(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025179
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】販売情報の検知通知システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20240216BHJP
【FI】
G06Q30/06 322
G06Q30/06 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022128416
(22)【出願日】2022-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】521252302
【氏名又は名称】有限会社古川楽器店
(74)【代理人】
【識別番号】110001335
【氏名又は名称】弁理士法人 武政国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】古川 圭一
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB47
5L049BB58
(57)【要約】 (修正有)
【課題】手動でECサイトに常時アクセスして販売情報を確認することなく、購入可能になったタイミングでECサイトにアクセスして目的の商品を購入することができる販売情報自動検知システムを提供する。
【解決手段】在庫検知サーバ1とECサイト運営サーバ2と、を有するシステムにおいて、在庫検知サーバ1は、元情報に基づいて商品ページURL推測手段111によって推測した商品ページURLを用いて、自動巡回手段112によって商品ページに定期的にアクセスし、販売情報を取得・記憶し、取得した販売情報から購入可否判定手段113によって購入可否を判定して、購入可と判定した場合に、通知手段114によって利用者へSNSやメール等を通じて通知する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ECサイトのドメイン名であるECサイトURLと、商品に関する情報と、に基づいて、商品ページURLを推測する商品ページURL推測手段と、
前記商品ページURL推測手段によって推測された前記商品ページURLを用いて販売情報を取得する自動巡回手段と、
前記自動巡回手段によって取得した販売情報から購入可否を判定する購入可否判定手段と、
前記購入可否判定手段における判定の結果を、利用者へ通知する通知手段と、を備え、
前記商品ページURL推測手段は、前記ECサイトにおける既往の前記商品ページURLの記述の規則性を推定したうえで、前記ECサイトURLと商品に関する情報とを組み合わせることによって新たな前記商品ページURLを生成する、
販売情報自動検知システム。
【請求項2】
文字列と規則的な数字の結合によって記述された前記商品ページURLを対象とするとき、前記商品ページURL推測手段は、規則性から次に付与される数字を推測することによって新たな前記商品ページURLを生成する、
請求項1に記載の販売情報自動検知システム。
【請求項3】
前記商品ページURL推測手段が、前記ECサイトURLに、予め定めた共通商品コードを結合することによって新たな前記商品ページURLを生成するように構成された、
請求項1に記載の販売情報自動検知システム。
【請求項4】
前記商品ページURL推測手段が、複数の前記ECサイトURLから1の該ECサイトURLを選択するとともに、該ECサイトURLにおける前記商品ページURLの書式に応じて商品に関する情報を変換したうえで、選択された該ECサイトURLに商品に関する情報を結合することによって新たな前記商品ページURLを生成するように構成された、
請求項1に記載の販売情報自動検知システム。
【請求項5】
前記ECサイトにおける既往の前記商品ページURLの記述の規則性を推定したうえで、ECサイトのドメイン名であるECサイトURLと商品に関する情報を組み合わせることによって商品ページURLを推測し、
推測された前記商品ページURLを用いて販売情報を取得し、
取得した販売情報から購入可否を判定し、
判定の結果を、利用者へ通知する、
販売情報自動検知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネットを利用して商品等を購入する際に、購入したい商品の在庫がないときに、その商品の入荷を通知できる販売情報の自動検知通知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子商取引を行うEC(Electronic Commerce)サイト(いわゆる通販サイト)は、インターネット上での商品の販売や予約に利用されている。
