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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025384
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】自動倉庫
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/06 20060101AFI20240216BHJP
   B65G 1/04 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
B65G1/06 M
B65G1/04 555A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022128769
(22)【出願日】2022-08-12
(71)【出願人】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100123630
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 誠
(72)【発明者】
【氏名】辰馬 康俊
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022CC03
3F022FF16
3F022KK02
3F022KK14
(57)【要約】
【課題】シンプルな装置構造、制御により、ラックの奥行き方向に複数の荷物を並べて保管することができる自動倉庫を提供する。
【解決手段】本発明は自動倉庫(1)であって、複数の荷物を奥行き方向に並べて保管可能なラック(2a, 2b)と、入出庫台車(4)と、入出庫台車とラックとの間で荷物を移動させる移載装置(6)と、コントローラ(12)と、を有し、移載装置は、2本のアーム(24)と、互いに接近する方向に突出可能なフック(26a, 26b)と、を有し、移載装置はフックを荷物に係合させた状態で各アームを移動させることにより荷物を移動させ、コントローラは、既に荷物が保管されている保管場所に、更なる荷物を移載する場合には、既に保管されていた荷物を、入出庫台車からラックに移動させる荷物によって押し込むことにより、複数の荷物がラックの奥行き方向に並べて保管されるように、移載装置を制御することを特徴としている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物を自動的に入庫及び出庫することができる自動倉庫であって、
1つの保管場所に複数の荷物を奥行き方向に並べて保管可能なラックと、
このラックの長さ方向に沿って走行可能な入出庫台車と、
この入出庫台車に備えられ、上記入出庫台車と上記ラックとの間で荷物を移動させる移載装置と、
上記入出庫台車及び上記移載装置を制御するコントローラと、
を有し、
上記移載装置は、上記ラックに向けて進退可能な2本のアームと、これらのアームに夫々設けられ、互いに接近する方向に突出可能なフックと、を有し、
上記移載装置は、各アームから夫々突出したフックを荷物の移動方向の後端に係合させた状態で、各アームを移動させることにより荷物を移動させるように構成され、
上記コントローラは、上記ラックの既に荷物が保管されている保管場所に、上記入出庫台車から更なる荷物を移載する場合には、上記ラックに既に保管されていた荷物を、上記入出庫台車から上記ラックに移動させる荷物によって押し込むことにより、複数の荷物が上記ラックの奥行き方向に並べて保管されるように、上記移載装置を制御することを特徴とする自動倉庫。
【請求項2】
上記コントローラは、上記ラックの、複数の荷物が保管されている保管場所から、荷物を上記入出庫台車に移載する場合には、その保管場所の最も奥側に保管されている荷物の後端に上記移載装置のフックを係合させ、複数の荷物を一時に上記ラックから上記入出庫台車へ移動させるように、上記移載装置を制御する請求項1記載の自動倉庫。
【請求項3】
さらに、上記アームの先端部に設けられた荷物センサを備え、上記コントローラは、既に荷物が保管されている保管場所に、上記入出庫台車から更なる荷物を移載する場合において、上記入出庫台車から移載される荷物が、既に保管されている荷物に対して所定距離以内に接近しても、依然として上記荷物センサによって荷物が検出されている場合には、上記移載装置を停止させる請求項1又は2に記載の自動倉庫。
【請求項4】
上記コントローラは、上記ラックの既に荷物が保管されている保管場所に、上記入出庫台車から更なる荷物を移載する場合において、
上記入出庫台車から上記ラックに移動させる荷物によって上記ラックに既に保管されていた荷物を所定位置まで押し込み、
上記アームを上記入出庫台車の方へ後退させ、
上記アームを互いに接近させることにより、上記入出庫台車から上記ラックに移動された荷物を上記アームの間に挟み、
上記アームを所定距離後退させて、上記ラックに既に保管されていた荷物と上記入出庫台車から上記ラックに移動された荷物の間に間隔を形成するように、上記移載装置を制御する請求項1又は2に記載の自動倉庫。
【請求項5】
上記コントローラは、上記ラックの既に荷物が保管されている保管場所に、更なる荷物を移載する場合には、上記更なる荷物と出荷先が同じ荷物が保管されている保管場所を優先的に選択して、上記更なる荷物を移載する請求項1又は2に記載の自動倉庫。
