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2024-25122情報処理装置、利用者端末、情報処理システム、プログラム、記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025122
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】情報処理装置、利用者端末、情報処理システム、プログラム、記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/00 20180101AFI20240216BHJP
【FI】
G16H10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022128315
(22)【出願日】2022-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】521091789
【氏名又は名称】株式会社ユニバーサルトレーニングセンター
(74)【代理人】
【識別番号】100144749
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 正英
(74)【代理人】
【識別番号】100076369
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 正治
(72)【発明者】
【氏名】菅原 瑞貴
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA03
5L099AA22
(57)【要約】
【課題】 車椅子利用者が自身の座位姿勢の良し悪しの程度を認識できるようにする。
【解決手段】 本発明の情報処理装置は、センシングデバイスで取得された着座データに基づいて姿勢スコアを算出するスコア算出部を備えた装置である。本発明の利用者端末は、受信部と出力部を備え、受信部は着座データに基づいて算出された姿勢スコアを受信し、出力部は受信部で受信した姿勢スコアを表示するように構成されたものである。本発明の情報処理システムは、着座データを取得するセンシングデバイスと、本発明の情報処理装置と、本発明の利用者端末が通信ネットワークを介して接続されたものである。本発明のプログラムは、コンピュータを本発明の情報処理装置又は利用者端末として機能させるためのプログラムであり、本発明の記憶媒体は、当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置であって、
センシングデバイスで取得された着座データに基づいて、車椅子利用者の座位姿勢の良し悪しの程度を表す姿勢スコアを算出するスコア算出部を備えた、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1記載の情報処理装置において、
着座データが、座面に掛かる圧力に関するデータである座圧データである、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
請求項1記載の情報処理装置において、
姿勢を表す姿勢ラベルを予め設定された単位時間毎に発行し、当該姿勢ラベルの種類ごとに設定された点数を用いて姿勢スコアを算出する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
請求項3記載の情報処理装置において、
スコア算出部は、姿勢を表す姿勢ラベルを算出対象時間につき複数回発行する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項3記載の情報処理装置において、
アイコン決定部を備え、
スコア算出部は、算出対象時間内に発行された各姿勢ラベルの発行回数をカウントし、
前記アイコン決定部は、前記スコア算出部でのカウント結果に基づいて、予め設定された姿勢アイコンの中から前記算出対象時間における姿勢アイコンを決定する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
請求項5記載の情報処理装置において、
送信部を備え、
前記送信部は、スコア算出部で算出された姿勢スコア又は/及びアイコン決定部で決定された姿勢アイコンを利用者端末に送信する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
請求項6記載の情報処理装置において、
スコア算出部は、
ア.座圧データに基づいて算出される座面の第一の領域に掛かる圧力と第二の領域に掛かる圧力の差である第一の圧力差
イ.座圧データに基づいて算出される座面の第三の領域に掛かる圧力と第四の領域に掛かる圧力の差である第二の圧力差
ウ.座圧データに基づいて特定される重心位置
のいずれか一又は二以上の基準に基づいて、発行する姿勢ラベルを決定する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
請求項1記載の情報処理装置において、
スコア算出部で算出された姿勢スコアに基づいて運動メニューを決定する運動メニュー決定部を備えた、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
請求項8記載の情報処理装置において、
運動メニューは、車椅子利用者の障害の程度に応じて設定された、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項10】
請求項9記載の情報処理装置において、
運動メニューは、車椅子利用者の障害の程度に、車椅子利用者の年齢、性別及び運動目的の一又は二以上の事項を加味して設定された、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項11】
利用者が使用する利用者端末であって、
受信部と出力部を備え、
前記受信部は、センシングデバイスで取得された着座データに基づいて算出された、車椅子利用者の座位姿勢の良し悪しの程度を表す姿勢スコアを受信し、
前記出力部は、前記受信部で受信した姿勢スコアを表示する、
ことを特徴とする利用者端末。
【請求項12】
車椅子利用者向けの運動メニューを決定する情報処理システムであって、
車椅子利用者の着座データを取得するセンシングデバイスと、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の情報処理装置と、請求項11記載の利用者端末が通信ネットワークを介して接続された、
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項13】
コンピュータを、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の情報処理装置、又は請求項11記載の利用者端末として機能させるためのプログラム。
【請求項14】
