(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025075
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】光検出装置及びアパーチャ部
(51)【国際特許分類】
G01J 3/26 20060101AFI20240216BHJP
【FI】
G01J3/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022128220
(22)【出願日】2022-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】000236436
【氏名又は名称】浜松ホトニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140442
【弁理士】
【氏名又は名称】柴山 健一
(72)【発明者】
【氏名】大山 泰生
(72)【発明者】
【氏名】柴山 勝己
(72)【発明者】
【氏名】能野 隆文
(72)【発明者】
【氏名】笠原 隆
(72)【発明者】
【氏名】蔵本 有未
【テーマコード(参考)】
2G020
【Fターム(参考)】
2G020CC23
2G020CC26
2G020CC43
2G020CC56
2G020CD16
2G020CD24
(57)【要約】
【課題】迷光が光検出器に入射するのを抑制することができる光検出装置及びアパーチャ部を提供する。
【解決手段】光検出装置1Aは、開口20を有するパッケージ2と、開口20を塞いでおり、パッケージ2内に位置する光出射面16bを有する光透過部16と、互いの距離が可変である一対のミラー部を含むファブリペロー干渉フィルタ10と、光検出器8と、パッケージ2内において光出射面16bとファブリペロー干渉フィルタ10との間に位置する第1アパーチャ50を有する第1アパーチャ部51Aと、を備える。第1アパーチャ部51Aは、第1アパーチャ50を包囲する第1包囲部分52を含む。第1包囲部分52におけるファブリペロー干渉フィルタ10側の表面52bは、ファブリペロー干渉フィルタ10から離間しており、光吸収性を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有するパッケージと、
前記開口を塞いでおり、前記パッケージ内に位置する光出射面を有する光透過部と、
前記パッケージ内において前記光出射面に対して前記開口とは反対側に配置されており、互いの距離が可変である一対のミラー部を含むファブリペロー干渉フィルタと、
前記パッケージ内において前記ファブリペロー干渉フィルタに対して前記開口とは反対側に配置された光検出器と、
前記パッケージ内において前記光出射面と前記ファブリペロー干渉フィルタとの間に位置する第1アパーチャを有する第1アパーチャ部と、を備え、
前記第1アパーチャ部は、前記第1アパーチャを包囲する第1包囲部分を含み、
前記第1包囲部分における前記ファブリペロー干渉フィルタ側の表面は、前記ファブリペロー干渉フィルタから離間しており、光吸収性を有する、光検出装置。
【請求項2】
前記一対のミラー部の対向方向から見た場合に、前記第1アパーチャの外縁は、前記開口の外縁の内側に位置している、請求項1に記載の光検出装置。
【請求項3】
前記光透過部は、前記開口を塞いでいる光透過部材と、前記光透過部材に対して前記開口とは反対側に配置されたバンドパスフィルタと、を含む、請求項1に記載の光検出装置。
【請求項4】
前記光透過部は、前記開口を塞いでいる光透過部材である、請求項1に記載の光検出装置。
【請求項5】
前記第1アパーチャ部は、前記パッケージ及び前記光透過部の少なくとも一つに固定された板状の前記第1包囲部分である、請求項1に記載の光検出装置。
【請求項6】
前記一対のミラー部の対向方向に垂直な方向における前記第1アパーチャ部の位置決めは、前記第1包囲部分及び前記パッケージによって行われている、請求項5に記載の光検出装置。
【請求項7】
前記一対のミラー部の対向方向における前記第1アパーチャ部の位置決めは、前記第1包囲部分及び前記光透過部によって行われている、請求項5に記載の光検出装置。
【請求項8】
前記第1アパーチャ部は、前記光出射面に形成された膜状の前記第1包囲部分である、請求項1に記載の光検出装置。
【請求項9】
前記第1アパーチャ部は、前記パッケージ内において前記第1包囲部分を支持する支持部分を更に含む、請求項1に記載の光検出装置。
【請求項10】
前記パッケージの内面に形成された光吸収膜を更に備える、請求項1に記載の光検出装置。
【請求項11】
前記パッケージ外において前記開口に対して前記光出射面とは反対側に位置する第2アパーチャを有する第2アパーチャ部を更に備える、請求項1に記載の光検出装置。
【請求項12】
前記一対のミラー部の対向方向から見た場合に、前記第2アパーチャの外縁は、前記開口の外縁の内側に位置している、請求項11に記載の光検出装置。
【請求項13】
前記第2アパーチャ部は、前記第2アパーチャを包囲する第2包囲部分と、前記第2包囲部分に接続されており、前記パッケージと嵌まり合う嵌合部分と、を含み、
前記一対のミラー部の対向方向に垂直な方向における前記第2アパーチャ部の位置決めは、前記嵌合部分及び前記パッケージによって行われており、
前記一対のミラー部の対向方向における前記第2アパーチャ部の位置決めは、前記嵌合部分及び前記パッケージによって又は前記第2包囲部分及び前記パッケージによって行われている、請求項11に記載の光検出装置。
【請求項14】
開口を有するパッケージと、
前記開口を塞いでいる光透過部と、
前記パッケージ内において前記開口及び前記光透過部に対して一方の側に配置されており、互いの距離が可変である一対のミラー部を含むファブリペロー干渉フィルタと、
前記パッケージ内において前記ファブリペロー干渉フィルタに対して前記一方の側に配置された光検出器と、を備える光検出装置に用いられるアパーチャ部であって、
前記パッケージ外において前記開口に対して他方の側に位置するアパーチャを包囲する包囲部分と、
前記包囲部分に接続されており、前記パッケージと嵌まり合う嵌合部分と、を備え、
前記一対のミラー部の対向方向に垂直な方向における位置決めは、前記嵌合部分及び前記パッケージによって行われており、
前記一対のミラー部の対向方向における位置決めは、前記嵌合部分及び前記パッケージによって又は前記包囲部分及び前記パッケージによって行われている、アパーチャ部。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファブリペロー干渉フィルタを備える光検出装置及びアパーチャ部に関する。
【背景技術】
【0002】
開口を有するパッケージと、開口を塞いでいる光透過部と、パッケージ内に配置されており、互いの距離が可変である一対のミラー部を含むファブリペロー干渉フィルタと、パッケージ内に配置された光検出器と、を備える光検出装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような光検出装置では、ファブリペロー干渉フィルタにおいて一対のミラー部の間の距離が変化させられつつ、光透過部を介して入射した光のうち、一対のミラー部を透過した光が光検出器によって検出されることで、測定対象の光の分光スペクトルが得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような光検出装置では、迷光(例えば、一対のミラー部を透過しなかった光、一対のミラー部を斜めに透過した光)が光検出器に入射するのを如何に抑制し得るかが、測定対象の光の波長分析においてS/N比を向上させる上で、極めて重要である。
