(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025378
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】クーポン提供システム、クーポン提供方法およびクーポン提供プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0207 20230101AFI20240216BHJP
【FI】
G06Q30/02 320
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022128759
(22)【出願日】2022-08-12
(71)【出願人】
【識別番号】522321162
【氏名又は名称】ISHIN株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲桑▼原 教行
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB07
(57)【要約】
【課題】提供主体が主導してクーポンを活用できる仕組みを提供する。
【解決手段】クーポン提供システムは、提供主体からの指示に従って、クーポンを設定する第1設定手段と、提供主体からの指示に従って、ユーザ端末にクーポンを通知するための通知条件を設定する第2設定手段とを含む。通知条件は、予め定められた位置を基準として設定される通知エリアを含む。クーポン提供システムは、ユーザ端末の位置と通知エリアとに基づいて、通知条件が満たされているか否かを判断する判断手段と、通知条件が満たされていれば、クーポンを前記ユーザ端末に通知する通知手段とを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
提供主体からの指示に従って、クーポンを設定する第1設定手段と、
前記提供主体からの指示に従って、ユーザ端末に前記クーポンを通知するための通知条件を設定する第2設定手段とを備え、前記通知条件は、予め定められた位置を基準として設定される通知エリアを含み、
前記ユーザ端末の位置と前記通知エリアとに基づいて、前記通知条件が満たされているか否かを判断する判断手段と、
前記通知条件が満たされていれば、前記クーポンを前記ユーザ端末に通知する通知手段とを備える、クーポン提供システム。
【請求項2】
前記判断手段は、前記ユーザ端末が前記通知エリアに入ったときに、前記通知条件が満たされたと判断する、請求項1に記載のクーポン提供システム。
【請求項3】
前記判断手段は、前記ユーザ端末が前記通知エリアに滞在している時間が予め定められた値に到達すると、前記通知条件が満たされたと判断する、請求項1に記載のクーポン提供システム。
【請求項4】
前記予め定められた位置は、前記クーポンを利用できる店舗の位置である、請求項1に記載のクーポン提供システム。
【請求項5】
前記通知条件は、環境属性、顧客属性、移動属性、集団属性、および、エリア属性のうち少なくとも1つに基づく追加条件を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のクーポン提供システム。
【請求項6】
前記通知手段は、前記通知エリアに存在している複数のユーザ端末のうち、環境属性、顧客属性、移動属性、集団属性、および、エリア属性のうち少なくとも1つに基づく追加条件が満たされているユーザ端末を、前記クーポンの通知対象として決定する、請求項1~4のいずれか1項に記載のクーポン提供システム。
【請求項7】
前記クーポンには、利用可能な期間が設定され、
前記利用可能な期間は、前記クーポンが通知されたタイミングに応じて決定される、請求項1~4のいずれか1項に記載のクーポン提供システム。
【請求項8】
前記クーポンには、利用可能になる日時が設定される、請求項1~4のいずれか1項に記載のクーポン提供システム。
【請求項9】
1または複数のコンピュータが実行するクーポン提供方法であって、
提供主体からの指示に従って、クーポンを設定するステップと、
前記提供主体からの指示に従って、ユーザ端末に前記クーポンを通知するための通知条件を設定するステップとを備え、前記通知条件は、予め定められた位置を基準として設定される通知エリアを含み、
前記ユーザ端末の位置と前記通知エリアとに基づいて、前記通知条件が満たされているか否かを判断するステップと、
前記通知条件が満たされていれば、前記クーポンを前記ユーザ端末に通知するステップとを備える、クーポン提供方法。
【請求項10】
クーポン提供プログラムであって、前記クーポン提供プログラムはコンピュータに、
提供主体からの指示に従って、クーポンを設定するステップと、
前記提供主体からの指示に従って、ユーザ端末に前記クーポンを通知するための通知条件を設定するステップとを実行させ、前記通知条件は、予め定められた位置を基準として設定される通知エリアを含み、さらに
前記ユーザ端末の位置と前記通知エリアとに基づいて、前記通知条件が満たされているか否かを判断するステップと、
前記通知条件が満たされていれば、前記クーポンを前記ユーザ端末に通知するステップとを実行させる、クーポン提供プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クーポン提供システム、クーポン提供方法およびクーポン提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
消費者に様々な商品やサービスを提供する企業は、マーケティングのツールとしてクーポンを発行することが一般化しつつある。その結果、消費者が利用できるクーポンは膨大な数になっており、目的のクーポンを探すことも難しくなる。
【0003】
例えば、特開2009-217553号公報(特許文献1)は、GPS衛星から送信されるGPS信号を受信して現在位置を算出し、電子クーポン情報等に基づき、現在位置に応じて利用可能な利用可能電子クーポンを検索して特定する構成が開示されている。
【0004】
また、特表2014-501986号公報(特許文献2)は、ソーシャル・ネットワーキング・システムにおいて、提携業者の商品またはサービスに対する取引またはクーポンを含む通知をユーザに提供する構成を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009-217553号公報
【特許文献2】特表2014-501986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の特許文献1に開示される構成においては、消費者がクーポンを利用する際の利便性を向上できるものの、提供主体がクーポンを有効に活用する観点については何ら考慮されていない。また、特許文献2に開示される構成においても、ユーザがソーシャル・ネットワーキング・システムを利用することを前提としており、クーポンの利用については、ユーザの嗜好などに依存する。
【0007】
本発明は、提供主体が主導してクーポンを活用できる仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある局面に従うクーポン提供システムは、提供主体からの指示に従って、クーポンを設定する第1設定手段と、提供主体からの指示に従って、ユーザ端末にクーポンを通知するための通知条件を設定する第2設定手段とを含む。通知条件は、予め定められた位置を基準として設定される通知エリアを含む。クーポン提供システムは、ユーザ端末の位置と通知エリアとに基づいて、通知条件が満たされているか否かを判断する判断手段と、通知条件が満たされていれば、クーポンをユーザ端末に通知する通知手段とを含む。
【0009】
判断手段は、ユーザ端末が通知エリアに入ったときに、通知条件が満たされたと判断してもよい。
【0010】
判断手段は、ユーザ端末が通知エリアに滞在している時間が予め定められた値に到達すると、通知条件が満たされたと判断してもよい。
【0011】
予め定められた位置は、クーポンを利用できる店舗の位置であってもよい。
通知条件は、環境属性、顧客属性、移動属性、集団属性、および、エリア属性のうち少なくとも1つに基づく追加条件を含んでいてもよい。
【0012】
通知手段は、通知エリアに存在している複数のユーザ端末のうち、環境属性、顧客属性、移動属性、集団属性、および、エリア属性のうち少なくとも1つに基づく追加条件が満たされているユーザ端末を、クーポンの通知対象として決定するようにしてもよい。
【0013】
クーポンには、利用可能な期間が設定されてもよい。利用可能な期間は、クーポンが通知されたタイミングに応じて決定されてもよい。
【0014】
クーポンには、利用可能になる日時が設定されてもよい。
本発明の別の局面に従えば、1または複数のコンピュータが実行するクーポン提供方法が提供される。クーポン提供方法は、提供主体からの指示に従って、クーポンを設定するステップと、提供主体からの指示に従って、ユーザ端末にクーポンを通知するための通知条件を設定するステップとを含む。通知条件は、予め定められた位置を基準として設定される通知エリアを含む。クーポン提供方法は、ユーザ端末の位置と通知エリアとに基づいて、通知条件が満たされているか否かを判断するステップと、通知条件が満たされていれば、クーポンをユーザ端末に通知するステップとを含む。
【0015】