請求項13記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車椅子利用者の着座時の姿勢(以下「座位姿勢」という)の改善に資する情報処理装置、利用者端末、情報処理システム、プログラム及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車椅子利用者の座位姿勢の改善を目的とした装置として、着座者(車椅子利用者)の骨盤を支持するための骨盤支持ベルト、着座者の胸郭を支持するための胸郭支持ベルト及びベルト取付具を備えた座位姿勢改善装置(特許文献1)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-34296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、本件出願人は、車椅子利用者の運動効果の向上に資する方策についての研究を重ねる中で、座位姿勢の良し悪しが運動効果に影響を及ぼすこと、車椅子利用者に自身の座位姿勢の良し悪しの程度を認識させることによって座位姿勢の改善や運動効果の向上、生活動作の実行力の向上がみられることを見出した。
【0005】
この点、前記特許文献1の座位姿勢改善装置は、着座者を骨盤支持ベルトと胸郭支持ベルトで物理的に支持して座位姿勢の改善を図るものであり、この装置によって、車椅子利用者が自身の座位姿勢の良し悪しの程度を認識することは難しかった。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、車椅子利用者に自身の座位姿勢の良し悪しの程度を認識させることができる情報処理装置、利用者端末、情報処理システム、プログラム及び記憶媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[情報処理装置]
本発明の情報処理装置は、センシングデバイスで取得された着座データに基づいて、車椅子利用者の座位姿勢の良し悪しの程度を表す姿勢スコアを算出するスコア算出部を備えたものである。
【0008】
[利用者端末]
本発明の利用者端末は、センシングデバイスで取得された着座データに基づいて算出された、車椅子利用者の座位姿勢の良し悪しの程度を表す姿勢スコアを受信する受信部と、受信部で受信した姿勢スコアを表示する出力部を備えた装置である。
【0009】
[情報処理システム]
本発明の情報処理システムは、車椅子利用者の着座データを取得するセンシングデバイスと、本発明の情報処理装置と、本発明の利用者端末が通信ネットワークを介して接続されたものである。
【0010】
[プログラム]
本発明のプログラムは、コンピュータを本発明の情報処理装置又は本発明の利用者端末として機能させるためのプログラムである。
【0011】
[記憶媒体]
本発明の記憶媒体は、本発明のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、車椅子利用者に自身の座位姿勢の良し悪しの程度を認識させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】情報処理システムの一例を示す全体構成図。
図2】設置型のセンシングデバイスの一例を示す概要説明図。
図3】(a)は座面センサの配置の一例を示す説明図、(b)は背面センサの配置の一例を示す説明図。
図4】コントロールユニットとセンサユニットの構成の一例を示す説明図。
図5】導電糸を用いた圧力センサの一例を示す詳細説明図。
図6】(a)は下衣側着用具の一例を示す説明図、(b)は上衣側着用具の一例を示す説明図。
図7】(a)は情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図、(b)はストレージの構成の一例を示すブロック図、(c)は情報処理装置の機能の一例を示すブロック図。
図8】(a)ユーザテーブルの一例を示す説明図、(b)は運動メニューテーブルの一例を示す説明図。
図9】スコア算出部及びアイコン決定部での処理の一例を示すフローチャート。
図10】姿勢ラベルの発行手順の一例を示すフローチャート。
図11】(a)(b)は姿勢ラベルの発行手順の一例を示すフローチャート。
図12】(a)は座面の各象限における特定範囲の一例の説明図、(b)は重心軸の特定方法の一例の説明図。
図13】(a)~(c)は姿勢スコアの算出例の説明図、(d)は姿勢スコアと姿勢レベルの関係の一例を示す説明図。
図14】(a)は正中アイコンの一例を示すもの、(b)は猫背アイコンの一例を示すもの、(c)は左寄りアイコンの一例を示すもの、(d)は右寄りアイコンの一例を示すもの。
図15】座位姿勢(姿勢スコア)と生活動作の実行力の相関図の一例を示すもの。
図16】障害の程度の分類手順の一例を示すフローチャート。
図17】(a)は利用者端末のハードウェア構成の一例を示すブロック図、(b)は姿勢スコアと姿勢アイコンが表示された利用者端末の出力部の一例を示すもの。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施形態)
本発明の実施形態の一例を、図面を参照して説明する。一例として図1に示す情報処理システムは、センシングデバイス10と、情報処理装置30と、利用者端末50を備えている。センシングデバイス10及び各利用者端末50は、通信ネットワークNを介して情報処理装置30と通信可能に接続されている。
【0015】
本実施形態では、利用者として、車椅子利用者や理学療法士、介護士(ヘルパー)、家族、医療関係者(医師や看護師)、保険関係者、ケアマネージャー、福祉用具相談員、自治体などが想定される。
【0016】
説明の便宜上、以下では、車椅子利用者が利用する利用者端末50を着座具利用者端末又は車椅子利用者端末と、アドバイスを提供する人が利用する利用者端末50をアドバイス提供者端末ということがある。
【0017】
[センシングデバイス]
はじめに、本実施形態の情報処理システムにおけるセンシングデバイス10について、図面を参照して説明する。この実施形態のセンシングデバイス10は、車椅子Xに設置して使用する設置型のセンシングデバイス10(シーティングデバイス)である。
【0018】
一例として図2に示すセンシングデバイス10は、センサユニット11とコントロールユニット12を備えている。センサユニット11は車椅子Xの座面Xaと背凭れ(バックサポート)Xbの前面側に配置され、コントロールユニット12は車椅子Xの任意の場所、たとえば、背凭れXbの背面側や側面、座面裏、下ネット等に装着される。コントロールユニット12のサイズは装着位置に合わせて調整することができる。
【0019】
一例として図2及び図3(a)(b)に示すセンサユニット11は、センサシート13と、センサ14と、シートカバー15を備えている。この実施形態のセンサユニット11は、車椅子Xの座面Xaの上に配置されて当該座面Xaにかかる圧力を検知する座面部11aと、車椅子Xの背凭れXbの前面に配置されて当該背凭れXbにかかる圧力を検知する背面部11bを備えている。
【0020】
前記センサシート13はセンサ14を貼付するためのシートである。この実施形態のセンサシート13は、座面シート13aと背面シート13bを備えている。センサシート13には各種材質のものを用いることができるが、この実施形態では、可撓性及び防水性を有する材質からなるシートを用いている。この実施形態では、座面シート13aと背面シート13bを別体として構成しているが、両者は一体物として構成することもできる。
【0021】
前記センサ14は着座した車椅子利用者の臀部と背面にかかる圧力を検知して電気信号に変換するものである。センサ14には圧力センサや荷重ベクトルセンサなどを用いることができる。
【0022】
