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  • 特開-ブロック用コンパクター 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025236
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】ブロック用コンパクター
(51)【国際特許分類】
   E01C 19/52 20060101AFI20240216BHJP
【FI】
E01C19/52
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022128510
(22)【出願日】2022-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】000175386
【氏名又は名称】三笠産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107375
【弁理士】
【氏名又は名称】武田 明広
(72)【発明者】
【氏名】永澤 賢一
(72)【発明者】
【氏名】関口 誠也
(72)【発明者】
【氏名】中込 勇一
(72)【発明者】
【氏名】堺 優太
【テーマコード(参考)】
2D052
【Fターム(参考)】
2D052AA13
2D052AD13
2D052BB01
2D052DA31
(57)【要約】
【課題】シンプルな構造でありながらローラーを確実にロックすることができ、また、振動に晒されても、ロック状態及びアンロック状態を安定的に維持することができるブレーキ機構を備えたブロック用コンパクターを提供する。
【解決手段】ブレーキパッド12は、ブレーキシャフト11の下端に固定され、前後に隣接する二つのローラー5の間の位置において、ブレーキシャフト11とともに回動可能なように構成され、ブレーキレバー13を回動させることにより、ブレーキパッド12がローラー5の外周面と接触せず、ローラー5が回転自在となるアンロック状態と、ブレーキパッド12がローラー5の外周面に対して接触し、摩擦力によりローラー5が回転不能となるロック状態とを切り換えることができるように構成した。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、ベース上に搭載された原動機と、原動機から供給される回転駆動力によって振動を発生させる起振体と、少なくとも表層が弾性材料によって構成され、ベースの下側に回転自在に配置された複数のローラーと、ローラーの回転をロックすることができるパーキングブレーキ機構とを有し、
パーキングブレーキ機構は、ブレーキシャフトと、ブレーキパッドと、ブレーキレバーとによって構成され、
ブレーキパッドは、ブレーキシャフトの下端に固定され、前記複数のローラーのうち、前後に隣接する二つのローラーの間の位置において、ブレーキシャフトとともに回動可能なように構成され、
ブレーキレバーを回動させることにより、ブレーキシャフト及びブレーキパッドを回動させて、ブレーキパッドが前記二つのローラーの外周面と接触せず、前記二つのローラーが回転自在となるアンロック状態と、ブレーキパッドが前記二つのローラーの外周面に対して接触し、摩擦力によりローラーが回転不能となるロック状態とを切り換えることができるように構成されていることを特徴とするブロック用コンパクター。
【請求項2】
パーキングブレーキ機構は、アンロック状態にあるとき、及び、ロック状態にあるとき、ブレーキレバーに形成された回動側係合手段と、ブレーキレバーの近傍位置において固定された固定側係合手段とが係合して、ブレーキレバーの回動が抑止されるように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のブロック用コンパクター。
【請求項3】
回動側係合手段としてブレーキレバーに二つのノッチが形成され、固定側係合手段としてベース上に位置決めボルトが固定され、前記二つのノッチが、パーキングブレーキ機構がアンロック状態にあるときに位置決めボルトと係合する位置、及び、ロック状態にあるときに位置決めボルトと係合する位置にそれぞれ形成されていることを特徴とする、請求項2に記載のブロック用コンパクター。
【請求項4】
ブレーキシャフト又は固定側係合手段が、弾性材料によって形成されたブッシングによって弾性的に保持されることにより、基本姿勢から傾斜可能なように構成され、回動側係合手段と固定側係合手段との係合が解除される際に、ハンドルレバーが前記ブッシングの弾性力による抵抗を受けるように構成されていることを特徴とする、請求項2に記載のブロック用コンパクター。