このようなウェブサイトを利用して商品の注文と受け取りができるECサイトに関する数多くの技術が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1の「販売支援システム」のように、商品を特定するための特定情報を有する商品情報を記録しており、店舗での販売支援を行うための販売支援サーバと、実店舗に設置され、前記販売支援サーバとネットワークを介して接続された店舗端末と、実店舗に設置された発信端末から出力される端末IDを検出し、該発信端末を特定する情報を含んだ前記発信情報を出力することで前記販売支援サーバから商品に関する情報の取得を行う携帯情報端末と、を備えた服飾商品の販売支援システムであって、前記販売支援サーバは、前記店舗端末から入力されたコーディネイト画像及び、コーディネイトに使用された複数の商品の特定情報を関連付けてコーディネイト情報として記録するコーディネイト登録手段と、前記発信端末を特定するための情報及び、コーディネイト情報を発信したい商品の特定情報を関連付けて記録する発信設定手段と、前記携帯情報端末から入力された前記発信情報を用いて、関連付けられた商品の特定情報を導出し、該商品の商品情報及びコーディネイト情報を前記携帯情報端末に出力するコーディネイト出力手段と、を有し、前記携帯情報端末は、前記端末ID及び前記発信情報の出力先を対応させて記録しており、実店舗に設置された前記発信端末から端末IDを検出する端末取得手段と、検出した前記端末IDに基づいて、該発信端末を特定する情報を含んだ前記発信情報を前記販売支援サーバに出力する端末出力手段と、前記販売支援サーバが出力した前記商品情報及び前記コーディネイト情報を表示する出力情報表示手段と、を有する販売支援システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、人気商品は在庫切れになりやすく、欲しいときに購入できないことがある。このような場合は、次の入荷時期が分からないことが多く、利用者(購入希望者)は何度も同じサイトにアクセスし在庫の復活(入荷)を確認する必要があり、煩雑な作業である上に、タイミングが合わないと在庫の復活を見逃すこともあった。また、発売前から入手困難となることが予想される商品の場合、いち早く受付開始を知ることが重要となる。特に人気のある商品に関しては入手するために24時間体制でサイトをチェックする必要があり著しく手間と時間を要する作業であった。
【0006】
特許文献1の「販売支援システム」は、ECサイトにおいて商品の在庫が無いときに、主商品(利用者が欲する商品)及び関連商品(主商品と関連する商品)の販売の機会損失を抑え、効率的に服飾商品の販売を行う為のシステムであり、主商品以外の関連商品の販売を提案するシステムである。このシステムは、例えば、服飾関連の商品のように、サイトで検索しているときに様々な商品を比較検討しながら商品を選択できる場合には利用できるシステムである。しかし、在庫切れになった人気商品を購入したい利用者には適していないシステムである。
【0007】
本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、ECサイトの在庫復活を自動検知し、その入荷情報を利用者に通知することで、人気商品の購入を欲する利用者が入荷情報を頻繁に検索することなく、その商品を円滑に購入することを支援する販売情報の検知通知システム及びその自動的な検知と通知をする方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ECサイトのドメイン名であるECサイトURLと、商品に関する情報と、に基づいて、商品ページURLを推測する商品ページURL推測手段と、前記商品ページURL推測手段によって推測された前記商品ページURLを用いて販売情報を取得する自動巡回手段と、前記自動巡回手段によって取得した販売情報から購入可否を判定する購入可否判定手段と、前記購入可否判定手段における判定の結果を、利用者へ通知する通知手段と、を備え、前記商品ページURL推測手段は、前記ECサイトにおける既往の前記商品ページURLの記述の規則性を推定したうえで、前記ECサイトURLと商品に関する情報とを組み合わせることによって新たな前記商品ページURLを生成する、販売情報自動検知システム。
【0009】
文字列と規則的な数字の結合によって記述された前記商品ページURLを対象とするとき、前記商品ページURL推測手段は、規則性から次に付与される数字を推測することによって新たな前記商品ページURLを生成する、ものとすることもできる。
【0010】
