(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025235
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】半導体装置、半導体装置の製造方法、および、アライメントマークの配置方法
(51)【国際特許分類】
H01L 25/07 20060101AFI20240216BHJP
H01L 21/60 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
H01L25/08 C
H01L21/60 311Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022128507
(22)【出願日】2022-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100213654
【弁理士】
【氏名又は名称】成瀬 晃樹
(72)【発明者】
【氏名】山本 進
(72)【発明者】
【氏名】松重 英希
(72)【発明者】
【氏名】豊田 現
【テーマコード(参考)】
5F044
【Fターム(参考)】
5F044QQ09
(57)【要約】
【課題】チップ間の貼合をより適切に行うことができる半導体装置、半導体装置の製造方法、および、アライメントマークの配置方法を提供する。
【解決手段】本実施形態による半導体装置は、第1チップと、第1チップと貼合された第2チップと、を備える。第1チップは、貼合面の第1領域に設けられる第1アライメントマークと、第1領域とは異なる貼合面の第2領域に設けられる複数の第1ダミーパッドと、を有する。第2チップは、第1アライメントマークに対応して貼合面に設けられる第2アライメントマークと、第2アライメントマークとは異なる貼合面の領域に設けられる複数の第2ダミーパッドと、を有する。第1領域における第1アライメントマークの被覆率は、第2領域における第1ダミーパッドの被覆率と略同じである。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1チップと、
前記第1チップと貼合された第2チップと、
を備え、
前記第1チップは、
貼合面の第1領域に設けられる第1アライメントマークと、
前記第1領域とは異なる前記貼合面の第2領域に設けられる複数の第1ダミーパッドと、
を有し、
前記第2チップは、
前記第1アライメントマークに対応して前記貼合面に設けられる第2アライメントマークと、
前記第2アライメントマークとは異なる前記貼合面の領域に設けられる複数の第2ダミーパッドと、
を有し、
前記第1領域における前記第1アライメントマークの被覆率は、前記第2領域における前記第1ダミーパッドの被覆率と略同じである、半導体装置。
【請求項2】
前記第1アライメントマークは、複数のアライメントパッドを有し、
前記第1領域における複数の前記アライメントパッドは、前記第2領域における複数の前記第1ダミーパッドとは異なるコントラストを有する、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1アライメントマークは、複数のアライメントパッドを有し、
前記アライメントパッドおよび前記第1ダミーパッドのいずれか一方は、他方よりもサイズが大きく、かつ、ピッチが大きい、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記アライメントパッドのサイズは、前記第1ダミーパッドのサイズよりも小さく、
前記アライメントパッド間のピッチは、前記第1ダミーパッド間のピッチよりも小さい、請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記アライメントパッドのサイズは、前記第1ダミーパッドのサイズよりも大きく、
前記アライメントパッド間のピッチは、前記第1ダミーパッド間のピッチよりも大きい、請求項3に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1ダミーパッドは、前記アライメントパッド間にさらに設けられる、請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1アライメントマークは、複数のアライメントパッドを有し、
前記アライメントパッドおよび前記第1ダミーパッドの少なくとも一方は、三角形の格子状に配置される、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第1アライメントマークは、複数のアライメントパッドを有し、
前記アライメントパッドの形状は、前記第1ダミーパッドの形状とは異なる、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第1アライメントマークは、複数のアライメントパッドを有し、
複数の前記アライメントパッドは、2つ以上の前記アライメントパッドで構成される第1パターンごとに、前記第1領域に配置され、
複数の前記第1ダミーパッドは、2つ以上の前記第1ダミーパッドで構成される第2パターンごとに、前記第2領域に配置され、
前記第1パターンにおける前記アライメントパッドの被覆率は、前記第2パターンにおける前記第1ダミーパッドの被覆率と略同じである、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項10】
複数の前記第1パターンは、連なるように並べて配置される、請求項9に記載の半導体装置。
【請求項11】
所定範囲を前記所定範囲の1辺の所定数分の1移動させた位置ごとにおける、前記所定範囲に対する、前記第1アライメントマークおよび前記第1ダミーパッドの被覆率は、25±20%の範囲内であり、
