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特開2024-25148大腸菌由来の核酸増幅用プライマーキット及び大腸菌の存在を判定する方法
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  • 特開-大腸菌由来の核酸増幅用プライマーキット及び大腸菌の存在を判定する方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025148
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】大腸菌由来の核酸増幅用プライマーキット及び大腸菌の存在を判定する方法
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/11 20060101AFI20240216BHJP
   C12Q 1/689 20180101ALI20240216BHJP
   C12Q 1/686 20180101ALI20240216BHJP
【FI】
C12N15/11 Z
C12Q1/689 Z ZNA
C12Q1/686 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022128358
(22)【出願日】2022-08-10
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和2年度 独立行政法人環境再生保全機構 環境研究総合推進費「水環境における新興・再興微生物リスク管理に向けた微生物起源解析の活用に関する研究/清流河川における微生物の汚染実態とその起源解析」による委託研究業務 産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】304023994
【氏名又は名称】国立大学法人山梨大学
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】原本 英司
(72)【発明者】
【氏名】五味 良太
(72)【発明者】
【氏名】井原 賢
【テーマコード(参考)】
4B063
【Fターム(参考)】
4B063QA13
4B063QA18
4B063QQ06
4B063QQ42
4B063QQ52
4B063QR32
4B063QR35
4B063QR55
4B063QR62
4B063QR75
4B063QS25
4B063QS34
4B063QS36
4B063QX02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】人為起源の大腸菌を特異的に検出するためのプライマーキットおよび環境水中において人為起源の大腸菌の存在を判定する方法を提供する。
【解決手段】特定の塩基配列を有する10から30塩基からなる第一順方向塩基配列若しくはその等価塩基配列を含む第一フォワードプライマーと、特定の塩基配列を有する連続した10から30塩基からなる第一逆方向塩基配列若しくはその等価塩基配列を含む第一リバースプライマーと、を含む第一プライマーセット、及び、特定の塩基配列を有する連続した10から30塩基からなる第二順方向塩基配列若しくはその等価塩基配列を含む第二フォワードプライマーと、特定の塩基配列を有する連続した10から30塩基からなる第二逆方向塩基配列若しくはその等価塩基配列を含む第二リバースプライマーと、を含む第二プライマーセットを含む、人為起源の大腸菌を検出するためのプライマーキットを提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号1で表される塩基配列に含まれる連続した10から30塩基からなる第一順方向塩基配列若しくはその等価塩基配列を含む第一フォワードプライマーと、
配列番号1で表される塩基配列の相補配列に含まれる連続した10から30塩基からなる第一逆方向塩基配列若しくはその等価塩基配列を含む第一リバースプライマーと、
を含む第一プライマーセット
及び
配列番号2で表される塩基配列に含まれる連続した10から30塩基からなる第二順方向塩基配列若しくはその等価塩基配列を含む第二フォワードプライマーと、
配列番号2で表される塩基配列の相補配列に含まれる連続した10から30塩基からなる第二逆方向塩基配列若しくはその等価塩基配列を含む第二リバースプライマーと、
を含む第二プライマーセット、
を含む、人為起源の大腸菌を検出するためのプライマーキット。
【請求項2】
前記第一順方向塩基配列の等価塩基配列は、前記第一順方向塩基配列に相補的な塩基配列からなる核酸にアニール可能な核酸をコードする塩基配列であり、
前記第一逆方向塩基配列の等価塩基配列は、前記第一逆方向塩基配列に相補的な塩基配列からなる核酸にアニール可能な核酸をコードする塩基配列であり、
