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特開2024-25098情報処理方法、通信システム、情報システムおよび登録装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025098
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】情報処理方法、通信システム、情報システムおよび登録装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0241 20230101AFI20240216BHJP
【FI】
G06Q30/02 446
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022128260
(22)【出願日】2022-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】000004075
【氏名又は名称】ヤマハ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】瀬戸 優樹
(72)【発明者】
【氏名】井本 智大
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】特定の場所に位置する端末装置に限定した情報サービスの提供を簡便な作業により実現する。
【解決手段】登録装置50は、特定の場所において取得可能な識別情報を取得し、当該登録装置50の位置を表す位置情報を取得し、識別情報と位置情報とを含む登録データを送信する。情報システム20は、登録データを登録装置50から受信し、登録データに含まれる識別情報と位置情報とに対応する参照データを記憶装置に保存し、特定の場所において端末装置60が取得した識別情報と、端末装置60の位置を表す位置情報とを含む認証データを、端末装置60から受信し、参照データと認証データとを照合する認証処理の成功を条件として、端末装置60に対する情報サービスの提供を許可する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
登録装置が、
特定の場所において取得可能な識別情報を取得し、
当該登録装置の位置を表す位置情報を取得し、
前記識別情報と前記位置情報とを含む登録データを送信し、
情報システムが、
前記登録データを前記登録装置から受信し、
前記登録データに含まれる前記識別情報と前記位置情報とに対応する参照データを記憶装置に保存し、
前記特定の場所において端末装置が取得した識別情報と、前記端末装置の位置を表す位置情報とを含む認証データを、前記端末装置から受信し、
前記参照データと前記認証データとを照合する認証処理の成功を条件として、前記端末装置に対する情報サービスの提供を許可する
情報処理方法。
【請求項2】
前記識別情報の取得においては、前記登録装置が、識別画像の撮像により前記識別情報を取得する
請求項1の情報処理方法。
【請求項3】
前記識別情報は、前記識別画像が設置された場所に関する情報を含まない
請求項2の情報処理方法。
【請求項4】
前記記憶装置には、前記参照データを含む複数の参照データが保存され、
前記複数の参照データのうちの第1参照データは、第1識別画像の撮像により取得された第1識別情報と、前記第1識別画像の撮像の位置を表す第1位置情報とを含み、
前記複数の参照データのうちの第2参照データは、前記第1識別画像とは相違する第2識別画像の撮像により取得された第2識別情報と、前記第2識別画像の撮像の位置を表す第2位置情報とを含み、
前記情報システムは、
前記認証データと前記第1参照データとを照合する前記認証処理の結果が肯定である場合に、前記端末装置に対する第1情報サービスの提供を許可し、
前記認証データと前記第2参照データとを照合する前記認証処理の結果が肯定である場合に、前記端末装置に対する第2情報サービスの提供を許可する
請求項2または請求項3の情報処理方法。
【請求項5】
前記情報システムは、前記認証データに含まれる前記識別情報に応じて、情報サービスの提供のための閲覧用ページを、前記端末装置に提供する
請求項1の情報処理方法。
【請求項6】
登録装置と情報システムとを含む通信システムであって、
前記登録装置は、
特定の場所において取得可能な識別情報を取得し、
当該登録装置の位置を表す位置情報を取得し、
前記識別情報と前記位置情報とを含む登録データを送信し、
前記情報システムは、
前記登録データを前記登録装置から受信し、
前記登録データに含まれる前記識別情報と前記位置情報とに対応する参照データを記憶装置に保存し、
前記特定の場所において端末装置が取得した識別情報と、前記端末装置の位置を表す位置情報とを含む認証データを、前記端末装置から受信し、
前記参照データと前記認証データとを照合する認証処理の成功を条件として、前記端末装置に対する情報サービスの提供を許可する
通信システム。
【請求項7】
特定の場所において登録装置が取得した識別情報と、当該取得時における登録装置の位置を表す位置情報とを含む登録データを、前記登録装置から受信し、
前記登録データに含まれる前記識別情報と前記位置情報とに対応する参照データを記憶装置に保存する
情報システム。
【請求項8】
さらに、
前記特定の場所において端末装置が取得した識別情報と、前記端末装置の位置を表す位置情報とを含む認証データを、前記端末装置から受信し、
前記参照データと前記認証データとを照合する認証処理の成功を条件として、前記端末装置に対する情報サービスの提供を許可する
請求項7の情報システム。
【請求項9】
特定の場所において取得可能な識別情報を取得し、
当該登録装置の位置を表す位置情報を取得し、
前記識別情報と前記位置情報とを含む登録データを送信する
登録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、端末装置に対して情報サービスを提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
端末装置が所在する場所に応じた情報サービスを端末装置の利用者に提供する各種の技術が従来から提案されている。例えば特許文献1には、特定の場所を表す識別情報の音響成分を、当該場所に設置された放音装置により放射する技術が開示されている。端末装置は、放音装置による放射音から識別情報を抽出し、当該識別情報に対応する再生情報を再生する。以上の構成によれば、放音装置による放射音を収音できる範囲内の端末装置に限定して情報を提供できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-139101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の技術においては、識別情報を表す音響成分を放音装置の場所毎に生成する必要がある。したがって、端末装置に情報を提供するための準備の負荷を低減するという観点から改善の余地がある。以上の事情を考慮して、本開示のひとつの態様は、特定の場所に位置する端末装置に限定した情報サービスの提供を、簡便な作業により実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、本開示のひとつの態様に係る情報処理方法は、 登録装置が、特定の場所において取得可能な識別情報を取得し、当該登録装置の位置を表す位置情報を取得し、前記識別情報と前記位置情報とを含む登録データを送信し、情報システムが、前記登録データを前記登録装置から受信し、前記登録データに含まれる前記識別情報と前記位置情報とに対応する参照データを記憶装置に保存し、前記特定の場所において端末装置が取得した識別情報と、前記端末装置の位置を表す位置情報とを含む認証データを、前記端末装置から受信し、前記参照データと前記認証データとを照合する認証処理の成功を条件として、前記端末装置に対する情報サービスの提供を許可する。
【0006】
