(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025381
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】車両用光変換パネル、車両用灯具ユニット、車両用灯具
(51)【国際特許分類】
F21S 43/16 20180101AFI20240216BHJP
F21S 43/14 20180101ALI20240216BHJP
F21S 43/20 20180101ALI20240216BHJP
F21V 9/08 20180101ALI20240216BHJP
F21V 9/32 20180101ALI20240216BHJP
F21W 103/00 20180101ALN20240216BHJP
F21W 103/20 20180101ALN20240216BHJP
F21W 103/35 20180101ALN20240216BHJP
F21W 103/40 20180101ALN20240216BHJP
F21W 103/45 20180101ALN20240216BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240216BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20240216BHJP
【FI】
F21S43/16
F21S43/14
F21S43/20
F21V9/08
F21V9/32
F21W103:00
F21W103:20
F21W103:35
F21W103:40
F21W103:45
F21Y115:10
F21Y115:30
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022128763
(22)【出願日】2022-08-12
(71)【出願人】
【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000121
【氏名又は名称】IAT弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 喜郎
(72)【発明者】
【氏名】土屋 能明
(57)【要約】
【課題】励起光に強弱をつけることなく、発光面のデザインのバリエーションを増大させることができる車両用光変換パネル、車両用灯具ユニット、車両用灯具を提供することにある。
【解決手段】この発明は、基板41と、基板41に設けられていて、励起光L1を2次光L2に変換して2次光L2を出射する発光層53と、を備える。基板41は、発光層53が微細に設けられている複数の第2発光部56と、複数の第2発光部56の間に形成されていて、発光層53が設けられていない第2非発光部57と、を有する。第2発光部56および第2非発光部57が、第2非発光部57を挟んで隣り合う複数の第2発光部56がそれぞれ2次光L2を出射して一つの発光面S2として見える、寸法を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板に設けられていて、励起光を2次光に変換して前記2次光を出射する発光層と、
を備え、
前記基板には、
前記発光層が設けられている複数の発光部と、
複数の前記発光部の間に形成されていて、前記発光層が設けられていない非発光部と、
が交互に形成されている、
ことを特徴とする車両用光変換パネル。
【請求項2】
複数の前記発光部および前記非発光部は、ラインアンドスペースであり、
前記発光部の幅は、0.1μmから1000μmであり、
前記非発光部の幅は、0.1μmから1000μmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用光変換パネル。
【請求項3】
複数の前記発光部は、円形または多角形の任意の形状のドットであり、
前記発光部の径または1辺は、0.1μmから1000μmであり、
隣り合う前記発光部の間の最短距離は、0.1μmから1000μmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用光変換パネル。
【請求項4】
励起光を出射する励起光源と、
請求項1から3のいずれか1項に記載の車両用光変換パネルと、
を備える、
ことを特徴とする車両用灯具ユニット。
【請求項5】
前記励起光源と前記車両用光変換パネルとの間には、前記励起光を前記車両用光変換パネルに均一に照射させる励起光制御部材が、配置されている、
ことを特徴とする請求項4に記載の車両用灯具ユニット。
【請求項6】
前記励起光は、青色光であり、
前記車両用光変換パネルから出射する2次光は、赤色光であり、
前記赤色光を外部に出射させる赤レンズを備える、
ことを特徴とする請求項4に記載の車両用灯具ユニット。
【請求項7】
灯具空間を形成するアウターハウジングおよびアウターレンズと、
前記灯具空間内に配置されている請求項4に記載の車両用灯具ユニットと、
を備える、
ことを特徴とする車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両用光変換パネル、車両用灯具ユニット、車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
励起光により励起して発光する2次光(ルミネセンス)を利用する車両用光変換パネル、車両用灯具ユニット、車両用灯具としては、たとえば、特許文献1に示すものがある。
