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  • 特開-光学部材および照明装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025241
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】光学部材および照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20240216BHJP
   F21V 5/00 20180101ALI20240216BHJP
   F21V 5/04 20060101ALI20240216BHJP
   G02B 3/00 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
F21S2/00 481
F21V5/00 510
F21V5/04
G02B3/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022128520
(22)【出願日】2022-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001667
【氏名又は名称】弁理士法人プロウィン
(72)【発明者】
【氏名】野村 圭一郎
(72)【発明者】
【氏名】豊嶋 隆延
【テーマコード(参考)】
3K244
【Fターム(参考)】
3K244AA01
3K244BA50
3K244CA02
3K244DA01
3K244FA03
3K244LA03
(57)【要約】
【課題】成形時間の短縮化を図るとともに成形不良の発生を抑制することが可能な光学部材および照明装置を提供する。
【解決手段】光を屈折させる屈折部(21)と、屈折部(21)の両側に配置される反射部(22)と、屈折部(21)を透過した透過光と反射部(22)で反射された反射光とを出射する光出射面(23)を備え、光出射面(23)は、複数の分割領域(23a~23c)に区分されており、複数の分割領域(23a~23c)間に段差が設けられている光学部材(100)。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を屈折させる屈折部と、
前記屈折部の両側に配置される反射部と、
前記屈折部を透過した透過光と前記反射部で反射された反射光とを出射する光出射面を
備え、
前記光出射面は、複数の分割領域に区分されており、複数の前記分割領域間に段差が設けられていることを特徴とする光学部材。
【請求項2】
請求項1に記載の光学部材であって、
前記段差は、前記光出射面の中央を含んだ中央領域で最も大きいことを特徴とする光学部材。
【請求項3】
請求項2に記載の光学部材であって、
前記中央領域は、平面視において前記屈折部に対応していることを特徴とする光学部材。
【請求項4】
請求項1に記載の光学部材であって、
前記光出射面は、一つの平面形状または曲面形状を前記分割領域で分割して構成されていることを特徴とする光学部材。
【請求項5】
請求項1に記載の光学部材であって、
複数の前記分割領域の境界には、所定角度で傾斜した傾斜部が設けられていることを特徴とする光学部材。
【請求項6】
請求項5に記載の光学部材であって、
前記傾斜部は、前記段差の生じる方向に対して傾斜角度が1度以上15度以下の範囲であることを特徴とする光学部材。
【請求項7】
請求項1から6の何れか一つに記載された光学部材と、
前記屈折部の光入射側に対向して配置された発光素子を有することを特徴とする照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学部材および照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来全反射を利用したレンズ、いわゆるTIRレンズを用いた光源装置が知られている。TIRレンズは中央部に配置された屈折部、および屈折部の周囲に配置された反射部を備えている。TIRレンズを用いた光源装置を開示した文献として、例えば特許文献1が知られている。
【0003】
特許文献1に開示された光学ユニット(光源装置)は複数の光源(発光素子)、複数の光源上に各々配置されたコリメートレンズの機能を有する複数の光学手段(TIRレンズ)、複数の光学手段の出射面側に配置された複数のレンズアレイを備え、複数の異なる配光パターンを形成している。特許文献1に開示された光学ユニットの用途は、主に車両用灯具である。
【0004】
上記のような光源装置は例えば車両等に搭載されるヘッドアップディスプレイ(以下、「HUD」という場合がある)の照明装置(バックライト)として用いられる場合もある。HUDに用いる光源装置においては、特に明るく、むらのない、すなわち、高輝度で均一な輝度分布であることが求められる。上記のTIRレンズは、発光素子からの出射光において出射軸とのなす角度(指向角)が大きく外側に広がる光も集光させることができるので、この目的に適合する光学手段として用いられる場合も多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-189306号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来から用いられているTIRレンズは、屈折部での屈折と反射部での反射を利用するため面内でのレンズ厚さが均一ではなく、全体のレンズ厚も大きくする必要があった。これにより、TIRレンズの射出成形時に必要な時間が長くなり、レンズ材料の硬化時における厚さ変化(いわゆるヒケ)が生じて成形不良が生じやすくなるという問題があった。
