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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025124
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20240216BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240216BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
G06F3/12 373
H04N1/00 127A
B41J29/38 801
G06F3/12 303
G06F3/12 385
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022128323
(22)【出願日】2022-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野中 広茂
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061HK11
2C061HN08
2C061HN15
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA17
5C062AA35
5C062AA37
5C062AB02
5C062AB20
5C062AB25
5C062AB41
5C062AB43
5C062AB44
5C062AC02
5C062AC05
5C062AC22
5C062AC24
5C062AC35
5C062AE08
5C062AF01
5C062AF14
(57)【要約】
【課題】クラウドサービスと複合機の双方からログを取得する場合と比較して処理結果を容易に確認可能な情報処理システムを提供する。
【解決手段】画像処理システム1は、所定の処理を実行する複合機10と、複合機10とファイアウォール40を介して通信可能に接続され、複合機10からの依頼に応じて処理の一部を実行するクラウドサーバ50と、を備え、複合機10は、処理の実行の際に該処理を識別する第1識別子を付して該処理のログを記録し、クラウドサーバ50は処理の実行の際に該処理を識別する第2識別子を付して該処理のログを記録し、複合機10又はクラウドサーバ50は、第1識別子と第2識別子とを紐付けて、複合機10が記録したログ及びクラウドサーバ50が記録したログを統合して記録する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の処理を実行する第1情報処理装置と、
前記第1情報処理装置とファイアウォールを介して通信可能に接続され、前記第1情報処理装置からの依頼に応じて前記処理の一部を実行する第2情報処理装置と、
を備え、
前記第1情報処理装置は第1プロセッサを備え、
前記第1プロセッサは、
前記処理の実行の際に該処理を識別する第1識別子を付して該処理のログを記録し、
前記第2情報処理装置は第2プロセッサを備え、
前記第2プロセッサは、
前記処理の実行の際に該処理を識別する第2識別子を付して該処理のログを記録し、
前記第1プロセッサ又は前記第2プロセッサは、
前記第1識別子と前記第2識別子とを紐付けて、前記第1プロセッサが記録したログ及び前記第2プロセッサが記録したログを統合して記録する、
情報処理システム。
【請求項2】
前記第1プロセッサは、前記第1情報処理装置での前記処理が完了したタイミングで、前記第1プロセッサが記録したログを前記第2情報処理装置へ送信し、
前記第2プロセッサは、前記第1プロセッサが記録したログ及び前記第2プロセッサが記録したログを統合して記録する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記第1プロセッサは、前記第2情報処理装置へログの統合が完了したかどうかを確認し、完了していた場合に統合されたログを前記第2情報処理装置から取得する、請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記第1プロセッサは、前記第2情報処理装置での前記処理が完了したタイミングで、前記第2プロセッサが記録したログを前記第2情報処理装置から取得し、前記第1プロセッサが記録したログ及び前記第2プロセッサが記録したログを統合して記録する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記第1プロセッサは、前記処理のログの参照指示を受け付けたタイミングで、前記第1プロセッサが記録したログを前記第2情報処理装置へ送信し、
前記第2プロセッサは、前記第1プロセッサが記録したログ及び前記第2プロセッサが記録したログを統合して記録する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記第1プロセッサは、前記第2プロセッサが統合して記録したログを前記第2情報処理装置から取得する、請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記第2プロセッサは、統合して記録したログを可視化した可視化情報に変換し、
