(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025136
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】情報提供装置、情報提供方法およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/26 20240101AFI20240216BHJP
【FI】
G06Q50/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022128339
(22)【出願日】2022-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】守屋 敬太
(72)【発明者】
【氏名】福田 裕希
(72)【発明者】
【氏名】木下 洋一
(72)【発明者】
【氏名】山中 翔太
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 有佳
(72)【発明者】
【氏名】古川 徹
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC35
(57)【要約】
【課題】 自治体の活動に対する住民の関心を高めるべく、自治体の活動を自分事として捉えてもらうための情報提供に関する技術を提供する。
【解決手段】 情報提供装置50の受付部51は、自治体の税金の使い道についての提案を、ウェブサイトを用いて受け付ける。生成部52は、提案が採用されて実施された場合における提案の実施内容を表す図表と画像の少なくとも一方を用いて、提案の実施内容を表す実施報告情報を生成する。提供部53は、実施報告情報を出力する。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
税金の使い道についての提案を、ウェブサイトを用いて受け付ける受付部と、
前記提案が採用されて実施された場合における前記提案の実施内容を表す図表と画像の少なくとも一方を用いて、前記提案の実施内容を表す実施報告情報を生成する生成部と、
前記実施報告情報を出力する提供部と
を備える情報提供装置。
【請求項2】
前記受付部は、さらに、前記ウェブサイトを用いて、前記提案に賛同する賛同情報を受け付け、
前記提供部は、さらに、前記賛同情報を用いて生成され前記提案に賛同している賛同者の数を表す賛同調査情報を出力する
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記受付部は、さらに、前記ウェブサイトを用いて寄付を受け付ける
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記提供部は、さらに、自治体に寄付された寄付金の金額を表す寄付金情報を出力し、
前記受付部は、さらに、前記ウェブサイトを用いて、前記寄付金の使い道についての提案を受け付ける
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項5】
前記受付部は、さらに、自治体における議会を構成する議員に向けて個別に提案された前記自治体の活動についての提案を、前記ウェブサイトを用いて受け付ける
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項6】
コンピュータによって、
税金の使い道についての提案を、ウェブサイトを用いて受け付け、
前記提案が採用されて実施された場合における前記提案の実施内容を表す図表と画像の少なくとも一方を用いて、前記提案の実施内容を表す実施報告情報を生成し、
前記実施報告情報を出力する
情報提供方法。
【請求項7】
税金の使い道についての提案を、ウェブサイトを用いて受け付ける処理と、
前記提案が採用されて実施された場合における前記提案の実施内容を表す図表と画像の少なくとも一方を用いて、前記提案の実施内容を表す実施報告情報を生成する処理と、
前記実施報告情報を出力する処理と
をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地方公共団体(以下、自治体とも称する)による行政サービスの実施状況などの情報を提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
自治体がウェブサイト(以下、自治体ポータルサイトあるいは自治体ポータルとも称する)を用いて様々な情報を発信している場合には、住民は、その自治体ポータルを利用して、自治体が発信している情報を取得できる。また、そのような自治体ポータルを利用して、住民が自治体に対して問合せをできる場合がある。
【0003】
なお、特許文献1(特開2005-84975号公報)には、市議会議員などの議員に対する陳述や相談や問合せ等を含む陳述情報を携帯型の閲覧端末で閲覧できる技術が示されている。特許文献2(特開2005-18101号公報)には、商品を購入した際に支払った購入金額に含まれる税金について、どのような事業に関与したかを商品の購入者に通知する技術が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-84975号公報
【特許文献2】特開2005-18101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ふるさと納税制度という制度がある。ふるさと納税制度とは、自身が選んだ自治体に寄付を行うと、所得税と住民税から寄付額に応じた額が控除されるという制度である。自身が居住している自治体以外で応援したい自治体がある人にとっては、ふるさと納税制度を利用して寄付を行うことにより、少ない自己負担で、応援したい自治体を金銭面で応援ができることとなる。一方で、ふるさと納税制度を利用して他の自治体に寄付を行った人(以下、ふるさと納税実行者とも称する)が居住している自治体にあっては、本来なら収入となったふるさと納税実行者の住民税の一部が入ってこないこととなる。つまり、ふるさと納税実行者が増加するにつれて、その分、ふるさと納税実行者が居住している自治体の税収入が減少するという事態が生じる。自治体の税収入の減少は、自治体が住民に提供する行政サービスの質の低下につながってしまうという懸念がある。
