(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024002503
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】配線基板
(51)【国際特許分類】
H05K 1/05 20060101AFI20231228BHJP
【FI】
H05K1/05 Z
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022101722
(22)【出願日】2022-06-24
(71)【出願人】
【識別番号】000004547
【氏名又は名称】日本特殊陶業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100160691
【弁理士】
【氏名又は名称】田邊 淳也
(74)【代理人】
【識別番号】100157277
【弁理士】
【氏名又は名称】板倉 幸恵
(74)【代理人】
【識別番号】100182718
【弁理士】
【氏名又は名称】木崎 誠司
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】牛田 貴久
【テーマコード(参考)】
5E315
【Fターム(参考)】
5E315AA02
5E315BB03
5E315BB11
5E315CC19
5E315DD29
5E315GG01
5E315GG22
(57)【要約】
【課題】配線基板の放熱性低下を抑制した上で、配線基板の反りなどの形状変化を抑制する。
【解決手段】配線基板は、第1主面と、第1主面の反対側に位置する第2主面とを備える基材であって、アルミニウム(Al)を主成分とする金属材料から成る基材と、金属材料の陽極酸化被膜であって、基材の前記第1主面の少なくとも一部に形成された第1酸化被膜層と、導電性を有する配線部であって、第1酸化被膜層のうち第1主面と対向する面とは反対側の面に形成された配線部と、金属材料の陽極酸化被膜であって、基材の第2主面の少なくとも一部に形成された第2酸化被膜層と、を備え、配線部を、第1主面から第2主面に向かって投影したとき、第2酸化被膜層は、配線部の投影範囲の少なくとも一部には形成されていない。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線基板であって、
第1主面と、前記第1主面の反対側に位置する第2主面とを備える基材であって、アルミニウム(Al)を主成分とする金属材料から成る基材と、
前記金属材料の陽極酸化被膜であって、前記基材の前記第1主面の少なくとも一部に形成された第1酸化被膜層と、
導電性を有する配線部であって、前記第1酸化被膜層のうち前記第1主面と対向する面とは反対側の面に形成された配線部と、
前記金属材料の陽極酸化被膜であって、前記基材の前記第2主面の少なくとも一部に形成された第2酸化被膜層と、を備え、
前記配線部を、前記第1主面から前記第2主面に向かって投影したとき、前記第2酸化被膜層は、前記配線部の投影範囲の少なくとも一部には形成されていないことを特徴とする、配線基板。
【請求項2】
請求項1に記載の配線基板であって、
前記第2主面において前記第2酸化被膜層が形成された部分と、前記配線部の投影範囲とは重複しないことを特徴とする、配線基板。
【請求項3】
請求項2に記載の配線基板であって、
前記第1酸化被膜層を、前記第1主面から前記第2主面に向かって投影したとき、前記第2主面において前記第2酸化被膜層が形成された部分と、前記第1酸化被膜層の投影範囲とは重複しないことを特徴とする、配線基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線基板に関する。
【背景技術】
【0002】
アルミニウム(Al)を主成分とするアルミニウム基板の表面に、陽極酸化処理(アルマイト)を施すことにより、絶縁層としてのアルマイト被膜が形成された回路基板が知られている(例えば、特許文献1~3参照)。特許文献1に記載された回路基板では、アルミニウム基板の両面の全面にアルマイト被膜が形成されている。特許文献2に記載された基板では、アルミニウム基板における一方の面の全面にアルマイト被膜が形成されている。特許文献3には、アルミニウム合金の表面に、非晶質アルマイト層と、結晶化アルマイト層との積層による保護膜が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-124324号公報