前記第1プロセッサは、前記第2プロセッサが変換した前記可視化情報を前記第2情報処理装置から取得する、請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記第1プロセッサは、前記処理のログの参照指示を受け付けたタイミングで、前記第2プロセッサが記録したログを前記第2情報処理装置から取得し、前記第1プロセッサが記録したログ及び前記第2プロセッサが記録したログを統合して記録する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記第1プロセッサは、前記第2情報処理装置への前記処理を依頼したタイミング、及び前記第1情報処理装置での処理が完了したタイミングで、前記第1プロセッサが記録したログを前記第2情報処理装置へ送信し、
前記第2プロセッサは、前記第1プロセッサが記録したログ及び前記第2プロセッサが記録したログを統合して記録する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、ワークフロー情報により定義された複数の処理を実行する複数の情報処理装置を備える情報処理システムを開示する。ワークフロー情報は、複数の処理の順序、および、複数の処理のそれぞれの実行主体となる情報処理装置を定義する情報であって、複数の情報処理装置のうち選択された1つの情報処理装置を実行主体に定義可能であり、複数の情報処理装置は、ワークフロー情報に定義された複数の処理のそれぞれを、定義された順序で、実行主体として定義された情報処理装置が実行し、ワークフロー情報に実行主体が複数の情報処理装置のうち選択された1つの情報処理装置であると定義された処理を、予め定められた判定条件に従って選択された1つの情報処理装置が実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6264800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スキャンした文書を指定された格納先へ転送する機能を持つ複合機で、時間の掛かる一部の処理(OCRなど)をクラウドサービスに依頼し、その処理結果の文書を依頼した複合機で受け取って、指定された格納先に転送するシステムがある。
【0005】
このようなシステムにおいて、処理結果を記録するログはクラウドサービス側と複合機側とでそれぞれで保持している。処理結果を確認する場合に、クラウドサービスと複合機の双方からログを取得しないと詳細が分からないため、その分確認の手間がかかる。
【0006】
本発明は、クラウドサービスと複合機の双方からログを取得する場合と比較して処理結果を容易に確認可能な情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1態様に係る情報処理システムは、所定の処理を実行する第1情報処理装置と、前記第1情報処理装置とファイアウォールを介して通信可能に接続され、前記第1情報処理装置からの依頼に応じて前記処理の一部を実行する第2情報処理装置と、を備え、前記第1情報処理装置は第1プロセッサを備え、前記第1プロセッサは、前記処理の実行の際に該処理を識別する第1識別子を付して該処理のログを記録し、前記第2情報処理装置は第2プロセッサを備え、前記第2プロセッサは、前記処理の実行の際に該処理を識別する第2識別子を付して該処理のログを記録し、前記第1プロセッサ又は前記第2プロセッサは、前記第1識別子と前記第2識別子とを紐付けて、前記第1プロセッサが記録したログ及び前記第2プロセッサが記録したログを統合して記録する。
【0008】
本発明の第2態様に係る情報処理システムは、第1態様に係る情報処理システムであって、前記第1プロセッサは、前記第1情報処理装置での前記処理が完了したタイミングで、前記第1プロセッサが記録したログを前記第2情報処理装置へ送信し、前記第2プロセッサは、前記第1プロセッサが記録したログ及び前記第2プロセッサが記録したログを統合して記録する。
【0009】
本発明の第3態様に係る情報処理システムは、第2態様に係る情報処理システムであって、前記第1プロセッサは、前記第2情報処理装置へログの統合が完了したかどうかを確認し、完了していた場合に統合されたログを前記第2情報処理装置から取得する。
【0010】
本発明の第4態様に係る情報処理システムは、第1態様に係る情報処理システムであって、前記第1プロセッサは、前記第2情報処理装置での前記処理が完了したタイミングで、前記第2プロセッサが記録したログを前記第2情報処理装置から取得し、前記第1プロセッサが記録したログ及び前記第2プロセッサが記録したログを統合して記録する。
【0011】
本発明の第5態様に係る情報処理システムは、第1態様に係る情報処理システムであって、前記第1プロセッサは、前記処理のログの参照指示を受け付けたタイミングで、前記第1プロセッサが記録したログを前記第2情報処理装置へ送信し、前記第2プロセッサは、前記第1プロセッサが記録したログ及び前記第2プロセッサが記録したログを統合して記録する。
【0012】
本発明の第6態様に係る情報処理システムは、第5態様に係る情報処理システムであって、前記第1プロセッサは、前記第2プロセッサが統合して記録したログを前記第2情報処理装置から取得する。
【0013】