前記商品ページURL推測手段が、前記ECサイトURLに、予め定めた共通商品コードを結合することによって新たな前記商品ページURLを生成するように構成された、ものとすることもできる。
【0011】
前記商品ページURL推測手段が、複数の前記ECサイトURLから1の該ECサイトURLを選択するとともに、該ECサイトURLにおける前記商品ページURLの書式に応じて商品に関する情報を変換したうえで、選択された該ECサイトURLに商品に関する情報を結合することによって新たな前記商品ページURLを生成するように構成された、ものとすることもできる。
【0012】
前記ECサイトにおける既往の前記商品ページURLの記述の規則性を推定したうえで、ECサイトのドメイン名であるECサイトURLと商品に関する情報を組み合わせることによって商品ページURLを推測し、推測された前記商品ページURLを用いて販売情報を取得し、取得した販売情報から購入可否を判定し、判定の結果を、利用者へ通知する、販売情報自動検知方法。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、手動でECサイトに常時アクセスして販売情報を確認することなく、購入可能になったタイミングでECサイトにアクセスして目的の商品を購入することができる。また、本発明は自動巡回によって販売情報を取得するため、あらゆるサイトに適応できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、ウェブ上で商品の販売を行うECサイトについて、その利用者が購入する商品を探す際に、購入しやすくするための販売情報の検知通知システムとその方法である。
【0016】
<用語の定義>
「自動巡回」とは、ECサイト情報を元にECサイトへ定期的にアクセスし、販売情報を取得する処理を指す。実際にはウェブスクレイピングにより行う。または、ECサイトがAPI(Application Programming Interface)を提供している場合には、APIによって販売情報を取得することもできる。
「定期的」とは、1分に1回や5分に1回など、予め定めた間隔毎を指す。
「販売情報」とは、商品ページ上にあるカートや価格や在庫数量などの情報を指す。
「判定結果」とは、取得した販売情報からカートの有無等を読み取り、購入可または購入不可を判定した結果を指す。
「ECサイトURL」とは、ECサイトのトップページのURLを指す。例えば、https://www.ecshop.net/のようなものである。
「商品ページURL」とは、個々の商品ページのURLを指す。例えば、https://www.ecshop.net/product/00001のようなものである。
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
<システムの構成>
図1と
図2を用いて、在庫検知サーバ1とECサイト運営サーバ2のシステムについて説明する。
本システムは、在庫自動検知管理者Aが管理する在庫検知サーバ1と、ECサイト運営者Bが管理するECサイト運営サーバ2と、利用者Cのスマートフォンやパソコン等の利用者端末5を備えている。
なお、これ以外に商品を供給する商品提供者Dと、商品の配送をする配送業者Eで構成することもできる。その場合、ECサイト運営者Bと商品提供者D、ECサイト運営者Bと配送業者E、ECサイト運営者Bと商品提供者Dと配送業者Eは、それぞれ同一事業者であることもある。また、ECサイト運営者Bが在庫自動検知管理者Aと同一となることもある。つまり、ECサイト運営者Bが本システムを使用するわけである。
利用者端末5とECサイト運営サーバ2と在庫検知サーバ1は、インターネットなどの通信回線を利用して相互に通信する。
【0018】
<在庫自動検知サーバの構成>
在庫自動検知管理者Aが管理する在庫検知サーバ1は、在庫検知演算処理装置11および在庫検知記憶部12によって構成される。
【0019】
在庫検知演算処理装置11は、在庫自動検知管理者Aの入力装置3から入力された、元情報を用いて商品ページURLを推測し、販売情報の取得、購入可否の判定、判定結果の通知などの処理を実行するものである。
在庫検知演算処理装置11は、商品ページURL推測手段111、自動巡回手段112、購入可否判定手段113と通知手段114を備えており、さらにアフィリエイト情報をECサイトから取得するアフィリエイト情報取得手段115を備えたものとすることもできる。
【0020】
商品ページURL推測手段111は、在庫自動検知管理者Aもしくは利用者Cによって入力された元情報を用いて、ECサイト情報を推測して作成する。ECサイト情報の推測は、ECサイトのURLの記述法則によって様々な方法が考えられる。各図では、元情報を四角で囲って示している。