前記所定範囲は、前記第1ダミーパッドの最大長辺の所定数倍のサイズを有する、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記第1アライメントマークは、前記貼合面に平行な軸に対して非対称である、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記第1チップは、
第1半導体素子と、
前記第1半導体素子と電気的に接続され、前記第1チップを貫通する第1柱状電極と、
を有し、
前記第2チップは、
第2半導体素子と、
前記第2半導体素子と電気的に接続され、前記第2チップを貫通する第2柱状電極と、
を有し、
前記第1柱状電極は、前記第2柱状電極と電気的に接続される、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項14】
第1チップの第1面に、第1領域に設けられる第1アライメントマーク、および、前記第1領域とは異なる第2領域に設けられる複数の第1ダミーパッドを形成するとともに、第2チップの第2面に、前記第1アライメントマークに対応して設けられる第2アライメントマーク、および、第2アライメントマークとは異なる領域に設けられる複数の第2ダミーパッドを形成し、
前記第1アライメントマークおよび前記第2アライメントマークに基づいて、前記第1チップの前記第1面と、前記第2チップの前記第2面と、を貼り合わせる、
ことを具備し、
前記第1領域における前記第1アライメントマークの被覆率が、前記第2領域における前記第1ダミーパッドの被覆率と略同じになるように、前記第1アライメントマークおよび複数の前記第1ダミーパッドを形成する、ことをさらに具備する、半導体装置の製造方法。
【請求項15】
第1チップの絶縁膜の第1領域に第1凹部を形成するとともに、前記絶縁膜の第2領域に第2凹部を形成し、
前記絶縁膜上、並びに、前記第1凹部および前記第2凹部の内部に、導電体を形成し、
前記絶縁膜が露出するまで前記導電体を研磨することにより、前記第1領域に設けられる複数の第1ダミーパッド、および、前記第2領域に設けられる第1アライメントマークを形成する、
ことを具備し、
前記第1領域における前記第1アライメントマークの被覆率が、前記第2領域における前記第1ダミーパッドの被覆率と略同じになるように、前記第1凹部および前記第2凹部を形成する、ことをさらに具備する、アライメントマークの配置方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、半導体装置、半導体装置の製造方法、および、アライメントマークの配置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体パッケージにおいて、TSV(Through Silicon Via)が設けられたチップ同士を接合することにより、複数のチップを積層する場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
チップ間の貼合をより適切に行うことができる半導体装置、半導体装置の製造方法、および、アライメントマークの配置方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態による半導体装置は、第1チップと、第1チップと貼合された第2チップと、を備える。第1チップは、貼合面の第1領域に設けられる第1アライメントマークと、第1領域とは異なる貼合面の第2領域に設けられる複数の第1ダミーパッドと、を有する。第2チップは、第1アライメントマークに対応して貼合面に設けられる第2アライメントマークと、第2アライメントマークとは異なる貼合面の領域に設けられる複数の第2ダミーパッドと、を有する。第1領域における第1アライメントマークの被覆率は、第2領域における第1ダミーパッドの被覆率と略同じである。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態による半導体装置の構成の一例を示す断面図である。
【
図2A】第1実施形態によるインターポーザの構成の一例を示す図である。
【
図2B】第1実施形態による半導体チップの構成の一例を示す図である。
【
図3】第1実施形態によるアライメントマークおよびダミーパッドの構成の一例を示す図である。
【
図4A】第1実施形態によるアライメントマークの配置方法の一例を示す断面図である。
【
図4B】
図4Aに続く、アライメントマークの配置方法の一例を示す断面図である。
【
図4C】
図4Bに続く、アライメントマークの配置方法の一例を示す断面図である。
【
図5】第1実施形態による半導体装置の製造方法の一例を示す図である。
【
図6】比較例によるアライメントマークおよびダミーパッドの構成の一例を示す図である。
【
図7】第2実施形態によるアライメントマークおよびダミーパッドの構成の一例を示す図である。
【
図8】第2実施形態によるマーク領域およびダミー領域の一例を示す図である。
【
図9】第2実施形態による被覆率算出範囲の一例を示す図である。
【
図10】第3実施形態によるアライメントマークおよびダミーパッドの構成の一例を示す図である。
【
図11】第4実施形態によるアライメントマークおよびダミーパッドの構成の一例を示す図である。
【
図12】第5実施形態によるアライメントマークおよびダミーパッドの構成の一例を示す図である。
【
図13】第6実施形態によるアライメントマークおよびダミーパッドの構成の一例を示す図である。
【
