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特開2024-25135応対支援装置、応対支援方法、及び、応対支援プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025135
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】応対支援装置、応対支援方法、及び、応対支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20230101AFI20240216BHJP
【FI】
G06Q10/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022128338
(22)【出願日】2022-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】飯田 貴紀
(72)【発明者】
【氏名】大串 宙輝
(72)【発明者】
【氏名】加藤 貴也
(72)【発明者】
【氏名】中西 敦士
(72)【発明者】
【氏名】梅谷 剛崇
(72)【発明者】
【氏名】横井 順
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA11
(57)【要約】
【課題】現実空間の施設が仮想空間に構築されている場合において、現実空間の施設への来訪者に対しても、仮想空間の施設への来訪者と同様に、応対を効率的に行う。
【解決手段】応対支援装置40は、現実空間における施設への来訪者が所持する来訪者端末装置51の位置を表す位置情報410を取得する取得部41と、当該施設を表す仮想空間における位置情報410が示す位置に、当該来訪者を表す来訪者アバターを、当該施設の職員を表す職員アバターと区別可能な態様により、職員端末装置52の表示画面520に表示する表示制御部42と、職員端末装置52の表示画面520に表示された当該来訪者アバターを選択する入力情報430を受け付ける受付部43と、入力情報430によって特定される来訪者端末装置51と職員端末装置52との双方向通信を制御する通信制御部44と、を備える。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
現実空間における施設への来訪者が所持する来訪者端末装置の位置を表す位置情報を取得する取得手段と、
前記施設を表す仮想空間における前記位置情報が示す位置に、前記来訪者を表す来訪者アバターを、前記施設の職員を表す職員アバターと区別可能な態様により、職員端末装置の表示画面に表示する表示制御手段と、
前記職員端末装置の表示画面に表示された前記来訪者アバターを選択する入力情報を受け付ける受付手段と、
前記入力情報によって特定される前記来訪者端末装置と前記職員端末装置との双方向通信を制御する通信制御手段と、
を備える応対支援装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記来訪者アバターと前記職員アバターとを、異なる形状及び異なる色の少なくともいずれかによって表示する、
請求項1に記載の応対支援装置。
【請求項3】
前記取得手段は、前記来訪者端末装置によって撮像された前記来訪者の撮像画像を取得し、
前記表示制御手段は、前記来訪者の撮像画像によって示される前記来訪者の属性を表す前記来訪者アバターを表示する、
請求項1または請求項2に記載の応対支援装置。
【請求項4】
前記来訪者端末装置から送信された、前記施設における前記来訪者の目的地に、前記位置情報が示す位置から移動する際の移動経路を表す情報を生成する生成手段をさらに備え、
前記通信制御手段は、前記移動経路を表す情報を前記来訪者端末装置の表示画面に表示する、
請求項1または請求項2に記載の応対支援装置。
【請求項5】
前記通信制御手段は、前記移動経路を表す情報を、前記来訪者端末装置により撮像された撮像画像に重畳して表示する、
請求項4に記載の応対支援装置。
【請求項6】
前記通信制御手段は、前記施設における窓口に設置された窓口応対装置が取得した前記来訪者の撮像画像及び音声を表す情報を、前記職員端末装置に送信し、前記職員端末装置が取得した前記職員の撮像画像及び音声を表す情報を、前記窓口応対装置に送信する、
請求項1または請求項2に記載の応対支援装置。
【請求項7】
前記通信制御手段は、前記職員の撮像画像を、等身大で前記窓口応対装置に表示する、
請求項6に記載の応対支援装置。
【請求項8】
前記取得手段は、複数の前記施設に関して、前記位置情報を取得し、
前記表示制御手段は、複数の前記施設に関して、前記来訪者アバターを前記職員端末装置の表示画面に表示する、
請求項1または請求項2に記載の応対支援装置。
【請求項9】
情報処理装置によって、
現実空間における施設への来訪者が所持する来訪者端末装置の位置を表す位置情報を取得し、
前記施設を表す仮想空間における前記位置情報が示す位置に、前記来訪者を表す来訪者アバターを、前記施設の職員を表す職員アバターと区別可能な態様により、職員端末装置の表示画面に表示し、
前記職員端末装置の表示画面に表示された前記来訪者アバターを選択する入力情報を受け付け、
前記入力情報によって特定される前記来訪者端末装置と前記職員端末装置との双方向通信を制御する、
応対支援方法。
【請求項10】
現実空間における施設への来訪者が所持する来訪者端末装置の位置を表す位置情報を取得する取得処理と、
前記施設を表す仮想空間における前記位置情報が示す位置に、前記来訪者を表す来訪者アバターを、前記施設の職員を表す職員アバターと区別可能な態様により、職員端末装置の表示画面に表示する表示制御処理と、
