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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025302
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】作業機
(51)【国際特許分類】
   B25F 5/00 20060101AFI20240216BHJP
   B24B 23/02 20060101ALI20240216BHJP
   B24B 55/10 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
B25F5/00 B
B24B23/02
B24B55/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022128650
(22)【出願日】2022-08-12
(71)【出願人】
【識別番号】000005094
【氏名又は名称】工機ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 奨真
【テーマコード(参考)】
3C047
3C064
3C158
【Fターム(参考)】
3C047FF07
3C047FF15
3C047JJ11
3C064AA08
3C064AB02
3C064AC03
3C064BA11
3C064BA33
3C064BB52
3C064BB82
3C064CA04
3C064CA08
3C064CB06
3C064CB11
3C064CB17
3C064CB32
3C064CB36
3C064CB37
3C064CB64
3C064CB74
3C064CB82
3C064CB91
3C158AA02
3C158AA14
3C158AA16
3C158AC05
3C158CB06
(57)【要約】
【課題】簡易な構成でスイッチに対する防塵性能を向上する。
【解決手段】グラインダ10では、スイッチ40を保持するスイッチホルダ30が、モータハウジング24のフレーム部28に設けられており、テールカバー22がフレーム部28に組付けられて、フレーム部28を覆う。スイッチホルダ30には、スイッチカバー72が組付けられて、スイッチホルダ30及びスイッチカバー72によってスイッチ40が覆われる。また、テールカバー22には、規制プレート74が設けられており、規制プレート74によって、スイッチカバー72の移動が規制されて、スイッチカバー72のスイッチホルダ30への組付状態が維持されている。このため、スイッチ40に対する防塵性を簡易な構成で向上することができると共に、部品点数及び組立工数の削減を図ることができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータと、
前記モータに対して第1方向の一方側に配置され、前記モータを駆動するオン状態又は前記モータを停止させるオフ状態に切替るスイッチと、
前記モータを収容するモータハウジング部と、前記スイッチを保持するスイッチ保持部を有するフレーム部と、を含んで構成された第1ハウジングと、
前記フレーム部を覆う第2ハウジングと、
前記スイッチ保持部に支持され、前記スイッチ保持部と共に前記スイッチを覆うスイッチカバーと、
前記第2ハウジングに設けられ、前記スイッチカバーに当接して前記スイッチカバーの移動を規制する規制部と、
を備えた作業機。
【請求項2】
前記スイッチ保持部は、前記第1方向に直交する第2方向の一方側へ開放された凹状に形成されており、
前記スイッチカバーは、前記スイッチ保持部の開口部に嵌め込まれており、
前記規制部が、前記スイッチカバーの前記第2方向の一方側への移動を規制する請求項1に記載の作業機。
【請求項3】
前記スイッチが、前記スイッチカバーの前記第2方向の他方側への移動を規制している請求項2に記載の作業機。
【請求項4】
前記第2ハウジングは、前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向に分割された一対のハウジング部材によって構成されており、
前記規制部が、一対の前記ハウジング部材の内周部にそれぞれ設けられている請求項2に記載の請求項2に記載の作業機。
【請求項5】
一対の前記規制部は、前記第3方向において前記ハウジング部材の内周面から互いに接近する方向に延出されると共に、前記スイッチカバーの前記第2方向の一方側に隣接配置されて、前記スイッチ保持部に嵌め込まれた前記スイッチカバーの外周部を前記第2方向の一方側から覆っている請求項4に記載の作業機。
【請求項6】
前記スイッチカバー又は前記スイッチ保持部には、前記スイッチカバーを前記第1方向の他方側へ付勢する付勢部が設けられている請求項5に記載の作業機。
【請求項7】
前記スイッチの前記第1方向の他方側端部には、前記スイッチに電力を供給するための一対の配線の端子が接続されている請求項6に記載の作業機。
【請求項8】
前記スイッチカバーには、一対の前記端子を隔離する隔離部が設けられている請求項7に記載の作業機。
【請求項9】
前記モータの駆動によって回転し、前記第1方向の一方側から他方側へ向かう空気流を生成するファンを備え、
前記フレーム部には、前記スイッチ保持部の前記第1方向の他方側において、前記スイッチ保持部よりも前記第2方向の一方側へ突出し且つ前記第2ハウジングを固定する被固定部が設けられ、
前記スイッチカバーには、前記被固定部の前記第1方向の一方側において、前記空気流を整流する整流部が形成されている請求項2に記載の作業機。
