(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024000252
(43)【公開日】2024-01-05
(54)【発明の名称】センサ装置
(51)【国際特許分類】
G01F 23/284 20060101AFI20231225BHJP
【FI】
G01F23/284
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022098936
(22)【出願日】2022-06-20
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和 3年 6月30日 轟産業株式会社に販売 令和 3年 7月 1日 岩瀬業株式会社に販売 令和 3年 7月 2日 新川電機株式会社に販売 令和 3年 7月 6日 英和株式会社に販売 令和 3年 8月31日 株式会社松井製作所に販売 令和 3年 9月14日 日本測器株式会社に販売 令和 3年 9月21日 山里産業株式会社に販売 令和 3年10月 7日 大豊産業株式会社に販売 令和 3年10月25日 西華産業株式会社に販売 令和 3年11月11日 株式会社カワタに販売 令和 3年12月 7日 東レエンジニアリング株式会社に販売 令和 4年 1月27日 ライト電業株式会社に販売 令和 4年 3月14日 株式会社イイマ・エージェンシーに販売
(71)【出願人】
【識別番号】000233790
【氏名又は名称】株式会社ノーケン
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 拓真
【テーマコード(参考)】
2F014
【Fターム(参考)】
2F014AB01
2F014AC07
2F014FC01
(57)【要約】
【課題】センサ面部を球状面部の近傍に配置しつつ、球状面部の動きを阻害することなく球状面部を小型化する。
【解決手段】本開示に基づくセンサ装置1において、球状面部11は、保持部30に摺接しつつ保持部30に対して回動可能である。細径部12は、筒状部10の中心軸Cに対する径方向における寸法が、球状面部11より小さい。保持部30は、筒状部10の中心軸Cに沿う中心軸方向から見て、中心軸Cに対する周方向に沿って延び、筒状部10を外周面10C側から保持する。センサ面部21は、筒状部10の内周面10D側に位置し、上記電波を送受信可能である。張出部22は、中心軸Cに沿う中心軸方向から見て、中心軸Cに対する径方向においてセンサ面部21より外側に張り出している。張出部22は、細径部12から見て球状面部11の反対側に位置し、かつ、中心軸方向から見て、中心軸Cに対する径方向において細径部12より外側に張り出している。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状部と、
前記筒状部の一方端部に配置され、前記筒状部の内周面側を通って他方端部から放射されるように電波を送信し、対象物に反射したのち前記他方端部から入射した前記電波を受信可能なセンサ部と、
前記筒状部の中心軸に沿う中心軸方向から見て、前記中心軸に対する周方向に沿って延び、前記筒状部を外周面側から保持する保持部とを備え、
前記筒状部は、
前記保持部に摺接しつつ、前記保持部に対して回動可能な球状面部と、
前記球状面部から見て前記筒状部の一方端部側に位置して、前記中心軸に対する径方向における寸法が、前記球状面部より小さい細径部とを有し、
前記センサ部は、
前記筒状部の内周面側に位置し、前記電波を送受信可能なセンサ面部と、
前記中心軸に沿う中心軸方向から見て、前記中心軸に対する径方向において前記センサ面部より外側に張り出している張出部とを有し、
前記張出部は、前記細径部から見て前記球状面部の反対側に位置し、かつ、前記中心軸方向から見て、前記中心軸に対する径方向において前記細径部より外側に張り出している、センサ装置。
【請求項2】
前記保持部から見て前記一方端部側とは反対側に位置して、前記保持部と接続し、かつ、他の装置に取付可能に構成された取付板をさらに備え、
前記保持部は、
前記球状面部の外周面に沿うように球面凹状に形成された受面を有する第1保持板と、
前記第1保持板から見て前記取付板とは反対側において前記球状面部に当接可能に配置されている、第2保持板と、
前記第1保持板および前記第2保持板を互いに締結することで、前記第1保持板と前記第2保持板とで前記球状面部を挟み込み、前記球状面部を摺動不能に固定する締結部とを有し、
前記取付板は、前記第1保持板と気密に接続している、請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項3】
前記取付板は、前記第1保持板に向く方向の反対側を向いて前記他の装置と接する取付面を有し、