【0005】
本発明は、迷光が光検出器に入射するのを抑制することができる光検出装置及びアパーチャ部を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の光検出装置は、[1]「開口を有するパッケージと、前記開口を塞いでおり、前記パッケージ内に位置する光出射面を有する光透過部と、前記パッケージ内において前記光出射面に対して前記開口とは反対側に配置されており、互いの距離が可変である一対のミラー部を含むファブリペロー干渉フィルタと、前記パッケージ内において前記ファブリペロー干渉フィルタに対して前記開口とは反対側に配置された光検出器と、前記パッケージ内において前記光出射面と前記ファブリペロー干渉フィルタとの間に位置する第1アパーチャを有する第1アパーチャ部と、を備え、前記第1アパーチャ部は、前記第1アパーチャを包囲する第1包囲部分を含み、前記第1包囲部分における前記ファブリペロー干渉フィルタ側の表面は、前記ファブリペロー干渉フィルタから離間しており、光吸収性を有する、光検出装置」である。
【0007】
上記[1]に記載の光検出装置では、光透過部の光出射面とファブリペロー干渉フィルタとの間に第1アパーチャが位置している。これにより、大きい入射角度で開口に入射した光が、ファブリペロー干渉フィルタ側の空間に進行しにくくなる。更に、上記[1]に記載の光検出装置では、第1アパーチャを包囲する第1包囲部分におけるファブリペロー干渉フィルタ側の表面が、ファブリペロー干渉フィルタから離間しており、光吸収性を有している。これにより、第1アパーチャを通過してパッケージの内面で反射された光が、第1包囲部分におけるファブリペロー干渉フィルタ側の表面に入射して、当該表面で減衰されやすくなる。よって、上記[1]に記載の光検出装置によれば、迷光が光検出器に入射するのを抑制することができる。
【0008】
本発明の光検出装置は、[2]「前記一対のミラー部の対向方向から見た場合に、前記第1アパーチャの外縁は、前記開口の外縁の内側に位置している、上記[1]に記載の光検出装置」であってもよい。当該[2]に記載の光検出装置によれば、開口及び第1アパーチャを通過して一対のミラー部に入射する光の入射角度が小さくなるため、測定対象の光の波長分析においてS/N比及び分解能を向上させることができる。
【0009】
本発明の光検出装置は、[3]「前記光透過部は、前記開口を塞いでいる光透過部材と、前記光透過部材に対して前記開口とは反対側に配置されたバンドパスフィルタと、を含む、上記[1]又は[2]に記載の光検出装置」であってもよい。当該[3]に記載の光検出装置によれば、所定の波長範囲の光を一対のミラー部に入射させることができるため、測定対象の光の波長分析においてS/N比及び分解能を向上させることができる。
【0010】
本発明の光検出装置は、[4]「前記光透過部は、前記開口を塞いでいる光透過部材である、上記[1]又は[2]に記載の光検出装置」であってもよい。当該[4]に記載の光検出装置によれば、光透過部の構造の単純化を図ることができる。
【0011】
本発明の光検出装置は、[5]「前記第1アパーチャ部は、前記パッケージ及び前記光透過部の少なくとも一つに固定された板状の前記第1包囲部分である、上記[1]~[4]のいずれか一つに記載の光検出装置」であってもよい。当該[5]に記載の光検出装置によれば、第1アパーチャ部の構造の単純化を図りつつ、第1アパーチャを所定の位置に位置させることができる。
【0012】
本発明の光検出装置は、[6]「前記一対のミラー部の対向方向に垂直な方向における前記第1アパーチャ部の位置決めは、前記第1包囲部分及び前記パッケージによって行われている、上記[5]に記載の光検出装置」であってもよい。当該[6]に記載の光検出装置によれば、光検出装置の製造時に、第1アパーチャの中心線をパッシブアライメントによって開口の中心線に一致させることができる。
【0013】
本発明の光検出装置は、[7]「前記一対のミラー部の対向方向における前記第1アパーチャ部の位置決めは、前記第1包囲部分及び前記光透過部によって行われている、上記[5]又は[6]に記載の光検出装置」であってもよい。当該[7]に記載の光検出装置によれば、光検出装置の製造時に、開口と第1アパーチャとの距離をパッシブアライメントによって所定の距離とすることができる。
【0014】
本発明の光検出装置は、[8]「前記第1アパーチャ部は、前記光出射面に形成された膜状の前記第1包囲部分である、上記[1]~[4]のいずれか一つに記載の光検出装置」であってもよい。当該[8]に記載の光検出装置によれば、第1アパーチャ部の構造の単純化を図りつつ、第1アパーチャを所定の位置に位置させることができる。
【0015】
本発明の光検出装置は、[9]「前記第1アパーチャ部は、前記パッケージ内において前記第1包囲部分を支持する支持部分を更に含む、上記[1]~[4]のいずれか一つに記載の光検出装置」であってもよい。当該[9]に記載の光検出装置によれば、パッケージの形状によらず、第1アパーチャを所定の位置に位置させることができる。
【0016】
本発明の光検出装置は、[10]「前記パッケージの内面に形成された光吸収膜を更に備える、上記[1]~[9]のいずれか一つに記載の光検出装置」であってもよい。当該[10]に記載の光検出装置によれば、第1包囲部分におけるファブリペロー干渉フィルタ側の表面だけでなく、パッケージの内面でも、迷光を減衰させることができる。
【0017】
本発明の光検出装置は、[11]「前記パッケージ外において前記開口に対して前記光出射面とは反対側に位置する第2アパーチャを有する第2アパーチャ部を更に備える、上記[1]~[10]のいずれか一つに記載の光検出装置」であってもよい。当該[11]に記載の光検出装置によれば、大きい入射角度で第2アパーチャに入射した光が開口を通過し難くなるため、迷光が光検出器に入射するのを抑制することができる。
【0018】
本発明の光検出装置は、[12]「前記一対のミラー部の対向方向から見た場合に、前記第2アパーチャの外縁は、前記開口の外縁の内側に位置している、上記[11]に記載の光検出装置」であってもよい。当該[12]に記載の光検出装置によれば、第2アパーチャ、開口及び第1アパーチャを通過して一対のミラー部に入射する光の入射角度が小さくなるため、測定対象の光の波長分析においてS/N比及び分解能を向上させることができる。
【0019】
本発明の光検出装置は、[13]「前記第2アパーチャ部は、前記第2アパーチャを包囲する第2包囲部分と、前記第2包囲部分に接続されており、前記パッケージと嵌まり合う嵌合部分と、を含み、前記一対のミラー部の対向方向に垂直な方向における前記第2アパーチャ部の位置決めは、前記嵌合部分及び前記パッケージによって行われており、前記一対のミラー部の対向方向における前記第2アパーチャ部の位置決めは、前記嵌合部分及び前記パッケージによって又は前記第2包囲部分及び前記パッケージによって行われている、上記[11]又は[12]に記載の光検出装置」であってもよい。当該[13]に記載の光検出装置によれば、光検出装置の製造時に、第2アパーチャの中心線をパッシブアライメントによって開口の中心線に一致させることができると共に、開口と第2アパーチャとの距離をパッシブアライメントによって所定の距離とすることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、迷光が光検出器に入射するのを抑制することができる光検出装置及びアパーチャ部を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図2】