本発明の第7態様に係る情報処理システムは、第5態様に係る情報処理システムであって、前記第2プロセッサは、統合して記録したログを可視化した可視化情報に変換し、前記第1プロセッサは、前記第2プロセッサが変換した前記可視化情報を前記第2情報処理装置から取得する。
【0014】
本発明の第8態様に係る情報処理システムは、第1態様に係る情報処理システムであって、前記第1プロセッサは、前記処理のログの参照指示を受け付けたタイミングで、前記第2プロセッサが記録したログを前記第2情報処理装置から取得し、前記第1プロセッサが記録したログ及び前記第2プロセッサが記録したログを統合して記録する。
【0015】
本発明の第9態様に係る情報処理システムは、第1態様に係る情報処理システムであって、前記第1プロセッサは、前記第2情報処理装置への前記処理を依頼したタイミング、及び前記第1情報処理装置での処理が完了したタイミングで、前記第1プロセッサが記録したログを前記第2情報処理装置へ送信し、前記第2プロセッサは、前記第1プロセッサが記録したログ及び前記第2プロセッサが記録したログを統合して記録する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の第1態様によれば、第1の情報処理装置が記録したログ及び第2の情報処理装置が記録したログが統合して記録されることで、クラウドサービスと複合機の双方からログを取得する場合と比較して処理結果を容易に確認できる。
【0017】
本発明の第2態様によれば、第1の情報処理装置が記録したログ及び第2の情報処理装置が記録したログを、処理が完了したタイミングで第2の情報処理装置が統合して記録することで、処理の完了時に第2の情報処理装置で統合されたログを保持できる。
【0018】
本発明の第3態様によれば、第2の情報処理装置でログの統合が完了していれば第1の情報処理装置が統合されたログを取得することで、ログの参照時に第2の情報処理装置へ問い合わせる必要が無くなる。
【0019】
本発明の第4態様によれば、第1の情報処理装置が記録したログ及び第2の情報処理装置が記録したログを、処理が完了したタイミングで第1の情報処理装置が統合して記録することで、処理の完了時に第1の情報処理装置で統合されたログを保持できる。
【0020】
本発明の第5態様によれば、第1の情報処理装置が記録したログ及び第2の情報処理装置が記録したログを、ログの参照指示があったタイミングで第2の情報処理装置が統合して記録することで、参照指示の前に統合されていなくても、第2の情報処理装置で統合されたログを保持できる。
【0021】
本発明の第6態様によれば、第2の情報処理装置が統合したログを第1の情報処理装置が取得することで、第1の情報処理装置からログの出力ができる。
【0022】
本発明の第7態様によれば、第2の情報処理装置が統合し、可視化した状態で第1の情報処理装置が取得することで、第1の情報処理装置から可視化されたログの出力ができる。
【0023】
本発明の第8態様によれば、第1の情報処理装置が記録したログ及び第2の情報処理装置が記録したログを、ログの参照指示があったタイミングで第1の情報処理装置が統合して記録することで、クラウドサービスと複合機の双方からログを取得する場合と比較して処理結果を容易に確認できる。
【0024】
本発明の第9態様によれば、第1の情報処理装置からの処理の依頼時及び処理の終了時に第2の情報処理装置が統合して記録することで、処理の完了時に第2の情報処理装置で統合されたログを保持できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本実施形態に係る画像処理システムの概略構成を示す図である。
図2】複合機のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】複合機の機能構成例を示すブロック図である。
図4】クラウドサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
図5】クラウドサーバの機能構成例を示すブロック図である。
図6】画像処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一または等価な構成要素および部分には同一の参照符号を付与している。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0027】
図1は、本実施形態に係る画像処理システム1の概略構成を示す図である。図1に示した画像処理システム1は、本発明の情報処理システムの一例である。画像処理システム1は、本発明の第1情報処理装置の一例である複合機10、ファイルサーバ20、本発明の第2情報処理装置の一例であるクラウドサーバ50を備える。複合機10、ファイルサーバ20は、それぞれLAN(Local Area Network)30に接続され、同一のネットワークセグメントに存在している。複合機10、ファイルサーバ20は、ファイアウォール40によって、インターネットなどの外部のネットワークから守られている。
【0028】