前記職員端末装置の表示画面に表示された前記来訪者アバターを選択する入力情報を受け付ける受付処理と、
前記入力情報によって特定される前記来訪者端末装置と前記職員端末装置との双方向通信を制御する通信制御処理と、
をコンピュータに実行させるための応対支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、応対支援装置、応対支援方法、及び、応対支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
自治体の役所等において、来庁あるいは電話などによる住民からの問い合わせが非常に多く、自治体の職員にとって大きな負担となっている。したがって、このような職員の業務負荷を軽減する技術が期待されている。
【0003】
上述の技術に関連して、特許文献1には、問い合わせに対する処理の負荷を軽減して迅速な応答を可能にすると共に、回答を作成する必要があると判断した問い合わせから優先的に回答を作成することが可能な自動応答システムが開示されている。このシステムは、ユーザ問い合わせ情報の受信を行い、ユーザ問い合わせ情報について自然言語処理を行って解析情報を作成する。このシステムは、問い合わせに関する情報及びこれに対応する回答に関する情報を記憶したデータベースを備える。そして、このシステムは、問い合わせに関する情報と解析情報とを照合して同義であるか否かを判定し、その判定結果が同義であることを示す場合、ユーザ端末へ回答に関する情報を送信し、新たな回答に関する情報を作成して当該データベースに記憶する。
【0004】
また、特許文献2には、発話に対する応答文を生成する応答生成装置が開示されている。この装置は、発話の音声データを取得し、その音声データを解析して、発話を要談と雑談とのいずれかに分類する。そして、この装置は、発話が要談に分類された場合、発話に対する要談用の応答文を生成し、発話が雑談に分類された場合、発話に対する雑談用の応答文を生成して、生成した応答文を出力する。
【0005】
また、特許文献3には、現実の世界と融合した仮想現実の世界で提示することを可能とする仮想現実サービス提供システムが開示されている。このシステムは、複数の仮想現実オブジェクトと、ユーザが利用可能な仮想現実サービスを示す情報とを記憶する。このシステムは、ユーザが利用可能な仮想現実サービスに用いる仮想現実オブジェクトを読み出し、ユーザの周囲の状況を示す周囲状況情報に基づいて、仮想空間における仮想現実オブジェクトの配置位置を決定する。そして、このシステムは、ユーザの状態を示すユーザ状態情報と仮想現実オブジェクトの配置位置とに基づいて、ユーザが頭部に装着するヘッドマウントディスプレイ装置の表示パネルに表示される映像の符号化データを生成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2022-038483号公報
【特許文献2】特開2022-039560号公報
【特許文献3】特開2016-045814号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、現実の空間を、コンピュータあるいはコンピュータネットワークの中に仮想空間(メタバース)として構築し、構築した仮想空間において様々なサービスを提供することが行われている。例えば、電話による応対等を含む窓口業務を行う施設を仮想空間に構築した場合、その施設の職員は、現実空間における物理的な場所に関係なく、仮想空間内で来訪者への応対を行うことができるので、応対(窓口業務)を効率的に行うことができる。
【0008】
しかしながら、施設が仮想空間に構築されている場合であっても、例えば高齢者等のITリテラシーが高くない人は、通常、仮想空間に入るようなことを行わないので、施設に用がある場合、仮想空間ではなく現実空間の施設に来訪することになる。この場合、現実空間の施設への来訪者に応対できるのは、現実空間の施設にいる職員のみとなり、応対可能な職員が限定されるので、仮想空間における応対と比較して効率が低下する。即ち、現実空間の施設が仮想空間にも構築されている場合において、現実空間の施設への来訪者に対しても、仮想空間の施設への来訪者と同様に、応対を効率的に行うことを実現することが課題である。特許文献1乃至3は、このような課題には特に言及していない。
【0009】
本発明の主たる目的は、現実空間の施設が仮想空間にも構築されている場合において、現実空間の施設への来訪者に対しても、仮想空間の施設への来訪者と同様に、応対を効率的に行うことを実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様に係る応対支援装置は、現実空間における施設への来訪者が所持する来訪者端末装置の位置を表す位置情報を取得する取得手段と、前記施設を表す仮想空間における前記位置情報が示す位置に、前記来訪者を表す来訪者アバターを、前記施設の職員を表す職員アバターと区別可能な態様により、職員端末装置の表示画面に表示する表示制御手段と、前記職員端末装置の表示画面に表示された前記来訪者アバターを選択する入力情報を受け付ける受付手段と、前記入力情報によって特定される前記来訪者端末装置と前記職員端末装置との双方向通信を制御する通信制御手段と、を備える。
【0011】
上記目的を達成する他の見地において、本発明の一態様に係る応対支援方法は、情報処理装置によって、現実空間における施設への来訪者が所持する来訪者端末装置の位置を表す位置情報を取得し、前記施設を表す仮想空間における前記位置情報が示す位置に、前記来訪者を表す来訪者アバターを、前記施設の職員を表す職員アバターと区別可能な態様により、職員端末装置の表示画面に表示し、前記職員端末装置の表示画面に表示された前記来訪者アバターを選択する入力情報を受け付け、前記入力情報によって特定される前記来訪者端末装置と前記職員端末装置との双方向通信を制御する。