前記取付面の法線方向から見て、前記第1保持板の外周縁が、前記第2保持板と重なっている、請求項2に記載のセンサ装置。
【請求項4】
前記第1保持板は、前記受面に形成された凹条部をさらに有し、
前記凹条部内に位置し、前記球状面部と前記第1保持板とに取り囲まれるように配置されたシール部材をさらに備える、請求項2または請求項3に記載のセンサ装置。
【請求項5】
前記第1保持板は、前記球状面部の中心点を通る仮想平面と重なるように拡がっている、請求項2または請求項3に記載のセンサ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、センサ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2013-29452号公報(特許文献1)には、従来のセンサ装置が開示されている。特許文献1に開示されたレベルセンサ装置は、非接触式レベルセンサと、非接触式レベルセンサの角度調整が可能に構成された角度調整器とを備えている。角度調整器は、支持部と、保持部と、固定手段とを備えている。支持部は、外周面が球面状である球状部を含む。支持部の一部を構成する部材であるステムは、レベルセンサ装置を支持する。ステムは、直線状に延びるパイプ状の部材からなる。ステムの下端に、非接触式レベルセンサが取付けられる。保持部は、設置面に固定され、球状部を摺動可能に受け入れ保持する。固定手段は、非接触式レベルセンサが所定の角度に維持されるように保持部によって保持された球状部を固定する。レベルセンサ装置は、サイロの上端に設けられた設置部に取付板を介して設置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された従来のセンサ装置を、ノズル径の小さい設置部に取り付けると、ノズルの内面にステムが接触するため、センサの角度調整範囲が制限される。このため、センサ装置において、ステムが設置部内に突出することを抑制しつつ、電波を送受信するセンサ面部をサイロの内部側に近づくような位置に設けることが検討されている。より具体的には、角度調整のための球状部にできるだけ近い場所にセンサ面部を設けることが検討されている。
【0005】
しかしながら、センサ部が、電波を送受信するセンサ面部に対して外側に張り出している張出部を有する場合がある。これにより、センサ面部を球状部に近づけると、球状部の可動範囲が張出部によって抑制される場合がある。また、張出部を球状部の内部に組み込むことも考えられるが、この場合は、球状部の直径が大型化する。
【0006】
本開示は上記の構成に鑑みてなされたものであり、センサ面部を球状面部の近傍に配置しつつ、球状面部の動きを阻害することなく球状面部を小型化できる、センサ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に基づくセンサ装置は、筒状部と、センサ部と、保持部とを備えている。筒状部は、球状面部と、細径部とを有している。球状面部は、保持部に摺接しつつ、保持部に対して回動可能である。細径部は、球状面部から見て筒状部の一方端部側に位置している。細径部は、筒状部の中心軸に対する径方向における寸法が、球状面部より小さい。センサ部は、筒状部の一方端部に配置されている。センサ部は、筒状部の内周面側を通って他方端部から放射されるように電波を送信し、対象物に反射したのち他方端部から入射した電波を受信可能である。保持部は、筒状部の中心軸に沿う中心軸方向から見て、当該中心軸に対する周方向に沿って延び、筒状部を外周面側から保持する。センサ部は、センサ面部と、張出部とを有している。センサ面部は、筒状部の内周面側に位置し、上記電波を送受信可能である。張出部は、中心軸に沿う中心軸方向から見て、中心軸に対する径方向においてセンサ面部より外側に張り出している。張出部は、細径部から見て球状面部の反対側に位置し、かつ、上記中心軸方向から見て、上記中心軸に対する径方向において細径部より外側に張り出している。
【発明の効果】
【0008】
センサ面部が筒状部の内周面に配置されるので、センサ面部を球状面部の近傍に配置可能となる。また、細径部より外側に張り出している張出部が、細径部から見て球状面部の反対側に位置しているため、張出部によって球状面部の可動が阻害されることなく、かつ、球状面部を小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の一実施形態に係るセンサ装置を示す正面図である。
【
図2】本開示の一実施形態に係るセンサ装置を示す模式的な断面図である。
【
図3】本開示の一実施形態に係るセンサ装置について、球状面部が回動した状態を示す模式的な断面図である。
【
図4】本開示の一実施形態に係るセンサ装置について、球状面部と保持部との摺接部分周辺を拡大して示す模式的な断面図である。
【
