(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025140
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】監視装置、監視プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20240216BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240216BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
G06F3/12 338
B41J29/38 801
G06F3/12 322
G06F3/12 373
H04N1/00 002C
H04N1/00 127A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022128346
(22)【出願日】2022-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】辻 亜友実
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AS02
2C061HJ08
2C061HK05
2C061HN02
2C061HN15
2C061HP00
2C061HQ05
5C062AA05
5C062AB22
5C062AB38
5C062AC04
5C062AC38
5C062AE16
(57)【要約】
【課題】文書を作成した文書管理者によって指定された文章が他のユーザーによって印刷された場合に、文書が印刷されたことを文書管理者が知ることである。
【解決手段】監視装置は、監査ログサーバーによって管理される画像形成装置の印刷情報の中に予め指定された指定文書が画像形成装置によって印刷された情報が含まれる場合には、指定文書が印刷されたことが記録された監査ログの内容を、監査ログサーバーに対して指定文書を管理する文書管理者へ通知させる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを含み、前記プロセッサは、
監査ログサーバーによって管理される画像形成装置の印刷情報の中に予め指定された指定文書が前記画像形成装置によって印刷された情報が含まれる場合には、前記指定文書が印刷されたことが記録された監査ログの内容を、前記監査ログサーバーに対して前記指定文書を管理する文書管理者へ通知させる監視装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記監査ログサーバーに対して前記指定文書の少なくとも一部の頁についても前記文書管理者へ通知させる、
請求項1に記載の監視装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記監査ログサーバーに対して前記指定文書の最初の頁について前記文書管理者へ通知させる、
請求項2に記載の監視装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記監査ログサーバーに対して前記画像形成装置の操作画面を操作することで前記指定文書が印刷されたか否かの情報についても前記文書管理者へ通知させる、
請求項1に記載の監視装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記操作画面の操作とは異なる操作によって前記指定文書が印刷された場合には、前記監査ログサーバーに対して他の通知と区別できるように前記文書管理者へ通知させる、
請求項4に記載の監視装置。
【請求項6】
コンピュータに、
監査ログサーバーによって管理される画像形成装置の印刷情報の中に予め指定された指定文書が前記画像形成装置によって印刷された情報が含まれる場合には、前記指定文書が印刷されたことが記録された監査ログの内容を、前記監査ログサーバーに対して前記指定文書を管理する文書管理者へ通知させる処理を実行させる監視プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視装置、及び監視プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、文書作成装置と管理装置とがネットワーク接続される印刷システムが記載されている。この印刷システムでは、文書作成装置は、紙面上にメタデータを生成するメタデータ生成手段を有し、管理装置は、メタデータを解析するメタデータ解析手段と、複写又は送信動作が行われた場合に、メタデータに含まれる通知手段用データに基づき指定された宛先にその旨通知する通知手段とを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、シェアオフィスなどでは、不特定多数の人がプリンター等の画像形成装置を用いて文書等を印刷している。このようなシェアオフィスでは、文書等が印刷されたことを記録した監査ログの入手は困難である。このため、機密性の高い文書を作成した文書管理者は、他のユーザーによってこの文書が印刷されたことを知ることができない。例えば、文書管理者が機密性の高いとして指定した文書であっても、文書管理者は、他のユーザーによってこの文書が画像形成装置を用いて印刷されたことを知ることができない。