【0012】
また、上記目的を達成する更なる見地において、本発明の一態様に係る応対支援プログラムは、現実空間における施設への来訪者が所持する来訪者端末装置の位置を表す位置情報を取得する取得処理と、前記施設を表す仮想空間における前記位置情報が示す位置に、前記来訪者を表す来訪者アバターを、前記施設の職員を表す職員アバターと区別可能な態様により、職員端末装置の表示画面に表示する表示制御処理と、前記職員端末装置の表示画面に表示された前記来訪者アバターを選択する入力情報を受け付ける受付処理と、前記入力情報によって特定される前記来訪者端末装置と前記職員端末装置との双方向通信を制御する通信制御処理と、をコンピュータに実行させる。
【0013】
更に、本発明は、係る応対支援プログラム(コンピュータプログラム)が格納された、コンピュータ読み取り可能な、不揮発性の記録媒体によっても実現可能である。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、現実空間の施設が仮想空間に構築されている場合において、現実空間の施設への来訪者に対しても、仮想空間の施設への来訪者と同様に、応対を効率的に行うことを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1の実施形態に係る応対支援システム1の構成を示すブロック図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る表示制御部12が職員端末装置22の表示画面220に仮想空間における施設を表示する画面の一例を示す図である。
図3A】本発明の第1の実施形態に係る応対支援装置10の動作を示すフローチャート(1/2)である。
図3B】本発明の第1の実施形態に係る応対支援装置10の動作を示すフローチャート(2/2)である。
図4】本発明の第2の実施形態に係る応対支援装置40の構成を示すブロック図である。
図5】本発明の第2の実施形態に係る応対支援装置40の動作を示すフローチャートである。
図6】本発明の各実施形態に係る応対支援装置を実現可能な情報処理装置900の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る応対支援システム1の構成を示すブロック図である。応対支援システム1は、現実空間における施設(例えば自治体の役所等)が、実際の施設と同様に仮想空間(メタバース)内に構築されている場合において、現実空間における施設に来訪した来訪者を仮想空間において可視化し、当該来訪者への応対を、仮想空間からも行えるようにするシステムである。即ち、応対支援システム1が応対を支援する対象とする施設に関して、現実空間における実際の施設のコピーが仮想空間にも構築されている。尚、当該仮想空間は、後述する応対支援装置10あるいは応対支援装置10と通信可能な他の情報処理装置による、仮想空間を構築するための既存技術を用いた情報処理によって構築(実現)されることとする。
【0018】
応対支援システム1は、大別して、応対支援装置10、1以上の来訪者端末装置21、1以上の職員端末装置22、1以上の窓口応対装置23を有する。応対支援装置10、来訪者端末装置21、職員端末装置22、窓口応対装置23は、通信ネットワーク30を介して通信可能に接続されている。通信ネットワーク30は、例えばインターネットである。
【0019】
来訪者端末装置21は、現実空間の施設への来訪者が所持する、例えばスマートフォン、タブレット端末などの、来訪者が携帯可能な情報処理装置である。来訪者端末装置21は、来訪者の所有物でもよいし、来訪者が施設の入り口で施設の職員から渡された物でもよい。来訪者端末装置21は、GNSS(Global Navigation Satellite System)による位置情報、及び、自装置を特定可能な情報を、通信ネットワーク30に発信する。また、当該施設が複数の階数を有する場合、来訪者端末装置21は、個々の階に設置された、来訪者端末装置21が位置する階数を特定するための情報を処理する機器と通信することによって、来訪者端末装置21が位置する階数を示す情報を、通信ネットワーク30に発信してもよい。自装置を特定可能な情報は、例えば、MAC(Media Access Control)アドレス、あるいはIP(Internet Protocol)アドレス等である。来訪者端末装置21は、応対支援装置10等から出力された情報を表示する表示画面210を備える。
【0020】
職員端末装置22は、施設の職員が、応対支援装置10に対して情報を入力する際、あるいは応対支援装置10から出力された情報を確認する際に使用する、例えばパーソナルコンピュータ等の情報処理装置である。職員端末装置22は、また、応対支援装置10等から出力された情報を表示する表示画面220を備える。
【0021】
窓口応対装置23は、現実空間の施設における窓口に設置された、例えばパーソナルコンピュータ等の情報処理装置である。窓口応対装置23は、応対支援装置10による制御によって、いずれかの職員端末装置22と通信ネットワーク30を介して通信可能に接続される。職員端末装置22及び窓口応対装置23は、マイク、スピーカ、カメラ(いずれも不図示)を備え、職員端末装置22を使用する施設の職員と、窓口応対装置23の表示画面230の前にいる来訪者とは、ビデオ通話を行うことができる。
【0022】
応対支援装置10は、取得部11、表示制御部12、受付部13、通信制御部14、生成部15、記憶部16を備える。取得部11、表示制御部12、受付部13、通信制御部14、生成部15は、順に、取得手段、表示制御手段、受付手段、通信制御手段、生成手段の一例である。