本開示のひとつの態様に係る通信システムは、登録装置と情報システムとを含む通信システムであって、前記登録装置は、特定の場所において取得可能な識別情報を取得し、当該登録装置の位置を表す位置情報を取得し、前記識別情報と前記位置情報とを含む登録データを送信し、情報システムは、前記登録データを前記登録装置から受信し、前記登録データに含まれる前記識別情報と前記位置情報とに対応する参照データを記憶装置に保存し、前記特定の場所において端末装置が取得した識別情報と、前記端末装置の位置を表す位置情報とを含む認証データを、前記端末装置から受信し、前記参照データと前記認証データとを照合する認証処理の成功を条件として、前記端末装置に対する情報サービスの提供を許可する。
【0007】
本開示のひとつの態様に係る情報システムは、特定の場所において登録装置が取得した識別情報と、当該取得時における登録装置の位置を表す位置情報とを含む登録データを、前記登録装置から受信し、前記登録データに含まれる前記識別情報と前記位置情報とに対応する参照データを記憶装置に保存する。
【0008】
本開示のひとつの態様に係る登録装置は、特定の場所において取得可能な識別情報を取得し、当該登録装置の位置を表す位置情報を取得し、前記識別情報と前記位置情報とを含む登録データを送信する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態における通信システムの構成を例示するブロック図である。
図2】登録装置の構成を例示するブロック図である。
図3】制御システムの構成を例示するブロック図である。
図4】情報サービスの提供を準備する処理のフローチャートである。
図5】登録装置に表示される登録画面の模式図である。
図6】情報システムに保存されるデータの模式図である。
図7】端末装置に表示される閲覧用ページの模式図である。
図8】端末装置の構成を例示するブロック図である。
図9】情報サービスの利用のための処理のフローチャートである。
図10】認証処理のフローチャートである。
図11】複数種の情報サービスの提供に関する説明図である。
図12】第2実施形態における通信システムの構成を例示するブロック図である。
図13】変形例において情報システムに保存されるデータの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
A:第1実施形態
図1は、第1実施形態における通信システム100のブロック図である。通信システム100は、特定の施設(以下「特定施設」という)10に所在する利用者Uに各種の情報サービスを提供するためのコンピュータシステムである。特定施設10は駅である。ただし、特定施設10の形態は任意であり、屋内施設および屋外施設の何れでもよい。
【0011】
通信システム100は、情報システム20と登録装置50とを具備する。情報システム20は、制御システム30と複数の提供システム40とを具備する。
【0012】
利用者Uは、端末装置60を携行して特定施設10に来場する。端末装置60は、例えば携帯電話機、スマートフォン、タブレット端末またはパーソナルコンピュータ等の可搬型の情報装置である。端末装置60は、例えばインターネット等の通信網200を介して情報システム20と通信する。なお、実際には多数の端末装置60が存在するが、以下の説明では1個の端末装置60に便宜的に着目する。
【0013】
特定施設10には運営者Oが所在する。運営者Oは、特定施設10において業務する駅員である。運営者Oは、登録装置50を使用する。登録装置50は、利用者Uが情報サービスを利用するための情報を情報システム20に登録するための装置である。登録装置50は、例えば携帯電話機、スマートフォン、タブレット端末またはパーソナルコンピュータ等の可搬型の情報装置である。登録装置50は、通信網200を介して情報システム20と通信する。
【0014】
特定施設10には複数の掲示物70が設置される。各掲示物70は、特定施設10内の利用者Uに情報サービスの提供を報知する印刷物である。各掲示物70は、例えば看板、紙またはステッカー等の板状またはシート状の部材により構成される。運営者Oは、複数の掲示物70の各々を、特定施設10内の相異なる場所(以下「目標場所」という)に設置する。目標場所は、情報サービスが提供されるべき場所である。特定施設10の目標場所に所在する利用者Uに対して限定的に情報サービスが提供される。すなわち、特定施設10に所在しない利用者Uまたは特定施設10内の目標場所以外の場所に所在する利用者Uには、情報サービスは提供されない。
【0015】
以上の説明から理解される通り、目標場所は、情報サービスの利用が許可される限定的な場所(地点または範囲)である。なお、目標場所は任意の地点または範囲であり、屋内および屋外の何れの場所でもよい。第1実施形態においては特定施設10内の場所を目標場所として例示するが、目標場所は施設内の場所に限定されない。運営者Oは特定施設10内(目標場所)に所在する必要はない。また、通信システム100が特定施設10に設置される必要もない。
【0016】
各掲示物70には、特定の情報サービスの提供を案内する文字列(例えば「案内通話サービス」)に加えて識別画像71が印刷される。識別画像71は、識別情報Dと接続先アドレスQとを表す画像である。具体的には、識別情報Dおよび接続先アドレスQを表すバーコードまたはQRコード(登録商標)が、識別画像71として例示される。
【0017】
識別情報Dは、掲示物70毎に一意に付与された符号列である。すなわち、識別情報Dは、特定施設10のうち識別画像71を撮像可能な目標場所において限定的に取得可能な情報である。識別情報Dは、識別画像71が設置された目標場所に関する情報を含まない。したがって、運営者Oは、識別画像71(識別情報D)と目標場所との対応を意識することなく掲示物70を各目標場所に設置できる。すなわち、識別情報Dが目標場所に固有である形態と比較して、運営者Oが掲示物70(識別画像71)を所望の目標場所に設置する作業の負荷を軽減できる。
【0018】
接続先アドレスQは、登録装置50または端末装置60による接続先のアドレスである。具体的には、接続先アドレスQは、制御システム30のURL(Uniform Resource Locator)である。識別情報Dが掲示物70毎に相違するのに対し、接続先アドレスQは複数の掲示物70にわたり共通する。なお、特定施設10内のひとつの目標場所に、識別情報Dが相違する複数の掲示物70が設置されてもよい。
【0019】
図2は、登録装置50の構成を例示するブロック図である。登録装置50は、制御装置51と記憶装置52と通信装置53と表示装置54と操作装置55と撮像装置56と位置検出装置57とを具備する。なお、登録装置50は、単体の装置として実現されるほか、相互に別体で構成された複数の装置でも実現される。
【0020】
制御装置51は、登録装置50の各要素を制御する単数または複数のプロセッサである。具体的には、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、SPU(Sound Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の1種類以上のプロセッサにより、制御装置51が構成される。
【0021】
記憶装置52は、制御装置51が実行するプログラムと、制御装置51が使用する各種のデータとを記憶する単数または複数のメモリである。例えば半導体記録媒体および磁気記録媒体等の公知の記録媒体、または複数種の記録媒体の組合せが、記憶装置52として利用される。なお、例えば、登録装置50に対して着脱される可搬型の記録媒体、または、登録装置50が通信網200を介してアクセス可能な記録媒体(例えばクラウドストレージ)が、記憶装置52として利用されてもよい。
【0022】
通信装置53は、通信網200を介して情報システム20(具体的には制御システム30)と通信する。なお、通信装置53と通信網200との間の通信は有線通信および無線通信の何れでもよい。
【0023】