【0021】
図3に示すように、商品ページが連番で生成されている場合がある。
この場合は、現在までに公開されている番号(序数)の次の番号を付与した商品ページURLが生成されることが予想できる。
図3の例では、既に「https://www.ecshop.net/product/00001」および「https://www.ecshop.net/product/00002」というURLの商品ページが公開されている為、次に「https://www.ecshop.net/product/00003」という商品ページURLが用いられることが推測できる。つまり、現在までに公開されている商品ページURLを元情報として、次の商品ページURLを予測する。
専門店などの特定の商品を取り扱うECサイトの場合、この方法でも次期商品の発売(受付開始)を有用に通知できる。
また、連番で商品ページを生成する場合、ECサイト全体で全商品を対象に番号を付与して生成していく場合の他に、製造業者(メーカー)ごとや作家ごとに番号を付与していく場合がある。もしくは、商品のカテゴリーごとに分けて番号を付与していく場合も考えられる。
【0022】
図4に示すように、商品ページURLが商品のJAN(Japanese Article Number)コードで記述されている場合がある。
図4の例では、「https://www.ecshop.net/」がECサイトURLであり、「4901234567894」がJANコードである。
JANコードは、GTIN(Global Trade Item Number)の一種であり、日本で用いられている商品識別コードである。
【0023】
検知したい商品を販売するもしくは販売すると予想されるECサイトURLを在庫自動検知管理者Aが入力し、または利用者Cに入力させ、ECサイト情報記憶部121に記憶する。さらに、検知したい商品のJANコードが予め判明している場合は、該JANコードを在庫自動検知管理者Aが入力し、または利用者Cに入力させ、ECサイト情報記憶部121に記憶する。つまり、ECサイト情報記憶部121はECサイトURLとJANコードをそれぞれのテーブルに記憶する。
図4の例では、「https://www.ecshop.net/」、「https://www.jungle.co.jp/」「https;//www.takebashi.com/」がECサイトURLであり、「4501234567896」、「4901234567894」「4900001000015」がJANコードである。
商品ページURL推測手段111は、ECサイト情報記憶部121の各テーブルからECサイトURLとJANコードを読み込み、ECサイトURLの後ろにJANコードを付け足して、想定される商品ページURLを生成する。つまりこの場合は、ECサイトURLとJANコードそれぞれが元情報であり、商品ページURL推測手段111はこれらを組み合わせることで商品ページURLを予測する。
【0024】
JANコードが予め分からない場合は、予測する。
図5に示すように、JANコードは、事業者が貸与された事業所コードに製品ごとのコードを追加して生成される。全部で13桁あり、7桁もしくは9桁の事業者コードと5桁もしくは3桁の製品コードおよび1桁のチェックデジットで構成される。
図5の例では、「4555555」または「499999999」が事業者コードであり、「00001」または「001」が製品コードであり、「3」または「9」がチェックデジットである。
【0025】
JANコードの管理運営を行う一般財団法人流通システム開発センター(GS1 Japan)は、
図6に示すように、製品コードは1から順に付けていくことを推奨している為、検知したい商品の製造者(事業者)が分かっていれば、該事業者コードに、現在までに使われている製品コードの次の数字を合わせることで、次期商品に使われるであろうJANコードを予測できる。
図6の例では、既に使用されている「4555555000013」「4555555000020」または「4999999990019」「4999999990026」を元情報として推測し、次に「4555555000037」または「4999999990033」が使用されると予測できる。
【0026】
つまりこの場合は、事業者コードと製品コードそれぞれが元情報であり、商品ページURL推測手段111はチェックデジットを計算するとともに、事業者コード、製品コードとチェックデジットを組み合わせることで商品ページURLを予測する。なおチェックデジットは、次に示す手順で求めることができる。なお、桁数は右から数える
図7に示すように、JANコードのチェックデジットは、
(1)すべての偶数桁の数字を加算する。
