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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024002515
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】水田圃場用捕獲装置
(51)【国際特許分類】
   A01M 23/08 20060101AFI20231228BHJP
【FI】
A01M23/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022101742
(22)【出願日】2022-06-24
(71)【出願人】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092794
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 正道
(72)【発明者】
【氏名】山崎 仁史
【テーマコード(参考)】
2B121
【Fターム(参考)】
2B121AA06
2B121BA13
2B121BA17
2B121BA51
2B121FA01
(57)【要約】
【課題】小動物を捕獲する小動物捕獲装置がある。しかしこれは陸上での小動物捕獲装置であって、水田圃場で栽培する作物に害を及ぼすジャンボタニシ等を捕獲する水田圃場用の捕獲装置ではない。そこで、水田圃場用捕獲装置を提供する。
【解決手段】筒状体2の少なくとも一端に着脱自在のキャップ3を設け、筒状体2に浸水孔4を設けると共に、キャップ3に外側から筒状体2内に入れるが筒状体2内部から外側に出られない開口8bを設けた水田圃場用捕獲装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状体(2)の少なくとも一端に着脱自在のキャップ(3)を設け、筒状体(2)に浸水孔(4)を設けると共に、キャップ(3)に外側から筒状体(2)内に入れるが筒状体(2)内部から外側に出られない開口(8b)を設けたことを特徴とする水田圃場用捕獲装置。
【請求項2】
キャップ(3)に外側に連通する外側の開口(8a)から筒状体(2)内部に延びる誘導部(8)を設け、該誘導部(8)内端に外側から筒状体(2)内に入れるが筒状体(2)内部から外側に出られない開口(8b)を設けたことを特徴とする請求項1記載の水田圃場用捕獲装置。
【請求項3】
外側から筒状体(2)内に入れるが筒状体(2)内部から外側に出られない開口(8b)に外側から筒状体(2)内方に向いてのみ開く蓋(10)を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の水田圃場用捕獲装置。
【請求項4】
複数の筒状体(2)一端を接続キャップ(20,30)に設けた係合孔(21,31)に嵌入し、筒状体(2)他端にキャップ(3)を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の水田圃場用捕獲装置。
【請求項5】
複数の筒状体(2)一端を接続キャップ(20,30)に設けた係合孔(21,31)に嵌入し、筒状体(2)他端にキャップ(3)を設けたことを特徴とする請求項3記載の水田圃場用捕獲装置。
【請求項6】
接続キャップ(20,30)に蓋体(22,32)にて開閉自在の孔(23,33)を設けたことを特徴とする請求項4記載の水田圃場用捕獲装置。
【請求項7】
接続キャップ(20,30)に蓋体(22,32)にて開閉自在の孔(23,33)を設けたことを特徴とする請求項5記載の水田圃場用捕獲装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水田圃場の栽培作物に害を及ぼすジャンボタニシ等を捕獲する水田圃場用捕獲装置に関する。
【背景技術】
【0002】
小動物を捕獲する小動物捕獲装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-078817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながらそれらは陸上での小動物捕獲装置であって、水田圃場で栽培する作物に害を及ぼすジャンボタニシ等を捕獲する水田圃場用の捕獲装置ではない。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、水田圃場用捕獲装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、筒状体2の少なくとも一端に着脱自在のキャップ3を設け、筒状体2に浸水孔4を設けると共に、キャップ3に外側から筒状体2内に入れるが筒状体2内部から外側に出られない開口8bを設けた水田圃場用捕獲装置である。