図1に示されるファブリペロー干渉フィルタの斜視図である。
【
図3】
図2に示されるIII-III線に沿ってのファブリペロー干渉フィルタの断面図である。
【
図10】第6実施形態の光検出装置の断面図である。
【
図11】第7実施形態の光検出装置の断面図である。
【
図12】第1アパーチャ部による効果を説明するための図である。
【
図13】第1アパーチャ部による効果を説明するための図である。
【
図14】第1アパーチャ部による効果を説明するための図である。
【
図15】第1アパーチャ部による効果を説明するための図である。
【
図16】第1アパーチャ部及び第2アパーチャ部による効果を説明するための図である。
【
図17】第1アパーチャ部及び第2アパーチャ部による効果を説明するための図である。
【
図18】第1アパーチャ部及び第2アパーチャ部による効果を説明するための図である。
【
図19】比較例及び実施例1~4の光検出装置による分光分析の結果を示す図である。
【
図20】比較例及び実施例1~4の光検出装置による分光分析の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
[光検出装置の構成]
【0023】
図1に示されるように、第1実施形態の光検出装置1Aは、パッケージ2を備えている。パッケージ2は、ステム3及びキャップ4を有するCANパッケージである。キャップ4は、側壁5及び天壁6を含んでいる。側壁5及び天壁6は、金属材料によって一体で形成されている。天壁6は、筒状の側壁5の一方の開口を覆うように、側壁5と一体で形成されている。ステム3は、金属材料によって形成されている。ステム3は、筒状の側壁5の他方の開口を覆うように、側壁5に気密に接合されている。
【0024】
ステム3の内面3aには、配線基板7が固定されている。配線基板7の基板材料は、例えば、シリコン、セラミック、石英、ガラス、プラスチック等である。配線基板7には、光検出器8、及びサーミスタ等の温度補償用素子(図示省略)が実装されている。光検出器8は、例えば、赤外線検出器である。赤外線検出器としては、例えば、InGaAs等が用いられた量子型センサ、サーモパイル又はボロメータ等が用いられた熱型センサ等を用いることができる。紫外、可視、近赤外の各波長域の光を検出する場合には、光検出器8として、例えば、シリコンフォトダイオード等を用いることができる。なお、光検出器8の受光領域は、一つの受光部を有する一つの光検出素子によって構成されていてもよいし、或いは、アレイ状に配置された複数の受光部を有する一つの光検出素子によって構成されていてもよい。また、光検出器8の受光領域は、複数の光検出素子によって構成されていてもよい。
【0025】
配線基板7上には、複数のスペーサ9が固定されている。各スペーサ9の材料は、例えば、シリコン、セラミック、石英、ガラス、プラスチック等である。複数のスペーサ9上には、ファブリペロー干渉フィルタ10が固定されている。すなわち、ファブリペロー干渉フィルタ10は、複数のスペーサ9によって支持されている。ファブリペロー干渉フィルタ10の光透過領域10aは、光検出器8の受光部と向かい合っている。なお、スペーサ9は、配線基板7と一体で形成されていてもよい。また、ファブリペロー干渉フィルタ10は、一つのスペーサ9によって支持されていてもよい。
【0026】
ステム3には、複数のリードピン11が固定されている。各リードピン11は、絶縁部材17によってステム3との間の電気的絶縁性及び気密性が確保された状態で、ステム3を貫通している。各リードピン11は、ワイヤ12を介して、配線基板7に設けられた電極パッド、光検出器8の端子、温度補償用素子の端子、及びファブリペロー干渉フィルタ10の端子のそれぞれと電気的に接続されている。光検出装置1Aでは、複数のリードピン11を介して、光検出器8、温度補償用素子、及びファブリペロー干渉フィルタ10のそれぞれに対する電気信号の入出力等が実施される。
【0027】
パッケージ2は、開口20を有している。開口20は、ファブリペロー干渉フィルタ10の光透過領域10aと向かい合うようにキャップ4の天壁6に形成されている。天壁6の内面6aには、光透過部材13が気密に接合されている。光透過部材13は、開口20を塞いでいる。光透過部材13は、互いに対向する光入射面13a及び光出射面13b、並びに、側面13cを有している。光透過部材13の光入射面13aは、開口20において天壁6の外面6bと略面一となっている。光透過部材13の側面13cは、キャップ4の側壁5の内面5aに接触している。このような光透過部材13は、開口20を下側にした状態でキャップ4の内側にガラスペレットを配置し、そのガラスペレットを溶融させることで、形成される。
【0028】
光透過部材13の光出射面13bには、光透過性を有する接着部材15によって、バンドパスフィルタ14が固定されている。バンドパスフィルタ14は、互いに対向する光入射面14a及び光出射面14b、並びに、側面14cを有している。バンドパスフィルタ14の側面14cは、キャップ4の側壁5の内面5aから離間している。一例として、バンドパスフィルタ14は、光透過材料(例えば、シリコン、ガラス等)によって矩形板状に形成された光透過部材と、当該光透過部材における開口20とは反対側の表面に形成された誘電体多層膜(例えば、TiO2、Ta2O5等の高屈折材料とSiO2、MgF2等の低屈折材料との組合せからなる多層膜)と、を含んでいる。なお、誘電体多層膜は、当該光透過部材における開口20側の表面に形成されていてもよい。
【0029】
第1実施形態では、光透過部材13、接着部材15及びバンドパスフィルタ14によって、光透過部16が構成されている。つまり、光透過部16は、開口20を塞いでいる光透過部材13と、光透過部材13に対して開口20とは反対側に配置されたバンドパスフィルタ14と、を含んでいる。光透過部16の光入射面16aは、光透過部材13の光入射面13aであり、光透過部16の光出射面16bは、バンドパスフィルタ14の光出射面14bである。光透過部16の光出射面16bは、パッケージ2内に位置している。
【0030】
光検出装置1Aは、第1アパーチャ50を有する第1アパーチャ部51Aを備えている。第1アパーチャ50は、パッケージ2内において光透過部16の光出射面16bとファブリペロー干渉フィルタ10との間に位置する光通過孔である。第1アパーチャ部51Aの詳細については後述する。
【0031】
第1実施形態では、パッケージ2の開口20、第1アパーチャ部51Aの第1アパーチャ50、ファブリペロー干渉フィルタ10の光透過領域10a及び光検出器8の受光領域がこの順序で直線L上に並んでいる。直線Lに平行な方向から見た場合に、直線Lは、開口20、第1アパーチャ50、光透過領域10a及び受光領域のそれぞれの中心を通っている。つまり、光検出装置1Aでは、ファブリペロー干渉フィルタ10が、パッケージ2内において光透過部16の光出射面16bに対して開口20とは反対側に配置されており、光検出器8が、パッケージ2内においてファブリペロー干渉フィルタ10に対して開口20とは反対側に配置されている。
【0032】
以上のように構成された光検出装置1Aでは、測定対象の光が、開口20、光透過部16(すなわち、光透過部材13、接着部材15及びバンドパスフィルタ14)及び第1アパーチャ50を介して、ファブリペロー干渉フィルタ10の光透過領域10aに入射すると、測定対象の光のうち所定の波長の光が、ファブリペロー干渉フィルタ10の一対のミラー部を透過する。ファブリペロー干渉フィルタ10の一対のミラー部を透過した光は、光検出器8に入射して、光検出器8によって検出される。一例として、測定対象の光の分光スペクトルを得るために、光検出装置1Aでは、ファブリペロー干渉フィルタ10に印加される電圧が変化させられつつ(すなわち、ファブリペロー干渉フィルタ10において一対のミラー部の間の距離が変化させられつつ)、ファブリペロー干渉フィルタ10の光透過領域10aを透過した光が光検出器8によって検出される。