図14】第6実施形態の変形例によるアライメントマークおよびダミーパッドの構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態を説明する。本実施形態は、本発明を限定するものではない。図面は模式的または概念的なものであり、各部分の比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。明細書と図面において、既出の図面に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態による半導体装置1の構成の一例を示す断面図である。
【0009】
半導体装置1は、メモリチップ積層体10、インターポーザ20、インターフェースチップ(IFチップ)30、配線層50、および、樹脂42、45を備えている。
【0010】
尚、
図1は、基板(配線層50)の表面に平行で互いに垂直なX方向およびY方向と、基板(配線層50)の表面に垂直なZ方向とを示している。本明細書では、+Z方向を上方向として取り扱い、-Z方向を下方向として取り扱う。-Z方向は、重力方向と一致していても一致していなくてもよい。
【0011】
メモリチップ積層体10は、複数の半導体チップ11a~11cが積層されて形成されている。各半導体チップ11b、11cは、半導体チップ11b、11cの内部を垂直に貫通する貫通電極(TSV)15を有している。本図では、メモリチップ積層体10の最上段に位置する半導体チップ11aは、貫通電極15を有していないが、貫通電極15を有していてもよい。複数の半導体チップ11a~11cは、貫通電極15によって互いに接続されている。各半導体チップ11a~11cには、メモリセルアレイ等の半導体素子が設けられる。各半導体チップ11a~11cは、例えば、NAND型フラッシュメモリを有するメモリチップである。
【0012】
半導体チップ11aは、基板12aと、絶縁膜13aと、を有する。基板12aは、半導体基板である。基板12aの材料は、例えば、シリコン(Si)である。絶縁膜13aは、例えば、シリコン酸化膜等の絶縁膜である。絶縁膜13aは、基板12aの下面に設けられる。
【0013】
半導体チップ11a、11bは、貼合面S1で貼合されている。
【0014】
半導体チップ11bは、基板12bと、絶縁膜13b、14bと、を有する。基板12bは、半導体基板である。基板12bの材料は、例えば、シリコン(Si)である。絶縁膜13b、14bは、例えば、シリコン酸化膜等の絶縁膜である。絶縁膜13bは、基板12bの上面に設けられる。絶縁膜14bは、基板12bの下面に設けられる。
【0015】
半導体チップ11b、11cは、貼合面S2で貼合されている。
【0016】
半導体チップ11cは、基板12cと、絶縁膜13c、14cと、を有する。基板12cは、半導体基板である。基板12cの材料は、例えば、シリコン(Si)である。絶縁膜13c、14cは、例えば、シリコン酸化膜等の絶縁膜である。絶縁膜13cは、基板12cの上面に設けられる。絶縁膜14cは、基板12cの下面に設けられる。
【0017】
半導体チップ11cおよびインターポーザ20は、貼合面S3で貼合されている。
【0018】
また、
図1に示す例では、半導体チップ11a~11cは、金属パッド16をさらに有する。金属パッド16は、貼合面S1~S3で露出するように、絶縁膜13a、13b、14b、13c、14c内に設けられる。金属パッド16の材料は、例えば、銅(Cu)またはアルミニウム(Al)である。
【0019】
金属パッド16は、アクティブパッド161と、アライメントマーク162と、ダミーパッド163と、を有する。
【0020】
アクティブパッド161は、隣接する半導体チップの貫通電極(柱状電極)15を電気的に接続する。アクティブパッド161は、半導体装置1内の半導体素子と電気的に接続される。アクティブパッド161は、半導体装置1を動作させるための信号および電力の伝達用に使用されるパッドである。
【0021】
アライメントマーク162は、隣接する半導体チップの貼合の際の位置合わせを行うために設けられる。
【0022】
半導体チップ11bのアライメントマーク162は、貼合面S2のマーク領域Rmに設けられる。半導体チップ11cのアライメントマーク162は、半導体チップ11bのアライメントマーク162に対応して貼合面S2に設けられる。
【0023】
ダミーパッド163は、半導体装置1の動作には寄与しない金属パッドである。ダミーパッド163は、貼合面における金属パッド16の密度を調整するために配置される。ダミーパッド163は、例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)の際の過研磨および金属パッド16のディッシング等を抑制するために設けられる。
【0024】
半導体チップ11bの複数のダミーパッド163は、マーク領域Rmとは異なる貼合面S2のダミー領域Rdに設けられる。半導体チップ11cの複数のダミーパッド163は、半導体チップ11cのアライメントマーク162とは異なる貼合面S2の領域に設けられる。
【0025】
尚、半導体チップは、3段に限られず、2段または4段以上に積層されてもよい。また、半導体チップ11a、11b、11cの構成の詳細については、
図2Bを参照して、後で説明する。
【0026】
インターポーザ20は、メモリチップ積層体10の下方に設けられ、最下層の半導体チップ11cと貼合されている。インターポーザ20は、基板22と、絶縁膜23、24と、を有する。基板22の材料は、例えば、シリコン(Si)である。絶縁膜23、24は、例えば、シリコン酸化膜等の絶縁膜である。この場合、インターポーザ20は、シリコンインターポーザである。また、インターポーザ20は、貫通電極25および金属パッド26を有する。金属パッド26は、インターポーザ20の上面および下面に設けられる。貫通電極25は、金属パッド26と電気的に接続されている。
