IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ホーチキ株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-防災システム及び消火栓装置 図1
  • 特開-防災システム及び消火栓装置 図2
  • 特開-防災システム及び消火栓装置 図3
  • 特開-防災システム及び消火栓装置 図4
  • 特開-防災システム及び消火栓装置 図5
  • 特開-防災システム及び消火栓装置 図6
  • 特開-防災システム及び消火栓装置 図7
  • 特開-防災システム及び消火栓装置 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025299
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】防災システム及び消火栓装置
(51)【国際特許分類】
   A62C 35/20 20060101AFI20240216BHJP
   A62C 3/00 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
A62C35/20
A62C3/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022128646
(22)【出願日】2022-08-12
(71)【出願人】
【識別番号】000003403
【氏名又は名称】ホーチキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079359
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 進
(74)【代理人】
【識別番号】100228669
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 愛規
(72)【発明者】
【氏名】松熊 秀成
【テーマコード(参考)】
2E189
【Fターム(参考)】
2E189EC05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】消火栓装置で行われる消火栓機器の操作を監視し、正しい操作手順で操作するための操作案内を行うと共に誤操作に対しても誤操作に気付かせる適切な案内を可能とする。
【解決手段】防災受信盤10に消火栓装置20を含む端末機器を接続して異常を監視する防災システムは、消火栓装置20に設けられた消火栓機器の操作イベントを検出して当該操作イベントを示す操作イベント情報を送信するイベント検出部と、イベント検出部から消火栓機器の正しい操作イベントである操作イベント情報を受信した場合には、当該操作イベントの次の操作イベントのための操作を促す旨の操作案内を消火栓装置20から出力させ、イベント検出部から消火栓機器の正しい操作イベントでない操作イベント情報を受信した場合には、誤操作である旨及び正しい操作イベントのための操作を促す旨の操作案内を消火栓装置20から出力させる操作監視部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
防災受信盤に消火栓装置を含む端末機器を接続して異常を監視する防災システムであって、
前記消火栓装置に設けられた所定の消火栓機器の操作イベントを検出して当該操作イベントを示す操作イベント情報を送信するイベント検出部と、
前記イベント検出部から消火栓機器の正しい操作イベントである操作イベント情報を受信した場合には、当該操作イベントの次の操作イベントのための操作を促す旨の操作案内を前記消火栓装置から出力させ、前記イベント検出部から前記消火栓機器の正しい操作イベントでない操作イベント情報を受信した場合には、誤操作である旨及び正しい操作イベントのための操作を促す旨の操作案内を前記消火栓装置から出力させる操作監視部と、
を備えたことを特徴とする防災システム。
【請求項2】
請求項1記載の防災システムにおいて、
前記消火栓機器として、
火災通報信号を送信することで火災通報を行う発信機と、
前記消火栓装置の内部に収納された消火用ホースを引き出す際に開放される消火栓扉と、
前記消火用ホースに装着されてノズル保持部に着脱自在に保持されたノズルと、
前記消火用ホースに消火用水を供給する配管に設けられた消火栓弁を開閉する消火栓弁開閉操作部と、
を含み、
前記操作監視部は、
前記発信機から送信された火災通報信号に基づき前記イベント検出部から送信された前記発信機の操作を示す操作イベント情報を受信した上で、前記消火栓扉の開放に基づき前記イベント検出部から送信された前記消火栓扉の開放操作を示す操作イベント情報を受信した場合には、前記ノズルの取り出しを促す旨の操作案内を出力させ、前記消火栓扉の開放操作を示す操作イベント情報以外の操作イベント情報を受信した場合には、誤操作である旨及び前記消火栓扉の開放操作を促す旨の操作案内を出力させ、
前記発信機の操作及び前記消火栓扉の開放操作を示す操作イベント情報を受信した上で、前記ノズルの取り出しに基づき前記イベント検出部から送信された前記ノズルの取出操作を示す操作イベント情報を受信した場合には、前記消火栓弁開閉操作部を開操作する旨の操作案内を出力させ、前記ノズルの取出操作を示す操作イベント情報以外の操作イベント情報を受信した場合には、誤操作である旨及び前記ノズルの取出操作を促す旨の操作案内を出力させ、
前記発信機の操作、前記消火栓扉の開放操作及び前記ノズルの取出操作を示す操作イベント情報を受信した上で、前記消火栓弁開閉操作部の開操作に基づき前記イベント検出部から送信された前記消火栓弁開閉操作部の開操作を示す操作イベント情報を受信した場合には、前記消火用ホースを引き出して前記ノズルから放水する旨の操作案内を出力させ、前記消火栓弁開閉操作部の開操作を示す操作イベント情報以外の操作イベント情報を受信した場合には、誤操作である旨及び前記消火栓弁開閉操作部の開操作を促す旨の操作案内を出力させることを特徴とする防災システム。
【請求項3】
請求項2記載の防災システムにおいて、
前記防災受信盤に前記端末機器として火災検出器が接続され、
前記操作監視部は、前記火災検出器が火災を検出したことにより送信した火災信号を前記防災受信盤が受信した場合には、当該火災信号を送信した火災検出器の検出エリアに対応した前記消火栓装置に火災を確認する旨及び前記発信機の操作による火災通報を促す旨の操作案内を出力させることを特徴とする防災システム。
【請求項4】
請求項2記載の防災システムにおいて、
前記操作監視部は、前記発信機の操作を示す操作イベント情報を受信することなく、消火栓扉の開放を示す操作イベント情報を受信した場合には、火災を確認する旨及び前記発信機の操作による火災通報を促す旨の操作案内を出力させることを特徴とする防災システム。
【請求項5】
請求項2記載の防災システムにおいて、
前記消火栓装置は、前記発信機、前記消火栓扉、前記ノズル及び前記消火栓弁開閉操作部の各々に対応した位置に操作を促す旨を表示する操作案内表示部が設けられると共に、操作案内を音声で出力する音声出力部が設けられ、
前記操作監視部は、前記操作を促す旨の操作案内を出力させる場合には、対応する前記操作案内表示部を作動させると共に前記音声出力部から対応する操作案内の音声メッセージを出力させることを特徴とする防災システム。
【請求項6】
請求項1記載の防災システムにおいて、
前記イベント検出部は前記消火栓装置に設けられ、前記操作監視部は前記防災受信盤に設けられたことを特徴とする防災システム。
【請求項7】
防災受信盤に接続されて設置される消火栓装置であって、
前記消火栓装置が備える所定の消火栓機器の操作イベントを検出して当該操作イベントを示す操作イベント情報を送信するイベント検出部と、
前記イベント検出部が送信した前記操作イベント情報が消火栓機器の正しい操作イベントである場合には、所定の制御に基づき当該操作イベントの次の操作イベントのための操作を促す旨の操作案内を出力し、前記イベント検出部が送信した前記操作イベント情報が消火栓機器の正しい操作イベントでない場合には、所定の制御に基づき誤操作である旨及び又は正しい操作イベントのための操作を促す旨の操作案内をする操作案内部と、
を備えたことを特徴とする消火栓装置。
【請求項8】
請求項7記載の消火栓装置において、
前記消火栓機器として、
火災通報信号を送信することで火災通報を行う発信機と、
前記消火栓装置の内部に収納された消火用ホースを引き出す際に開放される消火栓扉と、
前記消火用ホースに装着されてノズル保持部に着脱自在に保持されたノズルと、
前記消火用ホースに消火用水を供給する配管に設けられた消火栓弁を開閉する消火栓弁開閉操作部と、
を含み、
前記操作案内部は、
前記イベント検出部が前記発信機から送信された火災通報信号に基づき前記発信機の操作を示す操作イベント情報を送信した上で、前記消火栓扉の開放に基づき前記消火栓扉の開放操作を示す操作イベントを送信した場合には、所定の制御に基づき前記ノズルの取り出しを促す旨の操作案内を出力し、前記消火栓扉の開放操作を示す操作イベント情報以外の操作イベント情報を送信した場合には、所定の制御に基づき誤操作である旨及び前記消火栓扉の開放操作を促す旨の操作案内を出力し、
前記イベント検出部が前記発信機の操作及び前記消火栓扉の開放操作を示す操作イベント情報を送信した上で、前記ノズルの取り出しに基づき前記イベント検出部から送信された前記ノズルの取出操作を示す操作イベント情報を送信した場合には、所定の制御に基づき前記消火栓弁開閉操作部を開操作する旨の操作案内を出力し、前記ノズルの取出操作を示す操作イベント情報以外の操作イベント情報を送信した場合には、所定の制御に基づき誤操作である旨及び前記ノズルの取出操作を促す旨の操作案内を出力し、
前記イベント検出部が前記発信機の操作、前記消火栓扉の開放操作及び前記ノズルの取出操作を示す操作イベント情報を送信した上で、前記消火栓弁開閉操作部の開操作に基づき前記イベント検出部から送信された前記消火栓弁開閉操作部の開操作を示す操作イベント情報を送信した場合には、所定の制御に基づき前記消火用ホースを引き出して前記ノズルから放水する旨の操作案内を出力し、前記消火栓弁開閉操作部の開操作を示す操作イベント情報以外の操作イベント情報を送信した場合には、所定の制御に基づき誤操作である旨及び前記消火栓弁開閉操作部の開操作を促す旨の操作案内を出力することを特徴とする消火栓装置。
【請求項9】
請求項8記載の消火栓装置において、
前記消火栓装置が前記防災受信盤に接続されて設置される所定の火災検出器の検出エリアに対応して設置される消火栓装置であり、当該対応する火災検出器が火災信号を送信した場合には、前記操作案内部は、所定の制御に基づき火災を確認する旨及び前記発信機の操作による火災通報を促す旨の操作案内を出力することを特徴とする消火栓装置。
【請求項10】
請求項8記載の消火栓装置において、
前記操作案内部は、前記イベント検出部が前記発信機の操作を示す操作イベント情報を送信することなく、消火栓扉の開放を示す操作イベント情報を送信した場合には、所定の制御に基づき火災を確認する旨及び前記発信機の操作による火災通報を促す旨の操作案内を出力することを特徴とする消火栓装置。
【請求項11】
請求項8記載の消火栓装置において、
前記操作案内部は、
前記発信機、前記消火栓扉、前記ノズル及び前記消火栓弁開閉操作部の各々に対応した位置に設けられ、操作を促す旨を表示する操作案内表示部と、
操作案内を音声で出力する音声出力部と、
を備え、
所定の制御に基づき前記操作を促す旨の操作案内を出力する場合に、対応する前記操作案内表示部を作動すると共に前記音声出力部から対応する操作案内の音声メッセージを出力することを特徴とする消火栓装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防災受信盤に消火栓装置を含む端末機器を接続して異常を監視する防災システム及びその消火栓装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、消火対象領域となる高速道路や自動車専用道路等のトンネル内には、防災システムを構築するためにトンネル非常用設備として消火栓装置が設置されている。消火栓装置は、消火栓機器として、例えば消火栓扉を備えた筐体内の消火栓収納部に先端にノズルを装着した消火用ホース、消火栓弁を含むバルブ類、消火栓弁を操作する消火栓弁開閉操作部としての消火栓弁開閉レバー等が収納・設置されると共に、消火器扉を備えた筐体内の消火器収納部に2本の消火器が収納されている。また、消火栓装置は、一般的にトンネル長手方向に、例えば50メートル間隔でトンネル壁面を箱抜きして埋込み設置されている。