【0023】
記憶部16は、例えば、図6を参照して後述するRAM(Random Access Memory)903あるいはハードディスク904のような記憶デバイスである。記憶部16は、来訪者位置情報161、来訪者撮像画像162、来訪者アバター情報163、目的地情報164、移動経路情報165、移動経路算出基準166、入力情報167を記憶している。記憶部16に記憶されたこれらの情報に関しては後述する。
【0024】
取得部11は、現実空間における施設への来訪者が所持する来訪者端末装置21から発信された、来訪者端末装置21の位置情報、及び来訪者端末装置21を識別可能な識別情報を随時取得する。取得部11は、例えば、現実空間における施設へ来訪者が来訪したときに、施設の入り口において職員が来訪者に来訪者端末装置21を渡す際に、来訪者端末装置21が具備するカメラによって撮像された来訪者撮像画像162を、来訪者端末装置21から取得してもよい。取得部11は、取得した来訪者端末装置21の位置情報を表す来訪者位置情報161及び来訪者撮像画像162を、来訪者端末装置21を識別可能な識別情報と関連付けて、記憶部16に格納する。
【0025】
表示制御部12は、施設を表す仮想空間における来訪者位置情報161が示す位置に、来訪者を表す来訪者アバター(来訪者アイコン)を表示する。上述した通り、仮想空間に構築された施設は、現実空間における実際の施設のコピーであるので、現実空間の施設における位置と仮想空間における施設の位置とは、1対1に対応付けられる。
【0026】
表示制御部12は、また、来訪者アバターの態様を表す来訪者アバター情報163を生成し、生成した来訪者アバター情報163を記憶部16に格納する。来訪者アバター情報163は、あるいは、複数の態様の来訪者アバターを含む、記憶部16に事前に登録された情報であってもよい。この場合、表示制御部12は、登録済みの複数の来訪者アバターのいずれかと来訪者を識別可能な情報とを関連付ける情報を来訪者アバター情報163に登録する。
【0027】
図2は、本実施形態に係る表示制御部12が、職員端末装置22の表示画面220に仮想空間における施設を表示する画面の一例を示す図である。図2に示す例では、表示制御部12は、仮想空間を2次元の表示態様で表示しているが、仮想空間を3次元の表示態様で表示してもよい。また、図2に示す例では、表示制御部12は、職員端末装置22を使用する職員が所属する部署のフロアの仮想空間を表示しているが、例えば、施設全体の仮想空間を表示してもよい。表示制御部12は、また、自治体の役所の機能が部署によって複数の施設(建物)に点在しているような場合などにおいて、複数の施設を表す仮想空間を表示してもよい。
【0028】
図2に示す例において、表示制御部12は、表示画面220の右側に、施設の職員の職場のフロアを表示し、表示画面220の左側に、来訪者が通行する通路を表示している。図2に例示する職員は、現実空間の施設において勤務している職員と、リモートワークによって仮想空間の施設において勤務している職員とを含む。表示制御部12は、現実空間の施設において勤務している職員と、仮想空間の施設において勤務している職員とを区別可能に表示してもよい。表示制御部12は、例えば、現実空間の施設において勤務している職員の職員アバター(職員アイコン)の近辺に「出勤」と表示し、仮想空間の施設において勤務している職員の職員アバターの近辺に「在宅」と表示してもよい。
【0029】
図2に示す例において、表示制御部12は、4人の来訪者の来訪者アバターを表示している。図2に例示する来訪者は、現実空間の施設に来訪した来訪者と、仮想空間の施設に来訪した来訪者とを含む。
【0030】
表示制御部12は、現実空間の施設に来訪した来訪者に関して、来訪者位置情報161が示す現実空間における位置に対応付けられる仮想空間の位置に、来訪者アバターを表示する。したがって、表示制御部12は、当該来訪者が現実空間の施設内を移動することに合わせて、当該来訪者の来訪者アバターが仮想空間の施設内を移動するように、表示画面220に表示する。
【0031】
表示制御部12は、仮想空間の施設に来訪した来訪者に関して、その来訪者が仮想空間の施設内を移動する(即ち、自分の来訪者アバターを移動させる)ための情報処理装置に対する入力操作が示す仮想空間の位置に、来訪者アバターを表示する。但し、当該情報処理装置は、当該来訪者が仮想空間において活動を行うための情報を入力する際に使用する、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォンなどの装置である。
【0032】
表示制御部12は、図2に例示する通り、来訪者アバターを、職員アバターと区別可能な態様により、表示画面220に表示する。表示制御部12は、来訪者アバターと職員アバターとを、図2に例示する通り異なる形状により表示してもよいし、異なる色により表示してもよい。表示制御部12は、また、現実空間の施設に来訪した来訪者の来訪者アバターの近辺に、例えば「現実来訪」と表示し、仮想空間の施設に来訪した来訪者の来訪者アバターの近辺に、例えば「仮想来訪」と表示してもよい。
【0033】
表示制御部12は、また、現実空間の施設に来訪した来訪者に関して、来訪者撮像画像162によって示される来訪者の属性に応じた来訪者アバター情報163を生成し、来訪者アバター情報163によって表される来訪者アバターを表示画面220に表示する。表示制御部12は、既存の画像認識技術等を用いることによって、来訪者撮像画像162が示す来訪者の属性(性別、年齢等)を推定できる。表示制御部12は、その推定結果に基づいて、来訪者の属性ごとに異なる態様の来訪者アバターを表示画面220に表示する。