【0027】
尚、インターポーザ20の構成の詳細については、
図2Aを参照して、後で説明する。
【0028】
IFチップ30は、メモリチップ積層体10を構成する複数の半導体チップ11a~11cと外部デバイス(図示せず)との間でデータ通信を行うためのインターフェース回路(IF回路)を備えている。IFチップ30は、インターポーザ20と、内部接続端子であるバンプ(マイクロバンプ)MBP等を介して接続されている。IFチップ30は、インターポーザ20の配線層50側の面に配置されている。但し、IFチップ30は、
図1の位置に限定されず、例えば、メモリチップ積層体10の半導体チップ11a~11c間等に配置されてもよいし、IFチップ30自体は設けずに、IF回路を半導体チップ11a~11c内に搭載してもよい。IFチップ30の幅は、半導体チップ11a~11c(メモリチップ積層体10)の幅より小さくなっている。
【0029】
配線層50は、インターポーザ20およびIFチップ30の下方に設けられている。配線層50は、内部接続端子であるバンプ(ラージバンプ)LBPを介して、インターポーザ20と接続されている。配線層50のインターポーザ20と反対側の面には、外部接続端子であるバンプBPが設けられている。バンプBPは、配線層50内の配線網(図示せず)を介して、バンプLBPと電気的に接続されている。本図のように半導体装置1をBGA(Ball Grid Array)パッケージとして使用する場合、バンプBPは、はんだボール、はんだメッキ、Auメッキ等を有する突起端子で構成される。但し、本実施形態の半導体装置1は、バンプBPとして金属ランドを設けたLGA(Land Grid Array)型やCSP(Chip Size Package)型等の他の半導体パッケージにも適用できる。
【0030】
配線層50は、例えば、絶縁樹脂基板または絶縁樹脂層の表面及び内部に配線網(図示せず)を設けたものである。配線層50としては、具体的には、ガラス-エポキシ樹脂やBT樹脂(ビスマレイミド・トリアジン樹脂)等の絶縁樹脂を使用したプリント配線板(多層プリント基板等)が用いられる。尚、配線層50としては、インターポーザ、配線基板、パッケージ基板、または、チップもしくはインターポーザ上に直接形成される再配線層も含まれる。
【0031】
樹脂42は、メモリチップ積層体10を覆うように設けられる。樹脂45は、樹脂42およびインターポーザ20を覆うように設けられ、また、インターポーザ20と配線層50との間に設けられている。
【0032】
樹脂42及び45は、例えば、熱硬化性樹脂である。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、アミン系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリイミド系樹脂等にシリカ等の充填材(フィラー)を混合したものが用いられる。樹脂42と樹脂45とは、例えば、成分が異なる材料が用いられる。樹脂42は、例えば、エポキシ系樹脂であり、フィラー粒子の小さな材料、液状の浸透し易い材料が望ましい。樹脂45は、例えば、エポキシ系樹脂であり、フィラー粒子が大きく、熱膨張係数がメモリチップ積層体10、インターポーザ20、およびIFチップ30の材料に近い材料が望ましい。このように、樹脂42と樹脂45は、同じエポキシ系樹脂であっても、成分が異なることが望ましい。但し、樹脂42と樹脂45は、同じ成分の同じ材料であってもよい。
【0033】
次に、インターポーザ20および半導体チップ11a、11b、11cの詳細ついて説明する。
【0034】
図2Aは、第1実施形態によるインターポーザ20の構成の一例を示す図である。
図2Aは、
図1に示すインターポーザ20を紙面下方から見た図である。尚、金属パッド26の数および配置等は、
図2Aに示す例に限られない。
【0035】
インターポーザ20の中心部には、バンプMBPと接続される金属パッド26が設けられる。インターポーザ20の中心部の金属パッド26の一部は、貫通電極25を介して、半導体チップ11a、11b、11cと接続される。バンプMBPと接続される金属パッド26の周囲には、バンプLBPと接続される金属パッド26が設けられる。
【0036】
図2Bは、第1実施形態による半導体チップ11a、11b、11cの構成の一例を示す図である。
図2Bは、
図1に示す半導体チップ11a、11b、11cを紙面下方から見た図である。尚、
図2Bでは、アクティブパッド161は示されているが、アライメントマーク162およびダミーパッド163は省略されている。尚、アクティブパッド161の数および配置等は、
図2Bに示す例に限られない。
【0037】
半導体チップ11a、11b、11cの中心部には、アクティブパッド161が設けられる。半導体チップ11a、11b、11cの中心部は、アクティブ領域Raである。
【0038】
アクティブ領域Raの周囲は、マーク領域Rmおよびダミー領域Rdである。マーク領域Rmには、アライメントマーク162が設けられる。ダミー領域Rdには、ダミーパッド163が設けられる。
【0039】
次に、マーク領域Rm内のアライメントマーク162、および、ダミー領域Rd内のダミーパッド163の詳細について説明する。
【0040】
図3は、第1実施形態によるアライメントマーク162およびダミーパッド163の構成の一例を示す図である。尚、
図3は、
図2Bにおける半導体チップ11a、11b、11cの角部の破線枠Dを拡大した図でもある。
【0041】
ダミーパッド163は、