本発明のさらに別の局面に従うクーポン提供プログラムは、コンピュータに、提供主体からの指示に従って、クーポンを設定するステップと、提供主体からの指示に従って、ユーザ端末にクーポンを通知するための通知条件を設定するステップとを実行させる。通知条件は、予め定められた位置を基準として設定される通知エリアを含む。クーポン提供プログラムは、コンピュータに、ユーザ端末の位置と通知エリアとに基づいて、通知条件が満たされているか否かを判断するステップと、通知条件が満たされていれば、クーポンを前記ユーザ端末に通知するステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、提供主体が主導してクーポンを活用できる仕組みを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本実施の形態に従うクーポン提供システムの概要を説明するための図である。
【
図2】本実施の形態に従うクーポン提供システムの管理サーバのハードウェア構成例を示す模式図である。
【
図3】本実施の形態に従うクーポン提供システムのユーザ端末のハードウェア構成例を示す模式図である。
【
図4】本実施の形態に従うクーポン提供システムにおける処理手順の一例を示すシーケンス図である。
【
図5】本実施の形態に従うクーポン提供システムの管理サーバが保持する提供主体データベースのデータ構造の一例を示す模式図である。
【
図6】本実施の形態に従うクーポン提供システムの管理サーバが保持するユーザデータベースのデータ構造の一例を示す模式図である。
【
図7】本実施の形態に従うクーポン提供システムの管理サーバが保持するクーポンデータベースのデータ構造の一例を示す模式図である。
【
図8】本実施の形態に従うクーポン提供システムの管理サーバが保持するクーポンデータベースのデータ構造の別の一例を示す模式図である。
【
図9】本実施の形態に従うクーポン提供システムの設定装置で提供されるユーザインターフェイス画面の一例を示す模式図である。
【
図10】本実施の形態に従うクーポン提供システムの設定装置で提供されるユーザインターフェイス画面の別の一例を示す模式図である。
【
図11】本実施の形態に従うクーポン提供システムの管理サーバが保持する利用履歴データベースのデータ構造の一例を示す模式図である。
【
図12】本実施の形態に従うクーポン提供システムのユーザ端末で提供されるユーザインターフェイス画面の一例を示す模式図である。
【
図13】本実施の形態に従うクーポン提供システムのユーザ端末で提供されるユーザインターフェイス画面の別の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示に係る実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0019】
<A.クーポン提供システム>
まず、本実施の形態に従うクーポン提供システム1について説明する。
【0020】
本明細書において、「クーポン」との用語は、有償および無償によらず、商品(有形、無形は問わない)および/またはサービスを提供する主体(個人および法人のいずれも含む)が発信する情報全般を包含する。クーポンは、例えば、割引などの特典、特別な商品やサービスの提供を受けられる特典、それ以外の各種特典、任意の広告、などを含む。
【0021】
本明細書において、「提供主体」との用語は、クーポンを発行する任意の主体(個人および法人のいずれも含む)を包含する。提供主体は、例えば、商品やサービスを提供する企業を含む。提供主体は、個人店舗、フランチャイザー、フランチャイジーなどであってもよい。
【0022】
本明細書において、「ユーザ」との用語は、クーポンを受領することを明示的または黙示的に希望する主体(個人および法人のいずれも含む)を包含する。例えば、ユーザは、クーポン提供システム1からのクーポンの提供に同意した個人および法人を含む。
【0023】
図1は、本実施の形態に従うクーポン提供システム1の概要を説明するための図である。
図1を参照して、クーポン提供システム1は、管理サーバ100を中心として、1または複数のユーザ端末200と、1または複数の設定装置300と、1または複数のPOS(Point of Sales)端末400とを含む。
【0024】
管理サーバ100は、例えば、クーポン提供システム1の運営者(いずれかの提供主体と同一であってもよいし、提供主体とは異なる主体であってもよい)によって管理される。
【0025】
ユーザ端末200は、ユーザによって保持または装着される任意の情報処理装置である。ユーザ端末200は、提供されるクーポンを受領するとともに、後述するような各種通知をユーザに提示する。
【0026】
本明細書において、「通知」との用語は、クーポンの内容(クーポンに含まれる情報)を直接的または間接的にユーザに知らせるための任意の処理を包含する。
【0027】
管理サーバ100は、通知条件160を有している。通知条件160は、発行されるクーポンに対応付けられる。各提供主体は、設定装置300-1~300-3(以下、「設定装置300」と総称することもある。)を操作して、通知条件160を任意に設定できる。
【0028】
いずれかのユーザが保持しているユーザ端末200がいずれかの通知条件160を満たすと、当該満たされた通知条件160に対応するクーポンがユーザ端末200に通知される。
【0029】
通知条件160には様々な条件を含めることができるが、通知条件160は、位置に基づく条件を含む。より具体的には、通知条件160は、予め定められた位置を基準として設定される通知エリアを含む。
【0030】
例えば、通知条件160の少なくとも一部として、店舗10-1~10-3(以下、「店舗10」と総称することもある。)を中心として、所定の距離以内にある通知エリア20-1~20-3(以下、「通知エリア20」と総称することもある。)を設定できる。このように、通知エリア20を設定するための予め定められた位置としては、クーポンを利用できる店舗10の位置を採用してもよい。
【0031】
また、店舗10-1~10-3には、POS端末400-1~400-3(以下、「POS端末400」と総称することもある。)がそれぞれ配置されている。
【0032】
図1に示す例では、ユーザ端末200を保持しているユーザが通知エリア20-1に入ったので、ユーザ端末200に対して、通知エリア20-1を含む通知条件160に対応付けられたクーポンが通知される。
【0033】
このように、ユーザによって保持または装着されるユーザ端末200は、通知条件160の位置の条件が満たされるか否かを判断するために、現在位置を取得する機能を有している。
【0034】
クーポンが通知されたユーザは、店舗10で当該クーポンを利用すると、利用履歴が管理サーバ100へ送信されてもよい。
【0035】
本実施の形態に従うクーポン提供システム1によれば、提供主体から見れば、通知条件160を任意に設定できるので、ターゲットとするユーザに対してより的確にクーポンを発行できる。ユーザから見れば、現在位置に応じて、利用する可能性の高いクーポンを受領できるため、都度検索などを行う必要がない。
【0036】
<B.ハードウェア構成>
次に、本実施の形態に従うクーポン提供システム1のハードウェア構成の一例について説明する。
【0037】
(b1:管理サーバ100)
図2は、本実施の形態に従うクーポン提供システム1の管理サーバ100のハードウェア構成例を示す模式図である。典型的には、管理サーバ100は、1または複数のコンピュータを用いて実現される。
【0038】
図2を参照して、管理サーバ100は、主たるコンポーネントとして、1または複数のプロセッサ101と、メインメモリ102と、通信インターフェイス103と、入力部104と、ディスプレイ105と、ストレージ110とを含む。
【0039】
プロセッサ101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)などで構成される。複数のプロセッサ101が配置されてもよいし、複数のコアを有するプロセッサ101を採用してもよい。
【0040】
メインメモリ102は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)などの揮発性記憶装置で構成される。ストレージ110は、ハードディスクやSSD(Solid State Drive)などの不揮発性記憶装置で構成され、プロセッサ101で実行される各種プログラムや各種データを保持する。ストレージ110に格納されたプログラムのうち、指定されたプログラムコードがメインメモリ102上に展開され、プロセッサ101は、メインメモリ102上に展開されたプログラムコードに含まれるコンピュータ可読命令を順次実行することで、後述するような各種機能を実現する。
【0041】
ストレージ110には、システムプログラム112と、提供プログラム114と、提供主体データベース120と、ユーザデータベース130と、クーポンデータベース140と、利用履歴データベース150とが格納される。
【0042】
システムプログラム112は、管理サーバ100で任意のプログラムを実行するための環境を提供するOS(Operating System)を含む。提供プログラム114は、本実施の形態に係るクーポン提供プログラムに相当し、管理サーバ100が提供する機能を実現するための1または複数のアプリケーションプログラムからなる。すなわち、コンピュータである管理サーバ100は、少なくとも提供プログラム114を実行することで、管理サーバ100に必要な機能および処理を実現する。
【0043】
なお、提供プログラム114が提供する処理の一部は、システムプログラム112が提供する機能あるいはライブラリを利用することで実現されてもよい。
【0044】