【0003】
以下、特許文献1の車両用灯具の光源ユニット、車両用灯具の構成について説明する。特許文献1の車両用灯具の光源ユニットは、光源部、光生成部およびレンズ部材を含む。また、特許文献1の車両用灯具は、光源ユニット(光源部、光生成部およびレンズ部材)と、光源部および光生成部が設けられているヒートシンクと、光源部と光生成部との間に配置されていて、反射面を有するリフレクタと、光源ユニット、ヒートシンクおよびリフレクタを収容するランプハウジングおよびランプレンズと、を有する。
【0004】
以下、特許文献1の車両用灯具の光源ユニット、車両用灯具の作用について説明する。光源部からの励起光は、リフレクタの反射面で光生成部に反射する。光生成部において、励起光により2次光が発光して発光面を形成する。2次光は、レンズ部材に入射し、かつ、レンズ部材から出射し、テールランプのパターンとしてランプレンズを透過して外部に照射される。
【0005】
車両用灯具における発光面には、デザインが施されている。近年、車両用灯具における発光面は、多様のデザインが望まれていて、デザインのバリエーションが増大する傾向にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の車両用灯具ユニット、車両用灯具は、励起光を光生成部に均一に照射するものであるから、発光面の見た目の明るさが発光面全体的に同じであり、発光面のデザインのバリエーションの増大に限界がある。
【0008】
そこで、励起光を光学設計によって照射エネルギーを分散させることで、励起光に強弱をつけて2次光に強弱をつけることにより、発光面の明るさに明暗差をつけて発光面のデザインのバリエーションの増大が考えられる。しかしながら、この場合においては、発光面のデザインに合わせて、励起光に強弱をつけることは、物理的に困難である。
【0009】
この発明は、励起光に強弱をつけることなく、発光面のデザインのバリエーションを増大させることができる車両用光変換パネル、車両用灯具ユニット、車両用灯具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明の車両用光変換パネルは、基板と、基板に設けられていて、励起光を2次光に変換して2次光を出射する発光層と、を備え、基板には、発光層が設けられている複数の発光部と、複数の発光部の間に形成されていて、発光層が設けられていない非発光部と、が交互に形成されている、ことを特徴とする。
【0011】
この発明の車両用光変換パネルにおいて、複数の発光部および非発光部は、ラインアンドスペースであり、ラインの発光部の幅は、0.1μmから1000μmであり、スペースの非発光部の幅は、0.1μmから1000μmである、ことが好ましい。
【0012】
この発明の車両用光変換パネルにおいて、複数の発光部は、円形または多角形の任意の形状のドットであり、発光部の径または1辺は、0.1μmから1000μmであり、隣り合う発光部の間の最短距離は、0.1μmから1000μmである、ことが好ましい。
【0013】
この発明の車両用灯具ユニットは、励起光を出射する励起光源と、この発明の車両用光変換パネルと、を備える、ことを特徴とする。
【0014】
この発明の車両用灯具ユニットにおいて、励起光源と車両用光変換パネルとの間には、励起光を車両用光変換パネルに均一に照射させる励起光制御部材が、配置されている、ことが好ましい。
【0015】
この発明の車両用灯具ユニットにおいて、励起光は、青色光であり、車両用光変換パネルから出射する2次光は、赤色光であり、赤色光を外部に出射させる赤レンズを備える、ことが好ましい。
【0016】
この発明の車両用灯具は、
灯具空間を形成するアウターハウジングおよびアウターレンズと、灯具空間内に配置されているこの発明の車両用灯具ユニットと、を備える、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
この発明の車両用光変換パネル、車両用灯具ユニット、車両用灯具は、励起光に強弱をつけることなく、発光面のデザインのバリエーションを増大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、この発明にかかる車両用光変換パネル、車両用灯具ユニット、車両用灯具の実施形態を示す点灯時の縦断面図(垂直断面図)である。
【
図2】
図2は、車両用光変換パネルの非点灯時を示す正面図である。
【
図3】
図3は、車両用光変換パネルの点灯時を示す正面図(
図1におけるIII矢視図)である。
【
図4】
図4は、第1発光部および第2発光部と第1非発光部および第2非発光部とを示す一部拡大正面図である。
【
図5】
図5は、車両用光変換パネル、車両用灯具ユニット、車両用灯具の使用状態を示す説明図である。
【
図6】
図6は、発光部および非発光部の変形例1を示す一部拡大正面図である。
【
図7】
図7は、発光部および非発光部の変形例2を示す一部拡大正面図である。
【
図8】
図8は、発光部および非発光部の変形例3を示す一部拡大正面図である。
【
図9】
図9は、発光部および非発光部の変形例4を示す一部拡大正面図である。
【
図10】
