(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025106
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】情報処理装置およびアプリケーションプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/40 20240101AFI20240216BHJP
【FI】
G06Q50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022128286
(22)【出願日】2022-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】000191009
【氏名又は名称】新東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】長坂 政彦
(72)【発明者】
【氏名】白木 正孝
(72)【発明者】
【氏名】山田 沙紀
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 裕也
(72)【発明者】
【氏名】小林 健人
(72)【発明者】
【氏名】橋口 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】吉野 純也
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC42
(57)【要約】
【課題】利便性と信頼性との両立が可能な車両の運行管理を実現する。
【解決手段】情報処理装置(1)は、自動車(32)のナンバーの画像を取得し、当該画像から自動車(32)のナンバーを抽出し、当該ナンバーの情報を運転手に関する情報とともにサーバに送信する処理を実行するプロセッサを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の運転手に関する情報をサーバに送信する情報処理装置であって、
運転手が運転する自動車のナンバープレートを被写体として含むナンバー画像を取得する画像取得処理と、
前記ナンバー画像から前記自動車のナンバーを抽出する抽出処理と、
前記抽出処理で抽出した前記自動車のナンバーを前記運転手に関する情報とともにサーバに送信する送信処理と、を実行するプロセッサを備える、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記運転手に関する情報は、前記運転手によって入力される情報であって、アルコールチェッカの表示部を被写体として含む表示部画像、前記運転手による情報の入力の時期を表す情報、および、前記運転手の酒気の有無の情報、からなる群から選ばれる一以上の情報を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記送信処理において、前記運転手による入力からの経過時間が予め定められた値を超える情報の送信が禁止されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記運転手に関する情報は、前記アルコールチェッカの表示部を被写体として含む表示部画像を含み、
前記プロセッサは、前記表示部画像における前記表示部の特定の周期の点滅の有無を判定する点滅判定処理をさらに実行し、
前記送信処理において、前記点滅判定処理で前記特定の周期の点滅を有すると判定された画像以外の画像の送信が禁止されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記運転手に関する情報は、前記アルコールチェッカの表示部を被写体として含む表示部画像を含み、
前記プロセッサは、前記表示部画像に被写体として含まれる前記アルコールチェッカが立体か否かを、前記表示部画像を参照して判定する立体判定処理をさらに実行し、
前記送信処理において、前記立体判定処理で前記アルコールチェッカが立体と判定された画像以外の画像の送信が禁止されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記サーバに送信すべき情報を低容量化して一時的に格納する処理をさらに実行することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記情報処理装置が送信した情報に基づく認証情報を前記サーバから受信する受信処理をさらに実行することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の情報処理装置としてコンピュータを機能させるためのアプリケーションプログラムであって、前記画像取得処理を実行する画像取得処理部、前記抽出処理を実行する抽出処理部および前記送信処理を実行する送信処理部としてコンピュータを機能させるためのアプリケーションプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報処理装置およびアプリケーションプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
業務用の車両の運行について、当該車両の適切な運行を管理することが求められている。このような運行の管理では、例えばアルコールチェッカを用いて運転手の酒気帯びの有無を確認することが求められる。このような車両の運行管理システムには、運転手の操作に応じて携帯通信端末がアルコールチェッカから測定結果を取得し、ネットワークを介してサーバに供給し、サーバが当該測定結果に基づいて記録簿を作成するシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような従来技術は、運転手の操作に応じて記録簿を自動的に作成することによって、記録簿における虚偽の記録の防止を図っている。
【0005】
一方で、上記のような業務用の車両の運行管理では、運転手が運転する車両の情報も有用である。車両は、事前に決められていることがあるが、運転手の搭乗時に決まることがあり、運転手に関する情報の取得とともに、運転手が実際に運転する車両の情報の取得にも、利便性および信頼性が求められる。
【0006】
本発明の一態様は、利便性と信頼性との両立が可能な車両の運行管理を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理装置は、自動車の運転手に関する情報をサーバに送信する情報処理装置であって、運転手が運転する自動車のナンバープレートを被写体として含むナンバー画像を取得する画像取得処理と、前記ナンバー画像から前記自動車のナンバーを抽出する抽出処理と、前記抽出処理で抽出した前記自動車のナンバーを前記運転手に関する情報とともにサーバに送信する送信処理と、を実行するプロセッサを備える。
【0008】
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るアプリケーションプログラムは、上記の情報処理装置としてコンピュータを機能させるためのアプリケーションプログラムであって、前記画像取得処理を実行する画像取得処理部、前記抽出処理を実行する抽出処理部および前記送信処理を実行する送信処理部としてコンピュータを機能させるためのアプリケーションプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、利便性と信頼性との両立が可能な車両の運行管理を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態1に係る情報処理装置を用いる車両の運行管理システムを模式的に示す図である。