複合機10は、コピー機能、プリント機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能、OCR(Optical character recognition;光学文字認識)機能等の複数の機能の中からいずれか複数の機能を有する装置である。例えば、複合機10は、図示しないパーソナルコンピュータ等からプリントジョブを受信すると、プリントジョブに基づいたプリント処理を実行する。また例えば、複合機10は、文書をスキャンし、スキャンしたデータを図示しないパーソナルコンピュータ又はファイルサーバ20に送信する機能を有する。なお、図1には、1台の複合機10のみを図示しているが、画像処理システム1において複合機10の台数は2台以上であってもよい。
【0029】
クラウドサーバ50は、複合機10と連携し、複合機10の要求に基づいた処理を実行するサーバである。クラウドサーバ50は、クラウドネットワーク上に存在するサーバによって実現される。本実施形態では、クラウドサーバ50は、光学的に読み取られたスキャンデータを認識するOCR機能を実行することで、スキャンデータからテキストデータを生成する。なお、図1には、1台のクラウドサーバ50のみを図示しているが、画像処理システム1においてクラウドサーバ50は2台以上のサーバによって構成されていてもよい。
【0030】
複合機10がスキャンする文書の量が少ない場合は、複合機10が備えているOCR機能によるスキャンデータの文字認識に要する処理時間は長く掛からない。しかし、複合機10が大量に文書をスキャンした場合、複合機10が備えているOCR機能によるスキャンデータの文字認識に要する処理時間が長時間に及ぶ可能性がある。そこで、複合機10は、スキャンデータをクラウドサーバ50に転送し、スキャンデータに対する処理をクラウドサーバ50に依頼する。
【0031】
複合機10及びファイルサーバ20と、クラウドサーバ50との間にはファイアウォール40が存在しているので、クラウドサーバ50は、ファイルサーバ20を宛先として、生成したテキストデータを送信することができない。従って、ファイルサーバ20にテキストデータを保存するために、複合機10は、クラウドサーバ50で生成されたテキストデータをクラウドサーバ50からダウンロードする。そして複合機10は、ダウンロードしたテキストデータをファイルサーバ20に転送する。
【0032】
複合機10は、スキャンデータをクラウドサーバ50に転送すると、テキストデータの生成が完了したかどうか、クラウドサーバ50へポーリングする。クラウドサーバ50は、テキストデータの生成が完了すると、複合機10からのポーリングに対して、テキストデータの生成が完了した旨を複合機10へ応答する。
【0033】
このような構成を有する画像処理システム1において、複合機10とクラウドサーバ50とは、それぞれ独自に処理に関するログを保持している。本実施形態では、処理に関するログのことをジョブログとも称する。
【0034】
複合機10は、文書データのスキャンからテキストデータのファイルサーバ20への送信までの一連の処理に関するジョブログを、同一のジョブIDを付して記録している。また、クラウドサーバ50は、複合機10からのスキャンデータの受信からテキストデータの変換までの一連の処理に関するジョブログを、同一の統合ジョブIDを付して記録している。
【0035】
複合機10とクラウドサーバ50とがそれぞれ独自にジョブログを保持していると、処理結果を確認する際に、複合機10とクラウドサーバ50とからジョブログを取得した上で、それぞれのジョブログを突き合わせる必要があり、手間が掛かる。
【0036】
クラウドサーバ50は複数の複合機10からの依頼を受けて処理を実行するため、クラウドサーバ50が保持するジョブログの量は、1台の複合機10が保持するジョブログの量より遥かに多くなる。そのため、複合機10の処理に対応するクラウドサーバ50のジョブログを探し出すのも手間が掛かる。
【0037】
本実施形態に係る画像処理システム1は、複合機10とクラウドサーバ50との双方からジョブログを取得する場合と比較して処理結果を容易に確認可能とするものである。具体的には、複合機10又はクラウドサーバ50は、複合機10とクラウドサーバ50とでそれぞれ記録されたジョブログを統合して保持する。ジョブログを統合する処理は、複合機10が実行してもよく、クラウドサーバ50が実行してもよい。以下の説明では、ジョブログを統合する処理の一例としてクラウドサーバ50がジョブログを統合する処理を説明する。
【0038】
次に、複合機10のハードウェア構成を説明する。
【0039】
図2は、複合機10のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0040】
図2に示すように、複合機10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、ストレージ14、入力部15、表示部16及び通信インタフェース(I/F)17を有する。各構成は、バス19を介して相互に通信可能に接続されている。
【0041】
CPU11は、本発明の第1プロセッサの一例である。CPU11は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU11は、ROM12またはストレージ14からプログラムを読み出し、RAM13を作業領域としてプログラムを実行する。CPU11は、ROM12またはストレージ14に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御および各種の演算処理を行う。本実施形態では、ROM12またはストレージ14には、ジョブログに関する処理を実行するコンピュータプログラムが格納されている。
