(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024002521
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】製水装置
(51)【国際特許分類】
E03B 3/28 20060101AFI20231228BHJP
B67D 1/08 20060101ALI20231228BHJP
E03B 11/02 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
E03B3/28
B67D1/08 Z
E03B11/02 A
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022101753
(22)【出願日】2022-06-24
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-12-13
(71)【出願人】
【識別番号】591107230
【氏名又は名称】株式会社デンケン
(74)【代理人】
【識別番号】100163267
【弁理士】
【氏名又は名称】今中 崇之
(72)【発明者】
【氏名】山村 良二
(72)【発明者】
【氏名】井上 徹郎
(72)【発明者】
【氏名】眞部 諒斗
(72)【発明者】
【氏名】木下 和宏
【テーマコード(参考)】
3E082
【Fターム(参考)】
3E082AA02
3E082BB04
3E082CC01
3E082DD00
3E082EE01
(57)【要約】
【課題】供給できる水が不足する可能性が低減された製水装置を提供する。
【解決手段】製水装置10は、取り込んだ空気を冷却する冷却器12と、冷却部12によって結露した水を溜める製水タンク20と、外部から供給された水を溜める給水タンク22と、製水タンク20又は給水タンク22に溜められた水を吸込んで送出するポンプ部30と、ポンプ部30によって送出された水を冷水として貯留する冷水タンク40と、ポンプ部30によって送出された水を加温し、温水を貯留する温水タンク42と、を備え、給水タンク22が、製水装置10の前面側に着脱可能に設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取り込んだ空気を冷却する冷却部と、
前記冷却部によって結露した水を溜める製水タンクと、
外部から供給された水を溜める給水タンクと、を備えた製水装置。
【請求項2】
請求項1記載の製水装置において、
前記給水タンクが、該製水装置の前面側に着脱可能に設けられている製水装置。
【請求項3】
請求項1記載の製水装置において、
前記給水タンクが、該製水装置の前面側に設けられ、手前側に引き出されることで取り外される製水装置。
【請求項4】
請求項3記載の製水装置において、
前記製水タンク又は前記給水タンクに溜められた水を吸込んで送出するポンプ部と、
前記ポンプ部によって送出された水を冷水として貯留する冷水タンクと、
前記ポンプ部によって送出された水を加温し、温水を貯留する温水タンクと、を更に備えた製水装置。
【請求項5】
請求項4記載の製水装置において、
前記製水タンクの水位を検出する水位センサと、
前記水位センサによって検出された水位に基づいて、前記ポンプ部が、前記製水タンク又は前記給水タンクのいずれか一方に溜められた水を吸込んで送出するように制御する制御部と、を更に備えた製水装置。
【請求項6】
請求項5記載の製水装置において、
前記製水タンクの水位を段階的に検出する水位センサと、
前記水位センサによって最も低い水位が検出された場合に、前記ポンプ部が、前記給水タンクに溜められた水のみを吸込んで送出するように制御する制御部と、を更に備えた製水装置。
【請求項7】
請求項6記載の製水装置において、
前記冷水タンクから冷水を吐出するための冷水吐出管と、
前記温水タンクから温水を吐出するための温水吐出管と、
前記冷水吐出管及び前記温水吐出管から前記製水タンクに向かう流路を形成する圧抜管と、
前記冷水吐出管及び前記圧抜管の間に設けられた第1の逆止弁と、
前記温水吐出管及び前記圧抜管の間に設けられた第2の逆止弁と、
前記圧抜管の流路を開閉する第1の電磁弁と、を更に備えた製水装置。
【請求項8】
請求項7記載の製水装置において、
前記冷水タンクから前記ポンプ部の吸込側に向かう流路を形成する循環管と、
前記循環管の流路を開閉する第2の電磁弁と、を更に備えた製水装置。
【請求項9】
請求項8記載の製水装置において、
前記給水タンクが、外部から供給された水を溜める容器と、
前記容器を覆う上蓋と、
前記上蓋の裏側に取り付けられ、前記容器の内部の水を吸引するための給水ノズルと、を有する製水装置。
【請求項10】
請求項9記載の製水装置において、
前記給水ノズルが、上下方向に延びる第1の管部と、
背面方向に延びる第2の管部と、
前記第1の管部と前記第2の管部とを接続する継手と、を有する製水装置。
【請求項11】
請求項10記載の製水装置において、
前記上蓋に、上面側に突出し下面側に前記継手を固定するための空間を形成する取手が設けられている製水装置。
【請求項12】
請求項11記載の製水装置において、
前記給水タンクが取り付けられた際に前記第2の管部が接続される接続口を更に備え、
前記接続口が、前記上蓋の上方に配置され、
前記上蓋に、前記接続口から漏れた水を受ける水受けが形成されている製水装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、大気から飲み水等としても使用できる水を取水できる取水装置が記載されている。この取水装置は、大気取入装置と、この大気取入装置によって取り入れられる大気圧力を低減する機構を備えると共に取入れられた大気を冷却して湿分を取出す冷却部を内蔵した大気湿度変換機と、この大気湿度変換機によって得られる水を取出す取水口とを備えた取水装置であり、取水口より上流側に設けられ、大気湿度変換機によって得られる水から異物を除去するフィルタ装置を備えることを特徴としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで一般に、湿気を含む空気から水を生成する製水装置は、周囲環境の湿度が低いと生成できる水の量が減少するため、供給できる水が不足してしまう場合がある。