【0006】
そこで、そのような行政サービスの質の低下を防止すべく、次のような対応策が検討されている。すなわち、ふるさと納税制度に起因して税収入が減少してしまう原因の一つは、自治体の活動に対する住民の関心が低いことにあると考えられ、自治体の活動に対する住民の関心を高めるための対応策が検討されている。
【0007】
また、自治体の活動に対する住民の関心を高めることは、ふるさと納税制度に起因した税収入の減少を抑制することばかりで無く、自治体の活動の円滑化につながると考えられることから、自治体の活動に対する住民の関心を高める対応策は重要であるとされる。
【0008】
本発明は上記課題を解決するために考え出されたものである。すなわち、本発明の主な目的は、自治体の活動に対する住民の関心を高めるべく、自治体の活動を自分事として捉えてもらうための情報提供に関する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係る情報提供装置は、その一態様として、
税金の使い道についての提案を、ウェブサイトを用いて受け付ける受付部と、
前記提案が採用されて実施された場合における前記提案の実施内容を表す図表と画像の少なくとも一方を用いて、前記提案の実施内容を表す実施報告情報を生成する生成部と、
前記実施報告情報を出力する提供部と
を備える。
【0010】
また、本発明に係る情報提供方法は、その一態様として、
コンピュータによって、
税金の使い道についての提案を、ウェブサイトを用いて受け付け、
前記提案が採用されて実施された場合における前記提案の実施内容を表す図表と画像の少なくとも一方を用いて、前記提案の実施内容を表す実施報告情報を生成し、
前記実施報告情報を出力する。
【0011】
さらに、本発明に係るコンピュータプログラムは、その一態様として、
税金の使い道についての提案を、ウェブサイトを用いて受け付ける処理と、
前記提案が採用されて実施された場合における前記提案の実施内容を表す図表と画像の少なくとも一方を用いて、前記提案の実施内容を表す実施報告情報を生成する処理と、
前記実施報告情報を出力する処理と
をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、自治体の活動に対する住民の関心を高めるべく、自治体の活動を自分事として捉えてもらうための情報提供に関する技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明に係る第1実施形態の情報提供装置の構成を説明する図である。
【
図2】ウェブページである提案受付ページの表示態様の一例を表す図である。
【
図3】ウェブページである実施報告ページの表示態様の一例を表す図である。
【
図4】提案集計情報および実施状況情報を表すウェブページの表示態様の一例を表す図である。
【
図5】第1実施形態の情報提供装置における情報提供に関する動作の一例を説明するフローチャートである。
【
図6】提案に賛同する賛同情報を入力するウェブページの表示態様の一例を表す図である。
【
図7】議員への提案を入力するウェブページの表示態様の一例を表す図である。
【
図8】議員への提案についての実施状況を数値により表す情報を説明する図である。
【
図9】提案や寄付に対する実施状況を表す情報を表示する表示態様の一例を説明する図である。
【
図10】本発明に係るその他の実施形態の情報提供装置の構成を説明する図である。
【
図11】その他の実施形態の情報提供装置における動作の一例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明に係る実施形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0015】
<第1実施形態>
図1は、本発明に係る第1実施形態の情報提供装置の構成を説明する図である。第1実施形態の情報提供装置2は、コンピュータ装置(サーバ)である。この情報提供装置2は、自治体のウェブサイトである自治体ポータル(自治体ポータルサイト)を用いて、自治体の収入である税金の使い道についての提案を受け付け、また、その提案について実施状況を表す実施報告情報を提供する。情報提供装置2は、そのように、自治体ポータルを用いて、税金の使い道についての提案を住民から受け付け、また、その提案についての実施報告情報を住民に提供できるようにすることにより、住民が自治体の活動に参加しているという参画意識の向上を図る。換言すれば、情報提供装置2は、自治体の活動に対する住民の関心を高めて住民が自治体の活動を自分事として捉えられるようにすることを図る。以下に、情報提供装置2の構成について説明する。
【0016】
情報提供装置2はデータベース4に接続されており、情報提供装置2は、データベース4への情報の書き込みと、データベース4からの情報の読み出しとが可能である。データベース4は、記憶装置であり、ここでは、自治体の活動に関わる情報が格納されている。自治体の活動に関わる情報には、多種多様な情報があり、ここでは、特に限定されないが、例を挙げると、例えば、自治体の人口や地図などの基本的な情報を始め、自治体における議会を構成する議員の情報や、自治体が管理運営している図書館などの施設の情報や、自治体の収入および支出に関する情報がある。さらに、データベース4に格納される情報としては、学校や幼稚園や保育園に関する情報や、道路や水道などのインフラに関する情報や、ゴミに関する情報や、住民からの問合せや要望などの情報がある。