【0042】
ROM12は、各種プログラムおよび各種データを格納する。RAM13は、作業領域として一時的にプログラムまたはデータを記憶する。ストレージ14は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)またはフラッシュメモリ等の記憶装置により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、および各種データを格納する。
【0043】
入力部15は、マウス等のポインティングデバイス、およびキーボードを含み、各種の入力を行うために使用される。
【0044】
表示部16は、たとえば、液晶ディスプレイであり、各種の情報を表示する。表示部16は、タッチパネル方式を採用して、入力部15として機能しても良い。
【0045】
通信インタフェース17は、ファイルサーバ20、クラウドサーバ50等の他の機器と通信するためのインタフェースであり、たとえば、イーサネット(登録商標)、FDDI、Wi-Fi(登録商標)等の規格が用いられる。
【0046】
上記のコンピュータプログラムを実行する際に、複合機10は、上記のハードウェア資源を用いて、各種の機能を実現する。
【0047】
次に、複合機10の機能構成について説明する。
【0048】
図3は、複合機10の機能構成の例を示すブロック図である。
【0049】
図3に示すように、複合機10は、機能構成として、画像処理部101、通信部102、ログ処理部103および記憶部104を有する。各機能構成は、CPU11がROM12またはストレージ14に記憶されたコンピュータプログラムを読み出し、実行することにより実現される。
【0050】
画像処理部101は、複合機10が有する機能として種々の画像処理を実行する。本実施形態では、画像処理部101は、文書を光学的に読み取ってスキャンデータを生成する画像処理を実行する。
【0051】
通信部102は、他の装置との間の通信処理を行う。詳細には、通信部102は、画像処理部101が生成したスキャンデータのクラウドサーバ50への送信、クラウドサーバ50で生成されたテキストデータの受信、テキストデータへのファイルサーバ20への送信、等を行う。
【0052】
ログ処理部103は、画像処理部101が実行する画像処理及び通信部102が実行する通信処理に係るジョブログに関する処理を実行する。ログ処理部103は、画像処理部101が実行する画像処理及び通信部102が実行する通信処理についての詳細をジョブログとして記録し、記録したジョブログを記憶部104に記憶させる。ジョブログとして記録される内容は、一連の処理を識別するジョブID、処理の実行日時、処理内容(例えば、スキャンしたページ数、データの送信先の装置名又はIPアドレス)、処理結果(正常終了又は失敗終了)が含まれる。
【0053】
ログ処理部103は、画像処理の一部をクラウドサーバ50に実行させる場合、クラウドサーバ50で当該画像処理の実行のために生成された統合ジョブIDと、当該画像処理について生成したジョブIDとを紐付けておく。ジョブIDに紐付けられた統合ジョブIDの情報は、ジョブログの中に記録されてもよく、ジョブログと関連して記録されてもよい。
【0054】
記憶部104は、種々の情報を記憶する。本実施形態では、記憶部104は、ログ処理部103によって記録されたジョブログを記憶する。
【0055】
次に、クラウドサーバ50のハードウェア構成を説明する。
【0056】
図4は、クラウドサーバ50のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0057】
図4に示すように、クラウドサーバ50は、CPU51、ROM52、RAM53、ストレージ54、入力部55、表示部56及び通信インタフェース(I/F)57を有する。各構成は、バス59を介して相互に通信可能に接続されている。
【0058】
CPU51は、本発明の第2プロセッサの一例である。CPU51は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU51は、ROM52またはストレージ54からプログラムを読み出し、RAM53を作業領域としてプログラムを実行する。CPU51は、ROM52またはストレージ54に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御および各種の演算処理を行う。本実施形態では、ROM52またはストレージ54には、ジョブログに関する処理を実行するコンピュータプログラムが格納されている。
【0059】
ROM52は、各種プログラムおよび各種データを格納する。RAM53は、作業領域として一時的にプログラムまたはデータを記憶する。ストレージ54は、HDD、SSDまたはフラッシュメモリ等の記憶装置により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、および各種データを格納する。
【0060】
入力部55は、マウス等のポインティングデバイス、およびキーボードを含み、各種の入力を行うために使用される。
【0061】
