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  • 特開-模型玩具、及び可動構造体 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025132
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】模型玩具、及び可動構造体
(51)【国際特許分類】
   A63H 3/46 20060101AFI20240216BHJP
【FI】
A63H3/46 B
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022128335
(22)【出願日】2022-08-10
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-03-20
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 大介
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150AA05
2C150CA01
2C150EH07
2C150EH08
(57)【要約】
【課題】本発明は、可動構造体や模型玩具において、新規な仕組みを提供する。
【解決手段】可動構造体は、円筒形状の軸を有する受け部と、軸に対して回動可能に接続する第1接続部を有する可動部材とを備える。受け部又は可動部材には、第1接続部の回動方向に沿って設けられる摺動部が形成されている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動構造体であって、
円筒形状の軸を有する受け部と、
前記軸に対して回動可能に接続する第1接続部を有する可動部材とを備え、
前記受け部又は前記可動部材には、前記第1接続部の回動方向に沿って設けられる摺動部が形成されている可動構造体。
【請求項2】
前記摺動部は前記可動部材に設けられ、
前記受け部は、前記摺動部に沿って挿入される挿入部が形成されている請求項1に記載の可動構造体。
【請求項3】
前記第1接続部はC字形状で形成され、前記C字形状の開口部から前記軸を受け入れて該軸を把持する請求項2に記載の可動構造体。
【請求項4】
前記摺動部は、前記C字形状の先端に位置する2つの端縁部の少なくとも一方の外側に形成されている請求項3に記載の可動構造体。
【請求項5】
前記可動部材は、前記第1接続部を前記受け部の前記軸に接続した後に、前記軸を中心に所定量ほど回転させた位置を基準に回動可能に前記受け部に連結される請求項1乃至4の何れか1項に記載の可動構造体。
【請求項6】
前記受け部は、第1パーツ及び第2パーツを含み、
前記挿入部は、前記第1パーツ及び前記第2パーツの少なくとも一方に形成されている請求項2に記載の可動構造体。
【請求項7】
前記第1パーツ及び前記第2パーツが組み付けられることにより、前記軸が形成され、
前記第1パーツ及び前記第2パーツのそれぞれの外側から、前記軸の内部に向けて形成された2つの穴を有し、
前記2つの穴に嵌め込まれて他のパーツが連結される請求項6に記載の可動構造体。
【請求項8】
前記2つの端縁部のそれぞれの内側には凸形状の乗り越え部が形成され、
それぞれの前記乗り越え部の間の距離は、前記軸の幅よりも短い請求項4に記載の可動構造体。
【請求項9】
前記第1接続部は弾性の部材で形成され、前記軸への接続時と、前記軸に対する回動時とに生じる圧力に応じて撓む請求項1に記載の可動構造体。
【請求項10】
前記軸の外周面の一部には、円周に沿って凹部が形成され、
前記第1接続部の内壁には、前記凹部に嵌め込まれる凸部が形成される請求項1に記載の可動構造体。
【請求項11】
前記可動部材は、他のパーツを回動可能に接続する球形状の第2接続部をさらに有する請求項1に記載の可動構造体。
【請求項12】
模型玩具であって、
円筒形状の軸を有する受け部と、
前記軸に対して回動可能に接続する第1接続部を有する可動部材とを備え、
前記受け部又は前記可動部材には、前記第1接続部の回動方向に沿って設けられる摺動部が形成されている模型玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、模型玩具、及び可動構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