前記第二順方向塩基配列の等価塩基配列は、前記第二順方向塩基配列に相補的な塩基配列からなる核酸にアニール可能な核酸をコードする塩基配列であり、
前記第二逆方向塩基配列の等価塩基配列は、前記第二逆方向塩基配列に相補的な塩基配列からなる核酸にアニール可能な核酸をコードする塩基配列である、
請求項1に記載のプライマーキット。
【請求項3】
(1)前記第一順方向塩基配列の等価塩基配列は、
前記第一順方向塩基配列に対して、1または数塩基が欠失、置換、付加されている塩基配列である、
前記第一順方向塩基配列に対して、95%以上の配列相同性を有する塩基配列である、又は
前記第一順方向塩基配列に相補的な塩基配列からなる核酸に、ストリンジェントな条件下で特異的にハイブリダイズする核酸をコードする塩基配列である、
(2)前記第一逆方向塩基配列の等価塩基配列は、
前記第一逆方向塩基配列に対して、1または数塩基が欠失、置換、付加されている塩基配列である、
前記第一逆方向塩基配列に対して、95%以上の配列相同性を有する塩基配列である、又は
前記第一逆方向塩基配列に相補的な塩基配列からなる核酸に、ストリンジェントな条件下で特異的にハイブリダイズする核酸をコードする塩基配列である、
(3)前記第二順方向塩基配列の等価塩基配列は、
前記第二順方向塩基配列に対して、1または数塩基が欠失、置換、付加されている塩基配列である、
前記第二順方向塩基配列に対して、95%以上の配列相同性を有する塩基配列である、又は
前記第二順方向塩基配列に相補的な塩基配列からなる核酸に、ストリンジェントな条件下で特異的にハイブリダイズする核酸をコードする塩基配列である、及び
(4)前記第二逆方向塩基配列の等価塩基配列は、
前記第二逆方向塩基配列に対して、1または数塩基が欠失、置換、付加されている塩基配列である、
前記第二逆方向塩基配列に対して、95%以上の配列相同性を有する塩基配列である、又は
前記第二逆方向塩基配列に相補的な塩基配列からなる核酸に、ストリンジェントな条件下で特異的にハイブリダイズする核酸をコードする塩基配列である、
請求項2に記載のプライマーキット。
【請求項4】
前記第一順方向塩基配列は、配列番号3又はその等価塩基配列を含み、
前記第一逆方向塩基配列は、配列番号4又はその等価塩基配列を含み、
前記第二順方向塩基配列は、配列番号5又はその等価塩基配列を含み、
前記第二逆方向塩基配列は、配列番号6又はその等価塩基配列を含む、
請求項1から3のいずれかに記載のプライマーキット。
【請求項5】
環境水中に人為起源の大腸菌の存在を判定する方法であって、前記方法は、
請求項1に記載のプライマーキットの第一プライマーセットと前記環境水由来の試料を用いて核酸増幅を行う第一核酸増幅工程と、
請求項1に記載のプライマーキットの第二プライマーセットと前記試料を用いて核酸増幅を行う第二核酸増幅工程と、
第一核酸増幅工程の結果及び/又は第二核酸増幅工程の結果に基づいて前記環境水に大腸菌が存在するか否かを判定する判定工程と、
を有する、
方法。
【請求項6】
前記第一核酸増幅工程の結果は、前記第一プライマーセットによって増幅した第一標的核酸の増幅であり、
前記第二核酸増幅工程の結果は、前記第二プライマーセットによって増幅した第二標的核酸の増幅である、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記判定工程において、前記環境水における前記大腸菌の存在は、前記第一標的核酸の増幅及び/又は第二標的核酸の増幅によって決定される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記環境水から大腸菌を単離する単離工程を更に有し、
前記環境水由来の試料は、単離された前記大腸菌を含む、
請求項5に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大腸菌由来の核酸増幅用プライマーキット及び大腸菌の存在を判定する方法、特に環境水中の大腸菌由来の核酸増幅用プライマーキット及び環境水中の大腸菌の存在を判定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
日本において、河川水等の環境水には、水質汚濁に係る環境基準が設定されている。従来は、河川水などの環境水の汚染度を微生物学的観点で判断するために大腸菌群数が用いられてきたが、この基準値は2022年4月から大腸菌数へと変更された。
【0003】
しかしながら、大腸菌には下水由来(人為起源)の大腸菌も存在のみならず、それ以外(例:動物由来)の大腸菌も存在するため、大腸菌数を調べるだけではその水中における人為汚染の程度が分からないという問題点がある。
【0004】