【0007】
そこで本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、成形時間の短縮化を図るとともに成形不良の発生を抑制することが可能な光学部材および照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の光学部材は、光を屈折させる屈折部と、前記屈折部の両側に配置される反射部と、前記屈折部を透過した透過光と前記反射部で反射された反射光とを出射する光出射面を備え、前記光出射面は、複数の分割領域に区分されており、複数の前記分割領域間に段差が設けられていることを特徴とする光学部材。
【0009】
このような本発明の光学部材では、光出射面が複数の分割領域に区分されており、複数の分割領域間に段差が設けられていることで、各分割領域間におけるレンズ厚さの差を小さくして、成形時間の短縮化を図るとともに成形不良の発生を抑制することが可能となる。
【0010】
また、本発明の一態様では、前記段差は、前記光出射面の中央を含んだ中央領域で最も大きい。
【0011】
また、本発明の一態様では、前記中央領域は、平面視において前記屈折部に対応している。
【0012】
また、本発明の一態様では、前記光出射面は、一つの平面形状または曲面形状を前記分割領域で分割して構成されている。
【0013】
また、本発明の一態様では、複数の前記分割領域の境界には、所定角度で傾斜した傾斜部が設けられている。
【0014】
また、本発明の一態様では、前記傾斜部は、前記段差の生じる方向に対して傾斜角度が1度以上15度以下の範囲である。
【0015】
また上記課題を解決するために、本発明の照明装置は、上記何れか一つに記載の光学部材と、前記屈折部の光入射側に対向して配置された発光素子を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明では、成形時間の短縮化を図るとともに成形不良の発生を抑制することが可能な光学部材および照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1実施形態に係る光学部材20および照明装置100の概要を説明する模式断面図である。
図2】光学部材20の光出射面23の構造を説明する部分拡大断面図である。
図3】光出射面23の分割領域23a~23cでのレンズ厚について説明する模式図である。
図4】第2実施形態に係る光学部材20の構造例を示す模式断面図である。
図5】第3実施形態に係る光学部材20の構造例を示す模式断面図である。
図6】第4実施形態に係る光学部材20および照明装置100の構造例を示す模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付すものとし、適宜重複した説明は省略する。図1は、本実施形態に係る光学部材20および照明装置100の概要を説明する模式断面図である。図1に示すように、照明装置100は、発光素子10と、光学部材20を有している。
【0019】
発光素子10は、配線が形成された搭載基板(図示省略)に搭載されて、駆動回路によって電流が供給されることで所定の色で発光する電子部品である。発光素子10は複数個が紙面に垂直な方向に沿って配置されている。発光素子10の具体的な構造は限定されないが、一次光を発光する発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)と、一次光の一部を二次光に波長変換する波長変換部材を組み合わせたLEDパッケージを用いることができる。また、発光ダイオードの材料も限定されず、公知の材料および構造を用いることができる。一例としては、青色光を発光するGaN系LEDを用いることができる。また、波長変換部材の材料も限定されず、一例としては青色光で励起されて黄色光を発光するYAG系蛍光体材料等を用いることができる。なお、本実施形態では発光素子10の配列数を1列としているが、2列以上であってもよい。また発光素子10はLEDに限らず半導体レーザー等であってもよい。
【0020】
光学部材20は、発光素子10が照射した光が入射して、光を屈折および反射させて所定方向に照射するための部材である。図1に示したように、光学部材20は、屈折部21と、反射部22と、光出射面23と、傾斜部24を備えている。また光学部材20は図1に示した断面形状の各部が紙面に垂直な方向に延伸して形成されており、一軸TIR(内部全反射:Total Internal Reflection)レンズを構成している。
【0021】
屈折部21は、光学部材20の中央近傍に配置され、入射した光を屈折させて透過する部分である。屈折部21の発光素子10と対向する側には、曲面形状の屈折部入射面21aが設けられている。屈折部入射面21aの形状は限定されないが、発光素子10から拡大して入射した光を平行光に近づけるためには凸レンズ形状とすることが好ましい。図1に示したように屈折部入射面21aは、周囲を反射部22で囲まれて反射部22中央に位置する凹部として形成されている。したがって、発光素子10から照射された光の一部は、屈折部21と空気との屈折率差によって屈折部入射面21aで屈折され、屈折部21を透過して光出射面23から照射される。
【0022】