図5】本開示の一実施形態に係るセンサ装置の第1保持板を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の一実施形態に係るセンサ装置について説明する。なお、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。
【0011】
本開示の一実施形態に係るセンサ装置は、具体的には非接触式のセンサ装置である。検出の対象物は、たとえばサイロなどの装置内に貯留された液体や粉体などである。本実施系形態に係るセンサ装置は、対象物までの距離を検出することで、装置内に貯留された対象物の表面レベルを測定可能に構成されている。本実施形態に係るセンサ装置は、特に、粉体の粉面レベルを検出するのに好適に用いられる。
【0012】
図1は、本開示の一実施形態に係るセンサ装置を示す正面図である。
図2は、本開示の一実施形態に係るセンサ装置を示す模式的な断面図である。
図1および
図2に示すように、センサ装置1は、筒状部10と、センサ部20と、保持部30と、取付板40と、シール部材50とを備えている。なお、
図2においては、筒状部10の中心軸Cを含む断面が示されている。また、
図2のセンサ部20については、断面図ではなく正面図が示されている。
【0013】
筒状部10は、球状面部11と、細径部12とを有している。
図3は、本開示の一実施形態に係るセンサ装置について、球状面部が回動した状態を示す模式的な断面図である。
図1から
図3に示すように、球状面部11は、保持部30に摺接しつつ、保持部30に対して回動可能である。なお、
図3においても、筒状部10の中心軸Cに沿う断面が示されている。球状面部11の具体的な直径寸法は、たとえば100mm以上110mm以下程度である。
【0014】
細径部12は、球状面部11から見て筒状部10の一方端部10A側に位置している。細径部12は、筒状部10の中心軸Cに対する径方向における寸法が、球状面部11より小さい。細径部12は、円柱状の外形を有している。細径部12は、球状面部11と連続するように位置している。
【0015】
本実施形態において、筒状部10は、突出部13をさらに有している。突出部13は、中心軸Cに沿う中心軸方向から見たときに、細径部12と比較して、筒状部10の中心軸Cに対する径方向外側に突出している。突出部13は、細径部12から見て球状面部11とは反対側に位置している。なお、筒状部10は、突出部13を有していなくてもよい。この場合、細径部12は、中心軸Cに沿う中心軸方向において、筒状部10の一方端部10Aに至るまで延びていてもよい。
【0016】
センサ部20は、筒状部10の一方端部10Aに配置されている。センサ部20は、筒状部10の内周面10D側を通って他方端部10Bから放射されるように電波を送信し、対象物に反射したのち他方端部10Bから入射した電波を受信可能である。電波の種類は特に限定されないが、当該電波は具体的にはミリ波である。
【0017】
センサ部20の電波の送受信方向は、球状面部11が回動することによって、変更することができる。これにより、センサ装置1が取り付けられた他の装置9がサイロであって、当該サイロに貯留された粉体の粉面のレベルをセンサ装置1によって検出する場合、当該レベルを好適に検出できる。特に、安息角の比較的大きい粉体の粉面のレベルを検出する場合には、この電波の送受信方向が重要となるため、本実施形態に係るセンサ装置1を特に好適に用いることができる。さらに、センサ部20は、球状面部11が中心軸Cに対する周方向に回動することで、当該周方向に回動することができる。センサ部20から送信される電波は、センサ部20における電波の送受信方向から見て正円が拡がるようには伝搬しない。センサ部20から送信される電波の拡がり方には偏りがある。このため、サイロ内の障害物があるときには、センサ部20を上記周方向に回動させることで、障害物を避けつつ粉面のレベルを検出することができる場合がある。
【0018】
また、本実施形態においては、球状面部11が筒状部10の他方端部10Bを構成する。すなわち、球状面部11から見てセンサ装置1の電波送信方向には筒状部10が位置していない。このため、他の装置9における設置部91がたとえばノズルである場合に、本実施形態に係るセンサ装置1は、比較的小さい口径のノズル(設置部91)に取り付けが可能となる。
【0019】
センサ部20は、センサ面部21と、張出部22とを有している。センサ面部21は、筒状部10の内周面10D側に位置し、上記電波を送受信可能である。すなわち、センサ面部21には、所定の電波(ミリ波)を送信可能な送信アンテナおよび電波(ミリ波)を受信可能な受信アンテナが設けられている。
【0020】
張出部22は、中心軸Cに沿う中心軸方向から見て、中心軸Cに対する径方向においてセンサ面部21より外側に張り出している。張出部22は、たとえば、センサ部20を筒状部10の一方端部10Aに取り付けるための取付座であってもよい。