【
図2】
図1のシステムにおける情報処理装置およびサーバの機能的ブロックを模式的に示す機能ブロック図である。
【
図3】
図1のシステムにおける情報処理装置での処理の流れを模式的に示すフロー図である。
【
図4】
図3の設定処理における情報処理装置の画面の一例を模式的に示す図である。
【
図5】
図3の入力処理における情報処理装置の画面の一例を模式的に示す図である。
【
図6】
図3の撮像処理における情報処理装置の第一画面の一例を模式的に示す図である。
【
図7】
図3の撮像処理における情報処理装置の第二画面の一例を模式的に示す図である。
【
図8】
図1のシステムにおけるサーバから取得される管理情報の一覧画面の第一の例を模式的に示す図である。
【
図9】
図1のシステムにおけるサーバから取得される管理情報の一覧画面の第二の例を模式的に示す図である。
【
図10】
図1のシステムにおけるサーバから取得される管理情報の一覧画面の第三の例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
【0012】
〔運行管理システムの概要〕
図1は、本発明の一実施形態1に係る情報処理装置を用いる車両の運行管理システムを模式的に示す図である。
図1に示されるように、当該運行管理システムは、情報処理装置1およびサーバ2を備える。
【0013】
情報処理装置1は、撮像対象3を撮像可能であり、後述する撮像処理および送信処理が可能な装置である。情報処理装置1は、携帯電話、スマートフォンおよびタブレット型端末などの携帯通信端末であってよい。本実施形態では情報処理装置1がスマートフォンであるとして説明する。
【0014】
サーバ2は、例えばクラウドサーバを構成するコンピュータである。
【0015】
本実施形態において、情報処理装置1で撮像される撮像対象3には、アルコールチェッカ31および自動車32が含まれる。アルコールチェッカ31は、ユーザの呼気中のアルコール量を検出するための検出部311と、アルコール量の検出結果を表示する表示部312とを有する。表示部312は、例えば検出したアルコール量を表示する表示部であり、画素へ画像データを書き込むための電圧の印加を画面の所定方向(例えば垂直方向)に沿って高速で実施して画像を表示する。表示部312は、例えば液晶画面である。自動車32は、当該ユーザが運転予定の自動車であり、ナンバープレート321を有している。
【0016】
図2は、
図1のシステムにおける情報処理装置およびサーバの機能的ブロックを模式的に示す機能ブロック図である。
図2に示されるように、情報処理装置1は、ネットワーク100を介してサーバ2と接続されている。ネットワーク100は、例えばインターネットおよび図示しない無線基地局によって構築される各種移動通信システムで構成される。
【0017】
情報処理装置1は、プロセッサ11、一次メモリ12、ディスプレイ13、カメラ14、通信インターフェース(通信IF)15および二次メモリ16を備えている。情報処理装置1が備えるこれらの構成は、通信バスによって互いに電気的に接続される。サーバ2は、プロセッサ21、通信IF22、一次メモリ23および二次メモリ25を備えている。サーバ2が備えるこれらの構成は、通信バスによって互いに電気的に接続される。
【0018】
プロセッサ11は情報処理装置1の動作を制御し、プロセッサ21はサーバ2の動作を制御する。プロセッサ11および21は、例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、またはGPU(Graphics Processing Unit)である。
【0019】
一次メモリ12および23は、それぞれ主記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などの記憶装置で構成される。一次メモリ12および23は、それぞれ、後述する二次メモリ16または25から読み出したプログラムおよび各種データを一時的に記憶し、プロセッサ11または21に作業領域を提供する。
【0020】
二次メモリ16および25は、それぞれ補助記憶装置であり、フラッシュメモリまたはHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置で構成される。二次メモリ16および25には、それぞれ後述のアプリケーションプログラムの実行による各種データが格納される。
【0021】
通信IF15は、情報処理装置1における各種データの送受信を制御し、通信IF22は、サーバ2における各種データの送受信を制御する。通信IF15および22は、例えば、無線LAN(Local Area Network)を介する通信を制御し、有線LAN、無線LANまたは携帯電話回線網を介するインターネット通信を制御し、あるいは近距離無線通信などを用いるその他の通信を制御する。
【0022】
ディスプレイ13は、それぞれ後述のアプリケーションプログラムの実行による画像を表示可能な装置であり、例えば液晶ディスプレイまたは有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイである。ディスプレイ13は、入力可能な表示装置であってもよく、例えばタッチパッドのようなタッチセンシティブな装置であってよい。
【0023】
カメラ14はイメージセンサを含み、被写体の像を電子信号に変換して、情報処理装置1のユーザが撮像した画像を生成する。
【0024】
〔情報処理装置における処理例〕
本発明の実施形態に係る情報処理装置による情報処理について、自動車の運行管理システムを例に説明する。当該運行管理システムは、企業に所属するユーザが当該企業の車両を業務において運転する場合において、市販のアルコールチェッカによる確認結果をユーザがサーバに登録し、企業の安全運転管理者が遠方より確認可能なシステムである。
【0025】
[システムの概要]
当該システムでは、情報処理装置1において、ユーザはログイン画面より会社別IDとパスワードでログインする。ユーザは、最初に、測定者情報を選択または入力し、次回以降のシステム起動時の初期値とする。そして、ユーザは、測定情報を情報処理装置1に入力し、サーバに登録する。
【0026】
安全運転管理者は、ログイン画面より会社別IDとパスワードでログインする。安全運転管理者は、安全運転管理者登録画面から管理者情報を登録し、ユーザ登録画面からユーザ情報を登録する。安全運転管理者は、自身が所属する企業のユーザのみを確認可能である。安全運転管理者は、ユーザからの測定者情報と測定情報を、例えば所属別に一覧表示する。
【0027】
なお、測定情報が登録された際には、ユーザが選択した安全運転管理者宛てに測定情報を登録した旨がメールなどによって通知され、安全運転管理者による確認が促されてもよい。この場合、安全運転管理者への通知メールには、ユーザを個別に表示する個別表示のリンクが添付され得る。
【0028】
安全運転管理者は、通知メールが送信される場合は、通知メールにおける添付の当該リンクを開き、ユーザからの測定情報を確認し、音声電話もしくはテレビ電話でユーザに状況を確認する。
【0029】