反射部22は、屈折部21の両脇に配置され、入射した光を反射して照射する部分である。反射部22の屈折部21との境界には、発光素子10側に向かって立設された反射部入射面22aが設けられている。また、反射部22の外周には、光出射面23に対して所定角度で傾斜した光反射面22bが設けられている。光反射面22bの傾斜角度は、反射部22と空気との屈折率差によって発光素子10からの光が臨界角度以上で到達し、全反射される角度とされている。したがって、発光素子10から照射された光の一部は、反射部入射面22aから反射部22内に入射し、反射部22と空気との屈折率差によって光反射面22bで全反射され、反射部22を透過して光出射面23から照射される。
【0023】
光出射面23は、屈折部21で屈折された光および反射部22で反射された光を照射する部分である。本実施形態の光学部材20では、図1に示すように光出射面23は複数の分割領域23a~23cに区分されている。また、複数の分割領域23a~23cの間には傾斜部24が設けられており、各分割領域23a~23cには段差が設けられている。分割領域23a~23cの段差は、中央領域が最も段差が大きく、周囲に向かって段差が小さくなる形状とされている。また本実施形態では、分割領域23a~23cの表面形状は平坦であり、一つの平面に段差形状を設けた構造となっている。
【0024】
より具体的には図1に示したように、光出射面23は最も外側に位置する分割領域23cが最も発光素子10から遠い距離に位置している。また分割領域23aは、光出射面23の中央を含んだ中央領域とされており、最も発光素子10から近い距離に位置して、分割領域23cからの段差が最も大きくなっている。また分割領域23bは、分割領域23a,23cの中間に位置しており、分割領域23cからの段差が分割領域23aよりも小さくされている。また、分割領域23aである中央領域は、平面視において屈折部21に対応して設けられている。図1に示した例では、分割領域23bが分割領域23a,23cの中間に位置しているが、必ずしも中間でなくてもよい。
【0025】
傾斜部24は、光出射面23の複数の分割領域23a~23cの境界に設けられて、光出射面23に対して傾斜された部分である。上述したように、傾斜部24が各分割領域23a~23cの境界に設けられていることで、各分割領域23a~23cには段差が設けられている。
【0026】
図2は、光学部材20の光出射面23の構造を説明する部分拡大断面図である。図2に示したように、分割領域23a~23cの幅をwとし、段差をhとし、傾斜角度をθとする。ここで、傾斜角度θの基準は段差が生じる方向もしくは光の照射方向と平行な方向である。分割領域23a~23cの幅hは、3mm以上とすることが好ましい。幅hが3mm未満である場合には、分割領域23a~23cと傾斜部24の境界での光出射面23の成形精度を確保することが困難になり、想定外の光の屈折や反射が生じるおそれがある。
【0027】
図1に示した例では、中央領域である分割領域23aの幅hは屈折部21の幅と略等しく、分割領域23a,23bの境界に設けられた傾斜部24と反射部入射面22aとが、平面視において重なっている。また、分割領域23b,23cの幅は、反射部22の幅を等分したものとされている。これは、反射部22の光反射面22bが略一定角度で傾斜しており、分割領域23b,23cでのレンズ厚を同程度とするためである。図1に示した例では、分割領域23b,23cの幅は反射部22の幅を等分したものであるが、必ずしも等分でなくてもよい。
【0028】
傾斜部24は、傾斜角度θが1度以上15度以下の範囲であることが好ましく、より好ましくは3度以上10度以下、さらに好ましくは5度以上8度以下である。傾斜部24の傾斜角度θをこれらの範囲とすることで、射出成形時の金型から光学部材20を抜き取りしやすい。また、反射部22の光反射面22bで反射された光は、発光素子10が完全な点光源ではなくある程度の角度で拡大しながら進行するため、これらの傾斜角度θの範囲であれば傾斜部24での屈折の影響を抑制できる。
【0029】
図1および図2では分割領域23a,23b間の傾斜部24と、分割領域23b,23c間の傾斜部24で傾斜角度θと段差hが同じ例を示しているが、傾斜角度θや段差hを異ならせるとしてもよい。また、傾斜部24として傾斜角度θが一定のものを示しているが、傾斜角度θが徐々に変化するとしてもよい。
【0030】
図3は、光出射面23の分割領域23a~23cでのレンズ厚について説明する模式図である。図3に示したように、光学部材20では光出射面23を複数の分割領域23a~23cに区分して段差を設けているため、光出射面23に段差を設けない場合よりも屈折部21および反射部22の厚さが低減される。これにより、各分割領域23a~23cの厚さを互いに近づけ、成形時間の短縮化を図るとともに成形不良の発生を抑制することができる。
【0031】
分割領域23a~23cの段差を設定する際には、図中破線で示したように各領域の境界で分離したと仮定して、それぞれの領域で想定される内接円25a~25cが同程度の直径となるようにすることが好ましい。図3に一点鎖線で示したように、仮想的な内接円25a~25cの大きさを各分割領域23a~23cで同程度とすることで、レンズ材料の硬化時における厚さ変化が各領域で同程度となり、表面形状の劣化を抑制できる。
【0032】