【請求項10】
モータと、
前記モータを駆動するオン状態又は前記モータを停止させるオフ状態に切替るスイッチと、
前記モータを収容するモータハウジング部と、前記スイッチを保持するスイッチ保持部を有するフレーム部と、を有する第1ハウジングと、
前記フレーム部を覆う第2ハウジングと、
前記スイッチ保持部に支持され、前記スイッチ保持部と共に前記スイッチを覆うスイッチカバーと、
前記スイッチカバー又は前記スイッチ保持部に設けられ、前記スイッチカバーを付勢して前記スイッチカバーの組付状態を維持する付勢部と、
を備えた作業機。
【請求項11】
前記付勢部は、弾性的に前記スイッチカバーに付勢力を与える請求項10に記載の作業機。
【請求項12】
前記付勢部は、前記スイッチカバーと一体的に設けられる請求項11に記載の作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載のディスクグラインダ(作業機)では、ハンドルハウジングのトリガレバーを操作することで、トリガスイッチ(スイッチ)がオンされ、モータが駆動する。これにより、ディスクグラインダの先端部に取付けられた砥石が回転して、ディスクグラインダによって加工材に対する研磨加工等を施すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-121406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ディスクグラインダのような作業機では、作業時に生じる粉塵が、作業機内に侵入して、トリガスイッチに付着する可能性がある。これに対して、トリガスイッチを覆うことで、トリガスイッチに対する防塵性能を向上できるが、作業機では、簡易な構成でトリガスイッチに対する防塵性能を向上できることが望ましい。
【0005】
本発明は、上記事実を考慮して、簡易な構成でスイッチに対する防塵性能を向上することができる作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、モータと、前記モータに対して第1方向の一方側に配置され、前記モータを駆動するオン状態又は前記モータを停止させるオフ状態に切替るスイッチと、前記モータを収容するモータハウジング部と、前記スイッチを保持するスイッチ保持部を有するフレーム部と、を含んで構成された第1ハウジングと、前記フレーム部を覆う第2ハウジングと、前記スイッチ保持部に支持され、前記スイッチ保持部と共に前記スイッチを覆うスイッチカバーと、前記第2ハウジングに設けられ、前記スイッチカバーに当接して前記スイッチカバーの移動を規制する規制部と、を備えた作業機である。
【0007】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記スイッチ保持部は、前記第1方向に直交する第2方向の一方側へ開放された凹状に形成されており、前記スイッチカバーは、前記スイッチ保持部の開口部に嵌め込まれており、前記規制部が、前記スイッチカバーの前記第2方向の一方側への移動を規制する作業機である。
【0008】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記スイッチが、前記スイッチカバーの前記第2方向の他方側への移動を規制している作業機である。
【0009】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記第2ハウジングは、前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向に分割された一対のハウジング部材によって構成されており、前記規制部が、一対の前記ハウジング部材の内周部にそれぞれ設けられている作業機である。
【0010】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、一対の前記規制部は、前記第3方向において前記ハウジング部材の内周面から互いに接近する方向に延出されると共に、前記スイッチカバーの前記第2方向の一方側に隣接配置されて、前記スイッチ保持部に嵌め込まれた前記スイッチカバーの外周部を前記第2方向の一方側から覆っている作業機である。
【0011】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記スイッチカバー又は前記スイッチ保持部には、前記スイッチカバーを前記第1方向の他方側へ付勢する付勢部が設けられている作業機である。
【0012】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記スイッチの前記第1方向の他方側端部には、前記スイッチに電力を供給するための一対の配線の端子が接続されている作業機である。
【0013】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記スイッチカバーには、一対の前記端子を隔離する隔離部が設けられている作業機である。
【0014】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記モータの駆動によって回転し、前記第1方向の一方側から他方側へ向かう空気流を生成するファンを備え、前記フレーム部には、前記スイッチ保持部の前記第1方向の他方側において、前記スイッチ保持部よりも前記第2方向の一方側へ突出し且つ前記第2ハウジングを固定する被固定部が設けられ、前記スイッチカバーには、前記被固定部の前記第1方向の一方側において、前記空気流を整流する整流部が形成されている作業機である。