【0034】
表示制御部12は、仮想空間の施設に来訪した来訪者に関しては、例えば、仮想空間に入る際に来訪者によって入力される本人認証情報と関連付けられた来訪者の属性を表す情報に基づいて、来訪者の属性ごとに異なる態様の来訪者アバターを表示画面220に表示してもよい。
【0035】
図2に示す例では、表示制御部12は、高齢者でない女性来訪者001、高齢者でない男性来訪者002、高齢女性来訪者003、高齢男性来訪者004に関して、互いに異なる形状の来訪者アバターを表示画面220に表示する。表示制御部12は、これらの来訪者に関して、互いに異なる色の来訪者アバターを表示するようにしてもよい。
【0036】
図2に例示するような来訪者の属性ごとに態様が異なる来訪者アバターは、来訪者の属性と関連づけられて来訪者アバター情報163に事前に登録されていてもよい。この場合、表示制御部12は、来訪者の属性によって特定される来訪者アバターを、来訪者アバター情報163に登録済みの来訪者アバターの中から選択し、選択した来訪者アバターを表示画面220に表示する。
【0037】
受付部13は、職員端末装置22の表示画面220に表示された来訪者アバターの中のいずれかを職員が選択する、職員端末装置22に対する入力操作を表す入力情報167を、職員端末装置22から受け付ける。即ち、入力情報167は、当該職員が応対を行う対象とする来訪者を特定する情報である。入力情報167は、応対を行う対象とする来訪者が現実空間の施設に来訪した来訪者である場合、例えば、当該来訪者が所持する来訪者端末装置21を識別可能な情報を表す。入力情報167は、応対を行う対象とする来訪者が仮想空間の施設に来訪した来訪者である場合、例えば、仮想空間に入る際に当該来訪者によって入力される本人認証情報を表す。受付部13は、入力情報167を記憶部16に格納する。
【0038】
通信制御部14は、職員が応対を行う対象とする来訪者が現実空間の施設に来訪した来訪者である場合、入力情報167によって特定される来訪者端末装置21と当該職員の職員端末装置22とを通信接続し、その双方向通信を制御する。そして、通信接続された来訪者端末装置21を所持する来訪者と、職員端末装置22を使用する職員との間で、ビデオ通話あるいは音声のみによる通話が行われる。
【0039】
通信制御部14は、職員が応対を行う対象とする来訪者が仮想空間の施設に来訪した来訪者である場合、入力情報167によって特定される来訪者が使用する情報処理装置と当該職員の職員端末装置22とを通信接続し、その双方向通信を制御する。そして、通信接続された当該情報処理装置を使用する来訪者と、職員端末装置22を使用する職員との間で、ビデオ通話あるいは音声のみによる通話が行われる。
【0040】
通信制御部14は、現実空間の施設に来訪した来訪者に対して、施設内の目的地(目的の部署)の入力を促すメニュー画面を、来訪者端末装置21の表示画面210に表示してもよい。当該メニュー画面は、例えば、施設内における複数の部署のいずれかを選択することを来訪者に促すことを表す。そして、そのメニュー画面にしたがって来訪者が目的地を入力した場合、取得部11は、来訪者端末装置21から当該目的地を表す目的地情報164を受信し、受信した目的地情報164を記憶部16に格納する。
【0041】
生成部15は、目的地情報164が示す施設における前記来訪者の目的地に、来訪者位置情報161が示す来訪者の現在の位置から移動する際の移動経路を表す移動経路情報165を、移動経路算出基準166に基づいて生成する。移動経路算出基準166は、現在の位置から目的地までの1以上の移動経路のうち、例えば最短の移動経路を選択するための基準であり、車両に搭載されたナビゲーションシステム等において用いられている既存の技術を用いた基準である。生成部15は、生成した移動経路情報165を記憶部16に格納する。
【0042】
通信制御部14は、生成部15によって生成された移動経路情報165を、目的地情報164を送信した来訪者端末装置21の表示画面210に表示する。通信制御部14は、移動経路情報165を、例えば、表示画面210に表示した施設内の地図の上に表示してもよい。通信制御部14は、あるいは、来訪者端末装置21のカメラによる撮像画像に、移動経路情報165を表す矢印等の図形を、拡張現実に関する既存技術を用いて重畳して表示するようにしてもよい。
【0043】
通信制御部14は、また、施設における窓口に設置された窓口応対装置23が具備するカメラ及びマイクにより取得した、現実空間の施設に来訪した来訪者の撮像画像及び音声を表す情報を、職員端末装置22に送信する。そして、通信制御部14は、職員端末装置22が具備するカメラ及びマイクにより取得した、職員の撮像画像及び音声を表す情報を、窓口応対装置23に送信する。即ち、通信制御部14は、窓口応対装置23の表示画面230の前にいる来訪者と、その来訪者に対する応対を行う職員とがビデオ通話を行うことができるように、窓口応対装置23と職員端末装置22との間の通信を制御する。
【0044】
窓口応対装置23は、例えば、表示画面230の前にいる来訪者に対する応対を行う職員の上半身の撮像画像を等身大で表示可能な表示画面230を備えてもよい。そしてその場合、通信制御部14は、当該職員の上半身の撮像画像を、等身大で窓口応対装置23の表示画面230に表示する。
【0045】
応対支援装置10は、現実空間の施設に来訪した来訪者が当該施設から出ることによって、取得部11による来訪者位置情報161が取得できなくなった場合、あるいは、来訪者位置情報161が、来訪者が施設から退出したことを表す場合、当該来訪者の来訪者アバターを、施設を表す仮想空間に表示することを終了する。
