(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025134
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】食料品供給計画装置、食料品供給計画方法、及び、食料品供給計画プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240216BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022128337
(22)【出願日】2022-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 昇
(72)【発明者】
【氏名】江草 僚介
(72)【発明者】
【氏名】山下 敦史
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 有子
(72)【発明者】
【氏名】重 有香
(72)【発明者】
【氏名】前田 健太郎
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】生活困窮者に対する食事を支援する飲食店に対する食料品供給拠点からの食料品の提供を、過不足なく適切に行えるように支援する。
【解決手段】食料品供給計画装置40は、個々の食料品供給拠点における食料品の在庫状況を表す在庫情報411と、個々の飲食店における生活困窮者に対する食事の支援状況を表す支援情報412とを取得する取得部41と、支援情報412が示す生活困窮者に対して食事を提供するために必要となる、在庫情報411が示す食料品を、食料品供給拠点から飲食店に供給する条件が、過不足なく食料品を供給するための供給基準421を満たすように、食料品供給拠点から飲食店に対する食料品の供給計画422を生成する生成部42と、供給計画422を、供給計画422が示す食料品供給拠点及び飲食店に提示する提示部43と、を備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
個々の食料品供給拠点における食料品の在庫状況を表す在庫情報と、個々の飲食店における生活困窮者に対する食事の支援状況を表す支援情報とを取得する取得手段と、
前記支援情報が示す生活困窮者に対して食事を提供するために必要となる、前記在庫情報が示す食料品を、食料品供給拠点から飲食店に供給する条件が、過不足なく食料品を供給するための供給基準を満たすように、食料品供給拠点から飲食店に対する食料品の供給計画を生成する生成手段と、
前記供給計画を、前記供給計画が示す食料品供給拠点及び飲食店に提示する提示手段と、
を備える食料品供給計画装置。
【請求項2】
前記在庫情報は、個々の食料品供給拠点の場所を表すとともに、食料品の種別ごとの、在庫量、賞味期限、及び消費期限、の少なくともいずれかを表し、
前記支援情報は、個々の飲食店の場所を表すとともに、食事を提供する対象である生活困窮者の属性及び人数を表し、
前記供給基準は、食料品の賞味期限あるいは消費期限内に生活困窮者に対する食事が提供されること、及び、賞味期限あるいは消費期限が近い食料品ほど優先して食料品供給拠点から飲食店に供給されることを表す、
請求項1に記載の食料品供給計画装置。
【請求項3】
前記生成手段は、食料品供給拠点の場所と飲食店の場所とに基づいて、食料品供給拠点から飲食店に食料品を搬送するのに要する時間を算出する、
請求項2に記載の食料品供給計画装置。
【請求項4】
前記生成手段は、食料品ごとの栄養成分を表す情報から、個々の飲食店において提供される食事の栄養バランスを算出し、
前記供給基準は、前記栄養バランスが生活困窮者の健康を促進するための基準をみたすことを表す、
請求項1または請求項2に記載の食料品供給計画装置。
【請求項5】
前記支援情報は、個々の飲食店において提供される食事の種別を表し、
前記供給基準は、飲食店において提供される種別の食事に使用される食料品が提供されることを表す、
請求項1または請求項2に記載の食料品供給計画装置。
【請求項6】
前記取得手段は、個々の飲食店が所望する食料品の要求を取得し、
前記生成手段は、前記要求に応じた前記供給計画を生成する、
請求項1または請求項2に記載の食料品供給計画装置。
【請求項7】
前記支援情報は、事前に登録されている生活困窮者の顔画像を用いた、飲食店に入店した顧客に対する顔認証が行われた結果を含む、
請求項1または請求項2に記載の食料品供給計画装置。
【請求項8】
前記供給計画が示す食料品の供給に協力した食料品供給拠点に対して報酬を付与する報酬付与手段をさらに備え、
前記取得手段は、前記供給計画の実行状況を表す情報を取得する、
請求項1または請求項2に記載の食料品供給計画装置。
【請求項9】
情報処理装置によって、
個々の食料品供給拠点における食料品の在庫状況を表す在庫情報と、個々の飲食店における生活困窮者に対する食事の支援状況を表す支援情報とを取得し、
前記支援情報が示す生活困窮者に対して食事を提供するために必要となる、前記在庫情報が示す食料品を、食料品供給拠点から飲食店に供給する条件が、過不足なく食料品を供給するための供給基準を満たすように、食料品供給拠点から飲食店に対する食料品の供給計画を生成し、
前記供給計画を、前記供給計画が示す食料品供給拠点及び飲食店に提示する、
食料品供給計画方法。
【請求項10】
個々の食料品供給拠点における食料品の在庫状況を表す在庫情報と、個々の飲食店における生活困窮者に対する食事の支援状況を表す支援情報とを取得する取得処理と、