【0007】
請求項1記載の発明によれば、筒状体2に浸水孔4を設けたので、浸水孔4から筒状体2内に水が入り、水田圃場用捕獲装置を水田圃場に適切に設置できる。
【0008】
また、筒状体2にキャップ3が着脱自在であるから、筒状体2内に捕獲した捕獲物を容易に取り出すことができると共に、筒状体2及びキャップ3の清掃が容易である。
【0009】
また、キャップ3に外側から筒状体2内に入れるが筒状体2内部から外側に出られない開口8bを設けたので、適確に水田圃場にて捕獲ができる。
【0010】
請求項2記載の発明は、キャップ3に外側に連通する外側の開口8aから筒状体2内部に延びる誘導部8を設け、該誘導部8内端に外側から筒状体2内に入れるが筒状体2内部から外側に出られない開口8bを設けた請求項1記載の水田圃場用捕獲装置である。
【0011】
請求項3記載の発明は、外側から筒状体2内に入れるが筒状体2内部から外側に出られない開口8bに外側から筒状体2内方に向いてのみ開く蓋10を設けた請求項1または請求項2記載の水田圃場用捕獲装置である。
【0012】
請求項4記載の発明は、複数の筒状体2一端を接続キャップ20,30に設けた係合孔21,31に嵌入し、筒状体2他端にキャップ3を設けた請求項1または請求項2記載の水田圃場用捕獲装置である。
【0013】
請求項5記載の発明は、複数の筒状体2一端を接続キャップ20,30に設けた係合孔21,31に嵌入し、筒状体2他端にキャップ3を設けた請求項3記載の水田圃場用捕獲装置である。
【0014】
請求項6記載の発明は、接続キャップ20,30に蓋体22,32にて開閉自在の孔23,33を設けた請求項4記載の水田圃場用捕獲装置である。
【0015】
請求項7記載の発明は、接続キャップ20,30に蓋体22,32にて開閉自在の孔23,33を設けた請求項5記載の水田圃場用捕獲装置である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明にかかる水田圃場用捕獲装置の実施形態のジャンボタニシ捕獲装置の斜視図である。
図2】同ジャンボタニシ捕獲装置の要部の拡大側断面図である。
図3】同ジャンボタニシ捕獲装置の第二実施形態を示す要部の斜視図である。
図4】同ジャンボタニシ捕獲装置の第三実施形態を示す要部の斜視図である。
図5】乗用型田植機の平面図である。
図6】乗用型田植機の側面図である。
図7】乗用型田植機の要部の拡大側面図である。
図8】乗用型田植機の要部の拡大背断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面に基づき、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
【0018】
図1は本発明の水田圃場用捕獲装置の一例であるジャンボタニシを捕獲するジャンボタニシ捕獲装置の斜視図、図2は要部の拡大側断面図である。
【0019】
先ず、ジャンボタニシ捕獲装置1の構成について説明する。
【0020】
図1及び図2に示すように、ジャンボタニシ捕獲装置1は、透明の樹脂製の筒状体としての円筒2の両端部に弾性キャップ3を取り付けて構成される。
【0021】
円筒2には、内部に水が浸水するための浸水孔4を多数設けている。
【0022】
また、円筒2の対向する周面には、固定棒5を貫通する固定用孔6が複数対(実施形態では、2対)設けており、該各対の固定用孔6に固定棒5を貫通して圃場面に突き刺して、ジャンボタニシ捕獲装置1を圃場面に固定する。
【0023】
弾性キャップ3は、円筒2の両端部に外嵌合する嵌着筒部7と円筒2の内部に延びる円錐状の誘導部8と固定用貫通孔9aが設けられた2つのフランジ9より構成される。
【0024】
誘導部8の外側及び円筒2の内部に延びる先端は開口8a,8bしており、該内側の開口8bを塞ぐ蓋10が上部枢支軸10aにて回動自在に設けられており、自重で内側の開口8bを内側から塞いだ状態になっている。
【0025】
2つのフランジ9は、左右周面に対向した位置で水平状に外方に向けて延びる構成で、フランジ9の固定用貫通孔9aに固定棒5を貫通して圃場面に突き刺して、ジャンボタニシ捕獲装置1を圃場面に固定する。
【0026】