提供主体データベース120は、クーポン提供システム1を利用する提供主体の情報を格納する。提供主体データベース120に格納される提供主体の情報は、例えば、提供主体のアカウント名、企業名、電子的な連絡先(例えば、メールアドレスやソーシャルメディアのアカウントなど)、住所、電話番号、責任者名、店舗の座標などを含む。
【0045】
ユーザデータベース130は、クーポン提供システム1を利用するユーザの情報を格納する。ユーザデータベース130に格納されるユーザの情報は、例えば、ユーザのアカウント名、名前、電子的な連絡先(例えば、メールアドレスやソーシャルメディアのアカウントなど)、電話番号、性別、年齢、職業、プリファレンスなどを含む。
【0046】
クーポンデータベース140は、提供主体が発行するクーポンの情報を格納する。クーポンデータベース140に格納されるクーポンの情報は、例えば、提供主体(発行者)の識別情報、クーポンの内容、任意のメッセージ、有効期限などを含む。クーポンデータベース140は、提供主体毎に用意されてもよいし、提供主体毎にアクセスできる領域が区切られていてもよい。
【0047】
クーポンデータベース140は、各クーポンに対応付けられた通知条件160を格納する。通知条件160の各々は、各提供主体が任意に設定できる。
【0048】
利用履歴データベース150は、ユーザによるクーポンの利用履歴を格納する。クーポンの利用履歴は、店舗10などに配置されたPOS端末400などから管理サーバ100へ送信されてもよい。
【0049】
ストレージ110に格納される各データベースの詳細については、後述する。
通信インターフェイス103は、ユーザが保持するユーザ端末200および提供主体が通知条件160を設定するための情報処理装置などとデータ通信を行う。通信インターフェイス103は、例えば、インターネットを介した通信ができるようになっていてもよい。
【0050】
入力部104は、任意の入力指示を受け付ける。ディスプレイ105は、プロセッサ101での処理結果などを表示する。
【0051】
管理サーバ100の全部または一部は、コンピュータ可読命令に相当する回路が組み込まれたASIC(Application Specific Integrated Circuit)などのハードワイヤード回路を用いて実現してもよい。さらにあるいは、FPGA(Field-Programmable Gate Array)上にコンピュータ可読命令に相当する回路を用いて実現してもよい。また、プロセッサ101およびメインメモリ、ASIC、FPGAなどを適宜組み合わせて実現してもよい。
【0052】
管理サーバ100は、コンピュータ可読命令からなる提供プログラム114を格納する非一過性(non-transitory)のメディアから、当該格納しているプログラムなどを読み出すためのコンポーネントをさらに有していてもよい。メディアは、例えば、DVD(Digital Versatile Disc)などの光学メディア、USBメモリなどの半導体メディアなどであってもよい。さらに、提供プログラム114は、メディアを介して管理サーバ100にインストールされるだけではなく、ネットワーク上の配信サーバから提供されるようにしてもよい。
【0053】
(b2:ユーザ端末200)
ユーザが使用するユーザ端末200は、ユーザインターフェイスを提供するものであれば、どのようなハードウェアであってもよい。例えば、ユーザ端末200は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット、携帯電話、ウエアラブル端末などの任意の情報処理装置である。後述するように、ユーザ端末200は、VR(Virtual Reality)ゴーグルであってもよい。
【0054】
図3は、本実施の形態に従うクーポン提供システム1のユーザ端末200のハードウェア構成例を示す模式図である。
図3には、一例として、スマートフォンでユーザ端末200が構成される例を示す。
【0055】
図3を参照して、ユーザ端末200は、主たるコンポーネントとして、1または複数のプロセッサ201と、メインメモリ202と、ディスプレイ203と、入力部204と、出力部205と、広域通信モジュール206と、無線通信モジュール207と、近距離通信モジュール208と、位置取得モジュール209と、ストレージ210とを含む。
【0056】
プロセッサ201は、例えば、CPUやGPUなどで構成される。複数のプロセッサ201が配置されてもよいし、複数のコアを有するプロセッサ201を採用してもよい。
【0057】
メインメモリ202は、DRAMやSRAMなどの揮発性記憶装置で構成される。
ディスプレイ203は、プロセッサ201での処理結果などを表示する。
【0058】
入力部204は、ユーザ操作を受け付けて、操作内容をプロセッサ201に出力する。入力部204は、例えば、ボタン、タッチパネル、キーボード、マウス、ペンタブレット、音声認識エンジンなどで構成される。
【0059】
出力部205は、プロセッサ201の処理結果による情報をユーザに与える。出力部205は、ユーザの視覚、聴覚、嗅覚、触覚などへの刺激を発生する任意の装置で構成される。出力部205は、ユーザの視覚を用いて情報を与えるためのインジケータなどで構成されてもよい。このとき、ディスプレイ203は、出力部205としても機能し得る。出力部205は、ユーザの聴覚を用いて情報を与えるためのスピーカなどで構成されてもよい。出力部205は、ユーザの嗅覚を用いて情報を与えるための香り発生機構などで構成されてもよい。出力部205は、ユーザの触覚を用いて情報を与えるためのバイブレータや肌触りが変わるデバイスなどで構成されてもよい。
【0060】
広域通信モジュール206は、LTE(Long Term Evolution)、5G、6Gといった移動通信ネットワークを利用するための通信インターフェイスである。無線通信モジュール207は、無線LANといった無線通信を利用するための通信インターフェイスである。近距離通信モジュール208は、Bluetooth(登録商標)などの近距離通信を利用するための通信インターフェイスである。
【0061】
位置取得モジュール209は、ユーザ端末200の現在位置を取得する。位置取得モジュール209は、例えば、GPS(Global Positioning System)やQZSS(Quasi-Zenith Satellite System)を利用するものであってもよい。あるいは、位置取得モジュール209は、携帯電話ネットワークや無線LAN(local Area Network)の基地局からの電波に基づいて現在位置を取得するものであってもよいし、ビーコンからの信号に基づいて現在情報を取得するものであってもよい。さらに、複数の方式を任意に組み合わせてもよい。
【0062】
なお、現在情報は、2次元座標(例えば、緯度経度)であってもよいし、3次元座標(例えば、緯度経度に加えて、高さ情報)であってもよい。高さ情報は、例えば、気圧高度計などを用いて取得してもよいし、ビーコンからの信号に基づいて取得してもよい。さらに、例えば、建物内のフロア毎に、高さ情報を通知するデバイスを配置することで、ユーザ端末200に対して高さ情報を提供するようにしてもよい。そのため、位置取得モジュール209は、高さ情報を取得できる任意のデバイスを包含する。
【0063】
ストレージ210は、ハードディスクやSSDなどの不揮発性記憶装置で構成される。ストレージ210には、例えば、システムプログラム212と、利用プログラム214と、クーポンデータ216とが格納される。
【0064】
システムプログラム212は、ユーザ端末200で任意のプログラムを実行するための環境を提供するOSを含む。
【0065】
利用プログラム214は、クーポン提供システム1を利用するためのプログラムであり、後述するような各種処理を実行する。利用プログラム214が提供する処理の一部は、システムプログラム212が提供する機能あるいはライブラリを利用することで実現されてもよい。
【0066】
図3には、ユーザ端末200で実行される利用プログラム214がクーポン提供システム1に係る処理(例えば、通知など)を実現する構成例を示すが、このような専用のアプリケーションプログラムではなく、汎用のブラウザアプリケーションを利用して、クーポン提供システム1に係る処理を実現してもよい。あるいは、ソーシャルメディアを利用するためのアプリケーションプログラムを利用して、クーポン提供システム1に係る処理を実現してもよい。
【0067】
このように、管理サーバ100とユーザとの間で情報をやり取りできれば、どのようなハードウェアおよびソフトウェアを用いて実現してもよい。
【0068】
(b3:設定装置300)
提供主体が操作する設定装置300は、公知の汎用コンピュータを用いて実現される。汎用コンピュータの構成は公知であり、また、
図3に示すユーザ端末200と同様でもあるので、詳細な説明は行わない。
【0069】
設定装置300を実現するために、専用のアプリケーションプログラムが用意されてもよいし、汎用のブラウザアプリケーションが利用されるようにしてもよい。
【0070】
(b4:POS端末400)
店舗10に配置されるPOS端末400は、公知の汎用コンピュータまたは専用コンピュータを用いて実現される。POS端末400の構成は公知であるので、詳細な説明は行わない。
【0071】
(b5:その他の実装形態)
図1には、管理サーバ100を中心とした構成例を示すが、管理サーバ100が提供する機能を複数のサーバに分散配置してもよいし、管理サーバ100が並列的に複数配置されてもよい。すなわち、クーポン提供システム1に必要な処理および機能を実現できる構成であれば、どのような実装形態を採用してもよい。