【0003】
また、トンネル内には、異常として火災を監視するために火災を検出する火災検出器がトンネル長手方向に、例えば25メートル間隔又は50メートル間隔で設置され、火災検出器はトンネル設備の電気室等に設置された防災受信盤から引き出された信号線や伝送線に接続されている。また、火災検出器はトンネル長手方向における両方向に検出エリアを持ち、発生した火災の火源から放射される炎固有の波長帯域の赤外線エネルギーを受光して火災を検出している。
【0004】
また、一般に道路利用者は消火栓装置の操作には不慣れであることから、消火栓装置は消火栓扉を開くと消火栓装置の操作方法を図形等により順番に分かり易く示した操作方法銘板が見えるようにしている。しかし、火災発生といった急を要する状況下で操作方法銘板を見て消火栓装置を正しく使うことは困難であり、消火栓装置の操作に手間取って消火活動が適切かつ迅速にできない恐れがある。
【0005】
そこで、この問題を解決するために、消火栓装置の操作に不慣れな道路利用者を助けるように、消火栓装置の操作方法を表示及び又は音声により案内する消火栓装置が知られている(特許文献1、2)。
【0006】
このような従来の消火栓装置の操作案内にあっては、消火栓装置の発信機の押釦が押されると消火栓扉の扉ハンドルの場所を示すように光学的に表示部を作動させるもの、消火栓扉が開いたことが検出されると消火用ホースのノズルの場所を示すように光学的に表示部を作動させるもの、ノズルが取り出されたことが検出されると消火栓弁開閉レバーの場所を示すように光学的に表示部を作動させるもの等があり、消火栓装置の操作に不慣れな道路利用者であっても、火災発生等の緊急時に消火栓装置のどの部分の操作を行えばよいかを把握させて消火栓装置を正しく操作させることを可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003-310785号公報
【特許文献2】特開2002-102380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、火災発生といった急を要する状況下にあっては、道路利用者が操作案内に従った正しい操作を行う保証はなく、従来の消火栓装置のように操作方法を案内していても、後から行う操作を先に行ってしまう場合があり、従来の消火栓装置では道路利用者の誤動作を抑制・防止し、道路利用者に正しい手順で操作を行わせるには不十分であった。
【0009】
例えば、消火栓装置がノズルの取出操作を案内しているにも関わらず、道路利用者が誤って消火栓弁開閉レバーを先に操作する場合等が想定されるが、従来の消火栓装置ではこのような誤操作に対応することはなく、ノズルの取出操作を案内し続けることとなる。そして、この場合には、道路利用者が自ら誤操作に気付いて消火栓開閉レバーを元に戻す必要があり、消火栓開閉レバーを元に戻さないと、ノズルホルダーに保持されているノズルから消火用水が放水され、放水された消火用水が筐体内及びその周辺に飛散して想定しない浸水被害を引き起こす他、放水が開始されたノズルを取り出すことに手間取ることで消火活動に重大な支障を来たすおそれがある。
【0010】
本発明は、消火栓装置で行われる消火栓機器の操作を監視し、正しい操作手順で操作するための操作案内を行うと共に誤操作に対しても誤操作に気付かせる適切な案内を可能とする防災システム及びその消火栓装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(防災システム)
本発明は、防災受信盤に消火栓装置を含む端末機器を接続して異常を監視する防災システムであって、
消火栓装置に設けられた所定の消火栓機器の操作イベントを検出して当該操作イベントを示す操作イベント情報を送信するイベント検出部と、
イベント検出部から消火栓機器の正しい操作イベントである操作イベント情報を受信した場合には、当該操作イベントの次の操作イベントのための操作を促す旨の操作案内を消火栓装置から出力させ、イベント検出部から消火栓機器の正しい操作イベントでない操作イベント情報を受信した場合には、誤操作である旨及び正しい操作イベントのための操作を促す旨の操作案内を消火栓装置から出力させる操作監視部と、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
(操作案内制御)
消火栓機器として、
火災通報信号を送信することで火災通報を行う発信機と、
消火栓装置の内部に収納された消火用ホースを引き出す際に開放される消火栓扉と、
消火用ホースに装着されてノズル保持部に着脱自在に保持されたノズルと、
消火用ホースに消火用水を供給する配管に設けられた消火栓弁を開閉する消火栓弁開閉操作部と、
を含み、
操作監視部は、
発信機から送信された火災通報信号に基づきイベント検出部から送信された発信機の操作を示す操作イベント情報を受信した上で、消火栓扉の開放に基づきイベント検出部から送信された消火栓扉の開放操作を示す操作イベント情報を受信した場合には、ノズルの取り出しを促す旨の操作案内を出力させ、消火栓扉の開放操作を示す操作イベント情報以外の操作イベント情報を受信した場合には、誤操作である旨及び消火栓扉の開放操作を促す旨の操作案内を出力させ、
発信機の操作及び消火栓扉の開放操作を示す操作イベント情報を受信した上で、ノズルの取り出しに基づきイベント検出部から送信されたノズルの取出操作を示す操作イベント情報を受信した場合には、消火栓弁開閉操作部を開操作する旨の操作案内を出力させ、ノズルの取出操作を示す操作イベント情報以外の操作イベント情報を受信した場合には、誤操作である旨及びノズルの取出操作を促す旨の操作案内を出力させ、
発信機の操作、消火栓扉の開放操作及びノズルの取出操作を示す操作イベント情報を受信した上で、消火栓弁開閉レバーの開操作に基づきイベント検出部から送信された消火栓弁開閉レバーの開操作を示す操作イベント情報を受信した場合には、消火用ホースを引き出してノズルから放水する旨の操作案内を出力させ、消火栓弁開閉レバーの開操作を示す操作イベント情報以外の操作イベント情報を受信した場合には、誤操作である旨及び消火栓弁開閉レバーの開操作を促す旨の操作案内を出力させる。
【0013】
(火災検出器が火災信号を送信した場合の操作案内制御)
防災受信盤に、端末機器として火災検出器が接続され、
操作監視部は、火災検出器が火災を検出したことにより送信した火災信号を防災受信盤が受信した場合には、当該火災信号を送信した火災検出器の検出エリアに対応した消火栓装置に火災を確認する旨及び発信機の操作による火災通報を促す旨の操作案内を出力させる。
【0014】
(火災通報なく消火栓扉が開放された場合の操作案内制御)
操作監視部は、発信機の操作を示す操作イベント情報を受信することなく、消火栓扉の開放を示す操作イベント情報を受信した場合には、火災を確認する旨及び発信機の操作による火災通報を促す旨の操作案内を出力させる。
【0015】
(表示と音声による操作案内)
消火栓装置は、発信機、消火栓扉、ノズル及び消火栓弁開閉操作部の各々に対応した位置に操作を促す旨を表示する操作案内表示部が設けられると共に、操作案内を音声で出力する音声出力部が設けられ、
操作監視部は、操作を促す旨の操作案内を出力させる場合には、対応する操作案内表示部を作動させると共に音声出力部から対応する操作案内の音声メッセージを出力させる。
【0016】
(イベント検出部と操作監視部の設置場所)
イベント検出部は消火栓装置に設けられ、操作監視部は防災受信盤に設けられる。
【0017】
(消火栓装置)
本発明は、防災受信盤に接続されて設置される消火栓装置であって、
消火栓装置が備える所定の消火栓機器の操作イベントを検出して当該操作イベントを示す操作イベント情報を送信するイベント検出部と、
イベント検出部が送信した操作イベント情報が消火栓機器の正しい操作イベントである場合には、所定の制御に基づき当該操作イベントの次の操作イベントのための操作を促す旨の操作案内を出力し、イベント検出部が送信した操作イベント情報が消火栓機器の正しい操作イベントでない場合には、所定の制御に基づき誤操作である旨及び又は正しい操作イベントのための操作を促す旨の操作案内をする操作案内部と、
を備えたことを特徴とする。
【0018】
(消火栓装置の操作案内)
消火栓機器として、
火災通報信号を送信することで火災通報を行う発信機と、
消火栓装置の内部に収納された消火用ホースを引き出す際に開放される消火栓扉と、
消火用ホースに装着されてノズル保持部に着脱自在に保持されたノズルと、
消火用ホースに消火用水を供給する配管に設けられた消火栓弁を開閉する消火栓弁開閉操作部と、
を含み、
操作案内部は、
イベント検出部が発信機から送信された火災通報信号に基づき発信機の操作を示す操作イベント情報を送信した上で、消火栓扉の開放に基づき消火栓扉の開放操作を示す操作イベントを送信した場合には、所定の制御に基づきノズルの取り出しを促す旨の操作案内を出力し、消火栓扉の開放操作を示す操作イベント情報以外の操作イベント情報を送信した場合には、所定の制御に基づき誤操作である旨及び消火栓扉の開放操作を促す旨の操作案内を出力し、
イベント検出部が発信機の操作及び消火栓扉の開放操作を示す操作イベント情報を送信した上で、ノズルの取り出しに基づきイベント検出部から送信されたノズルの取出操作を示す操作イベント情報を送信した場合には、所定の制御に基づき消火栓弁開閉操作部を開操作する旨の操作案内を出力し、ノズルの取出操作を示す操作イベント情報以外の操作イベント情報を送信した場合には、所定の制御に基づき誤操作である旨及びノズルの取出操作を促す旨の操作案内を出力し、
イベント検出部が発信機の操作、消火栓扉の開放操作及びノズルの取出操作を示す操作イベント情報を送信した上で、消火栓弁開閉操作部の開操作に基づきイベント検出部から送信された消火栓弁開閉操作部の開操作を示す操作イベント情報を送信した場合には、所定の制御に基づき消火用ホースを引き出してノズルから放水する旨の操作案内を出力し、消火栓弁開閉操作部の開操作を示す操作イベント情報以外の操作イベント情報を送信した場合には、所定の制御に基づき誤操作である旨及び消火栓弁開閉操作部の開操作を促す旨の操作案内を出力する。
【0019】
(火災検出器が火災信号を送信した場合の操作案内)
消火栓装置が防災受信盤に接続されて設置される所定の火災検出器の検出エリアに対応して設置される消火栓装置であり、当該対応する火災検出器が火災信号を送信した場合には、操作案内部は、所定の制御に基づき火災を確認する旨及び発信機の操作による火災通報を促す旨の操作案内を出力する。
【0020】
(火災通報なく消火栓扉が開放された場合の操作案内)
操作案内部は、イベント検出部が発信機の操作を示す操作イベント情報を送信することなく、消火栓扉の開放を示す操作イベント情報を送信した場合には、所定の制御に基づき火災を確認する旨及び発信機の操作による火災通報を促す旨の操作案内を出力する。
【0021】
(表示と音声による操作案内)
操作案内部は、
発信機、消火栓扉、ノズル及び消火栓弁開閉操作部の各々に対応した位置に設けられ、操作を促す旨を表示する操作案内表示部と、
操作案内を音声で出力する音声出力部と、
を備え、
所定の制御に基づき操作を促す旨の操作案内を出力する場合に、対応する操作案内表示部を作動すると共に音声出力部から対応する操作案内の音声メッセージを出力する。
【発明の効果】
【0022】
(防災システムの効果)