この実施形態では、センサ14として、有効センサ領域39.6mm×39.6mm、厚さ0.20~1.25mm、感圧範囲0.2~20N、最小感度20~100gの圧力センサを用いている。この圧力センサは高分子厚膜フィルムの一種で、センサ部に圧力(荷重)が加わったときに抵抗値が減少する。この圧力センサの抵抗特性をグラフで示すと、荷重の増加に伴って抵抗値が漸次的に減少する曲線となる。
【0023】
センサ14は、個々の計測点に独立したセンサとして配置されている。コントロールユニット12では、センサ14毎に計測された電気抵抗から逆算して各センサ14にかかる荷重(圧力)が算出される。センサ14としてこのような圧力センサを用いることで、他のセンサ14の計測値とは関係なく、個々のセンサ14にかかる圧力を絶対値として特定することができる。
【0024】
図2図4に示すように、この実施形態では、座面シート13aに32個のセンサ(以下「座面センサ」という)14aが、背面シート13bに16個のセンサ(以下「背面センサ」という)14bが設けられている。
【0025】
座面シート13aに設けられた32個の座面センサ14aは、車椅子利用者の左右の大腿部が位置する部分(大腿部領域)と臀部が位置する部分(臀部領域)に、平面視略U字状となるように配置されている。
【0026】
U字状形状の2本の腕部に相当する箇所の各々が大腿部領域を構成し、このU字状形状の連結部(2本の腕部を連結する部分)に相当する箇所が臀部領域を構成する。座面シート13aには、座面センサ14aが設置されていない非設置領域14cが設けられている。
【0027】
ここでいう非設置領域14cは、当該非設置領域14cに座面センサ14aと同様のセンサを配置したと仮定した場合に、その八方(図3(a)及び図4でいう上・下・左・右・右上・右下・左上・左下をいう。)のうち、(ア)上・下・左・右の四方のうちの二方向以上、(イ)上・下・左・右の四方のうちの一方向と右上・右下・左上・左下のうちの二方向以上、又は(ウ)右上・右下・左上・左下のうちの三方向以上を、現に設置された座面センサ14aにより取り囲まれる領域を含むものである。
【0028】
座面シート13a(座面部11a)に座面センサ14aが配置されない非設置領域14cを設けることで、座面センサ14aの数を最小限に抑えることができる。この結果、データを情報処理装置30(外部機器)に送信する時間を短縮することができ、車椅子利用者にリアルタイムに情報を伝えられるシステムを構築することができる。
【0029】
具体的には、各大腿部領域には、前側から後ろ側に向けて、3個、1個、3個、1個と並ぶように配置され、臀部領域には、前側から後ろ側に向けて、7個、5個、4個と並ぶように配置されている。
【0030】
大腿部領域は、3個、1個、3個乃至1個、3個、1個のように、座面センサ14aが左右方向に多く配置された箇所(図の例では3個)及び少なく配置された箇所(図の例では1個)を前後方向に沿って互い違いに設けることで、座面センサ14aが魚骨形に配置された箇所を有している。
【0031】
また、臀部領域は、前方において7個、後方において4個のように座面センサ14aが配置されることで、前方では非設置領域14cを有さず、後方では非設置領域14cを有するように配置された箇所を有している。
【0032】
ここで示す座面センサ14aの配置は一例であり、座面センサ14aはこれ以外の配置とすることもできる。
【0033】
図2図4に示すように、背面シート13bに設けられた16個の背面センサ14bは、上方から下方に向けて、均等間隔で4個、4個、4個、4個と配置されている。ここで示す背面センサ14bの配置は一例であり、背面センサ14bはこれ以外の配置とすることもできる。
【0034】
なお、以下の説明では、座面シート13aを図3(a)のように前後に均等に分ける前後分割線L1と左右に均等に分ける左右分割線L2によって区画された四つの領域に分け、左下の領域を第一象限A1、右下の領域を第二象限A2、左上の領域を第三象限A3、右上の領域を第四象限A4という。
【0035】
また、図3(a)の左右分割線L2の左側(第一象限A1及び第三象限A3)の領域を左側領域B1と、同右側(第二象限A2及第四象限A4)の領域を右側領域B2と、前後分割線L1の上側(第三象限A3及び第四象限A4)の領域を前側領域B3と、同下側(第一象限A1及び第二象限A2)の領域を後側領域B4という。
【0036】
前記シートカバー15はセンサシート13とセンサシート13に貼付されたセンサ14を被覆するものである。この実施形態のシートカバー15は、座面シート13aと座面センサ14aを被覆する座面カバー15aと、背面シート13bと背面センサ14bを被覆する背面カバー15bを備えている。シートカバー15には各種材質のものを用いることができるが、この実施形態では、可撓性及び防水性を有する材質からなるシートを用いている。
【0037】
前記コントロールユニット12は、センサユニット11を制御するためのユニットである。図4に示すように、この実施形態のコントロールユニット12は、マイコン16と、バッテリ17と、通信モジュール18を備えている。マイコン16、バッテリ17及び通信モジュール18は、収納ボックス19に収納されている。
【0038】
前記マイコン16は、座面センサ14a及び背面センサ14bで取得された信号を処理して、その信号を通信モジュール18を介して情報処理装置30に送信するものである。マイコン16は、マイコンボード16aと当該マイコンボード16aに実装された各種電子部品16bで構成されている。マイコンボード16aには、たとえば、Arduino等を用いることができる。
【0039】
マイコン16には、センサ14によって取得されたデータを情報処理装置30に送信するための通信モジュール18が接続されている。通信モジュール18には、たとえば、3GIM(3G IoT Module)等を用いることができる。
【0040】
通信モジュール18には、GPS(Global Positioning System)機能を備えたものを用いることもできる。GPS機能を備えた通信モジュール18を用いる場合、車椅子利用者の位置情報データを取得できるほか、その位置情報と移動時間から移動スピードに関するデータなどを取得することができる。GPS機能を備えたモジュールは通信モジュール18とは別に設けることもできる。
【0041】
図4に示すように、この実施形態では、16個のセンサ14につき一台のマイコンボード16aが接続されている。各マイコンボード16aにはセンサ14が有線接続され、各マイコンボード16aは割り当てられた16個のセンサ14からデータを取得する。
【0042】
各マイコンボード16a間ではシリアル通信が行われ、各マイコンボード16aで取得されたデータが共通の通信モジュール18を介して情報処理装置30に送信される。なお、ここでは、複数のマイコンボード16aを用いる場合を一例としているが、一台のマイコンボード16aにすべてのセンサ14を接続するように構成することもできる。
【0043】
各マイコンボード16aには共通のバッテリ17が接続され、そのバッテリ17から各マイコンボード16aに電源が供給されるようにしてある。バッテリ17には既存のリチウムイオン二次電池などを用いることができる。バッテリ17と各マイコンボード16aは、収納ボックス19内で接続されている。
【0044】
この実施形態の情報処理システムでは、車椅子利用者に対してリアルタイムに情報を伝える観点から、取得したデータが数秒ごとに情報処理装置30に送信されるようにしてある。データはこれより短い間隔で送信されるようにすることもできるし、長い間隔で送信されるようにすることもできる。送信されたデータは、情報処理装置30において処理される。情報処理装置30での処理については後述する。