【0017】
また、情報提供装置2は、情報通信網8を介して、ユーザ(住民など)が操作する端末装置7と通信可能である。端末装置7は、情報機器であり、通信機能を持ち、かつ、表示装置を制御して情報を表示させる表示制御機能を備えている。端末装置7は、通信機能と表示制御機能を備えている情報機器であればその種類は限定されるものではないが、具体例を挙げると、スマートフォン、タブレット、パソコン(パーソナルコンピュータ)などがある。なお、端末装置7がスマートフォンやタブレットである場合には、表示装置は端末装置7と一体的であるが、端末装置7がパソコンである場合には、表示装置は外付けである場合がある。ここでは、端末装置7の表示制御機能によって文字や画像を表示することにより情報をユーザに提供する表示装置を、端末の表示装置とも称する。
【0018】
さらに、情報提供装置2は、情報機器5と接続されている。情報機器5は、例えば自治体の職員など(以下、管理者とも称する)が操作する情報機器(コンピュータ装置)であり、情報提供装置2に情報や指示(要求)を送信したり、情報提供装置2から受信した情報を表示装置に表示したりする。なお、情報機器5が表示制御を行う表示装置は、当該情報機器5と一体的である場合もあるし、別体である場合もある。
【0019】
情報提供装置2は、演算装置20と記憶装置40を備えている。記憶装置40は、データや、コンピュータプログラム(以下、プログラムとも称する)41を記憶する記憶媒体を備えている。記憶装置には、磁気ディスク装置や、半導体メモリ素子などの複数の種類があり、さらに、半導体メモリ素子には、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などの複数の種類があるというように、多数の種類がある。情報提供装置2が備える記憶装置40の種類は1つに限定されるものではない。コンピュータ装置には複数種の記憶装置が備えられることが多い。ここでは、情報提供装置2に備えられる記憶装置40の種類や数は限定されず、その説明は省略される。また、情報提供装置2に複数種の記憶装置が備えられる場合には、それらをまとめて記憶装置40と称することとする。
【0020】
演算装置20は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)などのプロセッサにより構成される。演算装置20は、記憶装置40に記憶されているプログラム41を読み出して実行することにより、当該プログラム41に基づいた様々な機能を持つことができる。ここでは、演算装置20は、情報提供に関わる機能部として、受付部21と、生成部22と、提供部23とを備えている。
【0021】
受付部21は、自治体ポータルを利用して、税金の使い方についての提案を受け付ける。自治体ポータルを利用して税金の使い方についての提案を受け付ける一具体例としては、例えば、自治体ポータルを構成する一つのウェブページとして提案受付ページを生成し当該提案受付ページを利用する手法が考えられる。提案受付ページとは、税金の使い方についての提案を受け付けるウェブページである。提案受付ページの態様は、ユーザ(住民など)が税金の使い道についての提案を入力することができる態様であれば限定されるものではないが、その一例が
図2に表されている。
図2の例では、提案受付ページSにおいて、税金の使い方についての提案をユーザが書き込める提案記入欄Mが設けられ、また、参考情報Rが表されている。参考情報Rは、ユーザが税金の使い方について提案する際に参考になると想定される情報であり、
図2の例では、自治体の予算案を表す図表が表されている。また、参考情報Rとして、自治体が実施した行政サービスの具体例が表されていてもよい。さらに、参考情報が表されている別のウェブページに遷移するための遷移先を表すリンク情報が参考情報Rとして表されていてもよい。
【0022】
このような提案受付ページSには、例えば、自治体ポータルを構成するトップページ(総合案内窓口として機能するウェブページ)から遷移可能となっている。つまり、自治体ポータルのトップページには、提案受付ページSに遷移するための遷移先を表すリンク情報が文字列や画像(例えばアイコン)に含まれている状態で表されている(貼られている)。
【0023】
提案受付ページSが端末装置7における表示装置に表示され、さらに、ユーザによる端末装置7の操作によって、提案記入欄Mに情報が入力され当該情報の送信が要求されたとする。このような場合に、提案記入欄Mに入力された情報が提案情報として端末装置7から情報提供装置2に送信されるように提案受付ページSが生成されている。なお、提案記入欄Mに入力される情報は、文字に限らず、画像をも含まれていてもよい。また、
図2の例に表されているように提案者の名前に関する提案者情報が提案受付ページSに入力された場合には、当該提案者情報は提案記入欄Mに入力される情報に関連付けられて情報提供装置2に送信される。
【0024】
受付部21は、ユーザによる端末装置7の操作によって、端末装置7から情報提供装置2に提案情報が送信されてきた場合に、当該提案情報を受け付ける。この受け付けられた提案情報はデータベース4に格納される。データベース4に格納された提案情報には、当該情報を識別する提案識別情報が関連付けられている。また、情報提供装置2が提案情報に関連付けられた提案者情報も受け付けている場合には、データベース4に格納された提案情報には、提案者情報も関連付けられている。
【0025】
