(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025070
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】計量装置
(51)【国際特許分類】
G01G 19/387 20060101AFI20240216BHJP
【FI】
G01G19/387 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022128213
(22)【出願日】2022-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100180851
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼口 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100176245
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 亮輔
(72)【発明者】
【氏名】立川 聡
(72)【発明者】
【氏名】北條 正晃
(72)【発明者】
【氏名】岡野 弘志
(72)【発明者】
【氏名】前田 修一
(57)【要約】
【課題】容器を容易に出し入れすることができる計量装置を提供する。
【解決手段】計量装置120は、物品群Xを収容する容器50が載置される載置部52と、載置部52を移動させる容器駆動部54と、容器駆動部54を制御する制御部70と、容器50内の物品群Xから一部の物品を把持する把持部30と、載置部52および把持部30を取り囲むと共に、容器50が通過可能な左開口22A,右開口22B,前開口22Cを有するカバー部20と、を備える。制御部70は、容器駆動部54を制御し、左開口22A,右開口22B,前開口22Cのうち予め設定された左開口22Aの位置に向けて載置部52を移動させる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を把持して計量する計量装置であって、
前記物品が集合して形成される物品群を収容する容器が載置される載置部と、
前記載置部を移動させる駆動部と、
前記駆動部を制御する制御部と、
前記容器内の前記物品群から一部の前記物品を把持する把持部と、
前記載置部および前記把持部を取り囲むと共に、前記容器が通過可能な開口を複数有するカバー部と、を備え、
前記制御部は、前記駆動部を制御し、複数の前記開口のうち予め設定された所定の開口の位置に向けて前記載置部を移動させる、計量装置。
【請求項2】
前記容器内に収容された前記物品群の残量を検知する残量検知部をさらに備え、
前記制御部は、前記残量検知部によって検知された前記物品群の残量に基づいて前記載置部の移動を開始させる、請求項1に記載の計量装置。
【請求項3】
前記カバー部は、正面、左側面および右側面の三方向に前記開口を有し、
前記制御部は、前記三方向のいずれかに前記載置部を移動させる、請求項1または2に記載の計量装置。
【請求項4】
前記容器内の前記物品群の温度を検知する温度検知部をさらに備え、
前記制御部は、前記温度検知部によって検知された前記物品群の温度が所定の温度より低い場合に、前記載置部の移動を開始させる、請求項1または2に記載の計量装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記載置部の一部が予め設定された前記所定の開口を通過するまで前記載置部を移動させる、請求項1または2に記載の計量装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記把持部が把持する前記物品を開放した後、設定された前記所定の開口に向けて前記載置部の移動を開始させる、請求項1または2に記載の計量装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計量装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されるように、容器に格納される物品群から物品を把持し、計量して排出する物品把持システムが知られている。このシステムでは、制御部が、把持ユニットの下方に容器を位置させ、その後容器を上昇させる。制御部は、把持爪に物品を把持させ、把持された物品の重量が計量される。所定の条件が満たされた場合に、制御部は、把持爪による物品の把持を解除し、物品を下方の排出シュートへ排出する。
【0003】
容器は、載置面に載置されており、容器駆動部によって移動させられる。計量が複数回実施され、容器内に収容された物品の量が減少すると、人又は機械によって、当該容器は、物品を多く収容した新たな容器と交換される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した従来のシステムでは、容器内に収容された物品の量が減少すると、当該容器が交換される。ところが、容器の交換が必要と判断された時点で、容器の位置は一定の位置には定まらない。また、容器を交換するため、人または機械が装置内にアクセスする必要があるが、容器の交換(出し入れ)を考慮した構造が採用されている訳ではない。よって、容器の入れ替えに手間がかかる。
【0006】