【0045】
以上説明したセンシングデバイス10の構成は一例であり、所期の目的を達成できる限り、センシングデバイス10はこれ以外の構成とすることもできる。
【0046】
-センシングデバイスの他の実施形態1-
前記実施形態ではセンサユニット11として、センサ14が貼付されたセンサシート13をシートカバー15で被覆したものを一例としているが、センサシート13としてポリイミド等の薄膜フィルムを使用し、その薄膜フィルムに所定数のセンサ14を実装したものをウレタンフォームなどのシートカバー15で被覆したもの(一枚物センサ)を用いることもできる。この場合、センサ14に接続されたコネクタやコードもウレタンフォームの内側に収まるようにする。一枚物センサは、3~5mm程度の厚さとなるように構成するのが好ましい。
【0047】
薄膜フィルムは、厚さ0.1~1.0mm、好ましくは厚さ0.1~0.5mm程度とすることができる。センサシート13には、ポリイミド薄膜フィルムなどのベースフィルムに銅箔などの導体箔を貼り合わせたフレキシブルプリント回路基板(FPC)などを用いることもできる。
【0048】
車椅子Xのクッション(座面Xaに載せるものを含む)には、空気圧によって形が変わるものや内部にジェル状材料が含まれたもの、内部がハニカム構造のもの、ウレタンフォーム製のもの、表面に凹凸を備えたものなど様々なものがあり、表面に凹凸が並ぶようなクッションに特許文献1のような織物状のセンサを載せると、検知部が凹凸の間に落ち込んだときに、座圧を正確に検知できないことがある。
【0049】
これに対し、上述したシート状のセンサユニット11であれば、座面センサ14aがクッションの凹凸の間に落ち込むことがなく、座圧を正確に検知することができる。
【0050】
なお、一枚物センサとすると場合、座面Xaに置く部分と背凭れXbの手前に置く部分の双方をまとめて一枚物センサとすることも、双方のそれぞれを別々に一枚物センサとすることもできる。センサユニット11を一枚物センサとする場合、車椅子Xの折り畳み方向を考慮して、たとえば左右半分に折りたためるような構成とすることもできる。
【0051】
-センシングデバイスの他の実施形態2-
前記実施形態では、センサ14として高分子厚膜フィルムの一種である圧力センサ(図3(a)(b)参照)を用いる場合を一例としているが、センサ14にはこれ以外のものを用いることができる。たとえば、センサ14として、図5に示すような導電性を備えた糸(以下「導電糸」という)114を用いて構成された圧力センサを用いることができる。
【0052】
図5に示すセンサ14は、縫い糸115を用いてベース布116に縫い付けられた抵抗布117に、正極側と負極側の二本の導電糸114が渦巻き状に縫いつけられている。各導電糸114は図示しない下糸に通されている。導電糸114の縫い付け形状は渦巻き状に限らず、それ以外の形状とすることもできる。
【0053】
ベース布116のうち抵抗布117のない部分は導線部領域となり、抵抗布117に渦巻き状に縫い付けられた各導電糸114の一端は当該抵抗布117をはみ出して導線部領域に縫い付けられ、電極118が形成されている。下衣側着用具111や上衣側着用具112には、電極118を介してコントロールユニット12が接続される。
【0054】
この実施形態では、導電糸114としてポリアミド性の導電糸、縫い糸115としてポリエステル製の糸、ベース布116としてフェルト製の布材、抵抗布117としてカーボンメッシュクロス製の布材を用いている。導電糸114や縫い糸115、ベース布116、抵抗布117には、これら以外のものを用いることもできる。
【0055】
正極側と負極側の二本の導電糸114が縫い付けられた領域のそれぞれがセンシング領域となり、前述の座面センサ14aや背面センサ14bと同様、導電糸114を用いて構成されるセンサでも、個々のセンサ14にかかる圧力を絶対値として特定することができる。
【0056】
-センシングデバイスの他の実施形態3-
前記実施形態では、センシングデバイス10としてシーティングデバイスを用いる場合を一例としているが、センシングデバイス10には車椅子利用者が着用する着用型のデバイス(着用型デバイス)を用いることもできる。
【0057】
着用型デバイスとしては、たとえば、図6(a)(b)に示すような車椅子利用者が着用可能な下衣(かい)や上衣(じょうい)等にセンサを搭載したものを用いることができる。上衣とは上半身に着る衣服のことであり、いわゆるトップスに相当する。また、下衣とは下半身に着る衣服のことであり、いわゆるボトムスに相当する。
【0058】
一例として図6(a)(b)に示す着用型デバイスは、下半身に着用する下衣側着用具111(図6(a))と、上半身に着用する上衣側着用具112(図6(b))を備えている。この実施形態の下衣側着用具111は長ズボンのような形態であり、着用者の脚部が収まる二本の脚部被覆部111aと、脚部の付け根から腰部付近が収まる股上側被覆部111bを備えている。
【0059】
両脚部被覆部111aの大腿部の背面側の領域(大腿部領域)と股上側被覆部111bの臀部の背面側の領域(臀部領域)には、前記シーティングデバイス10の座面センサ14aに相当するセンサ113(以下「下衣側センサ113a」という)が設けられており、下衣側着用具111を構成する布材が存在する領域において、前記シーティングデバイス10の非設置領域14cに相当する非設置領域が設けられている。
【0060】
下衣側着用具111を構成する布材が存在する領域においても下衣側センサ113aが配置されない非設置領域を設けることで、前記シーティングデバイス10の場合と同様に、下衣側センサ113aの数を最小限に抑えることができ、この結果、データを情報処理装置30(外部機器)に送信する時間を短縮することができ、車椅子利用者にリアルタイムに情報を伝えられるシステムを構築することができる。
【0061】
なお、下衣側着用具111の大腿部領域と臀部領域以外の部分も、センサ113が設けられていない非設置領域として扱うことができ、この場合でいう非設置領域には、両脚部被覆部111aの間の下衣側着用具111を構成する布材が存在しない空間部分も含む。
【0062】
また、この実施形態の上衣側着用具112はTシャツのような形態であり、胴体部112aと両袖部112bを備えている。胴体部112aの背面側(背面領域)には、前記シーティングデバイス10の背面センサ14bに相当するセンサ113(以下「上衣側センサ113b」という)が設けられている。
【0063】
下衣側センサ113a及び上衣側センサ113bには、図3(a)(b)に示すような高分子厚膜フィルムの一種である圧力センサや、図5に示すような導電糸114を用いて構成された圧力センサ等を用いることができる。
【0064】
下衣側センサ113a及び上衣側センサ113bとして、導電糸114を用いて構成された圧力センサを用いる場合、下衣側着用具111や上衣側着用具112を構成する布材をベース布116として用いることができる。
【0065】
[情報処理装置]
前記情報処理装置30は、センシングデバイス10から送信されるデータの取得や処理、集計、記録、更新のほか、各利用者端末50からの要求に対する応答等を行う装置である。この実施形態では、情報処理装置30をクラウド環境下に構築している。
【0066】
