(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025088
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】絶縁膜の形成方法及び電子デバイスの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/316 20060101AFI20240216BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20240216BHJP
H01L 21/283 20060101ALI20240216BHJP
H01L 21/28 20060101ALI20240216BHJP
H01L 29/786 20060101ALI20240216BHJP
C23C 16/40 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
H01L21/316 M
H01L21/31 B
H01L21/283 B
H01L21/28 301B
H01L29/78 617T
H01L29/78 618B
C23C16/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022128239
(22)【出願日】2022-08-10
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成30年度、防衛装備庁、安全保障技術研究推進制度、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】阿曽 広之
(72)【発明者】
【氏名】林 賢二郎
(72)【発明者】
【氏名】須田 章一
(72)【発明者】
【氏名】近藤 大雄
【テーマコード(参考)】
4K030
4M104
5F045
5F058
5F110
【Fターム(参考)】
4K030BA43
4K030DA09
4K030JA01
4M104AA03
4M104AA10
4M104BB01
4M104CC05
4M104EE16
4M104GG08
4M104HH20
5F045AA06
5F045AA15
5F045AB31
5F045DC51
5F045EE19
5F045HA06
5F045HA16
5F058BA01
5F058BD05
5F058BF04
5F058BF37
5F058BH03
5F110AA12
5F110CC07
5F110DD05
5F110EE08
5F110FF01
5F110FF27
5F110FF36
5F110GG01
5F110HK02
(57)【要約】
【課題】絶縁膜の耐圧を向上することができる絶縁膜の形成方法及び電子デバイスの製造方法を提供する。
【解決手段】絶縁膜の形成方法は、基板の上に、厚さが1nm以上5nm以下の第1の酸化アルミニウム膜を原子層堆積法により形成する工程と、温度が600℃で、酸素ガスを含む雰囲気中で、前記第1の酸化アルミニウム膜の第1アニールを行う工程と、前記第1アニールの後、前記第1の酸化アルミニウム膜の上に第2の酸化アルミニウム膜を原子層堆積法により形成する工程と、を有し、前記第1の酸化アルミニウム膜の厚さと前記第2の酸化アルミニウム膜の厚さとの和が20nmである。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の上に、厚さが1nm以上5nm以下の第1の酸化アルミニウム膜を原子層堆積法により形成する工程と、
温度が600℃で、酸素ガスを含む雰囲気中で、前記第1の酸化アルミニウム膜の第1アニールを行う工程と、
前記第1アニールの後、前記第1の酸化アルミニウム膜の上に第2の酸化アルミニウム膜を原子層堆積法により形成する工程と、
を有し、
前記第1の酸化アルミニウム膜の厚さと前記第2の酸化アルミニウム膜の厚さとの和が20nmであることを特徴とする絶縁膜の形成方法。
【請求項2】
前記第2の酸化アルミニウム膜の形成の後、温度が600℃で、酸素ガスを含む雰囲気中で、前記第1の酸化アルミニウム膜及び前記第2の酸化アルミニウム膜の第2アニールを行う工程を有することを特徴とする請求項1に記載の絶縁膜の形成方法。
【請求項3】
基板の上に、厚さが1nm以上5nm以下の第1の酸化アルミニウム膜を原子層堆積法により形成する工程と、