(2)1の結果を3倍する。
(3)すべての奇数桁の数字を加算する。
(4)2と3の結果を加算する。
(5)4の結果の下一桁を10から引く。
ことで求まる。
【0027】
図8に示すように、宿泊などの購入・予約ページの場合、予約サイトのドメイン名のあとに購入・予約しようとする条件(検索条件)を英数字に変換した文字列を付けることによって商品ページURLが記述される場合がある。
元情報として、ECサイトURLおよび予約したい諸条件を在庫自動検知管理者Aが入力し、または利用者Cに入力させる。
宿泊日や宿泊日数などで商品ページURLが記述される場合、実施例では、&Year=2022が予約したい年、&Month=10が予約したい月、&Day=6が予約したい日を表し、&staycout=3が予約したい宿泊日数を表す。さらに、属性ごとの人数やサービスの種類などが同様に検索因子として記述して組み込まれる。
チェックイン日およびチェックアウト日によって商品ページURLが記述される場合、
図9の例では、&d1=2022-10-06がチェックイン日、&d2=2022-10-09がチェックアウト日を表す。さらに、諸条件として、adults=2が人数を表す。
【0028】
つまり、予約したい日などの該条件を在庫自動検知管理者Aが入力し、または利用者Cに入力させ、各予約サイトの書式に変換して各予約サイトのECサイトURLと組みわせることで、予約ページの商品ページURLを予測する。この場合は、複数種類のECサイトURLと、在庫自動検知管理者Aが入力し、または利用者Cに入力させ、諸条件それぞれが元情報であり、商品ページURL推測手段111はECサイトURLとその諸条件を組み合わせるとともに、そのECサイトURLに応じた書式で諸条件を記載する(つまり、変換する)ことで商品ページURLを予測する。
このような例は、1年以上先のイベントなどに合わせて宿泊予約をしたい場合などに好適に利用できる。
【0029】
自動巡回手段112は、ECサイト情報記憶部121に予め記憶したもしくは商品ページURL推測手段111が推測した商品ページURLによって得たECサイト上の販売ページを、常時監視してカートの有無や数量などの販売情報を取得する。自動巡回手段112が取得した販売情報は、販売情報記憶部122に記憶される。さらに自動巡回手段112は、価格の変動やサービス内容の変化について検知する。
【0030】
検索条件の入力が必要な場合には、ECサイト情報記憶部121に記憶してある検索条件を入力する。検索内容によってURLを作成していないサイト(同一URLのまま検索結果を表示するサイト)にてこの処理が必要となる。
また、予約を取り扱うサイト等は一定時間操作がないと自動で予約を中断する(選択画面から追い出す)仕様となっていることが多い。この様にタイムアウトで中断してしまわない為に、一定時間(例えば10分)毎に該予約ページを読み込みなおすこともできる。
検索条件と同様に、ECサイト情報記憶部121に記憶しておいたID情報を元に、ログインをすることもできる。ログインをしないと予約画面を閲覧できないサイトにおいてこの処理が必要となる。また、航空券をマイルで購入する場合などにも必要となる。
【0031】
購入可否判定手段113は、販売情報記憶部122に記憶された販売情報を元に、商品の購入が可能かの判定を行う。
図10に示す通り、購入可能なときには、カートボタンが表示され、商品をカートに入れることができる。他方、購入できないときには、カートボタンが表示されず、もしくはクリックできず、商品をカートに追加することができなくなる。
つまり、カートの有無やクリックできるかどうかによって商品の購入可否を判定することができる。商品の購入が可能なときは「購入可」、購入が不可能なときは「購入不可」と判定する。判定結果は、判定結果記憶部123に記憶される。
また、「SALE」や「セール」および「OFF」や「オフ」の表示があることを検知することもできる。
【0032】
航空機の搭乗券の予約の場合も同様に、座席選択ボタンを押せる場合に、購入可能と判定する。つまり、押せない状態だった座席選択ボタンが押せる状態となったときに、購入(予約)可能と判定する。
また、航空機の搭乗券の場合は、座席の残数が15以下になると「6~15」と表示し、残数が5以下になると残り座席数(5から1)を表示する様になっている場合がある。この場合は、これらの文字が出たことを検知することもできる。つまり、当該便の座席数が残り少ないことを利用者に通知できるわけである。
なお、ここでの座席選択ボタンとは、機内の具体的な座席を指すもののみではなく、座席のクラス(例えばファーストクラスやビジネスクラスなど)を示すボタンや、特定の便自体を指すボタンなど、航空会社の販売形式に応じて多様なものが考えられる。