次に、ジャンボタニシ捕獲装置1の使用方法について説明する。
【0027】
円筒2内にジャンボタニシの餌を入れて、両端に弾性キャップ3を装着する。
【0028】
水田圃場にジャンボタニシ捕獲装置1を置いて、各対の固定用孔6に固定棒5を貫通して圃場面に突き刺し、フランジ9の固定用貫通孔9aにも固定棒5を貫通して圃場面に突き刺して、ジャンボタニシ捕獲装置1を圃場面に固定する。
【0029】
すると、円筒2内には、浸水孔4から水が浸水する。
【0030】
そして、ジャンボタニシが餌につられて弾性キャップ3の外側の開口8aから誘導部8に入り、内側の開口8bを塞ぐ蓋10を押し開けて円筒2内部に入り込む。
【0031】
すると、蓋10は、円筒2内部からは押しても内側の開口8b淵部に接当して開かないので、ジャンボタニシを捕獲することができる。
【0032】
ジャンボタニシ捕獲装置1は、圃場全体に所定間隔をあけて複数個設置する。
【0033】
円筒2は透明であるから、ジャンボタニシ捕獲装置1を設置して外側から観察して、ジャンボタニシを多数捕獲した状態になれば、固定棒5を抜いてジャンボタニシ捕獲装置1を圃場から取り上げる。
【0034】
そして、円筒2から弾性キャップ3を外すと、円筒2内部に捕獲したジャンボタニシを容易に取り出せる。取り出したジャンボタニシは、駆除する。
【0035】
そして、餌も取り出して、円筒2、各弾性キャップ3及び各固定棒5を水で清掃する。円筒2から弾性キャップ3及び固定棒5を取り外しているので、容易に清掃できる。
【0036】
<他の実施形態>
【0037】
(1)図3は、第二実施形態を示すジャンボタニシ捕獲装置1の要部斜視図である。
【0038】
即ち、接続キャップ20は、透明の樹脂製で、左右に円筒2の一端部が嵌入する左右係合孔21を設け、上下に蓋体22を締付けて閉じることができる上下孔23を設けている。
【0039】
使用時は、該接続キャップ20の左右係合孔21に外端に前記弾性キャップ3を嵌めた円筒2の一端を各々嵌入し、上下蓋体22を締付けて上下孔23を閉じる。
【0040】
第二実施形態のジャンボタニシ捕獲装置1を圃場に設置するには、接続キャップ20の左右係合孔21に外端に前記弾性キャップ3を嵌めた円筒2の一端を各々嵌入し、下部の蓋体22を締付けて下孔23を閉じ、上孔23から接続キャップ20内にジャンボタニシの餌を入れて、上部の蓋体22を締付けて上孔23を閉じる。
【0041】
そして、水田圃場にジャンボタニシ捕獲装置1を置いて、各対の固定用孔6に固定棒5を貫通して圃場面に突き刺し、フランジ9の固定用貫通孔9aにも固定棒5を貫通して圃場面に突き刺して、ジャンボタニシ捕獲装置1を圃場面に固定する。
【0042】
すると、左右円筒2及び接続キャップ20内には、浸水孔4から水が浸水する。
【0043】
そして、ジャンボタニシが餌につられて弾性キャップ3の外側の開口8aから誘導部8に入り、内側の開口8bを塞ぐ蓋10を押し開けて円筒2内部に入り込む。
【0044】
すると、蓋10は、円筒2内部からは押しても内側の開口8b淵部に接当して開かないので、ジャンボタニシを捕獲することができる。なお、ジャンボタニシは、円筒2内部を中央の餌が置かれている接続キャップ20に集まる。
【0045】
ジャンボタニシ捕獲装置1は、圃場全体に所定間隔をあけて複数個設置する。
【0046】
円筒2及び接続キャップ20は透明であるから、ジャンボタニシ捕獲装置1を設置して外側から観察して、ジャンボタニシを多数捕獲した状態になれば、固定棒5を抜いてジャンボタニシ捕獲装置1を圃場から取り上げる。
【0047】
そして、各部材を分解すると、捕獲したジャンボタニシを容易に取り出せる。取り出したジャンボタニシは、駆除する。
【0048】
そして、餌も取り出して、接続キャップ20、各円筒2、各弾性キャップ3及び各固定棒5を水で清掃する。各部材は分解しているので、容易に清掃できる。
【0049】
(2)図4は、第三実施形態を示すジャンボタニシ捕獲装置1の要部斜視図である。
【0050】
即ち、十字状接続キャップ30は、透明の樹脂製で、四方に円筒2の一端部が嵌入する係合孔31を設け、上下に蓋体32を締付けて閉じることができる上下孔33を設けている。なお、固定用貫通孔34aを設けた2つのフランジ34が設けられている。
【0051】
使用時は、該十字状接続キャップ30の四方の係合孔31に円筒2の一端を各々嵌入し、円筒2の他端を第二実施形態の接続キャップ20の一方の係合孔21に嵌入し、接続キャップ20の他方の係合孔21に弾性キャップ3を嵌めた円筒2の一端を嵌入し、上下蓋体32を締付けて上下孔33を閉じる。
