(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025189
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】引出ユニット及び電子機器
(51)【国際特許分類】
H05K 7/14 20060101AFI20240216BHJP
【FI】
H05K7/14 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022128430
(22)【出願日】2022-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 史宣
(72)【発明者】
【氏名】一ノ瀬 隆史
【テーマコード(参考)】
5E348
【Fターム(参考)】
5E348DD01
5E348DE13
5E348DE20
5E348EE07
5E348EE10
5E348EE28
5E348EE37
5E348EF06
5E348EF17
5E348EF21
5E348EH00
(57)【要約】
【課題】引出ユニットのユニット本体を引き出し可能とする構造において、インターフェース面を広く確保する。
【解決手段】引出ユニット32は、ユニット本体34と、バックプレーン26(又はミッドプレーン)に向けてユニット本体34から突出することでバックプレーン26を押圧可能な押出部材42と、押出部材42に形成された第一ラック48と噛み合い、回転により押出部材42をバックプレーンに向けて押し出す歯車機構44と、を有する。さらに、ユニット本体34においてバックプレーン26の反対側でインターフェース38を備えるインターフェース面36に設けられ、ねじ込まれることにより歯車機構44を駆動させるボルト46、を有する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユニット本体と、
バックプレーン又はミッドプレーンに向けて前記ユニット本体から突出することで前記バックプレーン又は前記ミッドプレーンを押圧可能な押出部材と、
前記押出部材に形成された第一ラックと噛み合い、回転により前記押出部材を前記バックプレーン又は前記ミッドプレーンに向けて押し出す歯車機構と、
前記ユニット本体において前記バックプレーン又は前記ミッドプレーンの反対側でインターフェースを備えるインターフェース面に設けられ、回転により前記歯車機構を駆動させるボルトと、
を有する引出ユニット。
【請求項2】
前記歯車機構が、
前記第一ラックと噛み合っている第一ピニオンと、
前記ボルトの回転により移動する第二ラックと、
前記第一ピニオン及び前記第二ラックと噛み合っている第二ピニオンと、
を有する請求項1に記載の引出ユニット。
【請求項3】
前記第一ピニオンが、
前記第一ラックと噛み合っている大径歯車と、
前記大径歯車と同軸且つ前記大径歯車よりも小径で、前記第二ピニオンと噛み合っている小径歯車と、
を含む請求項2に記載の引出ユニット。
【請求項4】
前記押出部材が複数設けられ、
単一の前記ボルトで前記歯車機構を駆動して複数の前記押出部材を前記ユニット本体から突出させる請求項2に記載の引出ユニット。
【請求項5】
バックプレーン又はミッドプレーンと、
引出ユニットと、
を備え、
前記引出ユニットは、
ユニット本体と、
前記バックプレーン又は前記ミッドプレーンに向けて前記ユニット本体から突出することで前記バックプレーン又は前記ミッドプレーンを押圧可能な押出部材と、
前記押出部材に形成された第一ラックと噛み合い、回転により前記押出部材を前記バックプレーン又は前記ミッドプレーンに向けて押し出す歯車機構と、
前記ユニット本体において前記バックプレーン又は前記ミッドプレーンの反対側でインターフェースを備えるインターフェース面に設けられ、ねじ込まれることにより前記歯車機構を駆動させるボルトと、
を有する電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の開示する技術は引出ユニット及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント板ユニットをシェルフからぬきとるときは、プリント板ユニットの表板の外側から着脱工具の大径ねじ軸を表板の大径ねじ穴にねじ込むようにした、電子回路ユニットの活性着脱構造がある(たとえば特許文献1参照)。この技術では、大径ねじ軸の先端をシェルフの前面に当接させて更にねじこむと、ねじ込み力によって、プリント板ユニットがシェルフ内から引き出されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