図10は、発光部および非発光部の変形例5を示す一部拡大正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明にかかる車両用光変換パネル、車両用灯具ユニット、車両用灯具の実施形態(実施例)の1例および変形例を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態および変形例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態および変形例における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0020】
この明細書において、前、後、上、下、左、右は、この発明にかかる車両用光変換パネル、車両用灯具ユニット、車両用灯具が車両に搭載された車両搭載状態における前、後、上、下、左、右である。また、前後、上下、左右の各方向は、車両用光変換パネル、車両用灯具ユニット、車両用灯具が車両に搭載された車両搭載状態における方向であって、運転席から車両の進行方向を見た場合における方向を示す。上下方向は、鉛直方向に平行であり、左右方向は、水平方向である。正面方向および背面方向において、車両用光変換パネル、車両用灯具ユニット、車両用灯具から光が出射される方向を正面方向とし、正面方向の反対方向を背面方向とする。
【0021】
なお、図面は、この発明にかかる車両用光変換パネル、車両用灯具ユニット、車両用灯具を示す概略図であるから、この発明にかかる車両用光変換パネル、車両用灯具ユニット、車両用灯具の主要部品を図示し、主要部品以外の部品の図示を省略する。また、ハッチングの一部が省略されている。さらに、
図2および
図3は、この発明にかかる車両用光変換パネルのモックアップの点灯時の写真データをグレースケールで表した図面である。
【0022】
(実施形態の構成の説明)
図1から
図5は、この発明にかかる車両用光変換パネル、車両用灯具ユニット、車両用灯具の実施形態を示す。以下、この実施形態にかかる車両用光変換パネル、車両用灯具ユニット、車両用灯具の構成について説明する。
【0023】
(車両用灯具100の説明)
図1中、符号100は、この実施形態にかかる車両用灯具である。車両用灯具100は、この例では、リアコンビネーションランプであって、
図5に示すように、車両(先行車両FV、後続車両BV)の後部の左右両側にそれぞれ取り付けられる。したがって、この実施形態においては、正面方向が後方向(車両後方)であり、背面方向が前方向(車両前方)である。
【0024】
車両用灯具100は、アウターハウジング101、アウターレンズ102と、この実施形態にかかる車両用灯具ユニットとしてのテールランプユニット1と、その他のランプユニット(図示せず)と、を備える。
【0025】
アウターハウジング101は、光不透過性の部材(樹脂部材など)から構成されている。アウターレンズ102は、光透過性の部材(樹脂部材など)から構成されている。アウターレンズ102は、この例では、無色の素通しのアウターカバーなどである。なお、アウターレンズ102は、赤レンズであっても良い。アウターレンズ102は、内側(灯具空間103側)から外側に突出した湾曲形状をなす。
【0026】
アウターハウジング101とアウターレンズ102とは、相互に固定されていて、アウターハウジング101とアウターレンズ102との内部には、灯具空間103が形成されている。アウターレンズ102は、アウターハウジング101に対して、正面方向側に配置されている。アウターレンズ102は、上から下にかけて、灯具空間103の内側から外側(正面方向側)に傾斜している。また、アウターレンズ102は、灯具空間103の内側から外側(正面方向側)に突出した湾曲形状をなす。
【0027】
灯具空間103内には、テールランプユニット1やその他のランプユニットが配置されている。この例におけるその他のランプユニットは、テールランプユニット1以外のストップランプ、テール・ストップランプ、ターンシグナルランプ、バックアップランプやテールフォグランプなどである。
【0028】
(テールランプユニット1の説明)
この実施形態にかかる車両用灯具ユニットとしてのテールランプユニット1(以下、「テールランプユニット1」と称する)は、信号灯であって、車両用灯具100の灯具空間103内に配置されていて、アウターハウジング101に、取付ブラケットなどの取付部材を介して取り付けられている。
【0029】
テールランプユニット1は、
図1に示すように、インナーハウジング(ランプハウジング)2と、インナーレンズ(ランプレンズ)3と、励起光照射ユニット4と、光変換ユニット5と、を備える。
【0030】
(インナーハウジング2およびインナーレンズ3の説明)
インナーハウジング2は、光不透過性の部材(樹脂部材など)から構成されている。インナーハウジング2は、アウターハウジング101に取り付けられている。インナーハウジング2は、この例では、表面が光沢を有する黒色をなす。すなわち、インナーハウジング2は、黒色の樹脂部材の表面を鏡面仕上げしたものである。なお、インナーハウジング2の光沢を有する黒色の表面は、少なくとも、灯具ユニット空間23に向き合う面であれば良い。また、インナーハウジング2の表面は、光沢を有する黒色以外の色であっても良い。
【0031】
インナーレンズ3は、この例では、赤レンズから構成されていて、PMMA、PCなどの光透過性の樹脂部材から構成されている。インナーレンズ3は、アウターレンズ102と同様に、上から下にかけて、灯具ユニット空間23の内側から外側(正面方向側)に傾斜している。また、インナーレンズ3は、アウターレンズ102と同様に、灯具空間103の内側から外側(正面方向側)に突出した湾曲形状をなす。インナーレンズ3とアウターレンズ102とは、相互に近接していて平行もしくはほぼ平行に向き合っている。