前記支援情報が示す生活困窮者に対して食事を提供するために必要となる、前記在庫情報が示す食料品を、食料品供給拠点から飲食店に供給する条件が、過不足なく食料品を供給するための供給基準を満たすように、食料品供給拠点から飲食店に対する食料品の供給計画を生成する生成処理と、
前記供給計画を、前記供給計画が示す食料品供給拠点及び飲食店に提示する提示処理と、
をコンピュータに実行させるための食料品供給計画プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食料品供給計画装置、食料品供給計画方法、及び、食料品供給計画プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、SDGs(Sustainable Development Goals)の観点から、フードロスを削減する、あるいは廃棄物を有効活用することなどを実現する技術への期待が高まってきている。
【0003】
上述の技術に関連して、特許文献1には、飲食品の生産・流通・消費過程におけるロスを低減する方法が開示されている。この方法は、飲食品原料を提供または生産する工程を含む。この方法は、提供または生産の過程における飲食品原料の生産・流通・消費情報と、生産・ 流通・消費における規格外品および/または残渣に関する残渣・規格外情報とを収集する工程を含む。この方法は、被提供・消費者におけるニーズ情報を収集する工程を含む。そして、この方法は、生産・流通・消費情報と、該残渣・規格外情報と、ニーズ情報とに基づいて、不足している被提供・消費者に対して、必要な物質を提供する工程であって、必要な物質は飲食品原料または規格外品および/または残渣から提供される工程を含む。
【0004】
また、特許文献2には、事業系一般廃棄物であって、消費期限が到来していない製品を、廃棄対象とせずに、物的支援を必要とする施設に提供できるようにするシステムが開示されている。このシステムは、提供者から被提供者への物品の提供を管理する。このシステムは、物品が被提供者に提供される予定の物品提供予定日と、物品の消費期限日と、物品に関し被提供者が備える消費能力とにより、消費期限日までに被提供者が費消することができる物品の数量を把握する。そして、このシステムは、提供者が被提供者に被提供者が費消可能な数量の物品を提供する。
【0005】
また、特許文献3には、利用者が所望する不要食材を検索できるようにするシステムが開示されている。このシステムは、食材提供者の情報、及び、各食材提供者の食材情報を記憶する。このシステムは、ホームページにアクセスした不要食材を欲する利用者の情報を収集する。このシステムは、利用者が不要食材を所望する食材の種類を入力した場合に、その入力情報と、食材提供者の情報及び食材情報の少なくとも一方のデータとに基づいて、食材提供者を検索する。そして、このシステムは、検索された食材提供者に、情報を入力した利用者の情報とともに検索結果を通知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2021/079999号
【特許文献2】特開2019-008390号公報
【特許文献3】特開2008-165317号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
家庭において虐待を受けている子供、あるいは経済的に困窮している人などを含む生活困窮者が、十分に食事をすることができずに健康を害していることが社会問題となっている。このような社会問題を解決するために、一部の飲食店では、上述した生活困窮者に対する食事を支援する取り組みが行われている。そして、飲食店による上述した取り組みを適切に遂行するために、生活困窮者に対する食事を支援する飲食店に対する食料品供給拠点からの食料品の提供を、過不足なく適切に行えるように支援することが課題である。特許文献1乃至3は、このような課題には特に言及していない。
【0008】
本発明の主たる目的は、生活困窮者に対する食事を支援する飲食店に対する食料品供給拠点からの食料品の提供を、過不足なく適切に行えるように支援することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係る食料品供給計画装置は、個々の食料品供給拠点における食料品の在庫状況を表す在庫情報と、個々の飲食店における生活困窮者に対する食事の支援状況を表す支援情報とを取得する取得手段と、前記支援情報が示す生活困窮者に対して食事を提供するために必要となる、前記在庫情報が示す食料品を、食料品供給拠点から飲食店に供給する条件が、過不足なく食料品を供給するための供給基準を満たすように、食料品供給拠点から飲食店に対する食料品の供給計画を生成する生成手段と、前記供給計画を、前記供給計画が示す食料品供給拠点及び飲食店に提示する提示手段と、を備える。
【0010】
上記目的を達成する他の見地において、本発明の一態様に係る食料品供給計画方法は、情報処理装置によって、個々の食料品供給拠点における食料品の在庫状況を表す在庫情報と、個々の飲食店における生活困窮者に対する食事の支援状況を表す支援情報とを取得し、前記支援情報が示す生活困窮者に対して食事を提供するために必要となる、前記在庫情報が示す食料品を、食料品供給拠点から飲食店に供給する条件が、過不足なく食料品を供給するための供給基準を満たすように、食料品供給拠点から飲食店に対する食料品の供給計画を生成し、前記供給計画を、前記供給計画が示す食料品供給拠点及び飲食店に提示する。
【0011】