人形型玩具(模型玩具)においては、自然な動作や多彩なポージングを実現することが求められている。したがって、人間や動物に近い動作やポージングを実現すべく、人形型玩具には種々の関節や可動部が含まれるものである。特許文献1には、花弁部材によるソケットにボールを回動可能に連結する組立システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表平11-501556号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術では、ボールとソケットとが嵌合して連結され、ボールがソケットに対して弾性的に係止されている。しかし、可動構造におけるこれらの軸部材及び受け部は、可動によって生じる引力によって脱落する可能性がある。したがって、これらの部材の脱落を防止するために、受け入れ側の凹部をより狭く形成し、嵌合する力を高めることが考えられる。一方、嵌合する力を高めると、組み付け時に挿入しづらいなどの問題も生じてしまう。
【0005】
本発明は、可動構造体や模型玩具において、新規な仕組みを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、例えば、可動構造体であって、円筒形状の軸を有する受け部と、前記軸に対して回動可能に接続する第1接続部を有する可動部材とを備え、前記受け部又は前記可動部材には、前記第1接続部の回動方向に沿って設けられる摺動部が形成されている。
【0007】
また、本発明は、例えば、模型玩具であって、円筒形状の軸を有する受け部と、前記軸に対して回動可能に接続する第1接続部を有する可動部材とを備え、前記受け部又は前記可動部材には、前記第1接続部の回動方向に沿って設けられる摺動部が形成されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、可動構造体や模型玩具において、新規な仕組みを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態に係る模型玩具の(a)正面図、(b)側面図。
図2】一実施形態に係る模型玩具の腕部の組立構成を示す図。
図3】一実施形態に係る可動部材の構成を示す図。
図4】一実施形態に係る受け部の構成を示す図。
図5】一実施形態に係る可動部材の(a)組み付け、(b)可動範囲を示す図。
図6】一実施形態に係る腕部の組み付け手順を示す図。
図7】一実施形態に係る組み付け後の腕部を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴うち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0011】
<模型玩具の外観>
まず図1を参照して、本実施形態に係る模型玩具100の外観構成の一例について説明する。図1(a)は模型玩具100の外観正面を示し、図1(b)は模型玩具100の外観側面を示す。なお、上下、左右、前後の矢印については図における模型玩具の向きを示し、他の図面についても同様である。
【0012】
模型玩具100は、本体部を構成する頭部101、胴体部102、腕部103、脚部104、及び装飾部105を備える。本実施形態では模型玩具の一例として人型ロボットを例に説明するが、本発明を限定する意図はなく、本発明は人、動物、ロボット、昆虫、恐竜、武具、装飾具等、様々な模型に適用することができる。頭部101は、胴体部102に連結される。胴体部102には、さらに側部において右腕部103b及び左腕部103aが球形状の連結部材によって連結され、下部において右脚部104b及び左脚部104aが連結される。つまり、左腕部103a及び右腕部103bは、胴体部102に対して、他のパーツとの空間制限の範囲内で全方向へ回動可能に取り付けられる。このような構成をボールジョイントと称する。
【0013】
また、図示するように、右腕部103bには装飾部105が組み付けられている。不図示ではあるが、左腕部103aについても、肩部分に設けられた穴に接続することによって装飾部等の他のパーツを組み付けることができる。なお、肩部分に設けられる穴の詳細については後述する。
【0014】
<腕部の組立構成>
次に図2を参照して、本実施形態に係る模型玩具100の腕部103の組立構成について説明する。図2(a)は模型玩具100から左腕部103aを外した様子を示す。図2(b)は左腕部の分解斜視図を示す。ここでは、左腕部103aの構成について説明する。なお、右腕部103bの構成も左腕部103aと同様であるため説明は省略する。
【0015】
図2(a)に示すように、左腕部103aは、可動部材201の球形状の第2接続部によって胴体部102へ連結される。また、可動部材201の一端にはC字形状に形成された第1接続部が設けられ、当該連結部は左腕部103aに連結される。したがって、左腕部103aは胴体部102に対して、第2接続部によって他の部材の制限の範囲内で全方向に回動可能に連結され、且つ、第1接続部によって上下方向に回転可能に連結される。
【0016】