[情報処理装置による処理例]
上記のシステムにおける情報処理装置1で実行される処理の一例をより詳しく説明する。
図3は、
図1のシステムにおける情報処理装置での処理の流れを模式的に示すフロー図である。本発明の一実施形態において、プロセッサ11は、当該システムを実行するためのアプリケーションプログラムに基づいて、設定処理(ステップS101)、入力処理(ステップS102)、撮像処理(ステップS103)、判定処理(ステップS104)および送信処理(ステップS105)を実行させる。
【0030】
なお、これらの処理に先立って、プロセッサ11は、二次メモリ16に格納されている当該システム実行用のアプリケーションプログラムに基づき、ログイン画面においてユーザが入力する会社別IDとパスワードの情報に応じて当該システムを実行する。プロセッサ11は、当該ユーザが測定者情報をまだ設定していない場合、あるいは当該ユーザからの再設定の操作の情報が入力された場合には、ステップS101に進んで下記の設定処理を実行する。プロセッサ11は、当該ユーザが測定者情報を設定済みであれば後述のステップS102に進んで入力処理を実行する。
【0031】
<設定処理>
ステップS101において、プロセッサ11は、当該アプリケーションプログラムに基づき、前述した初期値としてのユーザの測定者情報をユーザの入力操作に応じて作成する。
図4は、
図3の設定処理における情報処理装置の画面の一例を模式的に示す図である。情報処理装置1のディスプレイ13には、測定者情報の入力に用いられる各種UI(ユーザインターフェース)オブジェクトが表示される。UIオブジェクトは、ユーザが測定者情報を選択または入力可能とするツールであり、ディスプレイ13中においてアイコン、ボタン、リストまたはメニュー画面などの形態で表示される。
【0032】
たとえば、
図4中、UIオブジェクト41は、ユーザの企業を選択または入力するためのオブジェクトである。UIオブジェクト42は、ユーザの企業における所属を選択または入力するためのオブジェクトであり、UIオブジェクト43は、ユーザの氏名を選択または入力するためのオブジェクトである。また、UIオブジェクト44は、ユーザが運転する予定の自動車の登録番号(ナンバー)を選択または入力するためのオブジェクトである。また、UIオブジェクト45は、ユーザが選択または入力した設定内容を決定するためのオブジェクトである。
【0033】
ユーザは、UIオブジェクト41で企業名を選択し、UIオブジェクト42で企業内での所属を選択し、UIオブジェクト43で運転手(運転者)として自身の氏名を選択する。
【0034】
プロセッサ11は、ユーザが運転する自動車32のナンバープレート321を被写体として含むナンバー画像を取得する画像取得処理をさらに実行する。プロセッサ11は、UIオブジェクト44からの入力信号に応じてカメラ14を起動させる。ユーザは、情報処理装置1を用いて自動車32のナンバープレート321の画像を撮像する。このようにユーザによる撮像によって、プロセッサ11は、ナンバー画像を取得する。この場合、アプリケーションプログラムは、情報処理装置1を、上記の画像取得処理を実行する画像取得処理部として機能させている。
【0035】
次いで、プロセッサ11は、ナンバー画像から自動車32のナンバーを抽出する抽出処理を実行する。たとえば、プロセッサ11は、光学的文字認識(OCR)などの公知の技術を用いて、ナンバー画像における自動車32のナンバーをデジタルの文字コードに変換する。こうしてプロセッサ11は、ナンバー画像から自動車32のナンバーを抽出する。この場合、アプリケーションプログラムは、情報処理装置1を、上記の抽出処理を実行する抽出処理部として機能させている。プロセッサ11は、ナンバー画像から抽出した自動車32のナンバーをUIオブジェクト44に表示する。
【0036】
ユーザは、入力した情報に誤りがないことを確認し、UIオブジェクト45をタッチして入力した情報を決定する。プロセッサ11は、ユーザがUIオブジェクト45をタッチした情報に応じて、ナンバーの情報を含む入力情報を二次メモリ16に格納する。上記の設定処理で決定した情報が当該ユーザの測定者情報として次回以降のシステム使用時での初期値となる。
【0037】
上記のように、アプリケーションプログラムは、情報処理装置1を、上記の設定処理を実行する設定処理部として機能させ得る。この場合、当該設定処理部は、前述した画像取得処理部と抽出処理部とを含み得る。
【0038】
<入力処理>
ステップS102において、プロセッサ11は、当該アプリケーションプログラムに基づき、ユーザの入力操作に応じて、測定情報を作成する。
図5は、
図3の入力処理における情報処理装置の画面の一例を模式的に示す図である。情報処理装置1のディスプレイ13には、登録されている測定者情報を表示するウインドウおよび測定情報の入力に用いられる各種UIオブジェクトが表示される。
【0039】
たとえば、
図5中、ウインドウ51は、当該ユーザの登録されている測定者情報を表示すウインドウである。UIオブジェクト52は、ユーザが運転する予定の自動車のナンバーを選択可能に表示するオブジェクトである。UIオブジェクト53は、ユーザが運転する予定の自動車のナンバーを新たに入力するためのオブジェクトである。UIオブジェクト54は、運転に対する測定のタイミングを選択するためのオブジェクトであり、UIオブジェクト55は、当該タイミングにおけるユーザの酒気の有無を選択するためのオブジェクトである。これらのオブジェクトは、ユーザに関する情報のうち、それぞれ、運転手による情報の入力の時期を表す情報、および、運転手の酒気の有無の情報、をユーザが入力するための構成となっている。また、UIオブジェクト56は、情報処理装置1のカメラ14による撮像を選択するためのオブジェクトである。いずれも、測定情報(すなわちユーザ(運転手)に関する情報)を入力するためのオブジェクトである。
【0040】
ここで、「ユーザに関する情報」とは、自動車を運転するユーザの状態および状況を示す情報である。「ユーザに関する情報」は、ユーザが自身で入力する情報であってもよいし、ユーザを測定対象とする測定装置(例えばウエアラブルセンサなど)が出力する測定結果の情報であってもよい。
【0041】
UIオブジェクト57は、ユーザにより入力された測定情報をサーバ2に送信するためのオブジェクトである。
【0042】
ユーザは、例えば上記のアプリケーションプログラムを起動させ、ログイン画面より企業IDとパスワードでログインする。そして、ウインドウ51に表示されている測定者情報(会社、所属、運転手、自動車のナンバー)が正しいことを測定前に確認する。ユーザは、測定者情報に誤りを発見した場合には、例えばウインドウ51内の任意の箇所においてダブルクリックなどの特定の操作を実施することにより、前述の設定処理の画面を表示させて誤りが認められる測定者情報を修正する。
【0043】
また、ユーザは、測定者情報においてこれから運転する自動車の情報が正しく表示されていない場合には、自動車の情報を修正する。たとえば、UIオブジェクト52のタップが検出されると、UIオブジェクト52には、設定処理で既に入力されている自動車ナンバーの情報が表示される。ユーザがそれらの情報のうちのいずれかを選択することにより、自動車の情報が修正される。また、UIオブジェクト53のタップが検出されると、直接入力画面が表示される。ユーザは設定すべき内容を例えばキー入力によって直接入力する。その結果、設定処理において未入力の情報に、自動車の情報が修正される。あるいは、プロセッサ11は、UIオブジェクト52における長押しなどの特定の操作信号の検出に応じてカメラ14を起動させ、前述したように自動車32のナンバー画像を取得し、当該ナンバー画像からナンバーの情報を抽出し、当該ナンバーの情報をUIオブジェクト52に表示してもよい。