[ファブリペロー干渉フィルタの構成]
【0033】
図2に示されるように、ファブリペロー干渉フィルタ10は、光透過領域10aを有している。一例として、ファブリペロー干渉フィルタ10は矩形板状を呈しており、光透過領域10aは円柱状を呈している。
図3に示されるように、ファブリペロー干渉フィルタ10は、一対のミラー部として、第1ミラー部35及び第2ミラー部36を含んでいる。第1ミラー部35及び第2ミラー部36は、光透過領域10aにおいて互いの距離が可変である。第1ミラー部35及び第2ミラー部36は、直線Lに平行な方向において互いに対向している。以下、第1ミラー部35及び第2ミラー部36の対向方向を方向Aという。
【0034】
ファブリペロー干渉フィルタ10は、基板21を備えている。基板21における光入射側の表面21aには、反射防止層31、第1積層体32、中間層33及び第2積層体34がこの順序で積層されている。第1積層体32と第2積層体34との間には、枠状の中間層33によって空隙(エアギャップ)Sが形成されている。基板21の材料は、例えば、シリコン、石英、ガラス等である。基板21の材料がシリコンである場合、反射防止層31及び中間層33のそれぞれの材料は、例えば、酸化シリコン等である。中間層33の厚さは、例えば、設計中心波長の1/2の整数倍である。なお、中間層33の厚さは、必要に応じて、設計中心波長の1/2の整数倍よりも大きくされてもよい。
【0035】
第1積層体32のうち光透過領域10aに対応する部分は、第1ミラー部35として機能する。第1ミラー部35は、反射防止層31を介して基板21に支持されている。一例として、第1積層体32は、複数のポリシリコン層と複数の窒化シリコン層とが一層ずつ交互に積層されることで構成されている。第1ミラー部35を構成する各層の光学厚さは、例えば、設計中心波長の1/4の整数倍である。なお、窒化シリコン層の代わりに酸化シリコン層が用いられてもよい。
【0036】
第2積層体34のうち光透過領域10aに対応する部分は、空隙Sを介して第1ミラー部35と対向する第2ミラー部36として機能する。第2ミラー部36は、反射防止層31、第1積層体32及び中間層33を介して基板21に支持されている。一例として、第2積層体34は、複数のポリシリコン層と複数の窒化シリコン層とが一層ずつ交互に積層されることで構成されている。第2ミラー部36を構成する各層の光学厚さは、例えば、設計中心波長の1/4の整数倍である。なお、窒化シリコン層の代わりに酸化シリコン層が用いられてもよい。
【0037】
第2積層体34において空隙Sに対応する部分には、第2積層体34における空隙Sとは反対側の表面34aから空隙Sに至るように、複数の貫通孔34bが形成されている。複数の貫通孔34bは、第2ミラー部36の機能に実質的に影響を与えない程度に形成されている。複数の貫通孔34bは、エッチングによって中間層33の一部を除去することで空隙Sを形成する際に、用いられたものである。
【0038】
第1ミラー部35には、光透過領域10aを包囲するように第1電極22が形成されている。第1ミラー部35には、光透過領域10aを含むように第2電極23が形成されている。第1電極22及び第2電極23のそれぞれは、ポリシリコン層の一部分に不純物をドープして当該一部分を低抵抗化することで、形成されている。第2電極23の大きさは、光透過領域10aの大きさと略同一である。
【0039】
第2ミラー部36には、第3電極24が形成されている。第3電極24は、方向Aにおいて、空隙Sを介して第1電極22及び第2電極23と対向している。第3電極24は、ポリシリコン層の一部分に不純物をドープして当該一部分を低抵抗化することで、形成されている。
【0040】
ファブリペロー干渉フィルタ10では、第2電極23は、方向Aに垂直な方向において、第1電極22と同一平面上に位置している。第2電極23と第3電極24との間の距離は、第1電極22と第3電極24との間の距離と略同一である。方向Aから見た場合に、第2電極23は、第1電極22によって包囲されている。
【0041】
ファブリペロー干渉フィルタ10には、光透過領域10aを挟むように一対の端子25が設けられている。各端子25は、第2積層体34の表面34aから第1積層体32に至る貫通孔内に配置されている。各端子25は、配線22aを介して第1電極22と電気的に接続されている。
【0042】
ファブリペロー干渉フィルタ10には、光透過領域10aを挟むように一対の端子26が設けられている。各端子26は、第2積層体34の表面34aから中間層33に至る貫通孔内に配置されている。各端子26は、配線23aを介して第2電極23と電気的に接続されていると共に、配線24aを介して第3電極24と電気的に接続されている。なお、一対の端子26が光透過領域10aを挟んで並んでいる方向は、一対の端子25が光透過領域10aを挟んで並んでいる方向に垂直な方向である(
図2参照)。
【0043】
第1積層体32には、一対のトレンチ27が形成されている。各トレンチ27は、配線23aのうち各端子26から方向Aに沿って延びる部分を包囲するように、環状に延在している。各トレンチ27は、第1電極22と配線23aとを電気的に絶縁している。第1積層体32には、トレンチ28が形成されている。トレンチ28は、第1電極22の内縁に沿って環状に延在している。トレンチ28は、第1電極22と第2電極23とを電気的に絶縁している。各トレンチ27,28内の領域は、絶縁材料で埋められていてもよいし、空隙であってもよい。
【0044】
第2積層体34には、一対のトレンチ29が形成されている。各トレンチ29は、各端子25を包囲するように環状に延在している。各トレンチ29は、各端子25と第3電極24とを電気的に絶縁している。各トレンチ29内の領域は、絶縁材料で埋められていてもよいし、空隙であってもよい。
【0045】
基板21における光出射側の表面21bには、反射防止層41、第3積層体42、中間層43及び第4積層体44がこの順序で積層されている。反射防止層41及び中間層43は、それぞれ、反射防止層31及び中間層33と同様の構成を有している。第3積層体42及び第4積層体44は、それぞれ、基板21を基準として第1積層体32及び第2積層体34と対称の積層構造を有している。反射防止層41、第3積層体42、中間層43及び第4積層体44は、基板21の反りを抑制する機能を有している。
【0046】
第3積層体42、中間層43及び第4積層体44には、光透過領域10aを含むように開口40aが形成されている。方向Aから見た場合に、開口40aの大きさは、光透過領域10aの大きさと略同一である。開口40aは、光出射側に開口しており、開口40aの底面は、反射防止層41に至っている。第4積層体44における光出射側の表面には、遮光層45が形成されている。遮光層45の材料は、例えば、アルミニウム等である。遮光層45の表面及び開口40aの内面には、保護層46が形成されている。保護層46の材料は、例えば、酸化アルミニウム等である。なお、保護層46の厚さを100nm以下(好ましくは、30nm程度)にすることで、保護層46による光学的な影響を無視することができる。
【0047】