図2(b)に示すように、左腕部103aは、肩関節、上腕部203、及び前腕部204によって構成される。肩関節は、肩関節の可動部材201、及び肩パーツ202a、202b、202cを含んで構成される。これらのパーツの組立構成としては、肩パーツ202a、202bが組み付けられ、それらに対して肩パーツ202cが組み付けられる。組付けられた肩パーツ202の下部に形成された棒部材が上腕部203に嵌め込まれ、さらに、上腕部203が前腕部204に嵌め込まれる。
【0017】
また、肩パーツ202に対して可動部材201の第1接続部が嵌め込まれ、左腕部103aの組立が完成する。当該左腕部103aは、可動部材の第2接続部が胴体部102の部材に嵌め込まれることにより、胴体部102に対して回動可能に連結される。なお、可動部材201の組み付け順序としては、胴体部102に先に組み付けられ、その後に肩パーツ202を含む左腕部103aに対して組み付けられてもよい。
【0018】
<可動部材の構成>
次に、図3を参照して、本実施形態に係る可動部材201の詳細構成について説明する。図3(a)は可動部材201の斜視図を示す。図3(b)は可動部材201の側面図を示す。
【0019】
可動部材201は、第1接続部301、棒部302、第2接続部303、及びレール部305を備える。第1接続部301は、棒部302の一端にC字形状で形成され、後述する肩パーツ(受け部)202の軸401に対して回動可能に接続される。一方、第2接続部303は、棒部302の他端に球形状で形成され、胴体部102のパーツに対して回動可能に接続される。なお、第2接続部303を球形状の接続部として限定する意図はなく、他の形状の接続部であってもよい。例えば、第2接続部は、第1接続部301と同様にC字形状で形成されてもよいし、リング形状やその他の形状で形成されてもよい。
【0020】
また、第1接続部301は、C字形状の先端に位置する2つの端縁部304a、304bを備える。端縁部304a、304bはC字形状の開口部の付近に位置するものである。2つの端縁部の間の距離は、肩パーツ202の軸401の幅よりも狭く形成される。また、端縁部304a、304bの内側には、307の点線領域に示すように、凸形状の乗り越え部が形成される。つまり、軸401に対して可動部材201を接続する際の乗り越え部として機能し、肩パーツ202からの脱落を防止する。したがって、可動部材201のうち少なくとも第1接続部301は、弾性の部材を用いて、軸401への接続時や回動時に生じる圧力に応じて撓むように形成される。
【0021】
また、第1接続部301の外側には、C字形状の第1接続部301の外形の一部に沿ってレール部305が形成される。本実施形態では、レール部305は、C字形状の下側の端縁部304bの外側に設けられる形態を説明するが、本発明を限定する意図はなく、例えば、代替的に又は追加的に、端縁部304aの外側に形成されてもよい。レール部305は、第1接続部301が肩パーツ202から脱落することを防ぐものであり肩パーツ202aに形成された挿入部402を受け容れる溝として形成される。なお、レール部305は、第1接続部301の回動方向に沿って設けられる摺動部の一例であり、挿入部402を摺動可能に保持できるものであれば形状は特に限定されるものではない。挿入部402がレール部305の奥まで挿入されることにより、可動部材201が肩パーツ202から容易に脱落しない構成となっている。なお、レール部305と挿入部402とは逆に設けられてもよい。即ち、レール部305が肩パーツ202に設けられ、挿入部402が可動部材201に設けられてもよい。
【0022】
さらに、第1接続部301には、その内壁に凸部306が形成される。凸部306は、軸401に形成された凹部406に嵌め込まれる。このように凸部306が凹部406に嵌め込まれることにより、可動部材201の前後方向への脱落を防止することができる。なお、凹部406は軸401の外周面の一部の円周に沿って形成され、凸部306はその形状に合わせて形成されている。したがって、可動部材201が軸401に対して回動する際に凸部306が凹部406に沿って回動するため、可動部材201の回動を阻害しない。
【0023】
<受け部の構成>
次に、図4を参照して、本実施形態に係る受け部である肩パーツ202の詳細構成ついて説明する。図4(a)は肩パーツ202aの側面図を示す、図4(b)は肩パーツ202bの側面図を示す。図4(c)は肩パーツ202の斜視図を示す。
【0024】
図4(a)に示すように、背面側の肩パーツ202aは、軸部401a及び挿入部402を含んで形成される。また、図4(b)に示すように、正面側の肩パーツ202bは、軸部401b及び棒部403を含んで形成される。軸部401a、401bが接続されると、軸401を形成する。胴体部102は、上腕部203に回転可能に嵌め込まれる。
【0025】
