(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025314
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】センサローラユニット
(51)【国際特許分類】
G01B 21/30 20060101AFI20240216BHJP
B21B 38/02 20060101ALI20240216BHJP
B21C 51/00 20060101ALI20240216BHJP
G01B 21/20 20060101ALN20240216BHJP
【FI】
G01B21/30 101F
B21B38/02
B21C51/00 L
G01B21/20 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022128670
(22)【出願日】2022-08-12
(71)【出願人】
【識別番号】000001199
【氏名又は名称】株式会社神戸製鋼所
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100178582
【弁理士】
【氏名又は名称】行武 孝
(72)【発明者】
【氏名】長野 啓太郎
(72)【発明者】
【氏名】浅野 文樹
(72)【発明者】
【氏名】川口 浩志
【テーマコード(参考)】
2F069
【Fターム(参考)】
2F069AA54
2F069AA63
2F069BB07
2F069CC06
2F069DD27
2F069GG01
2F069GG06
2F069GG52
2F069GG58
2F069GG63
2F069JJ10
2F069JJ13
2F069JJ25
2F069MM01
2F069MM04
2F069NN08
(57)【要約】
【課題】従来よりもセンサローラの外径を小さくすることが可能なセンサローラユニットを提供する。
【解決手段】センサローラユニット1は、センサローラ101と、外側ジャーナル103とを有する。センサローラ101は、回転中心軸CLと、回転中心軸CLよりも径方向の外側において軸方向に延びるように形成され、センサ110およびケーブルKを収容可能なセンサ収容部Pとを有する。外側ジャーナル103は、前記軸方向に沿ってセンサ収容部Pに連通しケーブルKを受け入れる中空部Qを有し、前記軸方向に沿ってセンサローラ101に連結される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転中心軸と、前記回転中心軸よりも径方向の外側において軸方向に延びるように形成され、センサおよびケーブルを収容可能なセンサ収容部とを有するセンサローラと、
前記軸方向に沿って前記センサ収容部に連通し前記ケーブルを受け入れる中空部を有し、前記軸方向に沿って前記センサローラに連結されるジャーナルと、
を備える、センサローラユニット。
【請求項2】
前記軸方向に垂直な断面において、前記回転中心軸から前記ジャーナルの中空部の内面までの最大距離は、前記回転中心軸から前記センサ収容部までの最小距離よりも大きく設定されている、請求項1に記載のセンサローラユニット。
【請求項3】
前記ジャーナルの中空部は、前記軸方向に垂直な断面において、円形状からなる、請求項2に記載のセンサローラユニット。
【請求項4】
前記ジャーナルの中空部は、前記回転中心軸を中心とする円筒形状を含む、請求項3に記載のセンサローラユニット。
【請求項5】
前記センサ収容部は、前記軸方向に延びる中心を有する円筒形状からなる、請求項1乃至4の何れか1項に記載のセンサローラユニット。
【請求項6】
前記センサローラから見て前記軸方向において前記ジャーナルよりも外側に配置され、前記中空部から前記ケーブルを受け入れるとともに、当該ケーブルを集約するケーブル集約部を更に備える、請求項1乃至3の何れか1項に記載のセンサローラユニット。
【請求項7】