【0044】
また、ユーザは、UIオブジェクト54でその後送信する測定情報を取得した運転前後でのタイミングを選択し、UIオブジェクト55でユーザにおける酒気の有無を選択する。このようにしてユーザは、自動車32の運転手としてのユーザに関する情報を自身で入力する。ユーザは、選択されている情報に誤りが認められない場合には、UIオブジェクト56をタッチし、カメラ14によるアルコールチェッカ31の撮像の実行画面に切り替える。
【0045】
プロセッサ11は、各UIオブジェクト52、54および55において選択または入力された情報を二次メモリ16に格納する。
【0046】
上記のように、アプリケーションプログラムは、情報処理装置1を、上記の入力処理を実行する入力処理部として機能させ得る。
【0047】
<撮像処理>
ステップS103において、プロセッサ11は、当該アプリケーションプログラムに基づき、カメラ14によってユーザに関する情報としての画像を撮像する処理を実行する。この撮像処理では、アルコールチェッカ31の表示部312の画像が撮像される。
【0048】
(表示部の撮像)
ステップS103において、プロセッサ11は、特定のアプリケーションプログラムを実行することによって、アルコールチェッカ31の表示部312を被写体として含む画像を撮像する撮像処理を実行する。
図6は、
図3の撮像処理における情報処理装置の第一画面の一例を模式的に示す図である。プロセッサ11は、ユーザがUIオブジェクト56をタッチする信号の入力に応じて、情報処理装置1の画面を
図6に示すような画像に切り替える。情報処理装置1のディスプレイ13には、カメラ14により撮像されている画像を表示するウインドウ61と、カメラ14による表示部312の撮像を実行するためのUIオブジェクト62とが表示される。
【0049】
ユーザは、アルコールチェッカ31の検出部311に自身の呼気を供給して呼気中のアルコール濃度を測定する。次いでユーザは、カメラ14によって撮像されている、アルコールチェッカ31の表示部312に表示された数値がウインドウ61に十分に明確に表示されるように、アルコールチェッカ31に対する情報処理装置1の相対的な位置および向きを適宜に調整する。表示部312がウインドウ61に十分明確に表示される場合に、ユーザは、UIオブジェクト62をタッチし、ウインドウ61に表示されている表示部312の画像を撮像する。
【0050】
プロセッサ11は、アプリケーションプログラムの実行によって生成するウインドウ61内に、カメラ14からの画像を表示させる。そして、プロセッサ11は、UIオブジェクト62をユーザがタッチする信号の入力に応じて、そのとき表示されていた表示部312の画像のデータを決定する。
【0051】
次いで、プロセッサ11は、
図7に示される画像を表示する。
図7は、
図3の撮像処理における情報処理装置の第二画面の一例を模式的に示す図である。当該画像は、ウインドウ71とその中に含まれるUIオブジェクト72および73とを含む。プロセッサ11は、例えば
図6の画像上に
図7の画像を重ねて
図7の画像を表示する。
【0052】
ウインドウ71は、「この画像を登録しますか?」などの撮像した画像の登録の是非を問うメッセージを表示している。ユーザは、当該画像を登録すべき場合には賛成の意を示すためのUIオブジェクト72をタッチし、キャンセルの場合には取消の意を示すためのUIオブジェクト73をタッチする。
【0053】
プロセッサ11は、UIオブジェクト72をユーザがタッチする信号の入力に応じて、ウインドウ61に表示されて決定されていた画像のデータを二次メモリ16に格納する。
【0054】
(低容量化処理)
ここでプロセッサ11は、サーバに送信すべき画像を低容量化して一時的に格納する処理をさらに実行する。たとえば、プロセッサ11は、表示部312を被写体とする画像の画質を、表示部312に表示されている数値が解読可能な程度に落とした低容量化画像として、二次メモリ16に格納する。このように画像を低容量化して二次メモリ16に格納することは、情報処理装置1における処理の負荷、情報処理装置1からサーバ2への情報の送信処理の負荷の軽減、および、サーバ2においてデータを保存するデータベースの圧迫の軽減、の観点から有効である。
【0055】
プロセッサ11は、ユーザがUIオブジェクト73をタッチした信号が入力された場合には、
図7に示される画像を消去して
図6に示される画像のみを表示する。なお、プロセッサ11は、ユーザが
図6中の画面における特定のUIオブジェクト、例えば画面上部の矢印、をタッチする信号が入力された場合には、
図6の画面に代えて
図5に示される入力設定の画面を表示する。
【0056】
上記のように、アプリケーションプログラムは、情報処理装置1を、上記の撮像処理を実行する撮像処理部として機能させ得る。さらに、アプリケーションプログラムは、情報処理装置1を、上記の低容量化処理を実行する低容量化処理部として機能させ得る。
【0057】
<判定処理>
ステップS104において、プロセッサ11は、前述のシステムの信頼性を高めるための判定処理を実行する。判定処理は、その処理内容に応じて、撮像からサーバ2への送信までの間の任意の時期に実行可能であり、例えば撮像から低容量化処理までの間で実行可能である。
【0058】
(経過時間判定処理)
このような判定処理としては、例えばプロセッサ11は、測定情報の取得における任意のタイミング、例えばナンバー画像の取得時、あるいは、表示部312の画像の撮像時、からユーザによる送信の指示まで、すなわちUIオブジェクト55のタッチの信号が入力されるまで、の経過時間を測定する。そして、プロセッサ11は、当該経過時間が予め設定されている閾値を超える場合には、ナンバー画像および表示部画像の一方または両方のデータを消去する。このような判定処理を実行することによって、情報処理装置1では、送信処理において、ユーザによる入力からの経過時間が予め定められた値を超える画像の送信が禁止される。よって、ユーザがそのときにアルコールチェッカを用いて取得した測定情報のみがサーバ2に送信され、前述のシステムに供される。したがって、測定情報の信頼性がより高められる。
【0059】
上記の処理では、プロセッサ11は、画像データの消去とともに、情報処理装置1のディスプレイ13に、経過時間超過により画像データを消去した旨をユーザに通知する処理をさらに実行してもよい。このような通知の処理によって、取得すべき画像データの再度の取得がユーザに適時に促される。
【0060】
(点滅判定処理)
また、例えばプロセッサ11は、撮像処理で撮像された表示部312の画像における表示部312の特定の周期の点滅の有無を判定する点滅判定処理をさらに実行してもよい。表示部312は、前述したように液晶画面であり、表示部312では、画素へ画像データを書き込むための電圧の印加が高速で繰り返し一定方向に沿って実行されて、アルコールチェッカ31における測定結果の数値が表示されている。そのため、表示部312では、このような周期的な電圧印加による高速かつわずかな明暗の周期的な変化(点滅)が発生している。このような点滅は、表示部312に特有であり、情報処理装置1のディスプレイ13における当該点滅とは通常区別可能である。