【0052】
なお、十字状接続キャップ30の四方に延びる円筒2及び接続キャップ20は、必要に応じて複数組用いて四方に長く構成する。
【0053】
第三実施形態のジャンボタニシ捕獲装置1を圃場に設置するには、十字状接続キャップ30の四方の係合孔31に円筒2の一端を各々嵌入し、円筒2の他端を第二実施形態の接続キャップ20の一方の係合孔21に嵌入し、接続キャップ20の他方の係合孔21に弾性キャップ3を嵌めた円筒2の一端を嵌入し、下部の蓋体32を締付けて下孔33を閉じ、上孔33から十字状接続キャップ30内にジャンボタニシの餌を入れて、上部の蓋体32を締付けて上孔33を閉じる。
【0054】
また、各接続キャップ20下部の蓋体22を締付けて下孔23を閉じ、上孔23から接続キャップ20内にジャンボタニシの餌を入れて、上部の蓋体22を締付けて上孔23を閉じる。
【0055】
そして、水田圃場にジャンボタニシ捕獲装置1を置いて、十字状接続キャップ30のフランジ34の固定用貫通孔34a、弾性キャップ3のフランジ9の固定用貫通孔9a及び円筒2の固定用孔6に各々固定棒5を貫通して圃場面に突き刺し、ジャンボタニシ捕獲装置1を圃場面に固定する。
【0056】
すると、各円筒2、十字状接続キャップ30及び各接続キャップ20内には、浸水孔4から水が浸水する。
【0057】
そして、ジャンボタニシが餌につられて弾性キャップ3の外側の開口8aから誘導部8に入り、内側の開口8bを塞ぐ蓋10を押し開けて円筒2内部に入り込む。
【0058】
すると、蓋10は、円筒2内部からは押しても内側の開口8b淵部に接当して開かないので、ジャンボタニシを捕獲することができる。なお、ジャンボタニシは、円筒2内部を餌が置かれている各接続キャップ20及び十字状接続キャップ30に集まる。
【0059】
ジャンボタニシ捕獲装置1は、圃場全体に所定間隔をあけて複数個設置する。
【0060】
各円筒2、十字状接続キャップ30及び各接続キャップ20は透明であるから、ジャンボタニシ捕獲装置1を設置して外側から観察して、ジャンボタニシを多数捕獲した状態になれば、固定棒5を抜いてジャンボタニシ捕獲装置1を圃場から取り上げる。
【0061】
そして、各部材を分解すると、捕獲したジャンボタニシを容易に取り出せる。取り出したジャンボタニシは、駆除する。
【0062】
そして、餌も取り出して、各円筒2、十字状接続キャップ30、各接続キャップ20、各弾性キャップ3及び各固定棒5を水で清掃する。各部材は分解しているので、容易に清掃できる。
【0063】
(3)図5図8は、圃場の肥沃度を検出し、肥沃度に応じて施肥量を自動調節する施肥装置付き乗用型田植機の実施形態を示す。
【0064】
図5及び図6に示すように、施肥装置付き乗用型田植機50は、走行車体51の後側に昇降リンク装置52を介して苗植付部53が昇降可能に装着され、走行車体51の後部上側に施肥装置54の本体部分が設けられている。なお、乗用型田植機50の前進方向に向かって左右方向をそれぞれ左、右といい、前進方向と後進方向をそれぞれ前、後という。
【0065】
走行車体51は、駆動輪である左右一対の前輪55,55及び左右一対の後輪56,56を備えた四輪駆動車両であって、機体の前部にミッションケース57が配置され、そのミッションケース57の左右側方に前輪ファイナルケース58,58が設けられ、該左右前輪ファイナルケース58,58の操向方向を変更可能な各々の前輪支持部から外向きに突出する左右前輪車軸に左右前輪55,55が各々取り付けられている。
【0066】
また、ミッションケース57の背面部にメインフレーム59の前端部が固着されており、そのメインフレーム59の後端左右中央部に前後水平に設けた後輪ローリング軸を支点にして後輪ギヤケース60,60がローリング自在に支持され、その後輪ギヤケース60,60から外向きに突出する後輪車軸に後輪56,56が取り付けられている。
【0067】
エンジン61は機体前部に搭載されており、該エンジン61の回転動力が、ベルト伝動装置及びHSTを介してミッションケース57に伝達される。ミッションケース57に伝達された回転動力は、該ケース12内のトランスミッションにより変速された後、走行動力と外部取出動力に分離して取り出される。そして、走行動力は、一部が前輪ファイナルケース58,58に伝達されて前輪55,55を駆動すると共に、残りが後輪ギヤケース60,60に伝達されて後輪56,56を駆動する。また、外部取出動力は、走行車体51の後部に設けた植付クラッチケースに伝達され、それから植付伝動軸によって苗植付部53へ伝動されるとともに、施肥伝動機構によって施肥装置54へ伝動される。