前記ジャーナルの前記中空部は、前記センサ収容部に向かって拡がるように傾斜したテーパ部を有する、請求項1乃至3の何れか1項に記載のセンサローラユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサローラユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、圧延機によって圧延された圧延材の形状を測定するセンサローラユニットが知られている。特許文献1には、このようなセンサローラユニットとして、圧延ラインの入側または出側に配置された形状センサロールが開示されている。当該形状センサロールは、中空部を有する芯軸と、軸方向に沿わせた複数のセンサとを有し、前記芯軸の外周に薄肉のスリーブが嵌装されることで、形状センサロールが構成される。センサのケーブルは、径方向内側にある芯軸の中空内部を経由して、形状センサロールの外部に引き出される。このような形状センサロールが回転しながら圧延材から荷重を受けると、前記荷重の検出結果に基づいて圧延材の形状が演算される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された技術では、センサのケーブルは芯軸の中空内部を経由して外部に引き出される構造のため、センサローラの内部に中空状の芯軸が必須となる。
【0005】
本発明は、従来よりもセンサローラの外径を小さくすることが可能なセンサローラユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によって提供されるのは、センサローラユニットである。当該センサローラユニットは、回転中心軸と、前記回転中心軸よりも径方向の外側において軸方向に延びるように形成され、センサおよびケーブルを収容可能なセンサ収容部とを有するセンサローラと、前記軸方向に沿って前記センサ収容部に連通し前記ケーブルを受け入れる中空部を有し、前記軸方向に沿って前記センサローラに連結されるジャーナルと、を備える。
【0007】
本構成によれば、ジャーナルの中空部がセンサ収容部に軸方向に沿って連通しているため、センサローラ内部にケーブルを通すための中空部を設ける必要がなく、センサローラを小径化することが可能になる。
【0008】
上記の構成において、前記軸方向に垂直な断面において、前記回転中心軸から前記ジャーナルの中空部の内面までの最大距離は、前記回転中心軸から前記センサ収容部までの最小距離よりも大きく設定されていることが望ましい。
【0009】
本構成によれば、センサ収容部から中空部にケーブルを容易に引き出すことが可能になる。また、センサが、軸方向に垂直な断面においてセンサローラの周方向に間隔を置いて複数配置されても、中空部が各センサからケーブルを受け入れることができる。
【0010】
上記の構成において、前記ジャーナルの中空部は、前記軸方向に垂直な断面において、円形状からなるものでもよい。
【0011】
本構成によれば、回転軸垂直断面においてセンサローラの周方向におけるセンサ収容部の位置に関わらず、センサ収容部から中空部にケーブルを容易に引き出すことが可能になる。また、センサが、軸方向に垂直な断面においてセンサローラの周方向に間隔を置いて複数配置されても、中空部が各センサからケーブルを受け入れることができる。
【0012】
上記の構成において、前記ジャーナルの中空部は、前記回転中心軸を中心とする円筒形状を含むものでもよい。
【0013】
本構成によれば、回転軸垂直断面においてセンサローラの周方向におけるセンサ収容部の位置に関わらず、センサ収容部から中空部にケーブルを容易に引き出すことが可能になる。
【0014】
上記の構成において、前記センサ収容部は、前記軸方向に延びる中心を有する円筒形状からなるものでもよい。
【0015】
本構成によれば、センサ収容部が断面矩形形状からなる場合などと比較して、センサローラ内にセンサ収容部を容易に形成することが可能になる。
【0016】
上記の構成において、前記センサローラから見て前記軸方向において前記ジャーナルよりも外側に配置され、前記中空部から前記ケーブルを受け入れるとともに、当該ケーブルを集約するケーブル集約部を更に備えるものでもよい。
【0017】
本構成によれば、ケーブル集約部をジャーナルの内部に設ける必要がなく、ジャーナルの小径化が可能になり、ジャーナルが軸支される軸受部を小さくすることができる。
【0018】
上記の構成において、前記ジャーナルの前記中空部は、前記センサ収容部に向かって拡がるように傾斜したテーパ部を有するものでもよい。
【0019】
本構成によれば、センサ収容部から中空部へのケーブルの配置が容易になるとともに、センサローラの更なる小径化が可能になる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、従来よりもセンサローラの外径を小さくすることが可能なセンサローラユニットを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の一実施形態に係るセンサローラユニットが圧延機の出側に配置された様子を示す模式図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るセンサローラユニットの側断面図である。