温度が600℃で、酸素ガスを含む雰囲気中で、前記第1の酸化アルミニウム膜の第1アニールを行う工程と、
前記第1アニールの後、前記第1の酸化アルミニウム膜の上に第2の酸化アルミニウム膜を原子層堆積法により形成する工程と、
前記第2の酸化アルミニウム膜の上に2次元材料層を形成する工程と、
を有し、
前記第1の酸化アルミニウム膜の厚さと前記第2の酸化アルミニウム膜の厚さとの和が20nmであることを特徴とする電子デバイスの製造方法。
【請求項4】
前記第2の酸化アルミニウム膜の形成の後、温度が600℃で、酸素ガスを含む雰囲気中で、前記第1の酸化アルミニウム膜及び前記第2の酸化アルミニウム膜の第2アニールを行う工程を有することを特徴とする請求項3に記載の電子デバイスの製造方法。
【請求項5】
前記2次元材料層は、グラフェン又は遷移金属ダイカルコゲナイドを含むことを特徴とする請求項3又は4に記載の電子デバイスの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、絶縁膜の形成方法及び電子デバイスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
グラフェン等の2次元材料の薄膜を含む半導体装置では、基板と薄膜との間に非晶質の酸化アルミニウム(Al2O3)が形成されることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-303311号公報
【特許文献2】特開2012-253356号公報
【特許文献3】米国特許出願公開第2012/0306058号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2001/0051444号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の方法で非晶質の酸化アルミニウム膜を形成した場合、薄膜に接触する電極と基板との間で絶縁膜に十分な耐圧が得られないことがある。
【0005】
本開示の目的は、絶縁膜の耐圧を向上することができる絶縁膜の形成方法及び電子デバイスの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一形態によれば、基板の上に、厚さが1nm以上5nm以下の第1の酸化アルミニウム膜を原子層堆積法により形成する工程と、温度が600℃で、酸素ガスを含む雰囲気中で、前記第1の酸化アルミニウム膜の第1アニールを行う工程と、前記第1アニールの後、前記第1の酸化アルミニウム膜の上に第2の酸化アルミニウム膜を原子層堆積法により形成する工程と、を有し、前記第1の酸化アルミニウム膜の厚さと前記第2の酸化アルミニウム膜の厚さとの和が20nmである絶縁膜の形成方法が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、絶縁膜の耐圧を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係る絶縁膜の形成方法を示す断面図(その1)である。
【
図2】第1実施形態に係る絶縁膜の形成方法を示す断面図(その2)である。
【
図3】第1実施形態に係る絶縁膜の形成方法を示す断面図(その3)である。
【
図4】第2実施形態に係る絶縁膜の形成方法を示す断面図である。
【
図5】参考例に係る絶縁膜の形成方法を示す断面図である。
【
図6】第1試料、第2試料及び第3試料の一部を示す断面図である。
【
図10】耐圧試験の結果を示す図(その1)である。
【
図11】耐圧試験の結果を示す図(その2)である。
【
図12】耐圧試験の結果を示す図(その3)である。
【
図13】耐圧試験の結果を示す図(その4)である。
【
図14】耐圧試験の結果を示す図(その5)である。
【
図15】耐圧試験の結果を示す図(その6)である。
【
図16】第3実施形態に係る電子デバイスの製造方法を示す断面図(その1)である。
【
図17】第3実施形態に係る電子デバイスの製造方法を示す断面図(その2)である。
【
図18】第3実施形態に係る電子デバイスの製造方法を示す断面図(その3)である。
【
図19】第3実施形態に係る電子デバイスの製造方法を示す断面図(その4)である。
【