図3において、マーク領域Rm以外の領域であるダミー領域Rdに設けられる。ダミーパッド163は、例えば、略正方形の形状を有する。ダミーパッド163は、例えば、格子状に配置されている。
【0042】
ダミーパッド163のX方向のサイズAxは、例えば、約5μmである。ダミーパッド163のY方向のサイズAyは、例えば、約5μmである。ダミーパッド163間のX方向のピッチBxは、例えば、約5μmである。ダミーパッド163間のY方向のピッチByは、例えば、約5μmである。
【0043】
尚、ピッチBxは、X方向に沿った、隣接する2つのダミーパッド163の対向する端部間の距離を示す。ピッチByは、Y方向に沿った、隣接する2つのダミーパッド163の対向する端部間の距離を示す。
【0044】
ダミー領域Rdにおけるダミーパッド163の被覆率CV1は、サイズAx、AyおよびピッチBx、Byを用いて、式1により表される。
CV1=(Ax×Ay)÷{(Ax+Bx)×(Ay+By)}×100 (式1)
被覆率CV1は、上記のサイズAx、AyおよびピッチBx、Byを用いて計算され、例えば、約25%である。
【0045】
アライメントマーク162は、マーク領域Rmに設けられる。アライメントマーク162は、複数のアライメントパッド162pを有する。アライメントパッド162pは、例えば、略正方形の形状を有する。アライメントパッド162pは、例えば、格子状に配置されている。
【0046】
アライメントパッド162pのX方向のサイズCxは、例えば、約2.5μmである。アライメントパッド162pのY方向のサイズCyは、例えば、約2.5μmである。アライメントパッド162p間のX方向のピッチDxは、例えば、約2.5μmである。アライメントパッド162p間のY方向のピッチDyは、例えば、約2.5μmである。
【0047】
尚、ピッチDxは、X方向に沿った、隣接する2つのアライメントパッド162pの対向する端部間の距離を示す。ピッチDyは、Y方向に沿った、隣接する2つのアライメントパッド162pの対向する端部間の距離を示す。
【0048】
マーク領域Rmにおけるアライメントパッド162p(アライメントマーク162)の被覆率CV2は、サイズCx、CyおよびピッチDx、Dyを用いて、式2により表される。
CV2=(Cx×Cy)÷{(Cx+Dx)×(Cy+Dy)}×100 (式2)
被覆率CV2は、上記のサイズCx、CyおよびピッチDx、Dyを用いて例えば、約25%である。
【0049】
マーク領域Rmにおけるアライメントマーク162の被覆率CV2は、ダミー領域Rdにおけるダミーパッド163の被覆率CV1と略同じである。尚、被覆率について「略同じ」とは、必ずしも同じである必要はなく、ある程度の差を許容する。例えば、アライメントマーク162の被覆率CV2と、第1ダミーパッドの被覆率CV1と、の差は、小さいほど好ましい。これにより、CMPにより金属パッド16を形成する際の過研磨およびディッシング等を抑制することができる。この結果、チップ同士をより適切に貼合することができる。
【0050】
また、アライメントパッド162pおよびダミーパッド163のいずれか一方は、他方よりもサイズが大きく、かつ、ピッチが大きい。これにより、マーク領域Rmとダミー領域Rdとの境界を認識しやすくすることができ、アライメントマーク162を認識しやすくすることができる。
図3に示す例では、アライメントパッド162pのサイズは、ダミーパッド163のサイズよりも小さい。アライメントパッド162p間のピッチは、ダミーパッド163間のピッチよりも小さい。
【0051】
次に、アライメントマーク162およびダミーパッド163の配置方法について説明する。
【0052】
図4A~
図4Cは、第1実施形態によるアライメントマーク162の配置方法の一例を示す断面図である。
図4A~4Cは、半導体チップ11bの絶縁膜14bにアライメントマーク162およびダミーパッド163を形成する場合の例を示す。
【0053】
まず、
図4Aに示すように、半導体チップ11bの絶縁膜14bの第1領域に凹部143を形成するとともに、絶縁膜14bの第2領域に凹部144を形成する。第1領域は、マーク領域Rmに対応する領域である。第2領域は、ダミー領域Rdに対応する領域である。尚、
図4Aに示す例では、アクティブ領域Raに対応する領域に、貫通孔141および凹部142も形成されている。
【0054】
次に、
図4Bに示すように、絶縁膜14b上、並びに、貫通孔141および凹部142~144の内部に、導電体145を形成する。導電体145は、例えば、銅(Cu)またはアルミニウム(Al)を含む。
【0055】
次に、
図4Cに示すように、絶縁膜14bが露出するまで導電体145を研磨する。研磨は、例えば、CMPにより行われる。これにより、マーク領域Rmに設けられるアライメントマーク162、および、ダミー領域Rdに設けられるダミーパッド163が形成される。尚、
図4Cに示す例では、貫通電極15およびアクティブパッド161も形成されている。
【0056】
次に、半導体装置1の製造方法について説明する。
【0057】
図5は、第1実施形態による半導体装置1の製造方法の一例を示す図である。
【0058】
図4A~
図4Cと同様の工程により、半導体チップ11bの第1面に、アライメントマーク162およびダミーパッド163が形成される。同様に、半導体チップ11cの第2面にもアライメントマーク162およびダミーパッド163が形成される。
【0059】
半導体チップ11bのアライメントマーク162、および、半導体チップ11cのアライメントマーク162に基づいて、半導体チップ11cの第1面と、半導体チップ11bの第2面と、を貼り合わせる。
【0060】