本発明は、供給できる水が不足する可能性が低減された製水装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、取り込んだ空気を冷却する冷却部と、前記冷却部によって結露した水を溜める製水タンクと、外部から供給された水を溜める給水タンクと、を備えた製水装置である。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の製水装置において、前記給水タンクが、該製水装置の前面側に着脱可能に設けられている。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1記載の製水装置において、前記給水タンクが、該製水装置の前面側に設けられ、手前側に引き出されることで取り外される。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項3記載の製水装置において、前記製水タンク又は前記給水タンクに溜められた水を吸込んで送出するポンプ部と、前記ポンプ部によって送出された水を冷水として貯留する冷水タンクと、前記ポンプ部によって送出された水を加温し、温水を貯留する温水タンクと、を更に備える。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項4記載の製水装置において、前記製水タンクの水位を検出する水位センサと、前記水位センサによって検出された水位に基づいて、前記ポンプ部が、前記製水タンク又は前記給水タンクのいずれか一方に溜められた水を吸込んで送出するように制御する制御部と、を更に備える。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項5記載の製水装置において、前記製水タンクの水位を段階的に検出する水位センサと、前記水位センサによって最も低い水位が検出された場合に、前記ポンプ部が、前記給水タンクに溜められた水のみを吸込んで送出するように制御する制御部と、を更に備える。
【0011】
請求項7に記載の発明は、請求項6記載の製水装置において、前記冷水タンクから冷水を吐出するための冷水吐出管と、前記温水タンクから温水を吐出するための温水吐出管と、前記冷水吐出管及び前記温水吐出管から前記製水タンクに向かう流路を形成する圧抜管と、前記冷水吐出管及び前記圧抜管の間に設けられた第1の逆止弁と、前記温水吐出管及び前記圧抜管の間に設けられた第2の逆止弁と、前記圧抜管の流路を開閉する第1の電磁弁と、を更に備える。
【0012】
請求項8に記載の発明は、請求項7記載の製水装置において、前記冷水タンクから前記ポンプ部の吸込側に向かう流路を形成する循環管と、前記循環管の流路を開閉する第2の電磁弁と、を更に備える。
【0013】
請求項9に記載の発明は、請求項8記載の製水装置において、前記給水タンクが、外部から供給された水を溜める容器と、前記容器を覆う上蓋と、前記上蓋の裏側に取り付けられ、前記容器の内部の水を吸引するための給水ノズルと、を有する。
【0014】
請求項10に記載の発明は、請求項9記載の製水装置において、前記給水ノズルが、上下方向に延びる第1の管部と、背面方向に延びる第2の管部と、前記第1の管部と前記第2の管部とを接続する継手と、を有する。
【0015】
請求項11に記載の発明は、請求項10記載の製水装置において、前記上蓋に、上面側に突出し下面側に前記継手を固定するための空間を形成する取手が設けられている。
【0016】
請求項12に記載の発明は、請求項11記載の製水装置において、前記給水タンクが取り付けられた際に前記第2の管部が接続される接続口を更に備え、前記接続口が、前記上蓋の上方に配置され、前記上蓋に、前記接続口から漏れた水を受ける水受けが形成されている。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、供給できる水が不足する可能性が低減された製水装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る製水装置の外観図である。
【
図2】同製水装置が備える給水タンクの外観図である。
【
図3】同製水装置が備える給水タンクの分解図である。
【
図4】同製水装置が備える給水タンクに設けられた給水ノズルの外観図である。
【
図5】同製水装置の冷水を吐出する動作を示す構成図である。
【
図6】同製水装置の温水を吐出する動作を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。なお、図において、説明に関連しない部分は図示を省略する場合がある。例えば、
図5~
図8において、明示しているか否かにかかわらず、「圧抜」と表記された2箇所のブロックは、互いに接続されている。また、「循環」と表記された2箇所のブロックも互いに接続されている。
【0020】
本発明の一実施の形態に係る製水装置10は、
図1及び
図5に示すように、冷却部12、製水タンク20、給水タンク22、ポンプ部30、フィルタ部32、冷水タンク40、温水タンク42及び制御部50を備え、冷却部12にて結露した水をフィルタ部32にて浄化し、冷水又は温水として共通の供給口102より供給できる。
【0021】
冷却部12は、ファン122、放熱器124、エバポレータ126及びヘパフィルタ128を有している。冷却部12は、ファン122がヘパフィルタ128を介して取り込んだ空気をエバポレータ126にて冷却し、結露させることができる。
【0022】
製水タンク20は、冷却部12によって結露した水を溜めることができる。
製水タンク20には、水位を検出するための水位センサ202が設けられている。水位センサ202は、予め決められた水位を段階的に検出できる。具体的には、水位は例えば4段階で検出される。
【0023】
製水タンク20の下部には、水を供給する吐出口及び水を排出するための排水口が設けられている。吐出口には、電磁弁SV20が接続されている。