大腸菌そのものは、PCR法を用いて検出することができる。非特許文献1は、特定の起源に由来する大腸菌のみを特異的に検出するPCRプライマーを開示している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Gomi et al., 2014. Environmental Science & Technology, 48(16):9616-9623
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、非特許文献1に開示するPCRプライマーは、下水特異的大腸菌を検出するには感度・特異度の点で最適化されたものではなかった。例えば、これら従来のPCRプライマーを用いると、人為起源の大腸菌だけでなく、ニワトリ糞便由来の大腸菌も多く検出してしまうという問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の発明者らは、鋭意研究の結果、W_nqrC遺伝子とW_clsA_2遺伝子という2種類の大腸菌遺伝子に注目した。これらの遺伝子マーカーを検出することができる核酸増幅用プライマーを用いることで、人為起源の大腸菌を高感度に検出することに成功し、本発明は完成した。
【0008】
本発明の目的は、
配列番号1で表される塩基配列に含まれる連続した10から30塩基からなる第一順方向塩基配列若しくはその等価塩基配列を含む第一フォワードプライマーと、
配列番号1で表される塩基配列の相補配列に含まれる連続した10から30塩基からなる第一逆方向塩基配列若しくはその等価塩基配列を含む第一リバースプライマーと、
を含む第一プライマーセット
及び
配列番号2で表される塩基配列に含まれる連続した10から30塩基からなる第二順方向塩基配列若しくはその等価塩基配列を含む第二フォワードプライマーと、
配列番号2で表される塩基配列の相補配列に含まれる連続した10から30塩基からなる第二逆方向塩基配列若しくはその等価塩基配列を含む第二リバースプライマーと、
を含む第二プライマーセット、
を含む、人為起源の大腸菌を検出するためのプライマーキット
を提供することである。
【0009】
当該方法によって、水質検査業務で検出・単離された大腸菌から、既存の技術と比べて高感度かつ高特異度で環境水中の大腸菌を検出することができる。これにより、その環境水における人為汚染の程度を知ることができる。
【0010】
前記第一順方向塩基配列の等価塩基配列は、前記第一順方向塩基配列に相補的な塩基配列からなる核酸にアニール可能な核酸をコードする塩基配列であってもよい。
前記第一逆方向塩基配列の等価塩基配列は、前記第一逆方向塩基配列に相補的な塩基配列からなる核酸にアニール可能な核酸をコードする塩基配列であってもよい。
前記第二順方向塩基配列の等価塩基配列は、前記第二順方向塩基配列に相補的な塩基配列からなる核酸にアニール可能な核酸をコードする塩基配列であってもよい。
前記第二逆方向塩基配列の等価塩基配列は、前記第二逆方向塩基配列に相補的な塩基配列からなる核酸にアニール可能な核酸をコードする塩基配列であってもよい。
【0011】
前記第一順方向塩基配列の等価塩基配列は、
前記第一順方向塩基配列に対して、1または数塩基が欠失、置換、付加されている塩基配列である、
前記第一順方向塩基配列に対して、95%以上の配列相同性を有する塩基配列である、又は
前記第一順方向塩基配列に相補的な塩基配列からなる核酸に、ストリンジェントな条件下で特異的にハイブリダイズする核酸をコードする塩基配列であってもよい。
前記第一逆方向塩基配列の等価塩基配列は、
前記第一逆方向塩基配列に対して、1または数塩基が欠失、置換、付加されている塩基配列である、
前記第一逆方向塩基配列に対して、95%以上の配列相同性を有する塩基配列である、又は
前記第一逆方向塩基配列に相補的な塩基配列からなる核酸に、ストリンジェントな条件下で特異的にハイブリダイズする核酸をコードする塩基配列であってもよい。
前記第二順方向塩基配列の等価塩基配列は、
前記第二順方向塩基配列に対して、1または数塩基が欠失、置換、付加されている塩基配列である、
前記第二順方向塩基配列に対して、95%以上の配列相同性を有する塩基配列である、又は
前記第二順方向塩基配列に相補的な塩基配列からなる核酸に、ストリンジェントな条件下で特異的にハイブリダイズする核酸をコードする塩基配列であってもよい。
前記第二逆方向塩基配列の等価塩基配列は、
前記第二逆方向塩基配列に対して、1または数塩基が欠失、置換、付加されている塩基配列である、
前記第二逆方向塩基配列に対して、95%以上の配列相同性を有する塩基配列である、又は
前記第二逆方向塩基配列に相補的な塩基配列からなる核酸に、ストリンジェントな条件下で特異的にハイブリダイズする核酸をコードする塩基配列であってもよい。
【0012】
前記第一順方向塩基配列は、配列番号3又はその等価塩基配列を含んでいてもよい。
前記第一逆方向塩基配列は、配列番号4又はその等価塩基配列を含んでいてもよい。