【特許文献2】特開2012-201891号公報
【特許文献3】特許第6257944号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
アルミニウム基板の表面に配線部が配置される配線基板では、アルミニウム基板と、配線部とを絶縁するために、特許文献1~3に示されるようにアルマイト被膜等の絶縁層を形成する必要がある。アルマイト被膜の膨張率は、アルミニウム基板よりも低い。そのため、特許文献2,3に記載されたように、アルミニウム基板の一方の面だけにアルマイト被膜が形成された配線基板の温度が上昇すると、アルマイト被膜とアルミニウム基板との熱膨張の差により、配線基板が反って形状が変化するおそれがある。一方で、特許文献1に記載されたように、アルミニウム基板の両面にアルマイト被膜が形成されると、アルマイト被膜の放熱性がアルミニウムよりも低いため、配線基板の放熱性が低下するおそれがある。
【0005】
本発明は、上述した課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、配線基板の放熱性低下を抑制した上で、配線基板の反りなどの形状変化を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述した課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現できる。
【0007】
(1)本発明の一形態によれば、配線基板が提供される。この配線基板は、第1主面と、前記第1主面の反対側に位置する第2主面とを備える基材であって、アルミニウム(Al)を主成分とする金属材料から成る基材と、前記金属材料の陽極酸化被膜であって、前記基材の前記第1主面の少なくとも一部に形成された第1酸化被膜層と、導電性を有する配線部であって、前記第1酸化被膜層のうち前記第1主面と対向する面とは反対側の面に形成された配線部と、前記金属材料の陽極酸化被膜であって、前記基材の前記第2主面の少なくとも一部に形成された第2酸化被膜層と、を備え、前記配線部を、前記第1主面から前記第2主面に向かって投影したとき、前記第2酸化被膜層は、前記配線部の投影範囲の少なくとも一部には形成されていない。
【0008】
この構成によれば、基材の第1主面に形成される第1酸化被膜層上に配線部が配置される。配線部が第2主面に投影された投影範囲の少なくとも一部には、第2酸化被膜層が形成されていない。すなわち、基材の第2主面では、配線部の投影範囲の一部で、アルミニウムを主成分とする金属材料の基材が露出している。本構成の配線基板の使用時に最も温度が上昇する部材は配線部である。そのため、配線部の裏側の熱伝導率の高い基材が露出することにより、当該露出部分を介して効率良く放熱できる。一方で、基材の第1主面と、第2主面とのいずれにも酸化被膜層が形成されるため、第2主面に第2酸化被膜層が形成されていない配線基板と比べて、第1主面と、第2主面とにおける熱膨張の差が小さくなる。この結果、本構成では、放熱性低下を抑制した上で、配線基板の反りなどの形状変化を抑制できる。
【0009】
(2)上記形態の配線基板において、前記第2主面において前記第2酸化被膜層が形成された部分と、前記配線部の投影範囲とは重複しなくてもよい。
この構成によれば、第2主面における配線部の投影範囲の全面に、第2酸化被膜層が形成されていない。そのため、放熱性低下をさらに抑制した上で、配線基板の形状変化を抑制できる。
【0010】
(3)上記形態の配線基板において、前記第1酸化被膜層を、前記第1主面から前記第2主面に向かって投影したとき、前記第2主面において前記第2酸化被膜層が形成された部分と、前記第1酸化被膜層の投影範囲とは重複しなくてもよい。
この構成によれば、第2主面における配線部よりも大きい第1酸化被膜層の投影範囲の全面に、第2酸化被膜層が形成されていない。そのため、放熱性低下をさらに抑制した上で、配線基板の形状変化を抑制できる。