また、上記目的を達成する更なる見地において、本発明の一態様に係る食料品供給計画プログラムは、個々の食料品供給拠点における食料品の在庫状況を表す在庫情報と、個々の飲食店における生活困窮者に対する食事の支援状況を表す支援情報とを取得する取得処理と、前記支援情報が示す生活困窮者に対して食事を提供するために必要となる、前記在庫情報が示す食料品を、食料品供給拠点から飲食店に供給する条件が、過不足なく食料品を供給するための供給基準を満たすように、食料品供給拠点から飲食店に対する食料品の供給計画を生成する生成処理と、前記供給計画を、前記供給計画が示す食料品供給拠点及び飲食店に提示する提示処理と、をコンピュータに実行させる。
【0012】
更に、本発明は、係る食料品供給計画プログラム(コンピュータプログラム)が格納された、コンピュータ読み取り可能な、不揮発性の記録媒体によっても実現可能である。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、生活困窮者に対する食事を支援する飲食店に対する食料品供給拠点からの食料品の提供を、過不足なく適切に行えるように支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る食料品供給計画システム1の構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係る在庫情報151のデータを例示する図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係る支援情報152のデータを例示する図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係る供給計画155のデータを例示する図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態に係る食料品供給計画装置10の動作を示すフローチャートである。
【
図6】本発明の第2の実施形態に係る食料品供給計画装置40の構成を示すブロック図である。
【
図7】本発明の第2の実施形態に係る食料品供給計画装置40の動作を示すフローチャートである。
【
図8】本発明の各実施形態に係る食料品供給計画装置を実現可能な情報処理装置900の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る食料品供給計画システム1の構成を示すブロック図である。食料品供給計画システム1は、生活困窮者に対する食事を支援する飲食店に対して、食料品供給拠点から食料品(食材等)を適切に供給するためのサプライチェーンの構築を計画するシステムである。
【0017】
食料品供給計画システム1は、大別して、食料品供給計画装置10、1以上の食料品供給拠点のシステム21、1以上の飲食店のシステム22を有する。食料品供給計画装置10、食料品供給拠点のシステム21、飲食店のシステム22は、通信ネットワーク30を介して通信可能に接続されている。通信ネットワーク30は、例えばインターネットである。
【0018】
食料品供給拠点のシステム21は、食料品供給拠点における食料品の在庫状況等を管理するシステムであり、サーバあるいはパーソナルコンピュータ等の情報処理装置を含む。食料品供給拠点は、例えば、製造業者の製造工場、卸業者の倉庫、小売店等を含み、食料品の在庫を保管して食料品を供給する拠点である。食料品供給拠点が小売店である場合、食料品供給拠点のシステム21は、POS(Point Of Sales)システムを含んでもよい。
【0019】
飲食店のシステム22は、生活困窮者に対する食事を支援する取り組みを行っている飲食店における食事の支援状況を管理するシステムであり、サーバあるいはパーソナルコンピュータ等の情報処理装置を含む。
【0020】
飲食店のシステム22は、顔認証システム220を含む場合がある。顔認証システム220は、例えば飲食店の出入り口等に設置された監視カメラにより撮像された飲食店に入店した顧客の顔画像と、例えば自治体のシステム等に事前に登録されている生活困窮者の顔画像とを照合する。尚、当該自治体のシステムは、通信ネットワーク30を介して、飲食店のシステム22と通信可能に接続されていることとする。この場合、顔認証システム220による上述した照合結果は、その飲食店に生活困窮者が出入りする状況を表すので、その飲食店における生活困窮者に対する食事の支援状況を表している。
【0021】
食料品供給計画装置10は、取得部11、生成部12、提示部13、報酬付与部14、記憶部15を備える。取得部11、生成部12、提示部13、報酬付与部14は、順に、取得手段、生成手段、提示手段、報酬付与手段の一例である。
【0022】
記憶部15は、例えば、
図8を参照して後述するRAM(Random Access Memory)903あるいはハードディスク904のような記憶デバイスである。記憶部15は、在庫情報151、支援情報152、食料品要求情報153、供給基準154、供給計画155、実行状況情報156を記憶している。記憶部15に記憶されたこれらの情報に関しては後述する。
【0023】
取得部11は、食料品供給拠点のシステム21から、個々の食料品供給拠点における食料品の在庫状況を表す在庫情報151を取得する。在庫情報151は、例えば、食料品供給拠点の職員によって食料品供給拠点のシステム21に入力された食料品の在庫状況に関する情報を表す。食料品供給拠点が小売店である場合、在庫情報151は、食料品供給拠点のシステム21に含まれる上述したPOSシステムによって集計された情報を含んでもよい。取得部11は、取得した在庫情報151を記憶部15に格納する。
【0024】