【
図3】
図2の矢印III-III位置における断面図である。
【
図4】
図2の矢印IV-IV位置における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係るセンサローラユニット1について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るセンサローラユニット1が圧延機50の出側に配置された様子を示す模式図である。
【0023】
図1に示すように、センサローラユニット1は、例えば圧延機50の圧延部51から送出された圧延材Sの平坦度(形状)を測定するために用いられる。センサローラユニット1は、圧延材Sから受ける荷重(張力)を測定し、当該測定された荷重に対応する信号を出力する。不図示の演算装置が前記信号を受け取り、その荷重のバランス(張力分布)を評価することで、圧延材Sの平坦度を演算する。なお、センサローラユニット1は、その他の測定対象物の形状を測定するものでもよい。
【0024】
図2は、本実施形態に係るセンサローラユニット1の側断面図である。なお、以後、説明のために、
図2における紙面右側を軸方向の外側(反駆動側)、紙面左側を軸方向の内側(駆動側)と称する場合がある。また、
図3は、
図2の矢印III-III位置における断面図である。
図4は、
図2の矢印IV-IV位置における断面図である。
【0025】
センサローラユニット1は、回転体10を有する。回転体10は、回転中心軸CL回りに回転可能なように、内側軸受部21および外側軸受部22によって軸支されている。
【0026】
回転体10は、センサローラ101と、内側ジャーナル102と、外側ジャーナル103(ジャーナル)と、ケーブル集約部104Aと、信号処理部105と、駆動入力部106とを有する。
【0027】
センサローラ101は、内部に複数のセンサ110を収容し、圧延材の等の測定対象物に接触する部材である。センサローラ101は、前記回転中心軸CLを有する円柱形状からなる。センサローラ101には、回転中心軸CLよりも径方向の外側において軸方向に延びるように形成された複数のセンサ収容部Pが形成されている。複数のセンサ収容部Pは、周方向に沿って間隔をおいて配置されており、本実施形態では、例えば120度間隔で3つのセンサ収容部Pが等間隔で配置されている。各センサ収容部Pは、軸方向に延びる中心を有する円筒形状からなり、センサ110および当該センサ110から引き出されたケーブルKを収容することが可能である。センサ110として、荷重センサなどを用いることができる。
【0028】
本実施形態では、一例として、1つのセンサ収容部Pに2つのセンサ110が軸方向に間隔をおいて配置されるように、1つのセンサ収容部Pの内周面にそれぞれ固定されている。なお、各センサ収容部Pは、センサローラ101の軸方向の両端部にそれぞれ露出している。換言すれば、各センサ収容部Pは、センサローラ101を軸方向に貫通するように形成されている。なお、センサ収容部Pはセンサローラ101の軸方向の片側のみに露出するものでもよい。
【0029】
図3を参照して、センサローラ101内に形成された複数のセンサ収容部Pは、センサローラ101の直径Rよりも小さな直径rを有している。また、センサ収容部Pの内周面とセンサローラ101の外周面との間には、厚さtの薄肉部が形成されている。
【0030】
内側ジャーナル102は、回転体10のうち内側軸受部21に軸支される部分である。内側ジャーナル102は、センサローラ101の軸方向の内側に配置され、複数のボルトによって軸方向に沿ってセンサローラ101に連結されている。また、内側ジャーナル102は、センサローラ101の各センサ収容部Pの内側端部を封止している。内側ジャーナル102は、センサローラ101と一体で回転する。本実施形態では、内側ジャーナル102の中間部分は内側軸受部21に軸支されている。また、内側ジャーナル102の大径部分はセンサローラ101に固定されている。内側ジャーナル102の形状は、これらに限定されるものではない。
【0031】
外側ジャーナル103は、回転体10のうち外側軸受部22に軸支される部分である。外側ジャーナル103は、センサローラ101の軸方向の外側(内側ジャーナル102の反対側)に配置され、複数のボルトによって軸方向に沿ってセンサローラ101に連結されている。また、外側ジャーナル103は、センサローラ101と一体で回転する。本実施形態では、外側ジャーナル103の小径部分が外側軸受部22に軸支されている。また、外側ジャーナル103の大径部分はセンサローラ101に固定されている。なお、外側ジャーナル103の小径部分は外側軸受部22よりも軸方向の外側に突出し、ケーブル集約部104Aに連結されている。外側ジャーナル103の形状は、これらに限定されるものではない。