製水タンク20の上部には、結露した水を導入する導入口及び残圧を低減するための圧抜管L60が接続された接続口が設けられている。
【0024】
給水タンク22は、外部から供給された水を溜めることができる。
給水タンク22は、
図1に示すように、製水装置10の前面側に着脱可能に設けられ、手前側に引き出されることで容易に取り外される。
給水タンク22は、製水装置10の本体に取り付けられると、
図2に示すように、本体側に設けられた接続口222(
図5参照)に接続される。この接続口222は、電磁弁SV22に接続されている。
【0025】
ポンプ部30は、ボトムポンプ30a、ボトムポンプ30b及びトップポンプ30cを有しており、製水タンク20又は給水タンク22に溜められた水を吸込んで送出できる。
ボトムポンプ30a及びボトムポンプ30bは、並列に配置され、それぞれ、製水タンク20よりも低い位置に配置されたポンプである。
トップポンプ30cは、ボトムポンプ30a及びボトムポンプ30bよりも下流側に設けられ、製水タンク20よりも高い位置に配置されたポンプである。
なお、ポンプ部30は、必ずしも複数のポンプにより構成されていなくてもよく、単一のポンプであってもよい。すなわち、ポンプ部30は、製水タンク20及び給水タンク22の水を吸込んで送出できればよい。
【0026】
フィルタ部32は、複数のフィルタによって構成され、製水タンク20の水の異物や細菌等を除去したり、成分を調整したりすることができる。
フィルタ部32は、ボトムポンプ30a及びボトムポンプ30bの下流側かつトップポンプ30c上流側に設けられている。
【0027】
冷水タンク40は、ポンプ部30によって送出された水を冷却し、冷水を生成して貯留できる。
冷水タンク40には、冷却手段(不図示)が設けられており、内部の水は、例えば4~8℃に冷却される。
【0028】
冷水タンク40の下部には、ポンプ部30から水が導入される導入口及び水を排出するための排水口がそれぞれ設けられている。
また、冷水タンク40の上部には、水を外部に供給するための吐出口が設けられている。
【0029】
温水タンク42は、ポンプ部30によって送出された水を加温し、温水を生成して貯留できる。
温水タンク42には、加温手段(不図示)が設けられており、内部の水は、例えば60~90℃に加温される。
【0030】
温水タンク42の下部には、ポンプ部30から水が導入される導入口及び水を排出するための排水口がそれぞれ設けられている。
また、温水タンク42の上部には、温水を外部に供給するための吐出口が設けられている。
【0031】
ここで、ポンプ部30、冷水タンク40及び温水タンク42からそれぞれ延びる配管について説明する。
ポンプ部30が有するトップポンプ30cの吐出側に接続された配管は、途中で冷水側水供給管L401と温水側水供給管L421とに分岐し、冷水側水供給管L401は冷水タンク40の導入口に接続され、温水側水供給管L421は温水タンク42の導入口に接続されている。
【0032】
冷水タンク40の吐出口に接続された冷水吐出管L402は、製水装置10の前面に設けられた供給口102に接続されている。冷水吐出管L402の途中には、空気の逆流を防止する逆止弁CV40が設けられ、逆止弁CV40の流路の下流側には、電磁弁SV40が設けられている。
また、逆止弁CV40の上流側からポンプ部30の吸込側(ボトムポンプ30a及びボトムポンプ30bの吸込側)まで、循環管L62が延びている。循環管L62の途中には、電磁弁SV62が設けられ、電磁弁SV62(第2の電磁弁の一例)を開くことにより、水をフィルタ部32に通すための循環流路を形成することができる。循環経路については後述する。
【0033】
温水タンク42の吐出口に接続された温水吐出管L422は、製水装置10の前面に設けられた供給口102に接続されている。温水吐出管L422の途中には、空気の逆流を防止する逆止弁CV42が設けられ、逆止弁CV42の流路の下流側には、電磁弁SV42が設けられている。
【0034】
冷水吐出管L402の逆止弁CV40の上流側及び温水吐出管L422の逆止弁CV42の上流側は、それぞれ、逆止弁CV50(第1の逆止弁の一例)及び逆止弁CV52(第2の逆止弁の一例)を介して、残圧を低減するための圧抜管L60に接続されている。圧抜管L60は、電磁弁SV60(第1の電磁弁の一例)を介して製水タンク20の接続口に接続されている。
【0035】
制御部50は、冷却部12、ポンプ部30及び各電磁弁SV20、SV22、SV40、SV42、SV60、SV62等の各部を制御できる。
特に、制御部50は、水位センサ202によって検出された水位に基づいて、ポンプ部30が、製水タンク20又は給水タンク22のいずれか一方に溜められた水を吸込んで送出するように制御できる。具体的には、制御部50は、水位センサ202によって最も低い水位が検出された場合に、電磁弁SV20を閉じるとともに電磁弁SV22を開き、ポンプ部30が、給水タンク22に溜められた水のみを吸込んで冷水タンク40又は温水タンク42に送出するように制御できる。
【0036】
このように構成された製水装置10は、製水タンク20又は給水タンク22から電磁弁SV40までの冷水吐出流路において、水が満たされた状態となるため、内部に空気が滞留して雑菌が繁殖する可能性が低減される。
また、製水装置10は、製水タンク20又は給水タンク22から電磁弁SV42までの温水吐出流路においても、水が満たされた状態となるため、内部に空気が滞留して雑菌が繁殖する可能性が低減される。
【0037】
次に、給水タンク22について詳述する。
給水タンク22は、
図2及び
図3に示すように、容器224、上蓋226及び給水ノズル228を有している。
容器224は、上側が開口しており、ユーザ自身によって外部から供給された水(例えば、水道水)を溜めることができる。
容器224の外形は、例えば直方体状であり、材質は例えばステンレスである。
容器224の上部の左右両端には、それぞれ持手225が設けられている。持手225は、製水装置10の本体側に間隔を空けて配置された一対の案内部材(不図示)の上に載って支持されるように構成されている。