【請求項5】
ブレーキパッド、及び、ブレーキシャフトの下端部にボルト穴がそれぞれ形成され、それらのボルト穴に、ボルトを挿通して締め付けることによって、ブレーキパッドがブレーキシャフトに取り付けられ、
ブレーキパッドに形成されているボルト穴、又は、ブレーキシャフトの下端部に形成されているボルト穴の上下方向の寸法が、挿通されるボルトの直径よりも大きく設定され、ブレーキパッドの取り付け高さ位置を調整できるように構成されていることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のブロック用コンパクター。
【請求項6】
ブレーキパッドが、逆台形状に形成されていることを特徴とする、請求項5に記載のブロック用コンパクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歩道、車道、駐車場、或いは、庭等に、インターロッキング・ブロックを敷設する際に、並べたブロックの表面高さを揃えるために用いられるブロック用コンパクターに関する。
【背景技術】
【0002】
インターロッキング・ブロックを敷設する場合、対象地盤の外縁部分に縁石を配置し、その内側の領域の基層上に砂を撒いて敷砂層を形成し、その表面を均したうえで、多数のブロックを並べて敷き詰め、各ブロックの隙間(目地)に砂を入れ、最後に、並べたブロック表面の高さが揃うように、専用のコンパクター(ブロック用コンパクター)を用いて転圧を行う、という方法が実施されている。
【0003】
従来の一般的なブロック用コンパクターは、ベース上に搭載された原動機(エンジン又は電動モータ)と、原動機から供給される回転駆動力によって振動を発生する起振体と、ベースの下側に回転自在に配置された複数個のローラーと、機体の後方へ向かって延在する操作ハンドル等によって構成されており、並べたブロックの上を手押し走行させることにより、振動を与えながらブロックの下の敷砂層を転圧することができ、ブロックの表面高さを揃えることができる。尚、ローラーは、少なくとも表層が弾性材料(硬質ゴム等)によって構成されており、作業時における大きな騒音の発生を回避することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3156882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の一般的なブロック用コンパクターは、ローラーが回転自在に配置されているため、傾斜地等において操作ハンドルから手を放すと、重力によって機体が自走してしまう可能性がある。そこで、ローラーの回転をロックすることができるパーキングブレーキ機構を装備することが望まれるが、起振体から発せられる振動や、輸送時の振動に晒された際に、ロックが自ずから解除されてしまうことが懸念される。また、振動の影響を受けることを前提として、十分な耐久性を確保できるように、シンプルな構造とすることが必要である。
【0006】
本発明は、このような従来技術における問題を解決しようとするものであって、シンプルな構造でありながらローラーを確実にロックすることができ、また、振動に晒されても、ロック状態及びアンロック状態を安定的に維持することができるブレーキ機構を備えたブロック用コンパクターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るブロック用コンパクターは、ベースと、ベース上に搭載された原動機と、原動機から供給される回転駆動力によって振動を発生させる起振体と、少なくとも表層が弾性材料によって構成され、ベースの下側に回転自在に配置された複数のローラーと、ローラーの回転をロックすることができるパーキングブレーキ機構とを有し、パーキングブレーキ機構は、ブレーキシャフトと、ブレーキパッドと、ブレーキレバーとによって構成され、ブレーキパッドは、ブレーキシャフトの下端に固定され、前記複数のローラーのうち、前後に隣接する二つのローラーの間の位置において、ブレーキシャフトとともに回動可能なように構成され、ブレーキレバーを回動させることにより、ブレーキシャフト及びブレーキパッドを回動させて、ブレーキパッドが前記二つのローラーの外周面と接触せず、前記二つのローラーが回転自在となるアンロック状態と、ブレーキパッドが前記二つのローラーの外周面に対して接触し、摩擦力によりローラーが回転不能となるロック状態とを切り換えることができるように構成されていることを特徴としている。
