(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025258
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】Webボットシナリオ作成支援装置、Webボットシナリオ作成支援システム、プログラム、およびWebボットシナリオ作成支援方法
(51)【国際特許分類】
G06F 8/60 20180101AFI20240216BHJP
【FI】
G06F8/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022128563
(22)【出願日】2022-08-11
(71)【出願人】
【識別番号】000134707
【氏名又は名称】株式会社ナカヨ
(74)【代理人】
【識別番号】100104570
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 光弘
(72)【発明者】
【氏名】齊木 あずさ
(72)【発明者】
【氏名】明石 貴靖
【テーマコード(参考)】
5B376
【Fターム(参考)】
5B376AA06
5B376AA17
5B376AA21
5B376AA35
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ネットワーク機器の各種設定のためのWeb設定画面を介した一連のWebブラウザ操作の煩わしさを解消する。
【解決手段】Webボットシナリオ作成支援システムにおいて、Webボットシナリオ作成支援装置1は、Web設定画面を介してインテリジェントハブ2の設定操作を行うようにガイダンスを設定端末3に出力し、これにより設定端末からインテリジェントハブに送信されたHTTPリクエストから最小、最大ポート番号の指定を伴う第1、2の参照用POSTリクエストを抽出し、これらに基づいて最小~最大ポート番号の範囲内でポート番号を選択可能な実行用POSTリクエストを生成し、第1、2の参照用POSTリクエストを実行用POSTリクエストに置換してWebボットのシナリオを作成し、実行用POSTリクエストの引数として設定端末3から受け付けたポート番号を伴うWebボットのシナリオに従い、ネットワーク機器を設定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Web設定画面を介して設定可能なネットワーク機器に対して自動化されたタスクを実行して各種設定を行うためのアプリケーションソフトウエアであるWebボットのシナリオ作成を支援するWebボットシナリオ作成支援装置であって、
前記ネットワーク機器の設定を行う設定端末に対して、前記Webボットのシナリオ作成を支援するために、当該ネットワーク機器が備える最小ポート番号のポートおよび最大ポート番号のポート各々に対して、前記Web設定画面を介して所望の設定操作を行うことを促すガイダンスを出力するガイダンス処理手段と、
前記ガイダンス処理手段によって前記設定端末に出力されたガイダンスに従って前記設定端末が前記Web設定画面を介して行った前記ネットワーク機器に対する操作により、前記設定端末から前記ネットワーク機器に送信されたHTTP(HyperText Transfer Protocol)リクエストを記憶する操作内容記憶手段と、
前記操作内容記憶手段に記憶されたHTTPリクエストのなかから、引数として前記最小ポート番号の指定を伴う設定コマンドがボディ部に格納された第1の参照用POSTリクエストおよび引数として前記最大ポート番号の指定を伴う設定コマンドがボディ部に格納された第2の参照用POSTリクエストを抽出し、当該第1の参照用POSTリクエストおよび第2の参照用POSTリクエストに基づいて、前記最小ポート番号から前記最大ポート番号までの範囲内のポート番号を引数として選択可能な設定コマンドがボディ部に格納された実行用POSTリクエストを生成し、前記HTTPリクエストに含まれる前記第1、第2の参照用POSTリクエストを前記実行用POSTリクエストに置換した前記Webボットのシナリオを作成するシナリオ作成手段と、
前記シナリオ作成手段により作成された前記Webボットのシナリオを記憶するシナリオ記憶手段と、
前記設定端末の要求に従い、前記シナリオ記憶手段に記憶されている前記Webボットのシナリオに含まれている前記実行用POSTリクエストのボディ部に格納された設定コマンドの引数として選択可能な最大ポート番号の範囲として前記最小ポート番号から前記最大ポート番号までの範囲を前記設定端末に出力して、前記設定端末から当該範囲内のポート番号の指定を受け付ける引数受付手段と、
前記実行用POSTリクエストのボディ部に格納された設定コマンドの引数として、前記引数受付手段により受け付けたポート番号を伴う前記Webボットのシナリオに従い、前記ネットワーク機器の設定を実施するWebボット実行手段と、を有する
ことを特徴とするWebボットシナリオ作成支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載のWebボットシナリオ作成支援装置であって、
前記シナリオ作成手段は、
前記Webボットのシナリオを構成するHTTPリクエストのなかから、前記実行用POSTリクエストを含むPOSTリクエスト以外のHTTPリクエストを削除する
ことを特徴とするWebボットシナリオ作成支援装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のWebボットシナリオ作成支援装置と、Web設定画面を介して設定可能なネットワーク機器と、を備えたWebボットシナリオ作成支援システムであって、
前記ネットワーク機器は、
前記設定端末から受信したHTTPリクエストを出力するミラーポートを備えており、
前記Webボットシナリオ作成支援装置は、
前記ネットワーク機器の前記ミラーポートから出力された、前記ガイダンスに従って前記設定端末が前記Web設定画面を介して行った前記ネットワーク機器に対する操作により、前記設定端末から前記ネットワーク機器に送信されたHTTPリクエストを取得する操作内容取得手段をさらに有し、
前記操作内容記憶手段は、
前記操作内容取得手段により取得されたHTTPリクエストを記憶する
ことを特徴とするWebボットシナリオ作成支援システム。
【請求項4】
Web設定画面を介して設定可能なネットワーク機器に対して自動化されたタスクを実行して各種設定を行うためのアプリケーションソフトウエアであるWebボットのシナリオ作成を支援するWebボットシナリオ作成支援装置であって、
VLAN(Virtual Local Area Network)を構成する前記ネットワーク機器各々のアドレス情報およびVLAN名が記憶されたVLAN情報記憶手段と、
前記Webボットのシナリオ作成を支援するために、前記VLAN情報記憶手段に記憶された所望のVLAN名を有する前記ネットワーク機器に対して、前記Web設定画面を介して所望のVLAN設定操作を行うことを促すガイダンスを、前記ネットワーク機器の設定を行う設定端末に対して出力するガイダンス処理手段と、
前記ガイダンス処理手段によって前記設定端末に出力されたガイダンスに従って前記設定端末が前記Web設定画面を介して行った前記ネットワーク機器に対する操作により前記設定端末から前記ネットワーク機器に送信されたHTTP(HyperText Transfer Protocol)リクエストを記憶する操作内容記憶手段と、
前記操作内容記憶手段に記憶されたHTTPリクエストのなかから、引数として前記所望のVLAN名の指定を伴う設定コマンドがボディ部に格納された参照用POSTリクエストを抽出し、当該参照用POSTリクエストに基づいて、前記VLAN情報記憶手段に記憶されているVLAN名のいずれかを引数として選択可能な設定コマンドがボディ部に格納された実行用POSTリクエストを生成し、前記HTTPリクエストに含まれる前記参照用POSTリクエストを前記実行用POSTリクエストに置換した前記Webボットのシナリオを作成するシナリオ作成手段と、
前記シナリオ作成手段により作成された前記Webボットのシナリオを記憶するシナリオ記憶手段と、
前記設定端末の要求に従い、前記VLAN情報記憶手段に記憶されているVLAN名の一覧を前記設定端末に出力して、前記設定端末から、当該一覧内のVLAN名の指定を受け付ける引数受付手段と、
前記実行用POSTリクエストのボディ部に格納された設定コマンドの引数として、前記引数受付手段により受け付けたVLAN名を伴う前記Webボットのシナリオに従い、当該VLAN名に紐付けられて前記VLAN情報記憶手段に記憶されているアドレス情報により特定される前記ネットワーク機器のVLAN設定を実施するWebボット実行手段と、を有する
ことを特徴とするWebボットシナリオ作成支援装置。
【請求項5】
請求項4に記載のWebボットシナリオ作成支援装置であって、
前記シナリオ作成手段は、
前記Webボットのシナリオを構成するHTTPリクエストのなかから、前記実行用POSTリクエストを含むPOSTリクエスト以外のHTTPリクエストを削除する
ことを特徴とするWebボットシナリオ作成支援装置。
【請求項6】
請求項4または5に記載のWebボットシナリオ作成支援装置と、Web設定画面を介して設定可能なネットワーク機器と、前記Webボットシナリオ作成支援装置および前記ネットワーク機器間に配置された中継器と、を備えたWebボットシナリオ作成支援システムであって、
前記中継器は、
前記設定端末から前記ネットワーク機器へ送信されるHTTPリクエストを出力するミラーポートを備えており、
前記Webボットシナリオ作成支援装置は、
前記中継器の前記ミラーポートから出力された、前記ガイダンスに従って前記設定端末が前記Web設定画面を介して行った前記ネットワーク機器に対する操作により、前記設定端末から前記ネットワーク機器に送信されたHTTPリクエストを取得する操作内容取得手段をさらに有し、
前記操作内容記憶手段は、
前記操作内容取得手段により取得されたHTTPリクエストを記憶する
ことを特徴とするWebボットシナリオ作成支援システム。
【請求項7】
Web設定画面を介して設定可能なネットワーク機器に対して自動化されたタスクを実行して各種設定を行うためのアプリケーションソフトウエアであるWebボットのシナリオ作成を支援するWebボットシナリオ作成支援装置として、コンピュータを機能させるプログラムであって、
前記ネットワーク機器の設定を行う設定端末に対して、前記Webボットのシナリオ作成を支援するために、当該ネットワーク機器が備える最小ポート番号のポートおよび最大ポート番号のポート各々に対して、前記Web設定画面を介して所望の設定操作を行うようにガイダンスを出力するガイダンス処理手段、
前記ガイダンス処理手段によって前記設定端末に出力されたガイダンスに従って、前記設定端末が前記Web設定画面を介して行った前記ネットワーク機器に対する操作により、前記設定端末から前記ネットワーク機器に送信されたHTTP(HyperText Transfer Protocol)リクエストを記憶する操作内容記憶手段、
前記操作内容記憶手段に記憶されたHTTPリクエストのなかから、引数として前記最小ポート番号の指定を伴う設定コマンドがボディ部に格納された第1の参照用POSTリクエストおよび引数として前記最大ポート番号の指定を伴う設定コマンドがボディ部に格納された第2の参照用POSTリクエストを抽出し、当該第1の参照用POSTリクエストおよび第2の参照用POSTリクエストに基づいて、引数として前記最小ポート番号から前記最大ポート番号までの範囲内でポート番号を選択可能な設定コマンドがボディ部に格納された実行用POSTリクエストを生成し、前記HTTPリクエストに含まれる前記第1、第2の参照用POSTリクエストを、前記実行用POSTリクエストに置換した前記Webボットのシナリオを作成するシナリオ作成手段、
前記シナリオ作成手段により作成された前記Webボットのシナリオを記憶するシナリオ記憶手段、
前記設定端末の要求に従い、前記シナリオ記憶手段に記憶されている前記Webボットのシナリオに含まれている前記実行用POSTリクエストのボディ部に格納された設定コマンドの引数として選択可能な前記最小ポート番号から前記最大ポート番号までの範囲を前記設定端末に出力して、前記設定端末からポート番号の指定を受け付ける引数受付手段、および