【0046】
次に図3A及び3Bのフローチャートを参照して、本実施形態に係る応対支援装置10の動作(処理)について詳細に説明する。
【0047】
取得部11は、現実空間の施設への来訪者が所持する来訪者端末装置21から、来訪者撮像画像162を取得し、取得した来訪者撮像画像162を記憶部に格納する(ステップS101)。表示制御部12は、来訪者撮像画像162が示す来訪者の属性に応じた来訪者アバター情報163を生成し、生成した来訪者アバター情報163を記憶部16に格納する(ステップS102)。
【0048】
取得部11は、来訪者端末装置21から、来訪者位置情報161を随時取得し、取得した来訪者位置情報161を記憶部16に格納する(ステップS103)。表示制御部12は、施設を表す仮想空間における来訪者位置情報161が示す位置に、来訪者アバター情報163が示す来訪者アバターを、職員端末装置22の表示画面220に表示する(ステップS104)。
【0049】
来訪者端末装置21において、来訪者による施設内の目的地を入力する操作が行われない場合(ステップS105でNo)、処理は、ステップS109へ進む。来訪者端末装置21において、来訪者による施設内の目的地を入力する操作が行われた場合(ステップS105でYes)、取得部11は、来訪者端末装置21から当該目的地を表す目的地情報164を取得し、取得した目的地情報164を記憶部16に格納する(ステップS106)。
【0050】
生成部15は、来訪者位置情報161と目的地情報164と移動経路算出基準166とに基づいて、来訪者の現在の位置から目的地までの移動経路を表す移動経路情報165を生成し、生成した移動経路情報165を記憶部16に格納する(ステップS107)。表示制御部12は、生成部15によって生成された移動経路情報165を、来訪者端末装置21のカメラにより撮像された撮像画像に重畳して、来訪者端末装置21の表示画面210に表示する(ステップS108)。
【0051】
職員端末装置22において、職員による、表示画面220に表示された来訪者アバターのいずれかを選択する入力操作が行わない場合(ステップS109でNo)、処理はステップS114へ進む。職員端末装置22において、職員による、表示画面220に表示された来訪者アバターのいずれかを選択する入力操作が行われた場合(ステップS109でYes)、受付部13は、職員端末装置22から、選択された来訪者アバターが示す来訪者が保持する来訪者端末装置21を示す入力情報167を受け付け、受け付けた入力情報167を記憶部16に格納する(ステップS110)。
【0052】
通信制御部14は、職員端末装置22と入力情報167が示す来訪者端末装置21とを通信接続し、その職員端末装置22と来訪者端末装置21との間の映像及び音声による双方向通信を制御する(ステップS111)。来訪者端末装置21あるいは職員端末装置22において、双方向通信を終了する入力操作が行われない場合(ステップS112でNo)、処理はステップS111へ戻る。来訪者端末装置21あるいは職員端末装置22において、双方向通信を終了する入力操作が行われた場合(ステップS112でYes)、通信制御部14は、職員端末装置22と来訪者端末装置21との間の双方向通信を終了する(ステップS113)。
【0053】
取得部11は、来訪者端末装置21から来訪者位置情報161を取得可能な状態であるか確認する(ステップS114)。来訪者端末装置21から来訪者位置情報161を取得可能である(即ち来訪者がまだ施設内にいる)場合(ステップS115でYes)、処理はステップS103へ戻る。来訪者端末装置21から来訪者位置情報161を取得可能でない(即ち来訪者が施設から退出した)場合(ステップS115でNo)、全体の処理は終了する。
【0054】
本実施形態に係る応対支援装置10は、現実空間の施設が仮想空間に構築されている場合において、現実空間の施設への来訪者に対しても、仮想空間の施設への来訪者と同様に、応対を効率的に行うことを実現できる。その理由は、応対支援装置10は、現実空間の施設への来訪者の位置情報から、仮想空間におけるその施設において、その来訪者を来訪者アバターとして可視化し、職員が来訪者アバターにより示される来訪者に対して双方向通信による応対ができるようにするからである。
【0055】
以下に、本実施形態に係る応対支援装置10によって実現される効果について、詳細に説明する。
【0056】
近年、現実の空間を、コンピュータあるいはコンピュータネットワークの中に仮想空間として構築し、構築した仮想空間において様々なサービスを提供することが行われている。例えば、電話による応対等を含む窓口業務を行う施設を仮想空間に構築した場合、その施設の職員は、現実空間における物理的な場所に関係なく、仮想空間内で来訪者への応対を行うことができるので、応対を効率的に行うことができる。しかしながら、施設が仮想空間に構築されている場合であっても、例えば高齢者等のITリテラシーが高くない人は、通常、仮想空間に入るようなことを行わないので、施設に用がある場合、仮想空間ではなく現実空間の施設に来訪することになる。この場合、現実空間の施設への来訪者に応対できるのは、現実空間の施設にいる職員のみとなり、応対可能な職員が限定されるので、仮想空間における応対と比較して効率が低下する。即ち、現実空間の施設が仮想空間にも構築されている場合において、現実空間の施設への来訪者に対しても、仮想空間の施設への来訪者と同様に、応対を効率的に行うことを実現することが課題である。
【0057】