前記第二順方向塩基配列は、配列番号5又はその等価塩基配列を含んでいてもよい。
前記第二逆方向塩基配列は、配列番号6又はその等価塩基配列を含んでいてもよい。
【0013】
また、本発明の別の目的は、
環境水中に人為起源の大腸菌の存在を判定する方法であって、前記方法は、
請求項1に記載のプライマーキットの第一プライマーセットと前記環境水由来の試料を用いて核酸増幅を行う第一核酸増幅工程と、
請求項1に記載のプライマーキットの第二プライマーセットと前記試料を用いて核酸増幅を行う第二核酸増幅工程と、
第一核酸増幅工程の結果及び/又は第二核酸増幅工程の結果に基づいて前記環境水に大腸菌が存在するか否かを判定する判定工程と、
を有する、
方法
を提供することである。
【0014】
前記第一核酸増幅工程の結果は、前記第一プライマーセットによって増幅した第一標的核酸の増幅であってもよい。
前記第二核酸増幅工程の結果は、前記第二プライマーセットによって増幅した第二標的核酸の増幅であってもよい。
【0015】
前記判定工程において、前記環境水における前記大腸菌の存在は、前記第一標的核酸の増幅及び/又は第二標的核酸の増幅によって決定されてもよい。
【0016】
前記環境水から大腸菌を単離する単離工程を更に有していてもよい。
前記環境水由来の試料は、単離された前記大腸菌を含んでいてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、W_nqrC遺伝子、W_clsA_2遺伝子、H8マーカー遺伝子及びH12マーカー遺伝子に関する感度と特異度の分布を示している。
【発明を実施するための形態】
【0018】
定義
便宜上、本願で使用される特定の用語は、ここに集めている。別途規定されない限り、本願で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者が一般的に理解するのと同じ意味を有する。文脈で別途明記されない限り、単数形「a」、「an」及び「the」は複数の言及を含む。
【0019】
本発明で示す数値範囲及びパラメーターは、近似値であるが、特定の実施例に示されている数値は可能な限り正確に記載している。しかしながら、いずれの数値も本質的に、それぞれの試験測定値に見られる標準偏差から必然的に生じる特定の誤差を含んでいる。また、本明細書で使用する「約」という用語は、一般に、所与の値又は範囲の10%、5%、1%又は0.5%以内を意味する。或いは、用語「約」は、当業者が考慮する場合、許容可能な標準誤差内にあることを意味する。
【0020】
「プライマー」は、様々な数のヌクレオチドによって離された鋳型核酸の配列部分に相補的である一本鎖オリゴヌクレオチドを指す。鋳型核酸にアニールされたプライマーは、熱安定性ポリメラーゼによって触媒される核酸分子の増幅又は重合中にヌクレオチド単量体の共有結合によって伸長され得る。典型的には、プライマーは10~30ヌクレオチド長であり、好ましくは15~20ヌクレオチド長である。プライマーは、鋳型の公知の部分から設計され、鋳型核酸の2本鎖の各鎖に相補的なものであり、合成される領域の反対側に置かれる。プライマーは、当技術分野で周知のように設計され合成により調製され得る。
【0021】
本明細書で使用する用語「フォワードプライマー」は、3'から5'方向に整列した核酸配列の鎖に相補的なプライマーを意味する。「リバースプライマー」は、当該核酸配列の他方の鎖に相補的な配列を有する。
【0022】
本明細書で使用する用語「等価塩基配列」は、特定の塩基配列に相補的な塩基配列からなる核酸(例えば、鋳型核酸)に(例えばPCR法において)アニール可能な核酸をコードする塩基配列である。
【0023】
以下、本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態は、例示であって、本発明の範囲は、以下の実施形態で示すものに限定されない。なお、同様な内容については繰り返しの煩雑をさけるために、適宜説明を省略する。
【0024】
大腸菌を検出するためのプライマーキット
本実施形態にかかる人為起源の大腸菌を検出するためのプライマーキットは、第一プライマーセットと第二プライマーセットを含んでいてもよく、からなっていてもよい。
【0025】
本実施形態にかかる人為起源の大腸菌は、ヒト由来、特にヒト糞便由来の大腸菌である。人為起源の大腸菌は、Escherichia coli I型であってもよい。人為起源の大腸菌は、特に、環境水中の人為起源の大腸菌であってもよい。環境水は、人由来の大腸菌が存在する又はその可能性がある水であり、例えば、下水、上水、河川、工業用水、農業用水、地下水、湖、池及び沼である。
【0026】
第一プライマーセット
第一プライマーセットは、第一フォワードプライマーと第一リバースプライマーを含んでいてもよく、からなっていてもよい。