第1実施形態では、行政サービスとして実施された事項における実施された内容を表す実施情報が、管理者による情報機器5の操作によって、データベース4に格納される。ここでは、実施情報のうち、少なくとも前述したような税金の使い道について受け付けた提案(以下、単に、提案とも称する)に関連する実施情報は、文字のみである場合よりも分かり易く情報が伝わる態様となっている。すなわち、提案に関連する実施情報は、文字だけでなく、実施された内容が映っている画像や、実施された場所を表す地図や、実施された内容を説明する図やグラフや表を含む態様となっている。
【0026】
生成部22は、以下に述べるように実施報告情報を生成する。実施報告情報とは、提案が採用されて実施された場合における提案の実施内容を表す情報である。例えば、生成部22は、管理者の操作による情報機器5からの指示によって、データベース4から、提案に関連する実施情報と、当該実施情報に対応する提案情報とを読み出し、それら読み出した情報を関連付ける。また、実施報告情報を生成するためのテンプレートが予め生成されて記憶装置40に格納されている。生成部22は、そのテンプレートと、実施情報に含まれている画像と図表の少なくとも一方とを用いて、実施報告情報を生成する。さらにまた、生成部22は、生成した実施報告情報をデータベース4に格納する。なお、生成部22は、データベース4から、実施情報や提案情報を検索する検索機能を備えていてもよい。情報を検索する手法には様々な手法があり、ここでは、検索手法は限定されないことから、その説明は省略される。また、生成部22は、実施報告情報を生成する際に、AI(Artificial Intelligence)技術の一つである画像キャプション生成技術を用いて、実施情報に含まれている画像の説明を生成し、生成した説明の文章を画像に関連付けて実施報告情報に含ませてもよい。
【0027】
また、生成部22は、提案集計情報を生成してもよい。提案集計情報とは、予め定められた集計期間(例えば年度単位の期間(四月から翌年の三月までの期間))において提案受付ページSを介して受け付けられた提案情報の数を表す情報である。例えば、生成部22は、集計期間に受け付けられた提案情報を分類し、分類項目ごとの提案情報の数を集計し集計結果を提案集計情報として生成する。提案情報を分類する手法としては、例えば、提案情報に含まれるテキストを解析し、解析した結果を用いて、AI(Artificial Intelligence)技術のクラスタリングにより提案情報を分類する。テキストを解析するテキスト解析手法にも、AI技術のクラスタリング手法にも、それぞれ、様々な手法があり、ここでは、限定されないので、それらの説明は省略される。また、AI技術によるクラスタリングを生成部22(情報提供装置2)が行う場合には、クラスタリングを行うAI技術により生成されたモデルが記憶装置40に与えられる。そのモデルは、複数の提案情報の内容をそれぞれ表すテキストデータを入力とし、それら提案情報を分類した分類結果を出力するモデルである。また、テキスト解析にAI技術を用いる場合が考えられ、この場合には、テキスト解析するモデルがAI技術により生成されて記憶装置40に与えられる。このモデルは、提案情報に含まれるテキストデータを入力として、そのテキストデータを解析した解析結果を出力するモデルである。
【0028】
生成部22が生成する提案集計情報は、提案情報に関する集計結果を、グラフや表を用いて表す態様となっており、当該情報を提供されるユーザにとって分かり易い態様となっている。
【0029】
さらに、生成部22は、実施状況情報を生成してもよい。実施状況情報とは、提案に関連する実施情報の数に関する情報である。例えば、生成部22は、集計期間(例えば年度単位の期間)における上述したように分類項目ごとに分類された提案情報と、当該提案情報を含む実施報告情報とを用いて、分類項目ごとに、提案に関連する実施情報の数を実施状況情報として算出してもよい。さらに、生成部22は、実施率情報を生成してもよい。実施率情報とは、集計期間における提案の数に対して実際に実施された提案の数の割合(実施率)を表す情報である。例えば、生成部22は、前述したような提案情報の分類項目ごとに、集計期間における提案情報の数に対する実際に実施された提案の数の割合(実施率)を実施率情報として算出する。実施状況情報や実施率情報に関しても、実施状況や実施率を、グラフや表を用いて表す態様となっており、当該情報を提供されるユーザにとって分かり易い態様となっている。なお、上述した例では、提案情報は、集計期間において集計されるが、その集計期間の提案情報(提案)に対応する実施情報(実際に実施された提案)は集計期間内に実施されているとは限らない。また、生成部22により生成される提案集計情報と実施状況情報と実施率情報も、実施報告情報と同様に、データベース4に格納される。
【0030】
提供部23は、自治体ポータルを用いて、ユーザ(住民など)に情報を提供する。提供部23が提供する情報の一つは、生成部22により生成された実施報告情報である。例えば、自治体ポータルを構成するウェブページの一つとして、実施報告ページが生成され、提供部23は、その実施報告ページを用いて、実施報告情報をユーザに提供する。つまり、実施報告情報を閲覧したいという実施報告情報の閲覧要求がユーザの操作により端末装置7から情報提供装置2に発信される場合がある。この場合に、提供部23は、その閲覧要求に応じた実施報告情報を実施報告ページに表示させるべく、閲覧要求を発信した端末装置7に向けて実施報告情報を返信する。端末装置7は、実施報告情報を受信すると、端末の表示装置に、受信した実施報告情報を含む実施報告ページを表示する。なお、実施報告情報を含む実施報告ページを端末の表示装置に表示させるために端末装置7と情報提供装置2との間で実行される情報や指令(要求)の通信などに関する制御手順に関しては、ここでは、特に限定されないので、その詳細な説明は省略される。
【0031】
図3には、端末の表示装置に表示される実施報告ページの表示態様の一例が表されている。