情報処理装置30は、一台又は二台以上のコンピュータで構成することもできる。また、情報処理装置30の設置地域は、日本国内でも日本国外であってもよい。
【0067】
図7(a)に示すように、この実施形態の情報処理装置30は、プロセッサ31、メモリ32、ストレージ33、通信部34、入力部35、出力部36を主要構成として備えている。これら各要素は、バス37を通じて電気的に接続されている。
【0068】
図示は省略しているが、複数の利用者端末50に対して安定的にサービスを提供できるよう、情報処理装置30は、電源や記憶装置、無停電電源、バックアップ装置などを備えた構成とするのが好ましい。
【0069】
前記プロセッサ31は、バス37で接続された各構成を統括的に制御するものであり、たとえば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などで構成される。プロセッサ31は、処理の実行に必要なアプリケーションプログラムをストレージ33からメモリ32にロードし、各処理を実行する。
【0070】
前記メモリ32は、データや命令を記憶する主記憶装置であり、たとえば、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などで構成される。
【0071】
前記ストレージ33は、プログラムやデータを保存する補助記憶装置であり、たとえば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリなどで構成される。図7(b)に示すように、ストレージ33には、本実施形態の情報処理システムのプログラム(アプリケーションプログラム)33aのほか、データベース33bが格納されている。
【0072】
データベース33bには、車椅子利用者のデータが格納されるユーザテーブル33c、運動メニューに関するデータが格納される運動メニューテーブル33d等、各種テーブルが設けられている。
【0073】
図8(a)にユーザテーブル33cの一例を示す。図8(a)に示すユーザテーブル33cは、「ユーザID」「要介護度」「障害タイプ」の項目で構成されている。ここで説明したユーザテーブル33cの項目は一例であり、ユーザテーブル33cにはこれら以外の項目を含めることもできる。また、不要な項目は省略することができる。
【0074】
図8(b)に運動メニューテーブル33dの一例を示す。図8(b)に示す運動メニューテーブル33dは、「運動メニューNo.」「項目」「回数・時間」「実行場所」「運動側」の項目で構成されている。ここで説明した運動メニューテーブル33dの項目は一例であり、運動メニューテーブル33dにはこれら以外の項目を含めることもできる。また、不要な項目は省略することができる。
【0075】
前記通信部34は、通信ネットワークNを介してセンシングデバイス10や各利用者端末50と通信を行うためのインターフェースであり、TCP/IPをはじめ、Bluetooth Low Energy(登録商標)やBluetooth(登録商標)、3G、4G(LTE)、5G等の各種通信規格に従って通信が行われる。
【0076】
通信部34は、受信部34aと送信部34bを備えている。受信部34aは、各利用者端末50からの信号を受信し、受信した信号を復号してプロセッサ31に伝達する。送信部34bは、プロセッサ31から伝達された情報を各利用者端末50に送信する。
【0077】
前記入力部35は、情報を入力するためのデバイスであり、たとえば、キーボードやタッチスクリーン、マウス、音声入力装置などで構成される。前記出力部36は、情報を出力するためのデバイスであり、ディスプレイやプリンタなどで構成される。
【0078】
次に、情報処理装置30の機能について説明する。図7(c)は本実施形態の情報処理装置30の機能ブロック図である。本実施形態の情報処理装置30は、データ取得部301と、スコア算出部302と、アイコン決定部303及び運動メニュー決定部304を主要構成として備えている。
【0079】
前記データ取得部301は、データを取得する機能部である。データ取得部301が取得するデータには、センシングデバイス10で取得される各種データ(たとえば、座圧、着座時間等)のほか、本情報処理システムのユーザ登録時に入力される車椅子利用者に関する各種データ(たとえば、ユーザID、氏名、身長、体重、年齢、障害の程度、障害部位等)が含まれる。
【0080】
前記スコア算出部302は、データ取得部301が取得した着座データ(より具体的には、座面に掛かる圧力に関するデータである座圧データ)に基づいて車椅子利用者の座位姿勢の良し悪しの程度を表す姿勢スコアを算出する機能部である。図9に示すように、スコア算出部302では、ラベル発行処理S001、カウント処理S002及びスコア算出処理S003が行われる。
【0081】
前記ラベル発行処理S001は、予め設定された所定時間(以下「単位時間」という)における姿勢を表す姿勢ラベルを発行する処理である。この実施形態では、単位時間を5分と設定し、姿勢ラベルが1時間に12回発行されるようにしてある。単位時間は任意に設定することができ、5分より長くすることも短くすることもできる。
【0082】
この実施形態では、姿勢ラベルとして、「正中」「猫背」「右寄り」「左寄り」の四種類を設定している。姿勢ラベルの種類はこれら以外であってもよく、その数も四種類より多くすることも少なくすることもできる。
【0083】
スコア算出部302は、図10及び図11(a)(b)に示す手順に従ってラベル発行処理を実行する。なお、以下の説明では、図12(a)の座面シート13aの第一象限A1の特定範囲R1に掛かる座圧の平均値を第一座圧X1と、第二象限A2の特定範囲R2に掛かる座圧の平均値を第二座圧X2と、第三象限A3の特定範囲R3に掛かる座圧の平均値を第三座圧X3と、第四象限A4の特定範囲R4に掛かる座圧の平均値を第四座圧X4という。
【0084】
また、図12(b)に示すように、座面シート13aのY軸方向の値Yによって重心軸を特定している。以下、これらの概念を用いて姿勢ラベルを発行する際の処理について説明する。
【0085】
(1)はじめに、図10に示すように、第一座圧X1と第二座圧X2の差分(以下「第一差分」という)を絶対値で算出し、第一差分が予め設定された基準値(以下「基準閾値」という)Xt以下であるか否かを判定する(S101)。
(2)前記(1)において、第一差分が基準閾値Xt以下であると判定されたときは、第三座圧X3と第四座圧X4の差分(以下「第二差分」という)を絶対値で算出し、第二差分が基準閾値Xt以下であるか否かを判定する(S102)。
(3)前記(2)において、第二差分が基準閾値Xt以下であると判定されたときは、重心軸の値(以下「重心軸値」という)Yが基準値(以下「重心軸閾値」という)Yt未満であるか否かを判定する(S103)。
(4)前記(3)において、重心軸値Yが重心軸閾値Yt未満であると判定されたときは、「正中」の姿勢ラベル(以下「正中ラベル」という)を発行する(S104)。
(5)前記(3)において、重心軸値Yが重心軸閾値Yt未満でないと判定されたときは、「猫背」の姿勢ラベル(以下「猫背ラベル」という)を発行する(S105)。
(6)前記(2)において、第二差分が基準閾値Xt以下でないと判定されたときは、第三座圧X3が第四座圧X4よりも大きいか否かを判定する(S106)。
(7)前記(6)において、第三座圧X3が第四座圧X4よりも大きいと判定されたときは、「左寄り」の姿勢ラベル(以下「左寄りラベル」という)を発行する(S107)。