【0015】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、モータと、前記モータを駆動するオン状態又は前記モータを停止させるオフ状態に切替るスイッチと、前記モータを収容するモータハウジング部と、前記スイッチを保持するスイッチ保持部を有するフレーム部と、を有する第1ハウジングと、前記フレーム部を覆う第2ハウジングと、前記スイッチ保持部に支持され、前記スイッチ保持部と共に前記スイッチを覆うスイッチカバーと、前記スイッチカバー又は前記スイッチ保持部に設けられ、前記スイッチカバーを付勢して前記スイッチカバーの組付状態を維持する付勢部と、を備えた作業機である。
【0016】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記付勢部は、弾性的に前記スイッチカバーに付勢力を与える作業機である。
【0017】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記付勢部は、前記スイッチカバーと一体的に設けられる作業機である。
【発明の効果】
【0018】
本発明の1又はそれ以上の実施形態によれば、簡易な構成でスイッチに対する防塵性能を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本実施形態に係るディスクグラインダを示す左側から見た側面図である。
図2図1に示されるディスクグラインダの内部を示す左側から見た断面図である。
図3図2に示されるカバー機構を、規制プレートを左右方向外側へずらした状態で示す左斜め後方側から見た分解斜視図である。
図4図3に示されるカバー機構の上側から見た平面図である。
図5図3に示されるカバー機能の分解斜視図である。
図6図4に示されるカバー機構における前部の内部を示す後側から見た断面図(図4の6-6線断面図)である。
図7図4に示されるスイッチカバーの後端部とスイッチホルダとの篏合状態を示す左側から見た断面図(図4の7-7線断面図)である。
図8】(A)は、図5に示されるスイッチカバーの左側から見た側面図であり、(B)は、(A)のスイッチカバーの下側から見た下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を用いて、本実施形態に係る作業機としてのディスクグラインダ10(以下、単にグラインダ10という)について説明する。なお、図面において適宜示される矢印UP、矢印FR、及び矢印LHは、それぞれグラインダ10の上側、前側、及び左側を示している。そして、以下の説明において、上下、前後、左右の方向を用いて説明するときには、特に断りのない限り、グラインダ10の上下方向、前後方向、左右方向を示すものとする。また、前後方向が本発明の第1方向に対応し、上下方向が本発明の第2方向に対応し、左右方向が本発明の第3方向に対応する。
【0021】
グラインダ10は、加工材に対して研磨加工等を施す電動工具として構成されている。図1及び図2に示されるように、グラインダ10は、ハウジング20と、スイッチ40と、モータ60と、スイッチ40を覆うカバー機構70と、を含んで構成されている。以下、グラインダ10の各構成について説明する。
【0022】
(ハウジング20について)
ハウジング20は、グラインダ10の外郭を構成している。ハウジング20は、全体として前後方向に延在された中空柱状に形成されている。ハウジング20は、グラインダ10の後端側外周部を構成する第2ハウジングとしてのテールカバー22と、前後方向に延在された第1ハウジングとしてのモータハウジング24と、モータハウジング24の前側に配置されたギヤハウジング32と、を含んで構成されている。
【0023】
テールカバー22は、前側へ開放された略有底円筒状に形成されている。テールカバー22は、左右一対のハウジング部材としてのカバー部材22L、22Rによって構成されており(図6参照)、カバー部材22L、22Rを互いに締結固定することで、テールカバー22が形成されている。すなわち、テールカバー22は、左右方向に分割可能に構成されている。テールカバー22の後端部には、電源コード42が設けられており、電源コード42がテールカバー22から後側へ延出している。電源コード42は、外部からの商用電力を、後述するスイッチ40及びモータ60に供給する。テールカバー22の後端部には、複数の吸気口22A(図1参照)が貫通形成されている。テールカバー22は、モータハウジング24に取り付けられる。
【0024】
モータハウジング24は、後述するモータ60を収容するためのモータハウジング部26と、フレーム部28と、を含んで構成されており、フレーム部28及びモータハウジング部26が一体(分離不能)に形成されている。つまり、モータハウジング24は単一部材として構成され、かつフレーム部28及びモータハウジング部26を有する。モータハウジング部26は、前後方向を軸方向とする略円筒状に形成されている。モータハウジング部26の前端部には、径方向外側へ張出されたハウジング連結部26Aが形成されており、ハウジング連結部26Aは、正面視で略矩形状に形成されている。
【0025】