図2は、本実施形態に係る在庫情報151のデータを例示する図である。
図2に例示する在庫情報151のデータは一例であり、在庫情報151は、
図2に例示するデータとは異なるデータ(項目)を含んでもよい。
【0025】
図2に例示する在庫情報151は、食料品供給拠点を識別可能な情報(例えば食料品供給拠点の名称等)と、食料品供給拠点の場所(住所)を示す情報と、食料品供給拠点の種別(製造工場、卸業者の倉庫、小売店等)を表す情報と、食料品供給拠点における在庫の状況を表す情報とを含む。当該在庫の状況は、各食料品に関する、栄養成分、用途(和食用、洋食用、中華用等)、賞味期限あるいは消費期限、数量を含む。数量は、食料品の供給形態に応じて、例えば、個数、容量(例えば液体の場合)、重量等により表される。数量は、また、
図2に例示する通り、食料品の賞味期限あるいは消費期限ごとの数量であってもよい。
【0026】
図2に例示する在庫情報151によれば、食料品供給拠点A1は小売店であり、住所A01に位置し、食料品001及び食料品002等の在庫を所有している。食料品001は栄養成分として成分P1、成分P2を含み、全ての用途で使用され、賞味(消費)期限が2022年8月20日の物に関して150個、賞味(消費)期限が2022年8月23日の物に関して200個の在庫がある。食料品002は栄養成分として成分P3、成分P4を含み、和食用として使用され、賞味(消費)期限が2022年8月1日の物に関して20個、賞味(消費)期限が2022年8月2日の物に関して30個の在庫がある。
【0027】
図2に例示する在庫情報151によれば、食料品供給拠点A2は製造工場であり、住所A02に位置し、食料品101等の在庫を所有している。食料品供給拠点A3は卸し業者の倉庫(卸倉庫)であり、住所A03に位置し、食料品201等の在庫を所有している。食料品101は、栄養成分として成分P1を含み、和食用、洋食用として使用され、食料品201は、栄養成分として成分P2、成分P4を含み、中華用として使用される。食料品101及び食料品201も、食料品001及び002と同様に、所定の賞味(消費)期限が設定されている。
【0028】
図2に例示する在庫情報151に含まれる食料品供給拠点の場所、食料品供給拠点の種別、食料品の栄養成分、食料品の用途に関する情報は、取得部11が食料品供給拠点のシステム21から取得する情報に含まれなくてもよい。取得部11は、例えば、食料品供給拠点を管理する外部のデータベース等から、食料品供給拠点の場所及び種別を取得し、取得したそれらの情報を、在庫情報151に挿入するようにしてもよい。取得部11は、例えば、食料品を管理する外部のデータベース等から、食料品の栄養成分及び用途を取得し、取得したそれらの情報を、在庫情報151に挿入するようにしてもよい。
【0029】
取得部11は、飲食店のシステム22から、個々の飲食店における生活困窮者に対する食事の支援状況を表す支援情報152を取得する。支援情報152は、例えば、飲食店の職員によって飲食店のシステム22に入力された生活困窮者に対する食事の支援状況に関する情報を表す。支援情報152は、上述した顔認証システム220による、飲食店に入店した顧客の顔画像と事前に登録されている生活困窮者の顔画像との照合結果を含んでもよい。取得部11は、取得した支援情報152を記憶部15に格納する。
【0030】
図3は、本実施形態に係る支援情報152のデータを例示する図である。
図3に例示する支援情報152のデータは一例であり、支援情報152は、
図3に例示するデータとは異なるデータ(項目)を含んでもよい。
【0031】
図3に例示する支援情報152は、飲食店を識別可能な情報(例えば飲食店の名称等)と、飲食店の場所(住所)を示す情報と、飲食店の種別(和食店、洋食店、中華料理店等)を表す情報と、飲食店における生活困窮者への食事の支援状況を表す情報とを含む。当該支援状況は、支援対象である各生活困窮者に関する属性を表す。当該生活困窮者に関する属性は、性別、年齢、食事量を含む。当該食事量は、生活困窮者と同じ性別及び年齢の人に関する平均的な食事量と比較して、その生活困窮者の食事量が、普通なのか、多めなのか、少なめなのかを表す。
図3に例示する支援情報152では、食事量は、「普通」、「多め」、「少なめ」という3段階で表されているが、例えば、4段階以上を表す数値により表されてもよい。
【0032】
図3に例示する支援情報152に含まれる飲食店の場所、飲食店の種別、支援対象の生活困窮者の性別及び年齢は、取得部11が飲食店のシステム22から取得する情報に含まれなくてもよい。取得部11は、例えば、飲食店を管理する外部のデータベース等から、飲食店の場所及び種別を取得し、取得したそれらの情報を、支援情報152に挿入するようにしてもよい。取得部11は、例えば、生活困窮者の顔画像が事前に登録されている上述した自治体のシステムから、支援対象の生活困窮者の性別及び年齢を取得してもよい。
【0033】
取得部11は、また、飲食店のシステム22から、食料品要求情報153を取得する。食料品要求情報153は、飲食店が生活困窮者に対する食事の支援のために要求する食料品の種別及び数量を表す情報である。食料品要求情報153は、例えば、飲食店において在庫が不足している食料品を表す。取得部11は、取得した食料品要求情報153を記憶部15に格納する。
【0034】
生成部12は、取得部11によって取得された支援情報152が示す生活困窮者に対して食事を提供するために必要となる、在庫情報151が示す食料品を、食料品供給拠点から飲食店に供給する条件が供給基準154を満たすように、供給計画155を生成する。生成部12は、また、取得部11によって取得された食料品要求情報153が示す飲食店からの要求を満たせるように、供給計画155を生成する。生成部12は、生成した供給計画155を記憶部15に格納する。