本発明は、容器を容易に出し入れすることができる計量装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の一態様は、物品を把持して計量する計量装置であって、物品が集合して形成される物品群を収容する容器が載置される載置部と、載置部を移動させる駆動部と、駆動部を制御する制御部と、容器内の物品群から一部の物品を把持する把持部と、載置部および把持部を取り囲むと共に、容器が通過可能な開口を複数有するカバー部と、を備え、制御部は、駆動部を制御し、複数の開口のうち予め設定された所定の開口の位置に向けて載置部を移動させる。
【0008】
この計量装置によれば、カバー部は、複数の開口を有しており、そのそれぞれにおいて容器を通過させることができる。制御部によって、これらの開口のうち予め設定された所定の開口の位置に向けて、載置部が移動させられる。よって、作業者または外部の装置は、開口を介して容器を容易に出し入れすることができる。装置の運転状況などに応じて所定の開口を1つ又は複数設定しておくことにより、製造ラインのレイアウト等に応じた位置で容器を出し入れすることもでき、利便性が高められる。
【0009】
(2)上記(1)の計量装置において、容器内に収容された物品群の残量を検知する残量検知部をさらに備え、制御部は、残量検知部によって検知された物品群の残量に基づいて載置部の移動を開始させてもよい。この場合、物品群の残量が少なくなってきた際に容器を容易に交換することができる。
【0010】
(3)上記(1)または(2)の計量装置において、カバー部は、正面、左側面および右側面の三方向に開口を有し、制御部は、三方向のいずれかに載置部を移動させてもよい。この場合、装置のレイアウトに応じて、適宜に容器を出し入れする面を設定することができ、利便性がさらに高められる。
【0011】
(4)上記(1)~(3)のいずれか一項に記載の計量装置において、容器内の物品群の温度を検知する温度検知部をさらに備え、制御部は、温度検知部によって検知された物品群の温度が所定の温度より低い場合に、載置部の移動を開始させてもよい。この場合、物品群の温度が低下したことを検知して、容器を交換することができる。計量対象となる物品の品質を維持することができる。
【0012】
(5)上記(1)~(4)のいずれか一項に記載の計量装置において、制御部は、載置部の一部が予め設定された所定の開口を通過するまで載置部を移動させてもよい。この場合、載置部の一部が開口を通過するまで載置部が移動させられるので、外部の装置等による容器の自動的な交換が可能となる。
【0013】
(6)上記(1)~(5)のいずれか一項に記載の計量装置において、制御部は、把持部が把持する物品を開放した後、設定された所定の開口に向けて載置部の移動を開始させてもよい。この場合、計量が終了した後に容器の交換または入れ替えがなされるため、計量の効率がよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、作業者または外部の装置は、開口を介して容器を容易に出し入れすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態に係る計量装置の正面図である。
【
図2】
図2は、載置部の位置制御に係る各種構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、把持部、載置部、及び残量検知部の配置を示す平断面図である。
【
図4】
図4は、計量装置の概略構成を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、計量装置において三方向に設けられた開口を示す図である。
【
図6】
図6は、
図5の平面図であり、開口の位置に向けて移動させられる載置部の位置を示す図である。
【
図8】
図8は、容器を底面側から見て示す斜視図である。
【
図9】
図9(a)~
図9(c)は、計量装置の外部に設けられる搬送設備の一例を示す図であり、
図9(a)、
図9(b)および
図9(c)の順に、容器の交換手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0017】
まず
図1を参照して、本実施形態に係る計量装置120が適用される物品移動システム1について説明する。
図1に示される物品移動システム1は、容器50内の物品群Xから一部の物品を取り出して移動させるシステムである。容器50は、物品が集合して形成される物品群Xを収容する。物品移動システム1は、一部の物品の重量(質量)が目標重量の範囲内となるように、一部の物品を容器50から取り出し、当該物品を外部に排出する。すなわち物品移動システム1は、物品群Xから所定の目標重量の物品を移動させる計量システムである。物品移動システム1によって排出される物品は、例えば、物品移動システム1の後工程で袋に包装されたり、或いは、別の容器に収容されたりして、商品として出荷される。物品は、例えば、スパゲティ等の麺類、糖類を多く含む食品等である。物品は、高い粘着性を有する食品でもよい。
【0018】