挿入部402は、レール部305に挿入される部材である。ここでは、挿入部402が片側の肩パーツ202aにのみ形成される例について説明するが、挿入部402を肩パーツ202bに設け、可動部材201の肩パーツ202b側にレール部305を設け、挿入部402およびレール部305が両側に形成されるようにしてもよい。これにより、可動部材201が肩パーツ202から脱落することを防止する機能を向上させることができる。その場合において、可動部材201に形成されるレール部305の幅も、両側に設けられた挿入部を受け容れることが可能な広さに規定する必要がある。
【0026】
図4(c)は肩パーツ202a、202b、202cを組み付けた状態を示す。肩パーツ202a、202bを組み付けると、軸部401a、401bが接続されて、軸401が形成される。軸401は、円筒形状で形成され、その一部には凹部406が形成される。上述したように、凹部406には、可動部材201に形成された凸部306が回動可能に嵌め込まれる。図4(c)に示すように、挿入部402は、肩パーツ202の片側(背面側)に設けられる。しかしながら、上述したように、挿入部402は他方の片側(正面側)に設けられてもよいし、両側に設けられてもよい。なお、本実施形態では、軸401を構成する軸部401a、401bは異なる直径の軸としているが、同じ直径としてもよい。ただし、挿入部402を肩パーツ202の片側のみに設ける場合には、図4(c)に示すように、挿入部402と隣接する軸部401aの直径を軸部401bの直径より小さく形成することで、省スペース化を図ることができる。
【0027】
また、407a、407bに示すように、軸401の外側には他のパーツを接続するための穴が形成される。穴407a、407bは、肩パーツ202a、202bの外側から軸401の内部に向けて形成されており、他のパーツの棒部を受け容れることが可能となっている。なお、本実施形態では軸401に合わせて穴407a、407bを設けているが、本発明を限定する意図はなく、例えば、肩パーツ202の他の位置に設けてもよい。
【0028】
<組み付け手順>
次に、図5を参照して、本実施形態に係る可動部材201を肩パーツ202に対して組み付ける手順を説明する。
【0029】
図5(a)に示すように、組み立てられた肩パーツ202に対して、可動部材201を矢印方向に沿って組み付ける。この際、C字形状の第1接続部301及びレール部305が、それぞれ軸401及び挿入部402に嵌め込まれるように位置調整して組み付けられる。ここでは挿入部402の形状に合わせて、斜め上方から挿入される。
【0030】
図5(b)は肩関節の断面図を示す。図5(b)に示すように、可動部材201は、軸401を中心に点線矢印の方向に回動可能に肩パーツ202に接続される。また、可動部材201が肩パーツ202に対して回動することにより、挿入部402がレール部305の奥まで進入し、可動部材201の脱落を防止する機能を高めることができる。言い換えれば、可動部材201が肩パーツ201に連結された位置においては、脱落する可能性はあるものの、当該位置から挿入部402がレール部305の奥に進入するように回動することにより、脱落の可能性を低減することができる。
【0031】
<腕部の組み付け>
図6及び図7を参照して、左腕部103aの胴体部102への組み付けについて説明する。図6及び図7は、模型玩具100の上半身を示し、肩関節の部分のみ内部構造が分かるようにその断面を示す。ここでは、まず胴体部102に対して可動部材201が組み付けられ、その後に腕部103が組み付けられる手順で説明する。
【0032】
図6(a)に示すように、胴体部102に対して可動部材201の球形状の第2接続部303が回動可能に接続される。その後、左腕部103aの軸401と、挿入部402とが、斜め上方から可動部材201の第1接続部301、及びレール部305の位置に合わせて挿入され、連結される。つまり、図6(a)に示すように、左腕部103aを模型玩具100の上方向に挙げた状態で組み付ける。
【0033】
その後、図6(b)に示すように、左腕部103aが軸401を中心に下方向(点線矢印の方向)に回動し、通常位置に移動する。なお、この動作については、左腕部103aを可動部材201に組み付けた後に、その重さにより自然に生じることとなる。一方、可動部材201の肩パーツ202への接続部に関して、軸401の外周を大きめに調整するなどして嵌合の強度を上げ、左腕部103aの重さにより自然に通常位置へ移動しないように構成してもよい。この場合においては、左腕部103aが通常位置へ移動するために所定の力を加える必要がある。
【0034】