このような課題に対して、本実施形態に係る応対支援装置10は、現実空間における施設への来訪者が所持する来訪者端末装置21の位置を表す来訪者位置情報161を取得する。応対支援装置10は、当該施設を表す仮想空間における来訪者位置情報161が示す位置に、当該来訪者を表す来訪者アバターを、当該施設の職員を表す職員アバターと区別可能な態様により、職員端末装置22の表示画面220に表示する。応対支援装置10は、職員端末装置22の表示画面220に表示された来訪者アバターを選択する入力情報167を受け付ける。そして、応対支援装置10は、入力情報167によって特定される来訪者端末装置21と職員端末装置22との双方向通信を制御する。これにより、応対支援装置10は、現実空間の施設が仮想空間に構築されている場合において、現実空間の施設への来訪者に対しても、仮想空間の施設への来訪者と同様に、応対を効率的に行うことを実現できる。
【0058】
また、本実施形態に係る応対支援装置10は、来訪者アバターと職員アバターとを、異なる形状及び異なる色の少なくともいずれかによって表示する。これにより、応対支援装置10は、職員が仮想空間の施設にいる来訪者を容易に識別できるようにすることを実現できる。
【0059】
また、本実施形態に係る応対支援装置10は、来訪者端末装置21によって撮像された来訪者撮像画像162を取得し、来訪者撮像画像162によって示される来訪者の属性を表す来訪者アバターを表示する。この場合、職員は、来訪者の性別、年齢等の属性を、仮想空間を表示した画面において容易に認識できる。したがって、応対支援装置10は、例えば、女性の来訪者に対して女性の職員が応対する、高齢者の来訪者に対して高齢者の応対に慣れた職員が応対するといった、顧客満足度を高めるような応対を実現することができる。
【0060】
また、本実施形態に係る応対支援装置10は、来訪者端末装置21から送信された、施設における来訪者の目的地に、来訪者位置情報161が示す位置から移動する際の移動経路を表す移動経路情報165を生成する。そして応対支援装置10は、移動経路情報165を来訪者端末装置21の表示画面210に表示する。また、その際、応対支援装置10は、移動経路情報165を、来訪者端末装置21により撮像された撮像画像に重畳して表示する。これにより、応対支援装置10は、来訪者を、施設における目的地まで、わかりやすく案内することができる。
【0061】
また、本実施形態に係る応対支援装置10は、施設における窓口に設置された窓口応対装置23が取得した来訪者の撮像画像及び音声を表す情報を、職員端末装置22に送信し、職員端末装置22が取得した職員の撮像画像及び音声を表す情報を、窓口応対装置に送信する。そして、応対支援装置10は、職員の撮像画像を、等身大で窓口応対装置23の表示画面230に表示する。これにより、応対支援装置10は、現実空間における施設の窓口において、対面での応対を所望する来訪者に対して対面での応対ができない場合に、対面に近い応対環境を提供することによって、来訪者の満足度の低下を回避することができる。
【0062】
また、本実施形態に係る応対支援装置10は、複数の施設に関して、来訪者位置情報161を取得し、複数の施設に関して、来訪者アバターを職員端末装置22の表示画面230に表示する。これにより、応対支援装置10は、例えば、部署ごとに複数の施設に分かれていような場合において、職員が複数の施設への来訪者への応対を効率的に行えるように支援することができる。
【0063】
<第2の実施形態>
図4は、本発明の第2の実施形態に係る応対支援装置40の構成を示すブロック図である。
【0064】
本実施形態に係る応対支援装置40は、取得部41、表示制御部42、受付部43、通信制御部44を備えている。取得部41、表示制御部42、受付部43、通信制御部44は、順に、取得手段、表示制御手段、受付手段、通信制御手段の一例である。
【0065】
取得部41は、現実空間における施設への来訪者が所持する来訪者端末装置51の位置を表す位置情報410を取得する。来訪者端末装置51は、例えば、第1の実施形態に係る来訪者端末装置21と同様な装置である。位置情報410は、例えば、第1の実施形態に係る来訪者位置情報161と同様な情報である。取得部41は、例えば、第1の実施形態に係る取得部11と同様に動作する。
【0066】
表示制御部42は、当該施設を表す仮想空間における位置情報410が示す位置に、当該来訪者を表す来訪者アバターを、当該施設の職員を表す職員アバターと区別可能な態様により、職員端末装置52の表示画面520に表示する。職員端末装置52は、例えば、第1の実施形態に係る職員端末装置22と同様な装置である。表示画面520は、例えば、第1の実施形態に係る表示画面220と同様な画面である。表示制御部42は、例えば、第1の実施形態に係る表示制御部12と同様に動作する。
【0067】
受付部43は、職員端末装置52の表示画面520に表示された当該来訪者アバターを選択する入力情報430を受け付ける。入力情報430は、例えば、第1の実施形態に係る入力情報167と同様な情報である。受付部43は、例えば、第1の実施形態に係る受付部13と同様に動作する。
【0068】
通信制御部44は、入力情報430によって特定される来訪者端末装置51と職員端末装置52との双方向通信を制御する。通信制御部44は、例えば、第1の実施形態に係る通信制御部14と同様に動作する。
【0069】
次に図5のフローチャートを参照して、本実施形態に係る応対支援装置40の動作(処理)について詳細に説明する。
【0070】
取得部41は、来訪者端末装置51の位置を表す位置情報410を取得する(ステップS201)。表示制御部42は、施設を表す仮想空間における位置情報410が示す位置に、来訪者を表す来訪者アバターを、職員端末装置52の表示画面520に表示する(ステップS202)。
【0071】