物品移動システム1は、物品を計量するための計量装置120を備える。計量装置120は、それぞれ複数の把持部30を有する2つのロボットハンド(把持ユニット)15と、ロボットハンド15を水平方向に移動させる2つのハンド駆動部10と、物品群Xを収容する容器50が載置される載置部52と、容器50(載置部52)を鉛直方向及び水平方向にそれぞれ移動させる容器駆動部(駆動部)54とを備える。また計量装置120は、ロボットハンド15の各部、ハンド駆動部10、及び容器駆動部54をそれぞれ制御する制御部70(
図2参照)を備える。ロボットハンド15、ハンド駆動部10、及び容器駆動部54は、計量装置120の例えば直方体状の補助フレーム122上に取り付けられている。本体フレーム121と補助フレーム122は、前後方向に隣接する(
図4参照)。直方体状の本体フレーム121の外面側には、本体フレーム121の略全体を覆うようにして、カバー部20が設けられている(
図1において仮想線で示される)。カバー部20が、本体フレーム121と補助フレーム122の両方を覆っていてもよい。
【0019】
計量装置120では、例えば同一の構成を備える一対のロボットハンド15が、左右に並設されている。以下の説明において、
図1の正面視左側に配置されたロボットハンド15は第1ロボットハンド15Aと称されることがあり、正面視右側に配置されたロボットハンド15は第2ロボットハンド15Bと称されることがある。ただし、共通する構成及び機能を説明するときには、単にロボットハンド15という名称が用いられる。
【0020】
ロボットハンド15において、例えば、左右方向に並ぶ4つの把持部30が、前後方向(
図1の紙面垂直方向)に4列並べられている。このように、左右方向に並ぶ把持部30の個数をM、前後方向に並ぶ把持部30の個数をN(M,Nは何れも自然数)とすると、ロボットハンド15は、(M×N)個の把持部30が格子点の位置に配列された構成を有する。本実施形態では、各ロボットハンド15は16個の把持部30を有する。容器50の形状や物品の種類などに応じて、ロボットハンド15における把持部30の配列は適宜に変更されてよい。MとNの両方又は何れか一方が4以外の自然数であってもよい。
【0021】
各把持部30は、例えば複数の把持爪(把持部材)30aを有しており、把持爪30aを閉じることで、物品群Xから一部の物品を把持する。各把持部30は、複数の把持爪30aを駆動する把持部材駆動機構30bを含む。把持部材駆動機構30bは、例えば、モータ又は流体圧を駆動源として、把持爪30aを駆動する。把持爪30aの開閉による物品の把持の仕組みについては後述する。
【0022】
ロボットハンド15は、各把持部30に把持された物品の重量値を計量する複数の計量器40を有する。すなわち、16個((M×N)個)の把持部30に対して、16個((M×N)個)の計量器40が設けられている。ロボットハンド15は、例えば1枚の板状の連結部材16を有している。各計量器40の天面は、取付金具を介して連結部材16に固定されている。各計量器40の底面に、各把持部30が固定されている。
【0023】
各計量器40は、計量器40の筐体内に収納されたセンサ部と、内部制御部とを含んでいる(何れも図示せず)。センサ部は、例えば、力センサと加速度センサとを含む。力センサとして、例えば、歪みゲージ式ロードセルが採用される。加速度センサは、例えば、歪みゲージ式ロードセルや、MEMS型の小型加速度センサが採用される。
【0024】
計量装置120では、例えば同一の構成を備える2つのハンド駆動部10のそれぞれが、第1ロボットハンド15A及び第2ロボットハンド15Bに対応して設けられている。以下の説明において、
図1の正面視左側に配置されて第1ロボットハンド15Aを移動させるハンド駆動部10は第1ハンド駆動部10Aと称されることがあり、正面視右側に配置されて第2ロボットハンド15Bを移動させるハンド駆動部10は第2ハンド駆動部10Bと称されることがある。ただし、共通する構成及び機能を説明するときには、単にハンド駆動部10という名称が用いられる。
【0025】
第1ロボットハンド15A及び第2ロボットハンド15Bを含めた全体において、左右方向に並ぶ8つの把持部30が、前後方向に4列並べられている。すなわち、計量装置120は、4つ×2台(一対)×4列=計32個(一般化すると(M×2×N)個)の把持部30を備える。
【0026】
ハンド駆動部10は、2本の平行に延びるフレーム12と、ロボットハンド15をフレーム12に沿って水平移動させる前後移動機構11とを有している。ハンド駆動部10は、前後移動機構11によって、ロボットハンド15を保持するブロック111を前方又は後方に移動させることができる。ハンド駆動部10は、例えば、ブロック111を移動させるサーボモータ、エアシリンダ等を有する。上記した連結部材16は、例えばネジ止めによってブロック111に連結されている。
【0027】
計量装置120では、第1ハンド駆動部10Aが、第1ロボットハンド15Aを前後方向に(水平方向に)移動させ、第2ハンド駆動部10Bが、第2ロボットハンド15Bを前後方向に(水平方向に)移動させる。これにより、容器50内の物品群Xの位置と、各ロボットハンド15において設定される物品把持位置とを合わせることができる。なお、計量装置120において、ハンド駆動部10又は前後移動機構11が省略されてもよい。
【0028】