【0005】
本開示の課題は、文書管理者によって指定された文章が他のユーザーによって印刷された場合に、文書が印刷されたことを文書管理者が知ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1態様に係る監視装置は、プロセッサを含み、前記プロセッサは、監査ログサーバーによって管理される画像形成装置の印刷情報の中に予め指定された指定文書が前記画像形成装置によって印刷された情報が含まれる場合には、前記指定文書が印刷されたことが記録された監査ログの内容を、前記監査ログサーバーに対して前記指定文書を管理する文書管理者へ通知させることを特徴とする。
【0007】
本開示の第2態様に係る監視装置は、第1態様に記載の監視装置において、前記プロセッサは、前記監査ログサーバーに対して前記指定文書の少なくとも一部の頁についても前記文書管理者へ通知させることを特徴とする。
【0008】
本開示の第3態様に係る監視装置は、第2態様に記載の監視装置において、前記監査ログサーバーに対して前記指定文書の最初の頁について前記文書管理者へ通知させることを特徴とする。
【0009】
本開示の第4態様に係る監視装置は、第1態様に記載の監視装置において、前記監査ログサーバーに対して前記画像形成装置の操作画面を操作することで前記指定文書が印刷されたか否かの情報についても前記文書管理者へ通知させることを特徴とする。
【0010】
本開示の第5態様に係る監視装置は、第4態様に記載の監視装置において、前記操作画面の操作とは異なる操作によって前記指定文書が印刷された場合には、前記監査ログサーバーに対して他の通知と区別できるように前記文書管理者へ通知させることを特徴とする。
【0011】
本開示の第6態様に係る監視プログラムは、監査ログサーバーによって管理される画像形成装置の印刷情報の中に予め指定された指定文書が前記画像形成装置によって印刷された情報が含まれる場合には、前記指定文書が印刷されたことが記録された監査ログの内容を、前記監査ログサーバーに対して前記指定文書を管理する文書管理者へ通知させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本開示の第1態様に係る監視装置によれば、文書管理者によって指定された文章が他のユーザーによって印刷された場合に、文書が印刷されたことを文書管理者が知ることができる。
【0013】
本開示の第2態様に係る監視装置によれば、指定文書の頁の情報について通知されない場合と比して、文書管理者はどの指定文章が印刷されたのかを容易に知ることができる。
【0014】
本開示の第3態様に係る監視装置によれば、指定文書の最後の頁について文書管理者へ通知させる場合と比して、文書管理者はどの指定文章が印刷されたのかを容易に知ることができる。
【0015】
本開示の第4態様に係る監視装置によれば、文書管理者は、指定文書を印刷したユーザーが画像形成装置の周辺に居ない状態で、指定文書が画像形成装置から出力された可能性があることを知ることができる。
【0016】
本開示の第5態様に係る監視装置によれば、文書管理者への通知が他の通知と同様の場合と比して、文書管理者は、指定文書を印刷したユーザーが画像形成装置の周辺に居ない状態で、指定文書が画像形成装置から印刷された可能性があることを容易に知ることができる。
【0017】
本開示の第6態様に係る監視プログラムによれば、文書管理者によって指定された文章が他のユーザーによって印刷された場合に、文書管理者が文書の印刷情報を知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本開示の実施形態に係る監視装置を備えた画像形成システムを示した模式図である。
【
図2】本開示の実施形態に係る監視装置によって監視される監査ログを生成する画像形成装置を示した模式図である。
【
図3】(A)(B)本開示の監視装置のハードウェア構成、及び機能構成を示したブロック図である。
【
図4】本開示の監視装置よる監査ログサーバー等に対する監視の流れを示したフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示の実施形態に係る監視装置、及び監視プログラムの一例を
図1~
図4に従って説明する。なお、各図面において同一または等価な構成要素および部分には同一の参照符号を付与している。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0020】