引出ユニットのユニット本体を収容部材から引き出すために、ユニット本体の前面(引出方向の手前側の面)に、イジェクタやレバー等の部材を設けることがある。しかし、ユニット本体の前面は、配線等が接続されるインターフェース面として用いられるため、前面にイジェクタ等を設けると、インターフェース面として用いることが可能な面積が狭くなる。
【0005】
本願の目的は、引出ユニットのユニット本体を引き出し可能とする構造において、インターフェース面を広く確保することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の開示する技術は、ユニット本体と、バックプレーン又はミッドプレーンに向けてユニット本体から突出することでバックプレーン又はミッドプレーンを押圧可能な押出部材と、を有する。また、押出部材に形成された第一ラックと噛み合い、回転により押出部材をバックプレーン又はミッドプレーンに向けて押し出す歯車機構と、を有する。さらに、ユニット本体においてバックプレーン又はミッドプレーンの反対側でインターフェースを備えるインターフェース面に設けられ、ねじ込まれることにより歯車機構を駆動させるボルト、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本願の開示する技術では、引出ユニットのユニット本体を引き出し可能とする構造において、インターフェース面を広く確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は第一実施形態の引出ユニットを、この引出ユニットが収容されるストレージ装置と共に示す平面図である。
【
図2】
図2は第一実施形態の引出ユニットを、この引出ユニットが収容されるストレージ装置と共に示す正面図である。
【
図3】
図3は第一実施形態の引出ユニットを示す斜視図である。
【
図4】
図4は第一実施形態の引出ユニットを示す平面図である。
【
図5】
図5は第一実施形態の引出ユニットを示す側面図である。
【
図6】
図6は第一実施形態の引出ユニットを示す正面図である。
【
図7】
図7は第一実施形態の引出ユニットが奥側に差入れられている状態を示す平面図である。
【
図8】
図8は第一実施形態の引出ユニットを引き出す途中の状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
第一実施形態の引出ユニットと、この引出ユニットを備えた電子機器の一例であるストレージ装置について、図面に基づいて詳細に説明する。
【0010】
図1には、ストレージ装置22が平面図にて、
図2には、ストレージ装置22が正面図にて、それぞれ示されている。ストレージ装置22は筐体24を有している。図面において、ストレージ装置22、すなわち筐体24の幅方向、奥行方向及び上方向をそれぞれ矢印W、矢印D及び矢印Uで示す。ただし、これらの方向は、ストレージ装置22の設置方向を限定しない。また、以下において、「手前」及び「奥」というときは、ストレージ装置22の奥行方向における手前及び奥をそれぞれ意味する。
【0011】
ストレージ装置22は、各種の電子データを保存する装置である。筐体24の内部には、電子データを記憶するための図示しない記憶部材が備えられている。ストレージ装置22は、電子機器の一例である。
【0012】
筐体24の内部には、引出ユニット32が配置されている。さらに、筐体24の内部には、引出ユニット32の奥側にバックプレーン26が固定されている。バックプレーン26の基板28には、手前側にバックプレーンコネクタ30が搭載されている。バックプレーンコネクタ30には、後述するように、引出ユニット32が筐体24の内部で所定位置に配置された状態で、引出ユニット32に搭載されている本体コネクタ40が電気的に接続される。
【0013】