【0032】
インナーレンズ3およびアウターレンズ102は、光変換ユニット5の後記の光変換パネル50から出射された2次光L2を外部(灯具空間103の外側)に出射させる。なお、インナーレンズ3は、アウターレンズ102が赤レンズである場合においては、赤レンズでなくとも良い。また、インナーレンズ3とアウターレンズ102とが双方共赤レンズであっても良い。インナーレンズ3またはアウターレンズ102の少なくともいずれか一方の赤色のレンズは、赤色光の2次光L2を透過し、赤色光(2次光L2)とは異なる光を吸収する。したがって、外部の光に含まれる励起光L1成分が赤色のレンズによって吸収される。
【0033】
インナーハウジング2とインナーレンズ3とは、相互に固定されていて、インナーハウジング2とインナーレンズ3との内部には、灯室としての灯具ユニット空間23が形成されている。インナーレンズ3は、インナーハウジング2に対して、正面方向側、すなわち、アウターレンズ102側に配置されている。
【0034】
インナーレンズ3は、光軸Zを有し、所定の配光パターン、この例では、テールランプの配光パターンを形成する。なお、前記のアウターレンズ102が、光軸Zを有し、所定の配光パターン、この例では、テールランプの配光パターンを形成する、ものであっても良いし、また、インナーレンズ3と前記のアウターレンズ102とが、それぞれ、光軸Zを有し、所定の配光パターン、この例では、テールランプの配光パターンを形成する、ものであっても良い。
【0035】
(励起光照射ユニット4の説明)
励起光照射ユニット4は、インナーハウジング2の上部壁(天井)に取り付けられている。励起光照射ユニット4は、ケーシング40と、基板41と、励起光源42と、励起光制御部材としてのレンズ部材43と、を有する。
【0036】
ケーシング40は、光不透過性でかつ熱伝導率が高い部材(樹脂部材または金属部材など)から構成されていて、中空の箱(函)形状をなす。ケーシング40は、励起光源42で発生する熱を放出させるヒートシンクを兼ねる。ケーシング40の下部には、開口部400が設けられている。ケーシング40の上部は、インナーハウジング2の上部壁に取り付けられている。
【0037】
ケーシング40は、この例では、インナーハウジング2と同様に、表面が光沢を有する黒色をなす。すなわち、ケーシング40は、黒色の樹脂部材の表面を鏡面仕上げしたものである。なお、ケーシング40の光沢を有する黒色の表面は、少なくとも、灯具ユニット空間23に向き合う面であれば良い。また、ケーシング40の表面は、光沢を有する黒色以外の色であっても良い。
【0038】
ケーシング40の上部の内面には、基板41の上面が固定されている。基板41の下面には、励起光源42の上面が実装されている。これにより、励起光源42は、基板41およびケーシング40を介してインナーハウジング2の上部に取り付けられている。
【0039】
励起光源42は、この例では、青色LEDである。励起光源42の下面は、光出射面である。励起光源42は、主波長が約350nmから約500nmまでの範囲の励起光L1(
図1中の破線を参照)を、光出射面から下側にランバーシアン状(放射状)に出射する。なお、励起光源42としては、青色LED以外の光源、たとえば、LD(半導体レーザー)などを使用しても良い。また、励起光L1は、この例では、主波長が約450nmの青色光である。
【0040】
励起光源42の点灯時において、励起光源42で発生する熱は、基板41を介してヒートシンクとしてのケーシング40に伝達される。ケーシング40に伝達された熱は、ケーシング40から外部に放出され、あるいは、ケーシング40からインナーハウジング2に伝達されてインナーハウジング2から外部に放出され、さらに、インナーハウジング2からアウターハウジング101に伝達されてアウターハウジング101から外部に放出される。
【0041】
ケーシング40の開口部400の内側の縁には、励起光制御部材としてのレンズ部材43の外側の縁が固定されている。レンズ部材43は、励起光源42の下側と光変換ユニット5の光変換パネル50の上側との間に配置されている。レンズ部材43は、励起光源42の下面の光出射面および光変換パネル50の上面に向き合っている。レンズ部材43は、励起光源42からの励起光L1を光変換パネル50に平行にかつ均一に照射させる。これにより、光変換パネル50には、励起光源42からの励起光L1が、レンズ部材43を介して均一の照度で照射される。
【0042】
レンズ部材43は、上面の入射面と下面の出射面とを有し、この入射面または出射面の少なくともいずれか一方の面は、励起光源42からの励起光L1を光変換パネル50に平行にかつ均一に照射させるように制御する、制御面を構成する。すなわち、レンズ部材43の入射面または出射面の少なくともいずれか一方の面は、励起光源42からの励起光L1を入射して平行光の励起光L1を出射する。なお、レンズ部材43の出射面に、平行な出射光の励起光L1を拡散させる微小凹凸面(プリズム面)を、設けても良い。
【0043】
(光変換ユニット5の説明)