表示装置54は、制御装置51による制御のもとで画像を表示する。例えば、液晶表示パネルまたは有機EL(Electroluminescence)パネル等の各種の表示パネルが、表示装置54として利用される。操作装置55は、運営者Oからの指示を受付ける入力機器である。操作装置55は、例えば、運営者Oが操作する操作子、または、運営者Oによる接触を検知するタッチパネルである。
【0024】
撮像装置56は、周囲の被写体を撮像するカメラである。第1実施形態の撮像装置56は、掲示物70に印刷された識別画像71を撮像する。撮像装置56は、例えば、撮影レンズ等の光学系と、光学系からの入射光を受光する撮像素子とを具備する。
【0025】
位置検出装置57は、登録装置50の位置を表す位置情報Paを生成する。具体的には、位置検出装置57は、例えばGPS(Global Positioning System)等の衛星測位システムの複数の測位衛星から受信した電波の解析により位置情報Paを生成する。
【0026】
図1の情報システム20は、端末装置60の利用者Uに各種の情報サービスを提供するためのコンピュータシステムである。具体的には、情報システム20は、特定施設10内に所在する利用者Uに限定して情報サービスを提供する。前述の通り、第1実施形態の情報システム20は、制御システム30と複数の提供システム40とを具備する。
【0027】
複数の提供システム40の各々は、相異なる種類の情報サービスを提供するコンピュータシステムである。制御システム30は、端末装置60の利用者Uに対する各情報サービスの提供を管理するためのコンピュータシステムである。制御システム30と各提供システム40とは、相異なる場所に設置される。また、制御システム30と提供システム40とは別個の管理者が運営するサーバである。
【0028】
例えば以下に例示する情報サービスが、複数の提供システム40のうち当該情報サービスに対応する提供システム40により提供される。ただし、情報サービスの種類は以下の例示に限定されない。
【0029】
(1) 案内通話サービス
案内通話サービスは、利用者Uが端末装置60を利用して、特定施設10の案内者と通話できる情報サービスである。具体的には、案内通話サービス用の提供システム40は、利用者Uの端末装置60と案内者が使用する案内装置(図示略)との間で音声データを中継する。案内装置は、例えば携帯電話機、スマートフォン、タブレット端末またはパーソナルコンピュータ等の可搬型の情報装置である。
【0030】
(2) 時刻表サービス
時刻表サービスは、特定施設10を経由する電車の時刻表を利用者Uの端末装置60に提供する情報サービスである。時刻表サービス用の提供システム40は、特定施設10に対応する電車の時刻表を表す画像データを、利用者Uの端末装置60に送信する。
【0031】
(3) ポイントサービス
ポイントサービスは、特定施設10に来訪した利用者Uにポイントを付与する情報サービスである。ポイントサービス用の提供システム40は、利用者U毎にポイントの残高を記憶し、特定施設10に来場した利用者Uに所定数のポイントを付与する。ポイントは、各種の商品または役務の購入に利用できる。
【0032】
(4) 証明書サービス
証明書サービスは、特定施設10を経由する電車が遅延した場合に、遅延証明書を利用者Uの端末装置60に提供する情報サービスである。証明書サービス用の提供システム40は、特定施設10に対応する電車の遅延証明書を表す画像データを、利用者Uの端末装置60に送信する。
【0033】
図3は、制御システム30の構成を例示するブロック図である。制御システム30は、制御装置31と記憶装置32と通信装置33とを具備する。なお、制御システム30は、単体の装置として実現されるほか、相互に別体で構成された複数の装置でも実現される。
【0034】
制御装置31は、制御システム30の各要素を制御する単数または複数のプロセッサである。具体的には、例えばCPU、GPU、SPU、DSP、FPGA、またはASIC等の1種類以上のプロセッサにより、制御装置31が構成される。
【0035】
記憶装置32は、制御装置31が実行するプログラムと、制御装置31が使用する各種のデータとを記憶する単数または複数のメモリである。例えば半導体記録媒体および磁気記録媒体等の公知の記録媒体、または複数種の記録媒体の組合せが、記憶装置32として利用される。なお、例えば、制御システム30に対して着脱される可搬型の記録媒体、または、制御システム30が通信網200を介してアクセス可能な記録媒体(例えばクラウドストレージ)が、記憶装置32として利用されてもよい。
【0036】
通信装置33は、通信網200を介して登録装置50および端末装置60の各々と通信する。なお、通信装置33と通信網200との間の通信は有線通信および無線通信の何れでもよい。
【0037】
図4は、特定施設10内の利用者Uに情報サービスを提供する準備のために登録装置50および制御システム30が実行する処理のフローチャートである。登録装置50に対する運営者Oからの指示を契機として図4の処理が開始される。
【0038】
運営者Oは、特定施設10内の目標場所に掲示物70を設置する。運営者Oは、登録装置50の撮像装置56を掲示物70の識別画像71に向けた状態で、操作装置55に対する操作で撮像を指示する。運営者Oからの指示を契機として、登録装置50の制御装置51は、撮像装置56により識別画像71を撮像する(Sa1)。制御装置51は、撮像装置56が撮像した識別画像71を解析することで識別情報Dおよび接続先アドレスQを取得する(Sa2)。すなわち、登録装置50は、識別画像71の撮像により識別情報Dおよび接続先アドレスQを取得する。制御装置51は、識別情報Dおよび接続先アドレスQを取得する要素(情報取得部)として機能する。
【0039】
制御装置51は、位置検出装置57から位置情報Paを取得する(Sa3)。位置情報Paは、撮像装置56により識別画像71が撮像された位置に相当する。すなわち、位置情報Paは、特定施設10内において掲示物70が設置された場所の近傍を表す。以上の通り、制御装置51は、位置情報Paを取得する要素(位置情報取得部)として機能する。なお、識別情報Dおよび接続先アドレスQの取得(Sa1,Sa2)と位置情報Paの取得(Sa3)との順番は反転されてもよい。
【0040】
制御装置51は、目標場所において提供される情報サービスに関する補助データAを生成する(Sa4)。補助データAは、目標場所において提供される情報サービスの種別Caと、目標場所の名称Cbとを含む。制御装置51は、操作装置55に対する運営者Oからの指示に応じて情報サービスの種別Caと目標場所の名称Cbとを特定する。
【0041】
図5は、補助データAの生成のために運営者Oが確認する登録画面81の模式図である。登録装置50の制御装置51は、登録画面81を表示装置54に表示させる。
【0042】
登録画面81は、受付欄811と受付欄812とを含む。受付欄811は、情報サービスの種別Caを運営者Oが複数の候補(案内通話サービス,時刻表サービス,ポイントサービス,証明書サービス)から選択するための部分である。また、運営者Oは、操作装置55を操作することで名称Cbの文字列を受付欄812に入力する。
【0043】
制御装置51は、受付欄811に対する操作で選択された種別Caと、受付欄812に入力された目標場所の名称Cbとを含む補助データAを生成する。なお、識別情報Dおよび接続先アドレスQの取得(Sa1,Sa2)と位置情報Paの取得(Sa3)と補助データAの生成(Sa4)との順序は任意に変更される。
【0044】
以上の処理を実行すると、制御装置51は、登録データXを通信装置53から制御システム30に送信する(Sa5)。登録データXは、目標場所における情報サービスの提供を登録するためのメッセージである。登録データXは、識別画像71から取得した識別情報Dと、登録装置50の位置情報Paと、運営者Oから指示された補助データAとを含む。識別画像71から取得した接続先アドレスQが、登録データXの宛先として指定される。以上の通り、制御装置51は、登録データXを送信する要素(登録データ送信部)として機能する。
【0045】