【0072】
<C.処理手順>
次に、本実施の形態に従うクーポン提供システム1における処理手順について説明する。
【0073】
図4は、本実施の形態に従うクーポン提供システム1における処理手順の一例を示すシーケンス図である。
図4を参照して、クーポン提供システム1における処理手順は、管理サーバ100、ユーザ端末200および設定装置300が関与する。
【0074】
提供主体は、設定装置300を操作して、自身の情報を管理サーバ100に登録する(シーケンスSQ2)。すなわち、提供主体のアカウント作成の処理が実行される。このとき、1または複数の店舗10を登録することができるようにしてもよい。管理サーバ100では、提供主体がクーポン提供システム1を利用するための契約に関する情報(契約プランや契約開始日など)が登録されてもよい。
【0075】
また、管理サーバ100は、クーポン提供システム1を利用するためのパスワードを発行してもよい。このとき、セキュリティの観点から、仮登録処理および本登録処理の2段階にしてもよい。
【0076】
その後、提供主体は、設定装置300を操作して、クーポンを設定するとともに(シーケンスSQ4)、設定したクーポンの通知条件160を設定する(シーケンスSQ6)。なお、提供主体がクーポンの設定および通知条件160の設定を行う際には、パスワード認証などを行うようにしてもよい。
【0077】
このように、管理サーバ100は、提供主体からの指示に従って、クーポンを設定する設定機能と、提供主体からの指示に従って、ユーザ端末200にクーポンを通知するための通知条件160を設定する設定機能とを有している。
【0078】
一方、ユーザは、ユーザ端末200を操作して、自身の情報を管理サーバ100に登録する(シーケンスSQ8)。すなわち、ユーザのアカウント作成の処理が実行される。管理サーバ100では、提供主体がクーポン提供システム1を利用するための契約に関する情報(利用プランなど)が登録されてもよい。
【0079】
また、管理サーバ100は、クーポン提供システム1を利用するためのパスワードを発行してもよい。このとき、セキュリティの観点から、仮登録処理および本登録処理の2段階にしてもよい。
【0080】
クーポンの通知を受領するための処理が有効化されると、ユーザ端末200は、現在位置を取得し(シーケンスSQ10)、取得した現在位置を管理サーバ100に送信する(シーケンスSQ12)。なお、ユーザがクーポンの通知を受領する設定を行う際には、パスワード認証などを行うようにしてもよい。
【0081】
管理サーバ100は、ユーザ端末200から受信した現在位置と、当該現在位置を送信したユーザ端末200のユーザの情報とに基づいて、いずれかの通知条件160が満たされているか否かを判断する(シーケンスSQ14)。このように、管理サーバ100は、ユーザ端末200の位置と通知エリア20とに基づいて、通知条件160が満たされているか否かを判断する機能を有している。
【0082】
いずれかの通知条件160が満たされていれば(シーケンスSQ14においてYES)、管理サーバ100は、満たされている通知条件160に対応するクーポンを送信元のユーザ端末200に通知する(シーケンスSQ16)。このように、管理サーバ100は、通知条件160が満たされていれば、クーポンをユーザ端末200に通知する機能を有している。
【0083】
管理サーバ100からの通知を受領したユーザ端末200は、当該通知をユーザに提示する(シーケンスSQ18)。ユーザの提示は、視覚、聴覚、嗅覚、触覚などへの刺激であってもよい。
【0084】
なお、いずれの通知条件160も満たされていなければ(シーケンスSQ14においてNO)、管理サーバ100は、クーポンの通知を行わない。
【0085】
管理サーバ100は、必要に応じて、クーポンの利用履歴を収集する(シーケンスSQ20)。
【0086】
以下、シーケンスSQ10~SQ20の処理は順次繰り返される。
図4においては、説明の便宜上、提供主体による登録および設定の処理(シーケンスSQ2~SQ6)と、ユーザによる登録の処理(シーケンスSQ8)とを順番に記載しているが、これらの処理は互いに独立して実行されてもよい。また、シーケンスSQ10~SQ20の処理についても、シーケンスSQ2~SQ6およびシーケンスSQ8とは、独立して実行されてもよい。
【0087】
<D.データベース>
次に、管理サーバ100に格納される各データベースの詳細について説明する。
【0088】
(d1:提供主体データベース120)
図5は、本実施の形態に従うクーポン提供システム1の管理サーバ100が保持する提供主体データベース120のデータ構造の一例を示す模式図である。
図5を参照して、提供主体データベース120は、カラムとして、提供主体ID121と、アカウント名122と、企業名123と、メールアドレス124と、店舗ID125と、住所126と、電話番号127と、責任者名128と、店舗位置129とを含む。
【0089】
提供主体ID121には、提供主体を特定するための情報が格納される。アカウント名122には、提供主体のアカウント名が格納される。企業名123には、提供主体の企業名(商号や屋号)が格納される。メールアドレス124には、提供主体のメールアドレスが格納される。なお、電子的な連絡先の一例として、メールアドレスを例示しているが、電子的な連絡先は、電子メールによるものには限定されない。例えば、ソーシャルメディアのアカウントなどであってもよい。店舗ID125には、対象の店舗10を特定するための情報が格納される。住所126には、店舗10の住所が格納される。電話番号127には、店舗10の電話番号が格納される。責任者名128には、店舗10または提供主体の責任者の名前が格納される。店舗位置129には、通知エリア20を設定するための基準となる位置情報(緯度経度)が格納される。
【0090】
提供主体は、設定装置300を用いて、自身の情報を管理サーバ100の提供主体データベース120に登録する。管理サーバ100または設定装置300は、提供主体が自身の情報を提供主体データベース120に登録するためのユーザインターフェイス画面を提供してもよい。
【0091】
例えば、同一の企業が複数の店舗10を有している場合もある。この場合には、
図5に示すように、提供主体IDには同一の値が格納され、店舗ID125には各店舗を特定するための情報が格納された複数のレコードが登録されてもよい。あるいは、リレーショナルデータベースなどを用いて、それぞれの店舗を特定するための情報が店舗ID125に登録できるようにしてもよい。
【0092】
(d2:ユーザデータベース130)
図6は、本実施の形態に従うクーポン提供システム1の管理サーバ100が保持するユーザデータベース130のデータ構造の一例を示す模式図である。
図6を参照して、ユーザデータベース130は、カラムとして、ユーザID131と、アカウント名132と、名前133と、メールアドレス134と、電話番号135と、性別136と、年齢137と、プリファレンス138とを含む。
【0093】
ユーザID131には、ユーザを特定するための情報が格納される。アカウント名132には、ユーザのアカウント名が格納される。名前133には、ユーザの名前が格納される。メールアドレス134には、ユーザのメールアドレスが格納される。なお、上述したように、メールアドレスに代えて、ソーシャルメディアのアカウントなどであってもよい。電話番号135には、ユーザの電話番号が格納される。性別136には、ユーザの性別が格納される。プリファレンス138には、ユーザのプリファレンスが格納される。プリファレンスとしては、例えば、「ファストフード」といったより利用する店舗やサービスなどを示す情報を含んでいてもよい。
【0094】
ユーザは、ユーザ端末200(あるいは、ユーザ端末200とは別の情報処理装置)を用いて、自身の情報を管理サーバ100のユーザデータベース130に登録する。管理サーバ100またはユーザ端末200は、ユーザが自身の情報をユーザデータベース130に登録するためのユーザインターフェイス画面を提供してもよい。
【0095】
(d3:クーポンデータベース140)
図7は、本実施の形態に従うクーポン提供システム1の管理サーバ100が保持するクーポンデータベース140のデータ構造の一例を示す模式図である。
図7を参照して、クーポンデータベース140は、カラムとして、提供主体ID141と、クーポンID142と、店舗ID143と、タイトル144と、メッセージ145と、画像146と、利用開始日時147と、有効期限148と、通知条件160と、通知数161と、閲覧数162とを含む。
【0096】
提供主体ID141には、クーポンを発行する提供主体を特定するための情報が格納される。提供主体ID141に格納される値は、
図5に示す提供主体データベース120の提供主体ID121に格納される値から選択される。クーポンID142には、発行されるクーポンを特定するための情報が格納される。店舗ID143には、発行されるクーポンを利用できる店舗を特定するための情報が格納される。店舗ID143に格納される値は、
図5に示す提供主体データベース120の店舗ID125に格納される値から選択される。
【0097】
タイトル144には、発行されるクーポンのタイトルが格納される。メッセージ145には、発行されるクーポンのメッセージ(本文)が格納される。画像146には、発行されるクーポンに埋め込まれる画像を特定するための情報が格納される。
【0098】