図20】第3実施形態に係る電子デバイスの製造方法を示す断面図(その5)である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態について添付の図面を参照しながら具体的に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省くことがある。
【0010】
(第1実施形態)
第1実施形態について説明する。
図1~
図3は、第1実施形態に係る絶縁膜の形成方法を示す断面図である。
【0011】
まず、
図1に示すように、基板1の上に、厚さが1nm以上5nm以下の第1の酸化アルミニウム膜2を原子層堆積(atomic layer deposition:ALD)法により形成する。
【0012】
次いで、
図2に示すように、温度が600℃で、酸素ガスを含む雰囲気中で、第1の酸化アルミニウム膜2の第1アニールを行う。
【0013】
その後、
図3に示すように、第1の酸化アルミニウム膜2の上に第2の酸化アルミニウム膜3をALD法により形成する。第2の酸化アルミニウム膜3の厚さは、第1の酸化アルミニウム膜2の厚さと第2の酸化アルミニウム膜3の厚さとの和が20nmとなるようにする。例えば、第1の酸化アルミニウム膜2の厚さが5nmであれば、第2の酸化アルミニウム膜3の厚さは15nmとし、第1の酸化アルミニウム膜2の厚さが2nmであれば、第2の酸化アルミニウム膜3の厚さは18nmとし、第1の酸化アルミニウム膜2の厚さが1nmであれば、第2の酸化アルミニウム膜3の厚さは19nmとする。
【0014】
このようにして、第1の酸化アルミニウム膜2及び第2の酸化アルミニウム膜3を含む絶縁膜4が形成される。
【0015】
後述の試験結果から明らかなように、第1実施形態によれば、絶縁膜4に良好な耐圧を得ることができる。
【0016】
(第2実施形態)
第2実施形態について説明する。
図4は、第2実施形態に係る絶縁膜の形成方法を示す断面図である。
【0017】
まず、第1実施形態と同様に、第2の酸化アルミニウム膜3の形成までの処理を行う(
図3参照)。次いで、
図4に示すように、温度が600℃で、酸素ガスを含む雰囲気中で、第1の酸化アルミニウム膜2及び第2の酸化アルミニウム膜3の第2アニールを行う。
【0018】
このようにして、第1の酸化アルミニウム膜2及び第2の酸化アルミニウム膜3を含む絶縁膜5が形成される。
【0019】
後述の試験結果から明らかなように、第2実施形態によれば、絶縁膜5に優れた耐圧を得ることができる。
【0020】
ここで、第1実施形態及び第2実施形態について行った試験の結果について説明する。この試験では、第1実施形態に倣って第1試料を作製し、第2実施形態に倣って第2試料を作製した。第1試料及び第2試料では、第1の酸化アルミニウム膜2の厚さを5nmとし、第2の酸化アルミニウム膜3の厚さを15nmとした。また、参考例に係る絶縁膜の形成方法に倣って第3試料を作製した。
図5は、参考例に係る絶縁膜の形成方法を示す断面図である。
図6は、第1試料、第2試料及び第3試料の一部を示す断面図である。
【0021】
参考例では、
図5に示すように、基板1の上に、厚さが20nmの酸化アルミニウム膜をALD法により形成し、その後に、温度が600℃で、酸素ガスを含む雰囲気中で、酸化アルミニウム膜のアニールを行う。このようにして、絶縁膜6を形成する。
【0022】
第1試料、第2試料及び第3試料のいずれにおいても、
図6に示すように、基板1の下面の全体に第1電極11を形成し、絶縁膜10の上に複数の第2電極12を形成した。第1試料では絶縁膜4が絶縁膜10であり、第2試料では絶縁膜5が絶縁膜10であり、第3試料では絶縁膜6が絶縁膜10である。第2電極12の平面形状は、各辺の長さが140μmの正方形状である。基板1としては、導電性を有するシリコン基板を用いた。
【0023】
そして、各試料について、光学顕微鏡観察及び耐圧試験を行った。
【0024】
図7~
図9に、光学顕微鏡観察により得られた光学顕微鏡像を示す。
図7は、第1試料の光学顕微鏡像を示し、
図8は、第2試料の光学顕微鏡像を示し、
図9は、第3試料の光学顕微鏡像を示す。
【0025】
耐圧試験では、第1試料、第2試料及び第3試料の各々について36個の試料を作製し、試料ごとに、一つの第2電極12と第1電極11との間に電圧を印加し、当該第2電極12と第1電極11との間に50μA又は100pAの電流が流れる時の電圧を測定した。第2電極12と第1電極11との間に50μAの電流が流れる時の電圧の測定結果を
図10に示す。第2電極12と第1電極11との間に100pAの電流が流れる時の電圧の測定結果を