【0035】
供給基準154は、食料品供給拠点から飲食店に供給する条件が、過不足なく適切に食料品を供給するための基準である。供給基準154は、具体的には、例えば下記の基準を含む。尚、供給基準154に含まれる基準は、下記に限定されない。供給基準154は、下記の基準の少なくとも一部を含まなくてもよいし、下記とは異なる基準を含んでもよい。
・飲食店における食事の支援対象である生活困窮者の人数及び属性(年齢、性別、食事量等)に基づく、過不足のない適切な量の食料品が食料品供給拠点から飲食店に供給される。
・食料品の賞味期限あるいは消費期限内に、生活困窮者に対する食事が過不足なく提供される。この場合、例えば、個々の食料品供給拠点と個々の飲食店との位置関係に基づく搬送時間をふまえて、食料品供給拠点から供給される食料品が、飲食店における食事において生活困窮者に提供可能な時間を算出する。
・賞味期限あるいは消費期限が近い(古い)食料品ほど供給を優先する。この基準は、フードロス問題を解消する観点に基づく。
・飲食店ごとの提供する食事の種別(和食、洋食、中華等)をふまえ、その種別の食事において使用される食料品がその飲食店に供給される。
・飲食店において、食料品ごとの栄養成分に基づく栄養バランスが、生活困窮者の健康を促進するための基準をみたす(例えば栄養バランスが偏らない)食事を提供できるように、食料品が供給される。
【0036】
図4は、本実施形態に係る供給計画155のデータを例示する図である。
図4に例示する供給計画155のデータは一例であり、供給計画155は、
図4に例示するデータとは異なるデータ(項目)を含んでもよい。
【0037】
図4に例示する供給計画155は、食料品の供給元である食料品供給拠点を識別可能な情報と、食料品の供給先である飲食店を識別可能な情報と、当該供給元と当該供給先との組み合わせごとの、食料品の搬送に要する時間及び供給する食料品の内容とを含む。当該食料品の内容は、食料品の種別及びその食料品の賞味(消費)期限毎の供給する数量を含む。
【0038】
図4に例示する供給計画155によれば、食料品供給拠点A1から飲食店B1への食料品の供給に関して、その搬送時間は30分であり、賞味(消費)期限が2022年8月20日である食料品001を25個、賞味(消費)期限が2022年8月1日である食料品002を5個含む食料品が供給される。
【0039】
図4に例示する供給計画155によれば、食料品供給拠点A1から飲食店B2への食料品の供給に関して、その搬送時間は60分であり、賞味(消費)期限が2022年8月20日である食料品001を10個含む食料品が供給される。また、食料品供給拠点A1から飲食店B3への食料品の供給に関して、その搬送時間は20分であり、賞味(消費)期限が2022年8月20日である食料品001を15個含む食料品が供給される。
【0040】
図4に例示する供給計画155によれば、食料品供給拠点A2から飲食店B1への搬送時間は40分、食料品供給拠点A3から飲食店B1への搬送時間は50分であり、食料品の供給元と供給先との組み合わせごとに生成部12によって求められた内容の食料品が、各食料品供給拠点から各飲食店に供給される。
【0041】
生成部12は、食料品供給拠点の場所及び飲食店の場所から、既存の搬送経路(移動経路)の選択技術を用いて、食料品供給拠点から飲食店への搬送時間が最短となる搬送経路を求めたのち、食料品を搬送する搬送車両の平均移動速度を用いて、搬送時間を算出すればよい。生成部12は、例えば、ある飲食店に対してある食料品を供給可能な食料品供給拠点が複数存在する場合、搬送時間が短い食料品供給拠点ほど優先して、当該食料品を当該飲食店に供給する供給元として決定する。
【0042】
図2に例示する在庫情報151によれは、食料品001の在庫が、食料品供給拠点A1において、賞味(消費)期限が2022年8月20日の物が150個、2022年8月23日の物が200個存在する。そして、
図4に例示する供給計画155によれば、食料品供給拠点A1から飲食店B1乃至B3に供給される食料品001は、全て、賞味(消費)期限が2022年8月20日の物である。即ち、生成部12は、賞味(消費)期限が近い食料品ほど優先して供給されることを示す供給計画155を生成する。但し、賞味(消費)期限が最も近い食料品が、上述した搬送時間をふまえた上で、飲食店において生活困窮者に食事として提供される時間が、賞味(消費)期限よりも後になることが見込まれる場合、生成部12は、生活困窮者に提供される時間が賞味(消費)期限よりも前となることを満たす賞味(消費)期限の食料品が供給されるように供給計画155を生成する。
【0043】
図4に例示する供給計画155によれは、食料品供給拠点A1から供給される食料品001の量が、飲食店B1に対しては25個、飲食店B2に対しては10個、飲食店B3に対しては15個である。また、
