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  • 特開-ゴルフボール集球装置のサポート装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025263
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】ゴルフボール集球装置のサポート装置
(51)【国際特許分類】
   A63B 47/02 20060101AFI20240216BHJP
   A63B 69/36 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
A63B47/02 A
A63B69/36 522Q
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022128572
(22)【出願日】2022-08-12
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-12-02
(71)【出願人】
【識別番号】522321117
【氏名又は名称】須藤 寛
(74)【代理人】
【識別番号】110001793
【氏名又は名称】弁理士法人パテントボックス
(72)【発明者】
【氏名】須藤 寛
(57)【要約】
【課題】一回の装置の移動によっていっそう広い範囲のゴルフボールを拾い上げ、かつ、拾い残しのない、ゴルフボール集球システムを提供する。
【解決手段】ゴルフボール集球システム1は、複数の平行な円板31、・・・と複数の円板31、・・・が取り付けられた回転軸32とを有する拾い上げ機構3と、複数の平行な櫛歯41、・・・とゴルフボールを収納するカゴ42とを有する貯留機構4と、を有する、ゴルフボール集球装置2と;走行時にゴルフボール集球装置2の後方に配置されて、拾い上げられずに残ったゴルフボールを拾い上げ機構3の軌跡の範囲外へ排除するワイパー装置5と;を備えている。このワイパー装置5は、走行時にゴルフボール集球装置2の後方において、左右方向に伸びる棒状部材51と、棒状部材51をゴルフボール集球装置2に取り付ける一対のロープ部材52A、52Bと、を有している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の平行な円板と複数の前記円板が取り付けられた回転軸とを有する拾い上げ機構と、複数の平行な櫛歯とゴルフボールを収納するカゴとを有する貯留機構と、を有する、ゴルフボール集球装置と;
走行時に前記ゴルフボール集球装置の後方に配置されて、拾い上げられずに残ったゴルフボールを前記拾い上げ機構の軌跡の範囲外へ排除するワイパー装置と;
を備える、ゴルフボール集球システム。
【請求項2】
前記ワイパー装置は、走行時に前記ゴルフボール集球装置の後方において、左右方向に伸びる棒状部材と、前記棒状部材を前記ゴルフボール集球装置に取り付ける一対のロープ部材と、を有する、請求項1に記載された、ゴルフボール集球システム。
【請求項3】
一対の前記ロープ部材は、互いに異なる長さを有しており、走行時に前記拾い上げ機構の左右いずれか片側のみにゴルフボールを排除するようにされている、請求項2に記載された、ゴルフボール集球システム。
【請求項4】
前記棒状部材は、一対の前記ロープ部材に取り付けられた軸心部材と、前記軸心部材を回転軸として回転する円筒部材と、から構成されている、請求項2に記載された、ゴルフボール集球システム。
【請求項5】
前記棒状部材の長さは、前記拾い上げ機構の前記回転軸の長さよりも長く形成されている、請求項2に記載された、ゴルフボール集球システム。
【請求項6】
前記ワイパー装置は、前記ワイパー装置自体を持ち上げるために、上方に伸びる3本目のロープ部材をさらに備える、請求項2又は請求項3に記載された、ゴルフボール集球システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフボール集球装置の集球効率を向上させるサポート装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ゴルフ練習場において、散らばったゴルフボールを集めるために、複数の円板を回転軸に平行に取り付けたゴルフボール集球装置が使用されている。このゴルフボール集球装置は、平行な円板が地面を転動することで、円板と円板の間にゴルフボールを挟み込んで拾い上げる構造となっている。
【0003】