なお、バックプレーン26としては、筐体24の内部で奥行方向の中央位置に配置されるもの、及び奥行方向の奥側に固定されるもの等があり、その位置は特に問わない。筐体24の内部で奥行方向の中央位置に配置されているバックプレーン26は、ミッドプレーンあるいはミドルプレーンと称されることもある。すなわち、本開示の技術では、バックプレーン26又はミッドプレーンが、筐体24の内部に配置されている。バックプレーン26に代えてミッドプレーンが配置された構造では、ミッドプレーンに搭載されるコネクタは、バックプレーンコネクタの一例でもある。
【0014】
引出ユニット32は、ストレージ装置22の筐体24内に、複数並べて配置されている。引出ユニット32のそれぞれは、図示しないレール等によって、手前側から引出可能に筐体24に支持されている。
図1及び
図2に示す例では、引出ユニット32は、幅方向に2列、上下方向に1列で配置されているが、たとえば、幅方向に3列以上で配置されていてもよく、また上下方向に2列以上で配置されていてもよい。
【0015】
図3~
図5に示すように、引出ユニット32は、ユニット本体34を有している。本実施形態では、ユニット本体34は箱状に形成されている。
【0016】
図6にも示すように、ユニット本体34の前面は、インターフェース面36である。インターフェース面36は、ユニット本体34において、バックプレーン26の反対側に位置している。インターフェース面36には、複数(図示の例では、幅方向に並べて6つ)のインターフェース38が設けられている。これらのインターフェース38には、他の電子機器、たとえばサーバ装置等と電気的に通信するためのケーブルが接続される。
【0017】
ユニット本体34には、本体コネクタ40、押出部材42、歯車機構44及びボルト46が備えられている。ユニット本体34は基板66を有している。そして、本実施形態では、本体コネクタ40、押出部材42及び歯車機構44は、基板66に搭載されている。
【0018】
本体コネクタ40は、ユニット本体34の奥側に複数配置されている。本体コネクタ40は、バックプレーンコネクタ30と一対一で対応している。
図1及び
図7に示すように、引出ユニット32が筐体24の内部で所定位置に配置された状態で、本体コネクタ40は、バックプレーンコネクタ30と電気的に接続される。これに対し、
図8に示すように、引出ユニット32が筐体24から手前側に引き出された状態では、本体コネクタ40とバックプレーンコネクタ30とは電気的な接続が解消される。なお、
図3及び
図5では、本体コネクタ40の図示を省略している。
【0019】
本実施形態では、押出部材42、歯車機構44及びボルト46は、ユニット本体34における引出方向の中心(中心線CLで示す)に対し、左右対称に設けられている。
【0020】
押出部材42は、中心線CLに対し対称で2つ(左右一対で)設けられている。それぞれの押出部材42は、奥行方向を長手方向とする長尺状の部材である。押出部材42はいずれも、ユニット本体34に対し奥行方向にスライド可能に、ユニット本体34の基板66に取り付けられている。
図7に示すように、引出ユニット32が筐体24の内部で所定位置にある状態で、押出部材42の後端42Bは、バックプレーン26と接触するか、またはバックプレーン26との間にわずかな隙間を空けて対向している。そして、押出部材42はユニット本体34から奥側へスライドすることで、バックプレーン26を押圧可能である。
【0021】
それぞれの押出部材42における幅方向の外側部分には、第一ラック48が形成されている。第一ラック48は、後述する第一ピニオン50の大径歯車50Lと噛み合っている。そして、第一ピニオン50の回転により、押出部材42は奥行方向にスライドする。
【0022】
歯車機構44は、第一ピニオン50、第二ピニオン52及び第二ラック54を有している。
【0023】
基板66には、上下方向を軸方向とする回転軸56が設けられている。第一ピニオン50は、回転軸56を中心に回転可能である。第一ピニオン50は、大径歯車50Lと、この大径歯車50Lよりも小径の小径歯車50Sと、を有している。大径歯車50Lと小径歯車50Sとは回転軸56によって同軸に配置されている。大径歯車50Lは、押出部材42の第一ラック48と噛み合っている。
【0024】
第二ピニオン52は、本実施形態では、第一ピニオン50よりも手前側に配置されている。基板66には、上下方向を軸方向とする回転軸58が設けられている。第二ピニオン52は、回転軸58を中心に回転可能である。第二ピニオン52は、第一ピニオン50の小径歯車50Sと噛み合っている。