【0027】
第一フォワードプライマー
第一フォワードプライマーは、配列番号1で表される塩基配列に含まれる連続した10から30塩基からなる第一順方向塩基配列若しくはその等価塩基配列を含んでいてもよく、からなっていてもよい。
【0028】
第一リバースプライマー
第一リバースプライマーは、配列番号1で表される塩基配列の相補配列に含まれる連続した10から30塩基からなる第一逆方向塩基配列若しくはその等価塩基配列を含んでいてもよく、からなっていてもよい。
【0029】
第一フォワードプライマー及び第一リバースプライマーのセットは、核酸増幅法(例えば、PCR法)により、配列番号1で表される塩基配列を有する鋳型核酸から、標的核酸(第一標的核酸とも称する)を増幅させることができる。増幅される標的核酸の塩基長は、配列番号1で表される塩基配列の塩基長と同じであってもよく、60から700塩基長(例えば、70から600塩基長、75から500塩基長、80から400塩基長、85から300塩基長、及び90から200塩基長)であってもよく、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700及び760塩基長から選択される任意の2値からなる範囲内であってもよい。
【0030】
第二プライマーセット
第二プライマーセットは、第二フォワードプライマーと第二リバースプライマーを含んでいてもよく、からなっていてもよい。
【0031】
第二フォワードプライマー
第二フォワードプライマーは、配列番号2で表される塩基配列に含まれる連続した10から30塩基からなる第二順方向塩基配列若しくはその等価塩基配列を含んでいてもよく、からなっていてもよい。
【0032】
第二リバースプライマー
第二リバースプライマーは、配列番号2で表される塩基配列の相補配列に含まれる連続した10から30塩基からなる第二逆方向塩基配列若しくはその等価塩基配列を含んでいてもよく、からなっていてもよい。
【0033】
第二フォワードプライマー及び第二リバースプライマーのセットは、核酸増幅法(例えば、PCR法)により、配列番号2で表される塩基配列を有する鋳型核酸から、標的核酸(第二標的核酸とも称する)を増幅させることができる。増幅される標的核酸の塩基長は、配列番号2で表される塩基配列の塩基長と同じであってもよく、60から1400塩基長(例えば、60から1000塩基長、65から800塩基長、70から600塩基長、75から500塩基長、80から400塩基長、85から300塩基長、及び90から200塩基長)であってもよく、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300及び1400塩基長から選択される任意の2値からなる範囲内であってもよい。
【0034】
等価塩基配列
第一順方向塩基配列の等価塩基配列は、第一順方向塩基配列に相補的な塩基配列からなる核酸にアニール可能な核酸をコードする塩基配列である。
第一逆方向塩基配列の等価塩基配列は、第一逆方向塩基配列に相補的な塩基配列からなる核酸にアニール可能な核酸をコードする塩基配列である。
第二順方向塩基配列の等価塩基配列は、第二順方向塩基配列に相補的な塩基配列からなる核酸にアニール可能な核酸をコードする塩基配列である。
第二逆方向塩基配列の等価塩基配列は、第二逆方向塩基配列に相補的な塩基配列からなる核酸にアニール可能な核酸をコードする塩基配列である。
【0035】
「アニール可能」は、標的核酸(例えば、第一標的核酸及び第二標的核酸)を増幅させる工程において、標的核酸を増幅させることができる程度にプライマーが鋳型核酸に結合することが可能な水準を意味する。
【0036】
第一順方向塩基配列の等価塩基配列は、
第一順方向塩基配列に対して、1または数塩基が欠失、置換、付加されている塩基配列であってもよい、
第一順方向塩基配列に対して、95%以上の配列相同性を有する塩基配列であってもよい、又は
第一順方向塩基配列に相補的な塩基配列からなる核酸に、ストリンジェントな条件下で特異的にハイブリダイズする核酸をコードする塩基配列であってもよい。
【0037】
第一逆方向塩基配列の等価塩基配列は、
第一逆方向塩基配列に対して、1または数塩基が欠失、置換、付加されている塩基配列であってもよい、
第一逆方向塩基配列に対して、95%以上の配列相同性を有する塩基配列であってもよい、又は
第一逆方向塩基配列に相補的な塩基配列からなる核酸に、ストリンジェントな条件下で特異的にハイブリダイズする核酸をコードする塩基配列であってもよい。
【0038】
第二順方向塩基配列の等価塩基配列は、
第二順方向塩基配列に対して、1または数塩基が欠失、置換、付加されている塩基配列であってもよい、
第二順方向塩基配列に対して、95%以上の配列相同性を有する塩基配列であってもよい、又は