(8)前記(6)において、第三座圧X3が第四座圧X4よりも小さいと判定されたときは、「右寄り」の姿勢ラベル(以下「右寄りラベル」という)を発行する(S108)。
(9)前記(1)において、第一差分が基準閾値Xt以下でないと判定されたときは、図11(a)の処理へ移行し、第一座圧X1が第二座圧X2より大きいか否かが判定される(S201)。
(10)前記(9)において、第一座圧X1が第二座圧X2より大きいと判定されると、第二差分(第三座圧X3と第四座圧X4の差分の絶対値)が基準閾値Xt以下であるか否かを判定する(S202)。
(11)前記(10)において、第二差分が基準閾値Xt以下であると判定されると、左寄りラベルを発行する(S203)。
(12)前記(10)において、第二差分が基準閾値Xt以下でないと判定されたときは、第三座圧X3が第四座圧X4より大きいか否かを判定する(S204)。
(13)前記(12)において、第三座圧X3が第四座圧X4より大きいと判定されると、左寄りラベルを発行し(S205)、第三座圧X3が第四座圧X4より大きくないと判定されると、右寄りラベルを発行する(S206)。
(14)前記(9)において、第一座圧X1が第二座圧X2より大きくないと判定されたときは、図11(b)の処理へ移行し、第二差分(第三座圧X3と第四座圧X4の差分の絶対値)が基準閾値Xt以下であるか否かを判定する(S207)。
(15)前記(14)において、第二差分が基準閾値Xt以下であると判定されると、右寄りラベルを発行する(S208)。
(16)前記(14)において、第二差分が基準閾値Xt以下でないと判定されたときは、第三座圧X3が第四座圧X4より大きいか否かを判定する(S209)。
(17)前記(16)において、第三座圧X3が第四座圧X4より大きいと判定されると、左寄りラベルを発行する(S210)、第三座圧X3が第四座圧X4より大きくないと判定されると、右寄りラベルを発行する(S211)。
【0086】
スコア算出部302では、前記(1)~(17)の工程を所定回数繰り返し、各回につき一つ姿勢ラベルを発行する。この実施形態では、単位時間を5分と設定してあるため、姿勢ラベルが1時間に12回発行される。
【0087】
姿勢ラベルの発行回数は、姿勢スコアの算出対象となる時間(以下「算出対象時間」という)と単位時間に基づいて決定される。たとえば、算出対象時間が3時間、単位時間が5分の場合、姿勢ラベルは36回発行されることになる。
【0088】
この実施形態では、最低乗車時間を設定しており、実車時間が最低乗車時間以上のときには当該実車時間が算出対象時間となり、実車時間が最低乗車時間未満のときには、最低乗車時間が算出対象時間となる。
【0089】
たとえば、最低乗車時間が3時間、単位時間が5分と設定された場合において、実車時間が最低乗車時間よりも短い2時間のときは最低乗車時間が算出対象時間となり、姿勢ラベルが36回発行されることになる。なお、最低乗車時間は3時間より長くても短くても良い。
【0090】
ラベル発行処理S001の完了後、スコア算出部302は、カウント処理S002を実行する。カウント処理S002は、姿勢ラベルの発行回数をカウントする処理である。この処理では、算出対象時間内に発行された姿勢ラベルについて、種類別に何回発行されたかをカウントする。
【0091】
たとえば、算出対象時間3時間の間に姿勢ラベルが36回発行された場合、正中ラベルの発行回数が12回、猫背ラベルの発行回数が6回、左寄りラベルの発行回数が0回、右寄りラベルの発行回数が6回のように、姿勢ラベルの種類毎に発行回数をカウントする。
【0092】
姿勢ラベルのカウント完了後、スコア算出部302は、スコア算出処理S003を実行する。スコア算出処理S003は、姿勢ラベルのカウント結果を用いて、車椅子利用者の座位姿勢の良し悪しの程度を表す姿勢スコアを算出する処理である。
【0093】
この実施形態では、姿勢ラベル毎に姿勢スコアの算出に用いる点数(以下「算出用配点」という)が予め設定してある。具体的には、正中ラベルの場合に100点、猫背ラベルの場合に50点、左寄りラベルの場合及び右寄りラベルの場合に30点を設定している。この点数は一例であり、各姿勢ラベルの算出用配点はこれ以外であってもよい。
【0094】
また、この実施形態では、最低乗車時間(前述の例では3時間)を設定し、その時間に満たない部分(姿勢ラベルが発行されない部分)については、姿勢ラベルを「データなし」とし、姿勢スコアの算出に用いる算出用配点を0点としている。
【0095】
たとえば、最低乗車時間が3時間で、実車時間が2時間の場合、最低乗車時間に満たない1時間分(姿勢ラベル12回分)は「データなし」となり、姿勢スコアの算出に用いる算出用配点0点が使用される。
【0096】
スコア算出部302は、次の[式1]に基づいて姿勢スコア算出処理を実行する。
[式1]
{(正中ラベルの発行回数×正中ラベルの算出用配点)÷(算出対象時間×一時間当たりの姿勢ラベル発行回数)}+{(猫背ラベルの発行回数×猫背ラベルの算出用配点)÷(算出対象時間×一時間当たりの姿勢ラベル発行回数)}+{(左寄りラベルの発行回数×左寄りラベルの算出用配点)÷(算出対象時間×一時間当たりの姿勢ラベル発行回数)}+{(右寄りラベルの発行回数×右寄りラベルの算出用配点)÷(算出対象時間×一時間当たりの姿勢ラベル発行回数)}+{(「データなし」の回数×「データなし」の算出用配点)÷(算出対象時間×一時間当たりの姿勢ラベル発行回数)}
【0097】
図13(a)~(c)に、姿勢スコアの算出例を示す。図13(a)の算出例は実車時間が2時間の場合、図13(b)の算出例は実車時間が3時間の場合、図13(c)の算出例は実車時間が4時間の場合の例である。いずれの算出例も、最低乗車時間を3時間、単位時間を5分と設定した場合を一例としている。また、姿勢スコアの小数点以下は四捨五入している。
【0098】
[姿勢スコアの算出例1]
図13(a)の例では、最低乗車時間(3時間)が算出対象時間となり、姿勢ラベルが36回発行される。この例では、正中ラベルの回数が12回、猫背ラベルの回数が6回、左寄りラベルの回数が0回、右寄りラベルの回数が6回、データなしの回数が12回である。これを前記[式1]に当てはめ、姿勢スコアが47点と算出される。
【0099】
[姿勢スコアの算出例2]
図13(b)の例では、実車時間(3時間)が算出対象時間となり、姿勢ラベルが36回発行される。この例では、正中ラベルの回数が18回、猫背ラベルの回数が9回、左寄りラベルの回数が6回、右寄りラベルの回数が3回、データなしの回数が0回である。これを前記[式1]に当てはめ、姿勢スコアが70点と算出される。
【0100】
[姿勢スコアの算出例3]
図13(c)の例では、実車時間(4時間)が算出対象時間となり、姿勢ラベルが48回発行される。この例では、正中ラベルの回数が10回、猫背ラベルの回数が10回、左寄りラベルの回数が20回、右寄りラベルの回数が8回、データなしの回数が0回である。これを前記[式1]に当てはめ、姿勢スコアが49点と算出される。
【0101】
図13(d)に示すように、この実施形態では、姿勢スコアに応じて姿勢レベルが設定されている。具体的には、姿勢スコア81点以上の場合が「レベル4」、姿勢スコア61~80点の場合が「レベル3」、姿勢スコア41~60点の場合が「レベル2」、40点以下の場合が「レベル1」と設定されている。
【0102】