【0011】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、配線基板、半導体装置、電子部品、およびこれらを備えるシステム等、配線基板の製造方法およびこれらを備えるシステム等の形態で実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態の配線基板の説明図である。
【
図2】本発明の実施形態の配線基板の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<実施形態>
図1および
図2は、本発明の実施形態の配線基板10の説明図である。
図1には、配線基板10の概略正面図が示されている。
図2には、配線基板10の
図1におけるA-A断面の概略図が示されている。本実施形態の配線基板10では、金属材料から成る基材1の第1主面1Aの少なくとも一部に第1酸化被膜層2が形成され、第1主面1Aの反対側に位置する第2主面1Bの少なくとも一部に第2酸化被膜層4が形成されている。第2酸化被膜層4は、第1酸化被膜層2に配置される配線部3を第2主面1Bに投影した投影範囲AR3に形成されていない。そのため、本実施形態の配線基板10は、第2主面1Bにおいて露出した熱伝導率の高い基材1により放熱性を確保する。さらに、基材1の両面に形成された第1酸化被膜層2および第2酸化被膜層4により、第1主面1Aと第2主面1Bとの熱膨張率の差が抑制されて、配線基板10の反りなどの形状変形が抑制される。なお、以降では、第1酸化被膜層2と第2酸化被膜層4とを合わせて、酸化被膜層2,4とも呼ぶ。
【0014】
図1,2に示されるように、配線基板10は、矩形の平板状の基材1と、基材1の第1主面1Aに形成された第1酸化被膜層2と、基材1の第2主面1Bに形成された第2酸化被膜層4と、第1酸化被膜層2上に形成された配線部3と、を備えている。基材1は、アルミニウム(Al)を主成分とする金属材料から成る。本実施形態における主成分とは、質量%が最も高い成分のことを言う。なお、
図1,2に示される直交座標系CSでは、矩形の基材1の2辺に平行な軸のそれぞれがX軸、Y軸として定義され、基材の厚さ方向がZ軸方向として定義された座標系である。
図1~3に示される各直交座標系CSは、それぞれ対応している。
【0015】
酸化被膜層2,4は、基材1に陽極酸化処理を施して表面を変質させて形成された酸化被膜(アルマイト)である。換言すると、基材1の第1主面1Aおよび第2主面1Bのうち、変質した部分が酸化被膜層2,4であり、変質していない部分で基材1の金属材料が露出している。
【0016】
図1,2に示されるように、第1酸化被膜層2は、基材1の第1主面1Aにおける中央部に矩形状に形成された層である。第1酸化被膜層2は、配線部3のような電子部品が搭載される領域である。
【0017】
配線部3は、第1酸化被膜層2のうち第1主面1Aと対向する面とは反対側の面(Z軸正方向側の面)に形成されている。配線部3は、導電性を有し、第1酸化被膜層2により基材1とは絶縁されている。配線部3は、主成分が互いに異なる3種の金属薄膜が積層されて構成されている。具体的には、チタン(Ti)を主成分とする金属薄膜と、白金(Pt)を主成分とする金属薄膜と、金(Au)を主成分とする金属薄膜と、が第1酸化被膜層2側(Z軸負方向側)から順番に積層されている。チタンは、第1酸化被膜層2との密着性が良好である。白金は、金との密着性がチタンよりも良好である。金は、高導電性および抗腐食性を有し、ボンディング性が良好な配線層を実現できる。なお、
図1,2では、各薄膜が区別されて表されていない。配線部3は、蒸着、スパッタリング等の公知の方法により形成される。配線部3と基材1とを絶縁するために、第1酸化被膜層2は、第1主面1Aに配線部3が投影された投影領域AR3も広い範囲で形成されている。
【0018】
図1には、第2主面1Bに形成された第2酸化被膜層4がハッチングにより示されている。
図1に示されるように、第2酸化被膜層4は、第2主面1Bにおける中央部を除いた外周部に形成されている。具体的には、第2酸化被膜層4は、配線部3を第1主面1Aから第2主面1Bに向かって投影したとき、