第二順方向塩基配列に相補的な塩基配列からなる核酸に、ストリンジェントな条件下で特異的にハイブリダイズする核酸をコードする塩基配列であってもよい。
【0039】
第二逆方向塩基配列の等価塩基配列は、
第二逆方向塩基配列に対して、1または数塩基が欠失、置換、付加されている塩基配列であってもよい、
第二逆方向塩基配列に対して、95%以上の配列相同性を有する塩基配列であってもよい、又は
第二逆方向塩基配列に相補的な塩基配列からなる核酸に、ストリンジェントな条件下で特異的にハイブリダイズする核酸をコードする塩基配列であってもよい。
【0040】
第一順方向塩基配列は、配列番号3又はその等価塩基配列を含んでいてもよく、からなっていてもよい。
第一逆方向塩基配列は、配列番号4又はその等価塩基配列を含んでいてもよく、からなっていてもよい。
第二順方向塩基配列は、配列番号5又はその等価塩基配列を含んでいてもよく、からなっていてもよい。
第二逆方向塩基配列は、配列番号6又はその等価塩基配列を含んでいてもよく、からなっていてもよい。
【0041】
なお、本明細書において同一性・相同性を示す値は、BLASTなどの公知のプログラムを利用することにより算出することができる。配列番号に示される塩基配列と配列相同性を有する塩基配列は、95%以上の配列相同性を有していればよく、例えば、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上、99.5%以上、99.8%以上であっても良い。
【0042】
本明細書において、「1または数塩基が欠失、置換、付加されている塩基配列」における「数塩基」は、例えば、2~10塩基、2~9塩基、2~8塩基、2~7塩基、2~6塩基、2~5塩基、2~4塩基、2~3塩基、2塩基である。欠失、置換、付加した塩基の数は、一般的に少ないほど好ましい。塩基の欠失、置換、付加のうち2種以上が同時に生じてもよい。なお、塩基の欠失、置換、付加については、公知の技術を用いることができる。
【0043】
本明細書において、「ストリンジェントな条件」とは、例えば以下の(1)(2)などが挙げられる。
(1)イオン強度が低く洗浄温度が高い状態として、たとえば0.015MのNaCl/0.0015Mのクエン酸ナトリウム(チトラート)/0.1%SDSで温度50℃が挙げられる。あるいは
(2)ハイブリッド形成中にホルムアミド等の変性剤を使用して、たとえば、50%(vol/vol)ホルムアミドに、0.1%ウシ血清アルブミン/0.1%Ficoll/0.1%polyinylpyrrolidone/50mMリン酸ナトリウムバッファpH6.5、750mMNaCl、75mMクエン酸ナトリウムで温度42℃とすることが挙げられる。別の例としては、50%ホルムアミド、5×SSC(0.75M NaCl,0.075Mクエン酸ナトリウム),50mM リン酸ナトリウム(pH6.8), 0.1%ピロリン酸ナトリウム, 5×デンハルト液、超音波処理されたサーモンスパームDNA(50μg/ml),0.1%SDS,10%硫酸デキストラン,温度42度,洗浄温度42℃,0.2×SSC,0.1%SDSが挙げられる。
また、当業者であれば、クリアで検出可能なハイブリダイゼーションシグナルを得るべく、ストリンジェントな条件を適宜変更できることは、明らかである。
【0044】
なお、本明細書において、分子生物学の手法(例えば、クローニング、プラスミド抽出、DNA断片の切断、連結、ハイブリダイゼーション、部位特異的変異導入法、PCR法、ウエスタンブロット法等々の手法)は、当業者によく知られている通常の方法を採用することができる。これらの方法は、 Sambrook, J., Fritsch, E. F., and Maniatis, T., "Molecular Cloning A Laboratory Manual, Second Edition",Cold Spring Harbor Laboratory Press, (1989)等を参照することができる。
【0045】
本実施形態にかかるプライマーキットは、上記第一プライマーセットと第二プライマーセットが含まれているが、上記第一プライマーセットと上記第二プライマーセットのいずれかのプライマーセットが含まれているプライマーキットであってもよい。
【0046】
環境水中に人為起源の大腸菌の存在を判定する方法
本実施形態にかかる方法は、環境水中に人為起源の大腸菌の存在を判定する方法である。本方法は、第一核酸増幅工程と、第二核酸増幅工程と、判定工程とを有する。
【0047】
第一核酸増幅工程及び第二核酸増幅工程
第一核酸増幅工程において、上記プライマーキットの第一プライマーセットと環境水由来の試料を用いて核酸増幅が行われる。第二核酸増幅工程において、上記プライマーキットの第二プライマーセットと上記試料を用いて核酸増幅が行われる。
【0048】