以上のように構成されたファブリペロー干渉フィルタ10では、複数の端子25,26を介して第1電極22及び第3電極24に電圧が印加されることで第1電極22と第3電極24との間に電位差が発生すると、当該電位差に応じた静電気力が第1電極22と第3電極24との間に発生する。第1電極22と第3電極24との間に静電気力が発生することで第1ミラー部35に第2ミラー部36が引き付けられ、第1ミラー部35と第2ミラー部36との距離が調整される。このとき、第3電極24と同電位である第2電極23が補償電極として機能し、光透過領域10aにおいて第2ミラー部36が平坦に保たれる。このように、ファブリペロー干渉フィルタ10では、第1ミラー部35及び第2ミラー部36の間の距離が可変とされている。ここで、ファブリペロー干渉フィルタ10を透過する光の波長は、第1ミラー部35及び第2ミラー部36の間の距離に依存する。したがって、第1電極22及び第3電極24に印加する電圧(第1電極22と第3電極24との間に発生する電位差)を調整することで、ファブリペロー干渉フィルタ10を透過する光の波長を選択することができる。
[第1アパーチャ部の構成]
【0048】
図1及び
図4に示されるように、第1アパーチャ部51Aは、板状の第1包囲部分52によって構成されている。方向Aから見た場合に、第1包囲部分52は、第1アパーチャ50を連続的に包囲している。方向Aから見た場合に、第1アパーチャ50の外縁50aは、パッケージ2の開口20の外縁20aの内側に位置している。第1包囲部分52は、パッケージ2内において光透過部16とファブリペロー干渉フィルタ10との間に配置されている。第1包囲部分52は、互いに対向する一対の表面52a,52b、及び、側面52cを有している。表面52aは、光透過部16側の表面であり、光透過部16の光出射面16b(すなわち、バンドパスフィルタ14の光出射面14b)に接触している。表面52bは、ファブリペロー干渉フィルタ10側の表面であり、ファブリペロー干渉フィルタ10から離間している。
【0049】
第1包囲部分52の外表面のうち、少なくともファブリペロー干渉フィルタ10側の表面52bは、光吸収性を有している。一例として、アルミニウム、ステンレス鋼等によって板状に形成された第1包囲部分52の外表面に、クロムメッキ、黒アルマイト処理、無電解ニッケルメッキ、黒色塗料の塗布等が施されることで(併せて、粗面化処理が施されてもよい)、第1包囲部分52の外表面に、可視から近赤外の波長域の光に対する光吸収性が付与されている。なお、表面52bだけでなく、表面52aも、光吸収性を有していてもよい。
【0050】
方向Aに垂直な方向における第1アパーチャ部51Aの位置決めは、第1包囲部分52及びパッケージ2によって行われている。具体的には、方向Aに垂直な方向における第1アパーチャ部51Aの位置決めは、第1包囲部分52の側面52cとキャップ4の側壁5の内面5aとの嵌め合いによって行われている。方向Aにおける第1アパーチャ部51Aの位置決めは、第1包囲部分52及び光透過部16によって行われている。具体的には、方向Aにおける第1アパーチャ部51Aの位置決めは、第1包囲部分52の表面52aと光透過部16の光出射面16bとの接触によって行われている。
【0051】
第1アパーチャ部51Aの位置決めが行われた状態で、第1包囲部分52は、パッケージ2及び光透過部16の少なくとも一つに固定されている。具体的には、第1包囲部分52は、バンドパスフィルタ14の側面14cと側壁5の内面5aとの間に配置された接着部材(図示省略)、第1包囲部分52の表面52bと側壁5の内面によって形成された隅部に配置された接着部材(図示省略)、及びバンドパスフィルタ14の光出射面14bと第1包囲部分52の表面52aとの間に配置された接着部材(図示省略)の少なくとも一つによって、パッケージ2及び光透過部16の少なくとも一つに固定されている。
[作用及び効果]
【0052】
光検出装置1Aでは、光透過部16の光出射面16bとファブリペロー干渉フィルタ10との間に第1アパーチャ50が位置している。これにより、大きい入射角度で開口20に入射した光が、ファブリペロー干渉フィルタ10側の空間に進行しにくくなる。更に、光検出装置1Aでは、第1アパーチャ50を包囲する第1包囲部分52におけるファブリペロー干渉フィルタ10側の表面52bが、ファブリペロー干渉フィルタ10から離間しており、光吸収性を有している。これにより、第1アパーチャ50を通過してパッケージ2の内面で反射された光が、第1包囲部分52の表面52bに入射して、第1包囲部分52の表面52bで減衰されやすくなる。よって、迷光が光検出器8に入射するのを抑制することができる。なお、第1包囲部分52における開口20側の表面52aが光吸収性を有している場合には、大きい入射角で開口20に入射した光が、表面52aと天壁6の内面6aとの間で繰り返し反射されつつ減衰され、結果として、当該光が第1アパーチャ50からファブリペロー干渉フィルタ10側の空間に進行するのを抑制することができる。
【0053】
光検出装置1Aでは、方向Aから見た場合に、第1アパーチャ50の外縁50aが、開口20の外縁20aの内側に位置している。これにより、開口20及び第1アパーチャ50を通過して第1ミラー部35及び第2ミラー部36に入射する光の入射角度が小さくなるため、測定対象の光の波長分析においてS/N比及び分解能を向上させることができる。
【0054】
光検出装置1Aでは、光透過部16が、開口20を塞いでいる光透過部材13と、光透過部材13に対して開口20とは反対側に配置されたバンドパスフィルタ14と、を含んでいる。これにより、所定の波長範囲の光を第1ミラー部35及び第2ミラー部36に入射させることができるため、測定対象の光の波長分析においてS/N比及び分解能を向上させることができる。
【0055】
光検出装置1Aでは、第1アパーチャ部51Aが、パッケージ2及び光透過部16の少なくとも一つに固定された板状の第1包囲部分52である。これにより、第1アパーチャ部51Aの構造の単純化を図りつつ、第1アパーチャ50を所定の位置に位置させることができる。
【0056】
光検出装置1Aでは、方向Aに垂直な方向における第1アパーチャ部51Aの位置決めが、第1包囲部分52及びパッケージ2によって行われている。これにより、光検出装置1Aの製造時に、第1アパーチャ50の中心線をパッシブアライメントによって開口20の中心線に一致させることができる。
【0057】
光検出装置1Aでは、方向Aにおける第1アパーチャ部51Aの位置決めが、第1包囲部分52及び光透過部16によって行われている。これにより、光検出装置1Aの製造時に、開口20と第1アパーチャ50との距離をパッシブアライメントによって所定の距離とすることができる。
[第2実施形態]
【0058】
図5に示されるように、第2実施形態の光検出装置1Bは、第1アパーチャ部51Bが膜状の第1包囲部分52によって構成されている点で、第1実施形態の光検出装置1Aと相違している。
【0059】
第1アパーチャ部51Bの第1包囲部分52は、光透過部16の光出射面16b(すなわち、バンドパスフィルタ14の光出射面14b)に形成された光吸収膜であり、方向Aから見た場合に、第1アパーチャ50を連続的に包囲している。第1包囲部分52の表面52bは、ファブリペロー干渉フィルタ10から離間しており、光吸収性を有している。バンドパスフィルタ14の側面14c及び第1包囲部分52の側面52cは、キャップ4の側壁5の内面5aに至っている。
【0060】
光検出装置1Bによれば、光検出装置1Aと同様に、迷光が光検出器8に入射するのを抑制することができる。
【0061】
光検出装置1Bでは、第1アパーチャ部51Bが、光透過部16の光出射面16bに形成された膜状の第1包囲部分52である。これにより、第1アパーチャ部51Bの構造の単純化を図りつつ、第1アパーチャ50を所定の位置に位置させることができる。
[第3実施形態]
【0062】