【0021】
張出部22は、細径部12から見て球状面部11の反対側に位置し、かつ、中心軸方向から見て、中心軸Cに対する径方向において細径部12より外側に張り出している。張出部22は、筒状部10の一方端部10Aと接するように位置している。しかしながら、張出部22は、筒状部10と離隔するように位置していてもよい。
【0022】
センサ部20は、嵌合部23をさらに有している。嵌合部23は、中心軸Cに沿う中心軸方向において、センサ面部21と、張出部22との間に位置している。嵌合部23は、筒状部10の一方端部10A側において、内周面10Dと嵌合している。具体的には、嵌合部23が雄ネジ状に形成され、少なくとも一方端部10A側において内周面10Dが雌ネジ状に形成されていることにより、嵌合部23と内周面10Dとが互いに螺合している。嵌合部23を、中心軸Cに沿う中心軸方向に内周面10Dに嵌め合わせていくと、張出部22が、筒状部10と当接する。これにより、中心軸Cに沿う中心軸方向における筒状部10とセンサ部20との相対的な位置が決定される。
【0023】
センサ装置1は、第1ガスケット25をさらに備えている。第1ガスケット25は、筒状部10と張出部22との間に位置する。第1ガスケット25は、具体的には、突出部13と張出部22との間に位置している。第1ガスケット25は、張出部22と筒状部10との間をシールする。
【0024】
センサ装置1は、端子ボックス60をさらに備えている。端子ボックス60は、センサ装置1と外部の端末とを互いに電気的に接続するための部位である。端子ボックス60には、各種の入出力端子が設けられている。端子ボックス60は、センサ部20から見てセンサ面部21とは反対側に位置している。
【0025】
保持部30は、筒状部10の中心軸Cに沿う中心軸方向から見て、中心軸Cに対する周方向に沿って延び、筒状部10を外周面10C側から保持する。
【0026】
保持部30は、第1保持板31と、第2保持板32と、締結部33とを有している。
図4は、本開示の一実施形態に係るセンサ装置について、球状面部と保持部との摺接部分周辺を拡大して示す模式的な断面図である。
図2から
図4に示すように、第1保持板31は、球状面部11の外周面10Cに沿うように球面凹状に形成された受面311を有している。第1保持板31は、球状面部11の中心点Oを通る仮想平面Sと重なるように拡がっている。
【0027】
図5は、本開示の一実施形態に係るセンサ装置の第1保持板を示す斜視図である。
図1から
図5に示すように、第1保持板31は、環状の外形を有している。受面311は、第1保持板31の内周側に位置している。第1保持板31は、受面311に形成された凹条部312をさらに有している。凹条部312は、第1保持板31の周方向(第1保持板31が環状に延びる方向)に沿って延びている。
【0028】
第1保持板31は、複数の第1凹部313および複数の第1貫通孔314を有している。複数の第1凹部313および複数の第1貫通孔314は、いずれも、第1保持板31の周方向に沿って並ぶように位置している。第1凹部313および第1貫通孔314は、第1保持板31の周方向において互い違いに並んでいる。
【0029】
第2保持板32は、第1保持板31から見て取付板40とは反対側において球状面部11に当接可能に配置されている。第2保持板32も、環状の外形を有している。第2保持板32は、第2貫通孔321を有している。第2貫通孔321は、第2保持板32の周方向(第2保持板32が環状に延びる方向)に沿って並ぶように位置している。
【0030】
締結部33は、第1保持板31および第2保持板32を互いに締結することで、第1保持板31と第2保持板32とで球状面部11を挟み込み、球状面部11を摺動不能に固定する。締結部33の具体的な構成は特に限定されないが、締結部33はたとえばボルトである。よって、球状面部11を摺動させる場合は、ボルトである締結部33を緩めればよい。球状面部11を摺動不能に固定する場合は、ボルトである締結部33を締め付ければよい。
【0031】
締結部33は、第2保持板32の第2貫通孔321に挿通される。締結部33は、第1保持板31の第1凹部313と嵌合する(具体的には螺合する)。締結部33は、第1保持板31と第2保持板32とが並ぶ方向において、第2保持板32と係止している。
【0032】
図1から
図4に示すように、取付板40は、保持部30から見て一方端部10A側とは反対側に位置して、保持部30と接続している。
【0033】
取付板40は、他の装置9の設置部91における先端92に取付可能に構成されている。他の装置9の具体例としては、たとえば粉体の貯留されたサイロである。設置部91は、上述したようにたとえばノズルである。設置部91の先端92は、たとえばフランジである。
【0034】