以上に例示した登録装置50の動作は、例えば登録データXの登録に専用されるアプリケーションプログラムにより実現される。登録用のアプリケーションプログラムは、配信装置(図示略)から事前に配信されて記憶装置52に保存される。なお、登録装置50の動作は、汎用のブラウザにより実現されてもよい。
【0046】
制御システム30の制御装置31は、登録装置50から送信された登録データXを通信装置33により受信する(Sb1)。制御装置31は、図6に例示される通り、参照データRと補助データAと接続データLとを記憶装置32に保存する(Sb2)。以上の通り、制御装置31は、登録データXを受信する要素(登録データ受信部)、および参照データRを記憶装置32に保存する要素(参照データ保存部)として機能する。
【0047】
図6は、記憶装置32に保存されるデータの模式図である。参照データRは、登録装置50から受信した登録データXに含まれる識別情報Dと位置情報Paとに対応するデータである。第1実施形態の参照データRは、登録データXの識別情報Dと位置情報Paとを含むデータである。前述の通り、識別情報D自体は、目標場所に関する情報を含まない。しかし、識別情報Dは、参照データRにおいて目標場所の位置情報Paに対応付けられる結果として、掲示物70(識別画像71)が設置された目標場所に固有の情報として利用可能となる。
【0048】
接続データLは、提供システム40のアドレスである。具体的には、接続データLは、提供システム40が提供する情報サービスを利用者Uが利用するためのウェブページ(以下「閲覧用ページ」という)の所在を表すデータである。例えば接続データLは、閲覧用ページのURL(Uniform Resource Locator)を指定する。制御装置31は、登録データXの補助データAが指定する情報サービスの種別Caと目標場所の名称Cbとに応じて接続データLを生成する。
【0049】
図7は、複数の情報サービスのうち、前述の案内通話サービスを利用者Uに提供するための閲覧用ページ82の模式図である。閲覧用ページ82は、案内通話サービスの利用を開始するための操作ボタン821と、登録データXが指定する目標場所の名称Cbとを含む画像である。各情報サービスを利用するための閲覧用ページ82の画像データが、当該情報サービスに対応する提供システム40に保存される。特定の提供システム40において画像データが保存された場所を指定する接続データLが、参照データRおよび補助データAとともに制御システム30の記憶装置32に記憶される。
【0050】
以上の説明から理解される通り、参照データRと補助データAと接続データLとの対応が識別情報D毎に制御システム30に登録される。すなわち、参照データRと補助データAと接続データLとが識別情報D毎に登録されたデータテーブルが、記憶装置32に生成される。第1実施形態においては掲示物70と識別情報Dとが1対1に対応するから、参照データRと補助データAと接続データLとの対応が、掲示物70毎に登録される。すなわち、相異なる掲示物70に対応する複数の参照データRが記憶装置32に記憶される。掲示物70を登録するための以上の処理は、登録装置50と制御システム30との協働により実現される。
【0051】
図8は、端末装置60の構成を例示するブロック図である。端末装置60は、制御装置61と記憶装置62と通信装置63と表示装置64と操作装置65と撮像装置66と位置検出装置67とを具備する。なお、端末装置60は、単体の装置として実現されるほか、相互に別体で構成された複数の装置でも実現される。また、図8に例示した要素のほか、端末装置60は、利用者Uの音声を収音する収音装置、および音声を再生する放音装置を具備する。
【0052】
制御装置61は、端末装置60の各要素を制御する単数または複数のプロセッサである。具体的には、例えばCPU、GPU、SPU、DSP、FPGA、またはASIC等の1種類以上のプロセッサにより、制御装置61が構成される。
【0053】
記憶装置62は、制御装置61が実行するプログラムと、制御装置61が使用する各種のデータとを記憶する単数または複数のメモリである。例えば半導体記録媒体および磁気記録媒体等の公知の記録媒体、または複数種の記録媒体の組合せが、記憶装置62として利用される。なお、例えば、端末装置60に対して着脱される可搬型の記録媒体、または、端末装置60が通信網200を介してアクセス可能な記録媒体(例えばクラウドストレージ)が、記憶装置62として利用されてもよい。
【0054】
通信装置63は、通信網200を介して情報システム20(制御システム30および各提供システム40)と通信する。なお、通信装置63と通信網200との間の通信は有線通信および無線通信の何れでもよい。
【0055】
表示装置64は、制御装置61による制御のもとで画像を表示する。例えば、液晶表示パネルまたは有機ELパネル等の各種の表示パネルが、表示装置64として利用される。操作装置65は、利用者Uからの指示を受付ける入力機器である。操作装置65は、例えば、利用者Uが操作する操作子、または、利用者Uによる接触を検知するタッチパネルである。
【0056】
撮像装置66は、周囲の被写体を撮像するカメラである。第1実施形態の撮像装置66は、掲示物70に印刷された識別画像71を撮像する。撮像装置66は、例えば、撮影レンズ等の光学系と、光学系からの入射光を受光する撮像素子とを具備する。
【0057】
位置検出装置67は、端末装置60の位置を表す位置情報Pbを生成する。具体的には、位置検出装置67は、例えばGPS等の衛星測位システムの複数の測位衛星から受信した電波の解析により位置情報Pbを生成する。
【0058】
図9は、利用者Uが情報サービスを利用するために端末装置60および制御システム30が実行する処理のフローチャートである。端末装置60に対する利用者Uからの指示を契機として図9の処理が開始される。
【0059】
特定施設10に来場した利用者Uは、目標場所に設置された掲示物70を視認する。掲示物70に掲示された情報サービスの利用を希望する利用者Uは、端末装置60の撮像装置66を掲示物70の識別画像71に向けた状態で、操作装置65に対する操作で撮像を指示する。利用者Uからの指示を契機として、端末装置60の制御装置61は、撮像装置66により識別画像71を撮像する(Sc1)。制御装置61は、撮像装置66が撮像した識別画像71を解析することで識別情報Dおよび接続先アドレスQを取得する(Sc2)。すなわち、端末装置60は、識別画像71の撮像により識別情報Dおよび接続先アドレスQを取得する。
【0060】
制御装置61は、位置検出装置67から位置情報Pbを取得する(Sc3)。位置情報Pbは、撮像装置66により識別画像71が撮像された位置に相当する。なお、識別情報Dおよび接続先アドレスQの取得(Sc1,Sc2)と位置情報Pbの取得(Sc3)との順番は反転されてもよい。
【0061】
制御装置61は、認証データZを通信装置63から制御システム30に送信する(Sc4)。認証データZは、利用者Uが目標場所に所在することの認証を要求するためのメッセージである。認証データZは、識別画像71から取得した識別情報Dと、端末装置60の位置情報Pbとを含む。識別画像71から取得した接続先アドレスQが、認証データZの宛先として指定される。
【0062】
制御システム30の制御装置31は、端末装置60から送信された認証データZを通信装置33により受信する(Sd1)。すなわち、制御装置31は、認証データZを受信する要素(認証データ受信部)として機能する。制御装置31は、記憶装置32に記憶された参照データRと端末装置60から受信した認証データZとの照合を含む認証処理Sd2を実行する。
【0063】
図10は、認証処理Sd2のフローチャートである。認証処理Sd2が開始されると、制御装置31は、記憶装置32に記憶された複数の参照データRのうち、認証データZに含まれる識別情報Dを含む参照データR(以下「選択参照データR」という)を選択する(Sd21)。すなわち、相異なる掲示物70に対応する複数の参照データRのうち、利用者Uが端末装置60により撮像した掲示物70に対応する1個の参照データRが、選択参照データRとして特定される。