本発明は、防災受信盤に消火栓装置を含む端末機器を接続して異常を監視する防災システムであって、消火栓装置に設けられた所定の消火栓機器の操作イベントを検出して当該操作イベントを示す操作イベント情報を送信するイベント検出部と、イベント検出部から消火栓機器の正しい操作イベントである操作イベント情報を受信した場合には、当該操作イベントの次の操作イベントのための操作を促す旨の操作案内を消火栓装置から出力させ、イベント検出部から消火栓機器の正しい操作イベントでない操作イベント情報を受信した場合には、誤操作である旨及び正しい操作イベントのための操作を促す旨の操作案内を消火栓装置から出力させる操作監視部と、を備えたため、消火栓装置が正しい手順で操作されている場合には、次の操作を促す旨の操作案内により、消火栓装置の取り扱いに不慣れな道路利用者であっても、所定の順番に従った正しい操作を迅速に行うことを可能とする。
【0023】
また、消火栓装置が正しい手順で操作されていない場合には、誤操作である旨及び正しい操作を促す旨の操作案内により、道路利用者は誤操作を行ったことに気づくと共に本来行うべき正しい操作を知ることができ、誤操作を適切にリカバリーすることを可能とし、不測の事態を招くことを防止できる。
【0024】
(操作案内制御の効果)
また、消火栓機器として、火災通報信号を送信することで火災通報を行う発信機と、消火栓装置の内部に収納された消火用ホースを引き出す際に開放される消火栓扉と、消火用ホースに装着されてノズル保持部に着脱自在に保持されたノズルと、消火用ホースに消火用水を供給する配管に設けられた消火栓弁を開閉する消火栓弁開閉操作部と、を含み、操作監視部は、発信機から送信された火災通報信号に基づきイベント検出部から送信された発信機の操作を示す操作イベント情報を受信した上で、消火栓扉の開放に基づきイベント検出部から送信された消火栓扉の開放操作を示す操作イベント情報を受信した場合には、ノズルの取り出しを促す旨の操作案内を出力させ、消火栓扉の開放操作を示す操作イベント情報以外の操作イベント情報を受信した場合には、誤操作である旨及び消火栓扉の開放操作を促す旨の操作案内を出力させ、発信機の操作及び消火栓扉の開放操作を示す操作イベント情報を受信した上で、ノズルの取り出しに基づきイベント検出部から送信されたノズルの取出操作を示す操作イベント情報を受信した場合には、消火栓弁開閉操作部を開操作する旨の操作案内を出力させ、ノズルの取出操作を示す操作イベント情報以外の操作イベント情報を受信した場合には、誤操作である旨及びノズルの取出操作を促す旨の操作案内を出力させ、発信機の操作、消火栓扉の開放操作及びノズルの取出操作を示す操作イベント情報を受信した上で、消火栓弁開閉操作部の開操作に基づきイベント検出部から送信された消火栓弁開閉操作部の開操作を示す操作イベント情報を受信した場合には、消火用ホースを引き出してノズルから放水する旨の操作案内を出力させ、消火栓弁開閉操作部の開操作を示す操作イベント情報以外の操作イベント情報を受信した場合には、誤操作である旨及び消火栓弁開閉操作部の開操作を促す旨の操作案内を出力させるようにしたため、道路利用者は、操作案内に従うことで、発信機による火災通報、消火栓扉の開放、ノズルの取り出し、消火栓弁開閉操作部の開操作、ホースの引き出しと正しい操作手順で迅速に消火栓装置を取り扱うことを可能とする。
【0025】
また、消火栓装置が正しい手順で操作されていない場合には、誤操作である旨及び正しい操作を促す旨の操作案内により、道路利用者は誤った操作を行ったことに気づくと共に本来行うべき正しい操作を知ることができ、誤操作を適切にリカバリーすることを可能とし、不測の事態を招くことを防止できる。
【0026】
(火災検出器が火災信号を送信した場合の操作案内制御による効果)
また、防災受信盤に、端末機器として火災検出器が接続され、操作監視部は、火災検出器が火災を検出したことにより送信した火災信号を防災受信盤が受信した場合には、当該火災信号を送信した火災検出器の検出エリアに対応した消火栓装置に火災を確認する旨及び発信機の操作による火災通報を促す旨の操作案内を出力させるようにしたため、火災を検出した火災検出器の検出エリアに対応した、例えば火災発生場所に近い場所に設置されている消火栓装置から最初に行う火災確認と発信機の操作の案内が出力され、道路利用者はどの消火栓装置を使用すべきかを知り、その消火栓装置を正しい操作手順で迅速に取り扱うことを可能とする。
【0027】
(火災通報なく消火栓扉が開放された場合の操作案内制御による効果)
また、操作監視部は、発信機の操作を示す操作イベント情報を受信することなく、消火栓扉の開放を示す操作イベント情報を受信した場合には、火災を確認する旨及び発信機の操作による火災通報を促す旨の操作案内を出力させるようにしたため、火災の発生等の急を要する混乱した状況にあっては、道路利用者は発信機による火災通報を行うことなく消火用ホースを引き出そうとして最初に消火栓扉を開放する操作を行う場合が想定されるが、このような場合に火災の確認と発信機を操作して火災通報を促す操作案内を行うことで、火災通報が行われない事態を防止することを可能とする。
【0028】
(表示と音声による操作案内の効果)
また、消火栓装置は、発信機、消火栓扉、ノズル及び消火栓弁開閉操作部の各々に対応した位置に操作を促す旨を表示する操作案内表示部が設けられると共に、操作案内を音声で出力する音声出力部が設けられ、操作監視部は、操作を促す旨の操作案内を出力させる場合には、対応する操作案内表示部を作動させると共に音声出力部から対応する操作案内の音声メッセージを出力させるようにしたため、表示と音声による操作案内によって、消火栓装置の取り扱いに不慣れな道路利用者であっても、発信機、消火栓扉、ノズル又は消火栓弁開閉操作部が消火栓装置のどの場所に位置し、どの操作手順で操作すべきかを確実に知って消火栓装置を正しく且つ迅速に取り扱うことを可能とする。
【0029】
(消火栓装置の効果)
本発明は、防災受信盤に接続されて設置される消火栓装置であって、消火栓装置が備える所定の消火栓機器の操作イベントを検出して当該操作イベントを示す操作イベント情報を送信するイベント検出部と、イベント検出部が送信した操作イベント情報が消火栓機器の正しい操作イベントである場合には、所定の制御に基づき当該操作イベントの次の操作イベントのための操作を促す旨の操作案内を出力し、イベント検出部が送信した操作イベント情報が消火栓機器の正しい操作イベントでない場合には、所定の制御に基づき誤操作である旨及び又は正しい操作イベントのための操作を促す旨の操作案内をする操作案内部と、を備えため、防災システムと同様な効果が得られる。また、消火栓装置の他の構成による効果も前述した防災システムと同様な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】トンネル防災システムを示した説明図である。
図2】消火栓装置を示した説明図である。
図3】消火栓扉、保守扉及び消火器扉を開放状態として消火栓装置の内部構造を正面から示した説明図である。
図4】消火栓装置の端末制御装置の構成を示した説明図である。
図5】防災受信盤の構成を示した説明図である。
図6】防災受信盤による制御動作を示したフローチャートである。
図7図6に続く防災受信盤による制御動作を示したフローチャートである。
図8】消火栓装置の制御動作を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に、本発明に係る防災システム及びその消火栓装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の実施形態により、本発明が限定されるものではない。
【0032】
[実施形態の基本的な概念]
まず、実施形態の基本的概念について説明する。実施形態は、概略的に、防災受信盤に消火栓装置を含む端末機器を接続して異常を監視する防災システムに関するものである。
【0033】
ここで、「消火栓装置」とは、消火対象領域となる、例えば高速道路や自動車専用道路のトンネル内等に設置される防災システムを構築するための非常用設備の一種であり、消火用ホースや消火器等が収納されるものや、その他にも赤色表示灯や発信機等の非常通報機器が設置されたものも含む。
【0034】
また、「防災受信盤」とは、防災システムを構築する施設や設備の電気室等に設置され、消火対象領域に設置された消火栓装置や火災検出器等の非常用設備の端末機器を接続することで消火対象領域の異常を監視するものであり、異常監視のために、例えば端末機器を信号線や伝送線にて接続し、端末機器へ制御情報等を含む下り信号を送信して各端末機器に所定の動作を行わせると共に、端末機器からの異常に関する検出情報や各端末機器の状態に関する情報等を含む上り信号を受信して警報処理等の受信処理や端末機器の状態監視を行っている。また、防災受信盤と端末機器との間で行われる伝送には、消火栓装置や火災検出器を含む端末機器に固有のアドレスを設定して信号の送受信を行う「R型(Recorded type)の伝送」と、端末機器を回線単位に接続して信号を送受信する「P型(Proprietary-type)の伝送」がある。
【0035】
また、端末機器に含まれる「火災検出器」とは、消火対象領域に設置され、消火対象領域で発生した火災を検出するものであり、例えば消火対象領域がトンネル内である場合には、トンネル長手方向に25メートル間隔又は50メートル間隔で設置され、トンネル長手方向における両方向に検出エリアを持ち、発生した火災の火源から放射される炎固有の波長帯域の赤外線エネルギーを受光して火災を検出して火災信号を送信するものを含む。
【0036】
そして、実施形態の「防災システム」は、イベント検出部と操作監視部を備えることを特徴とする。また、防災システムにおいて、イベント検出部と操作監視部を設ける場所は任意であるが、例えばイベント検出部を消火栓装置に設け、操作監視部を防災受信盤に設けるものを含む。
【0037】
ここで、「イベント検出部」とは、消火栓装置に設けられた所定の消火栓機器の操作イベントを検出して当該操作イベントを示す操作イベント情報を送信するものであり、「操作監視部」とは、イベント検出部から消火栓機器の正しい操作イベントとして設定された操作イベント情報を受信した場合には、当該操作イベントの次の操作イベントのための操作を促す旨の操作案内を消火栓装置から出力させ、イベント検出部から消火栓機器の正しい操作イベントとして設定されていない操作イベント情報を受信した場合には、誤操作である旨及び正しい操作イベントのための操作を促す旨の操作案内を消火栓装置から出力させるものである。
【0038】
また、「消火栓装置に設けられた所定の消火栓機器」とは、操作されたことを検出する任意の消火栓機器であり、例えば発信機、消火栓扉、消火用ホースに装着されたノズル及び消火栓弁開閉操作部等を含むものである。
【0039】
ここで、「発信機」とは、押釦操作等により火災通報信号を送信することで火災通報を行うものである。また、「消火栓扉」とは、消火栓装置の内部に収納された消火用ホースを引き出す際に開放されるものであり、例えば消火栓扉に設けられた扉ハンドルの操作によりロックを解除して開放されるものを含む。また、「ノズル」とは、消火用ホースに装着されてノズル保持部に着脱自在に保持され、消火用水を放水する筒先となるものである。また、「消火栓弁開閉操作部」とは、消火用ホースに消火用水を供給する配管に設けられた消火栓弁を開閉するものであり、消火用ホースのノズルからの放水及びその放水停止のために消火栓弁を開閉操作できる構造であれば任意の構造として良く、例えばレバー操作により消火栓弁を開閉できる消火栓弁開閉レバー等が含まれる。
【0040】
また、イベント検出部による「消火栓機器の操作イベントの検出」とは、消火栓機器の操作の検出のみならず、消火栓機器の操作に起因したイベントの検出を含むものである。例えば、消火栓機器が発信機である場合には、発信機が押釦操作等により操作されたことを操作イベントとして検出するではなく、発信機が操作された結果としての「火災通報信号の送信」を発信機の操作イベントとして検出するものを含むということである。
【0041】
また、イベント検出部から送信される「操作イベント情報」とは、送信先となる操作監視部が受信した操作イベント情報に基づき、イベント検出部で検出された操作イベントを判断、判別、検出等できるものであれば任意であり、例えば各操作イベントを1ビット情報として羅列させたビット情報としたものがあり、より具体的には操作イベントを検出していない状態ではその操作イベントに対応するビット情報を「0」とし、操作イベントを検出した場合にはその操作イベントに対応するビット情報を「1」とするものを含む。尚、具体例として挙げた操作イベント情報を羅列させたビット情報とした場合のように、1つの操作イベント情報内に複数の操作イベントに関する情報を含むようにすることを妨げない。