表示部56は、たとえば、液晶ディスプレイであり、各種の情報を表示する。表示部56は、タッチパネル方式を採用して、入力部15として機能しても良い。
【0062】
通信インタフェース57は、複合機10等の他の機器と通信するためのインタフェースであり、たとえば、イーサネット(登録商標)、FDDI、Wi-Fi(登録商標)等の規格が用いられる。
【0063】
上記のコンピュータプログラムを実行する際に、クラウドサーバ50は、上記のハードウェア資源を用いて、各種の機能を実現する。
【0064】
次に、クラウドサーバ50の機能構成について説明する。
【0065】
図5は、クラウドサーバ50の機能構成の例を示すブロック図である。
【0066】
図5に示すように、クラウドサーバ50は、機能構成として、画像処理部501、通信部502、ログ処理部503および記憶部504を有する。各機能構成は、CPU51がROM52またはストレージ54に記憶されたコンピュータプログラムを読み出し、実行することにより実現される。
【0067】
画像処理部501は、複合機10から送信されたデータに対する画像処理を実行する。本実施形態では、画像処理部501は、複合機10において生成されたスキャンデータに対するOCR処理を実行して、スキャンデータからテキストデータを生成する。
【0068】
通信部502は、他の装置との間の通信処理を行う。詳細には、通信部502は、画像処理部501が生成したテキストデータの、スキャンデータを送信した複合機10への送信等を行う。なお、複合機10とクラウドサーバ50との間にはファイアウォール40が設けられているため、クラウドサーバ50から複合機10へのテキストデータの送信は、複合機10がクラウドサーバ50からテキストデータをダウンロードするという形態で行われる。
【0069】
ログ処理部503は、画像処理部501が実行する画像処理及び通信部502が実行する通信処理に係るジョブログに関する処理を実行する。ログ処理部503は、画像処理部501が実行する画像処理及び通信部502が実行する通信処理についての詳細をジョブログとして記録し、記録したジョブログを記憶部504に記憶させる。ジョブログとして記録される内容は、一連の処理を識別する統合ジョブID、処理の実行日時、処理内容(例えば、変換が完了したページ数、データの送信先の装置名又はIPアドレス)、処理結果(正常終了又は失敗終了)が含まれる。
【0070】
ログ処理部503は、画像処理の一部の実行を複合機10から依頼された場合、クラウドサーバ50で当該画像処理の実行のために統合ジョブIDを生成し、生成した統合ジョブIDを依頼元の複合機10に通知する。
【0071】
そしてログ処理部503は、複合機10から送信されたジョブログを、ログ処理部503が生成したジョブログと統合する。統合する際には、ログ処理部503が生成したジョブログと、当該ジョブログの統合ジョブIDと紐付けられたジョブIDの、複合機10から送信されたジョブログとを統合する。
【0072】
記憶部504は、種々の情報を記憶する。本実施形態では、記憶部504は、ログ処理部503によって記録されたジョブログを記憶する。
【0073】
次に、画像処理システム1の作用について説明する。
【0074】
図6は、画像処理システム1による画像処理の流れを示すシーケンス図である。複合機10においてはCPU11がROM12又はストレージ14からコンピュータプログラムを読み出して、RAM13に展開して実行することにより、またクラウドサーバ50においてはCPU51がROM52又はストレージ54からコンピュータプログラムを読み出して、RAM13に展開して実行することにより、画像処理が行なわれる。図6に示したシーケンス図で行われる画像処理は、文書データをスキャンし、スキャンデータをテキストデータに変換する処理である。
【0075】
複合機10は、ユーザから文書データのスキャンを指示されると、ステップS101においてジョブIDの生成を行う。
【0076】
ステップS101に続いて、複合機10は、ステップS102において、文書データのスキャンを行う。複合機10は、文書データのスキャンに係るジョブログを記録する。
【0077】
ステップS102に続いて、複合機10は、ステップS103において、文書データのスキャンにより生成されたスキャンデータと、ステップS101で生成したジョブIDとをクラウドサーバ50に送信し、スキャンデータからテキストデータへの変換を依頼する。
【0078】
クラウドサーバ50は、ステップS104において統合ジョブIDを生成する。
【0079】
ステップS104に続いて、クラウドサーバ50は、ステップS105において、ステップS104で生成した統合ジョブIDを複合機10に通知する。
【0080】
複合機10は、ステップS106において、ステップS101で生成したジョブIDと、ステップS105で通知された統合ジョブIDとを紐付け、文書データのスキャンについてのジョブログを記録する。また、クラウドサーバ50は、ステップS107において、複合機10から送信されたスキャンデータに対して画像処理を実行し、テキストデータを生成する。複合機10は、ステップS108において、クラウドサーバ50で画像処理が完了したことを確認するため、クラウドサーバ50に対して定期的なポーリングを行う。
【0081】
クラウドサーバ50は、ステップS109において画像処理を完了すると、続いて、ステップS110において、画像処理に係るジョブログを、ステップS104で生成した統合ジョブIDを付して記録する。