計量器40の内部制御部は、センサ部で計測される力に基づいて、把持部30が把持している物品の重量を測定する。なお、計量器40は、把持部30の移動時に計測される力に基づいて物品の重量を計量する方式に限定されるものではない。計量器40は、ロードセル等を用いて、静止状態の把持部30が把持している物品の重量を計量するものであってもよい。計量器40の内部制御部は、力センサで計測された力を、加速度センサで計測された加速度で除すことで物品の重量を測定してもよい。各計量器40は、各把持部30の把持爪30aに把持された物品の重量を算出する重量算出部である。
【0029】
容器50は、物品群Xが載置される部材である。水平移動および鉛直移動する載置部52に、容器50が保持又は載置されている。容器50すなわち載置部52は、例えば容器駆動部54により、第1ロボットハンド15Aの下方に位置する第1位置P1と、第2ロボットハンド15Bの下方に位置する第2位置P2との間を移動可能である。第1位置P1と第2位置P2とは左右方向に離れており、第1位置P1に位置する容器50が占有する領域と第2位置P2に位置する容器50が占有する領域とはオーバーラップしない。容器50は、上方に向けて開放された容器である。容器50は、平面視において、複数の把持部30が配列された領域と同等かその領域よりも少し大きい大きさを有する。容器50は、1つのロボットハンド15にちょうど対応する形状及び大きさを有する。
【0030】
容器50が第1位置P1に位置する場合、容器50を上方に移動させて第1ロボットハンド15Aの把持部30に近づけることで、当該把持部30が容器50内の物品群Xから一部の物品を把持可能である。このとき、第2ロボットハンド15Bの把持部30は容器50内の物品群Xから物品を把持することができない。また容器50が第2位置P2に位置する場合、容器50を上方に移動させて第2ロボットハンド15Bの把持部30に近づけることで、当該把持部30が容器50内の物品群Xから一部の物品を把持可能である。このとき、第1ロボットハンド15Aの把持部30は容器50内の物品群Xから物品を把持することができない。
【0031】
容器50の内部に収容される物品群Xの量が減少すると、人又は機械によって、内部の物品群Xの量が減少した容器50が、新たな(物品群Xが多く収容されている)容器50と交換される。物品群Xの残量は、後述する残量センサ(残量検知部)9によって検知される。なお、容器50が交換される代わりに、物品移動システム1が、容器50に物品を供給するための物品供給機構を備えていてもよい。
【0032】
容器駆動部54は、モータ、流体圧を駆動源として、容器50すなわち載置部52を上下方向(鉛直方向)及び左右方向(水平方向)に移動させる。容器駆動部54は、本体フレーム121に隣接する補助フレーム122に固定された駆動ボックス55と、駆動ボックス55に設けられた平行な2本の第1軸L1及び第2軸L2を中心にそれぞれ揺動可能な第1メインアーム部56A及び第2メインアーム部56Bと、第1メインアーム部56Aの先端及び第2メインアーム部56Bの先端にそれぞれ回動可能に連結された第1サブアーム部57A及び第2サブアーム部57Bとを有する。駆動ボックス55は、例えば、ロボットハンド15が取り付けられたフレーム(本体フレーム121)の後方に隣接する別のフレーム(補助フレーム122)上に固定される。第1軸L1及び第2軸L2は、前後方向(
図1の紙面垂直方向且つ水平方向)に延びる。第1サブアーム部57Aの先端及び第2サブアーム部57Bの先端はそれぞれ載置部52の後端に回動可能に連結されている。これらのリンク機構により、載置部52が支持されている。
【0033】
第1メインアーム部56A及び第2メインアーム部56Bは、それぞれ、駆動ボックス55に収容された別個のモータによって任意の方向を向くように揺動する。第1メインアーム部56A及び第2メインアーム部56Bに対する第1サブアーム部57A及び第2サブアーム部57Bの各回動軸は、第1軸L1及び第2軸L2に平行である。例えば、第2メインアーム部56Bに対する第2サブアーム部57Bの回動角度は調整可能となっている。載置部52に対する第1サブアーム部57A及び第2サブアーム部57Bの各回動軸も、第1軸L1及び第2軸L2に平行である。第1軸L1及び第2軸L2の位置を固定点として、第1メインアーム部56A、第1サブアーム部57A、第2メインアーム部56B、第2サブアーム部57B、及び載置部52が六角形のうちの五辺を構成している。容器駆動部54は、これらの構成により2軸パラレルリンク機構を有している。容器駆動部54は、制御部70によって制御されて各アーム部を回動させることで、載置部52を上下方向及び左右方向に移動させる。載置部52の姿勢は、ロッド58によって水平に維持される。
【0034】
制御部70の制御により、載置部52は水平な姿勢を維持しつつ、第1位置P1、第1位置P1よりも第1ロボットハンド15Aに近接した上方位置、第2位置P2、第2位置P2よりも第2ロボットハンド15Bに近接した上方位置に移動自在である。これにより、第1ロボットハンド15Aに対する容器50の相対位置、第2ロボットハンド15Bに対する容器50の相対位置が調整自在となっている。なお、上記構成に限られず、容器駆動部54が、載置部52を左右方向に移動させる左右移動機構と、載置部52を鉛直方向に移動させる鉛直移動機構とを有してもよい。そのような2軸駆動機構によっても、容器50の位置を調整自在である。
【0035】