図2に示されるように、配線部3の投影範囲AR3に重複しない範囲に形成されている。換言すると、第2酸化被膜層4は、配線部3の投影範囲AR3内の少なくとも一部には形成されていない。また、第2酸化被膜層4は、第1酸化被膜層2を第1主面1Aから第2主面1Bに向かって投影したとき、第1酸化被膜層2の投影範囲AR2に重複しない範囲に形成されている。
【0019】
図3は、配線基板10の製造方法の説明図である。
図3には、1枚のアルミニウム基板BPを基材1とする複数の配線基板10,20,30が形成された、いわゆる多数個取りの配線基板の概略正面図が示されている。本実施形態では、1枚のアルミニウム基板BPに対して、大きさが異なる各4つの配線基板10,20,30が形成されている。アルミニウム基板BPが所定の大きさに切断されることにより、各配線基板10,20,30が作製される。なお、
図3では、
図1と同じように、第2主面1B側に形成された第2酸化被膜層4が、ハッチングにより示されている。
【0020】
基材1の表面に部分的に陽極酸化被膜を形成する方法としては、例えば、基材1の表面全面にアルマイトを形成した後に、不要部(基材1の表面を露出される部分)を、湿式の化学処理、レーザー加工等により除去する方法(以下、「第1の方法」とも言う)を用いることができる。また、例えば、基材1の表面の不要部(基材1の表面を露出させる部分)に、フォトリソグラフィ、テープ等でマスキングを施した後にアルマイトを形成する方法(以下、「第2の方法」とも言う)を用いることもできる。
【0021】
第1の方法にて酸化被膜層2,4を形成した場合、基材1の厚さは略一様であり、基材1の厚さより薄い。一方、第2の方法にて酸化被膜層2,4を形成した場合、基材1の第1主面1Aが露出している部分(第1酸化被膜層2が形成されていない部分)の基材1の厚さは、陽極酸化処理が行われる前の基材1の厚さと略同じであり、第1酸化被膜層2が形成されている部分の基材1の厚さは、基材1の第1主面1Aが露出している部分より薄くなっている。すなわち、第2の方法にて酸化被膜層2,4を形成した場合は、基材1の厚みが部分的に異なっている。
【0022】
以上説明したように、本実施形態の配線基板10は、アルミニウム(Al)を主成分とする金属材料から成る基材1の第1主面1Aに形成された第1酸化被膜層2と、第1酸化被膜層2上に形成された配線部3と、基材1の第2主面1Bに形成された第2酸化被膜層4とを備えている。第2酸化被膜層4は、配線部3の投影範囲AR3内の少なくとも一部には形成されていない。すなわち、本実施形態の配線基板10では、基材1の第2主面1Bでは、配線部3の投影範囲AR3の一部で、アルミニウムを主成分とする金属材料の基材1が露出している。配線基板10の使用時に最も温度が上昇する部材は配線部3である。そのため、配線部3の裏側の熱伝導率の高い基材1が露出することにより、当該露出部分を介して効率良く放熱できる。一方で、基材1の第1主面1Aと、第2主面1Bとのいずれにも酸化被膜層が形成されるため、第2主面1Bに第2酸化被膜層4が形成されていない配線基板と比べて、第1主面1Aと、第2主面1Bとにおける熱膨張の差が小さくなる。この結果、本実施形態の配線基板10では、放熱性低下を抑制した上で、配線基板10の反りなどの形状変化を抑制できる。
【0023】
また、本実施形態の第2酸化被膜層4は、配線部3を第1主面1Aから第2主面1Bに向かって投影したとき、配線部3の投影範囲AR3に重複しない範囲に形成されている。すなわち、本実施形態の配線基板10では、第2主面1Bにおける配線部3の投影範囲AR3の全面に、第2酸化被膜層4が形成されていない。そのため、配線基板10の放熱性低下をさらに抑制した上で、配線基板10の形状変化を抑制できる。
【0024】
また、本実施形態の第2酸化被膜層4は、第1酸化被膜層2を第1主面1Aから第2主面1Bに向かって投影したとき、第1酸化被膜層2の投影範囲AR2に重複しない範囲に形成されている。すなわち、第2主面1Bにおける配線部3よりも大きい第1酸化被膜層2の投影範囲AR2の全面に、第2酸化被膜層4が形成されていない。そのため、配線基板10の放熱性低下をさらに抑制した上で、配線基板10の形状変化を抑制できる。
【0025】
<本実施形態の変形例>
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0026】
<変形例1>