図7は左腕部103aが胴体部102へ組み付けられた後に、通常位置に移動した状態を示す。点線領域701を拡大した図を点線領域702に示す。図示するように、左腕部103aが通常位置に移動すると、挿入部402がレール部305の奥まで進入する。この状態において、実線矢印の方向に力を加えると、点線領域703に示す部分において、挿入部402が第1接続部301の外壁となる、レール部305の内壁に引っ掛かり、左腕部103aの抜けを防止することができる。
【0035】
以上説明したように、本実施形態に係る可動構造体は、円筒形状の軸を有する受け部と、軸に対して回動可能に接続する第1接続部を有する可動部材とを備え、受け部又は可動部材には、第1接続部の外形の一部に沿って設けられるレール部が形成されている。このように、本実施形態によれば、可動構造体や模型玩具において、新規な仕組みを提供することができる。より詳細には、可動構造体や模型玩具において、容易に組み付け可能であるとともに、パーツ間の脱落(抜け)を好適に低減することができる。
【0036】
<変形例>
本発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。例えば模型玩具の形状は、特に限定されるものではなく、人、動物、ロボット、昆虫、恐竜等、様々な形状を含むものである。
【0037】
また、上記実施形態によれば、レール部305を可動部材201の端縁部304bの外側に形成する例について説明した。しかし、レール部は、端縁部304aの外側に、代替的に又は追加的に形成されてもよいし、肩パーツ202側に形成されてもよい。肩パーツ202側にレール部を設ける場合は、可動部材側に挿入部が形成される。
【0038】
<実施形態のまとめ>
上記実施形態は以下の可動構造体、及び模型玩具を少なくとも開示する。
【0039】
(1)可動構造体であって、
円筒形状の軸を有する受け部と、
前記軸に対して回動可能に接続する第1接続部を有する可動部材とを備え、
前記受け部又は前記可動部材には、前記第1接続部の回動方向に沿って設けられる摺動部が形成されている可動構造体。
【0040】
(2)前記摺動部は前記可動部材に設けられ、
前記受け部は、前記摺動部に沿って挿入される挿入部が形成されている(1)に記載の可動構造体。
【0041】
(3)前記第1接続部はC字形状で形成され、前記C字形状の開口部から前記軸を受け入れて該軸を把持する(1)または(2)に記載の可動構造体。
【0042】
(4)前記摺動部は、前記C字形状の先端に位置する2つの端縁部の少なくとも一方の外側に形成されている(3)に記載の可動構造体。
【0043】
(5)前記可動部材は、前記第1接続部を前記受け部の前記軸に接続した後に、前記軸を中心に所定量ほど回転させた位置を基準に回動可能に前記受け部に連結される(1)乃至(4)の何れか1つに記載の可動構造体。
【0044】
(6)前記受け部は、第1パーツ及び第2パーツを含み、
前記第1パーツ及び前記第2パーツの少なくとも一方には、挿入部が形成されている(2)乃至(5)の何れか1つに記載の可動構造体。
【0045】
(7)前記受け部は、第1パーツ及び第2パーツを含み、前記第1パーツ及び前記第2パーツが組み付けられることにより、前記軸が形成され、
前記第1パーツ及び前記第2パーツのそれぞれの外側から、前記軸の内部に向けて形成された2つの穴を有し、
前記2つの穴に嵌め込まれて他のパーツが連結される(2)乃至(5)の何れか1つに記載の可動構造体。
【0046】
(8)前記2つの端縁部のそれぞれの内側には凸形状の乗り越え部が形成され、
それぞれの前記乗り越え部の間の距離は、前記軸の幅よりも短い(4)に記載の可動構造体。
【0047】
(9)前記第1接続部は弾性の部材で形成され、前記軸への接続時と、前記軸に対する回動時とに生じる圧力に応じて撓む(1)乃至(8)の何れか1つに記載の可動構造体。
【0048】
(10)前記軸の外周面の一部には、円周に沿って凹部が形成され、
前記第1接続部の内壁には、前記凹部に嵌め込まれる凸部が形成される(1)乃至(9)の何れか1つに記載の可動構造体。
【0049】
(11)前記可動部材は、他のパーツを回動可能に接続する球形状の第2接続部をさらに有する(1)乃至(10)の何れか1つに記載の可動構造体。
【0050】
(12)模型玩具であって、
円筒形状の軸を有する受け部と、
前記軸に対して回動可能に接続する第1接続部を有する可動部材とを備え、
前記受け部又は前記可動部材には、前記第1接続部の回動方向に沿って設けられる摺動部が形成されている模型玩具。
【0051】
(13)(1)乃至(11)の何れか1つに記載の可動構造体を備える模型玩具。
【符号の説明】
【0052】
100:模型玩具、101:頭部、102:胴体部、103a、103b:腕部、104a、104b:脚部、105:装飾部、201:可動部材、202:肩パーツ、203:上腕部、204:前腕部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2022-12-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動構造体であって、