【0025】
第二ラック54は、中心線CLに対し対称で2つ(左右一対)のラック部54Rを有している。ラック部54Rのそれぞれは、奥行方向を長手方向とする長尺状であり、第二ピニオン52よりも幅方向の外側に配置されている。ラック部54Rはそれぞれ、対応する第二ピニオン52と噛み合っている。
【0026】
2つのラック部54Rは、幅方向に延在する連結部54Cにより連結されている。すなわち、第二ラック54は、2つの第二ラック54と1つの連結部54Cとにより、平面視で略「U」字状に形成されている。そして、第二ラック54は、ユニット本体34に対し奥行方向にスライド可能に、ユニット本体34に取り付けられている。
【0027】
ボルト46は、ユニット本体34の幅方向の中央に配置されている。ボルト46は、奥行方向に延在している。ボルト46には雄ネジ60が形成されている。これに対し第二ラック54の連結部54Cには雌ネジ62が形成されている。この雌ネジ62に、ボルト46の雄ネジ60がねじ込まれている。
【0028】
ユニット本体34のインターフェース面36には貫通孔64が形成されている。ボルト46の手前側は、貫通孔64に挿通されている。すなわち、ボルト46は、手前側でインターフェース面36に支持され、後側で雌ネジ62に支持されている。そして、雄ネジ60が雌ネジ62に噛み合っているので、ボルト46の回転により、第二ラック54が奥行方向に移動する。なお、ボルト46は、ユニット本体34に対し、奥行方向には移動しないようになっている。
【0029】
ボルト46の頭部46Hは、ユニット本体34のインターフェース面36よりも手前側に露出している。本実施形態では、頭部46Hには、例えばネジ回し(プラスドライバー又はマイナスドライバー等)に対応した溝が形成されている。頭部46Hには、溝に代えて、たとえば六角レンチに対応した六角穴が形成されていてもよい。
【0030】
図5に示すように、押出部材42、歯車機構44及びボルト46は、ユニット本体34の高さ寸法の範囲内に収まるように、それぞれの高さ及び位置が設定されている。ユニット本体34の上下に出っ張る部分がないので、筐体24に対し引出ユニット32を抜き差しする場合に、抜き差しに対し支障になる部分がない。
【0031】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0032】
図7には、ユニット本体34がストレージ装置22の筐体24内で奥側まで収容された状態で示されている。この状態では、本体コネクタ40がバックプレーンコネクタ30に対し電気的に接続されている。また、押出部材42の後端42Bは、バックプレーン26と接触しているか、もしくはわずかな隙間をあけて対向している。なお、押出部材42の後端42Bが対向する対象は、
図7ではバックプレーンコネクタ30である例を示しているが、対向する対象は、たとえば基板28であってもよい。
【0033】
本実施形態のようなストレージ装置22では、たとえばサーバとの接続状態を維持して稼働させながらの保守作業(いわゆる活性保守)を行うことがある。この場合、インターフェース38には、配線等が接続されたままで、引出ユニット32が引き出される。
【0034】
引出ユニット32を筐体24から引き出す場合は、
図6及び
図8に矢印R1で示すようにボルト46を回転させる。ボルト46の雄ネジ60は、第二ラック54の雌ネジ62にねじ込まれているので、ボルト46の回転により、第二ラック54が
図8に矢印S1で示すように、奥側にスライドする。そして、第二ピニオンが矢印R2方向に回転し、さらに第一ピニオンが矢印R3方向に回転する。さらに、押出部材42が、矢印S2で示すように奥側にスライドする。
【0035】
これにより、押出部材42の後端42Bがバックプレーン26を押す。バックプレーン26は筐体24に固定されている。したがって、ユニット本体34が筐体24に対し手前側に移動する。
【0036】