【0064】
制御装置31は、認証データZと選択参照データRとを照合することで、認証データZに含まれる位置情報Pbが指定する位置が、選択参照データRに対応する目標場所に該当するか否かを判定する(Sd22)。具体的には、制御装置31は、認証データZの位置情報Pbが指定する端末装置60の位置が、選択参照データRの位置情報Paが指定する位置を含む所定の範囲(すなわち目標場所)内にあるか否かを判定する。目標場所は、例えば位置情報Paが指定する位置を中心とする所定径の範囲である。
【0065】
以上の説明から理解される通り、認証処理Sd2は、端末装置60が目標場所に所在するか否かを判定する処理である。認証処理Sd2には、端末装置60が取得した識別情報Dと当該端末装置60の位置情報Pbとが利用される。端末装置60が目標場所に所在するという判定の結果は、認証処理Sd2の成功に相当し、端末装置60が目標場所に所在しないという判定の結果は、認証処理Sd2の失敗に相当する。
【0066】
図9に例示される通り、制御装置31は、認証処理Sd2に成功したか否かを判定する(Sd3)。認証処理Sd2に失敗した場合(Sd3:NO)、制御装置31は、端末装置60に対する情報サービスの提供を禁止する(Sd4)。具体的には、制御装置31は、認証処理Sd2の失敗を表す画像を端末装置60の表示装置64に表示させ、情報サービスの提供のための処理を実行しない。
【0067】
他方、認証処理Sd2に成功した場合(Sd3:YES)、制御装置31は、端末装置60に対する情報サービスの提供を許可する(Sd5)。具体的には、制御装置31は、選択参照データRに対応する接続データLを通信装置33から端末装置60に送信する(Sd6)。すなわち、端末装置60が所在する目標場所に対応する接続データLが端末装置60に提供される。以上の通り、制御装置31は、参照データRと認証データZとの照合(Sd22)を含む認証処理Sd2の成功を条件として、端末装置60に対する情報サービスの提供を許可する。すなわち、制御装置31は、認証処理Sd2の成功を条件として情報サービスの提供を許可する要素(情報サービス制御部)として機能する。
【0068】
端末装置60の制御装置61は、制御システム30から送信された接続データLを通信装置63により受信する(Sc5)。制御装置61は、接続データLを利用して情報サービスを開始する(Sc6)。例えば、制御装置61は、接続データLが指定する閲覧用ページ82の画像データを提供システム40から取得し、図7に例示した閲覧用ページ82を表示装置64に表示する。以上の説明から理解される通り、制御システム30は、閲覧用ページ82に対するリダイレクトを端末装置60に実行させるリダイレクト用のサーバとして機能する。
【0069】
以上の説明から理解される通り、情報システム20は、認証データZに含まれる識別情報Dに応じて、情報サービスの提供のための閲覧用ページ82を端末装置60に提供する。以上の態様によれば、端末装置60の利用者Uは、所望の情報サービスを利用するための閲覧用ページ82を手動により指定せずに、当該閲覧用ページ82を閲覧できる。
【0070】
端末装置60の利用者Uは、操作装置65を利用して閲覧用ページ82の操作ボタン821を操作することが可能である。操作ボタン821に対する操作を契機として、案内通話サービスが開始される。具体的には、端末装置60と案内装置との間で提供システム40を経由した音声データの授受が反復される。すなわち、端末装置60の利用者Uと案内装置を使用する案内者との間で音声が授受される。
【0071】
以上に例示した端末装置60の動作は、例えば汎用のブラウザにより実現される。ただし、端末装置60の動作は、情報サービスの利用に専用されるアプリケーションプログラムにより実現されてもよい。端末装置60用のアプリケーションプログラムは、配信装置(図示略)から事前に配信されて記憶装置62に保存される。
【0072】
なお、以上の説明においては1種類の情報サービス(音声案内サービス)を例示したが、実際には、前述の複数種の情報サービスのうち端末装置60が取得した識別情報Dに対応する情報サービス(具体的には、識別情報Dに対応する種別Caの情報サービス)が、端末装置60に対して選択的に提供される。
【0073】
以上に説明した通り、第1実施形態においては、登録装置50が目標場所において取得した識別情報Dと、登録装置50の位置を表す位置情報Paとに対応する参照データRが記憶装置32に保存される。そして、端末装置60が目標場所において取得した識別情報Dと当該端末装置60の位置情報Pbとを含む認証データZと、参照データRとを照合する認証処理Sd2の成功を条件として、端末装置60に対する情報サービスの提供が許可される。したがって、識別情報Dを表す音響成分を放音の場所毎に個別に生成する特許文献1の構成は不要である。すなわち、第1実施形態によれば、識別情報Dを提供する掲示物70を特定の場所に設置する簡便な作業により、目標場所に位置する端末装置60に限定して情報サービスの提供を許可できる。
【0074】
なお、識別情報Dのみが認証処理Sd2に利用される形態では、例えば識別情報Dの転送により、適正な目標場所以外の場所に位置する端末装置60に対して情報サービスの提供が許可される可能性がある。他方、位置情報Pbのみが認証処理Sd2に利用される形態では、ひとつの目標場所に位置する端末装置60に対して相異なる情報サービスを提供することが困難である。識別情報Dおよび位置情報Pbの双方が認証処理Sd2に利用される第1実施形態によれば、識別情報Dが提供される目標場所の端末装置60に限定して多様な情報サービスを提供できる。
【0075】
図11は、複数種の情報サービスの提供の説明図である。図11においては、参照データR1と参照データR2とが記憶装置32に保存された場合が想定されている。
【0076】
参照データR1は、第1情報サービスが提供されるべき第1目標場所に対応する。具体的には、参照データR1は、識別情報D1と位置情報Pa1とを含む。識別情報D1は、第1目標場所に設置された掲示物70の第1識別画像71が表す識別情報Dである。位置情報Pa1は、第1識別画像71の撮像の位置を表す位置情報Paである。すなわち、位置情報Pa1は、第1情報サービスが提供されるべき第1目標場所の位置を指定する。
【0077】
参照データR2は、第2情報サービスが提供されるべき第2目標場所に対応する。具体的には、参照データR2は、識別情報D2と位置情報Pa2とを含む。識別情報D2は、第2目標場所に設置された掲示物70の第2識別画像71が表す識別情報Dである。位置情報Pa2は、第2識別画像71の撮像の位置を表す位置情報Paである。すなわち、位置情報Pa2は、第2情報サービスが提供されるべき第2目標場所の位置を指定する。以上の説明から理解される通り、第1情報サービスに対応する第1識別画像71と第2情報サービスに対応する第2識別画像71とは相違する。
【0078】
端末装置60から送信された認証データZと参照データR1とを照合する認証処理Sd2の結果が肯定である場合(Sd3:YES)、制御システム30の制御装置31は、端末装置60に対する第1情報サービスの提供を許可する。すなわち、制御装置31は、参照データR1に対応する接続データL1を通信装置33から端末装置60に送信する(Sd6)。したがって、端末装置60に対して第1情報サービスが提供される。
【0079】
他方、端末装置60から送信された認証データZと参照データR2とを照合する認証処理Sd2の結果が肯定である場合(Sd3:YES)、制御システム30の制御装置31は、端末装置60に対する第2情報サービスの提供を許可する。すなわち、制御装置31は、参照データR2に対応する接続データL2を通信装置33から端末装置60に送信する(Sd6)。したがって、端末装置60に対して第2情報サービスが提供される。
【0080】