また、
図2に示す矢印Hは鉛直方向であって上下方向を示し、矢印Wは、水平方向であって幅方向を示す。先ず、監視装置10を備える画像形成システム100の概略構成について説明する。
【0021】
(画像形成システム100)
画像形成システム100は、
図1に示されるように、印刷指示を実行したユーザー(以下「実行ユーザーU01」)からの指示で記録媒体としてのシート部材Pに画像を形成する画像形成装置110を備えている。さらに、画像形成システム100は、画像形成装置110から監査ログを受け取る監査ログサーバー90と、監査ログサーバー90が受け取った監査ログを監視する監視装置10とを備えている。ここで、印刷指示とは、所謂印刷ジョブであって、実行ユーザーU01による一回の指示によって実行される印刷動作の処理単位であり、印刷速度、及び画像の画像密度(解像度)等の属性を含む画像情報である。
【0022】
〔画像形成装置110〕
画像形成装置110は、
図2に示されるように、シート部材Pが収容される用紙収容部112と、シート部材Pを搬送する搬送部114と、搬送されるシート部材Pに画像形成を行う画像形成部116とを備えている。さらに、画像形成装置110は、ユーザーが操作する操作画面118と、各部を制御する制御部120とを備えている。
【0023】
-用紙収容部112-
用紙収容部112は、
図2に示されるように、シート部材Pを収容可能な収容部122と、収容部122に収容されたシート部材Pをシート部材Pの搬送経路130へ送り出す送出ロール126とを備えている。
【0024】
-搬送部114-
搬送部114は、
図2に示されるように、収容部122から搬送経路130へ送り出されたシート部材Pを搬送経路130に沿って搬送する複数の搬送ロール132を備えている。
【0025】
-画像形成部116-
画像形成部116は、
図2に示されるように、画像形成ユニット144と、画像形成ユニット144の像保持体142に露光光Lを照射して静電潜像を形成する露光装置146と、画像形成ユニット144で形成されたトナー画像をシート部材P上に転写する転写ロール148とを備えている。さらに、画像形成部116は、シート部材P上に転写されたトナー画像をシート部材Pに定着する定着装置136を備えている。
【0026】
画像形成ユニット144は、回転する像保持体142の外周面を帯電させる帯電器150と、露光装置146によって像保持体142上に形成された静電潜像をトナー画像に現像する現像器154とを備えている。また、転写ロール148は、搬送経路130を挟んで像保持体142の反対側に配置されている。
【0027】
定着装置136は、
図2に示されるように、シート部材Pの搬送方向において、転写ロール148の下流側に配置されており、加熱ロール136aと加圧ロール136bとを備えている。
【0028】
この構成によって、加熱ロール136aと加圧ロール136bとが回転し、シート部材Pが加熱ロール136aと加圧ロール136bとに挟まれながら搬送される。これにより、熱と圧力によって、シート部材Pに転写されたトナー画像がシート部材Pに定着される。
【0029】
-操作画面118-
操作画面118は、所謂ユーザーインターフェース(User Interface)であって、画像形成装置110を使用するユーザーが、画像形成装置110との間で情報の受け渡しを行う画面である。具体的には、操作画面118は、ユーザーが画像形成装置110に対して画像形成動作等を指示する画面であり、かつ、画像形成装置110の稼動状態をユーザーへ知らせる画面である。
【0030】
-制御部120-
制御部120は、各部を制御すると共に、実行ユーザーU01からの印刷指示が予め決められた方法に沿って実行されたことを確認することができる監査ログを生成し、この監査ログを監査ログサーバー90へ送付する。
【0031】
ここで、監査ログには、印刷指示により印刷された文書を識別する識別情報、印刷指示を実行した日時、印刷指示を実行した実行ユーザー名(ID)、実行するのに使用された画像形成装置名、及び印刷部数が含まれる。
【0032】
さらに、監査ログには、実行ユーザーU01が文書を保存したUSB等のメモリを画像形成装置110に取り付け、画像形成装置110の操作画面118を操作して印刷指示が実行されたか、又は実行ユーザーU01のパソコンから印刷指示が実行されたかを判別する情報が含まれる。
【0033】
〔監査ログサーバー90〕
図1に示す監査ログサーバー90は、画像形成装置110の制御部120から有線又は無線によって、監査ログを受け取り、受け取った監査ログを保存して管理する。
【0034】
〔監視装置10〕