【0042】
また、「消火栓機器の正しい操作イベントである操作イベント情報」とは、消火栓装置を取り扱う操作手順として正しい操作が行われている場合の操作イベントに基づく操作イベント情報のことであり、一方、「消火栓機器の正しい操作イベントでない操作イベント情報」とは、消火栓装置を取り扱う操作手順として誤った操作が行われている場合の操作イベントに基づく操作イベント情報のことである。ここで、操作監視部がどのような操作イベント情報を正しい操作イベントとするかは任意であり、消火栓装置に設けられた消火栓機器、消火栓装置の操作手順、設計者の設計思想等を考慮して設定されるものである。
【0043】
具体例を挙げると、消火栓機器として、発信機、消火栓扉、ノズル及び消火栓弁開閉操作部を含み、発信機の操作、消火栓扉の開放、ノズルの取り出し、消火栓弁開閉操作部の開操作の順序で行うことを消火栓装置の正しい操作手順としたものである場合には、「発信機の操作を示す操作イベント情報」、「発信機の操作を示す操作イベント情報を受信した上での消火栓扉の開放操作を示す操作イベント情報」、「発信機の操作、消火栓扉の開放操作を示す操作イベント情報を受信した上でのノズルの取出操作を示す操作イベント情報」、「発信機の操作、消火栓扉の開放操作、ノズルの取出操作を示す操作イベント情報を受信した上での消火栓弁開閉操作部の開操作を示す操作イベント情報」の4つは「消火栓機器の正しい操作イベントである操作イベント情報」に該当する。また、これ以外の操作イベント情報、例えば火災通報がされることなく消火栓扉が開放された場合である「発信機の操作を示す操作イベント情報を受信していない上での消火栓扉の開放操作を示す操作イベント情報」等は「消火栓機器の正しい操作イベントでない操作イベント情報」に該当する。
【0044】
また、操作監視部は、火災検出器が送信した火災信号を防災受信盤が受信した場合には、当該火災信号を送信した火災検出器の検出エリアに対応した消火栓装置に火災を確認する旨及び発信機の操作による火災通報を促す旨の操作案内を出力させる制御を行うものである。また、「火災検出器の検出エリアに対応した消火栓装置」とは、例えば火災検出器の検出エリア内又はその近傍、火災発生位置に近い位置等に設置された消火栓装置を含むものである。
【0045】
また、操作監視部は、発信機の操作を示す操作イベント情報を受信することなく、消火栓扉の開放を示す操作イベント情報を受信した場合には、火災を確認する旨及び発信機の操作による火災通報を促す旨の操作案内を出力させる制御を行うものである。
【0046】
また、実施形態の「消火栓装置」は、操作案内を出力するための操作案内部として、発信機、消火栓扉、ノズル及び消火栓弁開閉操作部の各々に対応した位置に操作を促す旨を表示する操作案内表示部が設けられると共に、操作案内を音声で出力する音声出力部が設けられる。
【0047】
また、操作案内表示部が設けられる「発信機、消火栓扉、ノズル及び消火栓弁開閉操作部の各々に対応した位置」とは、例えば発信機、消火栓扉、ノズル及び消火栓弁開閉操作部の各々又は各々の近傍の位置を含むものである。また、「音声出力部」は、操作案内を音声により道路利用者に伝えることができれば任意であり、例えばスピーカを設けたスピーカ部としたものを含む。
【0048】
そして、操作案内表示部及び音声出力部に対して、操作監視部は、操作を促す旨の操作案内を出力させる場合には、対応する操作案内表示部を作動させると共に音声出力部から対応する操作案内の音声メッセージを出力させるものである。
【0049】
以下、具体的な実施形態を説明する。以下に示す具体的な実施形態では、「防災システム」は「自動車専用道路のトンネルに構築され、防災受信盤に消火栓装置と火災検知器を接続してR型の伝送により信号を送受信するトンネル防災システム」であり、「消火栓機器」は「発信機、消火栓扉、ノズル及び消火栓弁開閉レバーを含むもの」であり、「ノズル保持部」は「ノズルホルダー」であり、「消火栓装置の正しい操作手順」は「発信機の操作、消火栓扉の開放、ノズルの取り出し、消火栓弁開閉操作部の開操作の順序での操作」であり、「イベント検出部」は、「消火栓機器の操作イベントを検出して当該操作イベントを示す操作イベント情報を送信する機能を持ち、消火栓装置に設けられた端末制御装置」であり、「操作監視部」は「防災受信盤の制御部で実現されるもの」であり、「操作案内部」は、「消火栓装置の操作案内表示部として、発信機操作案内表示部、消火栓扉の扉開操作案内表示部、ノズル取出操作案内表示部及び弁開閉レバー操作案内表示部が設けられ、音声出力部として、スピーカ部が設けられたもの」である場合について説明する。
【0050】
[実施形態の具体的内容]
消火栓装置について、より詳細に説明する。その内容については以下のように分けて説明する。
a.トンネル防災システム
b.消火栓装置
b1.消火栓装置の構成
b2.消火栓装置の内部構造
b3.消火栓装置の端末制御装置
c.防災受信盤
c1.防災受信盤の構成
c2.火災検出器との間で行われるR型の伝送制御
c3.消火栓装置との間で行われるR型の伝送制御
d.消火栓装置の操作案内制御
e.発信機の火災通報信号に基づく操作案内制御
e1.消火栓扉の開放操作を促す操作案内制御
e2.ノズルの取出操作を促す操作案内制御
e3.消火栓弁開閉レバーの開操作を促す操作案内制御
e4.誤操作に対する操作案内制御
f.火災検出器の火災信号に基づく操作案内制御
g.最初に消火栓扉を開放操作した場合の操作案内制御
h.操作案内に関する防災受信盤の制御動作
i.操作案内に関する消火栓装置の制御動作
j.本発明の変形例
【0051】
[a.トンネル防災システム]
トンネル防災システムについて説明する。当該説明にあっては、トンネル防災システムを示した図1を参照する。
【0052】
図1に示すように、自動車専用道路のトンネルとして、上り線トンネル1と下り線トンネル2が構築され、上り線トンネル1と下り線トンネル2は避難連絡坑3により繋がっている。上り線トンネル1と下り線トンネル2の内部には、トンネル長手方向の壁面に沿って、例えば50メートル間隔で火災検出器16が設置されている。火災検出器16はトンネル長手方向となる両側50メートルを検出エリアとして設定し、火災等による炎から放射される赤外線エネルギーを受光して火災を検出する。また、火災検出器16はR型の伝送方式に対応して固有のアドレスが設定されている。
【0053】
また、上り線トンネル1と下り線トンネル2の内部には、トンネル長手方向に沿って設けられた監視員通路の壁面に沿って、例えば50メートル間隔で消火栓装置20が埋込み設置されている。尚、消火栓装置20の詳細については別途後述する。
【0054】
また、トンネル内に設置されている火災検出器16、消火栓装置20等の端末機器を接続してトンネル内の火災を含む異常を監視するために、トンネル設備の電気室等に防災受信盤10が設置されている。尚、防災受信盤10の詳細については別途後述する。
【0055】
また、防災受信盤10と各端末機器を接続するために、防災受信盤10からは伝送回線1210、1220、1230、1240を含む伝送ケーブル12が引き出されている。伝送回線1210、1220は上り線トンネル1内に引き出され、伝送回線1230、1240は下り線トンネル2内に引き出され、伝送回線1210、1230には火災検出器16が接続され、伝送回線1220、1240には消火栓装置20が接続される。
【0056】
また、伝送回線1210~1240はトンネル内に設置された中継増幅盤18を経由して配線され、中継増幅盤18は防災受信盤10から遠方に設置された火災検出器16や消火栓装置20が防災受信盤10との間で送受信する信号を中継増幅している。
【0057】
また、伝送回線1210~1240の構成は任意であるが、例えば電源線、コモン線、防災受信盤10から端末機器に電圧モードで下り信号を送信すると共に端末機器から防災受信盤10に電流モードで上り信号を送信するための伝送線で構成されたものとする。電圧モードによる下り信号の送信にあっては、例えば線路電圧を18ボルトと30ボルトの間で変化させる電圧パルスとした下り信号の送信とする。また、電流モードによる上り信号の送信にあっては、例えば伝送データのビット1のタイミングで信号電流を流し、いわゆる電流パルス列として上り信号を送信するものとする。尚、伝送線とコモン線からなる2線式の伝送回線1210~1240による伝送の場合には、電圧モードによる下り信号と電流モードによる上り信号を切り替えて伝送する半二重通信となる。
【0058】
また、トンネル非常用設備として、その他に、消火ポンプ設備24、IG子局設備(インテリジェント子局設備)26、換気設備28、警報表示板設備30、ラジオ再放送設備32、テレビ監視設備34及び照明設備36等が設置され、これらの設備はIG子局設備26がデータ伝送回線で防災受信盤10に接続する点を除き、P型信号回線14により防災受信盤10に個別に接続されている。尚、消火ポンプ設備24と防災受信盤10との間の伝送をR型伝送としてR型伝送回線により消火ポンプ設備24と防災受信盤10を接続する場合もある。
【0059】
ここで、IG子局設備26は、防災受信盤10を含むトンネル内に設置された設備とトンネル外部の遠方に設置された遠隔管理設備とを結ぶ通信設備である。また、換気設備28は、トンネル内の天井側に設置しているジェットファンの運転による高い吹き出し風速によってトンネル内の空気にエネルギーを与えて、トンネル長手方向に換気の流れを起こす設備である。また、警報表示板設備30は、トンネル内の道路利用者に対して、トンネル内の異常を電光表示板に表示して知らせる設備である。また、ラジオ再放送設備32は、トンネル内で道路利用者等が道路管理者からの情報を受信できるようにするための設備である。また、テレビ監視設備34は、火災の規模や位置を確認したり、水噴霧設備の作動、避難誘導を行う場合等のトンネル内の状況を把握したりするための設備である。また、照明設備36は、トンネル内の照明機器を駆動させる設備である。
【0060】
[b.消火栓装置]
次に、消火栓装置について説明する。当該説明にあっては、消火栓装置を示した図2、消火栓扉、保守扉及び消火器扉を開放状態として消火栓装置の内部構造を正面から示した図3、消火栓装置に設けられた端末制御装置の構成を示した図4を参照する。
【0061】
ここで、図2及び図3の説明では、X-Y-Z方向が互いに直交する方向であり、具体的には、各種扉が設けられた消火栓装置の前面を正面に見て、X方向を左右方向とし、Y方向を上下方向とし、Z方向を前後方向とする。また、X方向における+X側を右側、-X側を左側とし、Y方向における+Y側を上側、-Y側を下側とし、Z方向における+Z側を前側、-Z側を後側とする。尚、図2及び図3において、Z方向は図示されていない。
【0062】
(b1.消火栓装置の構造)
まず、消火栓装置の構造について説明する。図2に示すように、消火栓装置20は、内部が消火栓収納部となる筐体60と内部が消火器収納部となる筐体62とに分割された構造であり、筐体60,62の前面に化粧枠64,66が装着されている。
【0063】
また、筐体60の化粧枠64の扉開口部は上下に分割され、扉開口部の下側にヒンジにより下向きに開く前傾式の消火栓扉70が設けられ、扉開口部の上側にヒンジにより上向きに開く保守扉68が設けられ、その内部である消火栓収納部に消火栓機器として消火用ホースと消火栓弁を含むバルブ類が収納されている。消火栓扉70には扉ハンドル72が設けられ、道路利用者が扉ハンドル72に手を入れて手前に引く操作を行うと、ロックが解除されて消火栓扉70を開くことができる。尚、消火栓扉70は消火栓機器に含まれるものとして扱う。
【0064】
また、消火栓扉70の扉開口の、例えば左側には扉検出スイッチ74が設けられている。扉検出スイッチ74は道路利用者が扉ハンドル72を手前に引いて消火栓扉70を開放操作したときに作動するスイッチであり、その構造や種類は任意であるが、例えば消火栓扉70の開閉動作に応じて出没するスイッチノブやスイッチレバーを備えたリミットスイッチが使用される。実施形態では、消火栓扉70の閉鎖状態でオフし、消火栓扉70の開放状態でオンする扉検出スイッチ74としている。