前記実行用POSTリクエストのボディ部に格納された設定コマンドの引数として、前記引数受付手段により受け付けたポート番号を伴う前記Webボットのシナリオに従い、前記ネットワーク機器の設定を実施するWebボット実行手段として、前記コンピュータを機能させる
ことを特徴とするプログラム。
【請求項8】
Web設定画面を介して設定可能なネットワーク機器に対して自動化されたタスクを実行して各種設定を行うためのアプリケーションソフトウエアであるWebボットのシナリオ作成を支援するWebボットシナリオ作成支援装置として、コンピュータを機能させるプログラムであって、
VLAN(Virtual Local Area Network)を構成する前記ネットワーク機器各々のアドレス情報およびVLAN名が記憶されたVLAN情報記憶手段、
前記ネットワーク機器の設定を行う設定端末に対して前記Webボットのシナリオ作成を支援するために、前記VLAN情報記憶手段に記憶された所望のVLAN名を有する前記ネットワーク機器に対して、前記Web設定画面を介して所望のVLAN設定操作を行うようにガイダンスを出力するガイダンス処理手段、
前記ガイダンス処理手段によって前記設定端末に出力されたガイダンスに従って、前記設定端末が前記Web設定画面を介して行った前記ネットワーク機器に対する操作により、前記設定端末から前記ネットワーク機器に送信されたHTTP(HyperText Transfer Protocol)リクエストを記憶する操作内容記憶手段、
前記操作内容記憶手段に記憶されたHTTPリクエストのなかから、引数として前記所望のVLAN名の指定を伴う設定コマンドがボディ部に格納された参照用POSTリクエストを抽出し、当該参照用POSTリクエストに基づいて、引数として前記VLAN情報記憶手段に記憶されているVLAN名のなかから選択可能な設定コマンドがボディ部に格納された実行用POSTリクエストを生成し、前記HTTPリクエストに含まれる前記参照用POSTリクエストを、前記実行用POSTリクエストに置換した前記Webボットのシナリオを作成するシナリオ作成手段、
前記シナリオ作成手段により作成された前記Webボットのシナリオを記憶するシナリオ記憶手段、
前記設定端末の要求に従い、前記VLAN情報記憶手段に記憶されているVLAN名の一覧を前記設定端末に出力して、前記設定端末からVLAN名の指定を受け付ける引数受付手段、および
前記実行用POSTリクエストのボディ部に格納された設定コマンドの引数として、前記引数受付手段により受け付けたVLAN名を伴う前記Webボットのシナリオに従い、当該VLAN名に紐付けられて前記VLAN情報記憶手段に記憶されているアドレス情報により特定される前記ネットワーク機器のVLAN設定を実施するWebボット実行手段として、前記コンピュータを機能させる
ことを特徴とするプログラム。
【請求項9】
Web設定画面を介して設定可能なネットワーク機器に対して自動化されたタスクを実行して各種設定を行うためのアプリケーションソフトウエアであるWebボットのシナリオ作成を、Webボットシナリオ作成支援装置により支援するWebボットシナリオ作成支援方法であって、
前記Webボットシナリオ作成支援装置は、
前記ネットワーク機器の設定を行う設定端末に対して、前記Webボットのシナリオ作成を支援するために、当該ネットワーク機器が備える最小ポート番号のポートおよび最大ポート番号のポート各々に対して、前記Web設定画面を介して所望の設定操作を行うようにガイダンスを出力し、
前記設定端末に出力されたガイダンスに従って、前記設定端末が前記Web設定画面を介して行った前記ネットワーク機器に対する操作により、前記設定端末から前記ネットワーク機器に送信されたHTTP(HyperText Transfer Protocol)リクエストを記憶し、
前記記憶されたHTTPリクエストのなかから、引数として前記最小ポート番号の指定を伴う設定コマンドがボディ部に格納された第1の参照用POSTリクエストおよび引数として前記最大ポート番号の指定を伴う設定コマンドがボディ部に格納された第2の参照用POSTリクエストを抽出し、当該第1の参照用POSTリクエストおよび第2の参照用POSTリクエストに基づいて、引数として前記最小ポート番号から前記最大ポート番号までの範囲内でポート番号を選択可能な設定コマンドがボディ部に格納された実行用POSTリクエストを生成し、前記HTTPリクエストに含まれる前記第1、第2の参照用POSTリクエストを、前記実行用POSTリクエストに置換した前記Webボットのシナリオを作成し、
前記設定端末の要求に従い、前記Webボットのシナリオに含まれている前記実行用POSTリクエストのボディ部に格納された設定コマンドの引数として選択可能な前記最小ポート番号から前記最大ポート番号までの範囲を前記設定端末に出力して、前記設定端末からポート番号の指定を受け付け、
前記実行用POSTリクエストのボディ部に格納された設定コマンドの引数として、前記受け付けたポート番号を伴う前記Webボットのシナリオに従い、前記ネットワーク機器の設定を実施する
ことを特徴とするWebボットシナリオ作成支援方法。
【請求項10】
Web設定画面を介して設定可能なネットワーク機器に対して自動化されたタスクを実行して各種設定を行うためのアプリケーションソフトウエアであるWebボットのシナリオ作成を、Webボットシナリオ作成支援装置により支援するWebボットシナリオ作成支援方法であって、
前記Webボットシナリオ作成支援装置は、
前記ネットワーク機器の設定を行う設定端末に対して、前記Webボットのシナリオ作成を支援するために、VLAN(Virtual Local Area Network)を構成する前記ネットワーク機器のうち、所望のVLAN名を有する前記ネットワーク機器に対して、前記Web設定画面を介して所望の設定操作を行うようにガイダンスを出力し、
前記設定端末に出力されたガイダンスに従って、前記設定端末が前記Web設定画面を介して行った前記ネットワーク機器に対する操作により、前記設定端末から前記ネットワーク機器に送信されたHTTP(HyperText Transfer Protocol)リクエストを記憶し、
前記記憶されたHTTPリクエストのなかから、引数として前記所望のVLAN名の指定を伴う設定コマンドがボディ部に格納された参照用POSTリクエストを抽出し、当該参照用POSTリクエストに基づいて、引数として前記VLANを構成する前記ネットワーク機器各々のVLAN名のなかから選択可能な設定コマンドがボディ部に格納された実行用POSTリクエストを生成し、前記HTTPリクエストに含まれる前記参照用POSTリクエストを、前記実行用POSTリクエストに置換した前記Webボットのシナリオを作成し、
前記設定端末の要求に従い、前記VLANを構成する前記ネットワーク機器各々のVLAN名の一覧を前記設定端末に出力して、前記設定端末からVLAN名の指定を受け付け、
前記実行用POSTリクエストのボディ部に格納された設定コマンドの引数として、前記受け付けたVLAN名を伴う前記Webボットのシナリオに従い、前記ネットワーク機器のVLAN設定を実施する
ことを特徴とするWebボットシナリオ作成支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Web設定画面を介して設定可能なネットワーク機器に対して自動化されたタスクを実行して各種設定を行うためのアプリケーションソフトウエアであるWebボットのシナリオの作成を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、Webサーバ機能を備え、このWebサーバ機能が提供するWeb設定画面を介して各種設定を行う、インテリジェントハブ等のネットワーク機器が普及している。
【0003】
特許文献1には、この種のネットワーク機器の各種設定のためのWeb設定画面を介した一連の操作の煩わしさを解消して、作業コストを抑えることができる制御機器設定システムが開示されている。
【0004】
この制御機器設定システムは、ネットワーク機器のWebサーバ機能と送受信を行うHTTP(HyperText Transfer Protocol)ブリッジ手段と、設定端末のネットワーク機器に対するWebブラウザ操作を格納する格納手段と、格納手段に格納された操作データに基づいてWebブラウザ操作を再現するプログラムを生成するプログラム生成手段と、プログラム生成手段によって生成されたプログラムを格納するプログラム格納手段と、プログラム格納手段に格納されたプログラムを設定端末に送信するHTTPサーバ手段と、を備えている。
【0005】
この制御機器設定システムによれば、設定端末が制御機器設定システムから受信したプログラムを実行することにより、ネットワーク機器に対するWebブラウザ操作を再現することができるので、ネットワーク機器の各種設定のためのWeb設定画面を介した一連のWebブラウザ操作の煩わしさを解消して、作業コストを抑えることができる
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の制御機器設定システムは、ユーザが設定端末を用いてネットワーク機器に対して行った一連のWebブラウザ操作を再現するプログラムを生成するものであるため、プログラムにより再現される一連のWebブラウザ操作の一部(例えば設定対象のポート番号)だけを変更する場合でも、ユーザは、設定端末を用いてネットワーク機器に対して一部を変更した一連のWebブラウザ操作のすべてを行って、一部だけが変更された一連のWebブラウザ操作を再現する新たなプログラムを制御機器設定システムに生成させる必要があり、煩雑である。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、Web設定画面を介したネットワーク機器の各種設定を、より効率化することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、Web設定画面を介して設定可能なネットワーク機器に対して自動化されたタスクを実行して各種設定を行うためのアプリケーションソフトウエアであるWebボットのシナリオ作成を支援する。
【0010】
本発明の第一の態様では、ネットワーク機器の設定を行う設定端末に対して、このネットワーク機器が備える最小ポート番号のポートおよび最大ポート番号のポート各々に対して、Web設定画面を介して所望の設定操作(PoE(Power over Ethernet)のオンオフ、ポートの有効・無効等)を行うようにガイダンスを出力する。
【0011】
つぎに、このガイダンスに従って設定端末がWeb設定画面を介して行ったネットワーク機器に対する操作により、設定端末からネットワーク機器に送信されたHTTPリクエストを記憶する。そして、記憶されたHTTPリクエストのなかから、引数として最小ポート番号の指定を伴う設定コマンドがボディ部に格納された第1の参照用POSTリクエストおよび引数として最大ポート番号の指定を伴う設定コマンドがボディ部に格納された第2の参照用POSTリクエストを抽出し、これらの第1、第2の参照用POSTリクエストに基づいて、ポート番号選択(最小ポート番号から最大ポート番号までの範囲)内のポート番号を引数として選択可能な設定コマンドがボディ部に格納された実行用POSTリクエストを生成し、HTTPリクエストに含まれる第1、第2の参照用POSTリクエストを、この実行用POSTリクエストに置換したWebボットのシナリオを作成する。
【0012】
それから、設定端末からシナリオの実行要求を受け付けると、作成したWebボットのシナリオに含まれている実行用POSTリクエストのボディ部に格納された設定コマンドにおけるポート番号選択範囲(最小ポート番号から最大ポート番号)を設定端末に出力し、設定端末からポート番号の指定を受け付ける。そして、実行用POSTリクエストのボディ部に格納されたコマンドの引数として、受け付けたポート番号を伴うWebボットのシナリオに従い、ネットワーク機器の設定を実施する。
【0013】
例えば、本発明の第一の態様は、
Web設定画面を介して設定可能なネットワーク機器に対して自動化されたタスクを実行して各種設定を行うためのアプリケーションソフトウエアであるWebボットのシナリオ作成を支援するWebボットシナリオ作成支援装置であって、
前記ネットワーク機器の設定を行う設定端末に対して、前記Webボットのシナリオ作成を支援するために、当該ネットワーク機器が備える最小ポート番号のポートおよび最大ポート番号のポート各々に対して、前記Web設定画面を介して所望の設定操作を行うことを促すガイダンスを出力するガイダンス処理手段と、