フレーム部28は、前後方向に延在された略長尺ブロック状に形成されている。フレーム部28は、モータハウジング部26の後端部の略中央部から後側へ延出されて、フレーム部28の前端部が、モータハウジング部26の後端部に図示しない位置において接続されている。そして、テールカバー22のカバー部材22L、22Rが、フレーム部28を左右方向外側から挟み込む状態で、フレーム部28に締結固定されて、フレーム部28がテールカバー22の内部に収容されている。フレーム部28におけるカバー部材22L、22Rの締結部位として、被固定部28Aが、フレーム部28の前端部における上端部に設けられており、被固定部28Aは、左右方向に延在された筒状に形成されている。そして、右側のカバー部材22R及び被固定部28Aを挿通した固定ネジSCが、左側のカバー部材22Lに螺合されて、カバー部材22L、22Rがフレーム部28に締結固定されている。
【0026】
図2図6に示されるように、フレーム部28の前後方向中間部には、被固定部28Aの後側において、後述するスイッチ40を収容し且つ保持するスイッチ保持部としてのスイッチホルダ30が設けられている。スイッチホルダ30は、上側へ開放された凹状に形成されており、被固定部28Aに対して下側に一段下がった位置に配置されている。具体的には、スイッチホルダ30は、上側へ開放された略矩形箱状に形成されている。スイッチホルダ30の底壁の前部には、左右方向中央部において、スイッチ孔30Aが貫通形成されている。スイッチホルダ30の左右の内周面には、スイッチ孔30Aの左右方向外側において、逃げ凹部30Bが形成されている。逃げ凹部30Bは、左右方向内側及び上側へ開放された凹状に形成されて、スイッチホルダ30の底壁よりも上側に配置されている。逃げ凹部30Bには、保持フック30Cが設けられている。保持フック30Cは、左右方向を板厚方向とし且つ上下方向に延在された略矩形板状に形成されて、逃げ凹部30Bの底面から上側へ延出している。保持フック30Cは、左右方向に弾性変形可能に構成されている。保持フック30Cの上端部には、左右方向内側へ突出したフック部30Dが一体に形成されている。
【0027】
スイッチホルダ30の前側内周面には、左右方向中央部において、位置決めリブ30E(図5参照)が形成されている。位置決めリブ30Eは、上下方向に延在された略矩形柱状に形成されて、スイッチホルダ30の底面から上側へ延出されている。スイッチホルダ30の後壁の上端部には、左右方向中央部において、第1配線用溝部30Fが貫通形成されている。第1配線用溝部30Fは、上下方向に延在されると共に、上側へ開放されている。スイッチホルダ30における側壁の上端部には、後端部において、第2配線用溝部30Gがそれぞれ貫通形成されている。第2配線用溝部30Gは、上下方向に延在されると共に、上側へ開放されている。また、スイッチホルダ30の上側の開口部30Hは、後述するスイッチカバー72によって閉塞される。
【0028】
図2図5、及び図6に示されるように、スイッチホルダ30内には、スイッチ40が収容されている。スイッチ40は、スイッチ本体40Aと、プランジャ40Bと、を含んで構成されている。スイッチ本体40Aは、略矩形ブロック状に形成され、スイッチホルダ30の前部内に収容されている。スイッチ本体40Aは、保持フック30Cの左右方向内側に隣接配置されると共に、フック部30Dに上下方向に係合して、保持フック30Cによって保持されている。スイッチ本体40Aの前端部には、左右方向中央部において、上下方向に延在されたスイッチ側位置決め溝40C(図5参照)が上下方向に貫通形成されている。スイッチ側位置決め溝40Cには、スイッチホルダ30の位置決めリブ30Eが挿入されており、位置決めリブ30Eによってスイッチ40における前端部の左右方向の位置が決定される。
【0029】
プランジャ40Bは、スイッチ本体40Aの前部から下側へ突出しており、スイッチホルダ30のスイッチ孔30A内に配置されている。前述した電源コード42の一対の配線44が、スイッチホルダ30の第1配線用溝部30F内に配置され、配線44の一端部に設けられた端子44Aが、左右方向に並んで配置され、スイッチ本体40Aの前端部に接続されている。また、スイッチ本体40Aから延出された配線46が、第2配線用溝部30G内に配置され、スイッチホルダ30の左右方向外側に配策され、後述するモータ60に接続されている。さらに、スイッチホルダ30の後端部内には、コンデンサ等の電子部品を搭載した回路装置48が収容されており、回路装置48は、スイッチ40と電気的に接続されている。スイッチホルダ30における回路装置48が収容される部分の幅寸法(左右方向の寸法)が、他の部分の幅寸法よりも若干大きく設定されている。スイッチ40は、図示しない制御部に電気的に接続されており、後述するトリガレバー36の操作に応じたオン信号又はオフ信号を制御部へ出力する。
【0030】
図2に示されるように、フレーム部28の下側には、トリガレバー36(広義には、操作部として把握される要素である)が設けられている。トリガレバー36は、前後方向に延在された略長尺状に形成され、テールカバー22から下側に操作可能に露出されている。トリガレバー36の後端部は、スイッチホルダ30の後側において、左右方向を軸方向としてフレーム部28に回転可能に連結されている。これにより、トリガレバー36が上側へ引き操作可能にフレーム部28に連結されている。トリガレバー36の前後方向中間部には、スイッチ用ボス36Aが設けられている。スイッチ用ボス36Aは、上下方向を軸方向とする略円柱状に形成され、トリガレバー36から上側へ突出されると共に、スイッチ40のプランジャ40Bの下側に隣接配置されている。これにより、トリガレバー36が引き操作されることで、プランジャ40Bが押圧されて、スイッチ40がオフ状態からオン状態に切替わる。
【0031】