図3に表されているように、実施報告ページPにおいて、実施報告情報は、当該実施報告情報に含まれている提案情報31と、当該提案情報31に関連付けられている実施情報32とが対応するように表示される。また、その実施情報32は、画像と図表とのうちの少なくとも一つを含み、ユーザにとって分かり易くて、ユーザの関心を引くことができるように考えられた表示態様となっている。
【0032】
提供部23が提供する別の情報の例としては、生成部22により生成された提案集計情報や実施状況情報や実施率情報が挙げられる。
図4には、自治体ポータルを構成する一つのウェブページUにおける提案集計情報および実施状況情報の表示形態の一例が表されている。
図4の例では、提案集計情報および実施状況情報がグラフを用いて表されている。つまり、
図4の例では、分類項目ごとに、提案情報の数と、その提案情報に関連付けられている実施情報の数とが並べられ、グラフの態様でもって表されている。なお、ここでは、提供部23がユーザに提供する情報の表示態様が画像や図表を用いる態様である例を示しているが、提供部23が提供する情報の表示形態は他の態様をも採り得る。例えば、実施情報を表示する態様として、リポーターが実施された提案の実施内容を現場で音声により説明するというようなリポート形式の動画を用いて実施情報を表す表示態様であってもよい。さらに、提供部23が提供する情報の表示態様は、イラストを用いた態様であってもよい。さらにまた、提供部23が提供可能な実施報告情報の数は、実施情報の増加に応じて増加し、実施報告情報の全てをユーザが閲覧することが難しくなる場合もあると考えられる。このようなことを想定し、例えば、ユーザの操作による端末装置7からの検索要求と検索条件の情報を受け付け、提供部23は、検索条件に該当する情報を含む実施報告情報や提案集計情報や実施状況情報や実施率情報などの情報をデータベース4から検索してもよい。
【0033】
第1実施形態の情報提供装置2は上述したように構成されている。次に、情報提供装置2における税金の使い道についての提案に関係する情報提供の動作の一例を、
図5を参照しつつ説明する。
図5は、情報提供装置2における税金の使い道についての提案に関係する情報提供の動作の一例を表すフローチャートである。
【0034】
例えば、ユーザの操作によって端末装置7から、自治体ポータルを構成する提案受付ページSを用いて、税金の使い道についての提案を表す提案情報が情報提供装置2に送信されてきたとする。情報提供装置2における演算装置20の受付部21が、その提案情報を受け付ける(ステップ101)。この受け付けられた提案情報は、受付部21によって、データベース4に格納される。
【0035】
然る後に、実施された行政サービスの内容を表す実施情報が、管理者による情報機器5の操作によって、データベース4に格納される。また、実施情報の中に、提案情報に関連する情報がある場合には、管理者による操作により情報機器5から出力された指令に従って、生成部22が、提案情報と、当該提案情報に対応する実施情報とを関連付けることにより実施報告情報を生成する(ステップ102)。この実施報告情報はデータベース4に格納される。また、生成部22は、予め定められたタイミングでもって、実施報告情報を用いて、提案集計情報や、実施状況情報や、実施率情報を生成し、データベース4に格納する。
【0036】
然る後に、端末装置7から、実施報告情報(つまり、税金の使い道についての提案に対して実際に実施された提案の実施の内容を表す情報)を閲覧したい旨を要求する閲覧要求が情報提供装置2に送信されてきたとする。また、その閲覧要求には、閲覧したい実施報告情報を検索するための検索条件の情報が関連付けられているとする。この場合には、提供部23が、閲覧要求を受け付け(ステップ103)、データベース4に格納されている実施報告情報の中から、閲覧要求に関連付けられている検索条件を用いて、閲覧要求に応じた実施報告情報をデータベース4から検索して読み出す。そして、提供部23は、読み出した実施報告情報を、閲覧要求を発信した端末装置7に返信(出力)する(ステップ104)。
【0037】
第1実施形態の情報提供装置2は、自治体ポータルを用いて税金の使い道についての提案を受け付け、また、提案が採用されて実施された行政サービスの内容を表す実施報告情報を端末装置7に向けて出力する構成を備えている。このように、情報提供装置2は、税金の使い道についての提案を受け付けることにより、ユーザ(住民など)における自治体の活動への参画意識を高めることを図る。また、提案が採用された場合に、情報提供装置2が、採用された提案の実施内容を表す実施報告情報を端末装置7に出力することにより、ユーザが実施報告情報を閲覧することができる。これにより、ユーザは、自身や個人の提案が実施されたことを知ることができることとなり、ユーザの自治体の活動への関心が高まり自治体の活動を自分事として考えるようになることが期待される。さらに、情報提供装置2は、税金の使い道について考える機会をユーザに与えることができ、自治体が活動するために必要な収入である税金にユーザ自身が深く関わっていることを認識させることができると考えられる。これにより、例えば、ふるさと納税制度に起因した他の自治体への収入の流出の抑制を情報提供装置2は図ることができる。
【0038】
なお、提供部23は、生成部22により生成された実施報告情報などの情報を提供する機能に加えて、次のような機能をさらに備えていてもよい。例えば、提供部23は、
図6に表されるようなウェブページNを端末装置7に出力してもよい。
図6に表されているウェブページNは、情報提供装置2に受け付けられた提案の中に賛同する提案があった場合に、その賛同の意思をユーザ(つまり、賛同者)が投票により表すことができるウェブページである。