【0061】
たとえば、プロセッサ11は、ウインドウ61に表示している表示部312の画像のうち、表示部312内における点滅と表示部312外における点滅とを検出する。そして、これらの点滅の差(周期または明暗の差)の値と予め設定されている閾値とを対比し、当該点滅の差の値が閾値よりも大きい場合に、表示部312の画像は表示部312の特定の周期の点滅を有する画像であると判定する。
【0062】
アルコールチェッカ31の表示部312を予め撮像してなる平面画像であれば、表示部312内外での点滅の差は検出されない。よって、上記の点滅判定処理による点滅有の判定結果は、表示部312の画像が実際のアルコールチェッカ31の表示部312を撮像した画像であることの有力な証左になり得る。よって、当該点滅判定処理は、当該システムにおいて情報処理装置1からサーバ2へ送信される情報の信頼性を高める観点から有効であり得る。
【0063】
(立体判定処理)
また、例えばプロセッサ11は、撮像した表示部画像に被写体として含まれるアルコールチェッカ31が立体であるか否かを判定する立体判定処理をさらに実行してもよい。アルコールチェッカ31は物品であるため、三次元形状を有している。そのため、表示部312の画像を決定する際に、プロセッサ11は、画像の被写体となっているアルコールチェッカ31が三次元形状を有するか否かを判定する。
【0064】
たとえば、プロセッサ11は、撮像処理において、アルコールチェッカ31の表示部312を撮像するにあたり、例えば情報処理装置1に対してアルコールチェッカ31の向きが異なる二以上の画像を撮像する。そして、プロセッサ11は、アルコールチェッカ31の第一の向きの画像および第二の向きの画像における特定の部分(例えば表示されている数値の部分とアルコールチェッカ31の本体部)のそれぞれの明度を検出する。そして、液晶で表示されている数値の部分の明度の差の値が予め設定されている第一の閾値よりも大きく、本体部の明度の差の値が予め設定されている第二の閾値よりも小さい場合に、撮像されているアルコールチェッカ31は立体であると判定する。
【0065】
アルコールチェッカ31の表示部312を予め撮像してなる二以上の平面画像において表示部312の液晶部分の明度の変化が検出される場合では、本体部でも同等の明度の変化が検出される。よって、上記の立体判定処理による被写体のアルコールチェッカ31が立体である旨の判定結果は、表示部312の画像が実際のアルコールチェッカ31の表示部312を撮像した画像であることの有力な証左になり得る。よって、当該立体判定処理は、当該システムにおいて情報処理装置1からサーバ2へ送信される測定情報の信頼性を高める観点から有効であり得る。
【0066】
上記のように、アプリケーションプログラムは、情報処理装置1を、上記の判定処理を実行する判定処理部として機能させ得る。さらに、アプリケーションプログラムは、情報処理装置1を、上記の経過時間判定処理を実行する経過時間判定処理部、上記の点滅判定処理を実行する点滅判定処理部、および、上記の立体判定処理を実行する立体判定処理部からなる群から選ばれる一以上の処理部として機能させ得る。
【0067】
<送信処理>
ステップS105において、プロセッサ11は、二次メモリ16に格納した上述の測定情報を送信する。たとえば、ユーザは、表示部312の画像を登録後、
図5に示されるような入力画面において、測定者情報および測定情報に間違いがないことを確認した後に、UIオブジェクト57をタッチする。プロセッサ11は、UIオブジェクト57がタッチされた信号の入力に応じて、二次メモリ16に格納したナンバーの情報および上述の測定情報を、通信IFを介してサーバ2へ送信する。アルコールチェッカ31の表示部312の撮像よりも前にUIオブジェクト57がタッチされた信号を検出すると、プロセッサ11は、エラー表示をディスプレイ13に表示させる。この場合、例えば未撮像を通知し、または撮像を促すメッセージがポップアップウインドウに表示される。このようにして、プロセッサ11は、抽出処理で抽出して二次メモリ16に格納された自動車32のナンバーを、ユーザに関する情報とともにサーバ2に送信する送信処理を実行する。
【0068】
前述の一連の処理は、特定のアプリケーションプログラムに基づいて全て実行される。すなわち、上記のシステムでは、情報処理装置1は、送信処理において、アプリケーションプログラムを実行することによって撮像された画像以外の画像が送信処理に供されることはない。このように、本実施形態では、情報処理装置1は、アプリケーションプログラムを実行することによって撮像された画像以外の画像の送信が禁止され得る。
【0069】
また、前述の点滅判定処理が実行されている場合では、プロセッサ11は、点滅判定処理で点滅有と判定された画像を低容量化画像として二次メモリ16に格納し、サーバ2へ送信させる。すなわち、点滅判定処理が実行される場合では、情報処理装置1は、送信処理において、点滅判定処理で前述したような表示部312に特有の点滅を有すると判定された画像以外の画像の送信が禁止され得る。
【0070】
また、前述の立体判定処理が実行されている場合では、プロセッサ11は、立体判定処理で被写体のアルコールチェッカ31が立体であると判定された画像を低容量化画像として二次メモリ16に格納し、サーバ2へ送信させる。すなわち、立体判定処理が実行される場合では、情報処理装置1は、送信処理において、立体判定処理でアルコールチェッカが立体と判定された画像以外の画像の送信が禁止され得る。
【0071】
上記のように、アプリケーションプログラムは、情報処理装置1を、上記の送信処理を実行する送信処理部として機能させ得る。
【0072】
[管理者用の画面の例]
サーバ2には、各ユーザからの測定者情報および測定情報がその都度送信される。ユーザからの情報は、通信IF22を介して二次メモリ25に格納される。プロセッサ21は、二次メモリ25に格納されている前述のアプリケーションプログラムに基づき、例えば安全運転管理者からの入力信号に応じて、ユーザからの情報の一覧を、不図示の安全運転管理者用のディスプレイに表示させる。このようにして、安全運転管理者には、ユーザからの測定者情報および測定情報の一部または全部の一覧画面が表示される。
【0073】
図8は、
図1のシステムにおけるサーバから取得される管理情報の一覧画面の第一の例を模式的に示す図である。安全運転管理者用のディスプレイには、メインウインドウと左端部のサブウインドウとが表示されており、メインウインドウには、ユーザからの情報の一覧を示すテーブル241と、一覧表示の操作のための各種UIオブジェクト81~87とが表示される。
【0074】
サブウインドウには、メインウインドウに表示するコンテンツが記載されている。たとえば、サブウインドウには、「記録一覧」、「管理者一覧」、「ユーザ一覧」、「車両一覧」および「部署一覧」の記載が表示されており、選択された記載を主題とするコンテンツがメインウインドウに表として示される。
図8は、サブウインドウにおける「記録一覧」が選択されているときの画像の一例を示している。
【0075】
<記録一覧画面例>