【0038】
上蓋226は、容器224の上側を覆う蓋であり、上方には接続口222が配置される。
上蓋226には、上面側に突出し下面側(裏側)に給水ノズル228を固定するための固定空間を形成する取手230が設けられている。
また、上蓋226の上面には、接続口222のよりも低い位置に、縁が囲まれた水受け232が形成されている。水受け232は、給水タンク22を取り外す際に接続口222から漏れ出た水を受けることができる。
【0039】
給水ノズル228は、上蓋226の裏側に取り付けられており、容器224の内部の水を吸引することができる。
給水ノズル228は、
図4に示すように、上下方向に延びる第1の管部228aと、背面方向(給水タンク22が本体に取り付けられる方向)に延び接続口222に接続される第2の管部228bと、第1の管部228aと第2の管部228bとを接続するエルボ(継手の一例)228cと、を有している。
エルボ228cは、固定用の孔H228及びボルト234(
図3参照)を用いて、取手230の裏側に形成された固定空間に固定され、固定空間から背面側へ、第2の管部228bが延びている。
給水ノズル228は、第1の管部228a、第2の管部228b及びエルボ228cにて、容易に三分割できるように構成されているため、機能が低下した部品を必要に応じて交換できる。
【0040】
このように、給水タンク22は、給水ノズル228が上蓋226とともに容器224から取り外されるので、容器224の洗浄が容易である。
【0041】
次に、製水装置10の動作について説明する。製水装置10は、以下の手順S1~S6に従って動作する。ただし、可能な場合には、各手順S1~S6は順番を入れ替えて実施されてもよいし、並行して実施されてもよいし、一部が省略されて実施されてもよい。
【0042】
(手順S1)
本手順S1においては、製水装置10の使用に先立ち準備が行われる。
ユーザにより、製水装置10から給水タンク22が取り外され、水が満たされた給水タンク22が製水装置10の前面側から挿入される。給水タンク22は、持手225が一対の案内部材(不図示)に載ることで案内され、所定の位置まで押し込まれると、給水ノズル228の第2の管部228bが、接続口222に接続される。
【0043】
(手順S2)
本手順S2は、ユーザによって操作がされていない待機時における動作手順である。
制御部50が、冷却部12を稼働させる。冷却部12が稼働することにより、周囲の空気が取り込まれ、エバポレータ126にて結露した水が、製水タンク20に溜まる。
製水タンク20の水位は、水位センサ202によって検出され、制御部50によって監視される。
なお、製水タンク20に水が入っている状態の待機時においては、電磁弁SV20が開き、電磁弁SV22が閉じた状態である。また、電磁弁SV60は開いた状態である。
【0044】
(手順S3)
本手順S3は、冷水を吐出する動作手順である。
ユーザが操作パネル(不図示)に設けられた冷水ボタンを押すと、制御部50は、電磁弁SV60を閉じた後、ポンプ部30を駆動し、電磁弁SV40を開く。その結果、
図5の矢印にて示すような流路が形成され、製水タンク20の中の水が、フィルタ部32を通って冷水タンク40に入り、冷水タンク40の中の水が冷水吐出管L402を通って吐出される。
【0045】
その後、制御部50が、電磁弁SV40を閉じた後、電磁弁SV60を開き、
図7の矢印にて示すような流路を形成する。その結果、冷水吐出管L402の内圧により、一部の水が圧抜管L60を通って製水タンク20へと戻される。すなわち、圧抜管L60の内部の水が大気開放されることにより、冷水吐出管L402の残圧が低減される。冷水吐出管L402の残圧が低減されることにより、次に電磁弁SV40を開く動作が阻害されることが抑制される。
【0046】
(手順S4)
本手順S4は、温水を吐出する動作手順である。
ユーザが操作パネル(不図示)に設けられた温水ボタンを押すと、制御部50は、電磁弁SV60を閉じた後、ポンプ部30を駆動し、電磁弁SV42を開く。その結果、
図6の矢印にて示すような流路が形成され、製水タンク20の中の水が、フィルタ部32を通って温水タンク42に入り、温水タンク42の中の水が温水吐出管L422を通って吐出される。
【0047】
その後、制御部50が、電磁弁SV42を閉じた後、電磁弁SV60を開き、
図7の矢印にて示すような流路を形成する。その結果、温水吐出管L422の内圧により、一部の水が圧抜管L60を通って製水タンク20へと戻される。すなわち、圧抜管L60の内部の水が大気開放されることにより、温水吐出管L422の残圧が低減される。温水吐出管L422の残圧が低減されることにより、次に電磁弁SV42を開く動作が阻害されることが抑制される。
【0048】
(手順S5)
本手順S5は、製水タンク20に溜まる水が不足した場合の動作手順である。
ユーザの操作によって冷水又は温水が吐出され、その吐出量が製水装置10が生成する水の量(冷却部12にて結露する水の量)を上回ると、製水タンク20の中の水位が低下していく。制御部50は、水位センサ202によって最も低い水位が検出された場合に、電磁弁SV20を閉じるとともに電磁弁SV22を開き、給水タンク22の給水ノズル228から接続口222を経て冷水タンク40及び温水タンク42へ水を供給するための流路を形成する。
従って、水の供給源が、製水タンク20から給水タンク22に切り替えられるので、給水タンク22に水が満たされている限り、周囲環境の湿度が低い場合であっても、所定の温度に維持された冷水又は温水がユーザに供給される。
【0049】
(手順S6)
本手順S6は、冷水タンク40の冷水に雑菌が繁殖することを抑制するための動作手順である。
予め決められた条件を満たした場合、
図8の矢印にて示すように、前述の循環経路が形成される。なお、予め決められた条件は、予め設定された時間が経過したことである。
循環経路は、制御部50が、ポンプ部30を駆動し、電磁弁SV62を開き、電磁弁SV62以外の電磁弁を全て閉じることにより形成される。
【0050】