【0068】
走行車体51後部には、リヤカバー62で覆われており、その上に座席63が設置されている。座席63の前方には各種操作機構を内蔵するフロントカバー64があり、その上方に前輪55,55を操向操作するハンドル65が設けられている。リヤカバー62及びフロントカバー64の下端左右両側は水平状のフロアステップ66になっている。フロアステップ66は一部格子状になっており、該ステップ66を歩く作業者の靴についた泥が圃場に落下するようになっている。フロアステップ66上の後部は、後輪フェンダを兼ねるリヤステップとなっている。
【0069】
苗植付部53は8条植の構成で、フレームを兼ねる伝動ケース70、マット苗を載せて左右往復動し苗を一株分づつ各条の苗取出口71aに供給するとともに横一列分の苗を全て苗取出口71aに供給する苗送りベルトにより苗を下方に移送する苗載台71、苗取出口71aに供給された苗を圃場に植付ける苗植付装置72を備えている。
【0070】
苗植付部53の下部には中央にセンターフロート75、その左右両側にサイドフロート76が設けられている。これらフロート75,76を圃場の泥面に接地させた状態で機体を進行させると、フロート75,76が泥面を整地しつつ滑走し、その整地跡に苗植付装置72により苗が植付けられる。
【0071】
各フロート75,76は圃場表土面の凹凸に応じて前端側が上下動するように回動自在に取り付けられており、植付作業時にはセンターフロート75の前部の上下動が迎角制御センサにより検出され、その検出結果に応じ前記昇降油圧シリンダ46を制御する油圧バルブを切り替えて苗植付部53を昇降させることにより、苗の植付深さを常に一定に維持する。
【0072】
施肥装置54は、肥料ホッパ80に貯留されている粒状の肥料を繰出部81によって一定量づつ繰り出し、その肥料を施肥ホース82でフロート75,76の左右両側に取り付けた施肥ガイド83まで導き、施肥ガイド83の前側に設けた作溝体84によって苗植付条の側部近傍に形成される施肥構内に落とし込むようになっている。
【0073】
ブロア用電動モータで駆動するブロア85で発生させたエアが、左右方向に長いエアチャンバ86を経由して施肥ホース82に吹き込まれ、施肥ホース82内の肥料を風圧で強制的に搬送するようになっている。
【0074】
施肥装置54は、圃場の肥沃度に応じて施肥量を自動調節する可変施肥機である。
【0075】
即ち、繰り出し量調整モータ87が座席63右側方で肥料ホッパ80前側の離接する繰出部81間に配置され、繰出部81の駆動部を変速して繰出部81の肥料繰出し量を変更する。
【0076】
そして、左右後輪11の後方に配置されて左右後輪11の車輪跡を整地する左右サイドフロート76の底面左右中央位置に両極の電線90を連結したステンレス製のプレート91を各々設けている。
【0077】
プレート91は、基部をサイドフロート76の底面左右中央位置にボルト92にて固定し、垂直状に下方に延びている。
【0078】
プレート91は、側面視で前辺91a及び後辺91bが後退角を持った傾斜状とし、機体が前進しても後進しても土壌抵抗が少なくなる形状である。
【0079】
センターフロート75の後部は、左右サイドフロート76の後部よりも前方に位置するので、左右サイドフロート76の施肥ガイド83よりも後方の後部底面に各々取付けられた左右プレート91間は空間となっており、左右プレート91間の土壌(泥土)の電気抵抗を適切に検出して、肥沃度の検出が適正に行える。
【0080】
なお、従来周知の手法にて、肥沃度の低い土壌の電気抵抗は大きく、肥沃度の高い土壌の電気抵抗は小さいことにより肥沃度を検出する。
【0081】
検出された肥沃度に応じて、機体に設けた制御装置が繰り出し量調整モータ87を制御して繰出部81の駆動部を変速して繰出部81の肥料繰出し量を変更する。即ち、肥沃度の低い土壌では施肥量を多くし、肥沃度の高い土壌では施肥量を少なくして、圃場全体の肥沃度が均一になるようにする。
【符号の説明】
【0082】
2 筒状体(円筒)
3 キャップ
4 浸水孔
8 誘導部
8a 開口
8b 開口
10 蓋
20 接続キャップ
21 係合孔
22 蓋体
23 孔
30 接続キャップ(十字状接続キャップ)
31 係合孔
32 蓋体
33 孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8