図9に示すように、姿勢ラベルのカウント処理S002が完了すると、アイコン決定部303は、カウント処理の結果に基づいてアイコン決定処理S004を実行する。
【0103】
アイコン決定処理S004は、予め設定された姿勢アイコンの中から、算出対象時間における姿勢を図案化した姿勢アイコンを決定する処理である。この実施形態では、姿勢アイコンとして、図14(a)~(d)の四種類が予め設定されている。
【0104】
図14(a)の姿勢アイコンは姿勢が正中であることを示す「正中アイコン」、図14(b)の姿勢アイコンは姿勢が猫背であることを示す「猫背アイコン」、図14(c)の姿勢アイコンは姿勢が左に傾いていることを示す「左寄りアイコン」、図14(d)の姿勢アイコンは姿勢が右に傾いていることを示す「右寄りアイコン」である。
【0105】
この実施形態では、算出対象時間内において発行回数が最も多い姿勢ラベルの示す姿勢が、姿勢アイコンとして決定されるようにしてある。たとえば、算出対象時間内に正中ラベルが最も多く発行された場合には「正中アイコン」が、猫背ラベルが最も多く発行された場合には「猫背アイコン」が、左寄りラベルが最も多く発行された場合には「左寄りアイコン」が、右よりラベルが最も多く発行された場合には「右寄りアイコン」が姿勢アイコンとして決定される。
【0106】
なお、発行回数の多いラベルが二以上ある場合に備えて、姿勢アイコンに優先順位をつけておくことができる。この場合、発行回数の多いラベルが二以上ある際には、優先順位の高い方の姿勢アイコンが選択されるようにすることができる。
【0107】
以上の工程を経て算出された姿勢スコア及び決定された姿勢アイコンは、送信部34bによって利用者端末50に送信される。送信部34bは、姿勢スコアと姿勢アイコンの双方を利用者端末50に送信するほか、いずれか一方のみを利用者端末50に送信することもできる。
【0108】
前記運動メニュー決定部304は、スコア算出部302で算出された姿勢スコアや姿勢レベル等に基づいて、予め設定された運動メニューの中から、最適な運動メニューを選択して決定する機能部である。
【0109】
この実施形態では、運動メニューは姿勢スコアに応じて決定されるようにしてある。具体的には、姿勢スコアが低いうちは運動負荷の小さな運動メニューが選択され、姿勢スコアの向上に伴って運動負荷の大きな運動メニューが選択される。
【0110】
運動負荷は、運動項目や運動強度で調整することができる。運動項目とは運動の種類を意味し、運動強度とは運動時に実行者にかかる身体的な負担の強さを意味する。
【0111】
前記運動項目には、一般的に知られているメニューのほか、独自に考案したオリジナルメニューが含まれる。この実施形態では、車椅子上で行うメニューと車椅子以外の場所で行うメニューに大別している。いずれも、車椅子利用者が実行することを考慮した内容としてある。
【0112】
車椅子上で行うメニューの一例としては、プッシュアップやウェイトシフト、サイドレイズ、バックエクステンション、トランクローテーション、アームカール、レッグプレス、車椅子以外の場所で行うメニューの例としては、ショルダーローテーション、プッシュアップ、パピーポジション、レッグスイング、シットアップ、レッグエクステンション、ハムカール等がある。なお、同一のメニューであっても、車椅子利用者の障害の程度等によっては実行できない場合もあるため、同一メニュー内でいくつかのレベル分けをしておくのが好ましい。
【0113】
前記運動強度には、実行時間や実行回数が含まれる。運動強度は、各運動項目実行時の心拍数によって設定することもできる。たとえば、車椅子利用者に事前に複数の運動項目を実行してもらい、各運動項目についての心拍数を測定する。このデータを複数人分取得し、そのデータに基づいて、各運動項目の運動強度を設定することができる。
【0114】
この実施形態では、各運動項目について基準となる強度(以下「基準強度」という)が設定されると共に、姿勢スコアごとに重みづけ用の掛け率が設定されている。重みづけ用の掛け率は任意に設定することができる。
【0115】
この実施形態では、一例として、姿勢スコアの低い「レベル1」に0.7ポイント、以下順に、「レベル2」に0.8ポイント、「レベル3」に0.9ポイント、レベル4に1.0ポイントを、重みづけ用の掛け率として設定している。
【0116】
この掛け率は、運動強度を調整するために用いられる。具体的には、前述の基準強度に該当の掛け率をかけることで運動強度を調整することができる。たとえば、基準強度が「実行回数10回」と設定されている場合、「レベル4」の人であれば、実行回数10に1.0を掛けた10回が運動強度となり、「レベル1」の人であれば、実行回数10に0.7を掛けた実行回数7回が運動強度となる。
【0117】
以上のように、姿勢スコアに応じて運動強度に重みづけをすることで、姿勢スコアが低いうちは運動強度の小さな運動メニューが選択され、姿勢スコアの向上と共に運動強度の大きな運動メニューが選択されるようになる。別の言い方をすれば、図15の曲線をたどるように運動強度を設定することができる。
【0118】
すなわち、図15に示すように、姿勢スコアが低い場合(当該姿勢スコアを「SS」とする。)は、当該姿勢スコア(SS)からの所定量の増加(ΔS)に対する運動強度の増加量(当該運動強度の増加量をΔU(SS)とする。)を小さく設定し、これよりも高い姿勢スコアの場合(当該姿勢スコアを「SL」とする。この場合、SS<SLとなる。)は、当該姿勢スコア(SL)からの上記記所定量の増加(ΔS)に対する運動強度の増加量(当該運動強度の増加量をΔU(SL)とする。)を、上記低い姿勢スコア「SS」の場合よりも大きくする(つまり、ΔU(SL)>ΔU(SS)とする。)ことができ、これにより、運動効率を高めることができる。
【0119】
運動メニューを設定するにあたっては、姿勢スコアに加えて、車椅子利用者の障害の程度や性別、年齢、運動目的等を加味することもできる。
【0120】
障害の程度を加味する場合、車椅子利用者を障害の程度別にいくつかのクラスに分類し、クラスごとに重みづけ用の掛け率を設定しておく。クラス分けは種々の方法で行うことができ、たとえば、図16のフローに従って分類することができる。
【0121】
図16に示すように、この分類方法では、はじめに、車椅子利用者が肘の伸展を行うことができるか否かを判定し(S301)、できない場合には当該車椅子利用者を「クラス1」に分類する。
【0122】
次に、肘の伸展が可能な人について、手首の麻痺の有無、具体的には握力が所定値(たとえば、10kg)以上あるか否かを判定し(S302)、握力が所定値未満の場合には、当該車椅子利用者を「クラス2」に分類する。
【0123】
次に、手首の麻痺がない(握力が所定値以上ある)人について、座位で前傾姿勢を所定時間(たとえば、5~10秒間)保持できるか否かを判定し(S303)、保持できない場合には、当該車椅子利用者を「クラス3」に分類する。ここでいう前傾姿勢とは、頭部が座骨よりも前に位置する姿勢を意味する。
【0124】
次に、座位で前傾姿勢を所定時間保持できる人について、支え(支持)なしで所定時間(たとえば10秒以上)立位姿勢を保持できるか否かを判定し(S304)、立位姿勢を保持できない場合には、当該車椅子利用者を「クラス4」に分類し、立位姿勢を保持できる場合には、当該車椅子利用者を「クラス5」に分類する。
【0125】