利用開始日時147には、発行されるクーポンを利用可能になる日時が格納される。有効期限148には、発行されるクーポンが利用可能な期間の終了日時が格納される。このように、発行されるクーポンには、利用可能になる日時、および、利用不可能になる日時がそれぞれ設定されてもよい。このように、発行されるクーポンが利用可能な期間は、利用可能になる日時(開始日時)と、利用不可能になる日時(終了日時)と、により設定されてもよい。なお、利用可能な期間以外の期間においては、原則として、クーポンを利用することはできない。
【0099】
後述するように、利用開始日時147および有効期限148は、各クーポンの通知タイミングなどに応じて、動的に変更できるようにしてもよい。
【0100】
通知条件160には、クーポンの通知を行うための条件が格納される。通知条件160の詳細については後述する。
【0101】
通知数161には、クーポンが通知された回数が格納される。閲覧数162には、ユーザが実際にクーポンを閲覧した回数が可能される。通知数161および閲覧数162の値は、管理サーバ100によって都度更新されてもよい。
【0102】
図8は、本実施の形態に従うクーポン提供システム1の管理サーバ100が保持するクーポンデータベース140のデータ構造の別の一例を示す模式図である。
図8に示すクーポンデータベース140は、
図7に示すクーポンデータベース140に比較して、利用開始日時147および有効期限148に代えて、有効期間149を含む。
【0103】
有効期間149には、発行されるクーポンが利用可能な期間の長さが格納される。発行されるクーポンが利用可能な期間は、任意に(静的または動的に)設定される開始日時または終了日時と、有効期間149に設定される期間の長さとに基づいて定められる。このように、発行されるクーポンが利用可能な期間は、利用可能な期間の長さと、利用可能になる日時(開始日時)または利用不可能になる日時(終了日時)と、により設定されてもよい。
【0104】
図9は、本実施の形態に従うクーポン提供システム1の設定装置300で提供されるユーザインターフェイス画面の一例を示す模式図である。
【0105】
図9には、発行するクーポンを設定するためのユーザインターフェイス画面320の一例を示す。
図9(A)に示すユーザインターフェイス画面320は、
図7に示すクーポンデータベース140に対応し、
図9(B)に示すユーザインターフェイス画面320は、
図8に示すクーポンデータベース140に対応する。
【0106】
図9(A)を参照して、ユーザインターフェイス画面320は、タイトル入力欄321と、メッセージ入力欄322と、画像添付欄323と、プレビューボタン324と、通知エリア設定欄325と、利用開始設定欄326と、有効期限設定欄327とを含む。
【0107】
提供主体は、クーポンに表示するタイトルおよびメッセージをタイトル入力欄321およびメッセージ入力欄322にそれぞれ入力する。また、提供主体は、必要に応じて、クーポンに表示する画像を画像添付欄323で設定する。画像添付欄323には、複数の画像が設定できるようになっていてもよい。
【0108】
プレビューボタン324が押下されると、発行予定のクーポンのイメージが表示される。
【0109】
提供主体は、通知条件160の一部である通知エリア20を通知エリア設定欄325で設定する。また、提供主体は、クーポンの利用開始日時を利用開始設定欄326に設定し、クーポンの利用期限を有効期限設定欄327に設定する。
【0110】
図9(B)を参照して、ユーザインターフェイス画面320は、利用開始設定欄326および有効期限設定欄327に代えて、有効期間設定欄328を含む。提供主体は、クーポンの利用開始日時および利用期限ではなく、有効期間を設定するようにしてもよい。
【0111】
提供主体は、
図9(A)または
図9(B)に示されるユーザインターフェイス画面320を用いて、発行するクーポンおよび通知条件160を設定する。
図9(A)または
図9(B)に示すように、提供主体(店舗)は、期間限定のクーポンを発行することもできる。
【0112】
また、提供主体(店舗)は、複数のクーポンを発行することもできる。
図10は、本実施の形態に従うクーポン提供システムの設定装置で提供されるユーザインターフェイス画面の別の一例を示す模式図である。
【0113】
図10(A)には、発行されているクーポンを確認および管理するためのユーザインターフェイス画面330の一例を示す。
図10(A)を参照して、ユーザインターフェイス画面330は、ステータス選択ボタン331と、クーポン一覧欄332と、新規発行ボタン336と、店舗編集ボタン337とを含む。
【0114】
ステータス選択ボタン331は、例えば、現在発行中を示す「有効」、将来発行されることを示す「予約」、過去に発行されていたことを示す「終了」の3つのボタンを含む。提供主体は、これら3つのボタンのうち、1または複数のボタンを選択すると、クーポン一覧欄332には、選択されたステータスのクーポンの情報が表示される。
【0115】
クーポン一覧欄332には、クーポン情報333,334,335が表示されている。
図10(A)に示す例では、クーポン情報333は有効ステータスのクーポンを示し、クーポン情報334は予約ステータスのクーポンを示し、クーポン情報335は終了ステータスのクーポンを示す。
【0116】
新規発行ボタン336が選択されると、
図9に示すユーザインターフェイス画面320に遷移して、提供主体は、発行するクーポンを設定できる。
【0117】
店舗編集ボタン337が選択されると、店舗の情報を編集するインターフェイス画面(図示しない)に遷移する。
【0118】
図10(B)には、複数の店舗にそれぞれ設定されているクーポンを確認するためのユーザインターフェイス画面340の一例を示す。
図10(B)に示すユーザインターフェイス画面340は、同一の提供主体(企業)が複数の店舗を運営しているような場合に有効である。
【0119】
図10(B)を参照して、ユーザインターフェイス画面340は、店舗情報欄341,342,343と、新規登録ボタン345とを含む。店舗情報欄341,342,343の各々には、クーポンの発行状態を示すステータス表示344が表示される。
【0120】
新規登録ボタン345が選択されると、新たな店舗を追加するインターフェイス画面(図示しない)に遷移する。
【0121】
図9および
図10に示すユーザインターフェイス画面は、一例であり、どのようなレイアウトおよびデザインのユーザインターフェイス画面が提供されてもよい。また、ユーザインターフェイス画面を提供する装置の種類(例えば、スマートフォンまたはパーソナルコンピュータ)に応じて、表示態様を最適化してもよい。
【0122】
(d4:利用履歴データベース150)
図11は、本実施の形態に従うクーポン提供システム1の管理サーバ100が保持する利用履歴データベース150のデータ構造の一例を示す模式図である。
図11を参照して、利用履歴データベース150は、カラムとして、クーポンID151と、利用日時152と、決済情報153とを含む。
【0123】
クーポンID151には、利用されたクーポンを特定するための情報が格納される。クーポンID151に格納される値は、
図7に示すクーポンデータベース140のクーポンID142に格納される値から選択される。
【0124】
利用日時152には、クーポンが利用された日時が格納される。決済情報153には、クーポンが利用されたときの決済情報が格納される。決済情報153は、必須の情報ではない。
【0125】
なお、ユーザとの間で利用履歴を二次的に使用する旨の契約などを締結している場合などに限って、利用履歴データベース150に、クーポンの利用者を特定できるような情報を追加的に格納してもよい。
【0126】
(d5:クーポンの利用可能な期間)
次に、発行されるクーポンの利用可能な期間について説明する。クーポンの利用可能な期間は、任意の方法で設定できるようにしてもよい。例えば、以下のような設定方法が挙げられる。
【0127】
(1)開始日時と終了日時とを設定する方法(from-to)
(2)開始日時のみを設定する方法
(3)終了日時のみを設定する方法
(4)開始日時と有効期間とを設定する方法(duration/period)
(5)終了日時と有効期間とを設定する方法
上述の(1)~(3)の設定方法は、
図7に示すクーポンデータベース140において、利用開始日時147および有効期限148を適宜設定することで実現できる。
図7には、クーポンの種類毎に、利用開始日時147および有効期限148を予め設定している例を示すが、クーポンが通知される毎に動的に設定するようにしてもよい。例えば、いずれかのユーザ端末200にクーポンが通知されると、当該通知タイミングに応じて、利用開始日時147および/または有効期限148が設定されてもよい。この場合には、通知されるクーポン(すなわち、ユーザ端末200)毎に、クーポンの利用可能な期間がそれぞれ設定されることになる。
【0128】
なお、(2)の場合には、有効期限148は未設定にされるか、有効期限148として、システム的に許容される最も未来の日時が設定されてもよい。また、(3)の場合には、利用開始日時147は未設定にされるか、利用開始日時147として、システム的に許容される最も古い日時が設定されてもよい。
【0129】
上述の(4)および(5)の設定方法は、
図8に示すクーポンデータベース140において、有効期間149を適宜設定することで実現できる。
【0130】
(4)の場合に必要な開始日時は、予め設定されてもよいし、動的に設定されてもよい。動的に設定される一例として、対象のクーポンが通知されたタイミングを開始日時と決定してもよい。この場合においても、通知されるクーポン(すなわち、ユーザ端末200)毎に、クーポンの利用可能な期間がそれぞれ設定されることになる。