図3に例示する支援情報152によれば、飲食店B1において食事の支援を受けているのは、生活困窮者X01及びX02等であり、生活困窮者X01は食事量が普通である8歳の男性、生活困窮者X02は食事量が少なめである10歳の女性である。この場合、生成部12は、8歳の男性及び10歳の女性等の標準的な食事量と、生活困窮者X01及びX02等の食事量に関する特性とに基づき、飲食店B1に対して提供する食料品001の過不足の無い数量が25個であると算出する。生成部12は、同様に、78歳の女性等の標準的な食事量と、生活困窮者X11等の食事量に関する特性とに基づき、飲食店B2に対して提供する食料品001の過不足の無い数量が10個であると算出する。生成部12は、同様に、15歳の男性等の標準的な食事量と、生活困窮者X21等の食事量に関する特性とに基づき、飲食店B3に対して提供する食料品001の過不足の無い数量が15個であると算出する。尚、供給基準154は、年齢別及び性別ごとの標準的な食事量と各生活困窮者の食事量に関する特性とに基づく、食料品ごとの過不足の無い使用料を算出するための基準(算出式等)を含むこととする。
【0044】
供給基準154は、また、供給基準154に含まれる上述した複数の基準を満たすことができるような、食料品供給拠点から飲食店に食料品を供給する供給計画155の最適解を求めるための算出アルゴリズムを含む。尚、当該算出アルゴリズムとして、例えば、複数の条件を満たすようにある処理を行う場合における、最適な処理を求める最適化問題を解く既存のアルゴリズムが使用可能である。
【0045】
提示部13は、生成部12によって上述の通り生成された供給計画155を、供給計画155が示す食料品供給拠点のシステム21及び飲食店のシステム22に対して、所定のタイミング(例えば、1日における所定の時刻等)に出力する。提示部13から供給計画155を提示された食料品供給拠点では、供給計画155に従って、飲食店に対する食料品の供給が行われる。そして、提示部13から供給計画155を提示された飲食店では、供給計画155に従って食料品供給拠点から供給された食料品を含む食事が、食事の支援対象である生活困窮者に対して提供される。
【0046】
取得部11は、提示部13により提示された供給計画155の食料品供給拠点による実行状況を表す実行状況情報156を、例えば、食料品供給拠点のシステム21及び飲食店のシステム22等から取得し、取得した実行状況情報156を記憶部15に格納する。
【0047】
報酬付与部14は、取得部11によって取得された実行状況情報156に基づいて、供給計画155が示す食料品の供給に協力した食料品供給拠点に対して報酬を付与する。報酬付与部14は、例えば、飲食店に食料品を供給した量に応じた報酬を、食料品供給拠点に付与する。報酬付与部14は、例えば、通信ネットワーク30を介して食料品供給計画装置10と通信可能に接続された、食料品供給拠点の金融資産あるいはポイント等を管理する情報処理装置(不図示)に、上述した報酬を付与すること表す情報を送信する。
【0048】
次に
図5のフローチャートを参照して、本実施形態に係る食料品供給計画装置10の動作(処理)について詳細に説明する。
【0049】
取得部11は、食料品供給拠点のシステム21から、食料品の在庫情報151を取得し、取得した在庫情報151を記憶部15に格納する(ステップS101)。取得部11は、飲食店のシステム22から、生活困窮者に対する食事の支援情報152及び、生活困窮者に対する食事の提供に必要となる食料品に関する食料品要求情報153を取得し、取得した支援情報152及び食料品要求情報153を記憶部15に格納する(ステップS102)。
【0050】
生成部12は、支援情報152が示す生活困窮者に対して食事を提供するために必要となる、在庫情報151が示す食料品を、食料品供給拠点から飲食店に供給する条件が供給基準154を満たすように、かつ、食料品要求情報153が示す要求に応じた供給計画155を生成し、生成した供給計画155を記憶部15に格納する(ステップS103)。
【0051】
提示部13は、生成部12によって生成された供給計画155を、食料品供給拠点のシステム21及び飲食店のシステム22に送信する(ステップS104)。取得部11は、食料品供給拠点による供給計画155の実行状況を表す実行状況情報156を、食料品供給拠点のシステム21及び飲食店のシステム22から取得し、取得した実行状況情報156を記憶部15に格納する(ステップS105)。報酬付与部14は、取得部11によって取得された実行状況情報156が示す食料品の供給に協力した食料品供給拠点に対して報酬を付与し(ステップS106)、全体の処理は終了する。
【0052】
本実施形態に係る食料品供給計画装置10は、生活困窮者に対する食事を支援する飲食店に対する食料品供給拠点からの食料品の提供を、過不足なく適切に行えるように支援することができる。その理由は、食料品供給計画装置10は、支援情報152が示す飲食店における生活困窮者に対して食事を提供するために必要となる、食料品供給拠点における在庫情報151が示す食料品を食料品供給拠点から飲食店に供給する条件が、過不足なく食料品を供給するための供給基準154を満たすように、供給計画155を生成するからである。
【0053】
以下に、本実施形態に係る食料品供給計画装置10によって実現される効果について、詳細に説明する。
【0054】
家庭において虐待を受けている子供、あるいは経済的に困窮している人などを含む生活困窮者が、十分に食事をすることができずに健康を害していることが社会問題となっている。このような社会問題を解決するために、一部の飲食店では、上述した生活困窮者に対する食事を支援する取り組みが行われている。そして、飲食店による上述した取り組みを適切に遂行するために、生活困窮者に対する食事を支援する飲食店に対する食料品供給拠点からの食料品の提供を、過不足なく適切に行えるように支援することが課題である。
【0055】