前記ガイダンス処理手段によって前記設定端末に出力されたガイダンスに従って前記設定端末が前記Web設定画面を介して行った前記ネットワーク機器に対する操作により、前記設定端末から前記ネットワーク機器に送信されたHTTP(HyperText Transfer Protocol)リクエストを記憶する操作内容記憶手段と、
前記操作内容記憶手段に記憶されたHTTPリクエストのなかから、引数として前記最小ポート番号の指定を伴う設定コマンドがボディ部に格納された第1の参照用POSTリクエストおよび引数として前記最大ポート番号の指定を伴う設定コマンドがボディ部に格納された第2の参照用POSTリクエストを抽出し、当該第1の参照用POSTリクエストおよび第2の参照用POSTリクエストに基づいて、前記最小ポート番号から前記最大ポート番号までの範囲内のポート番号を引数として選択可能な設定コマンドがボディ部に格納された実行用POSTリクエストを生成し、前記HTTPリクエストに含まれる前記第1、第2の参照用POSTリクエストを前記実行用POSTリクエストに置換した前記Webボットのシナリオを作成するシナリオ作成手段と、
前記シナリオ作成手段により作成された前記Webボットのシナリオを記憶するシナリオ記憶手段と、
前記設定端末の要求に従い、前記シナリオ記憶手段に記憶されている前記Webボットのシナリオに含まれている前記実行用POSTリクエストのボディ部に格納された設定コマンドの引数として選択可能な最大ポート番号の範囲として前記最小ポート番号から前記最大ポート番号までの範囲を前記設定端末に出力して、前記設定端末から当該範囲内のポート番号の指定を受け付ける引数受付手段と、
前記実行用POSTリクエストのボディ部に格納された設定コマンドの引数として、前記引数受付手段により受け付けたポート番号を伴う前記Webボットのシナリオに従い、前記ネットワーク機器の設定を実施するWebボット実行手段と、を有する。
【0014】
また、本発明の第二の態様では、
ネットワーク機器の設定を行う設定端末に対してガイダンスを出力して、VLANを構成するネットワーク機器のうち、所望のVLAN名を有するネットワーク機器に対して、Web設定画面を介して所望のVLAN設定操作(VLANの有効、無効、削除等)を行うように促す。
【0015】
つぎに、このガイダンスに従って、設定端末がWeb設定画面を介して行ったネットワーク機器に対する操作により設定端末からネットワーク機器に送信されたHTTPリクエストを記憶する。
【0016】
そして、記憶されたHTTPリクエストのなかから、引数として所望のVLAN名の指定を伴う設定コマンドがボディ部に格納された参照用POSTリクエストを抽出し、この参照用POSTリクエストに基づいて、VLANを構成するネットワーク機器のVLAN名のなかのいずれかのVLAN名を引数として選択可能な設定コマンドがボディ部に格納された実行用POSTリクエストを生成し、HTTPリクエストに含まれる参照用POSTリクエストを、この実行用POSTリクエストに置換したWebボットのシナリオを作成する。
【0017】
それから、設定端末からシナリオの実行要求を受け付けると、VLANを構成するネットワーク機器各々のVLAN名の一覧を設定端末に出力して、設定端末からVLAN名の指定を受け付ける。そして、実行用POSTリクエストのボディ部に格納された設定コマンドの引数として、受け付けたVLAN名を伴うWebボットのシナリオに従い、このVLAN名を有するネットワーク機器のVLAN設定を実施する。
【0018】
例えば、本発明の第二の態様は、
Web設定画面を介して設定可能なネットワーク機器に対して自動化されたタスクを実行して各種設定を行うためのアプリケーションソフトウエアであるWebボットのシナリオ作成を支援するWebボットシナリオ作成支援装置であって、
VLAN(Virtual Local Area Network)を構成する前記ネットワーク機器各々のアドレス情報およびVLAN名が記憶されたVLAN情報記憶手段と、
前記Webボットのシナリオ作成を支援するために、前記VLAN情報記憶手段に記憶された所望のVLAN名を有する前記ネットワーク機器に対して、前記Web設定画面を介して所望のVLAN設定操作を行うことを促すガイダンスを、前記ネットワーク機器の設定を行う設定端末に対して出力するガイダンス処理手段と、
前記ガイダンス処理手段によって前記設定端末に出力されたガイダンスに従って前記設定端末が前記Web設定画面を介して行った前記ネットワーク機器に対する操作により前記設定端末から前記ネットワーク機器に送信されたHTTP(HyperText Transfer Protocol)リクエストを記憶する操作内容記憶手段と、
前記操作内容記憶手段に記憶されたHTTPリクエストのなかから、引数として前記所望のVLAN名の指定を伴う設定コマンドがボディ部に格納された参照用POSTリクエストを抽出し、当該参照用POSTリクエストに基づいて、前記VLAN情報記憶手段に記憶されているVLAN名のいずれかを引数として選択可能な設定コマンドがボディ部に格納された実行用POSTリクエストを生成し、前記HTTPリクエストに含まれる前記参照用POSTリクエストを前記実行用POSTリクエストに置換した前記Webボットのシナリオを作成するシナリオ作成手段と、
前記シナリオ作成手段により作成された前記Webボットのシナリオを記憶するシナリオ記憶手段と、
前記設定端末の要求に従い、前記VLAN情報記憶手段に記憶されているVLAN名の一覧を前記設定端末に出力して、前記設定端末から、当該一覧内のVLAN名の指定を受け付ける引数受付手段と、
前記実行用POSTリクエストのボディ部に格納された設定コマンドの引数として、前記引数受付手段により受け付けたVLAN名を伴う前記Webボットのシナリオに従い、当該VLAN名に紐付けられて前記VLAN情報記憶手段に記憶されているアドレス情報により特定される前記ネットワーク機器のVLAN設定を実施するWebボット実行手段と、を有する。
【発明の効果】
【0019】
本発明の第一の態様によれば、ユーザは、ガイダンスにしたがって、ネットワーク機器が提供するWeb設定画面を介して、ネットワーク機器が備える最小ポート番号のポートおよび最大ポート番号のポート各々に対して所望の設定操作を行うことにより、最小ポート番号から最大ポート番号までの範囲内の任意のポート番号のポートに対して所望の設定を行うためのWebボットのシナリオが作成される。そして、Webボットのシナリオ実行に際して、最小ポート番号から最大ポート番号までの範囲内で所望のポート番号を指定するだけで、ネットワーク機器のこの指定されたポート番号のポートに対して所望の設定を行うことができる。したがって、ネットワーク機器が備える各ポートに対して所望の設定を行うために、ネットワーク機器が備えるポート毎に、Web設定画面を介して所望の設定を行うための一連の操作を行う必要がない。
【0020】
また、本発明の第二の態様によれば、ユーザは、ガイダンスにしたがって、VLANを構成する所望のVLAN名を有するネットワーク機器に対して所望の設定操作を行うことにより、VLANを構成するすべてのネットワーク機器に対して所望のVLAN設定を行うためのWebボットのシナリオが作成される。そして、Webボットのシナリオ実行に際して、VLANを構成するすべてのネットワーク機器のVLAN名のなかから所望のVLAN名を指定するだけで、指定されたVLAN名を有するネットワーク機器に対して所望の設定を行うことができる。したがって、VLANを構成する各ネットワーク機器に対して所望の設定を行うために、VLANを構成するネットワーク機器毎に、Web設定画面を介して所望のVLAN設定を行うための一連の操作を行う必要がない。
【0021】
このように、本発明によれば、ネットワーク機器の各種設定のためのWeb設定画面を介した一連のWebブラウザ操作を繰り返す煩わしさが解消され、Web設定画面を介したネットワーク機器の各種設定操作を、さらに効率化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施の形態に係るWebボットシナリオ作成支援システムの概略構成図である。
【
図2】
図2は、本発明の第1実施の形態に係るWebボットシナリオ作成支援システムのWebボットのシナリオ作成支援動作例を説明するためのシーケンス図である。
【
図3】
図3は、本発明の第1実施の形態に係るWebボットシナリオ作成支援システムのWebボットのシナリオ作成支援動作例を説明するためのシーケンス図であり、
図2の続きである。
【
図4】
図4は、本発明の第1実施の形態に係るWebボットシナリオ作成支援システムのWebボットのシナリオ実行動作例を説明するためのシーケンス図である。
【
図5】
図5は、Webボットシナリオ作成支援装置1の概略機能構成図である。
【
図6】
図6は、Webボットシナリオ作成支援装置1のWebボットシナリオ作成支援処理を説明するためのフロー図である。
【
図7】
図7は、設定端末3の表示画面30に表示される設定対象選択画面31の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、設定端末3の表示画面30に表示されるガイダンス画面32aの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、
図8に示すガイダンス画面32aに続けて、設定端末3の表示画面30に表示されるガイダンス画面32bの一例を示す図である。
【
図10】
図10は、
図9に示すガイダンス画面32bに続けて、設定端末3の表示画面30に表示されるガイダンス画面32cおよびWeb設定画面(ログイン画面)33aの一例を示す図である。
【
図11】
図11は、
図10に示すガイダンス画面32cに続けて、設定端末3の表示画面30に表示されるガイダンス画面32dおよびWeb設定画面(メニュー画面)33bの一例を示す図である。
【
図12】
図12は、
図11に示すガイダンス画面32dに続けて、設定端末3の表示画面30に表示されるガイダンス画面32eおよびWeb設定画面(PoE設定画面)33cの一例を示す図である。
【
図13】
図13は、
図12に示すガイダンス画面32eに続けて、設定端末3の表示画面30に表示されるガイダンス画面32fおよびWeb設定画面(PoE設定画面)33dの一例を示す図である。
【
図14】
図14は、
図13に示すガイダンス画面32fに続けて、設定端末3の表示画面30に表示されるガイダンス画面32gおよびWeb設定画面(ログアウト画面)33eの一例を示す図である。
【
図15】
図15は、
図14に示すガイダンス画面32gに続けて、設定端末3の表示画面30に表示されるガイダンス画面32hの一例を示す図である。
【
図16】
図16は、Webボットシナリオ作成支援装置1のWebボットのシナリオ実行処理を説明するためのフロー図である。
【
図17】
図17は、本発明の第2実施の形態に係るWebボットシナリオ作成支援システムの概略構成図である。
【
図18】
図18は、本発明の第2実施の形態に係るWebボットシナリオ作成支援システムのWebボットのシナリオ作成支援動作例を説明するためのシーケンス図である。
【
図19】
図19は、本発明の第2実施の形態に係るWebボットシナリオ作成支援システムのWebボットのシナリオ実行動作例を説明するためのシーケンス図である。
【
図20】
図20は、Webボットシナリオ作成支援装置1aの概略機能構成図である。
【
図21】
図21は、Webボットシナリオ作成支援装置1aのWebボットのシナリオ作成支援処理を説明するためのフロー図である。
【
図22】
図22は、設定端末3の表示画面30に表示される設定対象選択画面34の一例を示す図である。
【
図23】
図23は、設定端末3の表示画面30に表示されるガイダンス画面35aの一例を示す図である。
【
図24】
図24は、
図23に示すガイダンス画面35aに続けて、設定端末3の表示画面30に表示されるガイダンス画面35bの一例を示す図である。
【
図25】
図25は、
図24に示すガイダンス画面35bに続けて、設定端末3の表示画面30に表示されるガイダンス画面35cおよびWeb設定画面(ログイン画面)36aの一例を示す図である。
【
図26】
図26は、
図25に示すガイダンス画面35cに続けて、設定端末3の表示画面30に表示されるガイダンス画面35dおよびWeb設定画面(メニュー画面)36bの一例を示す図である。
【
図27】
図27は、