ギヤハウジング32は、左右方向から見て、略三角形を成す中空状に形成されると共に、下側へ開放されている。ギヤハウジング32の後端部には、被連結部32Aが形成されており、被連結部32Aは、モータハウジング部26のハウジング連結部26Aに対応する略矩形筒状に形成されている。そして、ハウジング連結部26Aが被連結部32Aの内部に篏合されて、被連結部32Aの外周部が、図示しない位置において、ハウジング連結部26Aに締結固定されている。ギヤハウジング32の下側には、パッキングランド34が設けられている。パッキングランド34は、上下方向を軸方向とする段付き円筒状に形成されて、ギヤハウジング32に固定されている。
【0032】
ギヤハウジング32内には、スピンドル50が設けられており、スピンドル50は、上下方向を軸方向とする略円柱状に形成されている。スピンドル50の上端部は、ギヤハウジング32に固定された軸受51によって回転可能に支持され、スピンドル50の上下方向中間部が、パッキングランド34に固定された軸受52によって回転可能に支持されている。スピンドル50の下端部(軸方向一方側端部)には、砥石53が取付けられており、後述するモータ60の駆動力によって、砥石53がスピンドル50と共に回転することで、加工材に対して研磨加工等を施すようになっている。また、パッキングランド34の下端部には、ホイルガード54が着脱可能に固定されており、ホイルガード54によって、砥石53の一部が覆われている。
【0033】
(モータ60について)
モータ60は、ブラシ付モータとして構成されている。モータ60は、モータハウジング部26内に収容されている。モータ60は、回転軸60Aを有している。回転軸60Aは、前後方向を軸方向として配置され、回転軸60Aの後端部が、フレーム部28の前端部に固定された第1モータ軸受61によって回転可能に支持されており、回転軸60Aの前端側部分が、ギヤハウジング32に固定された第2モータ軸受62によって回転可能に支持されている。回転軸60Aの前端部は、ギヤハウジング32内に配置されており、回転軸60Aの前端部には、ピニオンギヤ63が固定されている。ピニオンギヤ63は、スピンドル50の上端側部分に設けられたベベルギヤ64に噛合されており、モータ60の駆動力が、ベベルギヤ64によってスピンドル50に伝達される構成になっている。モータ60は、図示しない制御部に電気的に接続されており、制御部によってモータ60が駆動する。
【0034】
回転軸60Aの前端側部分には、ファン65が一体回転可能に設けられている。ファン65は、前後方向を厚み方向とする遠心ファンとして構成されている。具体的には、ファン65は、ファン65の中心部に後側から流入された空気を、径方向外側へ流し、モータハウジング部26に組付けられたファンガイド66によって、前側へ流すようになっている。これにより、モータ60の作動時には、吸気口22Aからハウジング20内に流入される空気流ARが発生し、空気流ARがハウジング20内を前側へ流れて、ギヤハウジング32に形成された排気口32B(図1参照)から流出される構成になっている。
【0035】
(カバー機構70について)
図2図8に示されるように、カバー機構70は、スイッチ40を覆って、スイッチ40に対する防塵性を高くする機構部として構成されている。カバー機構70は、前述したモータハウジング24に設けられたスイッチホルダ30と、スイッチホルダ30の開口部30Hを閉塞するスイッチカバー72と、スイッチカバー72の移動を規制する左右一対の規制部としての規制プレート74と、を含んで構成されている。
【0036】
(スイッチカバー72について)
スイッチカバー72は、樹脂材によって構成されている。スイッチカバー72は、下側へ開放された比較的底の浅い略箱形状に形成されており、平面視で前後方向を長手方向とする略矩形状に形成されている。平面視におけるスイッチカバー72の外形は、スイッチホルダ30の開口部30Hの形状に対応して形成されており、スイッチカバー72が、スイッチホルダ30の開口部30H内に嵌入されて、開口部30Hを閉塞している。すなわち、スイッチカバー72はスイッチホルダ30(モータハウジング24)に支持されている。
【0037】
スイッチカバー72の前壁72Aには、位置決め凹部72Dが形成されている。位置決め凹部72Dは、下側から見て前側へ開放された凹状に形成されると共に、上下方向に延在されており、前壁72Aから後側へ隆起している。位置決め凹部72Dの内部は、カバー側位置決め溝72Eとして構成されており、カバー側位置決め溝72Eは、下側へ開放されている。そして、スイッチホルダ30の位置決めリブ30Eの上端部がカバー側位置決め溝72E内に下側から挿入されて、左右方向におけるスイッチホルダ30に対するスイッチカバー72の位置が決定されている。
【0038】
スイッチカバー72には、位置決め凹部72Dの後側において、隔離部72F(図8参照)が一体に設けられている。隔離部72Fは、前後方向に延在された略矩形柱状に形成されて、位置決め凹部72Dの下端部から後側へ延出している。そして、隔離部72Fがスイッチ本体40Aの上側に隣接配置されて、スイッチカバー72の下側への移動がスイッチ40によって制限されている。隔離部72Fは、スイッチ本体40Aに接続された一対の配線44の端子44Aの間に配置されて、一対の端子44Aを左右方向に隔離している(図6及び図8参照)。
【0039】
スイッチカバー72における左右の側壁72Bには、左右方向外側へ突出した張出部72Gが形成されており、張出部72Gは、下側から見て、左右方向内側へ開放された凹状に形成されている。張出部72Gは、スイッチホルダ30における逃げ凹部30Bの上端部内に配置されて、逃げ凹部30Bを閉塞している。張出部72Gの内部には、保持フック30Cの上端部が配置されて、張出部72Gによって保持フック30Cが覆われている。なお、張出部72Gの下端面は、スイッチカバー72の左右の側壁72Bよりも上側に配置されている。