光変換ユニット5は、この例では、灯具ユニット空間23内のインナーハウジング2側でかつ中間部であって、励起光照射ユニット4のレンズ部材43の下側に配置されている。光変換ユニット5は、この実施形態にかかる車両用光変換パネルとしての光変換パネル50(以下、「光変換パネル50」と称する)と、ステーなどの配置部材51と、を有する。光変換パネル50の背面の中央部には、配置部材51の一端が固定されている。配置部材51の他端は、インナーハウジング2に取り付けられている。これにより、光変換パネル50は、配置部材51を介して、インナーハウジング2に取り付けられていて、灯具ユニット空間23内に、励起光源42よりも下方に配置されている。また、光変換パネル50は、インナーレンズ3およびアウターレンズ102と同様に、上から下にかけて、灯具ユニット空間23の内側から外側(正面方向側)に傾斜している。さらに、光変換パネル50は、励起光源42と鋭角(約45°)で向き合っていて、インナーレンズ3とほぼ平行に向き合っている。
【0044】
光変換パネル50は、励起光照射ユニット4から照射された励起光L1により2次光L2(
図1中の実線矢印を参照)を出射する。光変換パネル50は、少なくとも、基板(支持基板)52と、光変換層としての発光層53と、封止部材と、を有する。発光層53は、基板52の一面に形成されている。封止部材によって、発光層53を覆って保護することが好ましく、発光層53は、有機発光材料、または、無機発光材料のいずれでも良い。すなわち、発光層53の材料は、有機蛍光体材料、有機燐光体材料または無機蛍光体材料のうち、少なくとも1つからなる。
【0045】
発光層53は、励起光L1により、励起して2次光L2を出射する。これにより、発光層53の表面(基板52に設けられている面に対して反対側の面)は、面発光する。ここで、発光層53の膜厚により、2次光L2の強弱を調整することができる。発光層53の膜厚を厚くすると、2次光L2を強く調整することができ、反対に、発光層53の膜厚を薄くすると、2次光L2を弱く調整することができる。
【0046】
2次光L2は、この例では、赤色光である。赤色光の主波長は、約500nmよりも長い約650nmである。このように、2次光L2の主波長は、約500nmよりも長く、励起光L1の主波長約450nmよりも長い。なお、この例における2次光L2は、テールランプ用の赤色光である。赤色光は、テールランプ以外に、ストップランプやテール・ストップランプに使用される。なお、2次光L2は、赤色光以外の色の光、たとえば、黄橙色光であっても良い。2次光L2が黄橙色光の場合においては、車両用灯具として、ターンシグナルランプが使用される。
【0047】
(第1発光面S1、無発光面D、第2発光面S2の説明)
基板52は、
図2から
図4に示すように、発光層53が設けられている第1発光部54および複数の第2発光部56と、発光層53が設けられていない第1非発光部55および第2非発光部57と、を有する。複数の第2発光部56は、第1発光部54よりも微細である。また、第2非発光部57は、第1非発光部55よりも微細である。複数の第2発光部56は、第2非発光部57を挟んで隣り合う。第1非発光部55および第2非発光部57は、以下のようにして形成される。すなわち、所定のデザイン(ラインアンドスペース)の第1非発光部55および第2非発光部57を形成するデザインマスク層を基板52に成層し、基板52のデザインマスク層が無い部分に発光層53の材料を成層し、基板52からデザインマスク層を取り除いて、発光層53の材料を焼結する(焼き固める)ことにより、所定のデザイン(ラインアンドスペース)の第1非発光部55および第2非発光部57が形成される。
【0048】
第1発光部54は、2次光L2を出射して一つの発光面この例では第1発光面S1として見える。第1発光部54は、第1発光面S1を形成する。第1非発光部55は、無発光面(暗部面)Dとして見える。第1非発光部55は、無発光面Dを形成する。第2非発光部57を挟んで隣り合う複数の第2発光部56は、それぞれ、2次光L2を出射して一つの発光面この例では第2発光面S2として見える。複数の第2発光部56および第2非発光部57は、一つの第2発光面S2を形成する。
【0049】
第1発光部54の第1発光面S1、第1非発光部55の無発光面D、複数の第2発光部56および第2非発光部57の第2発光面S2は、
図3に示すように、曲線をモチーフとしたデザイン(意匠)が施されている。なお、
図3に示すデザインは、1例であって、光と影、明と暗、明るさの変化(グラデーション)などが織りなすデザインは、
図3に示すデザインのほか、無限にある。また、
図3中の第1発光面S1および第2発光面S2において、白色部分は、高輝度部分を示し、灰色部分は、中輝度部分を示し、黒色部分は、低輝度部分を示す。白色部分から灰色部分を経て黒色部分に行くに従って、輝度が高輝度から中輝度を経て低輝度となる。
【0050】
以下、
図3に示すデザインについて説明する。右端から中央にかけて、第1発光面S1、無発光面D、第2発光面S2、無発光面D、第1発光面S1、無発光面D、第2発光面S2、無発光面D、第1発光面S1が形成されている。中央において、2本の無発光面Dを挟んだ3本の発光面(第2発光面S2、第1発光面S1、第2発光面S2)が、その幅が右側から左側に行くに従って徐々に狭まって、1本の発光面(第1発光面S1)に変化する。ここで、第2発光面S2および第2発光面S2の明るさは、右側から左側に行くに従って、徐々に明るくなるように、変化(グラデーション)している。また、2本の無発光面Dの幅は、右側から左側に行くに従って徐々に狭まって0となっている。中央から左端にかけて、第1発光面S1、無発光面D、第1発光面S1、無発光面D、第1発光面S1が形成されている。