【0065】
また、扉ハンドル72には扉開放操作案内表示部76が設けられている。扉開放操作案内表示部76の構造や機能は任意であるが、例えばLEDを光源とした発光板部材であり、扉ハンドル72の周囲を囲んで配置され、防災受信盤10からの制御コマンド信号に含まれる指示情報に基づき、発光板部材を点滅させて消火栓扉70の開放操作を促す案内表示を行う。
【0066】
また、筐体10bの化粧枠11bの扉開口部の左側には、ヒンジにより左向きに横開きする消火器扉78が設けられ、内部である消火器収納部に、例えば2本の消火器を収納可能としている。消火器扉78には扉ハンドル80が設けられ、道路利用者が扉ハンドル80に手を入れて手前に引く操作を行うと、ロックが解除されて消火器扉78を開くことができる。また、消火器扉78の下側には覗き窓82が設けられ、外部から消火器の有無を確認可能としている。
【0067】
また、化粧枠11bの扉開口部の右側には、ヒンジにより右向きに横開きする電装扉84が設けられている。電装扉84には、電装機器として、例えば赤色表示灯86、発信機88及び応答ランプ90が設けられ、電装扉84の筐体62内側には電話ジャックが設けられている。また、電装扉20に設けられた赤色表示灯22、発信機24、応答ランプ26及び電話ジャックにより非常通報装置が構成され、発信機88は消火栓機器に含まれるものとして扱う。
【0068】
赤色表示灯86は常時点灯し、消火栓装置20の設置場所が遠方から分かるようにしている。火災が発生した場合には、発信機88を押してその押釦スイッチがオンされると、火災通報信号が送信され、火災通報信号に基づき防災受信盤10から火災警報が出力され、これに伴い防災受信盤10から応答信号がR型の伝送制御により消火栓装置20側に送信されて、赤色表示灯86が点滅し、応答ランプ90が点灯する。
【0069】
また、発信機88には発信機操作案内表示部96が設けられている。発信機操作案内表示部96の構造や機能は任意であるが、例えば扉開放操作案内表示部76と同様に、LEDを光源とした発光板部材であり、発信機88の周囲を囲んで配置され、防災受信盤10からの制御コマンド信号に含まれる指示情報に基づき、発光板部材を点滅させて発信機88の押釦操作を促す案内表示を行う。
【0070】
また、電装扉84の下側にはスピーカ部98が設けられている。スピーカ部98は、防災受信盤10からの制御コマンド信号に含まれる指示情報に基づき、発信機88の押釦操作、消火栓扉70の開放操作、ノズルの取出操作、消火栓弁開閉レバーの開操作を含む消火栓機器の操作を促す旨や消火栓機器の誤操作を指摘する旨の所定の音声メッセージを出力する。
【0071】
(b2.消火栓装置の内部構造)
続いて、図2に示した消火栓装置20の内部構造について説明する。図3に示すように、消火栓収納部100となる筐体60の内部は、バルブ類収納部102とホース収納部104に分けられている。
【0072】
バルブ類収納部102には、外部から引き込まれた給水配管106に給水栓108が接続されると共に、給水配管106が下向きに分岐されて消火栓弁110及び自動調圧弁112を介して消火用ホース114に接続されている。
【0073】
ホース収納部104には、ホース収納フレーム116が設けられ、下側から引き込んだ消火用ホース114を右回り又は左回りに内巻きすることで収納しており、消火栓扉70の裏面側に設置されたホースガイド118を通して引き出された消火用ホース114の先端にノズル120が装着され、ノズル120はノズルホルダー122に着脱自在に保持されている。
【0074】
消火栓弁110は、消火栓扉70の裏面側に設置された操作ボックス125に設けられた消火栓弁開閉レバー124により開閉操作されるものであり、操作ボックス125に対応して消火栓弁110に設けられた連動ボックス126と操作ボックス125との間に設けられた公知のワイヤーリンク機構により消火栓弁110が消火栓弁開閉レバー124の開閉操作に連動して開閉される。
【0075】
また、消火栓弁110の開閉に対応してオン、オフされ、オンすることでポンプ起動信号を送信するポンプ起動連動スイッチ130が連動ボックス126に設けられ、給水栓108の右上には消防隊が使用し、オンすることでポンプ起動信号を送信するポンプ起動スイッチ128が設けられている。
【0076】
また、操作ボックス125には弁開閉レバー検出スイッチ136が設けられている。弁開閉レバー検出スイッチ136は道路利用者が消火栓弁開閉レバー124を閉位置から開位置に操作したときに作動するスイッチであり、その構造や種類は任意であるが、例えば扉検出スイッチ74と同様にリミットスイッチが使用される。実施形態では、消火栓弁開閉レバー124が図示の閉位置にある場合にオフし、消火栓弁開閉レバー124が閉位置を離れた場合にオンする弁開閉レバー検出スイッチ136としている。
【0077】
また、消火栓弁開閉レバー124の操作ハンドルには弁開閉レバー操作案内表示部138が設けられている。弁開閉レバー操作案内表示部138の構造や機能は任意であるが、例えば操作ハンドルの右端部にLEDを光源とした発光筒部材を設け、防災受信盤10からの制御コマンド信号に含まれる指示情報に基づき、発光筒部材を点滅させて消火栓弁開閉レバー124の開操作を促す案内表示を行う。
【0078】
また、ノズルホルダー122にはノズル検出スイッチ132が設けられている。ノズル検出スイッチ132は道路利用者がノズルホルダー122からノズル120を取り出した場合に作動するスイッチであり、その構造や種類は任意であるが、例えば扉検出スイッチ74と同様にリミットスイッチが使用される。実施形態では、ノズルホルダー122にノズル120が保持された状態でオフし、ノズルホルダー122からノズル120が取り出されるとオンするノズル検出スイッチ132としている。
【0079】
また、ノズルホルダー122にはノズル取出操作案内表示部134が設けられる。ノズル取出操作案内表示部134の構造や機能は任意であるが、例えば扉開放操作案内表示部76と同様に、LEDを光源とした発光板部材であり、ノズルホルダー122の周囲を囲んで配置され、防災受信盤10からの制御コマンド信号に含まれる指示情報に基づき、発光板部材を点滅させてノズル120の取出操作を促す案内表示を行う。
【0080】
また、ノズルホルダー122の背後(筐体内部側)には操作方法銘板144が配置されている。操作方法銘板144には、3つの枠に分けて、ノズルの取り出し、消火栓弁開閉レバーの開操作、及び消火用ホースのノズルからの放水となる手順が図形を用いて表示されている。
【0081】
また、筐体62の内部(消火器扉78側)は消火器収納部65であり、2本の消火器140が収納されている。消火器収納部65の後面には端子箱92,94が設置されている。端子箱92には、電装扉84に設けられた赤色表示灯86が配線用ケーブルを介して接続され、端子箱94には、電装扉84に設けられた発信機88、応答ランプ90、電話ジャック及びスピーカ部98、バルブ類収納部102に設けられたポンプ起動スイッチ128とポンプ起動連動スイッチ130が配線用ケーブルを介して接続されている。
【0082】
また、筐体60内のバルブ類収納部102の中央付近から消火栓収納部104にかけて上部にケーブルラック142が設置されている。ケ-ブルラック142は、外部からバルブ類収納部102に引き込まれた強電用ケーブルを端子箱92に接続するために強電用ケーブルが挿通され、外部からバルブ類収納部102に引き込まれた弱電用ケーブルを端子箱94に接続するために弱電用ケーブルが挿通され、更に、ポンプ起動スイッチ128とポンプ起動連動スイッチ130からの配線用ケーブルを端子箱94に接続するために配線用ケーブルが挿通される。
【0083】
また、消火器収納部65の後面の端子箱92,94の下側には端末制御装置58が設置されている。端末制御装置58は、防災受信盤10から引き出された伝送回線1220、1240が接続される箇所であり、防災受信盤10との間で行われるR型の伝送制御による信号の送受信を行う。尚、端末制御装置58の詳細については別途後述する。また、端末制御装置58による制御のために必要な配線はケーブルラック142に挿通させることで配線しても良い。
【0084】
(b3.端末制御装置)
続いて、消火栓装置に設けられた端末制御装置について説明する。図4に示すように、端末制御装置58には伝送部148と制御部150が設けられる。
【0085】
伝送部148は防災受信盤10との間でR型の伝送制御により信号の送受信を行う。制御部150はCPU、メモリ、各種の入出力ポートなどを備えたコンピュータ回路であり、CPUによるプログラムの実行により操作イベント情報の送信制御、防災受信盤10からの指示情報に基づく電装機器の作動制御や操作案内の出力制御等の機能が実現される。また、伝送部148は、防災受信盤10との間でR型の伝送制御による信号の送受信を行うために固有のアドレスが予め設定されている。
【0086】
また、制御部150に対して、通報の際に操作・作動する非常通報部152として、発信機88、応答ランプ90が接続され、ポンプ設備を起動する際に操作するポンプ設備起動部153として、ポンプ起動スイッチ128及びポンプ起動連動スイッチ130が接続されている。尚、ポンプ起動スイッチ128とポンプ起動連動スイッチ130を並列に接続し、制御部150に対する入力系統を1系統としても良い。
【0087】
また、その他に制御部150に対して、消火栓装置を取り扱う際に操作される消火栓機器の操作イベントを検出する操作イベント検出部154として、扉検出スイッチ74、ノズル検出スイッチ132及び弁開閉レバー検出スイッチ136が接続され、更に、消火栓機器の操作案内を出力する操作案内部156として、扉開放操作案内表示部76、発信機操作案内表示部96、ノズル取出操作案内表示部134、弁開閉レバー操作案内表示部136及びスピーカ部98が接続されている。
【0088】
制御部150は、発信機88からの火災通報信号、ポンプ起動スイッチ128又はポンプ起動連動スイッチ130からのポンプ起動信号、扉検出スイッチ74、ノズル検出スイッチ132及び弁開閉レバー検出スイッチ136の何れかのスイッチのオンに基づくオン信号により、消火栓機器の操作イベントを検出して、伝送部148に防災受信盤10へR型の伝送制御により検出した操作イベントを示す操作イベント情報を含む応答信号を送信させる。
【0089】
また、制御部150は、伝送部148で防災受信盤10から所定の指示情報を含む制御コマンド信号(下り信号)を受信した場合には、制御コマンド信号に含まれる指示情報に基づき、応答ランプ90、扉開操作案内表示部76、発信機操作案内表示部96、ノズル取出操作案内表示部134、弁開閉レバー操作案内表示部136又はスピーカ部98を作動させる制御を行う。尚、防災受信盤10との間で行われるR型の伝送制御の詳細については別途後述する。
【0090】
[c.防災受信盤]
次に、防災受信盤について説明する。当該説明にあっては、防災受信盤の構成を示した図5を参照する。
【0091】
(c1.防災受信盤の構成)
図5に示すように、防災受信盤10は制御部40を備え、更に制御部40に対して伝送部4210~4240、警報部45、表示部46、操作部48、モデム50及びP型伝送部52が設けられている。尚、操作監視部としての機能は制御部40により実現される。
【0092】
制御部40はCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等であり、CPUによるプログラムの実行により異常監視制御、警報制御、操作監視制御及び指示情報の送信制御等の機能が実現されている。
【0093】
また、伝送部4210~4240からは、上り線トンネル1と下り線トンネル2の各々に設置された火災検出器16又は消火栓装置20に対応して伝送回線1210~1240が引き出され、警報部45はスピーカや警報表示灯等を備え、表示部46は液晶ディスプレイ等を備え、操作部48は各種スイッチを備え、モデム50からはIG子局設備26を接続するためのデータ伝送回線が引き出され、更にP型伝送部52からは換気設備28、警報表示板設備30、ラジオ再放送設備32、テレビ監視設備34、照明設備36及び消火ポンプ設備24を接続するために個別のP型信号回線14が引き出されている。