図1に示す監視装置10は、監査ログサーバー90が受け取る監査ログを監視する。そして、監査ログサーバー90が予め指定された文書(以下「指定文書」)が印刷された印刷情報を含んだ監査ログを受け取ると、監視装置10は、監査ログサーバー90に対して指定文書の監査ログを文書管理者M01へメールで通知させる。換言すれば、監視装置10は、監査ログサーバーによって管理される画像形成装置の印刷情報の中に指定文書が印刷され印刷情報が含まれる場合には、指定文書が印刷されたことが記録された監査ログの内容を、監査ログサーバー90に対して文書管理者M01へ通知させる。ここで、文書管理者M01とは、指定文書の取り扱いに責任を有する者であって、本実施形態では、指定文書を作成した者である。
【0035】
ここで、指定文書とは、メール送信機能を有する文書作成ソフトウェアで作成された文書であって、かつ、メール送信機能を有効された文書である。具体的には、メール送信機能を有効するためには、メールアドレスの入力が必要となる。換言すれば、文書を作成した文書管理者M01によってメール送信機能が有効にされ、文書管理者M01のメールアドレスが入力されることで、作成した文書が、指定文書となる。
【0036】
この構成において、実行ユーザーU01が、指定文書の印刷指示を実行して画像形成装置110を用いて指定文書を印刷する。これにより、印刷指示が実行された監査ログが生成され、この監査ログが監査ログサーバー90へ送付される。監視装置10は、監査ログを監視し、監査ログサーバー90に対して指定文書の監査ログを文書管理者M01へメールで通知させる。
【0037】
-監視装置10のハードウェア構成-
監視装置10は、
図3(A)に示されるように、CPU(Central Processing Unit)31、ROM(Read Only Memory)32、RAM(Random Access Memory)33、ストレージ34、及び通信インタフェース(I/F)35を有する。そして、各構成は、バス39を介して相互に通信可能に接続されている。
【0038】
CPU31は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU31は、ROM32またはストレージ34からプログラムを読み出し、RAM33を作業領域としてプログラムを実行する。CPU31は、ROM32またはストレージ34に記録されているプログラムにしたがって、各構成の制御および各種の演算処理を行う。本実施形態では、例えば、ROM32またはストレージ34には、監査ログサーバー90に送付された監査ログを監視する監視プログラムが格納されている。
【0039】
ROM32は、各種プログラムおよび各種データを格納する。RAM33は、作業領域として一時的にプログラムまたはデータを記憶する。ストレージ34は、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、および各種データを格納する。通信インタフェース35は、監視装置10が画像形成装置110等と通信するためのインタフェースであり、たとえば、イーサネット(登録商標)、FDDI、Wi-Fi(登録商標)等の規格が用いられる。
【0040】
上記の処理プログラムを実行する際に、監視装置10は、上記のハードウェア資源を用いて、各種の機能を実現する。監視装置10が実現する機能構成について説明する。
【0041】
-監視装置10の機能構成-
監視装置10は、
図3(B)に示されるように、監視部42、判定部44、及び通知部46を有する。各機能構成は、CPU31がROM32またはストレージ34に記憶された監視プログラムを読み出し、実行することにより実現される。
【0042】
監視部42は、監査ログサーバー90へ送付された監査ログが、指定文書の監査ログか否かを判別する。判定部44は、指定文書の監査ログについて、画像形成装置110の操作画面118を操作して印刷指示が実行されたか否かを判別する。通知部46は、監査ログサーバー90に対して印刷された指定文書の監査ログをメールに添付して文書管理者M01へ通知させる。
【0043】
(監視装置10の作用)
次に、監視装置10の作用について、
図4に示すフロー図を用いて説明する。
【0044】
実行ユーザーU01が文書を印刷する印刷指示を実行し、画像形成装置110によって文書が印刷されると、ステップS100では、画像形成装置110が監査ログサーバー90へ実行された印刷指示の監査ログを送付する。
【0045】
ステップS200では、監視部42が、監査ログサーバー90へ送付された監査ログが、指定文書の監査ログか否かを判別する。指定文書の監査ログの場合は、ステップS300へ移行し、指定文書の監査ログではない場合は、一連の動作が終了する。
【0046】
ステップS300では、判定部44が、文書を保存したUBS等のメモリを画像形成装置110に取り付け、画像形成装置110の操作画面118を操作して印刷指示が実行されたか否かを判別する。操作画面118を操作して印刷指示が実行された場合は、ステップS400へ移行し、操作画面118を操作して印刷指示が実行されていない場合は、ステップS410へ移行する。