容器駆動部54は、載置部52及び容器50を上昇させることで、ロボットハンド15に容器50及び物品群Xを近接させる。載置部52及び容器50を下降させることで、ロボットハンド15から容器50及び物品群Xを離隔させる。容器駆動部54は、容器50に収容された(載置された)物品群Xに把持爪30aを挿入させ、物品を把持した把持爪30aを容器50から離す。言い換えれば、第1ロボットハンド15A及び第2ロボットハンド15Bは、容器50内の物品群Xに各把持部30の把持爪30aを差し込んで物品の一部を把持する。容器駆動部54は、複数回繰り返される通常の計量動作において、把持部30(ロボットハンド15)に対応する所定範囲(本体フレーム121内の所定範囲)にて、容器50(載置部52)を移動させる。
【0036】
計量装置120は、1つまたは2つの排出シュート60を備えている。排出シュート60は漏斗状の部材である。排出シュート60は、ロボットハンド15の下方に配置される。排出シュート60の上部開口は、平面視において第1位置P1及び第2位置P2の全体を包含する大きさ及び位置に設定される。排出シュート60は、容器50が第2位置P2に位置する時に、第1ロボットハンド15Aの把持部30が把持を解除して落下させる物品を受けて計量装置120の外部に排出する。同様に、排出シュート60は、容器50が第1位置P1に位置する時に、第2ロボットハンド15Bの把持部30が把持を解除して落下させる物品を受けて計量装置120の外部に排出する。このようにして、第1ロボットハンド15A及び第2ロボットハンド15Bは、各把持部30により把持した物品を移載先の位置に移載する。すなわち、各ロボットハンド15による「把持の解除」とそれに伴う「物品の落下」は、排出シュート60への物品の移載を意味する。
【0037】
なお本実施形態では、1つの排出シュートを共有しているが、これに限定されるものではない。同一の大きさ及び形状を有する2つの排出シュート60が、左右に並設されていてもよい。すなわち、第1ロボットハンド15Aの下方に第1排出シュートが配置され、第2ロボットハンド15Bの下方に第2排出シュートが配置されてもよい。第1ロボットハンド15Aと第1排出シュートとの間に容器50の第1位置P1が位置し、第2ロボットハンド15Bと第2排出シュートとの間に容器50の第2位置P2が位置する。また、排出シュートを使用せず、ロボットハンド15から落下した物品を直接外部に排出してもよい。
【0038】
図2に示されるように、制御部70は、把持部材駆動機構30b、容器駆動部54などの計量装置120の各種構成の動作の制御を実施する。制御部70は、計量器40が計量した物品の重量値を利用した組合せ計算等を実施する。制御部70は、CPU等のプロセッサ、ROMおよびRAM等のメモリ、ストレージ及び通信デバイス等を含むコンピュータ装置として構成されている。制御部70は、ハンド駆動部10、把持部材駆動機構30b、計量器40、容器駆動部54と電気的に(又は通信可能に)接続されている。
【0039】
制御部70は、CPUがメモリに記憶されているプログラムを実行することで、ハンド駆動部10、把持部材駆動機構30b、容器駆動部54等の計量装置120の各種構成の動作の制御や、計量器40が計量した物品の重量値を利用した組合せ計算等を行う。制御部70の各種機能は、ソフトウェアで実現されなくてもよく、ハードウェアで実現されても、ハードウェアとソフトウェアとが協働することで実現されてもよい。
【0040】
制御部70は、ハンド駆動部10および容器50を移動させ、把持部30と、容器50とを近づける。制御部70は、把持部材駆動機構30bを制御して、容器50に載置された物品群Xの物品の一部を、各把持部30の把持爪30aに把持させる。制御部70は、把持部材駆動機構30b(把持部30)及び容器駆動部54を制御し、計量器40における算出結果に基づいて組合せ計算を行い、予め設定された目標重量値となる把持部30の組合せを選択する。制御部70は、選択された複数の把持部30に物品を排出させる。
【0041】
図1及び
図3に示されるように、載置部52の可動領域の上方には、前後方向(
図1の紙面垂直方向)に並べられた複数の残量センサ9(残量検知部)が設けられている。例えば、把持部30の当該方向における列数(上記N。具体的には4列)に対応させて、4つの残量センサ9が取り付けられている。4つの残量センサ9は、例えば本体フレーム121に固定されており、鉛直下方に向けて光を照射すると共に物品群Xの表面で反射した反射光を検知する。これにより、各残量センサ9は、容器50内の物品群Xにおける把持爪30aの差し込み方向(上下方向)の物品高さ(物品群Xの高さ)に基づいて、容器50内に収容された物品群Xの残量を検知する。
【0042】
図3に示されるように、各残量センサ9は、第1ロボットハンド15A及び第2ロボットハンド15Bの間の中央位置において投受光を行う。各残量センサ9は、容器駆動部54によって載置部52及び容器50が第1位置P1と第2位置P2との間を移動させられる途中において、左右方向における把持部30の位置及び個数(上記M。具体的には4つ)に対応する回数、物品の高さを検知する。検知のタイミングは、容器駆動部54の左右方向の移動速度を考慮して、(例えば容器駆動部54の移動と同期するように)制御部70によって調整されてもよい。これにより、第1位置P1から第2位置P2へ、又は第2位置P2から第1位置P1へと容器50が移動する(通過する)毎に、容器50内の左右方向(移動方向)及び前後方向に格子状に分布する16点(複数の把持部30の平面的な配置に対応する複数点)についての高さ検知信号が出力される。