図26に示すガイダンス画面35dに続けて、設定端末3の表示画面30に表示されるガイダンス画面35eおよびWeb設定画面(VLAN設定画面)36cの一例を示す図である。
【
図28】
図28は、
図27に示すガイダンス画面35eに続けて、設定端末3の表示画面30に表示されるガイダンス画面35fおよびWeb設定画面(ログアウト画面)36dの一例を示す図である。
【
図29】
図29は、
図28に示すガイダンス画面32fに続けて、設定端末3の表示画面30に表示されるガイダンス画面35gの一例を示す図である。
【
図30】
図30は、Webボットシナリオ作成支援装置1aのWebボットのシナリオ実行処理を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0024】
[第1実施の形態]
まず、本発明の第1の実施の形態を説明する。
【0025】
図1は、本実施の形態に係るWebボットシナリオ作成支援システムの概略構成図である。
【0026】
図示するように、本実施の形態に係るWebボットシナリオ作成支援システムは、ゲートウェイ、エッジ端末等のネットワーク端末4-1、4-2(以下、単にネットワーク端末4とも呼ぶ)に接続されたインテリジェントハブ2と、インテリジェントハブ2の各種設定のための設定端末3と、Webボットシナリオ作成支援装置1と、を備えて構成される。
【0027】
インテリジェントハブ2は、SNMP(Simple Network Management Protocol)エージェント機能およびWebサーバ機能を有し、Web設定画面を介して設定端末3から受け付けた操作に従い、自身の各種設定を行う。また、インテリジェントハブ2は、モニタポート(ミラーポート)20を有し、設定端末3がインテリジェントハブ2に送信したHTTP(HyperText Transfer Protocol)リクエストをミラーリングしてこのモニタポート20から出力する。
【0028】
設定端末3は、Webブラウザ機能を有するネットワーク端末であり、インテリジェントハブ2が提供するWeb設定画面を介してユーザの各種設定操作の内容をインテリジェントハブ2に送信する。
【0029】
そして、Webボットシナリオ作成支援装置1は、ユーザが設定端末3上のWeb設定画面を介して行ったインテリジェントハブ2の設定操作に基づいて、インテリジェントハブ2に対して自動化されたタスクを実行して各種設定を行うためのアプリケーションソフトウエアであるWebボットのシナリオ作成を支援する。
【0030】
図2および
図3は、本実施の形態に係るWebボットシナリオ作成支援システムのWebボットのシナリオ作成支援動作例を説明するためのシーケンス図である。
【0031】
Webボットシナリオ作成支援装置1は、装置起動(電源オン)、設定端末3からの端末情報要求の受信等、所定のイベントが発生したことを検知すると(S100)、ネットワーク(インテリジェントハブ2)に端末情報要求をブロードキャストする(S101)。端末情報要求を受信したインテリジェントハブ2およびネットワーク端末4は、自身の端末情報を、端末情報要求の送信元であるWebボットシナリオ作成支援装置1に送信する(S102、S103)。それから、Webボットシナリオ作成支援装置1は、ネットワークから受信した端末情報を含む端末一覧情報を設定端末3に通知する(S104)。
【0032】
つぎに、設定端末3は、Webボットシナリオ作成支援装置1から端末一覧情報を受信すると、これを表示して(S105)、ユーザから、設定対象の端末情報の選択を受け付ける。ここで、ユーザによりインテリジェントハブ2が設定対象として選択されたものとする(S106)。これを受けて、設定端末3は、インテリジェントハブ2へのアクセス要求をWebボットシナリオ作成支援装置1に送信する(S107)。
【0033】
つぎに、Webボットシナリオ作成支援装置1は、設定端末3から受信したアクセス要求がインテリジェントハブ2に対するものであることを確認すると、インテリジェントハブ2に対する設定操作のガイダンス処理を開始して(S108)、設定端末3にガイダンス画面を表示し、インテリジェントハブ2の設定に関するWebボットのシナリオの作成を支援するためのガイダンス情報を表示させる(S109)。例えば、Webボットのシナリオ作成を支援するために、インテリジェントハブ2が備える最小ポート番号のポートおよび最大ポート番号のポート各々に対する所望の設定操作を、インテリジェントハブ2が提供するWeb設定画面を介して行うようにユーザを促すガイダンスを行う。また、Webボットシナリオ作成支援装置1は、設定端末3から受信したアクセス要求をインテリジェントハブ2に転送する(S110)。
【0034】
つぎに、インテリジェントハブ2は、Webボットシナリオ作成支援装置1を介して設定端末3からアクセス要求を受信すると、Webブラウザによる操作の受付を開始して(S111)、設定端末3にWeb設定画面を表示する(S112)。これにより、ユーザは、ガイダンス表示画面に表示されたガイダンスメッセージに従い、Web設定画面を利用して、Webボットのシナリオ作成のための設定操作を実施することができる。また、インテリジェントハブ2は、設定端末3から受信したHTTPリクエストをミラーリングしてモニタポート20からWebボットシナリオ作成支援装置1に出力する(S113)。
【0035】
その後、ユーザが、ガイダンス表示画面に表示されたガイダンスメッセージに従ってWeb設定画面上での設定操作を終了すると(S114)、Webボットシナリオ作成支援装置1は、インテリジェントハブ2のモニタポート20から受信したHTTPリクエストに基づいてWebボットのシナリオを作成して登録する(S115)。それから、Webボットシナリオ作成支援装置1は、設定端末3上のガイダンス表示画面に、Webボットのシナリオ作成が完了した旨の通知を表示して、ガイダンス表示画面を用いたガイダンスを終了する(S116)。
【0036】
図4は、本実施の形態に係るWebボットシナリオ作成支援システムのWebボットのシナリオ実行動作例を説明するためのシーケンス図である。
【0037】
設定端末3は、ユーザからシナリオ一覧表示操作を受け付けると(S150)、Webボットシナリオ作成支援装置1にシナリオ一覧取得要求を送信する(S151)。これを受けて、Webボットシナリオ作成支援装置1は、登録済みのシナリオ各々のシナリオ名等が記述されたシナリオ一覧を設定端末3に通知する(S152)。
【0038】
つぎに、設定端末3は、Webボットシナリオ作成支援装置1から受信したシナリオ一覧を表示して(S153)、ユーザから実行対象シナリオのシナリオ名の選択を受け付ける(S154)。そして、選択されたシナリオ名の指定を伴うシナリオ選択通知をWebボットシナリオ作成支援装置1に送信する(S155)。
【0039】
つぎに、Webボットシナリオ作成支援装置1は、設定端末3より受信したシナリオ選択通知で指定されているシナリオ名を有するシナリオにおいて、設定コマンドの引数(パラメータの値)として指定可能なるポート番号の範囲(最小ポート番号~最大ポート番号:以下、ポート番号選択可能範囲)を特定する(S156)。そして、特定したポート番号範囲を含むポート番号範囲通知を設定端末3に送信する(S157)。
【0040】
つぎに、設定端末3は、Webボットシナリオ作成支援装置1から受信したポート番号範囲通知に含まれているポート番号範囲を表示して(S158)、ユーザから、ポート番号選択可能範囲内のいずれかのポート番号の選択を受け付ける(S159)。そして、受け付けたポート番号の指定を伴うポート番号指定通知をWebボットシナリオ作成支援装置1に送信する(S160)。
【0041】
Webボットシナリオ作成支援装置1は、設定端末3からポート番号指定通知を受信すると、これに先立って設定端末3から受信したシナリオ選択通知で指定されたシナリオ名を有するWebボットのシナリオの引数(ポート番号)に、ポート番号指定通知で指定されたポート番号を設定して、このWebボットのシナリオを実行する(S161)。これにより、インテリジェントハブ2のポートのうち、ポート番号指定通知で指定されているポート番号のポートが、シナリオ選択通知で指定されているシナリオ名を有するWebボットのシナリオに従って設定される(S162)。
【0042】
つぎに、Webボットシナリオ作成支援装置1の詳細を説明する。
【0043】
なお、インテリジェントハブ2には、SNMPエージェント機能およびWebサーバ機能を有し、Web設定画面を介した設定操作が可能な既存のモニタポートを有するインテリジェントハブを利用することができるので、その詳細な説明を省略する。
【0044】
図5は、Webボットシナリオ作成支援装置1の概略機能構成図である。
【0045】
図示するように、Webボットシナリオ作成支援装置1は、ネットワークインターフェース部100と、設定端末インターフェース部101と、中継部102と、ガイダンス処理部103と、操作内容取得部104と、操作内容記憶部105と、シナリオ作成部106と、シナリオ記憶部107と、シナリオ指定受付部108と、シナリオ実行部109と、を備えている。
【0046】
ネットワークインターフェース部100は、インテリジェントハブ2およびインテリジェントハブ2のモニタポート20に接続するためのインターフェースである。
【0047】
設定端末インターフェース部101は、設定端末3に接続するためのインターフェースである。
【0048】
中継部102は、ネットワークインターフェース部100および設定端末インターフェース部101を介して、インテリジェントハブ2および設定端末3間のメッセージのやり取り(HTTPリクエストおよびHTTPレスポンス)を中継する。
【0049】
ガイダンス処理部103は、設定端末インターフェース部101を介して設定端末3からインテリジェントハブ2へのアクセス要求を受信した場合に、インテリジェントハブ2の設定に関するWebボットのシナリオ作成を支援するために、設定端末3からシナリオ名を受け付けるとともに、設定端末3のユーザに対して、インテリジェントハブ2が備える最小ポート番号のポートおよび最大ポート番号のポート各々に対して、インテリジェントハブ2が提供するWeb設定画面を介して所望の設定操作を行うように促すガイダンスを行う。また、このインテリジェントハブ2へのアクセス要求を中継部102に出力する。
【0050】
操作内容取得部104は、ネットワークインターフェース部100を介してインテリジェントハブ2のモニタポート20から受信したHTTPリクエストのなかから、ガイダンス処理部103が出力するガイダンスメッセージに従って設定端末3上のガイダンス表示画面で行われたWebブラウザ操作により設定端末3からインテリジェントハブ2に送信されたHTTPリクエストを取得する。
【0051】
操作内容記憶部105は、操作内容取得部104により取得されたHTTPリクエストを記憶する。
【0052】
シナリオ作成部106は、操作内容記憶部105に記憶されているHTTPリクエストに基づいて、インテリジェントハブ2の設定に関するWebボットのシナリオを作成する。具体的には、操作内容記憶部105に記憶されているHTTPリクエストのなかから、引数として最小ポート番号の指定を伴う設定コマンドがボディ部に格納された第1の参照用POSTリクエストおよび引数として最大ポート番号の指定を伴う設定コマンドがボディ部に格納された第2の参照用POSTリクエストを抽出し、これら第1、第2の参照用POSTリクエストに基づいて、引数をポート番号選択可能範囲(最小ポート番号~最大ポート番号)内で任意選択可能な実行用POSTリクエストを作成する。例えば、この実行用POSTリクエストのボディ部には、参照用POSTリクエストにおけるポート番号に代えてポート番号選択可能範囲(最小ポート番号~最大ポート番号)が引数として記述された設定コマンドが格納されている。そして、操作内容記憶部105に記憶されているHTTPリクエストに含まれている第1、第2の参照用POSTリクエストを実行用POSTリクエストに置換したWebボットのシナリオを作成する。それから、作成したシナリオに、ガイダンス処理部103が設定端末3から受け付けたシナリオ名等を紐付ける。
【0053】
シナリオ記憶部107は、シナリオ作成部106により作成されたWebボットのシナリオを、このシナリオに紐付けられたシナリオ名とともに記憶する。
【0054】