例えば、特許文献1に開示されたゴルフボール集球装置は、円板の直径を運搬車の荷台枠よりも高くし、円板の中央部をくり貫いて相互に連結することによって、拾い上げたゴルフボールを荷台に直接落下させることができ、カゴから荷台に移し替える手間をなくすようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平4-71981号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のゴルフボール集球装置を含む従来の装置は、一回の装置の移動によって、円板が転動する幅(範囲)に存在するゴルフボールを拾い上げるだけであり、さらに拾い残しも多く生じていた。
【0006】
そこで、本発明は、一回の装置の移動によっていっそう広い範囲のゴルフボールを拾い上げ、かつ、拾い残しのない、ゴルフボール集球システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明のゴルフボール集球システムは、複数の平行な円板と複数の前記円板が取り付けられた回転軸とを有する拾い上げ機構と、複数の平行な櫛歯とゴルフボールを収納するカゴとを有する貯留機構と、を有する、ゴルフボール集球装置と;走行時に前記ゴルフボール集球装置の後方に配置されて、拾い上げられずに残ったゴルフボールを前記拾い上げ機構の軌跡の範囲外へ排除するワイパー装置と;を備えている。
【発明の効果】
【0008】
このように、本発明のゴルフボール集球システムは、拾い上げ機構と、貯留機構と、を有する、ゴルフボール集球装置と;走行時にゴルフボール集球装置の後方に配置されて、拾い上げられずに残ったゴルフボールを拾い上げ機構の軌跡の範囲外へ排除するワイパー装置と;を備えている。このような構成であれば、一回の装置の移動によっていっそう広い範囲のゴルフボールを拾い上げ、かつ、拾い残しのない、ゴルフボール集球システムとなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例のゴルフボール集球システムの平面図である。
図2】実施例のゴルフボール集球システムの側面図である。
図3】ワイパー装置の構成を拡大して説明する平面図である。
図4】実施例のゴルフボール集球システムの作用を説明する作用図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。ただし、以下の実施例に記載されている構成要素は例示であり、本発明の技術範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【実施例0011】
(構成)
まず、図1図2を用いて本実施例のゴルフボール集球システム1の全体構成を説明する。本実施例のゴルフボール集球システム1は、図1図2に示すように、ゴルフボール集球装置2と;走行時にゴルフボール集球装置2の後方に配置されて、拾い上げられずに残ったゴルフボールをゴルフボール集球装置2単体でカバーする範囲外へ排除するワイパー装置5と;を備えている。
【0012】
ゴルフボール集球装置2は、例えば、図1図2に示すように、ゴルフボールを拾い上げるための拾い上げ機構3と、ゴルフボールを貯留するための貯留機構4と、装置全体を移動させるためのタイヤ43と、手で持って押して転動させるためのハンドル44と、から構成されている。なお、ゴルフボール集球装置2は、ここで説明するような手押し車型のものに限定されるものではなく、軽自動車で牽引される型のものであってもよいし。
【0013】
拾い上げ機構3は、主に、等間隔に平行に配置された複数枚の円板31、・・・と、円板31、・・・の中心を貫通し、円板31、・・・が取り付けられる回転軸32と、から構成されている。この複数の円板31、・・・は、ゴルフボールの外径よりもやや狭い間隔で設置されている。
【0014】
したがって、ゴルフボール集球装置2が転動することで、地面に落ちているゴルフボールを円板31、31の間に挟み込んで持ち上げるようになっている。したがって、拾い上げ機構3によれば、複数の円板31、・・・が通過する範囲のゴルフボールを拾い上げる(持ち上げる)ことができる。
【0015】
貯留機構4は、主に、複数の円板31、・・・間に挟み込まれて拾い上げられたゴルフボールを円板31、31間から外すための複数の平行な櫛歯41、・・・と、複数の櫛歯41、・・・によって外されたゴルフボールを貯留するためのカゴ42と、から構成されている。
【0016】