図6に示されるように、第3実施形態の光検出装置1Cは、第1アパーチャ部51Cが第1包囲部分52及び支持部分53によって構成されている点で、第1実施形態の光検出装置1Aと相違している。
【0063】
第1アパーチャ部51Cの第1包囲部分52は、パッケージ2内において光透過部16とファブリペロー干渉フィルタ10との間に位置しており、方向Aから見た場合に、第1アパーチャ50を連続的に包囲している。支持部分53は、表面52aが光透過部16から離間し且つ表面52bがファブリペロー干渉フィルタ10から離間した状態で、パッケージ2内において第1包囲部分52を支持している。支持部分53は、筒状を呈しており、方向Aから見た場合に、配線基板7、光検出器8、複数のスペーサ9、ファブリペロー干渉フィルタ10、複数のリードピン11、及び複数のワイヤ12を包囲した状態で、ステム3の内面3aに立設されている。第1包囲部分52は、筒状の支持部分53における光透過部16側の開口を覆うように、支持部分53と一体で形成されている。第1包囲部分52の表面52bは、ファブリペロー干渉フィルタ10から離間しており、光吸収性を有している。なお、支持部分53は、方向Aに延在する複数の柱部によって構成されていてもよい。
【0064】
光検出装置1Cによれば、光検出装置1Aと同様に、迷光が光検出器8に入射するのを抑制することができる。
【0065】
光検出装置1Cでは、第1アパーチャ部51Cが、第1包囲部分52と、パッケージ2内において第1包囲部分52を支持する支持部分53と、を含んでいる。これにより、パッケージ2の形状によらず、第1アパーチャ50を所定の位置に位置させることができる。
[第4実施形態]
【0066】
図7に示されるように、第4実施形態の光検出装置1Dは、パッケージ2の内面に光吸収膜18が形成されている点で、第1実施形態の光検出装置1Aと相違している。
【0067】
光吸収膜18は、キャップ4の内面(すなわち、側壁5の内面5a及び天壁6の内面6a)に形成されている。なお、光吸収膜18は、天壁6の内面6aに形成されていなくてもよい。また、光吸収膜18は、ステム3の内面3aに形成されていてもよい。
【0068】
光検出装置1Dによれば、光検出装置1Aと同様に、迷光が光検出器8に入射するのを抑制することができる。
【0069】
光検出装置1Dでは、光吸収膜18が、パッケージ2の内面に形成されている。これにより、第1包囲部分52の表面52bだけでなく、パッケージ2の内面でも、迷光を減衰させることができる。
[第5実施形態]
【0070】
図8及び
図9に示されるように、第5実施形態の光検出装置1Eは、第2アパーチャ60を有する第2アパーチャ部61Aを備えている点で、第1実施形態の光検出装置1Aと相違している。第2アパーチャ60は、パッケージ2外において開口20に対して光透過部16の光出射面16bとは反対側に位置する光通過孔である。方向Aから見た場合に、直線Lは、第2アパーチャ60の中心を通っている。
【0071】
第2アパーチャ部61Aは、第2包囲部分62及び嵌合部分63によって構成されている。方向Aから見た場合に、第2包囲部分62は、第2アパーチャ60を連続的に包囲している。方向Aから見た場合に、第2アパーチャ60の外縁60aは、パッケージ2の開口20の外縁20aの内側に位置している。嵌合部分63は、第2包囲部分62に接続されており、パッケージ2と嵌まり合っている。第5実施形態では、嵌合部分63は、筒状を呈しており、キャップ4の側壁5と嵌まり合っている。第2包囲部分62は、筒状の嵌合部分63におけるステム3とは反対側の開口を覆うように、嵌合部分63と一体で形成されている。
【0072】
方向Aに垂直な方向における第2アパーチャ部61Aの位置決めは、嵌合部分63及びパッケージ2によって行われている。具体的には、方向Aに垂直な方向における第2アパーチャ部61Aの位置決めは、嵌合部分63の内面63aとキャップ4の側壁5の外面5bとの嵌め合いによって行われている。方向Aにおける第2アパーチャ部61Aの位置決めは、嵌合部分63及びパッケージ2によって行われている。具体的には、方向Aにおける第2アパーチャ部61Aの位置決めは、嵌合部分63の端面63bと側壁5のフランジ部5cの表面5dとの接触によって行われている。端面63bは、筒状の嵌合部分63における第2包囲部分62とは反対側の端面である。フランジ部5cは、筒状の側壁5における天壁6とは反対側の端部に設けられた外向きのフランジ部である。第2アパーチャ部61Aの位置決めが行われた状態で、嵌合部分63は、パッケージ2に固定されている。なお、嵌合部分63は、方向Aに延在する複数の柱部によって構成されていてもよい。
【0073】
光検出装置1Eによれば、光検出装置1Aと同様に、迷光が光検出器8に入射するのを抑制することができる。
【0074】
光検出装置1Eでは、第2アパーチャ部61Aが、パッケージ2外において開口20に対して光透過部16の光出射面16bとは反対側に位置する第2アパーチャ60を有している。これにより、大きい入射角度で第2アパーチャ60に入射した光が開口20を通過し難くなるため、迷光が光検出器8に入射するのを抑制することができる。
【0075】
光検出装置1Eでは、方向Aから見た場合に、第2アパーチャ60の外縁60aが、開口20の外縁20aの内側に位置している。これにより、第2アパーチャ60、開口20及び第1アパーチャ50を通過して第1ミラー部35及び第2ミラー部36に入射する光の入射角度が小さくなるため、測定対象の光の波長分析においてS/N比及び分解能を向上させることができる。
【0076】
光検出装置1Eでは、方向Aに垂直な方向における第2アパーチャ部61Aの位置決めが、嵌合部分63及びパッケージ2によって行われており、方向Aにおける第2アパーチャ部61Aの位置決めが、嵌合部分63及びパッケージ2によって行われている。これにより、光検出装置1Aの製造時に、第2アパーチャ60の中心線をパッシブアライメントによって開口20の中心線に一致させることができると共に、開口20と第2アパーチャ60との距離をパッシブアライメントによって所定の距離とすることができる。
[第6実施形態]
【0077】
図10に示されるように、第6実施形態の光検出装置1Fは、方向Aにおける第2アパーチャ部61Bの位置決めが第2包囲部分62及びパッケージ2によって行われている点で、第5実施形態の光検出装置1Eと相違している。
【0078】
方向Aに垂直な方向における第2アパーチャ部61Bの位置決めは、嵌合部分63及びパッケージ2によって行われている。具体的には、方向Aに垂直な方向における第2アパーチャ部61Bの位置決めは、嵌合部分63の内面63aとキャップ4の側壁5の外面5bとの嵌め合いによって行われている。方向Aにおける第2アパーチャ部61Bの位置決めは、第2包囲部分62及びパッケージ2によって行われている。具体的には、方向Aにおける第2アパーチャ部61Bの位置決めは、第2包囲部分62の表面62aとキャップ4の天壁6の外面6bとの接触によって行われている。表面62aは、第2包囲部分62における光透過部16側の表面である。第2アパーチャ部61Bの位置決めが行われた状態で、第2包囲部分62及び嵌合部分63の少なくとも一つは、パッケージ2に固定されている。なお、嵌合部分63は、方向Aに延在する複数の柱部によって構成されていてもよい。
【0079】
光検出装置1Fによれば、光検出装置1Aと同様に、迷光が光検出器8に入射するのを抑制することができる。
【0080】
光検出装置1Fでは、第2アパーチャ部61Aが、パッケージ2外において開口20に対して光透過部16の光出射面16bとは反対側に位置する第2アパーチャ60を有している。これにより、大きい入射角度で第2アパーチャ60に入射した光が開口20を通過し難くなるため、迷光が光検出器8に入射するのを抑制することができる。