このような課題に対して、本実施形態に係る食料品供給計画装置10は、個々の食料品供給拠点における食料品の在庫状況を表す在庫情報151と、個々の飲食店における生活困窮者に対する食事の支援状況を表す支援情報152とを取得する。食料品供給計画装置10は、支援情報152が示す生活困窮者に対して食事を提供するために必要となる、在庫情報151が示す食料品を、食料品供給拠点から飲食店に供給する条件が、過不足なく食料品を供給するための供給基準154を満たすように、食料品供給拠点から飲食店に対する食料品の供給計画155を生成する。そして、提示部13は、供給計画155を、供給計画155が示す食料品供給拠点及び飲食店に提示する。これにより、食料品供給計画装置10は、生活困窮者に対する食事を支援する飲食店に対する食料品供給拠点からの食料品の提供を、過不足なく適切に行えるように支援することができる。
【0056】
また、本実施形態に係る在庫情報151は、個々の食料品供給拠点の場所を表すとともに、食料品の種別ごとの、在庫量、賞味期限、及び消費期限、の少なくともいずれかを表す。支援情報152は、個々の飲食店の場所を表すとともに、食事を提供する対象である生活困窮者の属性及び人数を表す。そして、供給基準154は、食料品の賞味期限あるいは消費期限内に生活困窮者に対する食事が提供されること、及び、賞味期限あるいは消費期限が近い食料品ほど優先して食料品供給拠点から飲食店に供給されることを表す。これにより、食料品供給計画装置10は、生活困窮者に対する食事を支援する飲食店に対する食料品供給拠点からの食料品の提供を、フードロス問題を解消することをふまえて適切に行うことができる。
【0057】
また、本実施形態に係る食料品供給計画装置10は、食料品供給拠点の場所と飲食店の場所とに基づいて、食料品供給拠点から飲食店に食料品を搬送するのに要する時間を算出する。これにより、食料品供給計画装置10は、賞味(消費)期限を過ぎた食料品を含む食事が生活困窮者に提供されることを適切に回避することができる。
【0058】
また、本実施形態に係る食料品供給計画装置10は、食料品ごとの栄養成分を表す情報から、個々の飲食店において提供される食事の栄養バランスを算出し、栄養バランスが基準をみたすように、食料品供給拠点から飲食店に食料品を提供する。これにより、食料品供給計画装置10は、生活困窮者の健康を促進することができる。
【0059】
また、本実施形態に係る支援情報152は、個々の飲食店において提供される食事の種別を表し、供給基準154は、飲食店において提供される種別の食事に使用される食料品が提供されることを表す。これにより、食料品供給計画装置10は、ある飲食店において使用されない食料品がその飲食店に供給されることを回避することができる。
【0060】
また、本実施形態に係る食料品供給計画装置10は、食料品要求情報153が表す、個々の飲食店が所望する食料品の要求に応じた供給計画155を生成する。これにより、食料品供給計画装置10は、飲食店側の要望をふまえ、食料品供給拠点から飲食店に対する食料品の提供を柔軟に行うことができる。
【0061】
また、本実施形態に係る支援情報152は、事前に登録されている生活困窮者の顔画像を用いた、飲食店に入店した顧客に対する顔認証が行われた結果を含む。これにより、各飲食店において食事を提供されている生活困窮者を自動で特定できるので、食料品供給計画装置10は、支援情報152を効率的に取得することができる。
【0062】
また、本実施形態に係る支援情報152は、供給計画155の実行状況を表す実行状況情報156から、供給計画155が示す食料品の供給に協力した食料品供給拠点に対して報酬を付与する。これにより、食料品供給計画装置10は、食料品供給拠点に対する供給計画155への協力への動機付けを行うことができる。
【0063】
<第2の実施形態>
図6は、本発明の第2の実施形態に係る食料品供給計画装置40の構成を示すブロック図である。
【0064】
本実施形態に係る食料品供給計画装置40は、取得部41、生成部42、提示部43を備えている。取得部41、生成部42、提示部43は、順に、取得手段、生成手段、提示手段の一例である。
【0065】
取得部41は、個々の食料品供給拠点における食料品の在庫状況を表す在庫情報411と、個々の飲食店における生活困窮者に対する食事の支援状況を表す支援情報412とを取得する。在庫情報411は、例えば、第1の実施形態に係る在庫情報151と同様な情報である。支援情報412は、例えば、第1の実施形態に係る支援情報152と同様な情報である。取得部41は、例えば、第1の実施形態に係る取得部11と同様に動作する。
【0066】
生成部42は、支援情報412が示す生活困窮者に対して食事を提供するために必要となる、在庫情報411が示す食料品を、食料品供給拠点から飲食店に供給する条件が、過不足なく食料品を供給するための供給基準421を満たすように、食料品供給拠点から飲食店に対する食料品の供給計画422を生成する。供給基準421は、例えば、第1の実施形態に係る供給基準154と同様な基準である。供給計画422は、例えば、第1の実施形態に係る供給計画155と同様な情報である。生成部42は、例えば、第1の実施形態に係る生成部12と同様に動作する。
【0067】
提示部43は、供給計画422を、供給計画422が示す食料品供給拠点及び飲食店に提示する。提示部43は、例えば、第1の実施形態に係る提示部13と同様に動作する。
【0068】
次に
図7のフローチャートを参照して、本実施形態に係る食料品供給計画装置40の動作(処理)について詳細に説明する。
【0069】
取得部41は、個々の食料品供給拠点に関する在庫情報411を取得する(ステップS201)。取得部41は、個々の飲食店に関する支援情報412を取得する(ステップS202)。
【0070】