以上のように、車椅子利用者を障害の程度別に五つのクラスに分類したのち、各クラスに重みづけ用の掛け率を設定する。掛け率は任意に設定できるが、この実施形態では、一例として、障害の程度が重い「クラス1」の掛け率として0.6ポイント、以下順に、「クラス2」の掛け率として0.7ポイント、「クラス3」の掛け率として0.8ポイント、「クラス4」の掛け率として0.9ポイント、「クラス5」の掛け率として1.0ポイントを掛け率として設定している。
【0126】
この掛け率は、運動強度を調整するための値として用いる。具体的には、前述の基準強度に該当の掛け率をかけることで運動強度を調整することができる。たとえば、基準強度が実行回数10回と設定されている場合、「クラス5」の人であれば、実行回数10に1.0を掛けた10回が運動強度となり、「レベル1」の人であれば、実行回数10に0.6を掛けた実行回数6回が運動強度となる。
【0127】
性別を加味する場合も同様に、性別ごとに重みづけ用の掛け率を設定する。重みづけ用の掛け率は任意に設定できるが、この実施形態では、「男性」に1.0ポイント、「女性」に0.9ポイントを重みづけ用の掛け率として設定している。
【0128】
年齢を加味する場合も同様に、年齢ごとに重みづけ用の掛け率を設定する。重みづけ用の掛け率は任意に設定できるが、この実施形態では、「年齢」を「19歳以下」「20歳から44歳」「45歳から64歳」「65歳から74歳」「75歳以上」の五つの年齢帯に分類し、年齢帯ごとに重みづけ用の掛け率を設定している。
【0129】
具体的には、「19歳以下」及び「20歳から44歳」に1.0ポイント、「45歳から64歳」に0.9ポイント、「65歳から74歳」に0.8ポイント、「75歳以上」に0.7ポイントを重みづけ用の掛け率として設定している。
【0130】
運動目的を加味する場合も同様に、運動目的ごとに重みづけ用の掛け率を設定する。運動目的は任意に設定できるが、この実施形態では、「筋肉増加」「ダイエット」「体力アップ」「バランス能力増加」「スポーツ競技力アップ」「姿勢改善」「肩こり予防」「柔軟性向上」「褥瘡予防」「生活動作向上」を運動目的として設定し、それら運動目的ごとに掛け率を設定している。
【0131】
具体的には、「筋肉増加」「ダイエット」「体力アップ」「バランス能力増加」「スポーツ競技力アップ」に1.1ポイント、「姿勢改善」「肩こり予防」「柔軟性向上」「褥瘡予防」「生活動作向上」に1.0ポイントを重みづけ用の掛け率として設定している。
【0132】
以上の要領で設定された運動メニューは、ストレージ33内に構築されたデータベース33bの運動メニューテーブル33d(図7(b))に格納され、運動メニュー決定部304は、条件に合う運動メニューを運動メニューテーブル33dから選択して決定する。
【0133】
ここで説明した情報処理装置30の構成は一例であり、所期の目的を達成できる限り、情報処理装置30はこれ以外の構成とすることもできる。
【0134】
[利用者端末]
前記利用者端末50は、車椅子利用者や理学療法士、介護士、家族、医療関係者、保険関係者などが使用する情報通信機器である。利用者端末50は、PCやタブレット、スマートフォン等で構成することができる。
【0135】
図17(a)に示すように、この実施形態の利用者端末50は、プロセッサ51、メモリ52、ストレージ53、通信部54、入力部55、出力部(ディスプレイ)56を主要構成として備えている。これら各要素は、バス57を通じて電気的に接続されている。
【0136】
プロセッサ51、メモリ52、ストレージ53、通信部54、入力部55、出力部56、バス57の構成は、情報処理装置30と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0137】
この実施形態の通信部54の受信部54aは、情報処理装置30をはじめとする外部機器からデータを受信する。具体的には、情報処理装置30から送信される姿勢スコアや姿勢アイコンなどを受信する。
【0138】
出力部56は各種情報を表示する機能部であり、情報処理装置30から送信される姿勢スコアや姿勢アイコンなどを表示する。図17(b)に示すように、この実施形態では、出力部56に姿勢スコアや姿勢アイコンの双方が表示されるようしてあるが、表示方法はこれら以外であっても良い。
【0139】
各利用者は、自己の利用者端末50のブラウザから情報処理システムを利用するほか、自己の利用者端末50に専用のアプリケーションをインストールし、当該アプリケーションを用いて利用できるようにしてもよい。
【0140】
ここで説明した利用者端末50の構成は一例であり、所期の目的を達成できる限り、利用者端末50はこれ以外の構成とすることもできる。
【0141】
(その他の実施形態)
本発明は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない限りにおいて種々の変形、変更が可能である。
【0142】
本発明の情報処理システムは、全体として機能すればよく、いずれの機能をいずれの装置に実装するかは、構築する情報処理システムに合わせて設計することができる。
【産業上の利用可能性】
【0143】
本発明は、各種着座具利用者の姿勢スコアの算出や運動メニューを決定する装置やシステム、特に、車椅子利用者の姿勢スコアの算出や運動メニューを決定する装置やシステム等として好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0144】
10 センシングデバイス
11 センサユニット
11a 座面部
11b 背面部
12 コントロールユニット
13 センサシート
13a 座面シート
13b 背面シート
14 センサ
14a 座面センサ
14b 背面センサ
14c 非設置領域
15 シートカバー
15a 座面カバー
15b 背面カバー
16 マイコン
16a マイコンボード
16b 電子部品
17 バッテリ
18 通信モジュール
19 収納ボックス
30 情報処理装置
31 プロセッサ
32 メモリ
33 ストレージ
33a プログラム
33b データベース
33c ユーザテーブル
33d 運動メニューテーブル
34 通信部
34a 受信部
34b 送信部
35 入力部
36 出力部
37 バス
50 利用者端末
51 プロセッサ
52 メモリ
53 ストレージ
54 通信部
54a 受信部
54b 送信部
55 入力部
56 出力部
57 バス
111 下衣側着用具
111a 脚部被覆部
111b 股上側被覆部
112 上衣側着用具
112a 胴体部
112b 袖部
113a 下衣側センサ
113b 上衣側センサ
114 導電糸
115 縫い糸
116 ベース布
117 抵抗布
118 電極
301 データ取得部
302 スコア算出部
303 アイコン決定部
304 運動メニュー決定部
A1 第一象限
A2 第二象限
A3 第三象限
A4 第四象限
B1 左側領域
B2 右側領域
B3 前側領域
B4 後側領域
L1 前後分割線
L2 左右分割線
N 通信ネットワーク
R1 座面シートの第一象限の特定範囲
R2 座面シートの第二象限の特定範囲
R3 座面シートの第三象限の特定範囲
R4 座面シートの第四象限の特定範囲
X 車椅子
Xa 座面
Xb 背凭れ(バックサポート)
X1 第一座圧
X2 第二座圧
X3 第三座圧
X4 第四座圧
Xt 基準閾値
Y 重心軸値
Yt 重心軸閾値
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図16
図17