シナリオ指定受付部108は、設定端末インターフェース部101を介して設定端末3からシナリオ名の指定を受け付ける。そして、指定されたシナリオ名に紐付けられてシナリオ記憶部107に記憶されているWebボットのシナリオに含まれている実行用POSTリクエストのボディ部に格納された設定コマンドの引数として記述されたポート番号選択可能範囲(最小ポート番号~最大ポート番号)を設定端末3に出力して、設定端末3から、このポート番号選択可能範囲内のいずれかのポート番号の指定を、設定対象ポートのポート番号として受け付ける。
【0055】
シナリオ実行部109は、シナリオ指定受付部108により指定されたシナリオ名に紐付けられてシナリオ記憶部107に記憶されているWebボットのシナリオに含まれる実行用POSTリクエストのボディ部に格納された設定コマンドの引数を、ポート番号選択可能範囲から、シナリオ指定受付部108が受け付けたポート番号に置き換えて、このシナリオを実行する。これにより、インテリジェントハブ2の設定を実施する。
【0056】
なお、
図5に示すWebボットシナリオ作成支援装置1の機能構成は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積ロジックICによりハード的に実現されるものでもよいし、あるいはDSP(Digital Signal Processor)等の計算機によりソフトウエア的に実現されるものでもよい。または、CPU(Central Processing Unit)と、メモリと、補助記憶装置と、NIC(Network Interface Card)等の通信インターフェースと、を備えたPC(Personal Computer)等の汎用コンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することにより各機能がプロセスとして実現されるものでもよい。
【0057】
図6は、Webボットシナリオ作成支援装置1のWebボットのシナリオ作成支援処理を説明するためのフロー図である。
【0058】
このフローは、装置起動(電源オン)、設定端末インターフェース部101が設定端末3から端末情報要求を受信する等、所定のイベントが発生することにより開始される。
【0059】
まず、ガイダンス処理部103は、中継部102を介してネットワークインターフェース部100から端末情報要求をブロードキャストし、インテリジェントハブ2および各ネットワーク端末4から、端末名、端末種類、およびアドレス情報を含む端末情報を取得する(S200)。
【0060】
つぎに、ガイダンス処理部103は、設定端末インターフェース部101を介して設定端末3に、取得した端末情報を含む端末一覧情報を送信して、
図7に示すように、設定端末3の表示画面30に設定対象選択画面31を表示する(S201)。
図7に示す例では、設定対象選択画面31内に、端末一覧情報に含まれている端末情報310が選択可能に一覧表示されている。ユーザがクリック操作、タップ操作等によりいずれかの端末情報310を選択することにより、設定端末3は、選択された端末情報310に含まれているアドレス情報を宛先とするアクセス要求(HTTPリクエスト)をWebボットシナリオ作成支援装置1に送信する。
【0061】
つぎに、ガイダンス処理部103は、設定端末インターフェース部101を介して設定端末3からアクセス要求を受信すると(S202でYES)、その宛先がインテリジェントハブ2であるか否かを判断する(S203)。
【0062】
アクセス要求の宛先がインテリジェントハブ2以外のネットワーク端末4である場合(S203でNO)、このアクセス要求を中継部102に渡す。これを受けて、中継部102は、ネットワークインターフェース部100を介してインテリジェントハブ2にアクセス要求を送信するとともに、ネットワークインターフェース部100および設定端末インターフェース部101と連携して、アクセス要求の宛先であるネットワーク端末4と設定端末3との中継を開始する(S204)。これにより、設定端末3のユーザは、アクセス要求の宛先であるネットワーク端末4が提供するWeb設定画面に対してWebブラウザ操作を行うことにより、このネットワーク端末4に対する各種設定を行うことができる。その後、ネットワーク端末4から設定端末3へログアウト通知(HTTPレスポンス)が送信された場合や、ネットワーク端末4および設定端末3間において所定時間以上メッセージのやり取り(HTTPリクエスト、HTTPレスポンスの送受信)が行われることなくタイムアウトした場合等に、中継部102は、設定端末3によるネットワーク端末4に対する設定が完了あるいは中止されたと判断し(S205でYES)、ネットワーク端末4と設定端末3との間の中継を終了する(S206)。
【0063】
一方、アクセス要求の宛先がインテリジェントハブ2である場合(S203でYES)、ガイダンス処理部103は、設定端末インターフェース部101を介して設定端末3にガイダンス情報を送信し、インテリジェントハブ2の設定に関するWebボットのシナリオ作成を支援するためのガイダンスを開始する(S207)。また、ガイダンスの適切なタイミングにおいて、アクセス要求を中継部102に渡すとともに、操作内容取得部104に操作内容の取得を指示する。これを受けて、中継部102は、ネットワークインターフェース部100を介してインテリジェントハブ2にアクセス要求を送信するとともに、ネットワークインターフェース部100および設定端末インターフェース部101と連携して、アクセス要求の宛先であるインテリジェントハブ2と設定端末3との間におけるメッセージの中継を開始する。また、操作内容取得部104は、ネットワークインターフェース部100を介してインテリジェントハブ2のモニタポート20から取得されるHTTPリクエスト(設定端末3からインテリジェントハブ2へのHTTPリクエスト)の、操作内容記憶部105への記憶を開始する(S208)。
【0064】
ここで、ガイダンス処理部103が設定端末3に対して実施する、インテリジェントハブ2の設定に関するWebボットのシナリオ作成を支援するためのガイダンスを説明する。
【0065】
まず、ガイダンス処理部103は、
図8に示すように、設定端末3の表示画面30に、シナリオ名の入力フォーム322と、プルダウンメニューから所定の設定項目の設定値を選択するための選択フォーム323と、を含むガイダンス画面32aを表示する。選択フォーム323のプルダウンメニューには、PoE(Power over Ethernet)のオン、PoEのオフ、ポートの有効、ポートの無効等、所定の設定項目の設定値がプルダウン表示される。設定端末3のユーザが、入力フォーム322にユニークなシナリオ名を入力し、プルダウンメニューからの選択により選択フォーム323にいずれかの設定値を入力して、完了ボタン320を操作することにより、設定端末3からWebボットシナリオ作成支援装置1にシナリオ名および設定値が送信される。
【0066】
つぎに、ガイダンス処理部103は、設定端末インターフェース部101を介して設定端末3からシナリオ名および設定値を受信すると、
図9に示すように、設定端末3の表示画面30に、最大ポート番号の入力フォーム324と、最小ポート番号の入力フォーム325と、を含むガイダンス画面32bを表示する。設定端末3のユーザが、入力フォーム324、325にインテリジェントハブ2の最大ポート番号、最小ポート番号を入力して、完了ボタン320を操作することにより、設定端末3からWebボットシナリオ作成支援装置1に最大ポート番号および最小ポート番号が送信される。なお、戻るボタン321は、一つ前のガイダンス画面(ここでは、
図8に示すガイダンス画面32a)に戻るための操作ボタンである。
【0067】
つぎに、ガイダンス処理部103は、設定端末インターフェース部101を介して設定端末3から最大ポート番号および最小ポート番号を受信すると、S208を実施して、アクセス要求を中継部102に渡して設定端末3およびインテリジェントハブ2間の中継を開始する。これにより、
図10に示すように、設定端末3の表示画面30に、インテリジェントハブ2が提供するWeb設定画面(ログイン画面)33aが表示される。また、ガイダンス処理部103は、操作内容取得部104に操作内容の取得を指示して、設定端末3からインテリジェントハブ2へ送られるHTTPリクエストの、操作内容記憶部105への記憶を開始するとともに、
図10に示すように、設定端末3の表示画面30に、インテリジェントハブ2が提供するWeb設定画面33aに対するログイン操作を促すメッセージ326を含むガイダンス画面32cを表示する。設定端末3のユーザが、Web設定画面33aにユーザ名およびパスワードを入力してインテリジェントハブ2にログインし、ガイダンス画面32cの完了ボタン320を操作すると、設定端末3からWebボットシナリオ作成支援装置1にログイン完了通知が送信される。
【0068】
つぎに、ガイダンス処理部103は、設定端末インターフェース部101を介して設定端末3からログイン完了通知を受信すると、
図11に示すように、設定端末3の表示画面30に、インテリジェントハブ2に対するログインの完了により表示されたWeb設定画面(メニュー画面)33bにおいて、指定の設定値(
図8に示すガイダンス画面32aの選択フォーム323で選択した設定値:ここでは、例えば、設定項目「PoE設定」の設定値「PoE無効」)の設定画面への移行操作を行うことを促すメッセージ327を含むガイダンス画面32dを表示する。設定端末3のユーザが、Web設定画面33bにおいて指定の設定値に対応する設定項目を選択して、ガイダンス画面32dの完了ボタン320を操作すると、設定端末3からWebボットシナリオ作成支援装置1に、選択された設定項目の設定画面への移行通知が送信される。
【0069】
つぎに、ガイダンス処理部103は、設定端末インターフェース部101を介して設定端末3から、選択された設定項目の設定画面への移行通知を受信すると、
図12に示すように、インテリジェントハブ2に対して指定の設定値(ここでは「PoE無効」)を設定するためのWeb設定画面33cを表示するとともに、
図9に示すガイダンス画面32bで受け付けた最小ポート番号(ここでは、例えばポート番号「1」)を有するポートのPoE無効操作を行うことを促すメッセージ328を含むガイダンス画面32eを表示する。設定端末3のユーザが、ガイダンス画面32eのメッセージ328にしたがって、Web設定画面33cにおいて、最小ポート番号を有するポートを指定の設定値(ここでは「PoE無効」)に設定して、ガイダンス画面32eの完了ボタン320を操作すると、設定端末3からWebボットシナリオ作成支援装置1に、最小ポート番号を有するポートに対する指定の設定値の設定完了通知が送信される。
【0070】
つぎに、ガイダンス処理部103は、設定端末インターフェース部101を介して設定端末3からこの設定完了通知を受信すると、
図13に示すように、インテリジェントハブ2に対して指定の設定値(ここでは「PoE無効」)を設定するためのWeb設定画面33dにおいて、
図9に示すガイダンス画面32bで受け付けた最大ポート番号(ここではポート番号「8」)を有するポートのPoE無効操作を行うことを促すメッセージ329を含むガイダンス画面32fを表示する。設定端末3のユーザが、Web設定画面33dにおいて、最大ポート番号を有するポートを指定の設定値(ここでは「PoE無効」)に設定して、ガイダンス画面32fの完了ボタン320を操作すると、設定端末3からWebボットシナリオ作成支援装置1に、最大ポート番号を有するポートに対する指定の設定値の設定完了通知が送信される。
【0071】
つぎに、ガイダンス処理部103は、設定端末インターフェース部101を介して設定端末3からこの設定完了通知を受信すると、
図14に示すように、設定端末3の表示画面30に、インテリジェントハブ2が提供するWeb設定画面(メニュー画面)33eに対するログアウト操作を行うことを促すメッセージ330を含むガイダンス画面32gを表示する。設定端末3のユーザが、Web設定画面33eに表示されたメニューからログアウトを選択すると、設定端末3がインテリジェントハブ2からログアウトし、さらに、設定端末3のユーザが、ガイダンス画面32gの完了ボタン320を操作すると、設定端末3からWebボットシナリオ作成支援装置1にログアウト完了通知が送信される。
【0072】
【0073】