円筒形状の軸を有する受け部と、
前記軸に対して回動可能に接続する第1接続部を有する可動部材とを備え、
前記受け部又は前記可動部材には、前記第1接続部の回動方向に沿って設けられる摺動部が形成され
前記摺動部は、前記可動部材又は前記受け部の何れか一方に設けられ、
前記可動部材又は前記受け部のうち前記摺動部が形成されていない方には、前記摺動部に沿って挿入される挿入部が形成され、
前記第1接続部はC字形状で形成され、前記C字形状の開口部から前記軸を受け入れて該軸を把持する可動構造体。
【請求項2】
前記摺動部は、前記C字形状の先端に位置する2つの端縁部の少なくとも一方の外側に形成されている請求項に記載の可動構造体。
【請求項3】
前記可動部材は、前記第1接続部を前記受け部の前記軸に接続した後に、前記軸を中心に所定量ほど回転させた位置を基準に回動可能に前記受け部に連結される請求項1又は2に記載の可動構造体。
【請求項4】
前記受け部は、第1パーツ及び第2パーツを含み、
前記挿入部は、前記第1パーツ及び前記第2パーツの少なくとも一方に形成されている請求項に記載の可動構造体。
【請求項5】
前記第1パーツ及び前記第2パーツが組み付けられることにより、前記軸が形成され、
前記第1パーツ及び前記第2パーツのそれぞれの外側から、前記軸の内部に向けて形成された2つの穴を有し、
前記2つの穴に嵌め込まれて他のパーツが連結される請求項に記載の可動構造体。
【請求項6】
前記2つの端縁部のそれぞれの内側には凸形状の乗り越え部が形成され、
それぞれの前記乗り越え部の間の距離は、前記軸の幅よりも短い請求項に記載の可動構造体。
【請求項7】
前記第1接続部は弾性の部材で形成され、前記軸への接続時と、前記軸に対する回動時とに生じる圧力に応じて撓む請求項1に記載の可動構造体。
【請求項8】
前記軸の外周面の一部には、円周に沿って凹部が形成され、
前記第1接続部の内壁には、前記凹部に嵌め込まれる凸部が形成される請求項1に記載の可動構造体。
【請求項9】
前記可動部材は、他のパーツを回動可能に接続する球形状の第2接続部をさらに有する請求項1に記載の可動構造体。
【請求項10】
模型玩具であって、
円筒形状の軸を有する受け部と、
前記軸に対して回動可能に接続する第1接続部を有する可動部材とを備え、
前記受け部又は前記可動部材には、前記第1接続部の回動方向に沿って設けられる摺動部が形成され
前記摺動部は、前記可動部材又は前記受け部の何れか一方に設けられ、
前記可動部材又は前記受け部のうち前記摺動部が形成されていない方には、前記摺動部に沿って挿入される挿入部が形成され、
前記第1接続部はC字形状で形成され、前記C字形状の開口部から前記軸を受け入れて該軸を把持する模型玩具。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明は、例えば、可動構造体であって、円筒形状の軸を有する受け部と、前記軸に対して回動可能に接続する第1接続部を有する可動部材とを備え、前記受け部又は前記可動部材には、前記第1接続部の回動方向に沿って設けられる摺動部が形成されている。
また、本発明は、例えば、可動構造体であって、円筒形状の軸を有する受け部と、前記軸に対して回動可能に接続する第1接続部を有する可動部材とを備え、前記受け部又は前記可動部材には、前記第1接続部の回動方向に沿って設けられる摺動部が形成され、前記摺動部は、前記可動部材又は前記受け部の何れか一方に設けられ、前記可動部材又は前記受け部のうち前記摺動部が形成されていない方には、前記摺動部に沿って挿入される挿入部が形成され、前記第1接続部はC字形状で形成され、前記C字形状の開口部から前記軸を受け入れて該軸を把持する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
また、本発明は、例えば、模型玩具であって、円筒形状の軸を有する受け部と、前記軸に対して回動可能に接続する第1接続部を有する可動部材とを備え、前記受け部又は前記可動部材には、前記第1接続部の回動方向に沿って設けられる摺動部が形成されている。
また、本発明は、例えば、模型玩具であって、円筒形状の軸を有する受け部と、前記軸に対して回動可能に接続する第1接続部を有する可動部材とを備え、前記受け部又は前記可動部材には、前記第1接続部の回動方向に沿って設けられる摺動部が形成され、前記摺動部は、前記可動部材又は前記受け部の何れか一方に設けられ、前記可動部材又は前記受け部のうち前記摺動部が形成されていない方には、前記摺動部に沿って挿入される挿入部が形成され、前記第1接続部はC字形状で形成され、前記C字形状の開口部から前記軸を受け入れて該軸を把持する。