取付板40は、環状の外形を有している。取付板40は、取付板40の周方向(取付板40が環状に延びる方向)に対する径方向内側に球状面部11が位置するように、配置されている。取付板40は、球状面部11と離隔するように位置している。取付板40は、第1保持板31に向く方向の反対側を向いて他の装置9と接する取付面41を有している。取付板40は、第1保持板31と気密に接続している。取付板40は、具体的には、第2ガスケット42を介して第1保持板31と接続している。取付板40は、複数の第2凹部43をさらに有している(
図1および
図4参照)。複数の第2凹部43は、取付板40の周方向に沿って並んでいる。
【0035】
取付板40は、複数の第3貫通孔44をさらに有している。複数の第3貫通孔44は、複数の第3貫通孔44は、取付板40の周方向に沿って並んでいる。複数の第3貫通孔44は、複数の第2凹部43から見て、取付板40の周方向に対する径方向外側に位置している。
【0036】
センサ装置1は、複数の固定部45をさらに備えている。複数の固定部45の具体的な構成は特に限定されないが、固定部45は具体的にはボルトである。固定部45は、第1保持板31の第1貫通孔314に挿通される。固定部45は、取付板40の第2凹部43と嵌合する(具体的は螺合する)。固定部45は、第1保持板31と取付板40とが並ぶ方向において、第1保持板31と係止している。また、取付板40は、たとえば、第3貫通孔44に挿通される締結具93(具体的にはボルトおよびナット)によって、他の装置9の設置部91における先端92(フランジ)に取り付けられる。
【0037】
次に、取付面41に関するセンサ装置1の構成について説明する。保持部30および取付板40は、取付面41の法線方向に並んでいる。第1保持板31および第2保持板32は、取付面41の法線方向に並んでいる。取付面41の法線方向から見て、第1保持板31の外周縁は、第2保持板32と重なっている。より具体的には、上記法線方向から見て、第1保持板31の外周縁が、第2保持板32の外周縁と重なっている。
【0038】
取付面41の法線方向に延び、かつ、球状面部11の中心点Oを通る軸を基準軸Rとした場合、
図1、
図2および
図4に示されるセンサ装置1は、中心軸Cと基準軸Rとが互いに重なっている状態のセンサ装置1である。
図3に示されるセンサ装置1は、球状面部11の回動により、基準軸Rに対して中心軸Cが傾いてる状態のセンサ装置1である。
図3においては、中心軸Cおよび基準軸Rの両方に沿う断面が示されている。本実施形態において、球状面部11の回動による基準軸Rと中心軸Cとのなす角の最大角度は、たとえば10度である。
【0039】
また、基準軸Rに対する径方向における、保持部30(第1保持板31および第2保持板32)の外径寸法は、球状面部11の小型化により、たとえば140mm以上150mm以下とすることができる。このため、取付板40を、いわゆるJIS規格(10K)に基づく100Aサイズのフランジ(ナット座ピッチ直径が175mmのフランジ)に取付可能な形状とすることができる。
【0040】
なお、本実施形態に係るセンサ装置1は、取付板40を備えていなくてもよい。センサ装置1が取付板40を備えていない場合、たとえば、第1保持板31が直接他の装置に取り付けられてもよい。また、センサ装置1は、取付板40に代えて、他の部材によって他の装置に取り付けられてもよい。
【0041】
さらに、
図2および
図4に示すように、シール部材50は、凹条部312内に位置し、球状面部11と第1保持板31とに取り囲まれるように配置されている。このため、図に示されるように第1保持板31と第2保持板32とが互いに離隔している場合であっても、球状面部11と保持部30との間のシール性が向上する。たとえば、本実施形態においては、他の装置9であるサイロの内圧が300kPaまで上昇しても、球状面部11と保持部30との間のシール性が確保できる。シール部材50の具体的な構成は特に限定されないが、シール部材50はたとえばOリングである。
【0042】
上記のように、本開示の一実施形態に係るセンサ装置1は、筒状部10と、センサ部20と、保持部30とを備えている。筒状部10は、球状面部11と、細径部12とを有している。球状面部11は、保持部30に摺接しつつ、保持部30に対して回動可能である。細径部12は、球状面部11から見て筒状部10の一方端部10A側に位置している。細径部12は、筒状部10の中心軸Cに対する径方向における寸法が、球状面部11より小さい。センサ部20は、筒状部10の一方端部10Aに配置されている。センサ部20は、筒状部10の内周面10D側を通って他方端部10Bから放射されるように電波を送信し、対象物に反射したのち他方端部10Bから入射した電波を受信可能である。保持部30は、筒状部10の中心軸Cに沿う中心軸方向から見て、中心軸Cに対する周方向に沿って延び、筒状部10を外周面10C側から保持する。センサ部20は、センサ面部21と、張出部22とを有している。センサ面部21は、筒状部10の内周面10D側に位置し、上記電波を送受信可能である。張出部22は、中心軸Cに沿う中心軸方向から見て、中心軸Cに対する径方向においてセンサ面部21より外側に張り出している。張出部22は、細径部12から見て球状面部11の反対側に位置し、かつ、中心軸方向から見て、中心軸Cに対する径方向において細径部12より外側に張り出している。