航空機の搭乗券を例にあげて説明したが、船舶の乗船券や鉄道の乗車券など、座席の予約が必要な種々のサイトにて利用することができる。
【0033】
通知手段114は、判定結果記憶部123に記憶された判定結果が購入可のときに、利用者Cにその旨を報知する。
【0034】
在庫検知記憶部12は、ECサイト情報、販売情報および判定結果を記憶する。ECサイト情報記憶部121、販売情報記憶部122と判定結果記憶部123を備える。また、アフィリエイト情報を記憶するアフィリエイト情報記憶部124を備えたものとすることもできる。
【0035】
<ECサイト運営サーバの構成>
図2に示すように、ECサイト運営者Bが管理するECサイト運営サーバ2は、ECサイト運営演算処理装置21およびECサイト運営記憶部22から構成される。
【0036】
ECサイト運営演算処理装置21は、利用者Cのパソコンやスマートフォン等の利用者端末5から入力された、利用者Cが欲する商品に関する条件、ECサイト運営者Bの在庫状況等に基づき各種の演算処理を実行するものである。ECサイト運営演算処理装置21は、商品情報管理手段211、注文情報入力手段212、出荷情報管理手段213と顧客情報管理手段214などを備える。さらに、アフィリエイト情報生成手段215を備えたものとすることもできる。
【0037】
商品情報管理手段211は、ECサイトに掲載されている商品に関する画像・価格・詳細と共に、受注するために必要なカート機能等を管理する。
注文情報入力手段212は、注文された商品について、在庫の確認と、ECサイトの利用者Cが選んだ支払い方法(クレジットカード・代金引換・コンビニ決済など)について管理する。
出荷情報管理手段213は、受注から出荷までの一連の作業を管理する。例えば、受注確認・入金確認・キャンセル処理を行う。
顧客情報管理手段214は、会員登録・ポイント付与などを含む顧客管理や、メール配信機能などの処理をする。
【0038】
ECサイト運営記憶部22には、以下の各データを記憶させる。
商品情報記憶部221には、予め商品・サービスに関する品名・種類・数量・価格等の条件等に関する情報(商品・サービス情報)を記憶させる。
注文情報記憶部222には、実際に受注した際に、利用者Cに関する情報、受注した商品・サービスに関する受注管理情報を記憶させる。利用者Cに関する情報とは、利用者の氏名、住所、届け先、過去に購入した商品名、個数、提供を受けたサービス名、回数に関する情報(顧客情報)を示す。
顧客情報記憶部223には、上記の利用者Cに関する情報を次回注文や販売促進向けに記憶する。
【0039】
図2に示す入力装置3は、在庫自動検知管理者Aが商品・サービスに関する品名、種類、数量、価格などの条件等を入力したり、ECサイト運営者Bが商品・サービスに関する品名・種類・数量・価格等の情報の入力や利用者Cに関するデータを入力したりする為のものである。
【0040】
この入力装置3は、入出力モードの選択入力、検索の選択入力、処理の実行命令の入力、画像の入力等を行うもので、キーボード、マウス、タブレット、スキャナ、記録媒体の読み込み手段などから成るものである。
【0041】
図2に示す出力装置4は、入力画面や処理画面、選択画面、入力更新データ、処理データなどの表示を行うディスプレイや印刷を行うプリンタ等である。インターネットなどの通信回線を利用して利用者Cの利用者端末5のモニタ画面に表示する。
【0042】
図2に示す利用者端末5は、利用者CがECサイトへアクセスして、商品・サービスを検索したり、購入や予約などに必要な自己の情報を入力したり、在庫自動検知システムからの通知を受け取って出力したりする為のものである。
利用者端末5が有する入出力装置は、入出力モードの選択入力、検索の選択入力、処理の実行命令の入力、画像の入力等を行うキーボード、マウス、タブレット、スマートフォン、スキャナ、記録媒体の読み込み手段などから成るものである。
【0043】
ここからは、
図11のフロー図を用いて、システムの流れを説明する。
まず、在庫自動検知管理者Aまたは利用者Cに、ECサイト情報を推測する為の元情報を入力させ、ECサイト情報記憶部121に記憶する。
記憶された元情報を用いて商品ページURL推測手段111が前述の方法によって商品ページURLを推測する。
推測された商品ページURLは、ECサイト情報記憶部121に記憶される(Step302)。検知したい商品が掲載されている商品ページURLが判明している場合は、直接入力してもよい。
【0044】
次に、自動巡回手段112が、記憶されたECサイト情報を元に定期的に(例えば、毎分)当該ECサイトへアクセスし、販売情報を取得する(Step303)。取得された販売情報は、販売情報記憶部122へ記憶される(Step304)。