図6の例では、ウェブページNには、前述したように分類された提案情報の分類項目とその説明が表され、また、提案情報の分類項目に賛同することを表す情報(投票情報)を入力する欄Vが設けられている。このウェブページNを用いて入力された投票情報は、ユーザによる端末装置7の操作により、情報提供装置2に送信される。このように端末装置7から情報提供装置2に送信された投票情報は、例えば、受付部21により受け付けられ、データベース4に格納される。また、生成部22は、投票状況を表す投票状況情報を生成し、さらに、投票情報を参照して投票状況情報を更新する。例えば、生成部22は、提案情報の分類項目ごとに、賛同された投票数をカウントアップすることによって、提案情報の分類項目ごとの投票状況を表す投票状況情報を更新する。このような投票状況情報は、提供部23によって、端末装置7に向けて出力され、端末の表示装置において、例えば、
図6の例におけるウェブページNの「現在の賛同状況」を表す欄において表示される。なお、投票情報は、提案に賛同する賛同情報と言い換えることができるし、投票状況情報は、提案に賛同している賛同者の数を表す賛同調査情報とも言い換えることができる。
【0039】
情報提供装置2における上述したような投票機能も、ユーザ(住民など)における自治体の活動への参画意識を高める効果が期待される。
【0040】
さらに、情報提供装置2の提供部23は、自治体ポータルを構成するウェブページを用いて、ふるさと納税制度により自治体に寄付された寄付金の金額を表す寄付金情報を端末装置7(ユーザ)に提供(出力)してもよい。さらに、情報提供装置2の受付部21は、その寄付金を表す情報を含むウェブページを用いて、ふるさと納税制度により自治体に寄付された寄付金の使い道についても、前述したような税金の使い道についての提案を受け付ける場合と同様に受け付けてもよい。
【0041】
さらに、情報提供装置2は、次のような情報をユーザに提供してもよい。例えば、情報提供装置2の生成部22は、自治体の収入となるユーザ個人の納税概算金額(以下、ユーザ納税概算金額と称する)を算出する。そして、提供部23が、そのユーザ納税概算金額を表す情報を、当該ユーザ納税概算金額に対応するユーザが操作する端末装置7に向けて提供してもよい。この場合には、例えば、受付部21が、ユーザが操作している端末装置7から、そのユーザ納税概算金額を算出するために必要な情報(年収や、固定資産税の金額の情報など)を受け付ける。また、生成部22がユーザ納税概算金額を算出するために必要な数式などの情報が例えば記憶装置40に格納される。
【0042】
さらに、情報提供装置2の生成部22は、自治体の支出総額に対する複数の支出項目それぞれの支出金額の割合を表す支出割合情報と、上述したように算出されたユーザ個人のユーザ納税概算金額とを用いて、次のような情報を生成してユーザに提供してもよい。すなわち、生成部22は、自治体の支出総額をユーザ納税概算金額に置き換えた場合における複数の支出項目それぞれの支出金額を、支出割合情報を用いて算出する。このように算出された情報(以下、置き換え支出情報とも称する)を、提供部23が、端末装置7に向けて提供(出力)してもよい。置き換え支出情報が提供される端末装置7は、例えば、その置き換え支出情報を算出する元になったユーザ納税概算金額に対応するユーザが操作する端末装置である。
【0043】
さらに、情報提供装置2は、税金の使い道について提案されて実施された行政サービスの実施内容を提供するだけでなく、それ以外の行政サービスの実施内容を表す実施情報をも提供してもよい。この場合においても、提供される実施情報は、画像と図表の少なくとも一方を含んでユーザに分かり易い態様であることが好ましい。例えば、情報提供装置2は、身近な話題として、学校や図書館やスポーツ施設などのユーザ(住民)が利用することが多い施設の維持費などを表す情報を、画像や漫画を用いた状態でもって提供してもよい。また、情報提供装置2は、ごみ収集に係る費用について表す情報も、画像や漫画などを用いる態様でもって提供してもよい。
【0044】
<第2実施形態>
以下に、本発明に係る第2実施形態を説明する。なお、第2実施形態の説明において、第1実施形態の情報提供装置2の説明において用いた名称と同一名称部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
【0045】
第2実施形態における情報提供装置2は、第1実施形態で説明した構成に加えて、受付部21がユーザからの寄付およびその寄付の使い道についての情報を受け付ける構成を備える。さらに、第2実施形態における情報提供装置2は、ユーザ(住民など)からの寄付がどのように使われたかを表す寄付実施情報を提供部23がユーザの端末装置7に提供する構成を備える。なお、ここでの寄付は、ふるさと納税制度による寄付を含まないとする。
【0046】
すなわち、受付部21は、自治体ポータルを構成するウェブページの一つとして、寄付を受け付けるウェブページである寄付受付ページを用いて、寄付を受け付ける。例えば、寄付受付ページには、ユーザが自治体に寄付する意思があることを明確に表す情報を入力するための意思入力欄と、寄付を受け付けるためにユーザから取得する必要がある情報を入力するための情報入力欄とが設けられている。さらに、寄付受付ページには、寄付金の使い道についての要望が入力する要望入力欄が設けられている。ユーザによる端末装置7の操作によって、そのような寄付受付ページに入力された情報が端末装置7から情報提供装置2に送信されると、その情報を情報提供装置2の受付部21が受け付ける。受付部21は、受け付けた情報をデータベース4に格納する。また、情報提供装置2は、寄付を実際に自治体に納めるための予め定められた処理を実行する。ここでは、その処理手順については限定さないので、その説明は省略される。
【0047】