核酸増幅は、核酸増幅法によって達成される。核酸増幅法は、フォワードプライマー及びリバースプライマーに挟まれた標的核酸上の特定の領域を核酸ポリメラーゼによる核酸伸長反応を繰り返すことで増幅させる方法をいう。例えば、DNAポリメラーゼを使用するPCR法、ICAN法、LAMP(登録商標)法、RNAポリメラーゼ及びDNAポリメラーゼを使用するNASBA法が挙げられる。好ましくはPCR法である。核酸増幅法は、定量的核酸増幅法であってもよい。定量的核酸増幅法は、例えば、リアルタイムPCR法(リアルタイムRT-PCR法)が挙げられる。
【0049】
第一核酸増幅工程は、第二核酸増幅工程より前に実施してもよく、第二核酸増幅工程より後に実施してもよく、第二核酸増幅工程と同時に実施してもよい。
【0050】
判定工程
判定工程において、第一核酸増幅工程の結果及び/又は第二核酸増幅工程の結果に基づいて環境水に大腸菌が存在するか否かが判定される。
【0051】
ある実施形態において、第一核酸増幅工程の結果に基づいて環境水に大腸菌が存在するか否かが判定される。別の実施形態において、第二核酸増幅工程の結果に基づいて環境水に大腸菌が存在するか否かが判定される。更に別の実施形態において、第一核酸増幅工程の結果及び第二核酸増幅工程の結果に基づいて環境水に大腸菌が存在するか否かが判定される。
【0052】
上記第一核酸増幅工程の結果は、上記第一プライマーセットによって増幅した第一標的核酸の増幅であってもよい。第一標的核酸は、第一プライマーセットを用いた核酸増幅法により、配列番号1で表される塩基配列を有する鋳型核酸から増幅される標的核酸である。
【0053】
上記第二核酸増幅工程の結果は、上記第二プライマーセットによって増幅した第二標的核酸の増幅であってもよい。第二標的核酸は、第二プライマーセットを用いた核酸増幅法により、配列番号2で表される塩基配列を有する鋳型核酸から増幅される標的核酸である。
【0054】
上記判定工程において、上記環境水における上記大腸菌の存在は、上記第一標的核酸の増幅と第二標的核酸の増幅によって決定されてもよい。
【0055】
第一核酸増幅工程によって第一標的核酸の増幅が認められた場合、配列番号1で表される塩基配列を有する核酸を有する大腸菌(人為起源の大腸菌)が環境水中に存在することが明らかになる。また、第二核酸増幅工程によって第二標的核酸の増幅が認められた場合、配列番号2で表される塩基配列を有する核酸を有する大腸菌(人為起源の大腸菌)が環境水中に存在することが明らかになる。第一標的核酸の増幅と第二標的核酸の増幅のいずれか一方又は両方が認められることで、人為起源の大腸菌が環境水中に存在することを判定することができる。逆に、第一標的核酸の増幅も第二標的核酸の増幅も認められない場合は、人為起源の大腸菌が環境水中に存在しないこと又は存在しない可能性があることを判定することができる。
【0056】
環境水由来の試料は、環境水そのものであってもよく、適切な水溶液(例えば、緩衝液)で希釈された環境水であってもよい。ある実施形態において、環境水由来の試料は、環境水から単離された大腸菌を含む試料であってもよい。従って、本方法は、環境水から大腸菌を単離する単離工程を更に有していてもよい。環境水由来の試料は、単離された上記大腸菌を含んでいてもよい。即ち、環境水由来の試料は、単離された大腸菌そのもの(例えば、寒天培地上で生育したコロニー)であってもよく、単離された大腸菌と適切な水溶液(例えば、第一及び第二核酸増幅工程における核酸増幅に影響を与えない液体培地及び緩衝液)を含んでいてもよく、からなっていてもよい。
【0057】
環境水から大腸菌を単離することで、偽陽性の可能性をより排除することができる。環境水中の大腸菌は、合成酵素基質(X-GAL、X-GLUC、MAGENTA-GALなど)を含む寒天培地において環境水を塗布し、生育した大腸菌コロニーを取得することで単離することができる。また、環境水中の大腸菌は、大腸菌又は大腸菌及び大腸菌群を選択的に培養することが可能な液体培地(例:Colilert-18(IDEXX Laboratories))において培養することで単離することができる。単離操作により取得した大腸菌は、さらに培養した後に、環境水由来の試料として用いてもよい。
【0058】
本実施形態にかかる方法は、2つのプライマーセットを用いているが、3つ以上のプライマーセットを用いてもよい。また、本実施形態にかかる方法は、更に詳細な分析工程及び/又は別の判定工程を備えていてもよい。
【実施例0059】
大腸菌の微生物起源追跡(MST)マーカー
下水汚染の同定に利用可能なMSTマーカーとして、2つの大腸菌遺伝子(W_nqrCとW_clsA_2)を選択した。W_nqrC遺伝子の塩基配列は、配列番号1で表され、W_clsA_2遺伝子の塩基配列は、配列番号2で表される。
【0060】
実施例1
感度と特異度