生成部42は、支援情報412が示す生活困窮者に対して食事を提供するために必要となる、在庫情報411が示す食料品を、食料品供給拠点から飲食店に供給する条件が供給基準421を満たすように、供給計画422を生成する(ステップS203)。提示部43は、供給計画422を、供給計画422が示す食料品供給拠点及び飲食店に提示し(ステップS204)、全体の処理は終了する。
【0071】
本実施形態に係る食料品供給計画装置40は、生活困窮者に対する食事を支援する飲食店に対する食料品供給拠点からの食料品の提供を、過不足なく適切に行えるように支援することができる。その理由は、食料品供給計画装置40は、支援情報412が示す飲食店における生活困窮者に対して食事を提供するために必要となる、食料品供給拠点における在庫情報411が示す食料品を食料品供給拠点から飲食店に供給する条件が、過不足なく食料品を供給するための供給基準421を満たすように、供給計画422を生成するからである。
【0072】
<ハードウェア構成例>
上述した各実施形態において
図1、及び、
図6に示した食料品供給計画装置における各部は、専用のHW(HardWare)(電子回路)によって実現することができる。また、
図1、及び、
図6において、少なくとも、下記構成は、プロセッサによって実行される命令を含むソフトウェアプログラムの機能(処理)単位(ソフトウェアモジュール)と捉えることができる。
・取得部11及び41、
・生成部12及び42、
・提示部13及び43、
・報酬付与部14、
・記憶部15における記憶制御機能。
【0073】
但し、これらの図面に示した各部の区分けは、説明の便宜上の構成であり、実装に際しては、様々な構成が想定され得る。この場合のハードウェア環境の一例を、
図8を参照して説明する。
【0074】
図8は、本発明の各実施形態に係る食料品供給計画装置を実現可能な情報処理装置900(コンピュータ)の構成を例示的に説明する図である。即ち、
図8は、
図1、及び、
図6に示した食料品供給計画装置を実現可能なコンピュータ(情報処理装置)の構成であって、上述した実施形態における各機能を実現可能なハードウェア環境を表す。
【0075】
図8に示した情報処理装置900は、構成要素として下記を備えている。
・CPU(Central_Processing_Unit)901、
・ROM(Read_Only_Memory)902、
・RAM(Random_Access_Memory)903、
・ハードディスク(記憶装置)904、
・通信インタフェース905、
・バス906(通信線)、
・CD-ROM(Compact_Disc_Read_Only_Memory)等の記録媒体907に格納されたデータを読み書き可能なリーダライタ908、
・モニターやスピーカ、キーボード等の入出力インタフェース909。
【0076】
即ち、上記構成要素を備える情報処理装置900は、これらの構成がバス906を介して接続された一般的なコンピュータである。情報処理装置900は、CPU901を複数備える場合もあれば、マルチコアにより構成されたCPU901を備える場合もある。
【0077】
そして、上述した実施形態を例に説明した本発明は、
図8に示した情報処理装置900に対して、次の機能を実現可能なコンピュータプログラムを供給する。その機能とは、その実施形態の説明において参照したブロック構成図(
図1及び
図6)における上述した構成、或いはフローチャート(
図5及び
図7)の機能である。本発明は、その後、そのコンピュータプログラムを、当該ハードウェアのCPU901に読み出して解釈し実行することによって達成される。また、当該装置内に供給されたコンピュータプログラムは、読み書き可能な揮発性のメモリ(RAM903)、または、ROM902やハードディスク904等の不揮発性の記憶デバイスに格納すれば良い。
【0078】
また、前記の場合において、当該ハードウェア内へのコンピュータプログラムの供給方法は、現在では一般的な手順を採用することができる。その手順としては、例えば、CD-ROM等の各種記録媒体907を介して当該装置内にインストールする方法や、インターネット等の通信回線を介して外部よりダウンロードする方法等がある。そして、このような場合において、本発明は、係るコンピュータプログラムを構成するコード或いは、そのコードが格納された記録媒体907によって構成されると捉えることができる。
【0079】
以上、上述した実施形態を模範的な例として本発明を説明した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態には限定されない。即ち、本発明は、本発明のスコープ内において、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。
【符号の説明】
【0080】
1 食料品供給計画システム
10 食料品供給計画装置
11 取得部
12 生成部
13 提示部
14 報酬付与部
15 記憶部
151 在庫情報
152 支援情報
153 食料品要求情報
154 供給基準
155 供給計画
156 実行状況情報
21 食料品供給拠点のシステム
22 飲食店のシステム
220 顔認証システム
30 通信ネットワーク
40 食料品供給計画装置
41 取得部
411 在庫情報
412 支援情報
42 生成部
421 供給基準
422 供給計画
43 提示部
900 情報処理装置
901 CPU
902 ROM
903 RAM
904 ハードディスク(記憶装置)
905 通信インタフェース
906 バス
907 記録媒体
908 リーダライタ
909 入出力インタフェース