【0043】
制御部70は、複数の残量センサ9と電気的に(又は通信可能に)接続されている。制御部70は、各残量センサ9の検知結果に基づいて、各把持部30に所望量の物品を把持させるため、物品群Xに対する把持爪30aの挿入量及び開き角を算出する。制御部70は、第1ロボットハンド15A及び第2ロボットハンド15Bの何れか(物品を把持すべき何れか一方)に対し、算出した挿入量及び開き角が実現されるよう、把持動作を制御する。なお、把持爪30aの数や形状等、把持部材の構成は適宜に変更されてよい。また制御部70は、残量センサ9によって検知される残量が所定の閾値より低い場合に、容器50内の物品群Xの量が計量を行うのに不十分であるとして、当該容器50における物品の計量を終了させる。
【0044】
また
図2に示されるように、計量装置120には、容器50内の物品群Xの温度を検知する温度センサ(温度検知部)8が設けられている。温度センサ8は、例えば、容器50内に設置されて接触式で物品群Xの温度を検知する温度計であってもよいし、物品群Xからの赤外線を検出可能な位置に設けられ、非接触式で物品群Xの温度を検知するセンサであってもよい。温度センサ8は、容器50に対して1つのみが設けられてもよいし、複数の温度センサ8が設けられてもよい。複数の容器50が設けられる場合、それらの温度センサ8は、物品群Xの異なる複数の点における温度を検知してもよい。
【0045】
制御部70は、温度センサ8と電気的に(又は通信可能に)接続されている。制御部70は、温度センサ8の検知結果に基づいて、容器50内の物品群Xの温度が計量を行うのに適切であるかを判断する。制御部70は、例えば、加熱したばかりの食品(例えば茹でられてすぐに計量される、または調理されてすぐに計量される食品など)において、温度センサ8によって検知される温度が所定の閾値より低い場合に、容器50内の物品群Xの温度が計量を行うのに不適切であるとして、当該容器50における物品の計量を終了させる。
【0046】
本実施形態の計量装置120は、容器50の入れ替えまたは交換(出し入れ)等のため、載置部52を通常の計量動作における所定範囲よりも外側(広い範囲)に移動させ、所定の位置で載置部52を停止させる機能を有する。以下、
図2、
図4および
図5等を参照して、載置部52の位置制御について説明する。
【0047】
図2は、載置部52の位置制御に係る各種構成を示すブロック図である。制御部70は、取得部71と、駆動制御部72と、受付部73と、記憶部76とを有する。取得部71は、温度センサ8および残量センサ9から出力された検知結果を取得する。駆動制御部72は、把持部材駆動機構30b(把持部30)及び容器駆動部54を制御する。
【0048】
計量装置120は、作業者によって操作される各種ボタン(操作部)を含む操作パネル100を備えている。本実施形態において、操作パネル100には、位置設定ボタン101と、計量開始ボタン102と、計量中断ボタン103とが設けられている。位置設定ボタン101は、後述する複数の開口のうち、何れの開口の位置に載置部52を移動・停止させるかを設定するための操作部である。作業者は、位置設定ボタン101を用いて、容器50を出し入れするための1つのみの開口の位置を設定することもできるし、例えば、容器50を計量装置120から取り出すための1つの開口の位置と、容器50を計量装置120内に搬入(取り込ませる)ための1つの開口の位置とを設定することもできる。計量開始ボタン102は、計量が開始される際に、作業者によって操作される。計量中断ボタン103は、計量が中断される際に、作業者によって操作される。制御部70には、操作パネル100において設定された開口の位置を示す信号、計量開始信号、および計量中断信号等が操作パネル100から入力される。操作パネル100は、例えば本体フレーム121又は補助フレーム122に固定され、作業者の手が届きやすい位置に配置されてもよい。
【0049】
制御部70の受付部73は、操作パネル100における操作内容を受け付ける。すなわち、受付部73は、操作パネル100において設定された開口の位置を示す信号、計量開始信号、および計量中断信号等を入力する。記憶部76は、例えば、位置設定ボタン101において設定可能な載置部52の停止位置を記憶している。記憶部76は、例えば、計量が中断された場合における載置部52の停止位置を記憶していてもよい。駆動制御部72は、取得部71によって取得された検知結果、および/または、受付部73において受け付けられた操作内容に従って、容器駆動部54を制御する。
【0050】
図1、
図4~
図6を参照して、本実施形態における載置部52の位置制御に関連する開口その他の構成について説明する。
図1および
図6に示されるように、計量装置120は、載置部52および把持部30(ロボットハンド15)を取り囲むカバー部20を備える。カバー部20は、本体フレーム121に取り付けられた壁部である。カバー部20は、例えば、本体フレーム121の左右の側面および前面の全体を覆っている。カバー部20の具体的構成は特に限定されないが、カバー部20は不透明なパネルからなってもよいし、透明なパネルからなってもよい。
図4および