【0081】
光検出装置1Fでは、方向Aから見た場合に、第2アパーチャ60の外縁60aが、開口20の外縁20aの内側に位置している。これにより、第2アパーチャ60、開口20及び第1アパーチャ50を通過して第1ミラー部35及び第2ミラー部36に入射する光の入射角度が小さくなるため、測定対象の光の波長分析においてS/N比及び分解能を向上させることができる。
【0082】
光検出装置1Fでは、方向Aに垂直な方向における第2アパーチャ部61Bの位置決めが、嵌合部分63及びパッケージ2によって行われており、方向Aにおける第2アパーチャ部61Bの位置決めが、第2包囲部分62及びパッケージ2によって行われている。これにより、光検出装置1Aの製造時に、第2アパーチャ60の中心線をパッシブアライメントによって開口20の中心線に一致させることができると共に、開口20と第2アパーチャ60との距離をパッシブアライメントによって所定の距離とすることができる。
[第7実施形態]
【0083】
図11に示されるように、第7実施形態の光検出装置1Gは、光透過部16が光透過部材13によって構成されている点で、第1実施形態の光検出装置1Aと相違している。
【0084】
光検出装置1Gでは、光透過部16が、パッケージ2の開口20を塞いでいる光透過部材13を含んでおり、バンドパスフィルタ14(
図1参照)を含んでいない。この場合、光透過部16の光入射面16aは、光透過部材13の光入射面13aであり、光透過部16の光出射面16bは、光透過部材13の光出射面13bである。第1包囲部分52の表面52aは、光透過部材13の光出射面13bに接触している。
【0085】
光検出装置1Gによれば、光検出装置1Aと同様に、迷光が光検出器8に入射するのを抑制することができる。
【0086】
光検出装置1Gでは、光透過部16が、開口20を塞いでいる光透過部材13である。これにより、光透過部16の構造の単純化を図ることができる。
[第1アパーチャ部による効果]
【0087】
第1アパーチャ部51Aによる効果について、
図12の(a)~
図15の(b)を参照して、より詳細に説明する。なお、
図12の(a)~
図15の(b)では、接着部材15及びワイヤ12の図示が省略されている。
【0088】
図12の(a)に示されるように、第1アパーチャ部51Aを備えない光検出装置100では、大きい入射角度で開口20に入射した迷光N1が、パッケージ2の内面で反射され、ファブリペロー干渉フィルタ10の光透過領域10aを斜めに透過して光検出器8に入射する。また、光検出装置100では、迷光N1の入射角度よりも大きい入射角度で開口20に入射した迷光N2が、パッケージ2の内面で反射され、ファブリペロー干渉フィルタ10の光透過領域10aを透過せずに光検出器8に入射する。それに対し、
図12の(b)に示されるように、第1アパーチャ部51Aを備える光検出装置1Aでは、第1アパーチャ50の径が開口20の径よりも大きいものの、迷光N1が第1包囲部分52の表面52aで減衰され、ファブリペロー干渉フィルタ10側の空間への迷光N2の進行が第1包囲部分52によって遮られる。よって、第1アパーチャ部51Aを備える光検出装置1Aでは、第1アパーチャ部51Aを備えない光検出装置100に比べ、光検出器8への迷光の入射が抑制される。
【0089】
図13の(a)に示されるように、第1アパーチャ50の径が開口20の径よりも大きい光検出装置1Aでは、パッケージ2内で複数回反射されて光検出器8に入射する迷光Nが、第1包囲部分52の表面52aで一回減衰される。それに対し、
図13の(b)に示されるように、第1アパーチャ50の径が開口20の径よりも小さい光検出装置1Aでは、パッケージ2内で複数回反射されて光検出器8に入射する迷光Nが、第1包囲部分52の表面52aで複数回減衰される。よって、第1アパーチャ50の径が開口20の径よりも小さい光検出装置1Aでは、第1アパーチャ50の径が開口20の径よりも大きい光検出装置1Aに比べ、光検出器8への迷光の入射が抑制される。
【0090】
図14の(a)に示されるように、第1アパーチャ50の径が開口20の径よりも大きい光検出装置1Aでは、開口20及び第1アパーチャ50を通過してファブリペロー干渉フィルタ10側の空間に進行する迷光Nに、入射角度が大きいものが含まれる。それに対し、
図14の(b)に示されるように、第1アパーチャ50の径が開口20の径よりも小さい光検出装置1Aでは、開口20及び第1アパーチャ50を通過してファブリペロー干渉フィルタ10側の空間に進行する迷光Nに、入射角度が大きいものが含まれない。よって、第1アパーチャ50の径が開口20の径よりも小さい光検出装置1Aでは、第1アパーチャ50の径が開口20の径よりも大きい光検出装置1Aに比べ、光検出器8への迷光の入射が抑制される。なお、
図14の(a)及び(b)に示される光Mは、測定対象の光である。
【0091】
図15の(a)に示されるように、第1アパーチャ50の径が開口20の径よりも大きい光検出装置1Aでは、開口20及び第1アパーチャ50を通過してファブリペロー干渉フィルタ10の光透過領域10aに入射する測定対象の光Mの入射角度が大きくなる。それに対し、
図15の(b)に示されるように、第1アパーチャ50の径が開口20の径よりも小さい光検出装置1Aでは、開口20及び第1アパーチャ50を通過してファブリペロー干渉フィルタ10の光透過領域10aに入射する測定対象の光Mの入射角度が小さくなる。よって、第1アパーチャ50の径が開口20の径よりも小さい光検出装置1Aでは、第1アパーチャ50の径が開口20の径よりも大きい光検出装置1Aに比べ、測定対象の光の波長分析においてS/N比及び分解能を向上させることができる。
[第1アパーチャ部及び第2アパーチャ部による効果]
【0092】
第1アパーチャ部51A及び第2アパーチャ部61Aによる効果について、
図16の(a)~
図18の(b)を参照して、より詳細に説明する。なお、
図16の(a)~
図18の(b)では、接着部材15及びワイヤ12の図示が省略されている。
【0093】
図16の(a)に示されるように、第2アパーチャ60及び第1アパーチャ50の間の距離が小さい光検出装置1Aでは、第2アパーチャ60、開口20及び第1アパーチャ50を通過してファブリペロー干渉フィルタ10側の空間に進行する迷光Nに、入射角度が大きいものが含まれる。それに対し、
図16の(b)に示されるように、第2アパーチャ60及び第1アパーチャ50の間の距離が大きい光検出装置1Aでは、第2アパーチャ60、開口20及び第1アパーチャ50を通過してファブリペロー干渉フィルタ10側の空間に進行する迷光Nに、入射角度が大きいものが含まれない。よって、第2アパーチャ60及び第1アパーチャ50の間の距離が大きい光検出装置1Aでは、第2アパーチャ60及び第1アパーチャ50の間の距離が小さい光検出装置1Aに比べ、光検出器8への迷光の入射が抑制される。なお、
図16の(a)及び(b)に示される光Mは、測定対象の光である。
【0094】
図17の(a)に示されるように、第2アパーチャ60及び第1アパーチャ50の間の距離が小さい光検出装置1Aでは、第2アパーチャ60、開口20及び第1アパーチャ50を通過してファブリペロー干渉フィルタ10の光透過領域10aに入射する測定対象の光Mの入射角度が大きくなる。それに対し、