図5に示す例では、例えば、画像認識を用いて2つの半導体チップ11b、11cの位置合わせを行う。位置合わせ装置に含まれるカメラは、例えば、半導体チップ11b、11cの間に挿入され、半導体チップ11b、11cのそれぞれの面を撮像する。撮像された画像から、アライメントマーク162が認識される。画像認識は、例えば、機械学習等のAI((Artificial Intelligence)技術を用いて行われてもよい。認識されたアライメントマーク162に基づいて、位置合わせが行われる。
【0061】
その後、貼合アニールを行うことによって、半導体チップ11b、11cの貼合が行われる。これにより、半導体チップ11bのアライメントマーク162、および、半導体チップ11cのアライメントマーク162が接合されるとともに、半導体チップ11bのダミーパッド163、および、半導体チップ11cのダミーパッド163が接合される。
【0062】
以上のように、第1実施形態によれば、マーク領域Rmにおけるアライメントマーク162の被覆率は、ダミー領域Rdにおけるダミーパッド163の被覆率と略同じである。これにより、CMPにおいてディッシングを抑制することができる。この結果、チップ同士をより適切に接合することができる。
【0063】
また、隣接する半導体チップの貫通電極15間には、バンプ等が設けられない。半導体チップ表面に露出する金属パッド16(配線)同士が接合されることにより、半導体チップが貼合される。これにより、メモリチップ積層体10をより薄くすることができる。
【0064】
また、
図3に示すアライメントマーク162は、L字状である。アライメントマーク162は、貼合面S2に平行な軸に対して非対称であることが好ましい。これにより、上下左右を識別することができる。
【0065】
(比較例)
図6は、比較例によるアライメントマーク162およびダミーパッド163の構成の一例を示す図である。比較例では、アライメントマーク162付近に、ダミー禁止領域が設けられる点で、第1実施形態とは異なっている。
【0066】
アライメントマーク162の認識は、例えば、
図5を参照して説明したように、アライメントマーク162を撮像(光学的に測定)した後、画像認識によって行われる。アライメントマーク162の認識精度を向上させるために、アライメントマーク162の周囲に、ダミーパッド163が設けられないダミー禁止領域Rmaが設けられる場合がある。しかし、ダミー禁止領域Rmaにおけるアライメントマーク162の被覆率が低いため、CMPにおいてアライメントマーク162のディッシングの影響が大きくなってしまう可能性がある。ディッシングの影響が大きい場合、熱処理によってアライメントマーク162が膨張しても、対向するアライメントマーク162との接合が適切に行われずに空隙が生じてしまう可能性がある。
【0067】
これに対して、第1実施形態では、ダミー禁止領域Rmaが設けられない。例えば、アライメントマーク162の周囲において、アライメントマーク162とダミーパッド163との間の距離は、ダミーパッド163間の距離と同程度である。すなわち、アライメントマーク162の付近までダミーパッド163が設けられ、アライメントマーク162およびその周辺のダミー領域Rdにおける被覆率が、より均一になる。これにより、アライメントマーク162のディッシングを抑制することができる。この結果、チップ同士をより適切に貼合することができる。
【0068】
また、第1実施形態では、マーク領域Rmにおける複数のアライメントパッド162pは、ダミー領域Rdにおける複数のダミーパッドとは異なるコントラストを有する。ダミー禁止領域Rmaが設けられない場合であっても、マーク領域Rmとダミー領域Rdとの間のコントラスト(テクスチャ)の差により、マーク領域Rmとダミー領域Rdとの境界を認識しやすくすることができる。この結果、アライメントマーク162を認識しやすくすることができる。
【0069】
(第2実施形態)
図7は、第2実施形態によるアライメントマーク162およびダミーパッド163の構成の一例を示す図である。第2実施形態は、アライメントパッド162pとダミーパッド163との間におけるサイズの大小関係が逆になっている点で、第1実施形態とは異なっている。
【0070】
図7に示す例では、アライメントパッド162pのサイズは、ダミーパッド163のサイズよりも大きい。アライメントパッド162p間のピッチは、ダミーパッド163間のピッチよりも大きい。
【0071】
ダミーパッド163のX方向のサイズAxは、例えば、約2.5μmである。ダミーパッド163のY方向のサイズAyは、例えば、約2.5μmである。ダミーパッド163間のX方向のピッチBxは、例えば、約2.5μmである。ダミーパッド163間のY方向のピッチByは、例えば、約2.5μmである。
【0072】
ダミー領域Rdにおけるダミーパッド163の被覆率CV1は、サイズAx、AyおよびピッチBx、Byを用いて、式1により表される。被覆率CV1は、上記のサイズAx、AyおよびピッチBx、Byを用いて計算され、例えば、約25%である。
【0073】
アライメントパッド162pのX方向のサイズCxは、例えば、約5μmである。アライメントパッド162pのY方向のサイズCyは、例えば、約5μmである。アライメントパッド162p間のX方向のピッチDxは、例えば、約5μmである。アライメントパッド162p間のY方向のピッチDyは、例えば、約5μmである。
【0074】
マーク領域Rmにおけるアライメントパッド162p(アライメントマーク162)の被覆率CV2は、サイズCx、CyおよびピッチDx、Dyを用いて、式2により表される。被覆率CV2は、上記のサイズCx、CyおよびピッチDx、Dyを用いて計算され、例えば、約25%である。
【0075】