【0040】
スイッチカバー72における左右の側壁72Bの後端部には、左右方向外側へ一段上がった押え片72Hが形成されている。押え片72Hの下端面は、張出部72Gの下端面と面一に配置されて、側壁72Bの下端面よりも上側に配置されている。押え片72Hは、スイッチホルダ30の後端部内に配置されて、第2配線用溝部30Gの上端部を左右方向内側から閉塞している。これにより、配線46が、押え片72Hによって上側から押えられている。
【0041】
スイッチカバー72の後壁は、左右一対の付勢部としてのカバー付勢部72Jによって構成されている。カバー付勢部72Jは、前後方向を板厚方向とし且つ左右方向に延在された略矩形板状に形成されて、スイッチカバー72の上壁の後端部から下側へ延出している。カバー付勢部72Jは、スイッチカバー72の左右方向中央部に対して左右対称の位置に配置されており、カバー付勢部72Jの左右方向外側端部が押え片72Hとは接続されない位置に配置されている。カバー付勢部72Jは、左右方向から見て、下側へ向かうに従い後側へ若干傾斜しており(図7の2点鎖線にて示されるカバー付勢部72Jを参照)、前後に弾性変形可能に構成されている。すなわち、カバー付勢部72Jは、所謂板バネとして構成されている。そして、スイッチカバー72のスイッチホルダ30への組付状態では、カバー付勢部72Jが、スイッチホルダ30の後壁によって前側へ押圧されて、前側へ弾性変形している(図7の実線にて示されるカバー付勢部72Jを参照)。これにより、カバー付勢部72Jによって、スイッチカバー72が前側へ付勢されて、スイッチカバー72の前壁72Aが、スイッチホルダ30の前側内周面に当接するように構成されている。換言すると、カバー機構70では、一対の端子44Aの前側において、スイッチカバー72とスイッチホルダ30との間に隙間が形成されないように、カバー付勢部72Jがスイッチカバー72を前側へ付勢している。また、スイッチホルダ30の第1配線用溝部30F内を挿通した配線44は、一対のカバー付勢部72Jの間に配置されている。
【0042】
スイッチカバー72の上面の前端部には、整流部72Kが設けられている。整流部72Kは、左右方向から見て略台形ブロック状に形成されて、スイッチカバー72から上側へ突出している。具体的には、整流部72Kの後面が、左右方向から見て、上側へ向かうに従い前側へ傾斜する傾斜面72Lとして構成されており、整流部72Kが、フレーム部28の被固定部28Aの後側に隣接して配置されている。これにより、吸気口22Aから後側へ流れる空気流ARを整流部72Kによって整流して、モータハウジング部26側へ流すように構成されている(図2参照)。
【0043】
(規制プレート74について)
規制プレート74は、テールカバー22のカバー部材22L、22Rにそれぞれ形成されており、テールカバー22の左右方向中央部に対して左右対称に構成されている。このため、以下の説明では、右側のカバー部材22Rに設けられた規制プレート74について説明し、左側のカバー部材22Lに設けられた規制プレート74についての説明は省略する。
【0044】
規制プレート74は、上下方向を板厚方向とし且つ前後方向を長手方向する略長尺板状に形成されている。規制プレート74は、カバー部材22Rの内周部から左右方向内側(左側)へ延出している。規制プレート74の前端部は、スイッチカバー72の整流部72Kの左右方向外側(右側)に近接して配置されている。規制プレート74は、スイッチカバー72の左右方向両側部の上側に隣接配置されて、スイッチカバー72の上側への移動を規制している。すなわち、規制プレート74は、スイッチカバー72に対するストッパ部材として機能して、規制プレート74によって、スイッチカバー72のスイッチホルダ30への組付状態を維持するように構成されている。
【0045】
規制プレート74は、上述のように、スイッチカバー72の左右方向両側部の上側に隣接配置されている。すなわち、規制プレート74が、スイッチホルダ30の開口部30Hとスイッチカバー72の側壁72Bとの合わせ部を、上側から覆っている(図4及び図6参照)。換言すると、規制プレート74は、スイッチカバー72とスイッチホルダ30との篏合部における左右方向両側部を上側から塞ぐ部材としても機能するように構成されている。
【0046】
規制プレート74の後端部には、下側へ突出したリヤカバー部74Aが形成されている。リヤカバー部74Aは、スイッチホルダ30の上端部の後側に隣接配置されている。リヤカバー部74Aの上面には、傾斜面74Bが形成されており、傾斜面74Bは、後側へ向かうに従い下側へ傾斜している。
【0047】
(作用効果)
次に、本実施の形態のグラインダ10の作用及び効果について説明する。
【0048】
上記のように構成されたグラインダ10では、作業者によって、トリガレバー36が上側へ引き操作されると、トリガレバー36のスイッチ用ボス36Aがスイッチ40のプランジャ40Bを上側へ押圧して、スイッチ40がオフ状態からオン状態に切替わる。このため、制御部によって、モータ60が駆動すると共に、スピンドル50及び砥石53が回転する。これにより、回転する砥石53によって被加工材に対する研磨加工を施す。
【0049】
グラインダ10の研磨加工時には、研磨加工による粉塵が発生する。仮に、金属の粉塵が、ハウジング20内に侵入して、一対の端子44Aが粉塵によって短絡すると、モータ60が停止する虞がある。