【0047】
ステップS400では、通知部46が、監査ログサーバー90に対して印刷された指定文書の監査ログをメールに添付して文書管理者M01へ通知させる。ここで、通知部46は、監査ログサーバー90に対して印刷された指定文書の最初の頁についてもメールに添付して文書管理者M01へ通知させる。最初の頁に指定文書の標題等が記載されているからである。
【0048】
具体的には、監査ログサーバー90が、画像形成装置110から指定文書の最初の頁の画像データを入手する。そして、通知部46は、監査ログサーバー90に対してこの画像データをメールに添付させる。
【0049】
一方、ステップS300で、操作画面118を操作して印刷指示が実行されていない場合は、ステップS410へ移行する。ステップS410では、通知部46が、監査ログサーバー90に対して他の通知と区別できるように文書管理者M01へ通知させる。ここで、他の通知と区別できるようにとは、メールの件名を見て視覚的に他の通知と区別できるように、と言う意味であって、例えば、メールの件名の頭に、「注意」の文字を挿入したり、メールの件名の頭に、「重要」の文字を挿入したりする等である。
【0050】
他の通知と区別する必要については、操作画面118を操作して印刷指示が実行されていない場合は、画像形成装置110から離れた各自のパソコンから印刷指示が実行された可能性が高い。このような場合に、機密性の高い指定文書の印刷物が、画像形成装置110から出力された状態で放置されてしまうことが考えられるからである。
【0051】
このように、ステップS410で、通知部46が、監査ログサーバー90に対して印刷された指定文書の監査ログをメールに添付して文書管理者M01へ通知させると、一連の動作が終了する。
【0052】
なお、画像形成装置110が、新たに実行された印刷指示の監査ログを監査ログサーバー90へ送付すると、再度前述した工程が繰り返される。
【0053】
(まとめ)
以上説明したように、監視装置10においては、画像形成装置110から監査ログサーバー90へ送付された監査ログが指定文書の監査ログか否かを、監視部42が判別する。さらに、指定文書の監査ログの場合は、通知部46が、監査ログサーバー90に対して印刷された指定文書の監査ログをメールに添付して文書管理者M01へ通知させる。これにより、文書を作成した文書管理者M01によって指定された指定文章が他のユーザーである実行ユーザーU01によって印刷された場合に、指定文書が印刷されたことを、文書管理者M01が知る。
【0054】
また、監視装置10においては、監視装置10は、監査ログサーバー90に対して印刷された指定文書の最初の頁についてもメールに添付して文書管理者M01へ通知させる。このため、指定文書の頁が全く添付されずに文書管理者M01へ通知される場合と比して、文書管理者M01がどの指定文章が印刷されたのかを容易に知る。
【0055】
また、監視装置10においては、監視装置10は、監査ログサーバー90に対して印刷された指定文書の最初の頁についてもメールに添付して文書管理者M01へ通知させる。このため、指定文書の最後の頁をメールに添付して文書管理者M01へ通知させる場合と比して、文書管理者M01がどの指定文章が印刷されたのかを容易に知る。
【0056】
また、監視装置10においては、監視装置10は、監査ログサーバーに対して画像形成装置110の操作画面118を操作することで指定文書が印刷されたか否かの情報についても文書管理者M01へ通知させる。このため、文書管理者M01は、実行ユーザーU01が画像形成装置110の周辺に居ない状態で、指定文書が画像形成装置110から出力された可能性があることを知る。換言すれば、文書管理者M01は、指定文書が画像形成装置110から出力されて放置されてしまう可能性があることを知る。
【0057】
また、監視装置10においては、監視装置10は、画像形成装置110の操作画面118を操作することで指定文書が印刷されていない場合には、監査ログサーバー90に対して他の通知と比べて区別できるように文書管理者M01へ通知させる。このため、他の通知と同様の場合と比して、文書管理者M01は、実行ユーザーU01が画像形成装置110の周辺に居ない状態で、指定文書が画像形成装置110から出力された可能性があることを容易に知る。
【0058】
また、監視プログラムにおいては、文書を作成した文書管理者M01によって指定された指定文章が他のユーザーである実行ユーザーU01によって印刷された場合に、指定文書が印刷されたことを、文書管理者M01が知る。
【0059】
なお、本開示を特定の実施形態について詳細に説明したが、本開示は係る実施形態に限定されるものではなく、本開示の範囲内にて他の種々の実施形態をとることが可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、特に説明しなかったが、メールの件名に、実行ユーザーU01が識別できる識別文字を追記してもよい。これにより、文書管理は、誰が印刷指示を実行したのかが件名を見ただけで分かる。