ガイダンス処理部103は、設定端末インターフェース部101を介して設定端末3からログアウト完了通知を受信すると(S209でYES)、インテリジェントハブ2の設定に関するWebボットのシナリオ作成のための設定操作が完了したものと判断し、インテリジェントハブ2と設定端末3との間の中継を終了する。また、ガイダンス処理部103は、操作内容取得部104に操作内容の取得終了を指示して、設定端末3からインテリジェントハブ2へ送られるHTTPリクエストの、操作内容記憶部105への記憶を終了する(S210)。それから、ガイダンス処理部103は、シナリオ作成部106に、設定端末3から受け付けたシナリオ名および設定値を通知してWebボットのシナリオ作成を指示する。
【0074】
これを受けて、シナリオ作成部106は、操作内容記憶部105に記憶されているHTTPリクエストに基づいて、インテリジェントハブ2の設定に関するWebボットのシナリオを作成してシナリオ記憶部107に記憶する(S211)。具体的には、操作内容記憶部105に記憶されているHTTPリクエストのなかから、引数として最小ポート番号の指定を伴う設定コマンドがボディ部に格納された第1の参照用POSTリクエストおよび引数として最大ポート番号の指定を伴う設定コマンドがボディ部に格納された第2の参照用POSTリクエストを抽出し、これら第1、第2の参照用POSTリクエストに基づいて、引数としてポート番号選択可能範囲(最小ポート番号~最大ポート番号)が記述された設定コマンドがボディ部に格納された実行用POSTリクエストを作成する。そして、操作内容記憶部105に記憶されているHTTPリクエストに含まれている第1、第2の参照用POSTリクエストを実行用POSTリクエストに置換したWebボットのシナリオを作成する。それから、作成したシナリオに、ガイダンス処理部103から通知されたシナリオ名および設定値を紐付けてシナリオ記憶部107に記憶する。
【0075】
それから、ガイダンス処理部103は、
図15に示すように、設定端末3の表示画面30に、インテリジェントハブ2の設定に関するWebボットのシナリオ作成のためのガイダンスが終了した旨のメッセージ331を含むガイダンス画面32hを表示する(S212)。設定端末3のユーザが、ガイダンス画面32hの完了ボタン320を操作すると、設定端末3は、表示画面30へのガイダンス画面32hの表示を終了する。
【0076】
図16は、Webボットシナリオ作成支援装置1のWebボットのシナリオ実行処理を説明するためのフロー図である。
【0077】
このフローは、シナリオ指定受付部108が、設定端末インターフェース部101を介して設定端末3からシナリオ一覧取得要求を受信することにより開始される。
【0078】
まず、シナリオ指定受付部108は、シナリオ記憶部107に記憶されているWebボットのシナリオ各々のシナリオ名および設定値を含むシナリオ一覧情報を、設定端末インターフェース部101を介して設定端末3に送信する(S300)。そして、設定端末3からシナリオ選択通知が送られてくるのを待つ(S301)。
【0079】
つぎに、シナリオ指定受付部108は、設定端末3からシナリオ選択通知を受信すると(S301でYES)、シナリオ選択通知で指定されたシナリオ名に紐付けられてシナリオ記憶部107に記憶されているWebボットのシナリオを検索し、検索したシナリオに含まれている実行用POSTリクエストのボディ部に格納された設定コマンドから、引数として設定されているポート番号選択可能範囲(最小ポート番号~最大ポート番号)を特定する(S302)。それから、シナリオ指定受付部108は、特定したポート番号選択可能範囲の指定を含むポート番号範囲通知を、設定端末インターフェース部101を介して設定端末3に送信し(S303)、設定端末3からポート番号指定通知が送られてくるのを待つ(S304)。
【0080】
つぎに、シナリオ指定受付部108は、設定端末3からポート番号指定通知を受信すると(S304でYES)、シナリオ実行部109に、シナリオ選択通知で指定されたシナリオ名等およびポート番号指定通知で指定されているポート番号を通知してシナリオの実行を指示する。これを受けて、シナリオ実行部109は、シナリオ指定受付部108より通知されたシナリオ名に紐付けられてシナリオ記憶部107に記憶されているWebボットのシナリオに含まれる実行用POSTリクエストのボディ部に格納された設定コマンドの引数を、ポート番号選択可能範囲(最小ポート番号~最大ポート番号)から、シナリオ指定受付部108より通知されたポート番号に変更する(S305)。そして、引数が変更されたWebボットのシナリオを実行する(S306)。具体的には、Webボットのシナリオに含まれているHTTPリクエスト(実行用POSTリクエストを含む)を、順番にネットワークインターフェース部100からインテリジェントハブ2に送信する。これにより、インテリジェントハブ2において、ポート番号指定通知で指定されたポート番号のポートに、Webボットのシナリオに紐付けられている設定値が設定される。
【0081】
以上、本発明の第1実施の形態について説明した。
【0082】
本実施の態様によれば、設定端末3のユーザは、設定端末3の表示画面30に表示されるガイダンス画面32a~32hのガイダンスにしたがって、インテリジェントハブ2が提供するWeb設定画面33a~33eを介して、インテリジェントハブ2が備える最小ポート番号のポートおよび最大ポート番号のポート各々に対して所望の設定操作を行うことにより、最小ポート番号~最大ポート番号の範囲のポート番号のポートに対して所望の設定を行うためのWebボットのシナリオが作成される。そして、Webボットのシナリオ実行に際して、最小ポート番号~最大ポート番号の範囲内で所望のポート番号を指定するだけで、インテリジェントハブ2のこの指定されたポート番号のポートに対して所望の設定を行うことができる。したがって、インテリジェントハブ2が備える各ポートに対して所望の設定を行うために、インテリジェントハブ2が備えるポート毎に、Web設定画面を介して所望の設定を行うための一連の操作を行う必要がない。
【0083】
このように、本実施の形態によれば、インテリジェントハブ2の各種設定のためのWeb設定画面を介した一連のWebブラウザ操作を繰り返す煩わしさが解消され、Web設定画面を介した各種設定をより効率化することができる。
【0084】
[第2実施の形態]
つぎに、本発明の第2の実施の形態を説明する。
【0085】
図17は、本実施の形態に係るWebボットシナリオ作成支援システムの概略構成図である。
【0086】
なお、本実施の形態において、
図1に示す第1実施の形態に係るWebボットシナリオ作成支援システムと同じ機能を有するものには同じ符号を付している。
【0087】
図示するように、本実施の形態に係るWebボットシナリオ作成支援システムは、複数のインテリジェントハブ5-1~5-4(以下、単にインテリジェントハブ5とも呼ぶ)と、インテリジェントハブ5の各種設定のための設定端末3と、Webボットシナリオ作成支援装置1aと、インテリジェントハブ5およびWebボットシナリオ作成支援装置1a間を中継するモニタハブ6と、を備えて構成される。
【0088】
インテリジェントハブ5は、SNMPエージェント機能およびWebサーバ機能を有し、Web設定画面を介して設定端末3から受け付けた操作に従い自身の各種設定を行う。また、インテリジェントハブ5は、VLAN(Virtual Local Area Network)機能を有し、同じVLANに割り当てられているインテリジェントハブ5間でデータの転送を行うことができる。
【0089】
モニタハブ6は、モニタポート(ミラーポート)60を有し、設定端末3がインテリジェントハブ5に送信したHTTPリクエストをミラーリングしてこのモニタポート60から出力する。
【0090】
設定端末3は、Webブラウザ機能を有するネットワーク端末であり、インテリジェントハブ5が提供するWeb設定画面を介して各種設定操作の内容をインテリジェントハブ2に送信する。
【0091】
そして、Webボットシナリオ作成支援装置1aは、ユーザが設定端末3上のWeb設定画面を介して行ったインテリジェントハブ5のVLAN設定操作に基づいて、インテリジェントハブ2に対して自動化されたタスクを実行してVLAN設定を行うためのアプリケーションソフトウエアであるWebボットのシナリオ作成を支援する。
【0092】
図18は、本発明の第2実施の形態に係るWebボットシナリオ作成支援システムのWebボットのシナリオ作成支援動作例を説明するためのシーケンス図である。
【0093】
設定端末3は、ユーザらインテリジェントハブ一覧取得操作を受け付けると(S400)、インテリジェントハブ一覧取得要求をWebボットシナリオ作成支援装置1aに送信する(S401)。これを受けて、Webボットシナリオ作成支援装置1aは、VLANに割り当てられているインテリジェントハブ5毎に、このインテリジェントハブ5の名称、このインテリジェントハブ5に割り当てられているVLANのVLANID、このVLANにおけるインテリジェントハブ5のVLAN名、および、このインテリジェントハブ5のアドレス情報を含むインテリジェントハブ情報が記述されたインテリジェントハブ一覧情報を設定端末3に送信する(S402)。
【0094】
つぎに、設定端末3は、Webボットシナリオ作成支援装置1aからインテリジェントハブ一覧情報を受信すると、これを表示して(S403)、ユーザからVLAN設定対象のインテリジェントハブ5の選択を受け付ける(S404)。これを受けて、設定端末3は、選択されたインテリジェントハブ5へのアクセス要求をWebボットシナリオ作成支援装置1aに送信する(S405)。
【0095】
つぎに、Webボットシナリオ作成支援装置1aは、インテリジェントハブ5へのアクセス要求を設定端末3から受信すると、このインテリジェントハブ5に対するVLAN設定操作のガイダンス処理を開始して(S406)、設定端末3にガイダンス画面を表示し、インテリジェントハブ5のVLAN設定に関するWebボットのシナリオの作成を支援するためのガイダンス情報を表示させる(S407)。例えば、Webボットのシナリオ作成を支援するために、アクセス先のインテリジェントハブ5に対する所望のVLAN設定操作を、このインテリジェントハブ5が提供するWeb設定画面を介して行うようにユーザを促すガイダンスを行う。また、Webボットシナリオ作成支援装置1aは、設定端末3から受信したアクセス要求をアクセス先のインテリジェントハブ5に中継する(S408)。
【0096】
つぎに、インテリジェントハブ5は、Webボットシナリオ作成支援装置1aを介して設定端末3からアクセス要求を受信すると、Webブラウザによる操作の受付を開始して(S409)、設定端末3にWeb設定画面を表示する(S410)。これにより、ユーザは、ガイダンス表示画面に表示されたガイダンスメッセージに従い、Web設定画面を利用して、Webボットのシナリオ作成のためのVLAN設定操作を実施することができる。また、モニタハブ6は、設定端末3から受信したHTTPリクエストをミラーリングしてモニタポート60からWebボットシナリオ作成支援装置1aに送信する(S411)。
【0097】
その後、ユーザが、ガイダンス表示画面に表示されたガイダンスメッセージに従ってWeb設定画面でのVLAN設定操作を終了すると(S412)、Webボットシナリオ作成支援装置1aは、モニタハブ6のモニタポート60から受信したHTTPリクエストに基づいて、Webボットのシナリオを作成して登録する(S413)。それから、Webボットシナリオ作成支援装置1aは、設定端末3上のガイダンス表示画面に、Webボットのシナリオ作成が完了した旨の通知を表示して、このガイダンス表示画面を用いたガイダンスを終了する(S414)。
【0098】
図19は、本実施の形態に係るWebボットシナリオ作成支援システムのWebボットのシナリオ実行動作例を説明するためのシーケンス図である。
【0099】
設定端末3は、ユーザからシナリオ一覧表示操作を受け付けると(S500)、Webボットシナリオ作成支援装置1aにシナリオ一覧取得要求を送信する(S501)。これを受けて、Webボットシナリオ作成支援装置1aは、登録済みのシナリオ各々のシナリオ名等が記述されたシナリオ一覧を設定端末3に通知する(S502)。
【0100】
つぎに、設定端末3は、Webボットシナリオ作成支援装置1aから受信したシナリオ一覧を表示して(S503)、ユーザから実行対象シナリオのシナリオ名の選択を受け付ける(S504)。そして、選択されたシナリオ名の指定を伴うシナリオ選択通知を、Webボットシナリオ作成支援装置1aに送信する(S505)。
【0101】