【0131】
例えば、有効期間149として10分が設定されているクーポンが、10:00に通知されると、当該クーポンの利用可能な期間は、10:00から10分間(すなわち、10:10まで)と設定される。
【0132】
明示的に開始日時を設定する場合(例えば、クーポンが通知されたのが「10:00」であることが記録される場合)には、開始日時に有効期間を加算することで、終了日時を算出できる。すなわち、クーポンの利用可能な期間を絶対時間として設定できる。
【0133】
また、黙示的に開始日時を設定する場合(例えば、クーポンが通知されたタイミングのみが記録される場合)には、通知を受けたタイミングで有効期間の残り時間を有効期間に設定し、残り時間を順次減算(デクリメント/カウントダウン)することで、利用可能な期間を管理してもよい。このような残り時間を順次減算する方法を採用することで、絶対的な開始日時および終了日時を管理することが不要となり、利用可能な期間を管理するための処理を簡素化できる。なお、残り時間を順次減算する処理は、管理サーバ100において実行されてもよいし、ユーザ端末200において実行されてもよい。
【0134】
(5)の場合に必要な終了日時は、通常、予め設定される。
なお、クーポンの利用可能な期間は、途中で変更することができてもよい。例えば、用意していた商品の在庫が予想より早く減ってしまった場合などには、利用可能な期間を短縮してもよいし、天候の急変によって客足が鈍ってしまった場合などには、利用可能な期間を延長してもよい。
【0135】
(d6:通知条件160)
次に、クーポンに対応付けられる通知条件160および通知処理について説明する。
【0136】
上述したように、通知条件160は、ユーザ端末200を保持しているユーザが予め設定された通知エリア20に入るまたは存在していることを条件として含む。すなわち、通知条件160が満たされているか否かの判断は、ユーザの保持するユーザ端末200が通知エリア20を跨ぐ(エリア内に入る/エリア外に出る)ことを契機に実行されてもよいし(現在位置に基づくイベントドリブン)、何らかのクーポンが利用可能になったことを契機に実行されてもよい(クーポンの利用可能に基づくイベントドリブン)。現在位置に基づくイベントドリブンにおいては、管理サーバ100は、ユーザ端末200が通知エリア20に入ったときに、通知条件160が満たされたと判断することになる。
【0137】
通知条件160には、通知エリア20の条件に加えて、以下のような属性を考慮した追加条件を含めてもよい。
【0138】
(1)環境属性
環境属性は、測定あるいは取得できる環境の情報であり、例えば、天気、気温、時間帯、曜日、世情、風潮などを含む。例えば、あるユーザが通知エリア20に入ったときに、晴れであればクーポンを通知するが、雨であればクーポンを通知しないといった処理を行うことができる。
【0139】
(2)顧客属性
顧客属性は、ユーザが有している属性であり、例えば、性別、年齢、趣味、体形、所属SNSなどを含む。例えば、ある通知エリア20に入ったユーザが女性である場合に限って、クーポンを通知するといった処理を行うことができる。
【0140】
(3)移動属性
移動属性は、ユーザが保持しているユーザ端末200の状態を示す情報であり、例えば、移動速度(なお、移動していない状態(移動速度がゼロ)も含む)、移動方向(上下方向および東西南北方向など)、移動している場所(住宅街を移動中、国道を移動中、高速道路を移動中)などを含む。例えば、移動属性として、徒歩で移動する速度(例えば、60~100m/分)を設定することで、ある通知エリア20に入ったユーザが徒歩レベルの移動速度である場合に限って、クーポンを通知するといった処理を行うことができる。
【0141】
(4)集団属性
集団属性は、クーポンの通知を受領する対象者(ユーザ)が一人であるか集団であるかといった情報を含む。例えば、ある通知エリア20に入ったユーザが一人であれば、一人用のクーポンを通知し、集団であれば集団用のクーポンを通知するといった処理を行うことができる。
【0142】
(5)エリア属性
エリア属性は、通知エリア20に含まれる場所の属性であり、例えば、都市部、地方、国、土地用途(住宅地、田畑、海上など)などを含む。例えば、ある通知エリア20に入ったユーザが徒歩レベルの移動速度である場合に限って、クーポンを通知するといった処理を行うことができる。
【0143】
このように、通知条件160は、通知エリア20の条件に加えて、環境属性、顧客属性、移動属性、集団属性、および、エリア属性のうち少なくとも1つに基づく追加条件を含んでいてもよい。
【0144】
さらに、通知エリア20の条件と追加条件とを組み合わせて様々な通知の制御を実現できる。
【0145】
(i)クーポンを通知する対象ユーザを決定する処理
例えば、提供主体がクーポンを通知する場合に、設定した通知エリア20に複数のユーザが存在しているときには、上述したような様々な属性を考慮して、通知エリア20に存在しているユーザの一部のみにクーポンを通知するようにしてもよい。このような処理を採用することで、顧客になる可能性がより高いユーザに対して、優先的にクーポンを通知できる。
【0146】
このように、通知エリア20に存在している複数のユーザ端末200のうち、環境属性、顧客属性、移動属性、集団属性、および、エリア属性のうち少なくとも1つに基づく追加条件が満たされているユーザ端末200を、クーポンの通知対象として決定してもよい。
【0147】
なお、属性を考慮してクーポンを通知する対象ユーザ(ユーザ端末200)を決定する処理は、管理サーバ100で実行してもよいし、別の計算リソースで実行してもよい。
【0148】
(ii)ユーザへ通知されるクーポンを決定する処理
逆に、ユーザがクーポンの通知を希望する場合に、設定されている複数の通知エリア20にそれぞれ存在しているときには、複数のクーポンの通知を受領することになるが、上述したような様々な属性を考慮して、当該ユーザにとって適切であると判断された一部のクーポンのみを通知するようにしてもよい。このとき、属性を考慮して算出されたスコアに基づいて、通知されるクーポンに優先順位を付与してもよい。優先順位が付与されることで、ユーザの保持するユーザ端末200には、ランキング形式でクーポンを表示することができる。このような処理を採用することで、ユーザにとって最適なクーポンを通知できる。
【0149】
なお、属性を考慮してユーザ毎に適切なクーポンを決定する処理は、管理サーバ100で実行してもよいし、ユーザ端末200で実行してもよい。さらに、別の計算リソースで実行してもよい。
【0150】
上述したような、(i)クーポンを通知する対象ユーザを決定する処理、および、(ii)ユーザへ通知されるクーポンを決定する処理は、人工知能(AI)を用いて実現してもよい。あるいは、提供主体またはユーザにより設定される属性毎の値および重みなどに基づいて、ルールベースで計算されてもよい。
【0151】
なお、通知エリア20を無限大に設定することも可能である。この場合には、通知条件160に含まれる位置の条件は常に満たされることになる。
【0152】
また、同一のクーポンに対して、複数の通知エリア20を設定できるようにしてもよい。この場合には、各ユーザが存在している通知エリア20(例えば、店舗に最も近い通知エリア20や店舗から比較的遠い通知エリア20など)に応じて、対象ユーザおよび通知対象のクーポンを決定してもよい。
【0153】
以下、クーポンの通知を行うためのいくつかの処理例を例示する。
(通知処理例1)
提供主体が何らかのクーポンおよび通知条件160(通知エリア20)を設定すると、管理サーバ100は、設定された通知エリア20に存在しているユーザが特定する。管理サーバ100は、移動属性(例えば、移動速度)などに基づいて、特定したユーザに優先順位を付与し、上位から所定数のユーザに対してクーポンを通知する。
【0154】
このとき、クーポンの利用期限をユーザ毎に設定してもよい。例えば、クーポンがユーザに通知されたタイミングを利用開始日時として設定し、当該利用開始日時から所定時間内(例えば、5分以内)だけ有効であるとしてもよい。あるいは、クーポンが利用可能な時間帯を制限(例えば、夕方4時から5時までなど)してもよい。このように、利用可能な期間は、クーポンが通知されたタイミングに応じて決定されてもよい。
【0155】
なお、ユーザが通知エリア20から出た場合には、クーポンの通知を取り消す、あるいは、クーポンを無効化してもよい。
【0156】
このように、クーポンの利用可能な期間を制限することで、「旬なクーポン」をユーザへ提供することもできる。「旬なクーポン」は、提供主体(店舗)が今まさに提供したいと考えている商品やサービスについてのクーポンである。例えば、焼き上がったばかりのパンや揚げたてのコロッケの提供などが想定される。また、フードロスを減らすために、今から20分以内ならお弁当を割り引くといったクーポンを発行してもよい。
【0157】
(通知処理例2)
通知条件160には、通知エリア20の滞在時間を含めてもよい。例えば、通知エリア20に所定時間以上に亘って滞在しているユーザに対して、クーポンを通知するようにしてもよい。すなわち、ユーザ端末200が通知エリア20に滞在している時間が予め定められた値に到達すると、通知条件160が満たされたと判断してもよい。
【0158】