メインウインドウにおいて、UIオブジェクト81は、一覧に記載すべき期間の始期を選択するためのオブジェクトであり、UIオブジェクト82は、当該期間の終期を選択するためのオブジェクトである。また、UIオブジェクト83は、一覧に示すべきユーザの所属を選択するためのオブジェクトであり、UIオブジェクト84は、一覧に示すべきユーザの所属の安全運転管理者を選択するためのオブジェクトである。また、UIオブジェクト85は、一覧に示すべきユーザを選択するためのオブジェクトである。UIオブジェクト86は、安全運転管理者によるユーザからの情報の確認の有無を選択するためのオブジェクトである。そして、UIオブジェクト87は、UIオブジェクト81~85で選択された条件での検索を実行して当該条件に合う一覧を作成するためのオブジェクトである。
【0076】
安全運転管理者は、ログイン画面より企業IDとパスワードでログインし、UIオブジェクト81~86の各項目を選択し、UIオブジェクト87を選択する。たとえば、安全運転管理者は、期間の開始日、終了日、所属、管理者、個人、および、管理者による確認の有無、を選択し検索する。所属、管理者および個人(ユーザ)の各項目は、個別の所属、管理者またはユーザを選択可能であり、また、いずれも「すべて」の範囲を選択することが可能である。
【0077】
プロセッサ21は、各UIオブジェクトで選択された情報の信号に応じて、二次メモリ25に格納されているユーザからの測定者情報および測定情報のうちから、各項目で選択された範囲に該当するユーザの情報を抽出し、一覧表として表示させる。その結果、テーブル241には、下表に指定条件に該当する記録がサーバ2への登録順に表示される。
【0078】
テーブル241には、ユーザの測定者情報および測定情報が一覧表示される。たとえば、テーブル241には、「時刻」、「氏名」、「運転」、「酒気」に加え、「画像」が示される。
【0079】
ここで言う「確認」とは、例えば安全運転管理者がユーザからの情報を確認し、その旨をユーザに通知する作業であり、「済」は通知済であることを、「未」は未通知であることを示している。「承認者」は、「確認」を行った安全運転管理者の名前を示している。「時刻」は、ユーザが測定者情報および測定情報を送信した時刻を示しており、「氏名」はユーザの名前を示している。「運転」は、運転に対する測定情報送信のタイミング(運転前/後)を示しており、「酒気状態」は測定情報取得時におけるユーザの酒気の有無を示している。なお、テーブル241には一表あたり所定数の管理者情報が示されている。メインウインドウには、表のページ数(表の数)とページめくりの矢印とが表示される。
【0080】
「画像」の欄では、は「画像」のUIオブジェクトが示される。ユーザの測定情報としてサーバ2に送信されたアルコールチェッカ31の表示部312を被写体とする「画像」UIオブジェクトを選択することにより、例えば別ウインドウで当該画像が表示される。
【0081】
テーブル241における「未」はUIオブジェクトであって、安全運転管理者が当該UIオブジェクトを選択することにより、「確認しますか?」などの安全運転管理者にユーザへの確認を促すポップアップが表示されてもよい。当該ポップアップには「OK」と「キャンセル」とのUIオブジェクトが表示され、「OK」を選択すればその行のデータの詳細が安全運転管理者用のディスプレイにおいて表示され、確認の通知画面へ移行する。「キャンセル」を選択すれは当該ポップアップの画像が削除される。
【0082】
なお、確認の通知画面に移行して安全運転管理者が確認作業を行うと、「未」は自動的に「済」となる。確認の欄は、一度「済」になると、安全運転管理者が対応すべき作業はなくなり、一覧に表示されている情報は、所定期間の保存の用のみとなる。そのため、「済」の行のデータは最終のデータとして確定し、その後の変更を受け付けないデータとなる。
【0083】
<管理者一覧画面例>
図9は、
図1のシステムにおけるサーバから取得される管理情報の一覧画面の第二の例を模式的に示す図である。
図9は、サブウインドウにおける「管理者一覧」が選択されているときの画像の一例を示している。「管理者一覧」を選択したときのメインウインドウには、「所属」が選択可能に表示されており、選択した「所属」における安全運転管理者の一覧がテーブル242に示されるように表示される。また、
図9におけるメインウインドウには、「追加」のUIオブジェクトが表示されており、また表のページ数(表の数)とページめくりの矢印とが表示されている。
【0084】
メインウインドウにおけるテーブル242には、各安全運転管理者の情報として、「管理者ID」、「パスワード」、「氏名」、「メールアドレス」および「操作」の欄が含まれている。
【0085】
「操作」は、登録済みの情報の編集のための操作である。登録済の管理者の情報を変更する場合は、「編集」を選択する。すると編集/追加ポップアップがさらに表示され、当該ポップアップに管理者の上記各項目の情報が編集可能に表示される。編集したい項目を選択して修正することにより、管理者情報が修正される。修正後、編集/追加ポップアップの「OK」のUIオブジェクトを選択することにより、修正後の管理者情報がテーブル242に表示される。編集/追加ポップアップの「キャンセル」のUIオブジェクトを選択すると、管理者情報は、修正前のままテーブル242に表示される。
【0086】
メインウインドウにおける「追加」を選択すると、管理者情報の各項目が空欄となり、選択可能に表示される。各項目において追加すべき事項を選択または入力する。「追加」の選択とともに表示される「OK」のUIオブジェクトを選択することにより、新規の管理者の情報がテーブル242に追加されて表示される。「追加」の選択とともに表示される「キャンセル」のUIオブジェクトを選択することにより、メインウインドウの画面がテーブル242の画面に戻る。
【0087】
テーブル242において、「メールアドレス」は選択可能に表示されている。特定の管理者のメールアドレスを選択することにより、メール作成ウインドウが表示され、直ちに当該管理者へのメールが作成可能となる。
【0088】
<ユーザ一覧画面例>
図10は、
図1のシステムにおけるサーバから取得される管理情報の一覧画面の第三の例を模式的に示す図である。
図10は、サブウインドウにおける「ユーザ一覧」が選択されているときの画像の一例を示している。
【0089】
たとえば、ユーザ一覧画面で「所属」を選択することにより、選択した所属におけるユーザの一覧がテーブル243に表示される。また、
図10におけるメインウインドウには、「追加」のUIオブジェクトが表示されており、また表のページ数(表の数)とページめくりの矢印とが表示されている。
【0090】
テーブル243には、各ユーザの情報が、「ユーザID」、「氏名」、「メールアドレス」および「電話番号」の欄に示され、さらに「操作」の欄が示されている。ユーザ情報の編集および新規追加も、前述した管理者情報のそれらと同様に実行され得る。また、テーブル243でも、テーブル242と同様に、ユーザのメールアドレスが選択可能に表示されている。特定のユーザのメールアドレスを選択することにより、メール作成ウインドウが表示され、直ちに当該ユーザへのメールが作成可能となる。
【0091】
なお、ユーザ一覧表示は、「所属」に代えて「管理者」を選択可能に構成されていてもよい。この場合では、選択した管理者が担当するユーザの一覧がテーブル243に表示される。
【0092】
<その他の一覧画面例>