受付部43は、職員端末装置52の表示画面520に表示された来訪者アバターを選択する入力情報430を受け付ける(ステップS203)。通信制御部44は、入力情報430によって特定される来訪者端末装置51と職員端末装置52との双方向通信を制御し(ステップS204)、全体の処理は終了する。
【0072】
本実施形態に係る応対支援装置40は、現実空間の施設が仮想空間に構築されている場合において、現実空間の施設への来訪者に対しても、仮想空間の施設への来訪者と同様に、応対を効率的に行うことを実現できる。その理由は、応対支援装置40は、現実空間の施設への来訪者の位置情報から、仮想空間におけるその施設において、その来訪者を来訪者アバターとして可視化し、職員が来訪者アバターにより示される来訪者に対して双方向通信による応対ができるようにするからである。
【0073】
<ハードウェア構成例>
上述した各実施形態において図1、及び、図4に示した応対支援装置における各部は、専用のHW(HardWare)(電子回路)によって実現することができる。また、図1、及び、図4において、少なくとも、下記構成は、プロセッサによって実行される命令を含むソフトウェアプログラムの機能(処理)単位(ソフトウェアモジュール)と捉えることができる。
・取得部11及び41、
・表示制御部12及び42、
・受付部13及び43、
・通信制御部14及び44、
・生成部15、
・記憶部16における記憶制御機能。
【0074】
但し、これらの図面に示した各部の区分けは、説明の便宜上の構成であり、実装に際しては、様々な構成が想定され得る。この場合のハードウェア環境の一例を、図6を参照して説明する。
【0075】
図6は、本発明の各実施形態に係る応対支援装置を実現可能な情報処理装置900(コンピュータ)の構成を例示的に説明する図である。即ち、図6は、図1、及び、図4に示した応対支援装置を実現可能なコンピュータ(情報処理装置)の構成であって、上述した実施形態における各機能を実現可能なハードウェア環境を表す。
【0076】
図6に示した情報処理装置900は、構成要素として下記を備えている。
・CPU(Central_Processing_Unit)901、
・ROM(Read_Only_Memory)902、
・RAM(Random_Access_Memory)903、
・ハードディスク(記憶装置)904、
・通信インタフェース905、
・バス906(通信線)、
・CD-ROM(Compact_Disc_Read_Only_Memory)等の記録媒体907に格納されたデータを読み書き可能なリーダライタ908、
・モニターやスピーカ、キーボード等の入出力インタフェース909。
【0077】
即ち、上記構成要素を備える情報処理装置900は、これらの構成がバス906を介して接続された一般的なコンピュータである。情報処理装置900は、CPU901を複数備える場合もあれば、マルチコアにより構成されたCPU901を備える場合もある。
【0078】
そして、上述した実施形態を例に説明した本発明は、図6に示した情報処理装置900に対して、次の機能を実現可能なコンピュータプログラムを供給する。その機能とは、その実施形態の説明において参照したブロック構成図(図1及び図4)における上述した構成、或いはフローチャート(図3A及び3B、図5)の機能である。本発明は、その後、そのコンピュータプログラムを、当該ハードウェアのCPU901に読み出して解釈し実行することによって達成される。また、当該装置内に供給されたコンピュータプログラムは、読み書き可能な揮発性のメモリ(RAM903)、または、ROM902やハードディスク904等の不揮発性の記憶デバイスに格納すれば良い。
【0079】
また、前記の場合において、当該ハードウェア内へのコンピュータプログラムの供給方法は、現在では一般的な手順を採用することができる。その手順としては、例えば、CD-ROM等の各種記録媒体907を介して当該装置内にインストールする方法や、インターネット等の通信回線を介して外部よりダウンロードする方法等がある。そして、このような場合において、本発明は、係るコンピュータプログラムを構成するコード或いは、そのコードが格納された記録媒体907によって構成されると捉えることができる。
【0080】
以上、上述した実施形態を模範的な例として本発明を説明した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態には限定されない。即ち、本発明は、本発明のスコープ内において、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。
【符号の説明】
【0081】
1 応対支援システム
10 応対支援装置
11 取得部
12 表示制御部
13 受付部
14 通信制御部
15 生成部
16 記憶部
161 来訪者位置情報
162 来訪者撮像画像
163 来訪者アバター情報
164 目的地情報
165 移動経路情報
166 移動経路算出基準
167 入力情報
21 来訪者端末装置
210 表示画面
22 職員端末装置
220 表示画面
23 窓口応対装置
230 表示画面
30 通信ネットワーク
40 応対支援装置
41 取得部
410 位置情報
42 表示制御部
43 受付部
430 入力情報
44 通信制御部
51 来訪者端末装置
52 職員端末装置
520 表示画面
900 情報処理装置
901 CPU
902 ROM
903 RAM
904 ハードディスク(記憶装置)
905 通信インタフェース
906 バス
907 記録媒体
908 リーダライタ
909 入出力インタフェース
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6