したがって、円板31、31間に挟み込まれた状態で、円板31、31の転動に伴って櫛歯41まで到達したゴルフボールは、櫛歯41と接触することで円板31、31間から取り外されて、落下してカゴ42の中に貯留されることになる。なお、カゴ42が満杯になると、カゴ42が取り外され、カゴ42ごとひっくり返されてゴルフボールを集めるようになっている。
【0017】
そして、本実施例のゴルフボール集球システム1は、走行時にゴルフボール集球装置2の後方に配置されて、拾い上げられずに残ったゴルフボールを拾い上げ機構3の軌跡の範囲外へ排除するワイパー装置5をさらに備えている。
【0018】
ワイパー装置5は、具体的には、図3に示すように、走行時にゴルフボール集球装置2の後方において、左右方向に伸びる棒状部材51と、棒状部材51をゴルフボール集球装置2に取り付ける(連繋する、又は、接続する)一対のロープ部材52A、52Bと、を有している。
【0019】
なお、本実施例では、一対のロープ部材52A、52Bに加えて、上方に伸びる3本目のロープ部材53をさらに備えている。例えば、拾い終えた所(ある列の終点)に到達した場合、拾い終えた所にゴルフボールを散らかさないように、一旦、ロープ部材53を持ってワイパー装置5を引き上げて溜まったゴルフボールの前方に運ぶことで、溜まったゴルフボールをそのまま置いておくようにできる。すなわち、このロープ部材53は、操作者が屈まずにしてワイパー装置5を持ち上げる機能を有している。
【0020】
一対のロープ部材52A、52Bは、互いに異なる長さを有しており、走行時に拾い上げ機構3の左右いずれか片側のみにゴルフボールを排除するようにされている。ここでは、左側のロープ部材52Aが相対的に短く、右側のロープ部材52Bが相対的に長くなっているとして説明する。
【0021】
これらの2本のロープ部材52A、52Bの一端(集球装置側)は、それぞれ左右のハンドル44の付け根付近にフックを介して(又は直接に)連繋(接続)されている。さらに、3本目のロープ部材53の一端(集球装置側)は、右側のハンドル44の上部にフックを介して(又は直接に)連繋(接続)されている。
【0022】
棒状部材51は、一対のロープ部材52A、52Bに取り付けられた軸心部材510と、軸心部材510を回転軸として回転する、表面の円滑な円筒部材511と、から構成されており、ワイパー装置5が牽引されて転動すると、円筒部材511が回転するようになっている。軸心部材510としては、例えば鉄筋を使用することができ、円筒部材511としては、例えば塩化ビニル製のパイプを使用することができる。
【0023】
より具体的に言うと、軸心部材510は、棒状の本体部510aと、棒状の本体部510aの左右両端のつば部510b、510bと、中間のつば部510cと、から構成されている。さらに、円筒部材511は、左側の円筒部材511Aと、右側の円筒部材511Bと、から構成されている。このうち、左のつば部510bと中間のつば部510cに、左右のロープ部材52A、52Bが連繋されている。
【0024】
そして、本実施例の棒状部材51の長さは、拾い上げ機構3の回転軸の長さよりも長く形成されている。より正確に言うと、棒状部材51の牽引方向(集球装置2の走行方向)に垂直な方向への投影長さは、拾い上げ機構3がカバーする幅―すなわち複数の円板31、・・・が設置された回転軸32の長さ―よりも長くされている。
【0025】
(作用・効果)
次に、本実施例のゴルフボール集球システム1の作用・効果を列挙して説明する。
【0026】
(1)上述してきたように、本実施例のゴルフボール集球システム1は、複数の平行な円板31、・・・と複数の円板31、・・・が取り付けられた回転軸32とを有する拾い上げ機構3と、複数の平行な櫛歯41、・・・とゴルフボールを収納するカゴ42とを有する貯留機構4と、を有する、ゴルフボール集球装置2と;走行時にゴルフボール集球装置2の後方に配置されて、拾い上げられずに残ったゴルフボールを拾い上げ機構3の軌跡の範囲外へ排除するワイパー装置5と;を備えている。このような構成であれば、一回の装置の移動によっていっそう広い範囲のゴルフボールを拾い上げ、かつ、拾い残しのない、ゴルフボール集球システム1となる。
【0027】
すなわち、図4に示すように、ゴルフボール集球装置2のハンドル44を持って走行させると、ゴルフボール集球装置2に牽引されるワイパー装置5によって、拾い上げ機構3の走査する範囲において拾い残されたゴルフボールを次回に走査する領域へ移動させることができる。さらに、後述するようにワイパー装置5の幅を広くすれば、拾い上げ機構3の走査する幅よりも広い幅のゴルフボールを移動させることができる。