【請求項6】
上記コントローラは、上記入出庫台車から上記ラックに移動させるべき荷物と出荷先が同じ荷物が上記ラックに保管されていない場合には、荷物が保管されていない保管場所を選択して、その保管場所に荷物を移載する請求項1又は2に記載の自動倉庫。
【請求項7】
上記ラックには、出庫順が先の先出荷物、及び出庫順が後の後出荷物が保管されると共に、上記ラックとして、2つの荷物を奥行き方向に並べて保管可能な、上記入出庫台車の両側に対向して配置された第1のラック及び第2のラックが備えられ、
上記コントローラは、荷物が保管されていない保管場所に荷物を移載する場合には、移載すべき荷物が上記先出荷物であるときは上記第1のラックを選択し、上記後出荷物であるときは上記第2のラックを選択して荷物を移載し、
上記コントローラは、荷物が既に保管されている保管場所に更なる荷物を移載する場合には、移載すべき荷物が上記先出荷物であるときは上記第2のラックを選択し、上記後出荷物であるときは上記第1のラックを選択して荷物を移載する請求項1又は2に記載の自動倉庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動倉庫に関し、特に、荷物を自動的に入庫及び出庫することができる自動倉庫に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2012-153482号公報(特許文献1)には、移載装置が記載されている。この移載装置は、スタッカクレーンとラックとの間で荷物を移載するように構成されており、ラックには、荷物を奥行き方向に2列に並べて保管することができる。具体的には、移載装置は、移載すべき荷物の両側に夫々配置される第1、第2伸縮部と、これら伸縮部に夫々設けられた前フック、後フックを備えている。そして、既に荷物が1つ載置されているラックの収納棚に、2つ目の荷物を収納する場合には、2つ目の荷物を後フックに係合させた状態で、第1、第2伸縮部を収納棚に向けて伸長させる。これにより、2つ目の荷物が収納棚に向けて移動されると同時に、収納棚に載置されていた荷物は、第1、第2伸縮部の前フックと係合して押され、収納棚の奥に移動される。このように、特許文献1記載の移載装置では、収納棚に載置されていた荷物を、前フックと係合させて収納棚の奥側に移動させ、ラックの奥行き方向に2列に並べて荷物を保管することを可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-153482号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の移載装置では、ラックの奥行き方向に2列に並べて荷物を載置するために、特別な構造の装置や、複雑な制御を必要とするという問題がある。
【0005】
従って、本発明は、シンプルな装置構造、制御により、ラックの奥行き方向に複数の荷物を並べて保管することができる自動倉庫を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明は、荷物を自動的に入庫及び出庫することができる自動倉庫であって、1つの保管場所に複数の荷物を奥行き方向に並べて保管可能なラックと、このラックの長さ方向に沿って走行可能な入出庫台車と、この入出庫台車に備えられ、入出庫台車とラックとの間で荷物を移動させる移載装置と、入出庫台車及び移載装置を制御するコントローラと、を有し、移載装置は、ラックに向けて進退可能な2本のアームと、これらのアームに夫々設けられ、互いに接近する方向に突出可能なフックと、を有し、移載装置は、各アームから夫々突出したフックを荷物の移動方向の後端に係合させた状態で、各アームを移動させることにより荷物を移動させるように構成され、コントローラは、ラックの既に荷物が保管されている保管場所に、入出庫台車から更なる荷物を移載する場合には、ラックに既に保管されていた荷物を、入出庫台車からラックに移動させる荷物によって押し込むことにより、複数の荷物がラックの奥行き方向に並べて保管されるように、移載装置を制御することを特徴としている。
【0007】
このように構成された本発明においては、入出庫台車に備えられた移載装置により、入出庫台車とラックとの間で荷物が移動される。コントローラは、ラックの既に荷物が保管されている保管場所に、入出庫台車から更なる荷物を移載する場合には、既に保管されていた荷物を、入出庫台車からラックに移動させる荷物によって押し込むように移載装置を制御する。
【0008】
このように構成された本発明によれば、入出庫台車からラックに移動させる荷物によって、既に保管されていた荷物を押し込み、これにより、複数の荷物をラックの奥行き方向に並べて保管することが可能になる。この結果、複雑な構成や制御を必要とすることなく、シンプルな装置構造、制御により、ラックの奥行き方向に複数の荷物を並べて保管することができる。
【0009】
本発明において、好ましくは、コントローラは、ラックの、複数の荷物が保管されている保管場所から、荷物を入出庫台車に移載する場合には、その保管場所の最も奥側に保管されている荷物の後端に移載装置のフックを係合させ、複数の荷物を一時にラックから入出庫台車へ移動させるように、移載装置を制御する。
【0010】