同様に、「車両一覧」または「部署一覧」を選択すると、それに対応する表がメインウインドウに表示される。「車両一覧」が選択されると、メインウインドウには、運行管理システム内に登録されている車両の情報が一覧表示される。また、「部署一覧」が選択されると、運行管理システム内に登録されている、企業組織における部署の情報が一覧表示される。「部署一覧」の一覧表示は、部署単位で前述の項目がさらに表示可能に構成されていてもよい。たとえば、部署ごとの安全運転管理者またはユーザを一覧表示できるように当該一覧表示が構成されていてもよい。
【0093】
〔他の実施形態〕
画像取得処理は、ユーザがナンバー画像を撮像以外の方法で取得する処理であってもよい。たとえば、画像取得処理は、情報処理装置1に予め格納されている複数のナンバー画像の中からユーザが特定のナンバー画像を指定して取得する処理であってもよい。このような画像取得処理は、例えばユーザが車庫に向かう途中に、利用可能な自動車のナンバー画像を車庫の納車係から受信することによって実行され得る。このような画像取得処理は、実行するユーザが運転する予定の自動車に到達する前に当該自動車をユーザが選択することを可能とする。したがって、ユーザがナンバー画像を取得する際の利便性を高める観点から有利であり得る。
【0094】
上記の画像取得処理において、ナンバー画像は、表示部312の画像と同様に、ナンバーを読み取り可能な程度に低容量化されていてもよい。この構成は、ナンバー画像に関する処理の負荷を軽減する観点から有利であり得る。
【0095】
プロセッサ11は、ユーザがUIオブジェクト45をタッチした情報に応じて、二次メモリ16に格納したナンバーの情報を、同一のタイミングでその後に撮像される表示部画像と関連付けてサーバ2に送信してもよい。たとえば、ナンバー情報と、そのナンバー情報の取得と実質同一のタイミングで取得される測定情報とに同じ識別子を付けることにより、これらの情報は送信のタイミングに関わらず適切に関連付けられ得る。このような送信形態は、個々の送信の負荷を軽減する観点から有利であり得る。
【0096】
ユーザに関する情報は、前述した表示部画像、測定情報取得のタイミングの情報、および酒気の有無の情報以外の情報であってもよいし、これら以外の情報をさらに含んでもよい。ユーザに関する情報として追加され得る情報の例には、ユーザの心身の健康状態に関する情報が含まれる。ユーザに関する情報は、血圧、心拍および血中酸素濃度などの、測定装置を用いてユーザから取得される一次データでもよい。あるいはユーザに関する情報は、当該一次データに基づいて特定の情報処理によって判定して得られる、ユーザの健康状態を示す二次データ(例えばリラックス度および睡眠習慣情報など)でもよい。
【0097】
アルコールチェッカの表示部は、アルコール量の検出結果を表示する部分であればよい。たとえば、アルコールチェッカが二色のランプうちのいずれかを点灯させることによってアルコール量が規定値以上であるか否かを表示する場合では、当該表示部は当該ランプである。このように、アルコールチェッカの表示部は、アルコール量の検出結果を簡易的に表示する部分であってもよい。
【0098】
また、前述の実施形態において、サーバ2をクラウドシステムにおける実施形態として説明したが、サーバ2は、ローカルサーバであってもよい。この場合、サーバ2は、例えばワークステーションまたはパーソナルコンピュータなどの汎用コンピュータであってもよい。
【0099】
また、プロセッサ11は、前述の画像取得処理において、画像における被写体を所望の位置、向きまたは大きさに誘導するための補助枠をウインドウ61にさらに表示させてもよい。同様に、プロセッサ11は、撮像処理において、ウインドウ61に、画像における被写体を所望の位置、向きまたは大きさに誘導するための補助枠をさらに表示させてもよい。この場合、アプリケーションプログラムは、情報処理装置1を、上記の補助枠を表示する処理を実行する補助枠表示処理部として機能させ得る。この構成は、ナンバープレート321または表示部312の十分に明確かつ精細な画像を撮像するのに有利であり得る。したがって、ナンバー画像あるいは表示部画像の低容量化において十分に画質を下げても、ナンバーを正確に抽出し、あるいは表示部312の数値が明瞭な低容量化画像を生成するのに有利である。また、前述の点滅判定処理または立体判定処理に適切な表示部画像をより容易に撮像することが可能となり、情報処理装置1を用いるユーザによる撮像の作業をより簡素にする観点から有利であり得る。
【0100】
また、画像取得処理において、プロセッサ11は、ナンバー画像におけるナンバープレートの像のウインドウにおける位置および大きさに基づいて、ナンバー画像がウインドウに適切に表示されているか否かを判定してもよい。ナンバー画像がウインドウに適切に表示されている場合には、プロセッサ11は、UIオブジェクト45へのユーザのタッチの信号を受け付け可能とするように、情報処理装置1を制御してもよい。この場合、アプリケーションプログラムは、情報処理装置1を、上記の画像判定に応じて上記のようにUIオブジェクトを制御する処理を実行する画像判定制御処理部として機能させ得る。この構成は、その後の抽出処理に適切なナンバー画像を確実に取得する観点から有利であり得る。
【0101】
同様に、撮像処理において、プロセッサ11は、例えばウインドウ61における表示部312の像の位置および大きさに基づいて、撮像すべき画像がウインドウ61に適切に表示されているか否かを判定し、撮像すべき画像がウインドウ61に適切に表示されている場合には、UIオブジェクト62へのユーザのタッチの信号を受け付け可能とするように、情報処理装置1を制御してもよい。この場合、アプリケーションプログラムは、情報処理装置1を、上記の画像判定に応じて上記のようにUIオブジェクトを制御する処理を実行する画像判定制御処理部として機能させ得る。この構成は、その後の処理または記録として適切な画像を確実に取得する観点から有利である。
【0102】
また、プロセッサ11は、情報処理装置1が送信した画像に基づく認証情報をサーバ2から受信する受信処理をさらに実行してもよい。この場合、アプリケーションプログラムは、情報処理装置1を、上記の認証情報の受信処理を実行する受信処理部として機能させ得る。この構成は、ユーザが適切な管理の下で自動車を運転することを自覚することが可能となることから、ユーザに自動車のより一層の安全運転を実行させるのに有利である。
【0103】
上記の受信処理について、サーバ2のプロセッサ21は、ユーザからの測定情報が規定の条件を満たす場合に当該認証情報を情報処理装置1に自動で送信してもよい。たとえば、プロセッサ21は、当該測定情報におけるアルコールチェッカ31の検出値が閾値以下であるとの判定に応じて当該認証情報を、通信IF22を介して情報処理装置1へ送信してもよい。この場合、アプリケーションプログラムは、サーバ2を、上記の測定情報に基づいて認証情報を自動的に送信する処理を実行する認証情報自動送信処理部として機能させ得る。この構成は、上記のシステムをより円滑に運用する観点から有利である。
【0104】
上記の受信処理について、サーバ2のプロセッサ21は、ユーザからの測定情報を受信したときに、ユーザの測定者情報で登録されている安全運転管理者に、当該測定情報を受信した旨を通知する処理をさらに実行してもよい。この場合、アプリケーションプログラムは、サーバ2を、上記の測定情報の受信を安全運転管理者に通知する処理を実行する受信通知処理部として機能させ得る。この構成は、安全運転管理者に、測定情報の確認および認証情報の発信についての注意を喚起することができ、上記のシステムをより円滑に運用する観点から有利である。