【0051】
(第2発光部56、第2非発光部57の説明)
第2発光部56および第2非発光部57は、
図2および
図4に示す例では、ラインアンドスペースである。第2発光部56の幅T1は、約0.1μmから約1000μmであり、の第2非発光部57の幅T2は、約0.1μmから約1000μmである。
【0052】
第2発光部56は、2次光L2を出射して外観上一つの第2発光面S2として見える。第2発光部56および第2非発光部57は、第2発光面S2を形成する。第2非発光部57を挟んで隣り合う第2発光部56は、2次光L2を出射して外観上一つの第2発光面S2として見える。第2発光部56および第2非発光部57は、第2発光面S2を形成する。
【0053】
ここで、第2非発光部57の幅は、
図2および
図4に示すように、中央において、右側から左側に行くに従って、徐々に狭くなって0となっている。これにより、第2発光部56からなる第2発光面S2の幅は、右側から左側に行くに従って、徐々に狭くなる。また、第2発光面S2の明るさは、
図3に示すように、右側から左側に行くに従って、徐々に明るくなるように変化している。
【0054】
なお、第1発光面S1の第1発光部54と第2発光面S2の第2発光部56との間の第1非発光部55の幅T3(
図4を参照)は、約0.5mmよりも大きい。この結果、第1発光面S1と第2発光面S2との間の第1非発光部55は、基板52の無発光面Dを形成する。
【0055】
外観上一つの発光面すなわち第2発光面S2として見えるラインアンドスペースの第2発光部56および第2非発光部57の幅T1、T2寸法、および、外観上基板52の無発光面Dとして見える第1発光面S1の第1発光部54(発光層53)と第2発光面S2の第2発光部56(発光層53)との間の幅T3寸法は、
図5に示すように、先行車両FVの車両用灯具100から後続車両BVの人(図示せず)の視点Pまでの間の距離T、第2発光部56および第1発光部54の明るさ、周囲の環境の明るさ、後続車両BVの人の年齢などの条件により、変わる。
【0056】
(実施形態の作用の説明)
この実施形態にかかる光変換パネル50、テールランプユニット1、車両用灯具100は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0057】
励起光源42が消灯状態の時は、車両用灯具100のアウターレンズ102から光が出射されず、車両用灯具100のアウターレンズ102において光のデザインを視認することができない。
【0058】
励起光源42が点灯されると、
図1に示すように、励起光源42の光出射面から励起光L1が出射する。この励起光L1は、レンズ部材43の入射面からレンズ部材43中に入射してレンズ部材43の出射面から平行光として制御されて出射する。平行光として制御された励起光L1は、光変換ユニット5の光変換パネル50に均一に(均一の照度で)照射される。
【0059】
光変換パネル50に励起光L1が平行にかつ均一に照射されると、光変換パネル50の発光層53が励起光L1を2次光L2に変換してこの2次光L2を出射する。発光層53から出射された2次光L2は、
図1に示すように、インナーレンズ3およびアウターレンズ102の光軸Zに沿って所定の配光パターン、この例では、テールランプの配光パターンとしてインナーレンズ3およびアウターレンズ102を経て外部に出射する。
【0060】
この時、背面方向から車両用灯具100を見ると、
図3に示す光のデザインの第1発光面S1、第2発光面S2、無発光面Dを視認することができる。第1発光部54の発光層53から出射された2次光は、第1発光面S1として、最も明るく見える。また、第2発光部56の発光層53から出射された2次光L2は、第2発光面S2として、第1発光面S1に次いで明るく見える。さらに、第1発光面S1と第2発光面S2との間、および、第1発光面S1と第1発光面S1との間には、基板52の無発光面Dが暗く見える。
【0061】
第2発光面S2は、前記の通り、右側から左側に行くに従って、徐々に明るく変化している。また、第1発光面S1と第2発光面S2との間の無発光面D、および、第1発光面S1と第2発光面S2との間の無発光面Dは、前記の通り、右側から左側に行くに従って、徐々に狭くなって0となっている。この結果、第1発光面S1と第2発光面S2と無発光面Dとは、前記の通り、右側から左側に行くに従って、1本の第1発光面S1となる。
【0062】
(実施形態の効果の説明)
この実施形態にかかる光変換パネル50、テールランプユニット1、車両用灯具100は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0063】
この実施形態にかかる光変換パネル50は、基板52と、基板52に設けた発光層53と、を備え、基板52には、発光層53が微細に設けられている複数の第2発光部56と、発光層53が設けられていない第2非発光部57とが、形成されていて、第2非発光部57を挟んで隣り合う複数の第2発光部56が、それぞれ、2次光L2を出射して一つの発光面この例では第2発光面S2として見える。光変換パネル50は、第2発光面S2において、単位面積当たりの第2発光部56の密度を調整することにより、単位面積当たりの2次光L2の光束量を調整することができて明暗を調整することができる。これにより、この実施形態にかかる光変換パネル50は、発光層53に照射する励起光L1に強弱をつけることなく、第2発光面S2のデザインのバリエーションを増大させることができる。