このように構成された本発明によれば、複数の荷物が保管されている保管場所から、荷物を入出庫台車に移載する場合には、その保管場所の最も奥側に保管されている荷物の後端に移載装置のフックを係合させ、複数の荷物を一時にラックから入出庫台車へ移動させる。このため、保管場所に荷物が1つ保管されている場合と同様の動作で、ラックから入出庫台車へ荷物を移動させることができ、シンプルな制御で、奥行き方向に複数の荷物が保管されている保管場所から荷物を移載することができる。
【0011】
本発明において、好ましくは、さらに、アームの先端部に設けられた荷物センサを備え、コントローラは、既に荷物が保管されている保管場所に、入出庫台車から更なる荷物を移載する場合において、入出庫台車から移載される荷物が、既に保管されている荷物に対して所定距離以内に接近しても、依然として荷物センサによって荷物が検出されている場合には、移載装置を停止させる。
【0012】
アームの先端部に荷物センサが設けられており、この荷物センサが、入出庫台車から移載される荷物が既に保管されている荷物に対して所定距離以内に接近した状態でも、依然として荷物センサによって荷物が検出されている場合、移載される荷物によって押し込もうとしている荷物よりも奥側にも、荷物が存在することとなる。この場合、移載される荷物によって既に保管されている荷物を押し込むと、その奥側に保管されていた荷物が破損したり、落下したりする虞がある。上記のように構成された本発明によれば、移載される荷物が所定距離以内に接近した状態でも、依然として荷物センサによって荷物が検出されている場合において、移載装置が停止されるので、荷物の破損や、落下を防止することができる。
【0013】
本発明において、好ましくは、コントローラは、ラックの既に荷物が保管されている保管場所に、入出庫台車から更なる荷物を移載する場合において、入出庫台車からラックに移動させる荷物によってラックに既に保管されていた荷物を所定位置まで押し込み、アームを入出庫台車の方へ後退させ、アームを互いに接近させることにより、入出庫台車からラックに移動された荷物をアームの間に挟み、アームを所定距離後退させて、ラックに既に保管されていた荷物と入出庫台車からラックに移動された荷物の間に間隔を形成するように、移載装置を制御する。
【0014】
このように構成された本発明によれば、ラックに既に保管されていた荷物と入出庫台車からラックに移動された荷物の間に間隔が形成されるので、ラックの手前側に保管されている荷物のみを入出庫台車に移載することも、容易に実現することが可能になる。
【0015】
本発明において、好ましくは、コントローラは、ラックの既に荷物が保管されている保管場所に、更なる荷物を移載する場合には、更なる荷物と出荷先が同じ荷物が保管されている保管場所を優先的に選択して、更なる荷物を移載する。
【0016】
このように構成された本発明によれば、更なる荷物と出荷先が同じ荷物が保管されている保管場所が優先的に選択されるので、出荷先が同じ荷物がラックの奥行き方向に並べて保管される確率が高くなる。このため、出荷先が同じ荷物を一括して出庫できる確率が高くなり、ラックからの出庫処理の効率を向上させることができる。
【0017】
本発明において、好ましくは、コントローラは、入出庫台車からラックに移動させるべき荷物と出荷先が同じ荷物がラックに保管されていない場合には、荷物が保管されていない保管場所を選択して、その保管場所に荷物を移載する。
【0018】
このように構成された本発明によれば、出荷先が同じ荷物がラックに保管されていない場合には、荷物が保管されていない保管場所が選択されるので、出荷先が異なる荷物がラックの奥行き方向に並べて保管される確率が低くなる。この結果、同じ出荷先に出荷される荷物を、奥行き方向に並べられる確率が高くなり、ラックからの出庫処理の効率を向上させることができる。
【0019】
本発明において、好ましくは、ラックには、出庫順が先の先出荷物、及び出庫順が後の後出荷物が保管されると共に、ラックとして、2つの荷物を奥行き方向に並べて保管可能な、入出庫台車の両側に対向して配置された第1のラック及び第2のラックが備えられ、コントローラは、荷物が保管されていない保管場所に荷物を移載する場合には、移載すべき荷物が先出荷物であるときは第1のラックを選択し、後出荷物であるときは第2のラックを選択して荷物を移載し、コントローラは、荷物が既に保管されている保管場所に更なる荷物を移載する場合には、移載すべき荷物が先出荷物であるときは第2のラックを選択し、後出荷物であるときは第1のラックを選択して荷物を移載する。
【0020】
このように構成された本発明によれば、荷物が保管されていない保管場所に荷物を移載する場合には、先出荷物に対しては第1のラックが選択され、後出荷物に対しては第2のラックが選択され、荷物が既に保管されている保管場所に更なる荷物を移載する場合には、先出荷物に対しては第2のラックが選択され、後出荷物に対しては第1のラックが選択される。この結果、第1のラックには、先出荷物が奥側、後出荷物が手前側に保管され、これに対向して配置された第2のラックには、先出荷物が手前側、後出荷物が奥側に保管される。このため、ラックから入出庫台車に移載される荷物の並び順が、第1のラックから移載された場合も、第2のラックから移載された場合も同じになり、荷物を常に一定の順序で自動倉庫から送り出すことができる。これにより、出庫処理の効率を向上させることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の自動倉庫によれば、シンプルな装置構造、制御により、ラックの奥行き方向に複数の荷物を並べて保管することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の第1実施形態によるシャトル式の自動倉庫の概略構成を示す正面図である。