つぎに、Webボットシナリオ作成支援装置1aは、VLANに割り当てられているインテリジェントハブ5のVLAN名の一覧を取得する(S506)。そして、取得したVLAN名の一覧を含むVLAN名一覧通知を設定端末3に送信する(S507)。
【0102】
つぎに、設定端末3は、Webボットシナリオ作成支援装置1aから受信したVLAN名一覧通知に含まれているVLAN名を一覧表示して(S508)、ユーザからいずれかのVLAN名の選択を受け付ける(S509)。そして、受け付けたVLAN名の指定を伴うVLAN名指定通知をWebボットシナリオ作成支援装置1aに送信する(S510)。
【0103】
Webボットシナリオ作成支援装置1aは、設定端末3からVLAN名指定通知を受信すると、これに先立って設定端末3から受信したシナリオ選択通知で指定されたシナリオ名を有するWebボットのシナリオの引数(VLAN名)に、このVLAN名指定通知で指定されているVLAN名を設定し、このVLAN名指定通知で指定されているVLAN名に紐付けられているアドレス情報により特定されるインテリジェントハブ5に対して、このWebボットのシナリオを実行する(S511)。これにより、このインテリジェントハブ5が、シナリオ選択通知で指定されたシナリオ名を有するWebボットのシナリオに従ってVLAN設定される(S512)。
【0104】
つぎに、Webボットシナリオ作成支援装置1aの詳細を説明する。
【0105】
なお、インテリジェントハブ5には、SNMPエージェント機能およびWebサーバ機能を有し、Web設定画面を介した設定操作が可能な既存のインテリジェントハブを利用することができるので、その詳細な説明を省略する。同様に、モニタハブ6には、モニタポートを有する既存のハブを利用することができるので、その詳細な説明を省略する。
【0106】
図20は、Webボットシナリオ作成支援装置1aの概略機能構成図である。
【0107】
本実施の形態に係るWebボットシナリオ作成支援装置1aが、
図5に示す第1実施の形態に係るWebボットシナリオ作成支援装置1と異なる点は、ガイダンス処理部103、シナリオ作成部106、シナリオ指定受付部108、およびシナリオ実行部109に代えて、ガイダンス処理部103a、シナリオ作成部106a、シナリオ指定受付部108a、およびシナリオ実行部109aを設けたこと、およびVLAN情報記憶部110を新たに設けたことである。その他の構成は、
図5に示す第1実施の形態に係るWebボットシナリオ作成支援装置1と同様である。
【0108】
VLAN情報記憶部110には、それぞれのVLANに割り当てられているインテリジェントハブ5毎に、このインテリジェントハブ5の名称、このインテリジェントハブ5に割り当てられているVLANのVLANID、このVLANにおけるインテリジェントハブ5のVLAN名、および、このインテリジェントハブ5のアドレス情報を含むインテリジェントハブ情報が記憶されている。
【0109】
ガイダンス処理部103aは、設定端末インターフェース部101を介して設定端末3からインテリジェントハブ一覧取得要求を受信した場合に、VLAN情報記憶部110に記憶されているすべてのインテリジェントハブ情報を含むインテリジェントハブ一覧情報を設定端末3に送信する。また、ガイダンス処理部103aは、設定端末インターフェース部101を介して設定端末3から、インテリジェントハブ5の指定を伴うアクセス要求を受信した場合に、このインテリジェントハブ5のVLAN設定に関するWebボットのシナリオ作成を支援するために、設定端末3からシナリオ名を受け付けるとともに、設定端末3のユーザに対して、インテリジェントハブ2が提供するWeb設定画面を介して所望のVLAN設定操作を行うように促すガイダンスを行う。また、このインテリジェントハブ5へのアクセス要求を中継部102に出力する。
【0110】
シナリオ作成部106aは、操作内容記憶部105に記憶されているHTTPリクエストに基づいてインテリジェントハブ5のVLAN設定に関するWebボットのシナリオを作成する。具体的には、操作内容記憶部105に記憶されているHTTPリクエストのなかから、引数としてVLAN名の指定を伴うVLANの設定コマンドがボディ部に格納された参照用POSTリクエストを抽出し、この参照用POSTリクエストに基づいて実行用POSTリクエストを作成する。この実行用POSTリクエストは、抽出した参照用POSTリクエストの引数を、VLAN名から、仮VLAN名(VLAN情報記憶部110に記憶されているVLAN名の一覧)に変更することにより作成される。そして、操作内容記憶部105に記憶されているHTTPリクエストに含まれる参照用POSTリクエストを実行用POSTリクエストに置換したWebボットのシナリオを作成する。それから、作成したシナリオに、ガイダンス処理部103aが設定端末3から受け付けたシナリオ名を紐付ける。
【0111】
シナリオ指定受付部108aは、設定端末インターフェース部101を介して設定端末3からシナリオ名の指定を受け付ける。そして、指定されたシナリオ名に紐付けられてシナリオ記憶部107に記憶されているWebボットのシナリオに含まれる実行用POSTリクエストのボディ部に格納された設定コマンドの引数として指定されている仮VLAN名(VLAN情報記憶部110に記憶されているVLAN名の一覧)を設定端末3に出力して、設定端末3から、この一覧のなかのいずれかのVLAN名の指定を、設定対象として受け付ける。また、VLAN情報記憶部110から、指定されたVLAN名を含むインテリジェントハブ情報を検索し、このインテリジェントハブ情報に含まれているアドレス情報を特定する。そして、特定したアドレス情報とともに、指定されたシナリオ名およびVLAN名をシナリオ実行部109aに渡してシナリオの実行を指示する。
【0112】
シナリオ実行部109aは、シナリオ指定受付部108aにより通知されたシナリオ名に紐付けられてシナリオ記憶部107に記憶されているWebボットのシナリオに含まれる実行用POSTリクエストのボディ部に格納された設定コマンドの引数(パラメータの値)を、仮VLAN名から、シナリオ指定受付部108aにより通知されたVLAN名に変更する。そして、シナリオ指定受付部108aにより通知されたアドレス情報により特定されるインテリジェントハブ5に対して、このシナリオを実行する。これにより、このインテリジェントハブ5のVLAN設定を実施する。
【0113】
なお、
図20に示すWebボットシナリオ作成支援装置1aの機能構成は、
図5に示すWebボットシナリオ作成支援装置1の機能構成と同様、ASIC、FPGA等の集積ロジックICによりハード的に実現されるものでもよいし、あるいはDSP等の計算機によりソフトウエア的に実現されるものでもよい。または、CPUと、メモリと、補助記憶装置と、NIC等の通信インターフェースと、を備えたPC等の汎用コンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することにより各機能がプロセスとして実現されるものでもよい。
【0114】
図21は、Webボットシナリオ作成支援装置1aのWebボットのシナリオ作成支援処理を説明するためのフロー図である。このフローは、設定端末インターフェース部101が設定端末3からインテリジェントハブ一覧取得要求を受信することにより開始される。
【0115】
まず、ガイダンス処理部103aは、設定端末インターフェース部101を介して設定端末3に、VLAN情報記憶部110に記憶されているすべてのインテリジェントハブ情報を含むインテリジェントハブ一覧情報を送信して、
図22に示すように、設定端末3の表示画面30に設定対象選択画面34を表示する(S600)。
図22に示す例では、設定対象選択画面34内に、インテリジェントハブ一覧情報に含まれているインテリジェントハブ情報340が選択可能に一覧表示されている。ユーザがクリック操作、タップ操作等によりいずれかのインテリジェントハブ情報340を選択することにより、設定端末3は、選択されたインテリジェントハブ情報340に含まれているアドレス情報を宛先とするアクセス要求(HTTPリクエスト)をWebボットシナリオ作成支援装置1aに送信する。
【0116】
つぎに、ガイダンス処理部103aは、設定端末インターフェース部101を介して設定端末3から、インテリジェントハブ5を宛先とするアクセス要求を受信すると(S601でYES)、設定端末インターフェース部101を介して設定端末3にガイダンス情報を送信し、インテリジェントハブ5の設定に関するWebボットのシナリオ作成を支援するためのガイダンスを開始する(S602)。また、ガイダンスの適切なタイミングにおいて、アクセス要求を中継部102に渡すとともに、操作内容取得部104に操作内容の取得を指示する。これを受けて、中継部102は、ネットワークインターフェース部100およびモニタハブ6を介してインテリジェントハブ5にアクセス要求を送信するとともに、ネットワークインターフェース部100および設定端末インターフェース部101と連携して、アクセス要求の宛先であるインテリジェントハブ5と設定端末3との間におけるメッセージの中継を開始する。また、操作内容取得部104は、ネットワークインターフェース部100を介してモニタハブ6のモニタポート60から取得されるHTTPリクエスト(設定端末3からインテリジェントハブ5へのHTTPリクエスト)の、操作内容記憶部105への記憶を開始する(S603)。
【0117】
ここで、ガイダンス処理部103aが設定端末3に対して実施する、インテリジェントハブ5の設定に関するWebボットのシナリオ作成を支援するためのガイダンスを説明する。
【0118】
まず、ガイダンス処理部103aは、
図23に示すように、設定端末3の表示画面30に、シナリオ名の入力フォーム352と、プルダウンメニューからVLAN設定値を選択するための選択フォーム353と、を含むガイダンス画面35aを表示する。選択フォーム353のプルダウンメニューには、VLANの有効、VLANの無効、VLANの削除等の、VLANに関する各種設定値がプルダウン表示される。設定端末3のユーザが、入力フォーム352にユニークなシナリオ名を入力し、プルダウンメニューからの選択により選択フォーム353にいずれかのVLAN設定値を入力して、完了ボタン350を操作することにより、設定端末3からWebボットシナリオ作成支援装置1aにシナリオ名およびVLAN設定値が送信される。なお、戻るボタン351は、一つ前の画面(ここでは、
図22に示す設定対象選択画面34)に戻るための操作ボタンである。
【0119】
つぎに、ガイダンス処理部103aは、設定端末インターフェース部101を介して設定端末3からシナリオ名およびVLAN設定値を受信すると、
図24に示すように、設定端末3の表示画面30に、VLANIDの入力フォーム354と、VLAN名の入力フォーム355と、を含むガイダンス画面35bを表示する。これらの入力フォーム354、355には、設定対象選択画面34で選択されたインテリジェントハブ情報340に含まれているVLANIDおよびVLAN名があらかじめ表示されていてもよい。設定端末3のユーザが、入力フォーム354、355に、設定対象VLANのVLANIDおよびVLAN名が入力されている状態で完了ボタン350を操作することにより、設定端末3からWebボットシナリオ作成支援装置1aにVLANIDおよびVLAN名が送信される。
【0120】
つぎに、ガイダンス処理部103aは、設定端末インターフェース部101を介して設定端末3からVLANIDおよびVLAN名を受信すると、S603を実施して、アクセス要求を中継部102に渡して設定端末3およびアクセス要求の宛先であるインテリジェントハブ5間の中継を開始する。これにより、
図25に示すように、設定端末3の表示画面30に、アクセス要求の宛先であるインテリジェントハブ5が提供するWeb設定画面(ログイン画面)36aが表示される。また、ガイダンス処理部103aは、操作内容取得部104に操作内容の取得を指示して、設定端末3からアクセス要求の宛先であるインテリジェントハブ5へ送られるHTTPリクエストの操作内容記憶部105への記憶を開始するとともに、
図25に示すように、設定端末3の表示画面30に、アクセス要求の宛先であるインテリジェントハブ5が提供するWeb設定画面36aに対するログイン操作を促すメッセージ356を含むガイダンス画面35cを表示する。設定端末3のユーザが、Web設定画面36aにユーザ名およびパスワードを入力してインテリジェントハブ5にログインし、ガイダンス画面35cの完了ボタン350を操作すると、設定端末3からWebボットシナリオ作成支援装置1aにログイン完了通知が送信される。