記憶された販売情報から購入可否判定手段113が購入の可否を判定する(Step305)。判定された結果は、判定結果記憶部123へ記憶される(Step306)。
記憶された結果が「購入可」だった場合、通知手段114が検知結果の通知を行う(Step307)。
【0045】
購入可と判定した場合に利用者Cに通知手段114が通知する手段については、メールでの通知、スマートフォンやタブレット等のアプリ通知、ウェブサイトへの掲載、LINE(登録商標)やTwitter(登録商標)やInstagram(登録商標)などのSNSへの投稿、Discode(登録商標)やSlack(登録商標)やChatwork(登録商標)などのチャットツールでの通知、WebhookやAPIでの通知等が挙げられる。
利用者Cはこれらの通知をPC(Parsonal Computer)で受け取ることもできるし、スマートフォン等のアプリで受け取ることもできる。
【0046】
検知の対象となるECサイトは、商品の販売を行うものに限らず、ホテルや旅館などの宿泊予約、鉄道の乗車券や航空機の搭乗券や船舶の乗船券などの座席予約、レストラン・理美容院・エステ・マッサージなどの席予約、コンサートやライブなどのイベントのチケット予約、レンタカーの予約など、を扱う多種多様なものが挙げられる。
【0047】
本システムは、ウェブサイト上の変化であれば検知できる為、在庫の復活に限らず、在庫数の減少や、商品のバリエーションやサイズが追加されたという情報も、検知することができる。また、本などにおいて、新刊の予約が開始されたという情報も検知できる。
【0048】
本発明は、アフィリエイト情報を付与することもできる。これには2通りの構成が考えられる。
一つ目は、商品ごとに通知したいアフィリエイトコードを予めアフィリエイト情報記憶部124に記憶させておき、在庫ありと判定された場合に、そのアフィリエイト情報込みの商品ページURLを通知する方法である。
二つ目は、在庫ありと判定された時に、アフィリエイト情報取得手段115を用いて検知した商品の情報または商品ページURLを外部のアフィリエイトASPサーバに通知し、その商品ページURLをアフィリエイト情報が含まれたものに自動変換させ、取得し、アフィリエイト情報記憶部124に記憶し、通知する方法である。
【0049】
本発明は、購入可能と判定された場合に、自動的にウェブページを生成させることもできる。また、ブログの記事を自動的に作成させることもできる。
自動生成したウェブページまたはブログ記事を、前述の通知手段を用いて通知することも、しないこともできる。通知をしない場合は、利用者CがRSS(Rich Site Summary)等を設定している場合が想定される。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明の販売情報の検知通知システムは、あらゆるウェブサイトに適応できる。特に、商品を販売するECサイトとの相性が良いが、他にも、ホテルや旅館などの宿泊、航空券や乗船券、レストラン、理美容院、エステ、マッサージ、レンタカー等の予約など、に利用することができる。また、在庫・予約枠の復活のみならず、価格の変動、在庫数の変化、種類の追加、新刊の発売など、ウェブサイト上の事象ならば応用して対応可能である。
本発明は、在庫の復活のみならず、在庫数の減少を通知することもできる。例えば、在庫数が5個以下になったら通知する、ということができる。
【0051】
また、ECサイトの運営者が在庫の復活を自ら利用者へ伝えたい場合に、ECサイトのシステムの改修を行うことなく、本システムを利用するだけで、通知システムを導入することができる。
【符号の説明】
【0052】
A 在庫自動検知管理者
B ECサイト運営者
C 利用者
D 商品提供者
E 配送業者
1 在庫自動検知サーバ
11 在庫検知演算処理装置
111 商品ページURL推測手段
112 自動巡回手段
113 購入可否判定手段
114 通知手段
115 アフィリエイト情報取得手段
12 在庫検知記憶部
121 ECサイト情報記憶部
122 販売情報記憶部
123 判定結果記憶部
124 アフィリエイト情報記憶部
2 ECサイト運営サーバ
21 ECサイト運営演算処理装置
211 商品情報管理手段
212 注文情報入力手段
213 出荷情報管理手段
214 顧客情報管理手段
215 アフィリエイト情報生成手段
22 ECサイト運営記憶部
221 商品情報記憶部
222 注文情報記憶部
223 顧客情報記憶部
3 入力装置
4 出力装置
5 利用者端末
【手続補正書】
【提出日】2022-08-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】