【0094】
(c2.火災検出器との間で行われるR型の伝送制御)
続いて、火災検出器との間で行われるR型の伝送制御について説明する。火災検出器16に接続される防災受信盤10の伝送部4210、4230が所定の通信プロトコルに従って信号を送受信するR型の伝送制御を行うことにより、防災受信盤10は個別に火災検出器16の状態を検出すると共に、火災を検出した火災検出器16に対して集中的に監視を行う。
【0095】
火災検出器16との間で行われるR型の伝送制御として、通常監視状態にあっては、防災受信盤10の伝送部4210が所定のタイミング、例えば1分周期ごとに、伝送回線1210に接続されている火災検出器16のアドレスを順次指定したポーリングコマンド信号(下り信号)を電圧モードで送信し、火災検出器16から電流モードで送信される応答信号(上り信号)を受信することで、防災受信盤10は火災検出器16の状態を検出している。
【0096】
そして、火災検出器16が火災等の炎から放射される赤外線エネルギーを受光して火災を検出すると、火災を検出した火災検出器16は接続されている伝送回線1210に火災信号として割込み信号を送信する。そして、防災受信盤10の伝送部4210が火災を検出した火災検出器16からの割込み信号を受信すると、グループ検索コマンド信号を火災検出器16に送信して火災を検出したグループを特定し、続いてグループ内検索コマンド信号を特定したグループの火災検出器16に送信して火災を検出した火災検出器16のアドレスを検索することで、火災を検出した火災検出器16を特定し、特定した火災検出器16のアドレスを指定して通常監視状態のときの周期よりも短い周期でポーリングコマンド信号を送信して火災を検出した火災検出器16から応答信号を受信することで、火災を検出した火災検出器16を集中的に監視する。
【0097】
ここで、割込み信号とは、下り信号又は上り信号の伝送状態に関わらず、火災を検出した火災検出器16から防災受信盤10へ優先して送信される信号であり、割込み信号の形式は任意であるが、例えば電流モードで送信する上り信号のビット情報をオール1とする信号(電流一定信号)が用いられる。また、下り線トンネル2の火災検出器16に接続される防災受信盤10の伝送部4230についても同様のR型の伝送制御となる。
【0098】
(c3.消火栓装置との間で行われるR型の伝送制御)
続いて、消火栓装置との間で行われるR型の伝送制御について説明する。消火栓装置20に接続される防災受信盤10の伝送部4220、4240が所定の通信プロトコルに従って信号を送受信するR型の伝送制御を行うことにより、防災受信盤10は個別に消火栓装置20の状態や消火栓装置20で行われた操作イベントを検出して監視すると共に、指示情報を送信して消火栓装置20の電装機器の作動制御や操作案内の出力制御等を行う。
【0099】
消火栓装置20には、図3に示したように、伝送部148と制御部150を備えた端末制御装置58が設けられ、端末制御装置58の送部148は、防災受信盤10の伝送部4220、4240から電圧モードで送信された下り信号となるポーリングコマンド信号又は制御コマンド信号を受信すると共に、上り信号となる応答信号、割込み信号を電流モードで防災受信盤10の伝送部4220、4230へ送信する。
【0100】
消火栓装置20との間で行われるR型の伝送制御として、通常監視状態にあっては、防災受信盤10の伝送部4220が所定のタイミング、例えば1分周期ごとに、伝送回線1220に接続している消火栓装置20のアドレスを順次指定したポーリングコマンド信号(下り信号)を送信する。消火栓装置20に設けられた端末制御装置58の伝送部148は、自己のアドレスが指定されたポーリングコマンド信号を受信した場合には、ポーリングコマンド信号を受信したことを知らせる信号を制御部150に出力し、ポーリングコマンド信号の受信に続く応答タイミングで、制御部150から指示された応答情報を含む応答信号(上り信号)を防災受信盤10側へ送信する。通常監視状態における応答情報は任意であるが、例えば消火栓装置20が正常な状態にあることを示すステータス情報等とする。
【0101】
また、消火栓装置20に設けられた端末制御装置58が制御部150で発信機88の押釦操作による押釦スイッチのオン信号、即ち火災通報信号の入力を検出するか、消火栓扉70の開放操作を検出し、まだ割込み信号を送信していない場合には、制御部150の指示により伝送部148は防災受信盤10へ割込み信号を送信する伝送制御を行う。
【0102】
そして、この場合の防災受信盤10側の伝送制御は、火災検出器16が火災を検出して火災信号としての割込み信号を防災受信盤10に送信した場合と同様であり、防災受信盤10の伝送部4220が消火栓装置20からの割込み信号を受信すると、グループ検索コマンド信号を消火栓装置20に送信して割込み信号を送信した、即ち火災通報又は火災通報なく消火栓扉70の開放操作が行われた消火栓装置20のグループを特定し、続いてグループ内検索コマンド信号を特定したグループの消火栓装置20に送信して割込み信号を送信した消火栓装置20のアドレスを検索することで、割込み信号を送信した消火栓装置20を特定し、特定を行った消火栓装置20のアドレスを指定して通常監視状態のときの周期よりも短い周期でポーリングコマンド信号を送信して割込み信号を送信した消火栓装置20から応答信号を受信することで、割込み信号を送信した消火栓装置20を集中的に監視する。
【0103】
また、防災受信盤10が消火栓装置20を特定した後の伝送制御として、消火栓装置20に設けられた端末制御装置58の伝送部148は、自己アドレスを指定したポーリングコマンド信号を受信した場合に、ポーリングコマンド信号を受信したことを知らせる信号を制御部150に出力し、制御部150はそのときのポンプ起動スイッチ128、ポンプ起動連動スイッチ130、扉検出スイッチ74、ノズル検出スイッチ132及び弁開閉レバー検出スイッチ136のオン、オフ状態(操作イベント)を検出し、ポーリングコマンド信号の受信に続く応答タイミングで、制御部150からの指示に従い操作イベント情報として各スイッチの操作を示すスイッチ操作情報を含む応答信号(上り信号)を防災受信盤10側へ送信する。尚、応答信号に含まれるスイッチ操作情報は、応答信号に含まれる応答情報の1種である。
【0104】
ここで、「スイッチ操作情報」は各スイッチのオン、オフ状態(操作イベント)を防災受信盤10側で検出できるものであれば任意であり、例えば制御部150に入力接続されている発信機88、ポンプ起動スイッチ128、ポンプ起動連動スイッチ130、扉検出スイッチ74、ノズル検出スイッチ132及び弁開閉レバー検出スイッチ136の6回線に対応し、スイッチのオン状態でビット1、スイッチのオフ状態でビット0にセットする6ビット情報とする。尚、以下の説明では6ビット情報の先頭のビット情報を発信機88、2番目のビット情報をポンプ起動スイッチ128、3番目のビット情報をポンプ起動連動スイッチ130、4番目のビット情報を扉検出スイッチ74、5番目のビット情報をノズル検出スイッチ132、最後のビット情報を弁開閉レバー検出スイッチ136に対応したものとする。
【0105】
そして、防災受信盤10は防災受信盤10の伝送部4220が受信した応答信号に含まれるスイッチ操作情報の先頭の1ビット分の情報から発信機88のオン、オフ状態(操作イベント)を検出する。また、スイッチ操作情報の先頭から2番目及び3番目の2ビット分の情報からポンプ起動スイッチ128又はポンプ起動連動スイッチ130のオン、オフ状態(操作イベント)を検出し、ポンプ起動スイッチ128又はポンプ起動連動スイッチ130の何れかに対応したビット情報がビット1であった場合には、防災受信盤10の制御部40は消火ポンプ設備24にポンプを起動させる制御を行う。
【0106】
また、スイッチ操作情報の先頭から4番目から6番目の3ビット分の情報から扉検出スイッチ74、ノズル検出スイッチ132及び弁開閉レバー検出スイッチ136のオン、オフ状態(操作イベント)を検出し、扉検出スイッチ74に対応したビット情報がビット1であった場合には、防災受信盤10の制御部40は消火栓扉70の開放操作を検出し、ノズル検出スイッチ132に対応したビット情報がビット1であった場合には、防災受信盤10の制御部40はノズル120の取出操作を検出し、更に、弁開閉レバー検出スイッチ136に対応したビット情報がビット1であった場合には、防災受信盤10の制御部40は消火栓弁開閉レバー124の開操作を検出することになる。
【0107】
尚、防災受信盤10は検出した操作イベントに応じて消火栓装置20から操作案内を出力させる制御を行うが、その詳細については別途後述する。また、下り線トンネル2の消火栓装置20に接続される伝送部4240についても同様のR型の伝送制御となる。
【0108】
[d.消火栓装置の操作案内制御]
次に、消火栓装置と防災受信盤との連携に基づく消火栓装置の操作案内制御について説明する。以下の説明では、操作案内制御を、最初に発信機の操作を検出した場合の操作案内制御と、最初に火災検出器の火災信号を受信した場合の操作案内制御と、最初に消火栓扉の開放操作を検出した場合の操作案内制御とに分けて説明する。
【0109】
[e.発信機の火災通報信号に基づく操作案内制御]
まず、防災受信盤が最初に発信機の操作を検出した場合の操作案内制御について説明する。
【0110】
(e1.消火栓扉の開放操作を促す操作案内制御)
防災受信盤10の制御部40は、伝送部4220、4240が消火栓装置20に設けられた発信機88の押釦操作により消火栓装置20の端末制御装置58から割込み信号を受信し、割込み信号を送信した消火栓装置20のアドレスを特定する。更に、特定した消火栓装置20から受信した応答信号を含まれる発信機の操作を示す操作イベント情報と既に受信している割込み信号から火災通報を検出し、別途火災を検出して火災検出器16から火災信号として送信された割込み信号による火災検出と合わせて火災と断定し、警報部45から火災警報を出力させると共に、例えば警報表示板設備30を制御してトンネル進入禁止表示などを行い、特定した消火栓装置20に消火栓扉70の扉開放操作案内の指示情報を含む制御コマンド信号を伝送部4220、4240から送信させる。
【0111】
防災受信盤10から自己のアドレスが指定された扉開放操作案内の指示情報を含む制御コマンド信号を受信した消火栓装置20の端末制御装置58は、制御部150により消火栓扉70の開放操作を促す操作案内として、例えば扉開放操作案内表示部76を点滅表示させると共にスピーカ部98から所定の音声メッセージとして「ピピッ ピピッ 扉ハンドルを引いて消火栓扉を開いてください」と出力させる。尚、スピーカ部98から出力させる音声メッセージの音声データは、端末制御装置58のメモリに予め記憶しておくか、又は防災受信盤10側から音声データを送信して出力させるようにする。この点は他の操作案内の音声メッセージの出力についても同様となる。
【0112】
この操作案内に基づき道路利用者が消火栓扉70の開放操作を行うと、扉検出スイッチ74がオン状態となり、端末制御装置58は、自己アドレスを指定したポーリングコマンド信号の受信に続く応答タイミングで、発信機の操作及び消火栓扉の開放操作を示す操作イベント情報、即ち先頭及び先頭から4番目のビット情報をビット1としたスイッチ操作情報を含む応答信号を防災受信盤10へ送信する。
【0113】
また、消火栓装置20に設けられた応答ランプ90は、発信機88による火災通報に対する防災受信盤10からの確認応答として点灯するものであるため、防災受信盤10から送信される制御コマンド信号には応答ランプ90点灯の指示情報も含まれ、応答ランプ90に対する指示情報を含む制御コマンド信号を受信した消火栓装置20の端末制御装置58は、制御部150により応答ランプ90を点灯させる。尚、応答ランプ90を点灯させるための指示情報と扉開放操作案内の指示情報は同じ制御コマンド信号に含まれていても良く、別々の制御コマンド信号に含まれるものとしても良い。
【0114】
(e2.ノズルの取出操作を促す操作案内制御)