【0060】
また、上記実施形態では、監視装置10は、監査ログサーバー90に対して監査ログをメールに添付して監査ログの内容を文書管理者M01へ通知させたが、監査ログを添付しなくてもよく、監査ログの内容をメールの文章に記載することで監査ログの内容を文書管理者M01へ通知してもよい。
【0061】
また、上記実施形態では、特に説明しなかったが、画像形成装置110の制御部120が監査ログを監査ログサーバー90へ送付するタイミングについては、印刷指示が実行される毎に監査ログサーバー90へ送付してもよく、複数の印刷指示が実行された後、複数の監査ログをまとめて監査ログサーバー90へ送付してもよい。
【0062】
また、上記実施形態では、特に説明しなかったが、監視装置10が、監査ログサーバー90に備えられていてもよい。
【0063】
また、上記実施形態では、特に説明しなかったが、監視装置10は、文書等が印刷されたことを記録した監査ログの入手は困難であるシェアオフィス等で、特に有効に作用する。
【0064】
また、上記実施形態では、画像形成装置110の制御部120が監査ログを生成したが、監査ログを生成するのに必要な情報を画像形成装置110から受け取った監査ログサーバーが、監査ログを生成してもよい。
【0065】
また、上記実施形態では、ゼログラフィー方式の画像形成装置110を例にとって説明したが、インクジェット式の画像形成装置でもよく、
【0066】
また、上記各実施形態でCPU31がソフトウェア(プログラム)を読み込んで実行した処理を、CPU以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、モード変更処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。さらに、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
【0067】
また、上記各実施形態では、プログラムがROM32またはストレージ34に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。プログラムは、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【0068】
なお、本実施形態において、プロセッサとは、広義的なプロセッサを指し、例えば CPU( Central Processing Unit)等の汎用的なプロセッサや、例えば GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、及びプログラマブル論理デバイス等の専用のプロセッサを含むものである。
【0069】
また、上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0070】
(((1)))
プロセッサを含み、前記プロセッサは、
監査ログサーバーによって管理される画像形成装置の印刷情報の中に予め指定された指定文書が前記画像形成装置によって印刷された情報が含まれる場合には、前記指定文書が印刷されたことが記録された監査ログの内容を、前記監査ログサーバーに対して前記指定文書を管理する文書管理者へ通知させる監視装置。
【0071】
(((2)))
前記プロセッサは、
前記監査ログサーバーに対して前記指定文書の少なくとも一部の頁についても前記文書管理者へ通知させる、
(((1)))に記載の監視装置。
【0072】
(((3)))
前記プロセッサは、
前記監査ログサーバーに対して前記指定文書の最初の頁について前記文書管理者へ通知させる、
(((2)))に記載の監視装置。
【0073】
(((4)))
前記プロセッサは、
前記監査ログサーバーに対して前記画像形成装置の操作画面を操作することで前記指定文書が印刷されたか否かの情報についても前記文書管理者へ通知させる、
(((1)))~(((3)))の何れか1に記載の監視装置。
【0074】
(((5)))
前記プロセッサは、
前記操作画面の操作とは異なる操作によって前記指定文書が印刷された場合には、前記監査ログサーバーに対して他の通知と区別できるように前記文書管理者へ通知させる、
(((4)))に記載の監視装置。
【0075】
(((6)))
コンピュータに、
監査ログサーバーによって管理される画像形成装置の印刷情報の中に予め指定された指定文書が前記画像形成装置によって印刷された情報が含まれる場合には、前記指定文書が印刷されたことが記録された監査ログの内容を、前記監査ログサーバーに対して前記指定文書を管理する文書管理者へ通知させる処理を実行させる監視プログラム。
【符号の説明】
【0076】
10 監視装置
90 監査ログサーバー
110 画像形成装置
M01 文書管理者
U01 実行ユーザー