なお、通知エリア20に所定時間以上に亘って滞在しているユーザが複数存在する場合には、属性(例えば、環境属性および顧客属性)を考慮してクーポンを通知する対象ユーザを決定してもよい。また、属性を考慮して、クーポンの利用可能な期間を適宜設定してもよい。
【0159】
(通知処理例3)
例えば、通知エリア20を無限大に設定することで、全世界を対象としてクーポンを通知できる。この場合には、属性(例えば、顧客属性)を考慮してクーポンを通知する対象ユーザを決定してもよい。
【0160】
例えば、グローバル企業の従業員に対して、福利厚生などの情報を提供する趣旨で、クーポンを通知するような場合に有効である。
【0161】
<E.クーポンの通知およびクーポンの利用>
次に、ユーザに対するクーポンの通知およびユーザによるクーポンの利用について説明する。
【0162】
図12は、本実施の形態に従うクーポン提供システム1のユーザ端末200で提供されるユーザインターフェイス画面の一例を示す模式図である。
【0163】
図12(A)には、ユーザ端末200がクーポンの通知を受領した場合のユーザへの提示例を示す。
図12(A)を参照して、ユーザ端末200は、クーポンの通知を受領すると、例えば、通知メッセージ220をディスプレイに表示する。ユーザが通知メッセージ220を選択すると、
図12(B)に示すようなユーザインターフェイス画面230が提供される。
【0164】
図12(B)を参照して、ユーザインターフェイス画面230において、受領された1または複数のクーポン232が表示される。クーポン232の各々は、メッセージや画像などを含む。なお、クーポン232は、受領した時間順に並べて配置されてもよいし、有効期限の順に並べて配置されてもよいし、現在位置から対象の店舗までの距離の順に並べて配置されてもよい。さらに、ユーザ操作によって、クーポン232の配置順を任意に切り替えるようにしてもよい。
【0165】
いずれかのクーポン232が選択されると、
図12(C)に示すようなユーザインターフェイス画面240が提供される。
【0166】
図12(C)を参照して、ユーザインターフェイス画面240において、選択されたクーポン232のより詳細な内容が表示される。利用ボタン242が選択されると、1次元バーコードまたは2次元バーコードのようなコード画像244が表示されてもよい。コード画像244が示すコードは、クーポンデータベース140のクーポンID142(
図7参照)に格納された値を示すようにしてもよい。
【0167】
店舗10のPOS端末400がコード画像244を読み取ることで、店舗10で利用されたクーポンが特定される。利用されたクーポンを示す情報は、売上金額などとともに、クーポンの利用履歴として、管理サーバ100へ送信されてもよい。
【0168】
このように、クーポンがユーザ端末200に通知されると、通知メッセージ220でユーザへ知らせるとともに、受領したクーポンを一覧表示してもよい。
【0169】
なお、
図12(B)に示すクーポン232の一覧表示(リスト表示)ではなく、地図上にクーポン発行元の店舗の位置と対応付けて、クーポンを示すオブジェクトを表示してもよい。この場合、いずれかのクーポンが選択されると、地図アプリケーションなどを利用して、当該選択されたクーポンを発行した店舗までの経路案内を行ってもよい。
【0170】
さらに、地図の情報から一種の仮想空間を生成し、当該仮想空間においてクーポンを表示するようにしてもよい。
【0171】
また、クーポンの利用可能な期間の終了日時ではなく、クーポンの利用可能な期間の長さ(残り時間)をユーザへ提示してもよい。
【0172】
図13は、本実施の形態に従うクーポン提供システム1のユーザ端末200で提供されるユーザインターフェイス画面の別の一例を示す模式図である。
図13(A)に示すユーザインターフェイス画面230において、クーポン232の利用可能な期間の残り時間234が表示される。残り時間は時々刻々と減っていくので、残り時間234に示される値も一種のカウントダウンのように減っていることになる。また、
図13(B)に示すように、選択されたクーポン232のより詳細な内容においても、残り時間が表示されるようにしてもよい。
【0173】
なお、
図13に示すような残り時間の表示は、クーポンの利用可能な期間を有効期間を用いて設定した場合だけではなく、有効期限(終了日時)を用いて設定した場合においても、採用できる。
【0174】
時々刻々と変化する残り時間234をユーザへ提示することで、クーポンを利用する動機付けを与えられる可能性を高めることができる。また、残り時間234を目にすることで、ユーザが購入意欲を高めることも期待される。
【0175】
このように、クーポンの通知をユーザへ提示する方法、および、受領したクーポンを確認する方法は、任意の表示態様を採用できる。
【0176】
<F.事後解析>
本実施の形態に従うクーポン提供システム1においては、発行されたクーポン毎に通知数および閲覧数が管理される。さらに、ユーザによるクーポンの利用履歴が利用履歴データベース150に格納される。このような情報を事後解析した結果を提供主体が利用できるようにしてもよい。
【0177】
解析結果としては、各クーポンを利用したユーザの属性(客層)についての解析、各クーポンが利用された時間帯についての解析などを含めてもよい。また、解析結果には、クーポンの種類や属性を関連付けて解析することで、時間帯や天候などに応じて、どのような種類のクーポンをいつ発行すると有効であるかなどの解析結果を含めてもよい。
【0178】
なお、これらの解析例に限定されず、様々な観点で解析が可能である。このとき、ユーザの個人情報などが含まれる場合には、各国の法規制などを遵守した形で匿名化することが好ましい。
【0179】
また、クーポン提供システム1の運営者は、解析結果の提供に対して、提供主体から対価を徴収するようにしてもよい。このような対価の徴収によって、クーポン提供システム1を安定的に運営することができる。
【0180】
<G.現実空間および仮想空間>
本実施の形態に従うクーポン提供システム1は、現実空間および仮想空間のいずれで実現されてもよい。
【0181】
典型的には、上述の提供主体(店舗)およびユーザは、いずれも現実空間に存在している。ユーザが現実の店舗に近付いて、通知エリア20を含む通知条件160が満たされると、クーポンが通知される。ユーザは、通知されたクーポンを現実の店舗で利用する。
【0182】
また、上述の提供主体(店舗)およびユーザは、いずれも仮想空間に存在していてもよい。仮想空間において、ユーザが仮想的に設けられた店舗に近付いて、通知エリア20を含む通知条件160が満たされると、クーポンが通知される。ユーザは、通知されたクーポンを仮想的に設けられた店舗で利用する。
【0183】
さらに、クーポン提供システム1は、現実空間と仮想空間との混合世界において実現されてもよい。例えば、仮想空間において、ユーザが仮想的に設けられた店舗に近付いて、通知エリア20を含む通知条件160が満たされると、クーポンが通知される。ユーザは、通知されたクーポンを現実の店舗で利用することができる。あるいは、ユーザが現実の店舗に近付いて、通知エリア20を含む通知条件160が満たされると、クーポンが通知される。ユーザは、通知されたクーポンを仮想的に設けられた店舗で利用することができる。
【0184】
このように、クーポンが提供される空間の少なくとも一部が仮想空間であってもよい。そのため、本明細書において、「通知エリア」は、現実空間に設定される現実のエリアだけではなく、仮想空間に設定される仮想のエリアを含み得る。
【0185】
「通知エリア」は、2次元で規定される平面空間であってもよいし、3次元で規定される立体空間であってもよい。また、「通知エリア」は、予め定められた位置を基準とする円状または球状の空間だけではなく、任意の形状または空間として設定できる。例えば、2次元で規定する場合には、「通知エリア」は、閉曲線に囲まれた平面空間(例えば、店舗などを基準とする所定半径の円であってもよいし、円に限らず任意の形状であってもよい)となるし、3次元で規定する場合には、「通知エリア」は、閉曲面に囲まれた立体空間(例えば、店舗などを基準とする所定半径の球であってもよいし、球に限らず任意の形状であってもよい)となる。
【0186】
なお、仮想空間を利用する場合には、ユーザ端末200は、VRゴーグルであってもよい。
【0187】
より具体的な処理例としては、仮想空間において仮想的に設けられた店舗を基準として、通知エリア20を設定することができる。ユーザが仮想的に設定された通知エリア20に入るおよび通知エリア20に滞在することで、クーポンを通知するようにしてもよい。なお、ユーザ操作によって、ユーザを示すオブジェクトが仮想空間内を自在に移動することができるようになっている。
【0188】
ユーザが受領したクーポンは、仮想空間において利用することができる。仮想空間における利用例としては、仮想空間において流通する通貨を用いて、何らかのアイテムやオブジェクトを取得する際に、より有利な条件(無料または安価に取得できるなど)が提示されることが想定される。
【0189】
ユーザが受領したクーポンは、ユーザが管理するデータ領域に格納することができるので、当該格納されたクーポンを現実の店舗で提示することができる。
【0190】
<H.変形例>
ユーザがクーポンの通知を受領する処理、および、クーポンを利用する処理は、例えば、決済アプリケーションやポイントカードアプリケーションの一部に組み込まれてもよい。クーポンを利用しつつ、決済をしたり、ポイントを貯めたりできるので、ユーザの利便性を向上できる。
【0191】
また、紙媒体やダイレクトメール(広告郵便物)などによるクーポンの提供を併せて行ってもよい。