図5では、カバー部20の図示は省略されているが、カバー部20は、通常の計量動作が行われる所定範囲(概ね排出シュート60の上方の範囲とも言える)よりも外側に配置されている。
【0051】
図5および
図6に示されるように、カバー部20は、3つの開口を有する。より詳細には、カバー部20は、カバー部20の左側面部21Aに形成された左開口22Aと、カバー部20の右側面部21Bに形成された右開口22Bと、カバー部20の前面部21Cに形成された前開口22Cとを有する。これらの左開口22A、右開口22B、および前開口22Cは、何れも、容器50が通過可能な形状および大きさを有する。左開口22Aおよび右開口22Bは、例えば、載置部52に載置された容器50を左右方向から見た大きさよりも大きな矩形状に形成されている。前開口22Cは、例えば、載置部52に載置された容器50を前方から見た大きさよりも大きな矩形状に形成されている。左開口22A、右開口22B、および前開口22Cを通じて、容器50が出し入れ可能である。
【0052】
図6に示されるように、各開口に対応して、載置部52が停止する3つの位置が予め決められている。すなわち、計量装置120には、左開口22Aに対応して載置部52の左開口停止位置PAが定められており、右開口22Bに対応して載置部52の右開口停止位置PBが定められており、前開口22Cに対応して載置部52の前開口停止位置PCが定められている。左開口停止位置PAは、平面視において、第1ロボットハンド15Aの位置より左側(外側)に位置している。右開口停止位置PBは、平面視において、第2ロボットハンド15Bの位置より右側(外側)に位置している。前開口停止位置PCは、平面視において、ロボットハンド15の位置(排出シュート60の位置)より前側(外側)に位置している。左開口停止位置PA、右開口停止位置PB、および前開口停止位置PCのすべてが、例えば、カバー部20の内側に位置して(カバー部20内に収まって)いる。このことは、制御部70によって制御される載置部52の停止位置(停止して待機する容器50)が、カバー部20内に収まることを意味する。
【0053】
上記した操作パネル100の位置設定ボタン101により、1つまたは複数の開口の位置が設定されている。制御部70の駆動制御部72は、容器駆動部54を制御し、複数の開口のうち予め設定された所定の開口の位置(左開口停止位置PA、右開口停止位置PB、および前開口停止位置PCの何れか)に向けて載置部52を移動させる。何れの停止位置に向けて載置部52が移動させられるかは、容器50の取出し時(計量の終了時)、容器50の搬入時(計量の開始前)、および計量の中断時等のタイミングに応じて決定される。なお、前開口停止位置PCに載置部52を位置させるため、上記したリンク機構以外に、容器駆動部54が前後方向の駆動部を有してもよいし、載置部52が前後方向に長く延びる形状であってもよい。
【0054】
例えば、計量の終了時等において、制御部70の駆動制御部72は、残量センサ9によって検知された物品群Xの残量に基づいて、載置部52の移動を開始させる。より詳細には、駆動制御部72は、残量センサ9によって検知される残量が所定の閾値(残量)より低い場合に、容器50内の物品群Xの量が計量を行うのに不十分であるとして、設定された何れかの開口停止位置へと載置部52を移動させる。
【0055】
あるいは、ある容器50に関する計量の終了時に限られず、例えば、ある1回の計量(組合せ計量)が完了した時点で、載置部52が移動させられてもよい。どのような場合でも、本実施形態では、駆動制御部72は、把持部30が把持する物品を開放した後、設定された所定の開口に向けて載置部52の移動を開始させる。
【0056】
また、計量中において、制御部70の駆動制御部72は、温度センサ8によって検知された物品群Xの温度が所定の閾値(温度)より低い場合に、載置部52の移動を開始させる。より詳細には、駆動制御部72は、温度センサ8によって検知される温度が所定の閾値(温度)より低い場合に、容器50内の物品群Xの温度が計量を行うのに不適切であるとして、設定された何れかの開口停止位置へと載置部52を移動させる。
【0057】
また、作業者によって計量中断ボタン103が押された場合にも、駆動制御部72は、把持部30が把持する物品を開放した後、設定された所定の開口に向けて載置部52の移動を開始させる。
【0058】
このように、カバー部20は、正面、左側面および右側面の三方向に開口を有しており、駆動制御部72は、これら三方向のいずれかに載置部52を移動させる。
【0059】
なお、左開口停止位置PA、右開口停止位置PB、および前開口停止位置PCのうち1つまたは複数が、例えば、カバー部20の外側に部分的に位置して(カバー部20外にはみ出て)いてもよい。このことは、制御部70によって制御される載置部52の停止位置(停止して待機する容器50)が、カバー部20から一部突出することを意味する。その場合には、駆動制御部72は、載置部52の一部が予め設定された所定の開口を通過するまで載置部52を移動させる。開口停止位置は、対応する開口に重なる(跨る)ように設けられている。
【0060】