【0008】
尚、パーキングブレーキ機構は、アンロック状態にあるとき、及び、ロック状態にあるとき、ブレーキレバーに形成された回動側係合手段と、ブレーキレバーの近傍位置において固定された固定側係合手段とが係合して、ブレーキレバーの回動が抑止されるように構成されていることが好ましい。
【0009】
また、回動側係合手段としてブレーキレバーに二つのノッチが形成され、固定側係合手段としてベース上に位置決めボルトが固定され、前記二つのノッチが、パーキングブレーキ機構がアンロック状態にあるときに位置決めボルトと係合する位置、及び、ロック状態にあるときに位置決めボルトと係合する位置にそれぞれ形成されていることが好ましい。
【0010】
更に、ブレーキシャフト又は固定側係合手段が、弾性材料によって形成されたブッシングによって弾性的に保持されることにより、基本姿勢から傾斜可能なように構成され、回動側係合手段と固定側係合手段との係合が解除される際に、ハンドルレバーが前記ブッシングの弾性力による抵抗を受けるように構成されていることが好ましい。
【0011】
また、ブレーキパッド、及び、ブレーキシャフトの下端部にボルト穴がそれぞれ形成され、それらのボルト穴に、ボルトを挿通して締め付けることによって、ブレーキパッドがブレーキシャフトに取り付けられ、ブレーキパッドに形成されているボルト穴、又は、ブレーキシャフトの下端部に形成されているボルト穴の上下方向の寸法が、挿通されるボルトの直径よりも大きく設定され、ブレーキパッドの取り付け高さ位置を調整できるように構成されていることが好ましい。この場合、ブレーキパッドが、逆台形状に形成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るブロック用コンパクターは、シンプルな構造でありながらローラーを確実にロックすることができるパーキングブレーキ機構を備えており、起振体から発せられる振動や、輸送時の振動に晒された場合でも、ロック状態及びアンロック状態を安定的に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明に係るブロック用コンパクター1の側面図である。
図2図2は、図1に示すパーキングブレーキ機構10(ロック状態)の構造を示す部分断面図である。
図3図3は、図1に示すパーキングブレーキ機構10を構成するブレーキレバー13の平面図である。
図4図4は、図1に示すパーキングブレーキ機構10を構成するブレーキパッド12(アンロック状態)の側面図である。
図5図5は、図1に示すパーキングブレーキ機構10の動作態様を示す部分断面図である。
図6図6は、図1に示すパーキングブレーキ機構10を構成するブレーキパッド12の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面に沿って本発明「ブロック用コンパクター」の実施形態について説明する。図1は、本発明に係るブロック用コンパクター1の側面図である。このブロック用コンパクター1は、ベース2と、ベース2上に搭載された原動機3(エンジン又は電動モータ)と、原動機3から供給される回転駆動力によって振動を発生させる起振体4と、ベース2の下側に回転自在に配置された複数個(本実施形態においては四本)のローラー5と、機体の後方へ向かって延在する操作ハンドル6等によって構成されている。
【0015】
尚、ローラー5は、少なくとも表層が弾性材料(硬質ゴム等)によって構成されている。また、ローラー5と原動機3とは動力的に接続されておらず、原動機3から出力される回転駆動力は、ローラー5には供給されないように構成されている。従って、転圧作業時においては、作業者が操作ハンドル6を把持して、手押し走行させて使用する。
【0016】
本発明に係るブロック用コンパクター1は、ローラー5の回転をロックする(回転不能な状態とする)ことができるパーキングブレーキ機構10を備えていることを特徴としている。図2は、パーキングブレーキ機構10の構造を示す部分断面図である。このパーキングブレーキ機構10は、ブレーキシャフト11、ブレーキパッド12、ブレーキレバー13等によって構成されている。
【0017】
ブレーキシャフト11は、ベース2の水平な部分を垂直方向へ貫通して垂直に延在し、垂直軸線周りに回動可能なようにベース2に保持されている。尚、ブレーキシャフト11は、弾性材料(本実施形態においてはゴム)によって形成された円筒状のブッシング15を介してベース2に装着されている。より具体的には、図2に示すように、ブレーキシャフト11の下半部の外側にブッシング15が装着され、このブッシング15の外側がベース2によって保持される構造となっており、ブレーキシャフト11とベース2とが直接接触しないように構成されている。