【0121】
つぎに、ガイダンス処理部103aは、設定端末インターフェース部101を介して設定端末3からログイン完了通知を受信すると、
図26に示すように、設定端末3の表示画面30に、インテリジェントハブ5に対するログインが完了することにより表示されたWeb設定画面(メニュー画面)36bにおいて、VLAN設定画面への移行操作を行うことを促すメッセージ357を含むガイダンス画面35dを表示する。設定端末3のユーザが、Web設定画面36bのメニューから設定項目「VLAN設定」を選択して、ガイダンス画面35dの完了ボタン350を操作すると、設定端末3からWebボットシナリオ作成支援装置1aにVLAN設定画面への設定画面移行通知が送信される。
【0122】
つぎに、ガイダンス処理部103aは、設定端末インターフェース部101を介して設定端末3からVLAN設定画面への設定画面移行通知を受信すると、
図27に示すように、インテリジェントハブ5に対してVLAN設定を行うためのWeb設定画面36cを表示するとともに、
図24に示すガイダンス画面35bを介して受け付けたVLANIDおよびVLAN名(ここではVLANID「1025」、VLAN名「NGN1」)により特定されるVLANに対して、
図23に示すガイダンス画面35bを介して指定されたVLAN設定値(ここでは「削除」)に対応する操作を行うことを促すメッセージ358を含むガイダンス画面35eを表示する。設定端末3のユーザが、ガイダンス画面35eのメッセージ358にしたがって、Web設定画面36cにおいて、ガイダンス画面35eに示されたVLANIDおよびVLAN名により特定されるVLANを選択してこれを削除し、ガイダンス画面35eの完了ボタン350を操作すると、設定端末3からWebボットシナリオ作成支援装置1aに、VLANIDおよびVLAN名により特定されるVLANに対する指定のVLAN設定値の設定完了通知が送信される。
【0123】
つぎに、ガイダンス処理部103aは、設定端末インターフェース部101を介して設定端末3からVLAN設定値の設定完了通知を受信すると、
図28に示すように、設定端末3の表示画面30に、インテリジェントハブ5が提供するWeb設定画面(メニュー画面)36dに対するログアウト操作を行うことを促すメッセージ359を含むガイダンス画面35fを表示する。設定端末3のユーザが、Web設定画面36dに表示されたメニューから「ログアウト」を選択すると、インテリジェントハブ5からログアウトし、ガイダンス画面35fの完了ボタン350を操作すると、設定端末3からWebボットシナリオ作成支援装置1aにログアウト完了通知が送信される。
【0124】
【0125】
ガイダンス処理部103aは、設定端末インターフェース部101を介して設定端末3からログアウト完了通知を受信すると(S604でYES)、インテリジェントハブ5の設定に関するWebボットのシナリオ作成のための設定操作が完了したと判断し、インテリジェントハブ5と設定端末3との中継を終了する。また、ガイダンス処理部103aは、操作内容取得部104に操作内容の取得終了を指示して、設定端末3からインテリジェントハブ5へ送られるHTTPリクエストの、操作内容記憶部105への記憶を終了する(S605)。それから、ガイダンス処理部103aは、シナリオ作成部106aに、設定端末3から受け付けたシナリオ名およびVLAN設定値を通知してWebボットのシナリオ作成を指示する。
【0126】
これを受けて、シナリオ作成部106aは、操作内容記憶部105に記憶されているHTTPリクエストに基づいて、インテリジェントハブ5の設定に関するWebボットのシナリオを作成してシナリオ記憶部107に記憶する(S606)。具体的には、操作内容記憶部105に記憶されているHTTPリクエストのなかから、引数としてVLAN名の指定を伴う設定コマンドがボディ部に格納された参照用POSTリクエストを抽出し、この参照用POSTリクエストに基づいて、VLAN情報記憶部110に記憶されている各インテリジェントハブ情報に含まれているVLAN名のなかから引数を任意選択可能な実行用POSTリクエストを作成する。例えば、この実行用POSTリクエストのボディ部には、参照用POSTリクエストにおけるVLAN名に代えて仮VLAN名(VLAN情報記憶部110に記憶されている各インテリジェントハブ情報に含まれているVLAN名の一覧)が引数として設定された設定コマンドが格納されている。そして、操作内容記憶部105に記憶されているHTTPリクエストに含まれる参照用POSTリクエストを実行用POSTリクエストに置換したWebボットのシナリオを作成する。それから、作成したシナリオに、ガイダンス処理部103aから通知されたシナリオ名およびVLAN設定値を紐付けてシナリオ記憶部107に記憶する。
【0127】
それから、ガイダンス処理部103aは、
図29に示すように、設定端末3の表示画面30に、インテリジェントハブ5の設定に関するWebボットのシナリオ作成のためのガイダンスが終了した旨のメッセージ360を含むガイダンス画面35gを表示する(S607)。設定端末3のユーザが、ガイダンス画面35gの完了ボタン350を操作すると、設定端末3は、表示画面30へのガイダンス画面35gの表示を終了する。
【0128】
図30は、Webボットシナリオ作成支援装置1aのWebボットのシナリオ実行処理を説明するためのフロー図である。
【0129】
このフローは、シナリオ指定受付部108aが、設定端末インターフェース部101を介して設定端末3からシナリオ一覧取得要求を受信することにより開始される。
【0130】
まず、シナリオ指定受付部108aは、シナリオ記憶部107に記憶されているWebボットのシナリオ各々のシナリオ名およびVLAN設定値を含むシナリオ一覧情報を、設定端末インターフェース部101を介して設定端末3に送信する(S700)。そして、設定端末3からシナリオ選択通知が送られてくるのを待つ(S701)。
【0131】
つぎに、シナリオ指定受付部108aは、設定端末3からシナリオ選択通知を受信すると(S701でYES)、VLAN情報記憶部110に記憶されているVLAN名の一覧を取得する(S702)。それから、シナリオ指定受付部108aは、取得したVLAN名の一覧を含むVLAN名一覧通知を、設定端末インターフェース部101を介して設定端末3に送信する(S703)。そして、設定端末3からVLAN名指定通知が送られてくるのを待つ(S704)。
【0132】
つぎに、シナリオ指定受付部108aは、設定端末3からVLAN名指定通知を受信すると(S704でYES)、このVLAN名指定通知で指定されたVLAN名を含むインテリジェントハブ情報をVLAN情報記憶部110から検索し、このインテリジェントハブ情報に含まれているアドレス情報を特定する(S705)。それから、シナリオ指定受付部108aはこのアドレス情報とともに、シナリオ選択通知で指定されたシナリオ名およびVLAN名指定通知で指定されたVLAN名をシナリオ実行部109aに渡してシナリオの実行を指示する。
【0133】
これを受けて、シナリオ実行部109aは、シナリオ指定受付部108aにより通知されたシナリオ名に紐付けられてシナリオ記憶部107に記憶されているWebボットのシナリオに含まれている実行用POSTリクエストのボディ部に格納された設定コマンドの引数を、仮VLAN名から、シナリオ指定受付部108aにより通知されたVLAN名に変更する(S706)。
【0134】
それから、シナリオ実行部109aは、シナリオ指定受付部108aにより通知されたアドレス情報により特定されるインテリジェントハブ5に対して、この引数が変更されたWebボットのシナリオを実行する(S707)。これにより、このインテリジェントハブ5のVLANが、Webボットのシナリオに紐付けられているVLAN設定値に従って設定される。
【0135】
以上、本発明の第2実施の形態について説明した。
【0136】
本実施の態様によれば、設定端末3のユーザは、設定端末3の表示画面30に表示されるガイダンス画面35a~35gのガイダンスにしたがって、いずれかのインテリジェントハブ5が提供するWeb設定画面36a~36dを介して所望のVLAN設定操作を行うことにより、すべてのインテリジェントハブ5に対して所望のVLAN設定を行うためのWebボットのシナリオを作成することができる。そして、Webボットのシナリオ実行に際して、VLAN設定対象のインテリジェントハブ5のVLAN名を指定するだけで、このインテリジェントハブ5に対して所望のVLAN設定を行うことができる。したがって、インテリジェントハブ5各々に対して所望のVLAN設定を行うために、インテリジェントハブ5毎に、Web設定画面を介して所望のVLAN設定を行うための一連の操作を行う必要がない。
【0137】
このように、本実施の形態によれば、インテリジェントハブ5のVLAN設定のためのWeb設定画面を介した一連のWebブラウザ操作を繰り返す煩わしさを解消し、Web設定画面を介した各種設定を、より効率化することができる。
【0138】
なお、本発明は、上記の各実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0139】
例えば、上記の第1実施の形態において、シナリオ作成部106は、操作内容記憶部105に記憶されているHTTPリクエストのなかから、引数として最小ポート番号の指定を伴う設定コマンドがボディ部に格納された第1の参照用POSTリクエストおよび引数として最大ポート番号の指定を伴う設定のための設定コマンドがボディ部に格納された第2の参照用POSTリクエストを抽出し、これら第1、第2の参照用POSTリクエストに基づいて、ポート番号選択可能範囲(最小ポート番号~最大ポート番号)内で引数を任意選択可能な設定コマンドがボディ部に格納された実行用POSTリクエストを作成して、操作内容記憶部105に記憶されているHTTPリクエストに含まれている第1、第2の参照用POSTリクエストをこの実行用POSTリクエストに置換することによりWebボットのシナリオを作成している。また、上記の第2実施の形態において、シナリオ作成部106aは、操作内容記憶部105に記憶されているHTTPリクエストのなかから、引数としてVLAN名の指定を伴う設定コマンドがボディ部に格納された参照用POSTリクエストを抽出し、この参照用POSTリクエストに基づいて、VLAN情報記憶部110に記憶されているVLAN名の一覧のなかから引数を任意選択可能な設定コマンドがボディ部に格納された実行用POSTリクエストを作成して、操作内容記憶部105に記憶されているHTTPリクエストに含まれている参照用POSTリクエストをこの実行用POSTリクエストに置換することによりWebボットのシナリオを作成している。これらにおいて、Webボットのシナリオを構成するHTTPリクエストのなかから、実行用POSTリクエストを含むPOSTリクエストのみを抽出し、それ以外のHTTPリクエスト(GETリクエスト等)を削除して、Webボットのシナリオをスリム化してもよい。このようにすることで、インテリジェントハブ2、5の設定に要する時間を短縮できるとともに、シナリオ記憶部107の記憶容量を節約することができる。
【0140】
また、上記の第1実施の形態では、インテリジェントハブ2の各種設定を行うためのWebボットのシナリオ作成を支援する場合について説明し、上記の第2実施の形態では、インテリジェントハブ5の各種VLAN設定を行うためのWebボットのシナリオ作成を支援する場合について説明した。しかし、本発明はこれに限定されない。本発明は、Web設定画面を介して設定可能なネットワーク機器に対するWebボットのシナリオ作成を支援する場合に広く適用できる。
【符号の説明】
【0141】
1、1a:Webボットシナリオ作成支援装置 2:インテリジェントハブ
3:設定端末 4、4-1、4-2:ネットワーク端末
5、5-1~5-4:インテリジェントハブ 6:モニタハブ
20、60:モニタポート 100:ネットワークインターフェース部
101:設定端末インターフェース部 102:中継部
103、103a:ガイダンス処理部 104:操作内容取得部
105:操作内容記憶部 106、106a:シナリオ作成部
107:シナリオ記憶部 108、108a:シナリオ指定受付部
109、109a:シナリオ実行部 110:VLAN情報記憶部