【0192】
<I.利点>
既存の紙媒体または電子的なクーポンは、主として、商品やサービスを過去に購入したことのある顧客(既存顧客)や、商品やサービスを購入する意思を持った顧客(見込み顧客)に向けられたものである。例えば、以下のようなクーポンの提供および利用の形態が考えられる。
【0193】
・過去に商品またはサービスを購入したときのレシートに「次回利用時の特典」を追記することでクーポンを配布する
・ポスティングや折り込み広告などで紙媒体のクーポンを配布し、顧客は、当該紙媒体のクーポンを店舗に持参する
・顧客が自ら専用のアプリケーションをスマートフォンなどにインストールし、アプリケーションを通じて提供される電子的なクーポンを利用する
このようなクーポンの提供は、主として、既存顧客の離客防止や購買頻度の向上を目的としている。
【0194】
これに対して、本実施の形態に従うクーポン提供システム1においては、予め設定された通知エリアの条件が満たされると、クーポンが通知される。通知エリア20の条件が満たされる場合は、ユーザがクーポンを利用できる提供主体(店舗)へアクセスし易い状況であることが想定される。そのため、ユーザがクーポンを利用できる店舗を訪れる可能性を高めることができる。
【0195】
その結果、これまでに利用したことのない店舗を利用する可能性、以前は利用していたが最近は利用していない店舗を再度利用し始める可能性、および、現在は全く利用していない店舗を再度利用し始める可能性をそれぞれ高めることができる。これによって、提供主体(店舗)から見れば、新規顧客や休眠顧客の獲得の可能性を高められることともに、他店舗の離客を獲得する可能性も高められる。
【0196】
また、ユーザから見れば、出歩いているときに、これまでに利用したことのない店舗などから、クーポンが通知されるので、新たな店舗や興味のある商品の発見といった高揚感を得られる。また、以前は利用していたが最近は利用していない店舗や現在は全く利用していない店舗からもクーポンが通知されるので、店舗を利用した過去の記憶を思い出して、店舗を再訪することに期待感を持つこともできる。
【0197】
本実施の形態に従うクーポン提供システムは、一種のポスティングを電子的に行うものでもある。特に、通知エリアの条件を用いるので、来訪の蓋然性の高いユーザに絞った、ポスティングを実現できる。
【0198】
このように、本実施の形態に従うクーポン提供システムは、既存顧客の離客防止や購買頻度の向上に加えて、新規顧客、休眠顧客、および、他店舗の離客を獲得する可能性も高められる。
【0199】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0200】
1 クーポン提供システム、10 店舗、20 通知エリア、100 管理サーバ、101,201 プロセッサ、102,202 メインメモリ、103 通信インターフェイス、104,204 入力部、105,203 ディスプレイ、110,210 ストレージ、112,212 システムプログラム、114 提供プログラム、120 提供主体データベース、121,141 提供主体ID、122,132 アカウント名、123 企業名、124,134 メールアドレス、125,143 店舗ID、126 住所、127,135 電話番号、128 責任者名、129 店舗位置、130 ユーザデータベース、131 ユーザID、133 名前、136 性別、137 年齢、138 プリファレンス、140 クーポンデータベース、142,151 クーポンID、144 タイトル、145 メッセージ、146 画像、147 利用開始日時、148 有効期限、149 有効期間、150 利用履歴データベース、152 利用日時、153 決済情報、160 通知条件、161 通知数、162 閲覧数、200 ユーザ端末、205 出力部、206 広域通信モジュール、207 無線通信モジュール、208 近距離通信モジュール、209 位置取得モジュール、214 利用プログラム、216 クーポンデータ、220 通知メッセージ、230,240,320,330,340 ユーザインターフェイス画面、232 クーポン、234 残り時間、242 利用ボタン、244 コード画像、300 設定装置、321 タイトル入力欄、322 メッセージ入力欄、323 画像添付欄、324 プレビューボタン、325 通知エリア設定欄、326 利用開始設定欄、327 有効期限設定欄、328 有効期間設定欄、331 ステータス選択ボタン、332 クーポン一覧欄、333,334,335 クーポン情報、336 新規発行ボタン、337 店舗編集ボタン、341,342,343 店舗情報欄、344 ステータス表示、345 新規登録ボタン、400 POS端末。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
提供主体からの指示に従って、クーポンを設定する第1設定手段と、
前記提供主体からの指示に従って、ユーザ端末に前記クーポンを通知するための通知条件を設定する第2設定手段とを備え、前記通知条件は、予め定められた位置を基準として設定される通知エリアの条件と移動属性に基づく追加条件とを含み、
前記ユーザ端末の位置と前記通知エリアと前記ユーザ端末の移動速度とに基づいて、前記通知条件が満たされているか否かを判断する判断手段と、
前記通知条件が満たされていれば、前記クーポンを前記ユーザ端末に通知する通知手段と、
前記クーポンの提供主体によって任意に設定される利用可能な期間を管理する管理手段とを備え、
前記管理手段は、前記利用可能な期間の開始を前記クーポンが通知されたタイミングに応じて決定し、前記利用可能な期間を順次減算し、
前記ユーザ端末は、通知されたクーポンを示すオブジェクトと対応付けて、当該クーポンの発行元の店舗の位置を地図上に表示する、クーポン提供システム。
【請求項2】
前記判断手段は、前記ユーザ端末が前記通知エリアに入ったときに、前記通知条件が満たされたと判断する、請求項1に記載のクーポン提供システム。
【請求項3】
前記判断手段は、前記ユーザ端末が前記通知エリアに滞在している時間が予め定められた値に到達すると、前記通知条件が満たされたと判断する、請求項1に記載のクーポン提供システム。
【請求項4】
前記予め定められた位置は、前記クーポンを利用できる店舗の位置である、請求項1に記載のクーポン提供システム。
【請求項5】
前記通知条件は、環境属性、顧客属性、集団属性、および、エリア属性のうち少なくとも1つに基づく追加条件をさらに含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のクーポン提供システム。
【請求項6】
前記通知手段は、前記通知エリアに存在している複数のユーザ端末のうち、環境属性、顧客属性、移動属性、集団属性、および、エリア属性のうち少なくとも1つに基づく追加条件が満たされているユーザ端末を、前記クーポンの通知対象として決定する、請求項1~4のいずれか1項に記載のクーポン提供システム。
【請求項7】
前記クーポンには、利用可能になる日時が設定される、請求項1~4のいずれか1項に記載のクーポン提供システム。
【請求項8】
前記ユーザ端末は、表示されたクーポンに対する選択に応じて、当該選択されたクーポンの発行元の店舗までの経路案内を行う手段を備える、請求項1~4のいずれか1項に記載のクーポン提供システム。
【請求項9】
1または複数のコンピュータが実行するクーポン提供方法であって、
提供主体からの指示に従って、クーポンを設定するステップと、
前記提供主体からの指示に従って、ユーザ端末に前記クーポンを通知するための通知条件を設定するステップとを備え、前記通知条件は、予め定められた位置を基準として設定される通知エリアの条件と移動属性に基づく追加条件とを含み、
前記ユーザ端末の位置と前記通知エリアと前記ユーザ端末の移動速度とに基づいて、前記通知条件が満たされているか否かを判断するステップと、
前記通知条件が満たされていれば、前記クーポンを前記ユーザ端末に通知するステップと、
前記クーポンの提供主体によって任意に設定される利用可能な期間を管理するステップとを備え、
前記管理するステップは、前記利用可能な期間の開始を前記クーポンが通知されたタイミングに応じて決定し、前記利用可能な期間を順次減算するステップを含み、
前記ユーザ端末において、通知されたクーポンを示すオブジェクトと対応付けて、当該クーポンの発行元の店舗の位置が地図上に表示される、クーポン提供方法。
【請求項10】
クーポン提供プログラムであって、前記クーポン提供プログラムはコンピュータに、
提供主体からの指示に従って、クーポンを設定するステップと、
前記提供主体からの指示に従って、ユーザ端末に前記クーポンを通知するための通知条件を設定するステップとを実行させ、前記通知条件は、予め定められた位置を基準として設定される通知エリアの条件と移動属性に基づく追加条件とを含み、さらに
前記ユーザ端末の位置と前記通知エリアと前記ユーザ端末の移動速度とに基づいて、前記通知条件が満たされているか否かを判断するステップと、
前記通知条件が満たされていれば、前記クーポンを前記ユーザ端末に通知するステップと、
前記クーポンの提供主体によって任意に設定される利用可能な期間を管理するステップとを実行させ、
前記管理するステップは、前記利用可能な期間の開始を前記クーポンが通知されたタイミングに応じて決定し、前記利用可能な期間を順次減算するステップを含み、
前記ユーザ端末において、通知されたクーポンを示すオブジェクトと対応付けて、当該クーポンの発行元の店舗の位置が地図上に表示される、クーポン提供プログラム。