図11に示す。
図10に示すグラフでは、試料に印加した電圧を示す横軸の数値を1.5V刻みとしている。縦軸の数は、横軸の電圧以下で当該数値よりも1.5Vだけ低い電圧超の間で50μAの電流が流れた試料の数を示している。例えば、横軸の18Vに着目すると、16.5V超かつ18V以下の範囲で50μAの電流が流れた試料の数が縦軸に表されている。
図11に示すグラフでは、試料に印加した電圧を示す横軸の数値を0.2V刻みとしている。縦軸の数は、横軸の電圧以下で当該数値よりも0.2Vだけ低い電圧超の間で100pAの電流が流れた試料の数を示している。例えば、横軸の3Vに着目すると、2.8V超かつ3V以下の範囲で100pAの電流が流れた試料の数が縦軸に表されている。また、第1試料、第2試料及び第3試料の各々における、I(電流)-V(電圧)特性の典型的な例を
図12に示す。
【0026】
図7~
図9に示すように、第3試料では多数のボイド(
図9中の黒丸)が観察されたが、第1試料(
図7)及び第2試料(
図8)のいずれにおいてもボイドは観察されなかった。
【0027】
また、
図10に示すように、第1試料及び第2試料の耐圧は、概ね第3試料よりも高かった。また、第2試料では18Vを超える試料も得られた。
図12に示すように、典型的な例に着目すると、第2試料及び第3試料において、第1試料よりも著しく高い耐圧が得られた。
【0028】
更に、
図11に示すように、第3試料では、100pAの電流が流れる電圧が1V未満に集中していたのに対し、第1試料及び第2試料では、100pAの電流が流れる電圧が2.4V以上に集中していた。このことは、絶縁破壊の兆候が現れ始める電圧が、第1試料及び第2試料では第3試料よりも高いことを意味している。
【0029】
図10~
図12に示すような耐圧の傾向には、
図7~
図9に示すボイドの有無が大きく影響していると考えられる。例えば、第2電極12の直下で絶縁膜10にボイドが存在している場合には、ボイドが存在していない場合と比較して、絶縁破壊が生じやすかったり、リーク電流が流れやすかったりすると考えられる。
【0030】
また、第2試料から第1の酸化アルミニウム膜2の厚さ及び第2の酸化アルミニウム膜3の厚さを変化させた第4試料及び第5試料を作製した。第4試料では、第1の酸化アルミニウム膜2の厚さを1nmとし、第2の酸化アルミニウム膜3の厚さを19nmとした。第5試料では、第1の酸化アルミニウム膜2の厚さを2nmとし、第2の酸化アルミニウム膜3の厚さを18nmとした。
【0031】
そして、第4試料及び第5試料について、第1試料、第2試料及び第3試料と同様の耐圧試験を行った。第2電極12と第1電極11との間に50μAの電流が流れる時の電圧の測定結果を
図13に示す。第2電極12と第1電極11との間に100pAの電流が流れる時の電圧の測定結果を
図14に示す。また、第4試料及び第5試料の各々における、I(電流)-V(電圧)特性の典型的な例を
図15に示す。
図13~
図15には、参考のために第2試料及び第3試料の結果も示す。
【0032】
図13~
図15に示すように、第4試料及び第5試料においても、第2試料と同等か、それよりも優れた耐圧が得られた。
【0033】
(第3実施形態)
第3実施形態について説明する。
図16~
図20は、第3実施形態に係る電子デバイスの製造方法を示す断面図である。
【0034】
まず、
図16に示すように、基板21の上に、厚さが1nm以上5nm以下の第1の酸化アルミニウム膜22をALD法により形成する。基板21は導電性を有する。基板21は、例えば、導電性を有するシリコン基板である。
【0035】
次いで、
図17に示すように、温度が600℃で、酸素ガスを含む雰囲気中で、第1の酸化アルミニウム膜22の第1アニールを行う。
【0036】
その後、
図18に示すように、第1の酸化アルミニウム膜22の上に第2の酸化アルミニウム膜23をALD法により形成する。第2の酸化アルミニウム膜23の厚さは、第1の酸化アルミニウム膜22の厚さと第2の酸化アルミニウム膜23の厚さとの和が20nmとなるようにする。
【0037】
このようにして、第1の酸化アルミニウム膜22及び第2の酸化アルミニウム膜23を含む絶縁膜24が形成される。
【0038】
続いて、