【0064】
この実施形態にかかる光変換パネル50は、複数の第2発光部56および第2非発光部57がラインアンドスペースであり、の第2発光部56の幅T1が約0.1μmから約1000μmであり、の第2非発光部57の幅T2が約0.1μmから約1000μmである、ものである。この結果、この実施形態にかかる光変換パネル50は、第2発光部56の幅T1、または、第2非発光部57の幅T2のうち少なくともいずれか一方を調整することにより、発光層53に照射する励起光L1に強弱をつけることなく、第2発光面S2のデザインのバリエーションを増大させることができる。
【0065】
この実施形態にかかるテールランプユニット1は、この実施形態にかかる光変換パネル50を備えるものであるから、この実施形態にかかる光変換パネル50と同様の効果を達成することができる。
【0066】
また、この実施形態にかかるテールランプユニット1は、励起光源42と車両用光変換パネル50との間に、励起光L1を車両用光変換パネル50に平行に均一に照射させる励起光制御部材としてのレンズ部材43を、配置したものである。この結果、この実施形態にかかるテールランプユニット1は、複数の第2発光部56および第2非発光部57に、励起光L1を平行に均一に(均一の照度で)照射させることができるので、第2発光部56の幅T1、または、第2非発光部57の幅T2のうち少なくともいずれか一方を調整することにより、励起光L1に強弱をつけることなく、第2発光面S2のデザインのバリエーションを増大させることができる。
【0067】
この実施形態にかかるテールランプユニット1は、励起光L1が青色光であり、2次光L2が赤色光であり、インナーレンズ3が赤レンズである。赤レンズのインナーレンズ3により、励起光L1が灯具ユニット空間23内から外部に出射するのを遮断することができるので、2次光L2による所定のテールランプの配光パターンが車両用法規を満足することができる。また、この実施形態にかかるテールランプユニット1は、赤レンズのインナーレンズ3により、励起光L1が外部から灯具ユニット空間23内に入射するのを遮断することができるので、励起光源42の消灯時において、外部の励起光L1によって、光変換パネル50の第1発光面S1、第2発光面S2が誤発光するのを防ぐことができる。
【0068】
また、この実施形態にかかる車両用灯具100は、この実施形態にかかるテールランプユニット1(この実施形態にかかる光変換パネル50)を備えるものであるから、この実施形態にかかるテールランプユニット1(この実施形態にかかる光変換パネル50)と同様の効果を達成することができる。
【0069】
(第2発光部56Aおよび第2非発光部57Aの変形例1)
以下、第2発光部56Aおよび第2非発光部57Aの変形例1を、
図6を参照して説明する。
図6中、
図1から
図5と同符号は、同一のものを示す。
【0070】
前記の実施形態1の第2発光部56および第2非発光部57は、
図2および
図4に示すように、第2発光部56の幅T1を一定にして、第2非発光部57の幅T2を徐々に狭めて最終的に0とすることにより、第2発光面S2において、明るさを徐々に変化させるものである。
【0071】
これに対して、この変形例1の第2発光部56Aおよび第2非発光部57Aは、第2発光部56の幅を左側から右側に行くに従って徐々に大きくして最終的に第1発光部54とし、第2非発光部57の幅を左側から右側に行くに従って徐々に狭めて最終的に0とすることにより、第2発光面S2において、明るさを徐々に変化させるものである。
【0072】
この変形例1の第2発光部56Aおよび第2非発光部57Aは、以上の如き構成からなるものであるから、前記の実施形態1の第2発光部56および第2非発光部57と同様の作用、効果を達成することができる。
【0073】
(第2発光部56Bおよび第2非発光部57Bの変形例2)
以下、第2発光部56Bおよび第2非発光部57Bの変形例2を、
図7を参照して説明する。
図7中、
図1から
図6と同符号は、同一のものを示す。
【0074】
前記の実施形態、変形例1の第2発光部56、56Aおよび第2非発光部57、57Aは、
図2、
図4、
図5に示すように、ラインアンドスペースである。これに対して、この変形例2の第2発光部56Bは、複数(多数)の円形のドットであり、この変形例2の第2非発光部57Bは、複数の第2発光部56Bの間に形成されている。
【0075】
第2発光部56Bの径(直径)T4は、約0.1μmから約1000μmである。隣り合う第2発光部56Bの間の最短距離T5は、約0.1μmから約1000μmである。第2発光部56Bの径T4は、一定であり、隣り合う第2発光部56Bの間の最短距離T5は、上側から下側に行くに従って徐々に小さくして最終的に0とすることにより、第2発光面S2において、明るさを徐々に変化させるものである。
【0076】
(第2発光部56Cおよび第2非発光部57Cの変形例3)
以下、第2発光部56Cおよび第2非発光部57Cの変形例3を、
図8を参照して説明する。
図8中、
図1から
図7と同符号は、同一のものを示す。
【0077】
前記の変形例2の第2発光部56Bおよび第2非発光部57Bは、