【0032】
更に、外側ジャーナル103には、中空部Qが形成されている。中空部Qは、センサローラ101内の複数のセンサ収容部Pに軸方向に沿ってそれぞれ連通し、各センサ110のケーブルKを受け入れる。なお、本実施形態では、
図2に示すように、センサ110から引き出されたケーブルKは、軸方向の外側(反駆動側)に向かって延びている。
【0033】
上記の中空部Qは、回転中心軸CLを中心とする円筒形状からなる。また、中空部Qは、センサ収容部Pに向かって拡がるように傾斜したテーパ103A(テーパ部)を有する。
図2に示すように、中空部Qのうち軸方向の内側部分にテーパ103Aが形成され、軸方向の外側部分(外側軸受部22に軸支される部分)は内径が一定となる部分を備える。
【0034】
更に、
図4を参照して、外側ジャーナル103の中空部Qは、センサローラ101の3つのセンサ収容部Pの径方向内側部分にそれぞれ連通している。
図4の配置について換言すると、軸方向垂直断面で見た場合、回転中心軸CLから中空部Qの内面までの半径(最大距離)は、回転中心軸CLからセンサ収容部Pまでの最小距離よりも大きく設定されている。
【0035】
ケーブル集約部104Aは、中空部QからケーブルKを受け入れるとともに、当該ケーブルKを集約する。ケーブル集約部104Aは、センサローラ101から見て軸方向において外側ジャーナル103よりも外側に配置されており、ケーブル集約部外筒104を介して複数のボルトなどによって外側ジャーナル103に連結されている。ケーブル集約部外筒104は、円筒形状からなり、内部にケーブル接続部(図示しない)を有している。ケーブル接続部は、外側ジャーナル103の中空部Qに軸方向に沿って連通している。また、ケーブル集約部104Aは、複数のセンサ110のケーブルKを集約する機能を有している。なお、
図2では、ケーブル集約部104A内に配設されるケーブルKの図示を省略している。
【0036】
信号処理部105の内側には、信号処理部105の回転部24が配置され、回転部24は、複数のセンサ110の検出結果(信号)を回転体10の外側で受信する。信号処理部105は、ケーブル集約部104Aに連結され、複数のケーブルKをそれぞれ受け入れている。信号処理部105は、各センサ110のケーブルKにそれぞれ繋がる不図示の送信部を有する。
【0037】
信号処理部105の外側には、信号処理部105の固定部25が配置され、固定部25は、信号処理部105の前記回転部24から送出される信号を接触方式又は非接触方式で受け入れ、前述の演算装置に入力する。この結果、前記演算装置は、各センサ110が受けた荷重の大きさに対応する情報を取得する。なお、固定部25は、内側軸受部21および外側軸受部22と同様に回転することなく圧延機50の設置場所に固定されており、回転体10の外側端部に接続されている。センサローラユニット1、内側軸受部21、外側軸受部22および固定部25によって構成される装置を、センサローラ装置と称する。
【0038】
駆動入力部106は、不図示のモータから駆動力を受け入れる。当該駆動力を受けて、回転体10が回転中心軸CL回りに回転する。
【0039】
上記のセンサローラ101、内側ジャーナル102、外側ジャーナル103、ケーブル集約部104Aおよび信号処理部105は、回転中心軸CL回りに一体で回転する。
【0040】
以上のように、本実施形態では、外側ジャーナル103の中空部Qがセンサ収容部Pに軸方向に沿って連通しているため、センサローラ101内において、センサ収容部Pより更に径方向の内側に、軸方向に延びる中空部を形成する必要がない。この結果、例えば外径200mm以下のように、センサローラ101を小径化することが可能になる。更に、
図3に示すように、センサローラ101のうちセンサ収容部Pよりも半径方向内側の領域を中実部として利用し、センサローラ101の剛性を高めることができる。同
図3のように、センサ収容部Pの外側の薄肉部の厚さtを小さくすれば、センサ110(
図2)が圧延材などの測定対象物から受ける荷重(張力)を高い精度で検出することができる。特に、前記荷重が小さい場合でも、センサ110が相対的に圧延材に近い位置に配置されるため、前記荷重の変動を精度良く検出可能となる。
【0041】