【0043】
上記の構成によれば、センサ面部21が筒状部10の内周面10Dに配置されるので、センサ面部21を球状面部11の近傍に配置可能となる。また、細径部12より外側に張り出している張出部22が、細径部12から見て球状面部11の反対側に位置しているため、張出部22によって球状面部11の可動が阻害されることなく、球状面部11を小型化できる。
【0044】
さらに、球状面部11が小型化することで、センサ装置1全体を小型化および軽量化することができる。ひいては、センサ装置1の持ち運びが容易となる。
【0045】
本開示の一実施形態に係るセンサ装置1は、取付板40をさらに備えている。取付板40は、保持部30から見て一方端部10A側とは反対側に位置して、保持部30と接続している。取付板40は、他の装置9に取付可能に構成されている。保持部30は、第1保持板31と、第2保持板32と、締結部33とを有している。第1保持板31は、球状面部11の外周面10Cに沿うように球面凹状に形成された受面311を有している。第2保持板32は、第1保持板31から見て取付板40とは反対側において球状面部11に当接可能に配置されている。締結部33は、第1保持板31および第2保持板32を互いに締結することで、第1保持板31と第2保持板32とで球状面部11を挟み込み、球状面部11を摺動不能に固定する。取付板40は、第1保持板31と気密に接続している。
【0046】
上記の構成によれば、取付板40によって他の装置9と接続することで、保持部30の形状によらず、センサ装置1を取り付けることができる。また、取付板40と第1保持板31とを気密に接続することで、この間から異物が侵入することを抑制できる。
【0047】
本開示の一実施形態において、取付板40は、第1保持板31に向く方向の反対側を向いて他の装置9と接する取付面41を有している。取付面41の法線方向から見て、第1保持板31の外周縁が、第2保持板32と重なっている。
【0048】
上記の構成によれば、取付面41の法線方向から飛来する異物が、第1保持板31と接触したのち、第1保持板31と第2保持板32との間に入り込むことが抑制される。たとえば、取付面41の法線方向が鉛直方向であったときに、雨水が第1保持板31と接触したのち、第1保持板31と第2保持板32との間に入り込むことが抑制される。これにより、第1保持板31と第2保持板32との間に位置している異物(たとえば雨水)が、球状面部11の回動に伴って、球状面部11と第1保持板31との間に侵入することを抑制できる。ひいては、上記異物が、センサ装置1が取り付けられた他の装置9の内部に侵入することを抑制できる。
【0049】
本開示の一実施形態において、第1保持板31は、受面311に形成された凹条部312をさらに有している。本開示の一実施形態に係るセンサ装置1は、凹条部312内に位置し、球状面部11と第1保持板31とに取り囲まれるように配置されたシール部材50をさらに備えている。
【0050】
上記の構成によれば、シール部材50が外部に露出している場合と比較して、受面311と球状面部11とのシール性を向上できる。
【0051】
本開示の一実施形態において、第1保持板31は、球状面部11の中心点Oを通る仮想平面Sと重なるように拡がっている。
【0052】
上記の構成によれば、第1保持板31が球状面部11から脱離しにくくなる。ひいては、第1保持板31が、より強固に球状面部11を保持できる。
【0053】
上述した実施形態の説明において、組み合わせ可能な構成を相互に組み合わせてもよい。
【0054】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0055】
1 センサ装置、10 筒状部、10A 一方端部、10B 他方端部、10C 外周面、10D 内周面、11 球状面部、12 細径部、13 突出部、20 センサ部、21 センサ面部、22 張出部、23 嵌合部、25 第1ガスケット、30 保持部、31 第1保持板、311 受面、312 凹条部、313 第1凹部、314 第1貫通孔、32 第2保持板、321 第2貫通孔、33 締結部、40 取付板、41 取付面、42 第2ガスケット、43 第2凹部、44 第3貫通孔、45 固定部、50 シール部材、60 端子ボックス、9 他の装置、91 設置部、92 先端、93 締結具。