図7に示すように、隣り合う第2発光部56Bの間の最短距離T5を、上側から下側に行くに従って徐々に小さくなり最終的に0とするものである。これに対して、この変形例3の第2発光部56Cおよび第2非発光部57Cは、
図8に示すように、隣り合う第2発光部56Bの間の最短距離T5を、左側から右側に行くに従って徐々に小さくして最終的に0とすることにより、第2発光面S2において、明るさを徐々に変化させるものである。
【0078】
(第2発光部56Dおよび第2非発光部57Dの変形例4)
以下、第2発光部56Dおよび第2非発光部57Dの変形例4を、
図9を参照して説明する。
図9中、
図1から
図8と同符号は、同一のものを示す。
【0079】
前記の変形例2、3の第2発光部56B、56Cおよび第2非発光部57B、57Cは、
図7、
図8に示すように、第2発光部56B、56Cの径T4を一定にし、隣り合う第2発光部56B、56Cの間の最短距離T5を変化させるものである。これに対して、この変形例4の第2発光部56Dおよび第2非発光部57Dは、
図9に示すように、第2発光部56Dの径T4を上側から下側に行くに従って徐々に大きくし、隣り合う第2発光部56Dの間の最短距離T5を上側から下側に行くに従って徐々に小さくして最終的に0とすることにより、第2発光面S2において、明るさを徐々に変化させるものである。
【0080】
(第2発光部56Eおよび第2非発光部57Eの変形例5)
以下、第2発光部56Eおよび第2非発光部57Eの変形例5を、
図10を参照して説明する。
図10中、
図1から
図9と同符号は、同一のものを示す。
【0081】
前記の変形例4の第2発光部56Dおよび第2非発光部57Dは、
図9に示すように、第2発光部56Dの径T4を上側から下側に行くに従って徐々に大きくし、隣り合う第2発光部56Dの間の最短距離T5を上側から下側に行くに従って徐々に小さくして最終的に0とするものである。これに対して、この変形例5の第2発光部56Eおよび第2非発光部57Eは、
図10に示すように、第2発光部56Eの径T4を左側から右側に行くに従って徐々に大きくし、隣り合う第2発光部56Eの間の最短距離T5を左側から右側に行くに従って徐々に小さくして最終的に0とすることにより、第2発光面S2において、明るさを徐々に変化させるものである。
【0082】
(変形例2-5の第2発光部56B-Eおよび第2非発光部57B-Eの作用、効果)
この変形例2-5の第2発光部56B-Eおよび第2非発光部57B-Eは、以上の如き構成からなるものであるから、前記の実施形態1の第2発光部56および第2非発光部57と同様の作用、効果を達成することができる。
【0083】
(実施形態、変形例以外の例の説明)
なお、前記の実施形態、変形例においては、車両用灯具ユニット1、車両用灯具100がリアコンビネーションランプを構成するテールランプである例について説明するものである。しかしながら、この発明においては、車両用灯具ユニット1、車両用灯具100がテールランプ以外のストップランプ、テール・ストップランプまたはターンシグナルランプであっても良い。ストップランプ、テール・ストップランプの場合において、2次光L2は、赤色光であり、ターンシグナルランプ場合において、2次光L2は、黄橙色光となる。
【0084】
また、前記の実施形態、変形例においては、励起光制御部材として、レンズ部材43を使用するものである。しかしながら、この発明においては、励起光制御部材として、前記のレンズ部材43以外、たとえば、リフレクタ、あるいは、リフレクタとレンズ部材とを組み合わせたものを使用しても良い。また、入射面、出射面、全反射面を有する導光部材(導光板、導光棒)などを使用しても良い。要するに、励起光源42からの励起光L1を制御して光変換パネル50に平行に均一に照射する部材であれば良い。
【0085】
さらに、前記の実施形態、変形例においては、第1発光部54を設けて第1発光面S1を形成するものである。しかしながら、この発明においては、第1発光部54を設けずに第1発光面S1を形成しないものであっても良い。
【0086】
さらにまた、前記の実施形態、変形例においては、第1非発光部55を設けて無発光面Dを形成するものである。しかしながら、この発明においては、第1非発光部55を設けずに無発光面Dを形成しないものであっても良い。
【0087】
なお、この発明は、前記の実施形態、変形例により限定されるものではない。
【符号の説明】
【0088】
100 車両用灯具
101 アウターハウジング
102 アウターレンズ
103 灯具空間
1 テールランプユニット(車両用灯具ユニット)
2 インナーハウジング(ランプハウジング)
3 インナーレンズ(ランプレンズ)
23 灯具ユニット空間(灯室)
4 励起光照射ユニット
40 ケーシング
400 開口部
41 基板
42 励起光源
43 レンズ部材(励起光制御部材)
5 光変換ユニット
50 光変換パネル(車両用光変換パネル)
51 配置部材
52 基板
53 発光層
54 第1発光部
55 第1非発光部
56 第2発光部
57 第2非発光部
BV 後続車両
D 無発光面
FV 先行車両
L1 励起光
L2 2次光
P 視点
S1 第1発光面
S2 第2発光面
T1 ラインの第2発光部56の幅寸法
T2 スペースの第2非発光部57の幅寸法
T3 無発光面Dの幅寸法
T4 第2発光部56B、56C、56D56Eの径
T5 隣り合う第2発光部56B、56C、56D、56Eの間の最短距離
Z 光軸