【0105】
また、情報処理装置1は、二次メモリ16が特定のアプリケーションプログラムに対応するサブホルダをさらに含み、プロセッサ11が当該アプリケーションプログラムの実行において、生成するデータを当該サブホルダにのみ格納し、またはサーバ2に送信すべきデータを当該サブホルダのみから取り出すように、構成されていてもよい。この構成は、前述した判定処理を実行せずとも、送信処理において、アプリケーションプログラムを実行することによって撮像された画像以外の画像が情報処理装置1から送信されることを禁止することが可能である。よって、情報処理装置1における情報処理の負荷の軽減と情報処理装置1から送信される測定情報の信頼性の向上との両方を実現する観点から有利である。
【0106】
本実施形態における情報処理装置1の情報処理は、特定のアプリケーションプログラムにより実現される。上記アプリケーションプログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、情報処理装置1が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記アプリケーションプログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して情報処理装置1に供給されてもよい。当該アプリケーションプログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【0107】
また、情報処理装置1における情報処理の制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0108】
また、上記各実施形態で説明した各処理は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)に実行させてもよい。この場合、AIは情報処理装置1で動作するものであってもよいし、他の装置(例えばエッジコンピュータまたはクラウドサーバ等)で動作するものであってもよい。
【0109】
本発明は上述した各実施形態に限定されず、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態も、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0110】
前述の実施形態によれば、自動車の運転に関する安全管理をより簡素に、またより包括的に実現することが可能となる。よって、本発明は、自動車の運転手のみならず都市および居住区での持続可能な安全の構築に貢献することが期待され、例えば、国連が提唱する持続可能な開発目標(SDGs)の目標11の達成への貢献が期待される。
【0111】
〔まとめ〕
以上の説明から明らかなように、本発明の第一の態様の情報処理装置(1)は、自動車(32)の運転手(ユーザ)に関する情報をサーバ(2)に送信する情報処理装置であって、運転手が運転する自動車のナンバープレート(321)を被写体として含むナンバー画像を取得する画像取得処理と、ナンバー画像から自動車のナンバーを抽出する抽出処理と、抽出処理で抽出した自動車のナンバーを運転手に関する情報とともにサーバに送信する送信処理と、を実行するプロセッサを備える。第一の態様は、利便性と信頼性との両立が可能な車両の運行管理を実現することができる。
【0112】
本発明の第二の態様の情報処理装置は、前述の第一の態様において、運転手に関する情報は、運転手によって入力される情報であって、アルコールチェッカ(31)の表示部(312)を被写体として含む表示部画像、運転手による情報の入力の時期を表す情報、および、運転手の酒気の有無の情報、からなる群から選ばれる一以上の情報を含む。第二の態様は、車両の運行管理システムにおいてナンバー情報とともに車両の運行管理システムにおいて有効なユーザに関する情報を取得し得ることから、有用性の高い車両の運行管理システムを実現する観点からより一層効果的である。
【0113】
本発明の第三の態様の情報処理装置は、前述の第一の態様または第二の態様において、送信処理において、運転手による入力からの経過時間が予め定められた値を超える画像の送信が禁止されている。第三の態様は、情報処理装置からサーバへ送信される情報の信頼性を高める観点からより一層効果的である。
【0114】
本発明の第四の態様の情報処理装置は、前述の第一の態様から第三の態様のいずれかにおいて、運転手に関する情報が、アルコールチェッカの表示部を被写体として含む表示部画像を含み、プロセッサが、表示部画像における表示部の特定の周期の点滅の有無を判定する点滅判定処理をさらに実行し、送信処理において、点滅判定処理で特定の周期の点滅を有すると判定された画像以外の画像の送信が禁止されている。第四の態様は、情報処理装置からサーバへ送信される情報の信頼性を高める観点からより一層効果的である。
【0115】
本発明の第五の態様の情報処理装置は、前述の第一の態様から第四の態様のいずれかにおいて、運転手に関する情報が、アルコールチェッカの表示部を被写体として含む表示部画像を含み、プロセッサが、表示部画像に被写体として含まれるアルコールチェッカが立体か否かを、当該表示部画像を参照して判定する立体判定処理をさらに実行し、送信処理において、立体判定処理でアルコールチェッカが立体と判定された画像以外の画像の送信が禁止されている。第五の態様は、情報処理装置からサーバへ送信される情報の信頼性を高める観点からより一層効果的である。
【0116】
本発明の第六の態様の情報処理装置は、前述の第一の態様から第五の態様のいずれかにおいて、プロセッサが、サーバに送信すべき画像を低容量化して一時的に格納する処理をさらに実行する。第六の態様は、情報処理装置における送信処理およびサーバにおけるデータ保存の負荷を軽減する観点からより一層効果的である。
【0117】
本発明の第七の態様の情報処理装置は、前述の第一の態様から第六の態様のいずれかにおいて、プロセッサが、情報処理装置が送信した画像に基づく認証情報をサーバから受信する受信処理をさらに実行する。第七の態様は、ユーザによる自動車のより一層の安全運転を実現させる観点からより一層効果的である。
【0118】
本発明の第八の態様のアプリケーションプログラムは、前述の第一の態様から第七の態様のいずれかの情報処理装置としてコンピュータを機能させるためのアプリケーションプログラムであって、上記の画像取得処理を実行する画像取得処理部、上記の抽出処理を実行する抽出処理部および上記の送信処理を実行する送信処理部としてコンピュータを機能させるためのアプリケーションプログラムである。第八の態様は、利便性と信頼性との両立が可能な車両の運行管理を実現することができる。
【符号の説明】
【0119】
1 情報処理装置
2 サーバ
3 撮像対象
11、21 プロセッサ
12、23 一次メモリ
13 ディスプレイ
14 カメラ
15、22 通信IF
16、25 二次メモリ
31 アルコールチェッカ
32 自動車
41~45、52~57、62、72、73、81~87 UIオブジェクト
51、61、71 ウインドウ
100 ネットワーク
241、242、243 テーブル
311 検出部
312 表示部
321 ナンバープレート