さらに、第2実施形態では、ユーザから受け付けた寄付が実際にどのように使われたかを表す寄付使途情報が、管理者による情報機器5からデータベース4に格納される。また、生成部22は、管理者の操作による情報機器5からの情報(指令)に従って、ユーザから受け付けた寄付の金額およびその使い道の要望を表す情報と、当該寄付に対応する寄付使途情報とを関連付けることによって、寄付報告情報を生成する。この寄付報告情報は、例えば、実施報告情報と同様に、画像と図表の少なくとも一方を含みユーザにとって分かり易い態様となっている。寄付報告情報を閲覧したい旨の要求が端末装置7から情報提供装置2に送信された場合に、提供部23が、その要求に応じた寄付報告情報を、要求を発信した端末装置7に向けて出力(提供)する。
【0048】
第2実施形態の情報提供装置2における上述した構成以外の構成は、第1実施形態の情報提供装置2の構成と同様である。
【0049】
第2実施形態の情報提供装置2は、第1実施形態の情報提供装置2と同様の構成を備えていることから、第1実施形態の情報提供装置2と同様の効果を奏することができる。さらに、第2実施形態の情報提供装置2は、寄付を受け付けるだけでなく、寄付が実際に使われた使われ方を表す寄付使途情報を含む寄付報告情報をユーザの端末装置7に出力する。これにより、寄付をしたユーザが、その寄付に関する寄付使途情報を閲覧することができ、寄付を行ったことの納得感を得ることができる。このことにより、自治体の活動へのユーザの関心をさらに高めることが期待される。
【0050】
なお、寄付使途情報は、端末装置7によって端末の表示装置に表示されるバーチャル空間を用いて表示されてもよい。例えば、公園の遊具のメンテナンスに使われた寄付があったとする。この場合、メンテナンスが実施された遊具が備えられている公園を含むバーチャル空間において、その寄付に関する寄付使途情報として、メンテナンス対象となった遊具に、メンテナンスの費用に関係する寄付者の名前やニックネームがふきだしの態様でもって付される。このように、バーチャル空間を利用して、寄付使途情報が端末装置7により表示装置に表示される場合には、例えば、ユーザはバーチャル空間内を移動できるようにしてもよい。これにより、そのバーチャル空間内を移動しているユーザの移動先に、寄付の使い道に関連する物体が現れると、例えば、寄付使途情報を表すふきだしがポップアップされるというような寄付使途情報の態様があってもよい。このようなバーチャル空間を利用して寄付使途情報を端末装置7の表示装置に表示する場合には、例えば、端末装置7に、バーチャル空間を表示するためのアプリケーションプログラム(アプリ)が与えられる。情報提供装置2は、その端末装置7のアプリと連動して、バーチャル空間を端末の表示装置に表示させる。
【0051】
このように、バーチャル空間を利用して寄付使途情報を提供することにより、情報提供装置2は、寄付使途情報の提供に関し、エンターテインメント的な要素を持たせることができる。これにより、ユーザが自治体ポータルにアクセスする機会が増え、その結果、ユーザ(住民)における自治体の活動への関心が高まることが考えられる。
【0052】
<第3実施形態>
以下に、本発明に係る第3実施形態を説明する。この第3実施形態の説明において、第1や第2の実施形態の説明で用いた名称と同一名称部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
【0053】
第3実施形態における情報提供装置2は、第1又は第2の実施形態の構成に加えて、次のような構成を備える。すなわち、第3実施形態では、受付部21が、自治体における議会を構成する議員に個別に自治体での活動に対する提案(要望)を、自治体ポータルを用いて受け付ける。さらに、生成部22が、そのような提案を議員ごとにまとめ、まとめた結果を議員への提案情報として生成する。さらに、生成部22は、実施情報のうち、議員への提案が採用されて実施された場合における実施内容を表す実施情報と、その提案に対応する議員への提案情報とを、管理者による情報機器5からの指令に従って関連付けることによって、議員提案実施情報を生成する。議員提案実施情報は、議員への提案についての実施状況を表す情報であると言える。さらに、また、そのような議員提案実施情報を閲覧する要求が端末装置7から情報提供装置2に送信されてきた場合には、提供部23が、議員提案実施情報を、その要求を発した端末装置7に向けて出力する。
【0054】
図7には、自治体ポータルを構成するウェブページである議員への提案受付ページFの一形態例が表されている。
図7の例では、議員への提案受付ページFには、提案したい議員を表す欄と、その議員に提案したい内容を入力する欄とが表されている。ユーザによる端末装置7の操作によって議員への提案受付ページFに入力された情報が、端末装置7から情報提供装置2に送信されると、当該情報を受付部21が受け付ける。このように受け付けられた情報を、生成部22が議員ごとにまとめて議員への提案情報を生成する。この提案情報は、提供部23の機能によって、議員もユーザも自治体ポータルを用いて閲覧可能としてもよい。
【0055】
第3実施形態の情報提供装置2における上述した構成以外の構成は、第1又は第2の実施形態の情報提供装置2の構成と同様である。
【0056】
第3実施形態の情報提供装置2は、第1又は第2の実施形態の情報提供装置2の構成と同様の構成を備えていることから、第1又は第2の実施形態の情報提供装置2と同様の効果を奏することができる。さらに、第3実施形態の情報提供装置2は、自治体ポータルを用いて、議員への提案を受け付け、また、その提案についての実施状況を表す議員提案実施情報をユーザの端末装置7に提供できる。ユーザが自身の考えに近い議員を選択して提案を行うことにより当該提案が採用される可能性が高くなるとユーザが考える場合には、議員それぞれの活動にユーザが関心を寄せるようになることが考えられる。つまり、第3実施形態における議員への提案に関係する構成も、ユーザにおける自治体の活動への関心を高めることを図ることができると考えられる。また、第3実施形態の情報提供装置2は、同じポータルサイト(自治体ポータル)において、複数の議員への提案の内容やその実施状況を比べて見ることが容易となるという効果を奏することができる。