本実施形態では、図1に示した断面形状が紙面方向に垂直に延伸して形成された一軸TIRレンズの場合を示しているが、中心軸の周りに図1に示した断面を回転させたTIRレンズであってもよい。また、傾斜部24を設けず、各分割領域23a~23cの境界に光の進行方向に平行(光出射面23に対して垂直)な壁面を設けて段差を生じさせるとしてもよい。
【0033】
上述したように、本実施形態の光学部材20および照明装置100では、光出射面23が複数の分割領域23a~23cに区分されており、複数の分割領域23a~23c間に段差が設けられていることで、各分割領域23a~23c間におけるレンズ厚さの差を小さくして、成形時間の短縮化を図るとともに成形不良の発生を抑制することが可能となる。
【0034】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図4を用いて説明する。第1実施形態と重複する内容は説明を省略する。図4は、本実施形態に係る光学部材20の構造例を示す模式断面図である。本実施形態では、光出射面23の区分数と形状が第1実施形態と異なっている。図4(a)は光出射面23を自由曲面とした場合を示し、図4(b)は光出射面23を凹面とした場合を示し、図4(c)は光出射面23を凸面とした場合を示している。また図4(a)~図4(c)においては、光出射面23に分割領域23a~23dと段差を設けない元の形状を左側に示し、分割領域23a~23dと段差を設けた光学部材20を右側に示している。
【0035】
図4(a)~図4(c)に示したように、光出射面23を構成する分割領域23a~23dは、一つの平面形状または曲面形状を分割した構造となっている。光学部材20では、屈折部21で屈折された光と反射部22で反射された光はコリメートされて光出射面23から照射される。したがって、光出射面23に分割領域23a~23dと段差を設けた場合にも、傾斜部24と段差による影響は小さく、光出射面23全体では元形状と同等の光学的パワーを実現することができる。
【0036】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図5を用いて説明する。第1実施形態と重複する内容は説明を省略する。図5は、本実施形態に係る光学部材20の構造例を示す模式断面図である。本実施形態では、光出射面23を中央領域と外周領域に区分した最小構成を示している点が第1実施形態とは異なっている。図5に示したように、本実施形態の光学部材20は、屈折部21と反射部22と光出射面23を有し、光出射面23が中央領域である分割領域23aと外周領域である分割領域23bに区分されている。また、分割領域23a,23bには段差が設けられて分割領域23aが窪んだ凹形状とされている。
【0037】
本実施形態でも、中央領域である分割領域23aは、平面視において屈折部21と同程度の幅で形成されていることが好ましい。図1および図5に示したように、屈折部21と反射部22は両者の境界(反射部入射面22aの位置)で厚さの変化が大きく、当該境界で成形不良が発生しやすい。したがって、屈折部21と反射部22の境界である反射部入射面22aと、分割領域23a,23bの境界である傾斜部24とが平面視において重なるように設計することで、光出射面23の成形不良を抑制できる。
【0038】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について図6を用いて説明する。第1実施形態と重複する内容は説明を省略する。図6は、本実施形態に係る光学部材20および照明装置100の構造例を示す模式断面図である。本実施形態では、分割領域23a,23bの境界に突出部26を設けている点が第1実施形態とは異なっている。図6に示すように本実施形態の光学部材20は、屈折部21と反射部22と光出射面23を有し、光出射面23が分割領域23a~23cに区分され、分割領域23a,23bの境界に突出部26が設けられている。
【0039】
突出部26は、分割領域23bの上面において分割領域23aとの境界(傾斜部24との境界)に立設された部分である。図6に示したように、突出部26は光学部材20の他の部分と同じ材料で一体に形成されている。また突出部26は、屈折部21と反射部22の境界である反射部入射面22aと平面視において重なるように設けられている。
【0040】
光学部材20では、屈折部21で屈折された光と反射部22で反射された光が光出射面23から照射される。そのため、平面視において屈折部21と反射部22の境界である反射部入射面22aと重なる領域では、屈折される光も反射される光も小さくなる傾向がある。したがって、当該領域に突出部26を設けても、突出部26に入射する光量が小さいため突出部26による影響は小さい。また、屈折部21と反射部22は両者の境界で厚さの変化が大きく、両者の境界では成形不良が発生しやすい。そこで、屈折部21と反射部22の境界である反射部入射面22aと、平面視において重なるように突出部26を設けることで、成形不良の影響を突出部26内で留め、突出部26の周囲にまで成形不良の影響が及ぶことを抑制することができる。
【0041】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0042】
100…照明装置
10…発光素子
20…光学部材
21…屈折部
21a…屈折部入射面
22…反射部
22a…反射部入射面
22b…光反射面
23…光出射面
23a~23d…分割領域
24…傾斜部
25a~25c…仮想的な内接円
26…突出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6