循環経路が形成されることにより、ポンプ部30によって送出される水は、フィルタ部32を通る。フィルタ部32を通った水は浄化され、冷水側水供給管L401から冷水タンク40へ導入される。
冷水タンク40から出た冷水は、電磁弁SV62を通って冷水吐出管L402から延びる循環管L62に入り、ポンプ部30の吸込み側(ボトムポンプ30a及びボトムポンプ30bの吸込み側)へと戻った後、再びフィルタ部32を通る。
このように、冷水タンク40の冷水がフィルタ部32を通って循環することにより、冷水中の雑菌の繁殖が抑制される。
【0051】
以上説明したように、本実施の形態に係る製水装置10によれば、給水タンク22を備えているため、供給できる水が不足する可能性が低減される。
【0052】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
【符号の説明】
【0053】
10 製水装置
12 冷却部
20 製水タンク
22 給水タンク
30 ポンプ部
30a、30b ボトムポンプ
30c トップポンプ
32 フィルタ部
40 冷水タンク
42 温水タンク
50 制御部
102 供給口
122 ファン
124 放熱器
126 エバポレータ
128 ヘパフィルタ
202 水位センサ
222 接続口
224 容器
225 持手
226 上蓋
228 給水ノズル
228a 第1の管部
228b 第2の管部
228c エルボ
230 取手
234 ボルト
232 水受け
CV40、CV42、CV50、CV52 逆止弁
H228 孔
L401 冷水側水供給管
L402 冷水吐出管
L421 温水側水供給管
L422 温水吐出管
L60 圧抜管
L62 循環管
SV20、SV22、SV40、SV42、SV60、SV62 電磁弁
【手続補正書】
【提出日】2022-10-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取り込んだ空気を冷却する冷却部と、
前記冷却部によって結露した水を溜める製水タンクと、
外部から供給された水を溜める給水タンクと、
前記製水タンク又は前記給水タンクに溜められた水を吸込んで送出するポンプ部と、
前記ポンプ部によって送出された水を貯留するタンクと、
前記製水タンクの水位を検出する水位センサと、
前記水位センサが水位の低下を検出した場合、前記ポンプ部に、前記給水タンクに溜められた水を吸込んで送出させるとともに、前記水位センサが水位の低下を検出しない場合には、前記ポンプ部に、製水タンクに溜められた水を吸込んで送出させる制御部と、を備えた製水装置。
【請求項2】
請求項1記載の製水装置において、
前記タンクから水を吐出するための吐出管と、
前記吐出管から前記製水タンクに向かう流路を形成する圧抜管と、
前記吐出管及び前記圧抜管の間に設けられた逆止弁と、
前記圧抜管の流路を開閉する第1の電磁弁と、を更に備えた製水装置。
【請求項3】
請求項2記載の製水装置において、
前記吐出管から前記ポンプ部の吸込側に向かう流路を形成する循環管と、
前記循環管の流路を開閉する第2の電磁弁と、を更に備えた製水装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の製水装置において、
前記給水タンクが、外部から供給された水を溜める容器と、
前記容器を覆う上蓋と、
前記上蓋の裏側に取り付けられ、前記容器の内部の水を吸引するための給水ノズルと、を有する製水装置。
【請求項5】
請求項4記載の製水装置において、
前記給水ノズルが、上下方向に延びる第1の管部と、
背面方向に延びる第2の管部と、
前記第1の管部と前記第2の管部とを接続する継手と、を有する製水装置。
【請求項6】
請求項5記載の製水装置において、
前記上蓋に、上面側に突出し下面側に前記継手を固定するための空間を形成する取手が設けられている製水装置。
【請求項7】
請求項5又は6記載の製水装置において、
前記給水タンクが取り付けられた際に前記第2の管部が接続される接続口を更に備え、
前記接続口が、前記上蓋の上方に配置され、
前記上蓋に、前記接続口から漏れた水を受ける水受けが形成されている製水装置。
【請求項8】
請求項1記載の製水装置において、
前記給水タンクが、該製水装置の前面側に着脱可能に設けられている製水装置。
【請求項9】
請求項1記載の製水装置において、
前記給水タンクが、該製水装置の前面側に設けられ、手前側に引き出されることで取り外される製水装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、大気から飲み水等としても使用できる水を取水できる取水装置が記載されている。この取水装置は、大気取入装置と、この大気取入装置によって取り入れられる大気圧力を低減する機構を備えると共に取入れられた大気を冷却して湿分を取出す冷却部を内蔵した大気湿度変換機と、この大気湿度変換機によって得られる水を取出す取水口とを備えた取水装置であり、取水口より上流側に設けられ、大気湿度変換機によって得られる水から異物を除去するフィルタ装置を備えることを特徴としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで一般に、湿気を含む空気から水を生成する製水装置は、周囲環境の湿度が低いと生成できる水の量が減少するため、供給できる水が不足してしまう場合がある。