上記実施形態の配線基板10は、一例であって、第1主面1Aと第2主面1Bとの両方に陽極酸化被膜が形成され、かつ、第2主面1Bに形成される第2酸化被膜層4が配線部3の投影範囲AR3の少なくとも一部に形成されない範囲で、変形可能である。例えば、
図2に示される第2酸化被膜層4が、上記実施形態よりも中心側に延伸して形成され、配線部3の投影範囲AR3に一部が重複していてもよい。また、第2酸化被膜層4は、
図1に示されるようなX軸またはY軸に線対称な形状ではなくてもよい。同じように、第1酸化被膜層2と、配線部3との少なくとも一方が線対称な形状でなくてもよい。基材1と、第1酸化被膜層2と、第2酸化被膜層4と、配線部3との形状は矩形状でなくてもよく、例えば、三角形、四角形、五角形、六角形等の多角形状であってもよいし、円形状、楕円形状等の多角形以外の形状であってもよい。
【0027】
上記実施形態において、酸化被膜層2,4が形成されていない部分は、基材1の表面が露出している例を示したが、基材1の表面が露出していなくてもよい。例えば、酸化被膜層2,4が形成されていない部分に、陽極酸化被膜と異なる材料が基材1上に直接被覆されていてもよい。但し、基材1の表面が露出する構成にすると、放熱性を良好にすることができるため、好ましい。
【0028】
配線部3の主成分および構成は、上記実施形態に限定されない。例えば、Al,Au,Pt,Ti,Cu,Pd,Rh,Ni,W,Mo,Cr,Ag等の金属またはこれらの合金の単相または複数層の積層構造で形成することができる。また、ITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウムスズ)。等の導電性材料を用いてもよい。
【0029】
上記実施形態では、配線基板10の製造方法として、第1の方法および第2の方法を例示したが、周知の製造方法を用いることができる。基材1の第1主面1Aに形成される第1酸化被膜層2と、第2主面1Bに形成される第2酸化被膜層4とが異なる製造方法により形成されてもよい。第1酸化被膜層2の厚さと、第2酸化被膜層4の厚さとは異なっていてもよい。第2酸化被膜層4は、第2主面1Bにおいて、接続されてた1つの層でなくてもよく、離間して形成された複数の層であってもよい。第2酸化被膜層4が離間した複数の層で形成される場合に、各層の厚さが異なっていてもよい。
【0030】
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本態様にはその等価物が含まれる。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することができる。
【0031】
本発明は、以下の形態としても実現することが可能である。
[適用例1]
配線基板であって、
第1主面と、前記第1主面の反対側に位置する第2主面とを備える基材であって、アルミニウム(Al)を主成分とする金属材料から成る基材と、
前記金属材料の陽極酸化被膜であって、前記基材の前記第1主面の少なくとも一部に形成された第1酸化被膜層と、
導電性を有する配線部であって、前記酸化被膜層のうち前記第1主面と対向する面とは反対側の面に形成された配線部と、
前記金属材料の陽極酸化被膜であって、前記基材の前記第2主面の少なくとも一部に形成された第2酸化被膜層と、を備え、
前記配線部を、前記第1主面から前記第2主面に向かって投影したとき、前記第2酸化被膜層は、前記配線部の投影範囲の少なくとも一部には形成されていないことを特徴とする、配線基板。
[適用例2]
適用例1に記載の配線基板であって、
前記第2主面において前記第2酸化被膜層が形成された部分と、前記配線部の投影範囲とは重複しないことを特徴とする、配線基板。
[適用例3]
適用例1または適用例2に記載の配線基板であって、
前記第1酸化被膜層を、前記第1主面から前記第2主面に向かって投影したとき、前記第2主面において前記第2酸化被膜層が形成された部分と、前記第1酸化被膜層の投影範囲とは重複しないことを特徴とする、配線基板。
【符号の説明】
【0032】
1…基材
1A…基材の第1主面
1B…基材の第2主面
2…第1酸化被膜層
3…配線部
4…第2酸化被膜層
10,20,30…配線基板
AR2…第1酸化被膜層の投影範囲
AR3…配線部の投影範囲
BP…アルミニウム基板
CS…直交座標系