【0057】
なお、生成部22は、さらに、議員への提案についての実施状況を数値により表す情報を生成してもよい。
図8には、その情報をグラフの態様でもって表した表示態様の一例が表されている。
図8に表されている情報は、予め定められた集計期間に提案された件数を議員ごとに集計した結果と、その提案のうちの実施された提案の件数とを議員ごとに集計した結果とを表す情報である。このような情報も、自治体ポータルを構成する一つのウェブページに表示されるべく、提供部23から端末装置7へ提供され、端末装置7により表示装置に表示されてもよい。
【0058】
<その他の実施形態>
本発明は、第1~第3の実施形態に限定されず、様々な実施の態様を採り得る。例えば、第1~第3の実施形態における情報提供装置2の構成に加えて、提供部23において、次のような構成を備えていてもよい。例えば、位置取得機能と撮影機能を備えた端末装置7から、端末装置7の所在位置を表す情報と、周囲を撮影している情報とが情報提供要求に関連付けられて情報提供装置2に送信されてきたとする。この場合に、情報提供装置2における提供部23は、受け取った端末装置7の所在位置を表す情報と、撮影画像とを用いて、撮影画像に映っている被写体に関連する実施情報がデータベース4に格納されているか否かを検索する。そして、検索の結果、ヒットした実施情報があった場合、つまり、被写体が何らかの行政サービスを受けている場合には、そのサービスを受ける元になった提案や寄付を行った人の名前の情報を、データベース4に格納されている情報から提供部23が読み出す。そして、提供部23は、読み出した名前の情報と、当該情報が関連付けられる被写体を表す情報とを、情報提供要求を発信した端末装置7に返信する。この情報を受信した端末装置7においては、受信した情報に含まれている提案者や寄付者の氏名を表す情報が、撮影画像に重畳されて表示されるように表示装置の表示を制御する。つまり、
図9に表されているような端末装置7から、撮影画像と、所在位置の情報とが情報提供装置2に送信されてくると、提供部23は、撮影画像の被写体に関連する実施情報をデータベース4において検索する。そして、提供部23は、検索の結果、該当する実施情報を見つけ出すことができた場合には、その実施情報から提案者あるいは寄付者の氏名の情報を読み出し、端末装置7に返信する。これにより、端末装置7は、画面9において、受信した氏名の情報を重畳させた撮影画像を表示させる。すなわち、ユーザは、端末装置7により周囲の物体を撮影することにより、当該撮影画像に映っている被写体が住民からの提案や寄付に基づいた行政サービスに関連する物体であった場合には、その提案者や寄付者を表す情報が端末装置7の撮影画像に重畳して表示される。なお、端末装置7の所在位置の情報を取得する手法としては、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System (全球測位衛星システム))を利用する手法を一例として挙げることができる。
【0059】
図10は、本発明に係るその他の実施形態の情報提供装置の構成を表すブロック図である。
図10に示される情報提供装置50は、例えばコンピュータ装置であり、コンピュータプログラムを実行することにより、当該コンピュータプログラムに応じた次のような機能を備えることができる。すなわち、情報提供装置50は、機能部として、受付部51と、生成部52と、提供部53とを備えている。受付部51は、自治体の税金の使い道についての提案を、ウェブサイトを用いて受け付ける。生成部52は、提案が採用されて実施された場合における提案の実施内容を表す図表と画像の少なくとも一方を用いて、提案の実施内容を表す実施報告情報を生成する。提供部53は、生成部52により生成された実施報告情報を出力する。
【0060】
次に、情報提供装置50における情報提供に係る動作の一例を、
図11を用いて説明する。
図11は、情報提供装置50における情報提供に係る動作の一例を表すフローチャートである。
【0061】
例えば、受付部51が、ウェブサイトを用いて、自治体の税金の使い道についての提案を受け付ける(ステップ201)。その後に、その提案が採用されて実施されると、生成部52が、その提案の実施内容を表す図表と画像の少なくとも一方を用いて、提案の実施内容を表す実施報告情報を生成する(ステップ202)。然る後に、提供部53が実施報告情報を出力する(ステップ203)。
【0062】
情報提供装置50は上記のような構成を備えている。すなわち、情報提供装置50は、税金の使い道についての提案を受け付け、採用されて実施された提案に関する実施報告情報を生成し、さらに、当該実施報告情報を出力する構成を備えている。このように、情報提供装置50は、税金の使い道についての提案を受け付けることにより、ユーザ(住民など)における自治体などの活動への参画意識を高めることを図る。また、提案が採用された場合に、情報提供装置50は、その採用された提案の実施内容を表す実施報告情報を出力する。例えば、情報提供装置50は、税金の使い道について提案した提案者が操作する端末装置に向けて実施報告情報を出力する。これにより、提案者は自身の提案が実施されたことを知ることができることとなり、提案者の自治体の活動への関心が高まり自治体の活動を自分事として考えるようになることが期待される。すなわち、情報提供装置50は、自治体の活動に対する住民の関心を高めるべく、自治体の活動を自分事として捉えてもらうための情報提供を行うことができる。
【符号の説明】
【0063】
2,50 情報提供装置
21,51 受付部
22,52 生成部
23,53 提供部
7 端末装置
40 記憶装置