続いて、防災受信盤10の制御部40は、消火栓装置20から発信機の操作及び消火栓扉の開放操作を示す操作イベント情報を含む応答信号を受信した場合に、特定した消火栓装置20のアドレスを指定してノズル取出操作案内の指示情報を含む制御コマンド信号を伝送部4220、4240から送信させる。
【0115】
防災受信盤10から自己のアドレスが指定されたノズル取出操作案内の指示情報を含む制御コマンド信号を受信した消火栓装置20の端末制御装置58は、制御部150によりノズル120の取出操作を促す操作案内として、例えばノズル取出操作案内表示部134を点滅表示させると共にスピーカ部98から所定の音声メッセージとして「ピピッ ピピッ ノズルホルダーからノズルを取出し ホースを引出してください」と出力させる。
【0116】
この操作案内に基づき道路利用者がノズル120をノズルホルダー122から取り出すと、ノズル検出スイッチ132がオン状態となり、端末制御装置58は、自己アドレスを指定したポーリングコマンド信号の受信に続く応答タイミングで、発信機の操作、消火栓扉の開放操作及びノズルの取出操作を示す操作イベント情報、即ち先頭及び先頭から4、5番目のビット情報をビット1としたスイッチ操作情報を含む応答信号を防災受信盤10へ送信する。
【0117】
(e3.消火栓弁開閉レバーの開操作を促す操作案内制御)
続いて、防災受信盤10の制御部40は、消火栓装置20から発信機の操作、消火栓扉の開放操作及びノズル取出操作を示す操作イベント情報を含む応答信号を受信した場合に、特定した消火栓装置20のアドレスを指定して消火栓弁開閉レバーの開操作案内の指示情報を含む制御コマンド信号を伝送部4220、4240から送信させる。
【0118】
防災受信盤10から自己のアドレスが指定された消火栓弁開閉レバーの開操作案内の指示情報を含む制御コマンド信号を受信した消火栓装置20の端末制御装置58は、制御部150により消火栓弁開閉レバー124の開操作を促す操作案内として、例えば弁開閉レバー操作案内表示部138を点滅させると共にスピーカ部98から所定の音声メッセージとして「ピピッ ピピッ 消火栓弁開閉レバーを開操作してください。放水が始まります。ノズルをしっかり保持してください」と出力させる。
【0119】
この操作案内に基づき道路利用者が消火栓弁開閉レバー124を開操作すると、弁開閉レバー検出スイッチ136がオン状態となり、端末制御装置58は、自己アドレスを指定したポーリングコマンド信号の受信に続く応答タイミングで、発信機の操作、消火栓扉の開放操作、ノズルの取出操作及び消火栓弁開閉レバーの開操作を示す操作イベント情報、即ち先頭及び先頭から4~6番目のビット情報をビット1としたスイッチ操作情報を含む応答信号を防災受信盤10へ送信する。
【0120】
そして、消火栓扉の開放操作、ノズルの取出操作及び消火栓弁開閉レバーの開操作を示す操作イベント情報を含む応答信号を受信した防災受信盤10は、制御部40により特定した消火栓装置20のアドレスを指定して放水操作案内の指示情報を含む制御コマンド信号を伝送部4220、4240から送信させる。
【0121】
防災受信盤10から自己のアドレスが指定された放水操作案内の指示情報を含む制御コマンド信号を受信した消火栓装置20の端末制御装置58は、制御部150により例えばスピーカ部98から所定の音声メッセージとして「火災場所にノズルを向けて放水しながらホースを引出してください 火災場所から十分離れた位置から放水してください」と出力させる。
【0122】
(e4.誤操作に対する操作案内)
ここで、消火栓装置20からノズル取出操作を促す操作案内が出力されているにもかかわらず、道路利用者がノズル120を取り出すことなく誤って消火栓弁開閉レバー124を開操作した場合には、弁開閉レバー検出スイッチ136がオン状態となり、端末制御装置58は、自己アドレスを指定したポーリングコマンド信号の受信に続く応答タイミングで、発信機の操作、消火栓扉の開放操作及び消火栓弁開閉レバーの開操作を示す操作イベント情報、即ち先頭及び先頭から4、6番目のビット情報をビット1としたスイッチ操作情報を含む応答信号を防災受信盤10へ送信することになる。
【0123】
しかしながら、道路利用者が消火栓扉70の開放操作に続いて行った消火栓弁開閉レバー124の開操作は、消火栓装置の正しい操作手順とは異なる誤操作であり、防災受信盤10はノズル取出操作を示す操作イベント情報を含む応答信号、即ち先頭から5番目のビット情報をビット1としたスイッチ操作情報を含む応答信号を受信することなく、消火栓弁開閉レバー120の開操作を示す操作イベント情報を含む応答信号、即ち先頭から6番目のビット情報をビット1としたスイッチ操作情報を含む応答信号を受信することになるから、防災受信盤10の制御部40は、消火栓扉70の開放操作に続いて行った消火栓弁開閉レバー124の開操作を誤操作と検出することができ、特定した消火栓装置のアドレスを指定して誤操作である旨及びノズルの取出操作を促す旨の操作案内の指示情報を含む制御コマンド信号を伝送部4220、4240から送信させる。
【0124】
防災受信盤10から自己アドレスを指定した誤操作である旨及びノズルの取出操作を促す旨の操作案内の指示情報を含む制御コマンド信号を受信した消火栓装置20の端末制御装置58は、制御部150により誤操作である旨の操作案内として、例えばスピーカ部98から所定の音声メッセージとして「ブブーッ ブブーッ 消火栓弁開閉レバーの開操作は誤操作となります レバーを元に戻してください」と出力させ、正しい操作であるノズルの取出操作を促す旨の操作案内として、例えばノズル取出操作案内表示部134を点滅表示させると共にスピーカ部98から所定の音声メッセージとして「ピピッ ピピッ ノズルホルダーからノズルを取出してホースを引出してください」を出力させる。
【0125】
このため、道路利用者は消火栓弁開閉レバー124の開操作が誤操作であったことに気づいて消火栓弁開閉レバー124を元の閉位置に戻し、正しい操作としてノズル120を取り出すことで誤操作をリカバリーすることができる。そして、このリカバリー操作に伴いノズル検出スイッチ132がオン状態となり、弁開閉レバー検出スイッチ136がオフ状態となることから、端末制御装置58は、自己アドレスを指定したポーリングコマンド信号の受信に続く応答タイミングで、発信機の操作、消火栓扉の開放操作及びノズルの取出操作を示す操作イベント情報を含み、消火栓弁開閉レバー124の開操作を示す操作イベント情報が含まれない、即ち先頭及び先頭から4、5番目のビット情報をビット1とし、先頭から6番目のビット情報をビット0としたスイッチ操作情報を含む応答信号を防災受信盤10へ送信し、これ以降の操作案内制御は、既に説明した「項目e3」と同様な制御となるため、その説明は省略する。
【0126】
[f.火災検出器の火災信号に基づく操作案内制御]
次に、防災受信盤が最初に火災検出器から火災信号を受信した場合の操作案内制御について説明する。
【0127】
防災受信盤10の制御部40は、伝送部4210、4230が火災検出器16から火災信号として割込み信号を受信し、火災を検出した火災検出器16のアドレスを特定した場合に、特定したアドレスの火災検出器16の検出エリアに対応した、例えば検出エリアに設置されている消火栓装置20のアドレスを指定して、火災を確認する旨及び発信機の操作による火災通報を促す旨の操作案内の指示情報を含む制御コマンド信号を伝送部4210、4230から送信させる。
【0128】
防災受信盤10から自己のアドレスが指定された火災を確認する旨及び発信機の操作による火災通報を促す旨の操作案内の指示情報を含む制御コマンド信号を受信した消火栓装置20の端末制御装置58は、制御部150により、例えば発信機操作案内部96を点滅させると共にスピーカ部98から所定の音声メッセージとして「ピピッ ピピッ 火災を確認してください 火災を確認した場合は発信機を押して火災を通報してください」と出力させる。
【0129】
このため、消火栓装置20の近くにいる道路利用者は、消火栓装置20からの音声メッセージを受けて火災を確認して発信機88を押釦操作することとなり、消火栓装置20の端末制御部58は、発信機88の押釦操作により割込み信号を防災受信盤10へ送信する。
【0130】
そして、防災受信盤10は、既に受信している火災検出器16からの割込み信号に基づき火災検出器16による火災検出と、消火栓装置20からの割込み信号及び発信機の操作を示す操作イベント情報、即ち先頭のビット情報をビット1としたスイッチ操作情報を含む応答信号による火災通報の両方を検出して火災と断定し、警報部45から火災警報を出力させると共に、例えば警報表示板設備30を制御してトンネル進入禁止表示などを行い、特定した消火栓装置20に消火栓扉70の扉開放操作案内の指示情報を含む制御コマンド信号を伝送部4220、4240から送信させる。これ以降の操作案内制御は、既に説明した「項目e1~e4」と同様な制御となるため、その説明は省略する。
【0131】
[g.最初に消火栓扉を開放操作した場合の操作案内制御]
次に、道路利用者が発信機88を操作することなく、最初に消火栓扉70の開放操作を行った場合の操作案内について説明する。
【0132】
トンネル内で火災が発生した場合等の急を要する混乱した状況の中にあっては、道路利用者は発信機88を操作することなく、内部に収納された消火用ホース114を使用しようとして最初に消火栓扉70の開放操作を行う場合が想定される。
【0133】
このような場合には、操作された消火栓装置20は防災受信盤10にアドレスが特定されていないことから、消火栓装置20の端末制御装置58は、消火栓扉70の開操作による扉検出スイッチ74のオン状態に検出したときに、割込み信号を送信していないことを条件に、割込み信号を防災受信盤10へ送信する。
【0134】
消火栓扉の開放操作に基づく割込み信号を受信した防災受信盤10は、割込み信号を送信した消火栓装置20のアドレスを特定して特定した消火栓装置20に対するポーリングコマンド信号の送信周期を通常監視状態よりも短くして、ポーリング信号の送信を行い、特定した消火栓装置20から送信される発信機の操作を示す操作イベント情報が含まれず、消火栓扉の開放操作を示す操作イベント情報を含む、即ち先頭のビット情報をビット0とし、先頭から4番目のビット情報をビット1としたスイッチ操作情報を含む応答信号から消火栓扉70の開放操作は誤操作と検出し、火災を確認する旨及び発信機の操作により火災通報を促す旨の操作案内の指示情報を含む制御コマンド信号を特定した消火栓装置20に送信する。
【0135】
防災受信盤10から自己アドレスを指定した火災を確認する旨及び発信機の操作により火災通報を促す旨の操作案内の指示情報を含む制御コマンド信号を受信した消火栓装置20の端末制御装置58は、制御部150により、例えば発信機操作案内部96を点滅させると共にスピーカ部98から所定の音声メッセージとして「ピピッ ピピッ 消火栓を使用する前に火災を確認し 火災を確認した場合は発信機を押して火災を通報してください」と出力させる。
【0136】
尚、発信機88を操作することなく消火栓扉70を開放操作することは、操作手順としては誤操作であるが、一度開いた消火栓扉70を閉鎖することは不要であることから、消火栓扉の誤操作を示す旨の音声メッセージは出力させていない。
【0137】
このため、発信機88を操作することなく消火栓扉70を開放してしまった道路利用者は、消火栓装置20からの操作案内を受けて、火災を確認して発信機88を押釦操作することになり、端末制御装置58は、自己アドレスを指定したポーリングコマンド信号の受信に続く応答タイミングで、消火栓扉の開放操作及び発信機の操作を示す操作イベント情報を含む応答信号を防災受信盤10へ送信する。尚、操作案内の対象となる消火栓装置10のアドレスは既に特定されていることから、発信機88の操作が行われても割込み信号の送信は行わない。
【0138】
また、防災受信盤10は、別途火災を検出して火災検出器16から火災信号として送信された割込み信号による火災検出と、既に受信している割込み信号及び受信した応答信号に含まれる発信機の操作を示す操作イベント情報により火災通報の両方を検出して火災と断定した場合に、制御部40により警報部45から火災警報を出力させると共に、例えば警報表示板設備30を制御してトンネル進入禁止表示等の制御を行う。そして、消火栓扉の開放操作を示す操作イベント情報を合わせて受信していることから、これ以降の操作案内制御は既に説明した「項目e2~e4」と同様な制御となり、その説明は省略する。