【0082】
複合機10は、ステップS111において、クラウドサーバ50が生成したテキストデータを受信する。ステップS111に続いて、複合機10は、ステップS112において、クラウドサーバ50からの受信結果を、ステップS101で生成したジョブIDを付してジョブログに記録する。
【0083】
ステップS112に続いて、複合機10は、ステップS113において、クラウドサーバ50から受信したテキストデータをファイルサーバ20へ転送する。
【0084】
ファイルサーバ20は、複合機10からテキストデータを受信すると、ステップS114において、複合機10からの転送結果を複合機10に送信する。
【0085】
複合機10は、ステップS115において、テキストデータのファイルサーバ20への転送結果を、ステップS101で生成したジョブIDを付してジョブログを記録する。
【0086】
ステップS115に続いて、複合機10は、ステップS116において、一連の処理で記録したジョブログを、クラウドサーバ50へ送信する。
【0087】
クラウドサーバ50は、複合機10からジョブログを受信すると、ステップS117において、受信したジョブログと、ステップS110で記録したジョブログとをマージ(統合)して記録する。クラウドサーバ50は、複合機10のジョブログとクラウドサーバ50のジョブログとをマージする際には、複合機10でのジョブIDと統合ジョブIDとの紐付けの結果を用いる。
【0088】
複合機10及びクラウドサーバ50は、図6に示した一連の処理を実行することで、複合機10とクラウドサーバ50との双方からジョブログを取得して、ジョブロブを突き合わせる場合と比較して、処理結果を容易に確認することが可能となる。
【0089】
図6に示した一連の処理では、クラウドサーバ50が複合機10からジョブログを取得し、クラウドサーバ50がジョブログを統合していたが、本発明は係る例に限定されない。
【0090】
例えば、複合機10がステップS111において、クラウドサーバ50が生成したテキストデータを受信する際に、クラウドサーバ50からジョブログを取得し、ステップS115のジョブログの記録の後に、複合機10のジョブログとクラウドサーバ50のジョブログとを統合してもよい。
【0091】
また例えば、ユーザがジョブログを参照する時点で複合機10又はクラウドサーバ50がジョブログを統合してもよい。例えば、複合機10がユーザからジョブログの参照を要求されたタイミングで、複合機10がクラウドサーバ50へジョブログを送信し、クラウドサーバ50がジョブログを統合し、統合したジョブログを複合機10がクラウドサーバ50からダウンロードしてもよい。この場合、クラウドサーバ50は、ジョブログの統合に続き、複合機10で出力するための可視化情報への変換を行い、複合機10は、クラウドサーバ50から可視化情報のダウンロードを行ってもよい。可視化情報は、例えば画像データ、PDFデータ等でありうる。なお、ジョブログの参照の要求は、LAN30に接続されたパーソナルコンピュータ等の装置により行われてもよい。
【0092】
また例えば、複合機10がユーザからジョブログの参照を要求されたタイミングで、複合機10がクラウドサーバ50へジョブログの送信を要求し、クラウドサーバ50からダウンロードしたジョブログを複合機10のジョブログと統合してもよい。
【0093】
また例えば、クラウドサーバ50からのループバック時に複合機10がクラウドサーバ50からジョブログを取得してもよい。
【0094】
また例えば、複合機10がクラウドサーバ50へスキャンデータを送信するタイミング、及びテキストデータのファイルサーバ20への転送が完了したタイミングで複合機10がクラウドサーバ50にジョブログを送信し、クラウドサーバ50がジョブログを統合してもよい。
【0095】
なお、上記各実施形態でCPUがソフトウェア(プログラム)を読み込んで実行した画像処理を、CPU以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、画像処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
【0096】
また、上記各実施形態では、画像処理のプログラムがROMまたはストレージに予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。プログラムは、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の非一時的(non-transitory)記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【0097】
上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0098】
また上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【符号の説明】
【0099】
1 画像処理システム
10 複合機
20 ファイルサーバ
30 LAN
40 ファイアウォール
50 クラウドサーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6