以上の通り、端末装置60に対する提供が許可される情報サービスは、識別画像71毎に相違する。したがって、複数種の多様な情報サービスの提供に同様の仕組みを共用できる。すなわち、第1識別画像71が印刷された掲示物70と第2識別画像71が印刷された掲示物70とを特定施設10内に設置することで、第1情報サービスと第2情報サービスとの提供が実現される。例えば、端末装置60が特定の目標場所に所在する場合でも、当該端末装置60が第1識別画像71および第2識別画像71の何れを撮像したかに応じて相異なる情報サービスを提供できる。
【0081】
B:第2実施形態
図12は、第2実施形態における通信システム100のブロック図である。第2実施形態における掲示物70には、第1実施形態にける識別画像71の代わりに送信機72が設置される。送信機72は、例えば近距離無線通信用(NFC:Near Field Communication)用のICタグである。送信機72は、識別情報Dおよび接続先アドレスQを無線により周囲に送信する。識別情報Dが目標場所に関する情報を含まない点は、第1実施形態と同様である。
【0082】
登録装置50は、第1実施形態と同様の要素に加えて近距離通信装置58を具備する。近距離通信装置58は、送信機72から送信される識別情報Dおよび接続先アドレスQを受信する。同様に、端末装置60は、第1実施形態と同様の要素に加えて近距離通信装置68を具備する。近距離通信装置68は、送信機72から送信される識別情報Dおよび接続先アドレスQを受信する。送信機72の通信範囲は、当該送信機72の周囲の限定的な範囲である。したがって、掲示物70が設置された目標場所の近傍に所在する登録装置50または端末装置60が、識別情報Dおよび接続先アドレスQを限定的に取得できる。
【0083】
第2実施形態においては、識別画像71の撮像により識別情報Dおよび接続先アドレスQを取得する第1実施形態の動作(Sa1-Sa2,Sc1-Sc2)が、送信機72との通信により識別情報Dおよび接続先アドレスQを取得する動作に置換される。識別情報Dおよび接続先アドレスQの取得以外の動作は、第1実施形態と同様である。したがって、第2実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。
【0084】
なお、第1実施形態においては、登録装置50および端末装置60の各々が、識別画像71の撮像により識別情報Dを取得できる。すなわち、例えば識別情報Dを送信する送信機72を目標場所に設置する必要はない。したがって、第1実施形態によれば、第2実施形態と比較して、登録装置50または端末装置60が識別情報Dを取得するための仕組に必要なコストを低減できるという利点がある。
【0085】
C:変形例
以上に例示した各態様に付加される具体的な変形の態様を以下に例示する。前述の実施形態および以下に例示する変形例から任意に選択された複数の態様を、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合してもよい。
【0086】
(1)前述の各形態においては、識別画像71が掲示物70に印刷される形態を例示したが、識別画像71を提示するための方法は以上の例示に限定されない。例えば、特定施設10に設置された表示装置に識別画像71を表示してもよい。識別画像71の表示には、例えば案内用の表示装置または電子看板(デジタルサイネージ)が利用される。
【0087】
(2)前述の各形態においては、制御システム30が認証処理Sd2を実行する形態を例示したが、例えば各提供システム40が認証処理Sd2を実行してもよい。例えば、各情報サービスに対応する提供システム40が、当該情報サービスが提供される掲示物70の識別情報D毎に参照データRを記憶する。
【0088】
端末装置60から認証データZを受信すると、制御システム30の制御装置31は、認証データZに含まれる識別情報Dに対応する接続データLを端末装置60に送信する。すなわち、端末装置60が撮像した掲示物70に対応する接続データLが端末装置60に提供される。端末装置60は、接続データLが指定する提供システム40に認証データZを送信する。提供システム40は、保存済の参照データRと端末装置60から受信した認証データZとを照合する認証処理Sd2を実行する。認証処理Sd2の成功を条件として情報サービスの提供が開始される。
【0089】
以上の例示から理解される通り、認証処理Sd2は情報システム20により実行される。すなわち、制御システム30および各提供システム40の何れが認証処理Sd2を実行するかは不問である。
【0090】
(3)前述の各形態においては、各掲示物70について参照データRと補助データAと接続データLとが記憶装置32に保存される形態を例示したが、識別情報D毎(あるいは掲示物70毎)に保存されるデータの内容は以上の例示に限定されない。例えば、補助データAは省略されてもよい。
【0091】
(4)前述の各形態においては、運営者Oが情報サービスの種別Caを手動により指定する形態を例示したが、運営者Oによる種別Caの指定は省略されてもよい。例えば、情報サービスの種別Ca毎に掲示物70が用意される。情報サービスの各種別Caに対応する掲示物70から取得される識別情報Dは、当該種別Caを識別可能な符号列である。例えば、識別情報Dは、情報サービスの種別Caを指定する部分を含む。したがって、補助データAから情報サービスの種別Caは省略される。登録画面81の受付欄811に運営者Oが情報サービスの種別Caを入力する作業も省略される。制御システム30の制御装置31は、識別情報Dが表す種別Caを図6の補助データAとして記憶装置32に保存する。
【0092】
(5)前述の各形態においては、登録データXに含まれる識別情報Dと位置情報Paとが参照データRとして記憶装置32に保存される形態を例示したが、参照データRの内容は以上の例示に限定されない。
【0093】
例えば、位置情報Paが表す位置を含む範囲を指定する範囲データが、識別情報Dとともに参照データRとして記憶装置32に保存されてもよい。すなわち、前述の各形態における参照データRの位置情報Paが、範囲データに置換されてもよい。認証処理Sd2において、制御装置31は、認証データZに含まれる位置情報Pbが表す位置が、参照データRの範囲データが表す範囲内にあるか否かを判定する(Sd22)。
【0094】
また、登録データXに含まれる識別情報Dを変換した別の識別情報D'が、位置情報Paとともに参照データRとして記憶装置32に保存されてもよい。すなわち、前述の各形態における参照データRの識別情報Dが、変換後の識別情報D'に置換されてもよい。認証処理Sd2において、制御装置31は、認証データZに含まれる識別情報Dを識別情報D'に変換し、当該識別情報D'を含む参照データRを選択参照データRとして選択する(Sd21)。
【0095】
以上の説明から理解される通り、登録データXと参照データRとの間における内容の異同は不問である。すなわち、参照データRは、登録データXに含まれる識別情報Dと位置情報Paとに対応するデータとして包括的に表現される。
【0096】
(6)前述の各形態においては、登録装置50および端末装置60が掲示物70の識別画像71から識別情報Dと接続先アドレスQとを取得する形態を例示したが、識別画像71から取得可能な情報として接続先アドレスQは省略されてもよい。例えば、登録装置50が登録データXを送信するためのアプリケーションプログラムが、接続先アドレスQを含んでもよい。また、情報サービスを利用するために端末装置60に記憶されたアプリケーションプログラムが、接続先アドレスQを含んでもよい。
【0097】
(7)前述の各形態においては、掲示物70毎に一意に付与された識別情報Dを例示したが、識別情報Dは、ひとつの掲示物70を一意に識別できる必要は必ずしもない。例えば、複数の掲示物70について識別情報Dが共通する形態も想定される。具体的には、複数の掲示物70について識別画像71が共通する形態、または、送信機72から送信される識別情報Dが複数の掲示物70について共通する形態が想定される。
【0098】
識別情報Dが共通する複数の掲示物70は、相異なる場所に設置される。例えば、複数の掲示物70は、特定施設10内の相異なる場所に設置されてもよいし、特定施設10とは無関係な相異なる場所(例えば日本国内の任意の場所)に設置されてもよい。