本発明は、供給できる水が不足する可能性が低減された製水装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、取り込んだ空気を冷却する冷却部と、前記冷却部によって結露した水を溜める製水タンクと、外部から供給された水を溜める給水タンクと、前記製水タンク又は前記給水タンクに溜められた水を吸込んで送出するポンプ部と、前記ポンプ部によって送出された水を貯留するタンクと、前記製水タンクの水位を検出する水位センサと、前記水位センサが水位の低下を検出した場合、前記ポンプ部に、前記給水タンクに溜められた水を吸込んで送出させるとともに、前記水位センサが水位の低下を検出しない場合には、前記ポンプ部に、製水タンクに溜められた水を吸込んで送出させる制御部と、を備えた製水装置である。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の製水装置において、前記タンクから水を吐出するための吐出管と、前記吐出管から前記製水タンクに向かう流路を形成する圧抜管と、前記吐出管及び前記圧抜管の間に設けられた逆止弁と、前記圧抜管の流路を開閉する第1の電磁弁と、を更に備える。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項2記載の製水装置において、前記吐出管から前記ポンプ部の吸込側に向かう流路を形成する循環管と、前記循環管の流路を開閉する第2の電磁弁と、を更に備える。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の製水装置において、前記給水タンクが、外部から供給された水を溜める容器と、前記容器を覆う上蓋と、前記上蓋の裏側に取り付けられ、前記容器の内部の水を吸引するための給水ノズルと、を有する。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項4記載の製水装置において、前記給水ノズルが、上下方向に延びる第1の管部と、背面方向に延びる第2の管部と、前記第1の管部と前記第2の管部とを接続する継手と、を有する。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項5記載の製水装置において、前記上蓋に、上面側に突出し下面側に前記継手を固定するための空間を形成する取手が設けられている。
【0011】
請求項7に記載の発明は、請求項5又は6記載の製水装置において、前記給水タンクが取り付けられた際に前記第2の管部が接続される接続口を更に備え、前記接続口が、前記上蓋の上方に配置され、前記上蓋に、前記接続口から漏れた水を受ける水受けが形成されている。
【0012】
請求項8に記載の発明は、請求項1記載の製水装置において、前記給水タンクが、該製水装置の前面側に着脱可能に設けられている。
【0013】
請求項9に記載の発明は、請求項1記載の製水装置において、前記給水タンクが、該製水装置の前面側に設けられ、手前側に引き出されることで取り外される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、供給できる水が不足する可能性が低減された製水装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施の形態に係る製水装置の外観図である。
【
図2】同製水装置が備える給水タンクの外観図である。
【
図3】同製水装置が備える給水タンクの分解図である。
【
図4】同製水装置が備える給水タンクに設けられた給水ノズルの外観図である。
【
図5】同製水装置の冷水を吐出する動作を示す構成図である。
【
図6】同製水装置の温水を吐出する動作を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。なお、図において、説明に関連しない部分は図示を省略する場合がある。例えば、
図5~
図8において、明示しているか否かにかかわらず、「圧抜」と表記された2箇所のブロックは、互いに接続されている。また、「循環」と表記された2箇所のブロックも互いに接続されている。
【0017】
本発明の一実施の形態に係る製水装置10は、
図1及び
図5に示すように、冷却部12、製水タンク20、給水タンク22、ポンプ部30、フィルタ部32、冷水タンク40、温水タンク42及び制御部50を備え、冷却部12にて結露した水をフィルタ部32にて浄化し、冷水又は温水として共通の供給口102より供給できる。
【0018】
冷却部12は、ファン122、放熱器124、エバポレータ126及びヘパフィルタ128を有している。冷却部12は、ファン122がヘパフィルタ128を介して取り込んだ空気をエバポレータ126にて冷却し、結露させることができる。
【0019】
製水タンク20は、冷却部12によって結露した水を溜めることができる。
製水タンク20には、水位を検出するための水位センサ202が設けられている。水位センサ202は、予め決められた水位を段階的に検出できる。具体的には、水位は例えば4段階で検出される。
【0020】
製水タンク20の下部には、水を供給する吐出口及び水を排出するための排水口が設けられている。吐出口には、電磁弁SV20が接続されている。
製水タンク20の上部には、結露した水を導入する導入口及び残圧を低減するための圧抜管L60が接続された接続口が設けられている。
【0021】
給水タンク22は、外部から供給された水を溜めることができる。
給水タンク22は、
図1に示すように、製水装置10の前面側に着脱可能に設けられ、手前側に引き出されることで容易に取り外される。
給水タンク22は、製水装置10の本体に取り付けられると、
図2に示すように、本体側に設けられた接続口222(
図5参照)に接続される。この接続口222は、電磁弁SV22に接続されている。
【0022】
ポンプ部30は、ボトムポンプ30a、ボトムポンプ30b及びトップポンプ30cを有しており、製水タンク20又は給水タンク22に溜められた水を吸込んで送出できる。
ボトムポンプ30a及びボトムポンプ30bは、並列に配置され、それぞれ、製水タンク20よりも低い位置に配置されたポンプである。
トップポンプ30cは、ボトムポンプ30a及びボトムポンプ30bよりも下流側に設けられ、製水タンク20よりも高い位置に配置されたポンプである。
なお、ポンプ部30は、必ずしも複数のポンプにより構成されていなくてもよく、単一のポンプであってもよい。すなわち、ポンプ部30は、製水タンク20及び給水タンク22の水を吸込んで送出できればよい。
【0023】
フィルタ部32は、複数のフィルタによって構成され、製水タンク20の水の異物や細菌等を除去したり、成分を調整したりすることができる。
フィルタ部32は、ボトムポンプ30a及びボトムポンプ30bの下流側かつトップポンプ30c上流側に設けられている。
【0024】
冷水タンク40は、ポンプ部30によって送出された水を冷却し、冷水を生成して貯留できる。