W_nqrC遺伝子及びW_clsA_2遺伝子並びに非特許文献1において開示されているH8マーカー遺伝子(配列番号7)及びH12マーカー遺伝子(配列番号8)について、2021年6月までに公開されたRefSeq大腸菌ゲノムのうち、335個のRefSeq下水由来大腸菌ゲノムと3,318個のRefSeq動物大腸菌ゲノム(ヒト及び霊長類以外の動物糞便に由来)を対象にスクリーニングを行い、感度及び特異度を評価した。各大腸菌ゲノムの塩基配列データは、NCBI Reference Sequence Databaseからダウンロードした。感度と特異度は、表1に基づいて算出した。
【0061】
【表1】
【0062】
図1に各遺伝子の感度と特異度の分布を示す。W_nqrC遺伝子の特異性及び感度は、それぞれ、99.1%及び16.4%であった。W_clsA_2遺伝子の特異性及び感度は、それぞれ、99.8%及び9.3%であった。既存のMSTマーカーである、H8マーカー遺伝子(特異性:97.9%及び感度:16.1%)及びH12マーカー遺伝子(特異性:99.8%及び感度:8.4%)と比較すると、W_nqrC遺伝子及びW_clsA_2遺伝子は、良好なMSTマーカーであることが明らかとなった。
【0063】
実施例2
プライマー
W_nqrC遺伝子及びW_clsA_2遺伝子に対する各PCRプライマーセットは、Primer-BLASTとPrimer3ソフトウェアを用いて設計した。各遺伝子に対するプライマーの塩基配列は、表2に示している。
【0064】
【表2】
【0065】
設計したPCRプライマーを検証するために、以下から収集した大腸菌分離株に対してPCRを行った:下水(下水流入水(n = 78)、及び下水処理水(生物処理および塩素処理後)(n = 49))、動物(シカ(n = 30)およびウシ(n = 30))。下水由来大腸菌は、日本の山梨県と滋賀県の下水処理場から2018年と2021年に採取したものである。動物由来大腸菌は、2021年に日本の山梨県(シカ分離株)および日本の滋賀県(ウシ分離株)で採取された動物の糞便から得られたものである。1個体から最大3株まで分離した。抽出したDNAまたは細胞懸濁液に対して、QuantiFast SYBR Green PCR Kit (Qiagen)を用いて、メーカー推奨のPCR条件でPCR反応を実施した。増幅後、融解曲線解析を行った。全てのPCR反応はThermal Cycler Dice Real Time System III (タカラバイオ)で行った。結果を表3に示す。
【0066】
【表3】
【0067】
下水処理場流入水から得られた78株のうち、W_nqrC遺伝子とW_clsA_2遺伝子がそれぞれ15株(19.2%)と6株(7.7%)で陽性となった。下水処理場放流水から得られた49株のうち、W_nqrC遺伝子とW_clsA_2遺伝子がそれぞれ5株(10.2%)と4株(8.2%)で陽性となった。W_nqrC遺伝子とW_clsA_2遺伝子が陽性となる分離株には重複がなく、W_nqrC遺伝子とW_clsA_2遺伝子を併用することで感度が向上することが示された。一方、動物(シカ及びウシ)の糞便からの分離株にはW_nqrC遺伝子とW_clsA_2遺伝子が陽性となるものはなく、これらのマーカーの高い特異性が示された。下水処理場の下流において採取された河川水における陽性株の割合は、下水処理場放流水における陽性株の割合と同じであった(いずれも18%)。
【0068】
実施例3
In silico PCR
2021年6月以降に公開されたRefSeq大腸菌ゲノムを対象に、開発したプライマーを用いたin silico PCRを以下の手順で実施した。2021年11月に完全アセンブリとドラフトアセンブリの両方を含むRefSeq大腸菌ゲノム(n = 22,439)をNCBI Reference Sequence Databaseダウンロードした。GenBankファイルからメタデータ情報を抽出し、下水由来のゲノムと非霊長類動物由来および糞便・腸管由来のゲノムを検索した。検索されたゲノムのうち、実施例1で用いた大腸菌ゲノムを削除し、下水由来大腸菌3ゲノム、動物由来大腸菌194ゲノムをin silico PCR解析の対象とした。In silico PCR は、Primer-BLAST ウェブサイト上でデフォルトのパラメーターを用いて行った。結果を表4に示す。
【0069】
【表4】
【0070】
利用可能な下水由来大腸菌ゲノムの数は少なかったものの(n = 3)、1つのゲノムはW_nqrCに陽性となった。一方、動物由来大腸菌194ゲノム中、W_nqrCに陽性であったのはイヌ1ゲノムのみであり、W_clsA_2に陽性となったものはなかった。これらの結果は、W_nqrC遺伝子とW_clsA_2遺伝子は、MSTマーカーとして高い特異性を示すものである。
図1
【配列表】
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