第2実施形態においても、アライメントマーク162の被覆率CV2は、ダミーパッド163の被覆率CV1と略同じである。これにより、チップ同士をより適切に貼合することができる。また、アライメントマーク162は、第1実施形態において説明したように、マーク領域Rmとダミー領域Rdとの間のコントラストの違いによって認識される。
【0076】
図8は、第2実施形態によるマーク領域Rmおよびダミー領域Rdの一例を示す図である。
図8の左側は、
図8の右側の一部を拡大した拡大図である。
【0077】
図8に示すように、マーク領域Rmとダミー領域Rdとの境界において、アライメントパッド162pとダミーパッド163との間の距離は、アライメントパッド162p間のピッチ、または、ダミーパッド163間のピッチと同程度である。上記のように、コントラストの違いにより、アライメントマーク162を認識することができる。
【0078】
図9は、第2実施形態による被覆率算出範囲の一例を示す図である。
【0079】
図9に示す例では、4つの範囲DRC1~DRC4が示されている。範囲DRC1~4は、金属パッド16の被覆率の算出が行われる被覆率算出範囲(デザインルールチェックボックス)の例である。尚、範囲DRC2は、範囲DRC1に対してX方向(
図9の紙面左右方向)に近接する位置における被覆率算出範囲の例を示す。範囲DRC3、DRC4は、被覆率算出範囲のサイズを説明するための例である。
【0080】
被覆率算出範囲のサイズが極端に小さい場合、金属パッド16の被覆率は、極端に小さい値、または、極端に大きい値になってしまう可能性がある。
図9に示す範囲DRC4のサイズは、アライメントパッド162pまたはダミーパッド163のサイズと同程度である。
図9に示す範囲DRC4にはアライメントパッド162pおよびダミーパッド163が含まれないため、被覆率は約0%である。
【0081】
被覆率算出範囲は、アライメントパッド162pまたはダミーパッド163の最大長辺の所定数倍のサイズを有することが好ましい。
【0082】
図9に示す範囲DRC3の1辺のサイズは、ダミーパッド163の1辺の約4倍である。範囲DRC3に対するダミーパッド163の被覆率は、例えば、約25%である。しかし、このサイズでも測定する場所によっては、被覆率が安定しないことがある。そこで、後述するDRC1、DRC2のように被覆率算出範囲の1辺のサイズは、例えば、ダミーパッド163の最大長辺の約10倍~20倍程度が好ましい。
【0083】
被覆率算出範囲を被覆率算出範囲の1辺の所定数分の1移動させた位置ごとにおける、被覆率算出範囲に対する、アライメントマーク162およびダミーパッド163の被覆率は、例えば、約25±20%の範囲内であると好ましい。
【0084】
図9に示す範囲DRC1、DRC2の1辺のサイズは、例えば、ダミーパッド163の1辺の約20倍、または、アライメントパッド162pの1辺の約10倍である。範囲DRC1、DRC2のそれぞれには、アライメントマーク162およびダミーパッド163の両方が含まれる。範囲DRC2は、範囲DRC1を
図9の紙面右方向に、範囲DRC1の1辺の約2分の1程度移動させた範囲を示す。すなわち、デザインルールチェックのステップピッチは、範囲DRC1の1辺の約2分の1程度である。ステップピッチごとに範囲DRC1を移動させ、範囲DRC1がいずれの位置であっても被覆率が約25±20%の範囲内にあるように、アライメントパッド162pおよびダミーパッド163が設計される。
【0085】
第2実施形態のように、アライメントパッド162pとダミーパッド163との間におけるサイズの大小関係が逆になっていてよい。第2実施形態による半導体装置1は、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0086】
(第3実施形態)
図10は、第3実施形態によるアライメントマーク162およびダミーパッド163の構成の一例を示す図である。第3実施形態は、アライメントパッド162p間にダミーパッド163がさらに設けられている点で、第2実施形態とは異なっている。
【0087】
ダミーパッド163は、アライメントパッド162p間の隙間を埋めるようにさらに設けられる。
【0088】
第3実施形態のように、ダミーパッド163がアライメントパッド162p間にさらに設けられてもよい。第3実施形態による半導体装置1は、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0089】
(第4実施形態)
図11は、第4実施形態によるアライメントマーク162およびダミーパッド163の構成の一例を示す図である。第4実施形態では、第3実施形態と比較して、ダミーパッド163の配置が異なっている。
【0090】
アライメントパッド162pおよびダミーパッド163の少なくとも一方は、三角形の格子状に配置される。
図11に示す例では、ダミーパッド163は、三角形の格子状に配置されている。
【0091】
Y方向に沿ったダミーパッド163は、X方向に、ダミーパッド163間のピッチの約2分の1交互にずれて配置されている。これにより、マーク領域Rmとダミー領域Rdとの境界を認識しやすくすることができる。また、XY面内におけるダミーパッド163間の距離をより均一にすることができる。
【0092】
第4実施形態のように、ダミーパッド163の配置が変更されてもよい。第4実施形態による半導体装置1は、第3実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0093】
尚、
図11に示す例では、ダミーパッド163は、アライメントパッド162p間に配置されている。しかし、ダミーパッド163は、