このように、本実施形態では、ボルト46を回転させることで歯車機構44を駆動させ、引出ユニット32を手前側に移動させることができる。引出ユニット32を手前側に引き出すために、インターフェース面36にレバーやイジェクタ等の部材は不要である。このため、インターフェース面36に、インターフェース38を設けることが可能な面積を広く確保することが可能である。すなわち、本実施形態では、インターフェース面36に引出用のレバーやイジェクタ等を備える構造と比較して、より多数の、あるいは多種類のインターフェース38をインターフェース面36に設けることができる。
【0037】
そして、上記したようにいわゆる活性保守を行うことがある引出ユニット32に対し、本体コネクタ40がバックプレーンコネクタ30に接続された状態を維持し、保守作業を行うことができる。
【0038】
また、引出ユニット32内は、この引出ユニット32内の電子部品、あるいは筐体24内の電子部品を冷却する冷却風の流路である場合がある。この場合、インターフェース面36には、冷却風の排気口が設けられる。上記したように、本実施形態ではインターフェース面36に引出用のレバーやイジェクタ等を設けないので、レバー等を設けた構造と比較して、排気口の開口面積を広く確保できる。
【0039】
本実施形態では、歯車機構44が、第一ピニオン50、第二ピニオン52及び第二ラック54を有している。これにより、ラックとピニオンとの噛み合いによって、押出部材42をバックプレーン26に向けて押し出す構造を実現できる。
【0040】
なお、歯車機構44としては、第一ピニオン50、第二ピニオン52及び第二ラック54を有する構造に限定されない。たとえば、ボルト46と押出部材42の間に傘歯歯車を配置し、ボルト46の回転によって傘歯歯車を回転させ、傘歯歯車からピニオンを経て押出部材42をユニット本体34から突出させる構造でもよい。さらには、傘歯歯車に代えて、ウォームとウォームホイールとの組み合わせの構造を用いてもよい。
【0041】
本実施形態では、第一ピニオンは、大径歯車50Lと小径歯車50Sと、を有している。小径歯車50Sは第二ピニオン52と噛み合い、大径歯車50Lは押出部材42の第一ラック48と噛み合っている。これにより、第二ラック54のスライド量よりも第一ラック48すなわち押出部材42の移動量を大きくできる。
【0042】
本実施形態では、第二ラック54に雌ネジ62が形成されている。そして、雌ネジ62に、ボルト46の雄ネジ60がねじ込まれている。これにより、ボルト46の回転を確実に第二ラック54に伝えて第二ラック54を奥側にスライドさせることが可能である。ボルト46を逆回転させることで、第二ラック54を手前側にスライドさせることも可能である。
【0043】
本実施形態では、押出部材42は複数(2つ)である。押出部材42が1つであっても、バックプレーン26に向けて押出部材42が突出し、引出ユニット32が引き出される構造を実現することは可能である。押出部材42が複数であることにより、複数個所でバックプレーン26を押すので、引出時、すなわち手前側に移動する場合の引出ユニット32の姿勢が安定する。
【0044】
しかも、1つのボルト46を回転させることで歯車機構44を駆動し、複数の押出部材42をユニット本体34から突出させることができる。複数の押出部材42のそれぞれに対応したボルトを設けないので、構造を簡素化できる。そして、複数の押出部材42を同じスライド量でスライドさせることができる。
【0045】
本実施形態では、第二ラック54が、ラック部54Rと連結部54Cと、を有している。ラック部54Rは、中心線CLに対し左右対称で設けられている。このような一対のラック部54Rを連結部54Cで連結することで、一対のラック部54Rが一体化された構造の第二ラック54を形成できる。
【0046】
本実施形態では、ボルト46は、引出方向に対し中心、すなわち中心線CL上に設けられている。したがって、中心に対し左右対称で設けられた一対のラック部54Rに対し、均等に力を作用させてスライドさせることができる。
【0047】
本実施形態では、ボルト46の頭部46Hはインターフェース面36から露出している。したがって、たとえばボルト46の頭部46Hがインターフェース面36よりも奥側に位置している構造と比較して、頭部46Hに容易にアクセスして、ボルト46を回転させることが可能である。
【0048】
なお、ボルト46を回転させるには、たとえばネジ回し等の工具を使用せず、頭部46Hを手で直接把持してボルト46を回転させてもよい。頭部46Hを手で直接把持することが想定される場合は、あらかじめ頭部46Hの外周に滑り止めの加工を施しておいてもよい。
