撮像が完了すると、時刻T35まで、補正処理と搭載可否の決定が行われる。
【0082】
時刻T34に本固定が完了し、また、時刻T35に補正処理と搭載可否の決定が完了すると、時刻T34と時刻T35の遅い方からヘッド32による部品Eの実装が開始される。図10の例では、補正処理が完了した時刻T35より前の時刻T34に、本固定がすでに完了しているため、補正処理が完了した時刻T35から部品Eの実装が開始される。補正処理が完了したときに、まだ本固定が完了していない場合、部品Eの実装は、本固定の完了を待って開始される。
【0083】
<効果説明>
本実施形態に係る部品搭載装置210では、仮固定部であるPU連動式クランプ150は、本固定部であるPU装置40と連動して動作する。この構成では、図10に示すように、本固定の動作中である時刻T31に基板Bが仮固定される。仮固定後の時刻T32から、基板カメラ21による認識マークの撮像が開始される。本固定が完了するのを待たずに、本固定の動作中に並行して認識マークを撮像するため、本固定の完了を待って撮像を開始する場合と比べて、早期に部品Eの搭載を開始することができる。これにより、部品搭載装置210のタクトを向上させることができる。
【0084】
<他の実施形態>
(1)上記実施形態1、2では、撮像したフィデューシャルマークFMの位置情報に基づき搭載目標位置の補正を行ったが、撮像する対象はフィデューシャルマークFMでなくてもよい。例えば、基板B上に形成された任意の回路パターンや、基板端部に形成された切り欠き等を撮像して取得した位置情報に基づき補正を行ってもよい。
【0085】
(2)上記実施形態1では、エアシリンダクランプ50による仮固定の開始と略同時に、PU装置40による本固定を開始したが、仮固定と本固定の開始は前後して行われてもよく、いずれか一方から先に開始されてもよい。
【0086】
(3)上記実施形態1では、仮固定を行うエアシリンダクランプ50と、本固定を行うPU装置40とが個別に動作する構成の一例として、PU装置40がモータにより駆動され、エアシリンダクランプ50がエアシリンダにより駆動される場合を例示した。実施形態1では、仮固定と本固定とでそれぞれ駆動源が異なるが、両者が個別に動作可能であれば、駆動源が同一であってもよい。
【0087】
(4)上記実施形態では、基板BにはフィデューシャルマークFMとバッドマークBMの両方が設けられており、基板カメラ21で両方のマークを撮像する場合を例示したが、基板BにはフィデューシャルマークFMとバッドマークBMのうちの少なくとも一方が設けられていればよい。また、基板Bに両方のマークが設けられていても、基板カメラ21で撮像するマークはいずれか一方でもよい。
【符号の説明】
【0088】
10 部品搭載装置
21 撮像部
30 ヘッドユニット
40 プッシュアップ装置(「本固定部」の一例)
50 エアシリンダクランプ(「仮固定部」の一例)
110 制御部
B 基板
E 部品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10