【0050】
ここで、グラインダ10では、スイッチ40を保持するスイッチホルダ30が、モータハウジング24のフレーム部28に設けられており、テールカバー22がフレーム部28に組付けられて、フレーム部28を覆う。スイッチホルダ30には、スイッチカバー72が組付けられて、スイッチホルダ30及びスイッチカバー72によってスイッチ40が覆われる。具体的には、スイッチホルダ30は、上側へ開放された略矩形箱状に形成されており、スイッチ40がスイッチホルダ30内に収容され、スイッチカバー72がスイッチホルダ30の開口部30Hを閉塞している。また、テールカバー22には、規制プレート74が設けられており、規制プレート74によって、スイッチカバー72の移動が規制されて、スイッチカバー72のスイッチホルダ30への組付状態が維持されている。具体的には、テールカバー22のカバー部材22L、22Rが、フレーム部28を左右方向両側から挟み込んで、フレーム部28に組付けられることで、規制プレート74がスイッチカバー72の上側に隣接配置され、スイッチカバー72の上側への移動が規制プレート74によって規制される。このため、例えば、スイッチカバー72をスイッチホルダ30に締結固定する構成(例えばネジなど)やスイッチ40の端子44Aを接着剤等で被覆してスイッチ40の防塵性を高める構成と比べて、スイッチ40に対する防塵性を簡易な構成で向上することができると共に、部品点数の削減及び組立工数の削減を図ることができる。
【0051】
また、上述のように、規制プレート74が、スイッチカバー72の上側に隣接配置されて、スイッチカバー72の上側への移動を規制し、スイッチカバー72の隔離部72Fの下端面が、スイッチ本体40Aに上側から当接して、スイッチカバー72の下側への移動が規制されている。よって、スイッチカバー72を規制プレート74及びスイッチ40によって上下に挟み込んで、スイッチカバー72のスイッチホルダ30への組付状態を良好に維持することができる。
【0052】
また、テールカバー22は、左右方向に分割された一対のカバー部材22L、22Rによって構成されており、規制プレート74が、一対のカバー部材22L、22Rの内周部にそれぞれ設けられている。これにより、テールカバー22を左右方向両側からフレーム部28に組付けることで、規制プレート74をスイッチカバー72の上側に隣接配置して、規制プレート74によってスイッチカバー72の上側への移動を規制することができる。このため、組付工数の増加を抑制しつつ、スイッチカバー72の移動を制限する規制プレート74を設けることができる。
【0053】
また、左右一対の規制プレート74は、カバー部材22L、22Rの内周部から左右方向内側へ延出され、スイッチホルダ30に嵌め込まれたスイッチカバー72の左右方向両側部を上側から覆っている。これにより、スイッチホルダ30の開口部30Hとスイッチカバー72との篏合部における左右方向両側部が、規制プレート74によって上側から閉塞される。このため、ハウジング20内に侵入した粉塵がスイッチホルダ30の開口部30Hとスイッチカバー72との篏合部からスイッチホルダ30内に侵入することを効果的に抑制できる。これにより、スイッチ40に対する防塵性を効果的に高くすることができる。
【0054】
また、スイッチカバー72には、カバー付勢部72Jが設けられており、カバー付勢部72Jは、スイッチカバー72の上壁の後端部から下側へ延出されている。そして、スイッチカバー72のスイッチホルダ30への嵌合状態では、スイッチホルダ30の後壁によって、カバー付勢部72Jが前側へ押圧されて弾性変形して、カバー付勢部72Jによってスイッチカバー72が前側へ付勢される。これにより、スイッチカバー72をスイッチホルダ30の前側内周面に押し付けて、スイッチカバー72の前壁72Aとスイッチホルダ30の開口部30Hとの間に隙間が形成されることを抑制できる。換言すると、スイッチカバー72の前壁72Aを開口部30Hに密着させることができる。よって、スイッチカバー72のスイッチホルダ30への組付状態を一層良好に維持することができる。
【0055】
しかも、スイッチ本体40Aの前端部には、スイッチ40に電力を供給するための配線44の端子44Aが接続されている。よって、端子44Aに近接される前側の開口部30Hを、スイッチカバー72によって良好に閉塞することができる。したがって、スイッチ40における端子44Aへの接続部の防塵性を高くすることができ、ひいては、グラインダ10の信頼性を高くすることができる。
【0056】
また、スイッチカバー72には、一対の配線44の端子44Aを隔離する隔離部72Fが設けられている。具体的には、隔離部72Fが、スイッチカバー72の前壁72A(位置決め凹部72D)から後側へ延出されて、一対の端子44Aの間に配置されている。これにより、仮に、粉塵がスイッチホルダ30内に侵入した場合でも、当該粉塵が一対の端子44Aを短絡させることを隔離部72Fによって抑制できる。これにより、グラインダ10の信頼性を効果的に高くすることができる。
【0057】
また、スイッチカバー72の上面の前端部には、整流部72Kが設けられている。整流部72Kは、フレーム部28の被固定部28Aの後側に隣接配置され、整流部72Kの後面である傾斜面72Lが、左右方向から見て、上側へ向かうに従い前側へ傾斜している。これにより、スイッチカバー72の上側を前側へ流れる空気流ARを、整流部72Kによって整流して、モータハウジング部26側へ良好に流すことができる。これにより、空気流ARによるモータ60に対する冷却効果を高くすることができる。