冷水タンク40には、冷却手段(不図示)が設けられており、内部の水は、例えば4~8℃に冷却される。
【0025】
冷水タンク40の下部には、ポンプ部30から水が導入される導入口及び水を排出するための排水口がそれぞれ設けられている。
また、冷水タンク40の上部には、水を外部に供給するための吐出口が設けられている。
【0026】
温水タンク42は、ポンプ部30によって送出された水を加温し、温水を生成して貯留できる。
温水タンク42には、加温手段(不図示)が設けられており、内部の水は、例えば60~90℃に加温される。
【0027】
温水タンク42の下部には、ポンプ部30から水が導入される導入口及び水を排出するための排水口がそれぞれ設けられている。
また、温水タンク42の上部には、温水を外部に供給するための吐出口が設けられている。
【0028】
ここで、ポンプ部30、冷水タンク40及び温水タンク42からそれぞれ延びる配管について説明する。
ポンプ部30が有するトップポンプ30cの吐出側に接続された配管は、途中で冷水側水供給管L401と温水側水供給管L421とに分岐し、冷水側水供給管L401は冷水タンク40の導入口に接続され、温水側水供給管L421は温水タンク42の導入口に接続されている。
【0029】
冷水タンク40の吐出口に接続された冷水吐出管L402は、製水装置10の前面に設けられた供給口102に接続されている。冷水吐出管L402の途中には、空気の逆流を防止する逆止弁CV40が設けられ、逆止弁CV40の流路の下流側には、電磁弁SV40が設けられている。
また、逆止弁CV40の上流側からポンプ部30の吸込側(ボトムポンプ30a及びボトムポンプ30bの吸込側)まで、循環管L62が延びている。循環管L62の途中には、電磁弁SV62が設けられ、電磁弁SV62(第2の電磁弁の一例)を開くことにより、水をフィルタ部32に通すための循環流路を形成することができる。循環経路については後述する。
【0030】
温水タンク42の吐出口に接続された温水吐出管L422は、製水装置10の前面に設けられた供給口102に接続されている。温水吐出管L422の途中には、空気の逆流を防止する逆止弁CV42が設けられ、逆止弁CV42の流路の下流側には、電磁弁SV42が設けられている。
【0031】
冷水吐出管L402の逆止弁CV40の上流側及び温水吐出管L422の逆止弁CV42の上流側は、それぞれ、逆止弁CV50(第1の逆止弁の一例)及び逆止弁CV52(第2の逆止弁の一例)を介して、残圧を低減するための圧抜管L60に接続されている。
圧抜管L60は、電磁弁SV60(第1の電磁弁の一例)を介して製水タンク20の接続口に接続されている。
【0032】
制御部50は、冷却部12、ポンプ部30及び各電磁弁SV20、SV22、SV40、SV42、SV60、SV62等の各部を制御できる。
特に、制御部50は、水位センサ202によって検出された水位に基づいて、ポンプ部30が、製水タンク20又は給水タンク22のいずれか一方に溜められた水を吸込んで送出するように制御できる。具体的には、制御部50は、水位センサ202によって最も低い水位が検出された場合に、電磁弁SV20を閉じるとともに電磁弁SV22を開き、ポンプ部30が、給水タンク22に溜められた水のみを吸込んで冷水タンク40又は温水タンク42に送出するように制御できる。
【0033】
このように構成された製水装置10は、製水タンク20又は給水タンク22から電磁弁SV40までの冷水吐出流路において、水が満たされた状態となるため、内部に空気が滞留して雑菌が繁殖する可能性が低減される。
また、製水装置10は、製水タンク20又は給水タンク22から電磁弁SV42までの温水吐出流路においても、水が満たされた状態となるため、内部に空気が滞留して雑菌が繁殖する可能性が低減される。
【0034】
次に、給水タンク22について詳述する。
給水タンク22は、
図2及び
図3に示すように、容器224、上蓋226及び給水ノズル228を有している。
容器224は、上側が開口しており、ユーザ自身によって外部から供給された水(例えば、水道水)を溜めることができる。
容器224の外形は、例えば直方体状であり、材質は例えばステンレスである。
容器224の上部の左右両端には、それぞれ持手225が設けられている。持手225は、製水装置10の本体側に間隔を空けて配置された一対の案内部材(不図示)の上に載って支持されるように構成されている。
【0035】
上蓋226は、容器224の上側を覆う蓋であり、上方には接続口222が配置される。
上蓋226には、上面側に突出し下面側(裏側)に給水ノズル228を固定するための固定空間を形成する取手230が設けられている。
また、上蓋226の上面には、接続口222のよりも低い位置に、縁が囲まれた水受け232が形成されている。水受け232は、給水タンク22を取り外す際に接続口222から漏れ出た水を受けることができる。
【0036】
給水ノズル228は、上蓋226の裏側に取り付けられており、容器224の内部の水を吸引することができる。
給水ノズル228は、
図4に示すように、上下方向に延びる第1の管部228aと、背面方向(給水タンク22が本体に取り付けられる方向)に延び接続口222に接続される第2の管部228bと、第1の管部228aと第2の管部228bとを接続するエルボ(継手の一例)228cと、を有している。
エルボ228cは、固定用の孔H228及びボルト234(
図3参照)を用いて、取手230の裏側に形成された固定空間に固定され、固定空間から背面側へ、第2の管部228bが延びている。
給水ノズル228は、第1の管部228a、第2の管部228b及びエルボ228cにて、容易に三分割できるように構成されているため、機能が低下した部品を必要に応じて交換できる。
【0037】
このように、給水タンク22は、給水ノズル228が上蓋226とともに容器224から取り外されるので、容器224の洗浄が容易である。
【0038】
次に、製水装置10の動作について説明する。製水装置10は、以下の手順S1~S6に従って動作する。ただし、可能な場合には、各手順S1~S6は順番を入れ替えて実施されてもよいし、並行して実施されてもよいし、一部が省略されて実施されてもよい。