【0028】
例えば、従来型の装置の2倍幅のワイパー装置5を備えるゴルフボール集球システム1であれば、初回こそはワイパー装置5がない従来型の装置と同様の集球量となるが、2回目以降の集球量は倍増することになる。つまり、ワイパー装置5ありの場合は、1回の移動でワイパー装置5なしの場合の2回分相当の範囲のゴルフボールを排除・集球できるのである。
【0029】
(2)また、ワイパー装置5は、具体的な構成として、走行時にゴルフボール集球装置2の後方において、左右方向に伸びる棒状部材51と、棒状部材51をゴルフボール集球装置2に取り付ける一対のロープ部材52A、52Bと、を有している。このように、簡易な構成によって、ワイパー装置5の機能を実現することができる。
【0030】
(3)さらに、一対のロープ部材52A、52Bは、互いに異なる長さを有しており、走行時に拾い上げ機構3の左右いずれか片側のみにゴルフボールを排除するようにされているため、次回に走査する範囲へゴルフボールを排除(移動)させることで、拾い残しをなくすことができる。
【0031】
(4)また、棒状部材51は、一対のロープ部材52A、52Bに取り付けられた軸心部材510と、軸心部材510を回転軸として回転する円筒部材511と、から構成されているため、走査する際にゴルフボールを乗り越えることがなくなり、拾い残しがよりいっそう少なくなる。さらに、ゴルフボール集球装置2を手で押す際には、ワイパー装置5による抵抗が少なくなるため、軽く押すことができるようになる。
【0032】
(5)さらに、棒状部材51の長さは、拾い上げ機構3の回転軸32の長さよりも長く形成されている、換言すると拾い上げ機構3の走査幅よりも広い投影幅を有するようにされていれば、より広い範囲の走査を少ない回数で実現できるため、集球の効率を向上させることができる。
【0033】
(6)また、ワイパー装置5は、ワイパー装置5自体を持ち上げるために、上方に伸びる3本目のロープ部材53をさらに備えることで、隣の走査領域に移動する際などに、屈まずにしてワイパー装置5自体を持ち上げることができる。そうすると、貯留されたゴルフボールが散らばらないようになる。
【0034】
以上、図面を参照して、本発明の実施例を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0035】
例えば、実施例では、ワイパー装置5の棒状部材51の具体的な構成として、軸心部材510と円筒部材511とから構成される場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、回転しない棒状部材51であってもよい。
【符号の説明】
【0036】
1 ゴルフボール集球システム
2 ゴルフボール集球装置
3 拾い上げ機構
31 円板
32 回転軸
4 貯留機構
41 櫛歯
42 カゴ
43 タイヤ
44 ハンドル
5 ワイパー装置
51 棒状部材
510 軸心部材
511 円筒部材
52 ロープ部材
52A ロープ部材(左側)
52B ロープ部材(右側)
53 ロープ部材(上部)
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2022-10-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の平行な円板と複数の前記円板が取り付けられた回転軸とを有する拾い上げ機構と、複数の平行な櫛歯とゴルフボールを収納するカゴとを有する貯留機構と、を有する、ゴルフボール集球装置と;
走行時に前記ゴルフボール集球装置の後方に配置されて、拾い上げられずに残ったゴルフボールを前記拾い上げ機構の軌跡の範囲外へ排除するワイパー装置と;を備え、
前記ワイパー装置は、走行時に前記ゴルフボール集球装置の後方において、左右方向に伸びる棒状部材と、前記棒状部材を前記ゴルフボール集球装置に取り付ける一対のロープ部材と、を有し、
一対の前記ロープ部材は、互いに異なる長さを有しており、走行時に前記拾い上げ機構の左右いずれか片側のみにゴルフボールを排除するようにされており、
前記棒状部材の長さは、前記拾い上げ機構の前記回転軸の長さよりも長く形成されている、ゴルフボール集球システム。
【請求項2】
前記ワイパー装置は、前記ワイパー装置自体を持ち上げるために、上方に伸びる3本目のロープ部材をさらに備える、請求項1に記載された、ゴルフボール集球システム。