本実施形態の計量装置120によれば、カバー部20は、複数の開口22A,22B,22Cを有しており、そのそれぞれにおいて容器50を通過させることができる。制御部70によって、これらの開口22A,22B,22Cのうち予め設定された所定の開口の位置に向けて、載置部52が移動させられる。よって、作業者または外部の装置は、何れかの開口22A,22B,22Cを介して容器50を容易に出し入れすることができる。装置の運転状況などに応じて所定の開口を1つ又は複数設定しておくことにより、製造ラインのレイアウト等に応じた位置で容器50を出し入れすることもでき、利便性が高められる。
【0061】
例えば、
図9(a)に示されるように、カバー部20の左側面部21Aに隣接して沿うように、搬送面200が設置されている。ある容器50について計量が終了したら、左開口22A(左開口停止位置PA)まで載置部52が移動させられ、左開口22Aを通じて容器50を容易に取り出す(または自動的に搬出する)ことができる。容器50は、搬送面200上を移動し、待避部200A(
図9(b)参照)にて待避させられる。その後、
図9(c)に示されるように、容器50が左開口22Aを通じて計量装置120内に搬入される。以上のような容器50の受け渡しのため、左開口停止位置PAにおける載置部52の高さは、搬送面200の高さと一致している。他の右開口停止位置PBおよび前開口停止位置PCについても、外部のレイアウト(搬送面200など)の高さを考慮して、容器50の受け渡しが容易となるよう、高さを一致させる等の工夫がなされる。
【0062】
なお、上記したように、搬送面200から載置部52へと、又は載置部52から搬送面200へと容器50を移動させることがより容易となるよう、
図7および
図8に示されるように、容器50は、容器本体51と、容器本体51が載置される搬送台車80とを含んでいる。搬送台車80は、台車本体81と、台車本体81に取り付けられた取っ手85とを含む。台車本体81の底面82には、例えば、4つの隅部ローラ83と、2つの補助ローラ84とが設けられている。隅部ローラ83および補助ローラ84としては、例えばフリーベアリング等が用いられ得る。4つの隅部ローラ83は、底面82において、長方形(または正方形)の頂点の位置に配置されるが、2つの補助ローラ84は、取っ手85が延びる方向(台車本体81の進行方向)においてずれた位置に配置されている。これにより、開口停止位置に停止する載置部52と搬送面200との間に隙間がある場合でも、何れか一方の補助ローラ84が必ず(常に)載置部52または搬送面200に乗り、2つの隅部ローラ83と合わせて3点で台車本体81を支持するので、台車本体81の安定した姿勢を保ったまま容器50が隙間を越えることができる。
【0063】
制御部70は、残量センサ9によって検知された物品群Xの残量に基づいて載置部52の移動を開始させる。これにより、物品群Xの残量が少なくなってきた際に容器50を容易に交換することができる。
【0064】
制御部70は、三方向のいずれかに載置部52を移動させる。これにより、装置のレイアウトに応じて、適宜に容器を出し入れする面を設定することができ、利便性がさらに高められる。例えば、
図9(a)に示された搬送面200のレイアウトと異なるレイアウトで(右側面部21Bまたは前面部21Cなどに)搬送面、搬送装置、供給装置などを設けることもできる。
【0065】
制御部70は、温度センサ8によって検知された物品群Xの温度が所定の温度より低い場合に、載置部52の移動を開始させる。これにより、物品群Xの温度が低下したことを検知して、容器50を交換することができる。計量対象となる物品の品質を維持することができる。
【0066】
制御部70は、載置部52の一部が予め設定された所定の開口を通過するまで載置部52を移動させる。これにより、外部の装置等による容器50の自動的な交換が可能となる。
【0067】
制御部70は、把持部30が把持する物品を開放した後、設定された所定の開口に向けて載置部52の移動を開始させる。これにより、計量が終了した後に容器50の交換または入れ替えがなされるため、計量の効率がよい。
【0068】
以上、本開示の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られない。例えば、左側面部21A、右側面部21B、および前面部21Cの何れか一部またはすべてにおいて、例えば、上段および下段に分かれて開口が設けられてもよい。その場合には、高さの異なる2つの開口停止位置が(上下の段に応じて別々に)設けられる。
【0069】
位置設定ボタン101を用いた作業者による設定に限られず、計量装置120の稼働当初から、所定の開口の位置が設定されていてもよい。
【0070】
ロボットハンドが、1つのみの把持部を有してもよい。物品群Xの高さを検知する残量センサが略されてもよい。物品群Xの温度を検知する温度センサが略されてもよい。
【0071】
物品移動システムが、組合せ計量を行わなくてもよい。物品移動システムにおいて、把持部により把持された物品の重量を算出する重量算出部が設けられず、物品が移載された後にその重量が算出されてもよい。
【符号の説明】
【0072】
1…物品移動システム、8…温度センサ(温度検知部)、9…残量センサ(残量検知部)、20…カバー部、21A…左側面部、21B…右側面部、21C…前面部、22A…左開口、22B…右開口、22C…前開口、30…把持部、50…容器、51…容器本体、52…載置部、54…容器駆動部(駆動部)、70…制御部、80…搬送台車、120…計量装置、PA…左開口停止位置、PB…右開口停止位置、PC…前開口停止位置。