【0039】
(手順S1)
本手順S1においては、製水装置10の使用に先立ち準備が行われる。
ユーザにより、製水装置10から給水タンク22が取り外され、水が満たされた給水タンク22が製水装置10の前面側から挿入される。給水タンク22は、持手225が一対の案内部材(不図示)に載ることで案内され、所定の位置まで押し込まれると、給水ノズル228の第2の管部228bが、接続口222に接続される。
【0040】
(手順S2)
本手順S2は、ユーザによって操作がされていない待機時における動作手順である。
制御部50が、冷却部12を稼働させる。冷却部12が稼働することにより、周囲の空気が取り込まれ、エバポレータ126にて結露した水が、製水タンク20に溜まる。
製水タンク20の水位は、水位センサ202によって検出され、制御部50によって監視される。
なお、製水タンク20に水が入っている状態の待機時においては、電磁弁SV20が開き、電磁弁SV22が閉じた状態である。また、電磁弁SV60は開いた状態である。
【0041】
(手順S3)
本手順S3は、冷水を吐出する動作手順である。
ユーザが操作パネル(不図示)に設けられた冷水ボタンを押すと、制御部50は、電磁弁SV60を閉じた後、ポンプ部30を駆動し、電磁弁SV40を開く。その結果、
図5の矢印にて示すような流路が形成され、製水タンク20の中の水が、フィルタ部32を通って冷水タンク40に入り、冷水タンク40の中の水が冷水吐出管L402を通って吐出される。
【0042】
その後、制御部50が、電磁弁SV40を閉じた後、電磁弁SV60を開き、
図7の矢印にて示すような流路を形成する。その結果、冷水吐出管L402の内圧により、一部の水が圧抜管L60を通って製水タンク20へと戻される。すなわち、圧抜管L60の内部の水が大気開放されることにより、冷水吐出管L402の残圧が低減される。冷水吐出管L402の残圧が低減されることにより、次に電磁弁SV40を開く動作が阻害されることが抑制される。
【0043】
(手順S4)
本手順S4は、温水を吐出する動作手順である。
ユーザが操作パネル(不図示)に設けられた温水ボタンを押すと、制御部50は、電磁弁SV60を閉じた後、ポンプ部30を駆動し、電磁弁SV42を開く。その結果、
図6の矢印にて示すような流路が形成され、製水タンク20の中の水が、フィルタ部32を通って温水タンク42に入り、温水タンク42の中の水が温水吐出管L422を通って吐出される。
【0044】
その後、制御部50が、電磁弁SV42を閉じた後、電磁弁SV60を開き、
図7の矢印にて示すような流路を形成する。その結果、温水吐出管L422の内圧により、一部の水が圧抜管L60を通って製水タンク20へと戻される。すなわち、圧抜管L60の内部の水が大気開放されることにより、温水吐出管L422の残圧が低減される。温水吐出管L422の残圧が低減されることにより、次に電磁弁SV42を開く動作が阻害されることが抑制される。
【0045】
(手順S5)
本手順S5は、製水タンク20に溜まる水が不足した場合の動作手順である。
ユーザの操作によって冷水又は温水が吐出され、その吐出量が製水装置10が生成する水の量(冷却部12にて結露する水の量)を上回ると、製水タンク20の中の水位が低下していく。制御部50は、水位センサ202によって最も低い水位が検出された場合に、電磁弁SV20を閉じるとともに電磁弁SV22を開き、給水タンク22の給水ノズル228から接続口222を経て冷水タンク40及び温水タンク42へ水を供給するための流路を形成する。
従って、水の供給源が、製水タンク20から給水タンク22に切り替えられるので、給水タンク22に水が満たされている限り、周囲環境の湿度が低い場合であっても、所定の温度に維持された冷水又は温水がユーザに供給される。
【0046】
(手順S6)
本手順S6は、冷水タンク40の冷水に雑菌が繁殖することを抑制するための動作手順である。
予め決められた条件を満たした場合、
図8の矢印にて示すように、前述の循環経路が形成される。なお、予め決められた条件は、予め設定された時間が経過したことである。
循環経路は、制御部50が、ポンプ部30を駆動し、電磁弁SV62を開き、電磁弁SV62以外の電磁弁を全て閉じることにより形成される。
【0047】
循環経路が形成されることにより、ポンプ部30によって送出される水は、フィルタ部32を通る。フィルタ部32を通った水は浄化され、冷水側水供給管L401から冷水タンク40へ導入される。
冷水タンク40から出た冷水は、電磁弁SV62を通って冷水吐出管L402から延びる循環管L62に入り、ポンプ部30の吸込み側(ボトムポンプ30a及びボトムポンプ30bの吸込み側)へと戻った後、再びフィルタ部32を通る。
このように、冷水タンク40の冷水がフィルタ部32を通って循環することにより、冷水中の雑菌の繁殖が抑制される。
【0048】
以上説明したように、本実施の形態に係る製水装置10によれば、給水タンク22を備えているため、供給できる水が不足する可能性が低減される。
【0049】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
【符号の説明】
【0050】
10 製水装置
12 冷却部
20 製水タンク
22 給水タンク
30 ポンプ部
30a、30b ボトムポンプ
30c トップポンプ
32 フィルタ部
40 冷水タンク
42 温水タンク
50 制御部
102 供給口
122 ファン
124 放熱器
126 エバポレータ
128 ヘパフィルタ
202 水位センサ
222 接続口
224 容器
225 持手
226 上蓋
228 給水ノズル
228a 第1の管部
228b 第2の管部
228c エルボ
230 取手
234 ボルト
232 水受け
CV40、CV42、CV50、CV52 逆止弁
H228 孔
L401 冷水側水供給管
L402 冷水吐出管
L421 温水側水供給管
L422 温水吐出管
L60 圧抜管
L62 循環管
SV20、SV22、SV40、SV42、SV60、SV62 電磁弁