【0139】
[h.操作案内に関する防災受信盤の制御動作]
図5に示した防災受信盤10の制御部40による操作案内に関する制御動作について説明する。当該説明にあっては、防災受信盤による消火栓装置の監視制御を示したフローチャートである図6図7を参照する。尚、図7のフローチャートは図6のフローチャートから続くものである。
【0140】
防災受信盤10の制御部40は、伝送部4210、4230が火災検出器16から火災信号として割込み信号を受信すると、当該火災検出器16の検出エリアに対応する消火栓装置20のアドレスを選択指定して、伝送部4220、4240から制御コマンド信号を送信することにより指定した消火栓装置20に火災を確認する旨及び発信機の操作による火災通報を促す旨の操作案内を出力するように指示する(ステップS1~S3)。
【0141】
続いて、制御部40は、伝送部4220、4240が発信機88の操作に基づく消火栓装置20から割込み信号を受信すると、割込み信号を送信した消火栓装置20のアドレスを特定する(ステップS4、S5)。
【0142】
続いて、制御部40は、特定した消火栓装置20からの応答信号に含まれる発信機の操作を示す操作イベント情報に基づき発信機の操作を検出した場合には、伝送部4220、4240から制御コマンド信号を送信することにより特定した消火栓装置20に消火栓扉の開放操作を促す旨の操作案内を出力するように指示する(ステップS6、S7)。
【0143】
続いて、制御部40は、特定した消火栓装置20からの応答信号に含まれる発信機の操作、消火栓扉の開放操作を示す操作イベント情報に基づき消火栓扉の開放操作を検出すると、伝送部4220、4240から制御コマンド信号を送信することにより特定した消火栓装置20にノズルの取出操作を促す旨の操作案内を出力するように指示する(ステップS8、S9)。
【0144】
続いて、制御部40は、特定した消火栓装置20からの応答信号に含まれる発信機の操作、消火栓扉の開放操作及びノズルの取出操作を示す操作イベント情報に基づきノズルの取出操作を検出すると、伝送部4220、4240から制御コマンド信号を送信することにより特定した消火栓装置20に消火栓弁開閉レバーの開操作を促す旨の操作案内を出力するように指示する(ステップS10、S11)。
【0145】
続いて、制御部40は、特定した消火栓装置20からの応答信号に含まれる発信機の操作、消火栓扉の開放操作、ノズルの取出操作及び消火栓弁開閉レバーの開操作を示す操作イベント情報に基づき消火栓弁開閉レバーの開操作を検出すると、伝送部4220、4240から制御コマンド信号を送信することにより特定した消火栓装置20に放水操作を促す旨の操作案内を出力するように指示する(ステップS12、S13)。
【0146】
これにより、制御部40による火災検出器16から受信した火災信号に基づく消火栓装置20が正しい操作手順で操作された場合の一連の制御動作は終了する。
【0147】
一方、制御部40は、ステップS9で制御部40が消火栓装置20にノズルの取出操作を促す旨の操作案内を出力するように指示した後に、特定した消火栓装置20からの応答信号に含まれる消火栓弁開閉レバーの開操作を示す操作イベント情報に基づきノズルの取出操作を検出することなく誤操作イベントとして消火栓弁開閉レバーの開操作を検出すると、伝送部4220、4240から制御コマンド信号を送信することにより誤操作である旨の操作案内を出力するように指示すると共に、誤操作をリカバリーするために、再度ノズルの取出操作を促す旨の操作案内を出力するように指示する(ステップS10、S14、S15、S9)。
【0148】
また、制御部40は、ステップS5で割込み信号を送信した消火栓装置20を特定した後に、特定した消火栓装置20からの応答信号に含まれる消火栓扉の開放操作を示す操作イベント情報に基づき発信機の操作を検出することなく、誤操作イベントとして消火栓扉の開放操作を検出すると、伝送部4220、4240から制御コマンド信号を送信することにより誤操作である旨の操作案内を出力するように指示すると共に、誤操作をリカバリーするために、火災を確認する旨及び発信機の操作による火災通報を促す旨の操作案内を出力するように指示する(ステップS6、S16~S19)。
【0149】
また、制御部40は、伝送部4220、4240が火災検知器16から火災信号を受信することなく、消火栓装置20から割込み信号を受信した場合には、ステップS2~4の制御動作を行くことなくステップS5以降の制御動作を行う(ステップS1、S20、S5~S19)。
【0150】
[i.操作案内に関する消火栓装置の制御動作]
図4に示した消火栓装置20の端末制御装置58の制御部150による操作案内に関する制御動作について説明する。当該説明にあっては、消火栓装置の端末制御装置による制御動作を動作示したフローチャートである図8を参照する。
【0151】
図8に示すように、消火栓装置20の端末制御装置58の制御部150は、操作イベントを検出し、既に伝送部148から防災受信盤10に割込み信号を送信している場合には、伝送部4220、4240から検出した操作イベントを示す操作イベント情報を含む応答信号を防災受信盤10へ送信させる(ステップS21~S23)。
【0152】
一方、制御部150は、操作イベントを検出し、伝送部148から防災受信盤10に割込み信号を送信していない場合には、割込み信号を防災受信盤10へ送信させる(ステップS21、S22、S24)。
【0153】
続いて、制御部150は、防災受信盤10から送信された制御コマンド信号を受信すると、制御コマンド信号に含まれる操作案内の指示情報に基づき、対応する表示部を作動させると共にスピーカ部98から音声メッセージを出力する操作案内を行わせる(ステップS25、S26)。
【0154】
[j.本発明の変形例]
本発明による防災システム及びその消火栓装置の変形例について説明する。本発明のトンネル防災システム及び消火栓装置は、上記の実施形態以外に、以下の変形を含むものである。
【0155】
(防災受信盤の消火栓装置の監視)
上記の実施形態は、防災受信盤10の制御部40は消火栓装置20からの受信した操作イベント情報に基づき操作イベントを検出して操作案内を指示する制御を行っているが、これに加え、防災受信盤10の表示部46となるディスプレイに、受信した操作イベント情報に基づき消火栓装置10の操作状態を画面表示し、防災受信盤側10で消火栓装置20の操作状況を把握可能としてもよい。また、防災受信盤10の制御部40で、受信した操作イベント情報から操作イベントの履歴をメモリに履歴データとして記憶し、必要に応じて操作イベントの履歴を読み出して消火栓装置20の操作状況の確認や解析等に利用できるようにしてもよい。
【0156】
(伝送制御)
上記の実施形態は、防災受信盤10は火災検出器16及び消火栓装置20との間のR型の伝送制御として、電圧モードの下り信号と電流モードの上り信号を同じ伝送回線(伝送線とコモン線)で送受信する半二重通信を例にとっているが、これに限定されず、下り伝送回線と上り伝送回線(例えば下り伝送線、上り伝送線及びコモン線)を別の伝送回線として設け、下り信号と上り信号を同時に伝送可能とする全二重通信としても良い。
【0157】
また、半二重通信において火災検出器16で火災を検出した場合や消火栓装置20で発信機88が操作された場合等の割込み信号を送信するときに、全二重通信にあっては下り伝送回線と上り伝送回線が別の伝送回線としているため、割込み信号でなく自己アドレスを含む火災信号又は火災通報信号を上り信号として送信することになる。また、全二重通信にあっては、下り信号と上り信号を電圧モードと電流モードに分ける必要はなく、両方とも同じモードとしてもよく、全二重通信は公知の伝送方式を使用すれば実現できるものである。
【0158】
(操作案内)
上記の実施形態は、消火栓機器の操作を促す案内操作のために案内表示部とスピーカ部を設けているが、何れか一方を設けるようにしてもよい。
【0159】
(点検作業)
また、消火栓装置20に対して定期点検が行われるが、定期点検の際には、防災受信盤10で点検モードに設定できるようにし、点検モードの1つとして、火災警報動作や消火栓装置20以外の設備への連動を停止し、消火栓装置20の消火栓機器の操作に対して正しく操作案内が出力されるかを確認することができるようにしても良い。
【0160】
(操作の検出対象)
上記の実施形態では、消火栓装置10に設けられた発信機、消火栓扉、ノズル及び消火栓開閉レバーの操作を検出対象とし、これらの消火栓機器の操作に対応して操作案内を行っているが、検出対象とする消火栓機器はこれらに限らず、例えば消火栓装置20の消火器収納部65に収納された消火器140や筐体60に設けられた消火器扉78を検出対象に含んでも良い。
【0161】
より具体的には、消火器扉78に消火栓扉70と同様に扉検出スイッチを設けて、消火器扉78の開放操作を操作イベントとして検出できるようにし、また消火器140を収納しておく消火器収納部65の底面に消火器140が収納された状態でオフし、消火器140が取り出されたときにオンする検出スイッチを設けて消火器140の取出操作を操作イベントとして検出できるようにする。
【0162】
そして、防災受信盤10は、火災通報が行われる前に消火器扉78の開放操作が検出された場合には、火災を確認する旨及び発信機の操作による火災通報を促す旨の操作案内を促す旨の操作案内を出力させ、火災通報が行われた後に消火器扉78の開放操作が検出された場合には、消火器の取出操作を促す旨の操作案内を出力させ、消火器140の取出操作が検出された場合には、消火器の操作方法の操作案内を出力させる。
【0163】
(誤操作の検出対象)
上記の実施形態では、防災受信盤10は、ノズル120を取り出すことなく消火栓弁開閉レバー124を開操作すること、発信機88の操作前に消火栓扉70を開放操作することを誤操作として検出しているが、誤操作の検出はこれらの操作に限らず、消火栓装置に設けられた機器、消火栓装置の操作手順、設計者の設計思想等を考慮して定められるものである。例えば、一度開放した消火栓扉の閉鎖、一度取り出されたノズルをノズルホルダーに戻す等、消火栓装置の正しい操作手順から想定されない異常な操作を誤操作の検出対象としても良い。
【0164】
(その他)
また、本発明は、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【符号の説明】
【0165】
1:上り線トンネル
2:下り線トンネル
3:避難連絡坑
10:防災受信盤
12:伝送ケーブル
1210,1220,1230,1240:伝送回線
14:P型信号回線
16:火災検出器
18:中継増幅盤
20:消火栓装置
24:消火ポンプ設備
26:IG子局設備
28:換気設備
30:警報表示板設備
32:ラジオ再放送設備
34:テレビ監視設備
36:照明設備
40:制御部
42:伝送部
58:端末制御装置
60,62:筐体
64,66:化粧枠
65:消火器収納部
68:保守扉
70:消火栓扉
72,80:扉ハンドル
74:扉検出スイッチ
76:扉開放操作案内表示部
78:消火器扉
82:覗き窓
84:電装扉
86:赤色表示灯
88:発信機
90:応答ランプ
92,94:端子箱
96:発信機操作案内表示部
98:スピーカ部
100:消火栓収納部
102:バルブ類収納部
104:ホース収納部
106:給水配管
108:給水栓
110:消火栓弁
112:自動調圧弁
114:消火用ホース
116:ホース収納フレーム
118:ホースガイド
120:ノズル
122:ノズルホルダー
124:消火栓弁開閉レバー
125:操作ボックス
126:連動ボックス
128:ポンプ起動スイッチ
130:ポンプ起動連動スイッチ
132:ノズル検出スイッチ
134:ノズル取出操作案内表示部
136:弁開閉レバー検出スイッチ
138:弁開閉レバー操作案内表示部
140:消火器
142:ケーブルラック
144:操作方法銘板
148:伝送部
150:制御部
152:非常通報部
153:ポンプ設備起動部
154:操作イベント検出部
156:操作案内部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8