また、本実施形態に係るセンサローラユニット1では、センサローラ101の軸方向の長さを短くすることが可能であるため、例えば幅300mm以下のように板幅が小さい圧延材に対しても、その形状(平面度)を精度良く検出することができる。なお、センサローラ101の小径化および短小化によって、センサローラユニット1のコストを低減することも可能になる。
【0042】
また、前述のように、軸方向に沿って見た場合、回転中心軸CLから中空部Qの内面までの半径(最大距離)は、回転中心軸CLからセンサ収容部Pまでの最小距離よりも大きく設定されている(
図4)。このため、センサ収容部Pから中空部QにケーブルKを容易に引き出すことが可能になる(ケーブル呼び込み効果)。また、センサ110が、軸方向に垂直な断面においてセンサローラ101の周方向に間隔を置いて複数配置されても、中空部Qが各センサ110からケーブルKを受け入れることができる。
【0043】
特に、本実施形態では、中空部Qは、前記軸方向に垂直な断面において、円形状からなる。このような構成によれば、
図4に示すように、周方向の全域において中空部QがケーブルKを受け入れることができるように開口しているため、回転軸垂直断面においてセンサローラ101の周方向におけるセンサ収容部Pの位置に関わらず、センサ収容部Pから中空部Qにケーブルを容易に引き出すことが可能になる。
【0044】
また、本実施形態では、外側ジャーナル103の中空部Qは、回転中心軸CLを中心とする円筒形状を含むものである。このような構成においても、回転軸垂直断面においてセンサローラ101の周方向におけるセンサ収容部Pの位置に関わらず、センサ収容部Pから中空部QにケーブルKを容易に引き出すことが可能になる。
【0045】
また、本実施形態では、各センサ収容部Pが、軸方向に延びる中心を有する円筒形状からなるため、センサ収容部Pが断面矩形形状からなる場合などと比較して、センサローラ101内にセンサ収容部Pを容易に形成することが可能になる。
【0046】
また、本実施形態では、複数のセンサ収容部Pが、周方向に間隔をおいて配置され、中空部Qは複数のセンサ収容部Pに軸方向に沿って連通している(
図3)。この結果、複数のセンサ収容部Pにセンサ110を配置することによって、センサ110の検知精度を高めることができる。また、中空部Qが複数のセンサのケーブルKを安定して受け入れることができる。
【0047】
また、外側ジャーナル103の中空部Qは、センサ収容部Pに向かって拡がるように傾斜したテーパ103Aを有している。このような構成によれば、センサ収容部Pから中空部QへのケーブルKの配置が容易になるとともに、センサローラ101の更なる小径化が可能になる。
【0048】
更に、本実施形態では、ケーブル集約部104Aが、センサローラ101から見て軸方向において外側ジャーナル103よりも外側に配置され、中空部QからケーブルKを受け入れるとともに当該ケーブルKを集約する機能を有している。このような構成によれば、外側ジャーナル103の内部にケーブル集約部104Aを設ける必要がなく、外側ジャーナル103の小径化が可能になり、外側ジャーナル103が軸支される軸受部を小さくすることができる。
【0049】
以上、本発明の一実施形態に係るセンサローラユニット1について説明した。なお、本発明はこれらの形態に限定されるものではない。本発明に係るセンサローラユニットとして、以下のような変形実施形態が可能である。
【0050】
(1)上記の実施形態では、センサローラユニット1の回転体10がケーブル集約部104Aを有する態様にて説明したが、回転体10はケーブル集約部104Aを有さずに、外側ジャーナル103から信号処理部105に各ケーブルKが直接受け渡されても良い。
【0051】
(2)また、センサローラ101に形成されるセンサ収容部Pの断面形状は円形に限定されるものではなく、矩形形状など他の形状でもよい。同様に、外側ジャーナル103に形成される中空部Qの断面形状も円形に限定されるものではない。また、外側ジャーナル103はテーパ103Aを有さないものでもよい。
【符号の説明】
【0052】
1 センサローラユニット
10 回転体
101 センサローラ
102 内側ジャーナル
103 外側ジャーナル
103A テーパ
104 ケーブル集約部の外筒
104A ケーブル集約部
105 信号処理部
106 駆動入力部
110 センサ
21 内側軸受部
22 外側軸受部
24 信号処理部の回転部
25 信号処理部の固定部
50 圧延機
51 圧延部
CL 回転中心軸
K ケーブル
P センサ収容部
Q 中空部
S 圧延材