図7に示すように、アライメントパッド162p間に配置されていなくてもよい。また、
図3に示すように、アライメントパッド162pのサイズがダミーパッド163よりも小さい場合、アライメントパッド162pが三角形の格子状に配置されていてもよい。
【0094】
(第5実施形態)
図12は、第5実施形態によるアライメントマーク162およびダミーパッド163の構成の一例を示す図である。第5実施形態では、第2実施形態と比較して、アライメントパッド162pの形状が異なっている。
【0095】
アライメントパッド162pの形状は、ダミーパッド163の形状とは異なっている。
図12に示す例では、アライメントパッド162pの形状は、略矩形である。
【0096】
アライメントパッド162pのX方向のサイズCxは、例えば、約12.5μmである。アライメントパッド162pのY方向のサイズCyは、例えば、約3μmである。アライメントパッド162p間のX方向のピッチDxは、例えば、約2.5μmである。アライメントパッド162p間のY方向のピッチDyは、例えば、約7μmである。
【0097】
マーク領域Rmにおけるアライメントパッド162p(アライメントマーク162)の被覆率CV2は、サイズCx、CyおよびピッチDx、Dyを用いて、式2により表される。被覆率CV2は、例えば、約25%である。
【0098】
アライメントパッド162pとダミーパッド163との間の形状の差により、アライメントマーク162をさらに認識しやすくすることができる。
【0099】
第5実施形態のように、アライメントパッド162pの形状が変更されてもよい。第5実施形態による半導体装置1は、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0100】
尚、アライメントパッド162pに限られず、ダミーパッド163の形状が変更されてもよい。
【0101】
(第6実施形態)
図13は、第6実施形態によるアライメントマーク162およびダミーパッド163の構成の一例を示す図である。第6実施形態では、第1実施形態と比較して、アライメントパッド162pおよびダミーパッド163の配置が異なっている。
【0102】
アライメントパッド162pは、2つ以上のアライメントパッド162pで構成されるパターンAにより配置される。パターンAは、例えば、X字状である。複数のアライメントパッド162pは、パターンAごとに、マーク領域Rmに配置される。
【0103】
ダミーパッド163は、2つ以上のダミーパッド163で構成されるパターンBにより配置される。パターンBは、例えば、十字状である。複数のダミーパッド163は、パターンBごとに、ダミー領域Rdに配置される。
【0104】
パターンAにおけるアライメントパッド162pの被覆率は、パターンBにおけるダミーパッド163の被覆率と略同じである。
図13に示す例では、アライメントパッド162pのサイズは、ダミーパッド163のサイズと略同じである。パターンAに含まれるアライメントパッド162pの数、および、パターンBに含まれるダミーパッド163の数は、同じ5個である。従って、パターンAとパターンBとの間において、面積が略同じであるため、被覆率も略同じである。
【0105】
図13に示す例では、パターンAは、3カ所に分かれて配置されている。パターンAとパターンBとの境界によって、アライメントマーク162の境界を認識することができる。すなわち、パターン(集合体)の並び方の差によって、アライメントマーク162を認識することができる。
【0106】
また、第6実施形態では、アライメントパッド162pのサイズがダミーパッド163のサイズと略同じであるため、CMPによる研磨をより均一にすることができる。
【0107】
尚、
図13に示すパターンの数は、パターンAのアライメントパッド162p、および、パターンBのダミーパッド163のそれぞれで1つずつである。しかし、例えば、アライメントパッド162pおよびダミーパッド163の一方が、複数のパターンの組み合わせで配置されてもよい。
【0108】
第6実施形態のように、アライメントパッド162pおよびダミーパッド163の配置が変更されてもよい。第6実施形態による半導体装置1は、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0109】
(第6実施形態の変形例)
図14は、第6実施形態の変形例によるアライメントマーク162およびダミーパッド163の構成の一例を示す図である。第6実施形態の変形例では、第6実施形態と比較して、パターンA、Bの配置が異なっている。
【0110】
図14に示す例では、複数のパターンAが連なるように並べて配置されることにより、L字状のアライメントマーク162が構成される。
【0111】
第6実施形態の変形例のように、パターンA、Bの配置が変更されてもよい。第6実施形態の変形例による半導体装置1は、第6実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0112】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0113】
1 半導体装置、11a~11c 半導体チップ、14b 絶縁膜、141 貫通孔、142~144 凹部、145 導電体、15 貫通電極、16 金属パッド、161 アクティブパッド、162 アライメントマーク、162p アライメントパッド、163 ダミーパッド、50 配線層、Ax サイズ、Ay サイズ、Bx ピッチ、By ピッチ、Cx サイズ、Cy サイズ、Dx ピッチ、Dy ピッチ、CV1 被覆率、CV2 被覆率、DRC1~DRC4 範囲、Ra アクティブ領域、Rm マーク領域、Rd ダミー領域、S1~S3 貼合面