【0099】
複数の掲示物70の各々について、前述の各形態と同様の手順により、参照データRと補助データAと接続データLとが制御システム30の記憶装置32に保存される(Sb2)。ただし、識別情報Dが共通する複数の掲示物70については、図13に例示される通り、各掲示物70に対応する位置情報Pa(Pa1,Pa2,Pa3,…)が、当該識別情報Dに対応付けて記憶される。すなわち、相異なる掲示物70に対応する複数の位置情報Paが1個の識別情報Dに対応付けられる。以上の通り、1個の識別情報Dについて、相異なる複数の目標場所が設置される。なお、補助データAおよび接続データLは、位置情報Pa毎に個別に設定されてもよい。
【0100】
認証処理Sd2において、制御システム30の制御装置31は、記憶装置32に記憶された複数の参照データRのうち、認証データZに含まれる識別情報Dを含む1以上の選択参照データRを選択する(Sd21)。識別情報Dが共通する複数の掲示物70の何れかから端末装置60が識別情報Dを取得した場合、当該識別情報Dに対応する複数の参照データRが選択参照データRとして選択される。
【0101】
制御装置31は、認証データZを複数の選択参照データRの各々と照合する(Sd22)。具体的には、制御装置31は、認証データZの位置情報Pbにより指定される端末装置60の位置が、複数の選択参照データRのうち何れかの位置情報Paにより指定される位置の近傍にあるか否かを判定する。認証処理Sd2の成功により(Sd3:YES)、端末装置60に対する情報サービスの提供が許可される点は、前述の各形態と同様である。すなわち、識別情報Dが共通する複数の目標場所の何れかに端末装置60が所在する場合には、端末装置60に対する情報サービスの提供が許可される。
【0102】
以上の形態によれば、複数の掲示物70について識別情報Dが共通化されるから、同種の情報サービスを相異なる場所において提供する場合に、多数の掲示物70を準備する負荷を軽減できる。以上の例示から理解される通り、識別情報Dは、1以上の掲示物70(または1以上の目標場所)に対応する情報であれば足り、ひとつの掲示物70(またはひとつの目標場所)を一意に識別できる必要はない。
【0103】
(8)情報システム20が提供する情報サービスの種類は、前述の各形態における例示(案内通話サービス,時刻表サービス,ポイントサービス,証明書サービス)に限定されない。例えば、特定施設10内で放送される案内音声に関連する情報を端末装置60に提供する情報サービスが提供されてもよい。また、特定施設10が、例えば各種のスポーツの試合が実施される競技場である場合、当該試合の状況を解説する情報(音声または画像)を端末装置60に送信する情報サービスが提供されてもよい。特定施設10が、例えば演劇が実施される劇場である場合、当該演劇内の台詞を表す字幕を端末装置60に送信する情報サービスが提供されてもよい。
【0104】
(9)前述の各形態においては、制御システム30と複数の提供システム40とを便宜的に別個の要素として例示したが、情報システム20を構成する要素の一体/別体は不問であり、任意に変更される。
【0105】
例えば、制御システム30の機能が複数の提供システム40の何れかに搭載された形態が想定される。また、複数種の情報サービスを提供する機能(すなわち、各提供システム40の機能)が単体の装置により実現された形態も想定される。以上の説明から理解される通り、情報システム20が単体の装置で実現されるか複数の装置の集合により実現されるかは不問である。
【0106】
(10)前述の各形態に係る登録装置50の機能は、前述の通り、制御装置51を構成する単数または複数のプロセッサと、記憶装置52に記憶されたプログラムとの協働により実現される。前述の各形態に係る情報システム20(例えば制御システム30)の機能は、前述の通り、制御装置31を構成する単数または複数のプロセッサと、記憶装置32に記憶されたプログラムとの協働により実現される。
【0107】
以上に例示したプログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体に格納された形態で提供されてコンピュータにインストールされ得る。記録媒体は、例えば非一過性(non-transitory)の記録媒体であり、CD-ROM等の光学式記録媒体(光ディスク)が好例であるが、半導体記録媒体または磁気記録媒体等の公知の任意の形式の記録媒体も包含される。なお、非一過性の記録媒体とは、一過性の伝搬信号(transitory, propagating signal)を除く任意の記録媒体を含み、揮発性の記録媒体も除外されない。また、配信装置が通信網を介してプログラムを配信する構成では、当該配信装置においてプログラムを記憶する記録媒体が、前述の非一過性の記録媒体に相当する。
【0108】
D:付記
以上に例示した形態から、例えば以下の構成が把握される。
【0109】
本開示のひとつの態様(態様1)に係る情報処理方法は、登録装置が、特定の場所において取得可能な識別情報を取得し、当該登録装置の位置を表す位置情報を取得し、前記識別情報と前記位置情報とを含む登録データを送信し、情報システムが、前記登録データを前記登録装置から受信し、前記登録データに含まれる前記識別情報と前記位置情報とに対応する参照データを記憶装置に保存し、前記特定の場所において端末装置が取得した識別情報と、前記端末装置の位置を表す位置情報とを含む認証データを、前記端末装置から受信し、前記参照データと前記認証データとを照合する認証処理の成功を条件として、前記端末装置に対する情報サービスの提供を許可する。
【0110】
以上の態様によれば、登録装置が特定の場所において取得した識別情報と、登録装置の位置を表す位置情報とに対応する参照データが記憶装置に保存される。そして、端末装置が特定の場所において取得した識別情報と当該端末装置の位置情報とを含む認証データと、参照データとを照合する認証処理の成功を条件として、端末装置に対する情報サービスの提供が許可される。したがって、識別情報を表す音響成分を放音の場所毎に個別に生成する必要がない。すなわち、識別情報を提供する要素を特定の場所に設置する簡便な作業により、当該場所に位置する端末装置に限定して情報サービスの提供を許可できる。
【0111】
また、識別情報のみが認証処理に利用される形態では、例えば識別情報の転送により、識別情報が提供される本来の場所以外の場所に位置する端末装置に対して情報サービスの提供が許可される可能性がある。他方、位置情報のみが認証処理に利用される形態では、ひとつの場所に位置する端末装置に対して相異なる情報サービスを提供することが困難である。識別情報および位置情報の双方が認証処理に利用される形態によれば、識別情報が提供される場所の端末装置に限定して多様な情報サービスを提供できる。
【0112】
「登録装置」は、認証処理用の参照データを登録するために利用される可搬型の情報装置である。例えば特定の場所を含む施設の運営者、または情報サービスの提供者等により使用される情報装置が、「登録装置」に相当する。
【0113】
特定の場所に限定して識別情報を提供するための要素は特に限定されない。例えば、識別情報を表す識別画像が、識別情報を提供するために利用される。「識別画像」は、識別情報を表す画像であり、撮像装置による光学的な読取(すなわち撮像)が可能な画像である。例えば、施設内に掲示された印刷物に印刷されたバーコードまたはQRコード(登録商標)が「識別画像」の一例である。登録装置および端末装置は、識別画像の撮像により識別情報を取得する。また、識別情報を無線通信により送信する送信機(例えばICタグ)が、特定の場所における識別情報の提供に利用される。送信機は、近距離無線通信(NFC:Near Field Communication)により識別情報を送信する。登録装置および端末装置は、送信機との通信により識別情報を取得する。なお、送信機と端末装置との間の通信は、例えばWi-Fi(登録商標)またはBluetooth(登録商標)等の無線通信でもよい。
【0114】