図17の(b)に示されるように、第2アパーチャ60及び第1アパーチャ50の間の距離が大きい光検出装置1Aでは、第2アパーチャ60、開口20及び第1アパーチャ50を通過してファブリペロー干渉フィルタ10の光透過領域10aに入射する測定対象の光Mの入射角度が小さくなる。よって、第2アパーチャ60及び第1アパーチャ50の間の距離が大きい光検出装置1Aでは、第2アパーチャ60及び第1アパーチャ50の間の距離が小さい光検出装置1Aに比べ、測定対象の光の波長分析においてS/N比及び分解能を向上させることができる。
【0095】
図18の(a)に示されるように、第2アパーチャ60の径が大きい光検出装置1Aでは、第2アパーチャ60、開口20及び第1アパーチャ50を通過してファブリペロー干渉フィルタ10の光透過領域10aに入射する測定対象の光Mの入射角度が大きくなる。それに対し、
図18の(b)に示されるように、第2アパーチャ60の径が小さい光検出装置1Aでは、第2アパーチャ60、開口20及び第1アパーチャ50を通過してファブリペロー干渉フィルタ10の光透過領域10aに入射する測定対象の光Mの入射角度が小さくなる。よって、第2アパーチャ60の径が小さい光検出装置1Aでは、第2アパーチャ60の径が大きい光検出装置1Aに比べ、測定対象の光の波長分析においてS/N比及び分解能を向上させることができる。
[比較例及び実施例1~4の光検出装置による分光分析の結果]
【0096】
比較例の光検出装置として、上述した第1実施形態の光検出装置1Aから第1アパーチャ部51Aを取り外したものを用意した。比較例の光検出装置において、キャップ4の天壁6の厚さは0.4mm、開口20の径は1.5mmであった。
【0097】
実施例1,3の光検出装置として、上述した第1実施形態の光検出装置1Aと同様の構成を有するものを用意した。実施例1の光検出装置において、キャップ4の天壁6の厚さは0.4mm、開口20の径は1.5mm、第1包囲部分52の厚さは0.1mm、第1アパーチャ50の径は1.25mm、開口20及び第1アパーチャ50の間の距離は1.1mmであった。実施例3の光検出装置において、キャップ4の天壁6の厚さは0.4mm、開口20の径は1.5mm、第1包囲部分52の厚さは0.1mm、第1アパーチャ50の径は0.5mm、開口20及び第1アパーチャ50の間の距離は1.1mmであった。
【0098】
実施例2,4の光検出装置として、上述した第5実施形態の光検出装置1Eと同様の構成を有するものを用意した。実施例2の光検出装置において、第2包囲部分62の厚さは0.1mm、第2アパーチャ60の径は0.5mm、キャップ4の天壁6の厚さは0.4mm、開口20の径は1.5mm、第1包囲部分52の厚さは0.1mm、第1アパーチャ50の径は1.25mm、第2アパーチャ60及び開口20の間の距離は0、開口20及び第1アパーチャ50の間の距離は1.1mmであった。実施例4の光検出装置において、第2包囲部分62の厚さは0.1mm、第2アパーチャ60の径は0.5mm、キャップ4の天壁6の厚さは0.4mm、開口20の径は1.5mm、第1包囲部分52の厚さは0.1mm、第1アパーチャ50の径は0.5mm、第2アパーチャ60及び開口20の間の距離は0、開口20及び第1アパーチャ50の間の距離は1.1mmであった。
【0099】
図19は、比較例及び実施例1~4の光検出装置に対して、輝線光を入射させた場合における波長と出力比との関係を示す図である。この分光分析では、比較例及び実施例1~4の光検出装置に対して、波長1650nmの輝線光を入射させた。
図19において、横軸の波長は、ファブリペロー干渉フィルタ10における第1ミラー部35及び第2ミラー部36の間の距離に対応している。
図19において、縦軸の出力比は、ピーク出力を100%とした場合の出力比である。
図19に示されるように、比較例、実施例1、実施例2、実施例3、実施例4の順序で、ピーク出力に対する出力比の裾部分が低下していることから、比較例、実施例1、実施例2、実施例3、実施例4の順序で、光検出器8への迷光の入射の抑制効果が向上しているといえる。
【0100】
図20は、比較例及び実施例1~4の光検出装置に対して、実サンプルの表面で反射された光を入射させた場合における波長と吸光度との関係を示す図である。この分光分析では、厚さ1mmのPET板に近赤外の波長域の光を照射し、比較例及び実施例1~4の光検出装置に対して、当該PET板の表面で反射された光を入射させた。
図19に示されるように、比較例、実施例1、実施例2、実施例3、実施例4の順序で、吸光度に現れる起伏が顕著となっていることから、比較例、実施例1、実施例2、実施例3、実施例4の順序で、S/N比及び分解能が向上しているといえる。
[変形例]
【0101】
本発明は、上述した実施形態に限定されない。例えば、光吸収膜18は、光検出装置1A~1C,1E~1Gのいずれに適用されてもよい。また、第2アパーチャ部61Aは、光検出装置1A~1D,1Gのいずれに適用されてもよい。また、第2アパーチャ部61Bは、光検出装置1A~1D,1Gのいずれに適用されてもよい。また、光透過部材13によって構成された光透過部16は、光検出装置1A~1Fのいずれに適用されてもよい。
【0102】
光透過部16は、光透過部材13、接着部材15及びバンドパスフィルタ14によって構成されたもの、又は光透過部材13よって構成されたものに限定されない。光透過部16は、パッケージ2の開口20を塞いでおり、パッケージ2内に位置する光出射面16bを有するものであればよい。
【0103】
第1包囲部分52は、方向Aから見た場合に、第1アパーチャ50を断続的に(例えば、スリットを介して)包囲するものであってもよい。また、方向Aから見た場合に、第1アパーチャ50の外縁50aは、パッケージ2の開口20の外縁20aの外側に位置していてもよい。
【0104】
第2包囲部分62は、方向Aから見た場合に、第2アパーチャ60を断続的に(例えば、スリットを介して)包囲するものであってもよい。また、方向Aから見た場合に、第2アパーチャ60の外縁60aは、パッケージ2の開口20の外縁20aの外側に位置していてもよい。
【0105】
なお、「開口を有するパッケージと、前記開口を塞いでいる光透過部と、前記パッケージ内において前記開口及び前記光透過部に対して一方の側に配置されており、互いの距離が可変である一対のミラー部を含むファブリペロー干渉フィルタと、前記パッケージ内において前記ファブリペロー干渉フィルタに対して前記一方の側に配置された光検出器と、を備える光検出装置に用いられるアパーチャ部であって、前記パッケージ外において前記開口に対して他方の側に位置するアパーチャを包囲する包囲部分と、前記包囲部分に接続されており、前記パッケージと嵌まり合う嵌合部分と、を備え、前記一対のミラー部の対向方向に垂直な方向における位置決めは、前記嵌合部分及び前記パッケージによって行われており、前記一対のミラー部の対向方向における位置決めは、前記嵌合部分及び前記パッケージによって又は前記包囲部分及び前記パッケージによって行われている、アパーチャ部」によれば、当該光検出装置に取り付けることで、当該光検出装置において、迷光が光検出器に入射するのを抑制することができる。
【符号の説明】
【0106】
1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G…光検出装置、2…パッケージ、8…光検出器、10…ファブリペロー干渉フィルタ、13…光透過部材、14…バンドパスフィルタ、16…光透過部、16b…光出射面、18…光吸収膜、20…開口、20a…外縁、35…第1ミラー部、36…第2ミラー部、50…第1アパーチャ、50a…外縁、51A,51B,51C…第1アパーチャ部、52…第1包囲部分、52b…表面、53…支持部分、60…第2アパーチャ、60a…外縁、61A,61B…第2アパーチャ部、62…第2包囲部分、63…嵌合部分、A…方向(一対のミラー部の対向方向)。