【0049】
上記実施形態では、引出ユニットの一例としてストレージ装置22を挙げたが、引出ユニットはストレージ装置22に限定されない。
【0050】
以上、本願の開示する技術の実施形態について説明したが、本願の開示する技術は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【0051】
本明細書は、以上の実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
ユニット本体と、
バックプレーン又はミッドプレーンに向けて前記ユニット本体から突出することで前記バックプレーン又は前記ミッドプレーンを押圧可能な押出部材と、
前記押出部材に形成された第一ラックと噛み合い、回転により前記押出部材を前記バックプレーン又は前記ミッドプレーンに向けて押し出す歯車機構と、
前記ユニット本体において前記バックプレーン又は前記ミッドプレーンの反対側でインターフェースを備えるインターフェース面に設けられ、回転により前記歯車機構を駆動させるボルトと、
を有する引出ユニット。
(付記2)
前記歯車機構が、
前記第一ラックと噛み合っている第一ピニオンと、
前記ボルトの回転により移動する第二ラックと、
前記第一ピニオン及び前記第二ラックと噛み合っている第二ピニオンと、
を有する付記1に記載の引出ユニット。
(付記3)
前記第一ピニオンが、
前記第一ラックと噛み合っている大径歯車と、
前記大径歯車と同軸且つ前記大径歯車よりも小径で、前記第二ピニオンと噛み合っている小径歯車と、
を含む付記2に記載の引出ユニット。
(付記4)
前記第二ラックに、前記ボルトの雄ネジがねじ込まれる雌ネジが形成されている付記2又は付記3に記載の引出ユニット。
(付記5)
前記押出部材が複数設けられ、
単一の前記ボルトで前記歯車機構を駆動して複数の前記押出部材を前記ユニット本体から突出させる付記2~付記4のいずれか一項に記載の引出ユニット。
(付記6)
前記押出部材及び前記歯車機構が、前記ユニット本体の前記バックプレーン又は前記ミッドプレーンに対する引出方向の中心に対し対称に設けられている付記5に記載の引出ユニット。
(付記7)
前記第二ラックが、前記引出方向の中心に対し対称で一対設けられるラック部と、
前記ユニット本体の引出方向と直交する方向に延在し一対の前記ラック部を連結する連結部を有する付記6に記載の引出ユニット。
(付記8)
前記ボルトが、前記引出方向の中心に設けられている付記7に記載の引出ユニット。
(付記9)
前記ボルトの頭部が前記インターフェース面から露出している、付記1~付記8のいずれか一項に記載の引出ユニット。
(付記10)
前記インターフェース面にインターフェースコネクタが設けられている付記1~付記9のいずれか一項に記載の引出ユニット。
(付記11)
バックプレーン又はミッドプレーンと、
引出ユニットと、
を備え、
前記引出ユニットは、
ユニット本体と、
前記バックプレーン又は前記ミッドプレーンに向けて前記ユニット本体から突出することで前記バックプレーン又は前記ミッドプレーンを押圧可能な押出部材と、
前記押出部材に形成された第一ラックと噛み合い、回転により前記押出部材を前記バックプレーン又は前記ミッドプレーンに向けて押し出す歯車機構と、
前記ユニット本体において前記バックプレーン又は前記ミッドプレーンの反対側でインターフェースを備えるインターフェース面に設けられ、ねじ込まれることにより前記歯車機構を駆動させるボルトと、
を有する電子機器。
(付記12)
前記バックプレーン又は前記ミッドプレーンはバックプレーンコネクタを有しており、
前記ユニット本体は前記バックプレーンコネクタと接続される本体コネクタを有している、付記11に記載の電子機器。
【符号の説明】
【0052】
22 ストレージ装置(電子機器の一例)
24 筐体
26 バックプレーン
28 基板
30 バックプレーンコネクタ
32 引出ユニット
34 ユニット本体
36 インターフェース面
38 インターフェース
40 本体コネクタ
42 押出部材
44 歯車機構
46 ボルト
46H 頭部
48 第一ラック
50 第一ピニオン
50L 大径歯車
50S 小径歯車
52 第二ピニオン
54 第二ラック
54C 連結部
54R ラック部
60 雄ネジ
62 雌ネジ
64 貫通孔