【0058】
なお、スイッチカバー72の上側への移動を規制するという観点からすると、テールカバー22に規制プレート74を設けることが好ましいが、本実施の形態において、規制プレート74を省略してもよい。この場合でも、スイッチカバー72に形成されたカバー付勢部72Jによってスイッチカバー72を付勢することで、スイッチカバー72のスイッチホルダ30への組付状態を維持することができる。
【0059】
また、本実施の形態では、規制プレート74が上下方向を板厚方向とし且つ前後方向に延在された略長尺板状に形成されているが、規制プレート74の形状はこれに限らない。例えば、規制プレート74を、左右方向を板厚方向とし且つ前後方向に延在された略長尺板状に形成して、スイッチカバー72の上側に隣接配置させてもよい。また、例えば、規制プレート74の代わりに、規制部としてのボスをカバー部材22L、22Rの内周面に形成して、当該ボスをスイッチカバー72の上側に隣接配置させてもよい。この場合には、ボスの軸方向を、左右方向や上下方向に設定してもよい。また、本実施の形態ではテールカバー22を左右分割式の構造とし、左右それぞれの分割片に規制プレート74を設けるように構成したが、テールカバー22は分割不能な一体構造(単一部材)として構成してもよい。テールカバー22を単一部材とする場合、一方側(前方側)が開口し、他方側(後方側)が閉塞した筒状となるため、開口からフレーム部28を内部に取り込むようにして後方からモータハウジング24に取り付けるように構成すればよい。このような構成でも、テールカバー22の一部(規制プレート74等)によってスイッチカバー72の移動を規制することは可能である。
【0060】
また、本実施の形態では、規制プレート74が、スイッチカバー72の上側に隣接配置されて、スイッチカバー72の上側への移動を規制しているが、規制プレート74の構成はこれに限らない。例えば、規制プレート74を上下方向に弾性変形可能に構成して、規制プレート74をスイッチカバー72に当接させてもよい。これにより、弾性変形する規制プレート74によってスイッチカバー72を下側へ付勢することができる。
【0061】
また、スイッチカバー72にカバー付勢部72Jを設けてスイッチカバー72を前側へ付勢しているが、スイッチカバー72を付勢する構成はこれに限らない。例えば、スイッチカバー72においてカバー付勢部72Jを省略して、スイッチホルダ30にスイッチカバー72を前側へ付勢する付勢部を設けてもよい。また、付勢部はテールカバー22に設けてもよい。
【0062】
また、本実施の形態では、スイッチホルダ30は、上側へ開放された略矩形箱状に形成されており、スイッチ40がスイッチホルダ30内に収容され、スイッチカバー72がスイッチホルダ30の上側(上方に開口した開口部30H)を閉塞するように構成したが、スイッチホルダ30(開口部30H)の開口方向はこれに限られない。前方にモータハウジング部26がある構成上、前方に開口させるのは困難だが、スイッチホルダ30(開口部30H)は左右いずれか、または下方、または後方に開口するように構成してもよい。この場合、スイッチカバー72の取付方向も開口方向に合わせて変更になるほか、規制プレート74の位置(及び延在方向)も適宜変更される。また、スイッチホルダ30は上方向のみに開口し、下側が閉塞された構成としたが、これに限られない。例えば、上下方向に貫通するように構成してもよい。この場合上側と下側でスイッチ40が大きく露出する可能性があるが、この場合、スイッチカバー72を複数用いるようにしてもよい。
【0063】
また、本実施の形態では、スイッチカバー72はスイッチホルダ30と規制プレート74(テールカバー22)との挟みこみによって保持、固定されているが、スイッチホルダ30とラッチ係合する構造(例えばフック部30Dとスイッチ本体40Aの係合関係と同様の構造)を追加し、スイッチカバー72に対する固定力を増加させてもよい。すなわち、テールカバー22でスイッチカバー72を保持する(当接して移動を規制する)ことが本発明の特徴であるところ、スイッチカバー72に対する固定力をテールカバー22のみではなく、他の部品を使用し、すなわち固定力を発生させる部分を分散させてもよい。テールカバー22によってスイッチカバー72に対する固定力が発生するため、例えばラッチ係合の場合はラッチ部分を小さくできるメリットがある。しかしながら、スイッチカバー72用のラッチを設ける場合、ラッチの破損や、ラッチ配置によるスイッチホルダ30の大型化が懸念されるため、本実施の形態のようなラッチが不要なスイッチカバー72の保持構造が好ましい。スイッチカバー72はスイッチホルダ30またはテールカバー22と直接接触して移動を規制されているが、間接的に移動を規制されてもよい。例えば、スイッチカバー72とスイッチホルダ30またはテールカバー22の間に、ゴムなどの軟質樹脂や、スポンジなどの柔らかいものを介在させてもよい。
【符号の説明】
【0064】
10 ディスクグラインダ(作業機)
22 テールカバー(第2ハウジング)
22L カバー部材(ハウジング部材)
22R カバー部材(ハウジング部材)
24 モータハウジング(第1ハウジング)
26 モータハウジング部
28 フレーム部
28A 被固定部
30 スイッチホルダ(スイッチ保持部)
30 H開口部
40 スイッチ
60 モータ
65 ファン
72 スイッチカバー
72F 隔離部
72J カバー付勢部(付勢部)
72K 整流部
74 規制プレート(規制部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8