【0018】
このためブレーキシャフト11は、ブッシング15によって弾性的に保持され、基本的には中心軸線が垂直となるように維持される(基本姿勢)が、外力を加えると僅かに(3°程度)傾斜するように構成されている。
【0019】
ブレーキパッド12は、楔形(逆台形状)に形成され、ブレーキシャフト11の下端に固定されており、前後に隣接する二つのローラー5の間の位置において、ブレーキシャフト11とともに回動するように構成されている。ブレーキレバー13は、基端部がブレーキシャフト11の上半部(ベース2の上方へ延在する部分)に固定され、水平方向へ(垂直軸線周りに)回動させることによって、ブレーキシャフト11、及び、その下端に固定されたブレーキパッド12を回動させることができるように構成されている。
【0020】
図3は、ブレーキレバー13の平面図である。本実施形態においては、ブレーキレバー13は、図3において実線で示す位置から、破線で示す位置まで、45°の範囲内で回動可能なように構成されており、ブレーキレバー13を回動させることにより、「アンロック状態」と「ロック状態」とを切り換えることができる。
【0021】
より具体的には、ブレーキレバー13が図3において実線で示す位置(アンロック位置)にあるとき、ブレーキパッド12は、図4に示すように、前後に隣接する二つのローラー5の外周面のいずれとも接触しておらず、それらのローラー5は回転自在な状態(アンロック状態)にある。この状態から、ブレーキレバー13を図3において破線で示す位置(ロック位置)まで回動させると、ブレーキパッド12は、図2に示すように、前後に隣接する二つのローラー5の外周面のいずれに対してもしっかりと接触し、大きな摩擦力が生じてローラー5は回転不能な状態(ロック状態)となる。
【0022】
また、本実施形態において採用されているパーキングブレーキ機構10は、アンロック状態にあるとき、及び、ロック状態にあるとき、ブレーキレバー13が、ブレーキレバー13の近傍位置において固定されている位置決めボルト14(固定側係合手段)(図2図3参照)と係合して、ブレーキレバー13の回動が抑止され、アンロック状態、及び、ロック状態をそれぞれ安定的に維持できるように構成されている。
【0023】
より具体的には、ブレーキレバー13は、図3に示すように、操作者が把持するためのグリップ13aと、ブレーキシャフト11を挟んでグリップ13aとは反対側に延在する延長部13bとによって構成されており、延長部13bの先端には、二つのノッチ13c,13d(回動側係合手段)が形成されるとともに、それらの間に円弧状部13eが形成されている。
【0024】
二つのノッチ13c,13dは、ブレーキシャフト11の中心軸線Cから等しい寸法の位置において、中心軸線Cを起点とする45°の角度間隔を置いて形成されている。また、ノッチ13cは、ブレーキレバー13がアンロック位置(図3において実線で示す位置)にあるときに、位置決めボルト14が係合する位置に形成され、ノッチ13dは、ブレーキレバー13がロック位置(図3において破線で示す位置)にあるときに、位置決めボルト14が係合する位置に形成されている。円弧状部13eは、中心軸線Cからの寸法がノッチ13c,13dよりも僅かに(本実施形態においては1.5mm)大きい円弧状に形成されている。
【0025】
位置決めボルト14は、ベース2上において固定されており、ノッチ13cに係合しているとき、及び、ノッチ13dに係合しているとき、ブレーキシャフト11が垂直に維持される位置に形成されている。つまり、本実施形態においては、垂直状態(基本姿勢)にあるブレーキシャフト11の中心軸線Cから位置決めボルト14までの寸法が、中心軸線Cからノッチ13c,13dまでの寸法と等しくなるように設定されている。
【0026】
図3において実線で示すように、位置決めボルト14がノッチ13cに係合している状態のブレーキレバー13に対し、回動可能な方向へ(破線で示すロック位置へ向かって)力を加えると、位置決めボルト14とノッチ13cとの係合が解除され、位置決めボルト14は、ノッチ13c,13dの間に形成されている円弧状部13eと当接することになる。このとき、ブレーキシャフト11の中心軸線Cから円弧状部13eまでの寸法は、中心軸線Cからノッチ13c,13dまでの寸法よりも僅かに大きいため、ブレーキシャフト11は、図5に示すように、位置決めボルト14とは反対の方向へ僅かに(ブレーキシャフト11の中心軸線が、図5において破線で示す垂直状態の位置C1から、一点鎖線で示す位置C2まで)傾斜することになる。