「位置情報」は、登録装置の位置を表す情報である。なお、位置情報を取得する方法は任意である。例えばGPS(Global Positioning System)等の衛星電波の受信により位置情報を取得する形態、移動体通信またはWi-Fi(登録商標)等の無線通信に利用される無線基地局を利用して位置情報を取得する形態が想定される。
【0115】
「参照データ」は、識別情報と位置情報とに応じて登録される任意の形式のデータである。例えば、識別情報および位置情報を含むデータが参照データとして生成される。具体的には、識別情報と位置情報とを相互に対応付けるデータベースが、参照データの一例である。なお、登録データに含まれる識別情報および位置情報がそのまま参照データに含まれる必要はない。例えば、登録データに含まれる識別情報に対応する別の識別情報が参照データに含まれてよい。また、登録データに含まれる位置情報に対応する別の情報が参照データに含まれてもよい。例えば、位置情報が表す位置を含む特定の範囲を表す情報、または位置情報が表す位置を含む場所を識別するための情報(例えば施設名)が、参照データに含まれてもよい。
【0116】
「認証処理」は、端末装置に対する情報サービスの提供の許否を判定する処理である。例えば、認証処理は、認証データの識別情報と参照データの識別情報とが一致するか否かを判定する第1処理と、認証データの位置情報により指定される位置が、参照データの位置情報により指定される位置の近傍であるか否かを判定する第2処理とを含む。第1処理および第2処理の双方の結果が肯定である場合に認証処理が成功と判定され、結果的に端末装置に対する情報サービスの提供が許可される。
【0117】
「情報システム」は、単数または複数の装置により構成される。認証処理の実行と情報サービスの提供との双方を実行する単体のシステムが「情報システム」として利用される形態のほか、例えば認証処理を実行する装置と情報サービスを提供する装置とを含む複数の装置により「情報システム」が構成される形態が想定される。情報システムが複数の装置により構成される形態において、参照データを保存する機能と、認証データを受信する機能と、認証処理を実行する機能と、端末装置に情報サービスを提供する機能と、が何れの装置により実現されるかは不問である。
【0118】
態様1の具体例(態様2)において、前記識別情報の取得においては、前記登録装置が、識別画像の撮像により前記識別情報を取得する。以上の態様によれば、登録装置および端末装置の各々が、識別画像の撮像により識別情報を取得できる。すなわち、例えば識別情報を送信する送信機を特定の場所に設置する必要はない。したがって、登録装置または端末装置が識別情報を取得するための仕組に必要なコストを低減できる。
【0119】
態様2の具体例(態様3)において、前記識別情報は、前記識別画像が設置された場所に関する情報を含まない。以上の態様において、識別情報は、識別画像が設置された場所に関する情報を含まない。識別情報は、参照データにおいて位置情報に対応付けられる結果として、識別画像が設置された場所に固有の情報として利用可能となる。したがって、相異なる複数の識別画像から任意に選択された識別画像を、情報サービスを提供すべき場所に設置できる。すなわち、情報サービスを提供する場所に固有の識別画像を当該場所に設置する必要がないから、識別画像を所望の場所に設置する作業の負荷を軽減できる。
【0120】
識別情報について「識別画像が設置された場所に関する情報を含まない」とは、情報サービスが提供される場所に対する識別画像の対応が任意であることを意味する。すなわち、情報サービスが提供される場所に、相異なる複数の識別画像のうち何れの識別画像が設置されてもよい状態であれば、識別情報が「識別画像が設置された場所に関する情報を含まない」と解釈できる。
【0121】
態様2または態様3の具体例(態様4)において、前記記憶装置には、前記参照データを含む複数の参照データが保存され、前記複数の参照データのうちの第1参照データは、第1識別画像の撮像により取得された第1識別情報と、前記第1識別画像の撮像の位置を表す第1位置情報とを含み、前記複数の参照データのうちの第2参照データは、前記第1識別画像とは相違する第2識別画像の撮像により取得された第2識別情報と、前記第2識別画像の撮像の位置を表す第2位置情報とを含み、前記情報システムは、前記認証データと前記第1参照データとを照合する前記認証処理の結果が肯定である場合に、前記端末装置に対する第1情報サービスの提供を許可し、前記認証データと前記第2参照データとを照合する前記認証処理の結果が肯定である場合に、前記端末装置に対する第2情報サービスの提供を許可する。
【0122】
以上の態様によれば、第1識別画像に対応する第1識別情報を含む第1参照データに認証データを照合した結果が肯定である場合に第1情報サービスの提供が許可され、第2識別画像に対応する第2識別情報を含む第2参照データに認証データを照合した結果が肯定である場合に第2情報サービスの提供が許可される。すなわち、端末装置に対する提供が許可される情報サービスは識別画像毎に相違する。したがって、多様な情報サービスの提供に同様の仕組みを利用できる。例えば端末装置が特定の場所に所在する場合でも、当該端末装置が第1識別画像および第2識別画像の何れを撮像したかに応じて相異なる情報サービスを提供できる。
【0123】
態様1から態様4の何れかの具体例(態様5)において、前記情報システムは、前記認証データに含まれる前記識別情報に応じて、情報サービスの提供のための閲覧用ページを、前記端末装置に提供する。以上の態様によれば、認証データに含まれる識別情報に応じた閲覧用ページが端末装置に提供される。したがって、端末装置の利用者は、所望の情報サービスを利用するための閲覧用ページを指定せずに、当該閲覧用ページを閲覧できる。
【0124】
本開示のひとつの態様(態様6)に係る通信システムは、登録装置と情報システムとを含む通信システムであって、前記登録装置は、特定の場所において取得可能な識別情報を取得し、当該登録装置の位置を表す位置情報を取得し、前記識別情報と前記位置情報とを含む登録データを送信し、前記情報システムは、前記登録データを前記登録装置から受信し、前記登録データに含まれる前記識別情報と前記位置情報とに対応する参照データを記憶装置に保存し、前記特定の場所において端末装置が取得した識別情報と、前記端末装置の位置を表す位置情報とを含む認証データを、前記端末装置から受信し、前記参照データと前記認証データとを照合する認証処理の成功を条件として、前記端末装置に対する情報サービスの提供を許可する。
【0125】
本開示のひとつの態様(態様7)に係る情報システムは、特定の場所において登録装置が取得した識別情報と、当該取得時における登録装置の位置を表す位置情報とを含む登録データを、前記登録装置から受信し、前記登録データに含まれる前記識別情報と前記位置情報とに対応する参照データを記憶装置に保存する。また、情報システム(態様8)は、さらに、前記特定の場所において端末装置が取得した識別情報と、前記端末装置の位置を表す位置情報とを含む認証データを、前記端末装置から受信し、前記参照データと前記認証データとを照合する認証処理の成功を条件として、前記端末装置に対する情報サービスの提供を許可してもよい。
【0126】
本開示のひとつの態様(態様9)に係る登録装置は、特定の場所において取得可能な識別情報を取得し、当該登録装置の位置を表す位置情報を取得し、前記識別情報と前記位置情報とを含む登録データを送信する。
【符号の説明】
【0127】
100…通信システム、10…特定施設、20…情報システム、30…制御システム、31,51,61…制御装置、32,52,62…記憶装置、33,53,63…通信装置、40…提供システム、50…登録装置、54,64…表示装置、55,65…操作装置、56,66…撮像装置、57,67…位置検出装置、58,68…近距離通信装置、60…端末装置、70…掲示物、71…識別画像、72…送信機。
図1
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