図19に示すように、第2の酸化アルミニウム膜23の上に2次元材料層30を形成する。2次元材料層30は、例えば、単層のグラフェン又は複数のグラフェンが積層された積層体である。2次元材料層30が、単層の遷移金属ダイカルコゲナイド(TMDC)又は複数の遷移金属ダイカルコゲナイドが積層された積層体であってもよい。
【0039】
次いで、
図20に示すように、基板21の下面に電極31を形成し、第2の酸化アルミニウム膜23の上面に電極32、33、34、35及び36を形成する。電極32の形成前に、2次元材料層30から離れて絶縁膜24に基板21に達する開口部39を形成し、電極32は開口部39を通じて基板21の上面に接触するように形成する。電極33及び35は、互いに離れつつ、2次元材料層30の縁及び絶縁膜24の上面に接触するように形成する。電極34及び36は、互いに離れつつ、電極33と電極35との間で2次元材料層30の上に形成する。このとき、電極34が電極36よりも電極33に近くなるようにする。
【0040】
このようにして、電子デバイス20を製造することができる。
【0041】
例えば、電極34はドレイン電圧の印加に用いられ、電極36はソース電圧の印加に用いられる。また、電極33はドレイン電流の測定に用いられ、電極35はソース電流の測定に用いられる。導電性を有する基板21はゲート電極として用いられ、電極31及び32は基板21へのゲート電圧の印加に用いられる。電極32は、例えば電極32にワイヤがボンディングされて使用される。電極31は、例えば電極32にワイヤのボンディングを行う前の特性試験の際に使用される。
【0042】
第3実施形態によれば、電子デバイス20に良好な耐圧を得ることができる。
【0043】
なお、第2実施形態と同様に、絶縁膜24の形成の後に第2アニールを行ってもよい。この場合、更に良好な耐圧を得ることができる。
【0044】
以上、好ましい実施の形態等について詳説したが、上述した実施の形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0045】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0046】
(付記1)
基板の上に、厚さが1nm以上5nm以下の第1の酸化アルミニウム膜を原子層堆積法により形成する工程と、
温度が600℃で、酸素ガスを含む雰囲気中で、前記第1の酸化アルミニウム膜の第1アニールを行う工程と、
前記第1アニールの後、前記第1の酸化アルミニウム膜の上に第2の酸化アルミニウム膜を原子層堆積法により形成する工程と、
を有し、
前記第1の酸化アルミニウム膜の厚さと前記第2の酸化アルミニウム膜の厚さとの和が20nmであることを特徴とする絶縁膜の形成方法。
(付記2)
前記第2の酸化アルミニウム膜の形成の後、温度が600℃で、酸素ガスを含む雰囲気中で、前記第1の酸化アルミニウム膜及び前記第2の酸化アルミニウム膜の第2アニールを行う工程を有することを特徴とする付記1に記載の絶縁膜の形成方法。
(付記3)
基板の上に、厚さが1nm以上5nm以下の第1の酸化アルミニウム膜を原子層堆積法により形成する工程と、
温度が600℃で、酸素ガスを含む雰囲気中で、前記第1の酸化アルミニウム膜の第1アニールを行う工程と、
前記第1アニールの後、前記第1の酸化アルミニウム膜の上に第2の酸化アルミニウム膜を原子層堆積法により形成する工程と、
前記第2酸化のアルミニウム膜の上に2次元材料層を形成する工程と、
を有し、
前記第1の酸化アルミニウム膜の厚さと前記第2の酸化アルミニウム膜の厚さとの和が20nmであることを特徴とする電子デバイスの製造方法。
(付記4)
前記第2の酸化アルミニウム膜の形成の後、温度が600℃で、酸素ガスを含む雰囲気中で、前記第1の酸化アルミニウム膜及び前記第2の酸化アルミニウム膜の第2アニールを行う工程を有することを特徴とする付記3に記載の電子デバイスの製造方法。
(付記5)
前記2次元材料層は、グラフェン又は遷移金属ダイカルコゲナイドを含むことを特徴とする付記3又は4に記載の電子デバイスの製造方法。
(付記6)
前記基板は導電性を有し、
前記第2の酸化アルミニウム膜の上に前記2次元材料層に接する電極を形成する工程を有することを特徴とする付記3又は4に記載の電子デバイスの製造方法。
【符号の説明】
【0047】
1、21:基板
2、22:第1の酸化アルミニウム膜
3、23:第2の酸化アルミニウム膜
4、5、10、24:絶縁膜
11、12、31、32、33、34、35、36:電極
20:電子デバイス