【0027】
従って、位置決めボルト14がノッチ13cに係合している状態のブレーキレバー13を回動させようとすると、ブレーキシャフト11を保持するブッシング15の弾性力による抵抗を受けることになる。そして、回動させたブレーキレバー13が、図3において破線で示すロック位置まで到達すると、位置決めボルト14がノッチ13dと係合して、ブレーキシャフト11が垂直な状態(基本姿勢)に復帰する。また、ブレーキレバー13を反対方向へ(図3において破線で示すロック位置から実線で示すアンロック位置へ)向かって回動させようとする際にも、ブッシング15の弾性力による抵抗を受けることになる。
【0028】
このように、本実施形態においては、ブレーキレバー13のノッチ13c,13dが位置決めボルト14と係合することにより、起振体4から発せられる振動や、輸送時の振動に晒された場合でも、ブレーキレバー13の回動が抑止され、アンロック状態のブレーキパッド12が回動して、ローラー5と接触してしまったり、ロック状態のブレーキパッド12が回動して、ロックが解除されてしまうというような事態を回避することができ、アンロック状態、及び、ロック状態をそれぞれ安定的に維持することができる。
【0029】
尚、上記実施形態においては、位置決めボルト14が円弧状部13eと当接する際に、ブレーキシャフト11が傾斜するように構成されているが、ブレーキシャフト11ではなく、位置決めボルト14(固定側係合手段)が弾性的に傾斜するように構成してもよい。
【0030】
また、上記実施形態においては、ブレーキレバー13に二つのノッチ13c,13d(回動側係合手段)が形成され、これらのいずれかに位置決めボルト14(固定側係合手段)が係合することによって、ブレーキレバー13の回動が抑止されるように構成されているが、固定側係合手段として複数のノッチが形成された部材(図示せず)を位置決めボルト14等に固定し、ブレーキレバー13において、それらのノッチと係合可能な凸部(回動側係合手段)(図示せず)を形成し、それらの固定側係合手段(ノッチ)と、回動側係合手段(凸部)とが係合することによって、ブレーキレバー13の回動が抑止されるように構成してもよい。
【0031】
更に、複数の凸部(固定側係合手段又は回動側係合手段)に対し、単一のノッチ(回動側係合手段又は固定側係合手段)が係合するように構成してもよい。
【0032】
また、本実施形態において採用されているパーキングブレーキ機構10は、ブレーキシャフト11に取り付けるブレーキパッド12の高さ位置を調整できるように構成されている。具体的には、図6に示すように、ブレーキパッド12は、ブレーキシャフト11の下端部11a(板状に形成されている)を挟み込むように、その両側に一つずつ配置され、それらに形成されている各ボルト穴12a,11b,12bに、ボルト16を挿通して締め付けることによって、ブレーキシャフト11に取り付けられている。
【0033】
ブレーキシャフト11の下端部11aに形成されているボルト穴11bは、図6に示すように、上下方向の寸法が、挿通されるボルト16の直径よりも大きく(2倍程度)設定されているため、ボルト16の挿通位置を上下に変更することにより、ブレーキパッド12の取り付け高さ位置を調整することができる。そして、ブレーキパッド12は、楔形(逆台形状)に形成されているため、高さ位置を変更すると、ローラー5(図2参照)に対する接触圧力が変化することになり、ブレーキの利き具合を調整することができる。
【0034】
尚、ブレーキパッド12に形成されているボルト穴12a,12bの上下方向の寸法を、挿通されるボルト16の直径よりも大きく設定した場合も、ブレーキパッド12の取り付け高さ位置を調整することができ、ブレーキの利き具合を調整することができる。
【符号の説明】
【0035】
1:ブロック用コンパクター、
2:ベース、
3:原動機、
4:起振体、
5:ローラー、
6:操作ハンドル、
10:パーキングブレーキ機構、
11:ブレーキシャフト、
11a:下端部、
11b:ボルト穴、
12:ブレーキパッド、
12a,12b:ボルト穴、
13:ブレーキレバー、
13a:グリップ、
13b:延長部、
13c,13d:ノッチ、
13e:円弧状部、
14:位置決めボルト、
15:ブッシング、
16:ボルト
図1
図2
図3
図4
図5
図6