図2】本発明の第1実施形態によるシャトル式の自動倉庫の概略構成を示す平面図である。
図3】本発明の第1実施形態の自動倉庫に備えられている移載装置が設けられたシャトルの上面図である。
図4】本発明の第1実施形態の自動倉庫において、移載装置により、シャトルから第1のラックに荷物を移載する途中の状態を示す上面図である。
図5】本発明の第1実施形態の自動倉庫において、移載装置により、シャトルから第1のラックに荷物を移載し終わった状態を示す上面図である。
図6】本発明の第1実施形態の自動倉庫において、既に荷物が保管されている第2のラック上の保管場所に、更なる荷物を移載する途中の状態を示す図である。
図7】本発明の第1実施形態の自動倉庫において、既に荷物が保管されていた保管場所に、更なる荷物を移載し終わった状態を示す図である。
図8】本発明の第1実施形態の自動倉庫において、ラックに保管されている荷物をシャトルに移載する場合における移載装置の動作を示す図である。
図9】本発明の第1実施形態の自動倉庫において、ラックに保管されている荷物をシャトルに移載する場合における移載装置の動作を示す図である。
図10】本発明の第1実施形態の自動倉庫の一例を示す平面図である。
図11】本発明の第1実施形態の自動倉庫における、コントローラによる保管場所の選択手順を示すフローチャートである。
図12】本発明の第2実施形態の自動倉庫において、移載装置により、保管場所に2つ目の荷物を移載した後の状態を示す図である。
図13】本発明の第2実施形態の自動倉庫において、移載装置により、保管場所に2つ目の荷物を移載した後の状態を示す図である。
図14】本発明の第3実施形態によるスタッカクレーン式の自動倉庫の概略構成を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態による自動倉庫を説明する。
まず、図1乃至図11を参照して、本発明の第1実施形態による自動倉庫を説明する。図1は、本発明の第1実施形態によるシャトル式の自動倉庫の概略構成を示す正面図である。図2は、本発明の第1実施形態によるシャトル式の自動倉庫の概略構成を示す平面図である。
【0024】
図1及び図2に示すように、本発明の第1実施形態による自動倉庫1は、第1のラック2aと、これに対向して配置された第2のラック2bと、これらのラックの間に、ラックの長さ方向(図1図2におけるX方向)に沿って走行可能な入出庫台車であるシャトル4と、各シャトル4に夫々設けられた移載装置6と、を有する。さらに、自動倉庫1は、各ラックの両端に設けられた載置装置8a~8dと、これらの載置装置に載せられた荷物Cを昇降させる昇降装置10a~10dと、各シャトル4、移載装置6、各載置装置、及び各昇降装置を制御するコントローラ12と、を有する。
【0025】
第1のラック2a、第2のラック2bは、荷物Cを保管するための棚であり、本実施形態において、各ラックは、図1に示すように6段の棚段14を備えている。また、各ラックの各棚段14には、荷物Cを保管するための保管場所16がラックの長さ方向に沿って複数並べて設けられており、各保管場所16には、複数の荷物Cをラックの奥行き方向(図1図2におけるY方向)に並べて保管することができる。本実施形態において、各棚段14には、8つの保管場所16が設けられており、各保管場所16には、ラックの奥行き方向に2つの荷物Cを並べて保管することができる。
【0026】
シャトル4は、第1のラック2aと第2のラック2bの間を、ラックの長さ方向に沿って走行するように構成されている。また、シャトル4は、第1のラック2aと第2のラック2bの間に延びる一対のレール4aに沿って走行するように構成されており、ラックの各段毎に設けられている。そして、シャトル4は、各段のレール4aに1台ずつ配置されている。従って、本実施形態においては、6段の棚段14夫々に対応して合計6対のレール4aが設けられ、これらの各対のレール4a上に1台ずつ、合計6台のシャトル4が設けられている。また、図2に示すように、各レール4aは、第1のラック2a、第2のラック2bの両端に夫々配置された載置装置8a~8dを接続するように延びている。これにより、各シャトル4は、各ラックの各保管場所16と、各載置装置8a~8dとの間で荷物Cを搬送することができる。
【0027】
移載装置6は各シャトル4に設けられ、シャトル4と各ラックの保管場所16との間で荷物Cを移動させるように構成されている。また、本実施形態において、移載装置6は、シャトル4と各載置装置8a~8dとの間でも荷物Cを移動させるように構成されている。なお、移載装置6の構成、動作の詳細については後述する。
【0028】
載置装置8a~8dは、図2に示すように、第1のラック2a、第2のラック2bの両端に1基ずつ設けられている。即ち、第1のラック2aの一端部には載置装置8aが設けられ、他端部には載置装置8bが設けられている。さらに、第2のラック2bの一端部には載置装置8cが、他端部には載置装置8dが夫々設けられている。また、図1に示すように、各載置装置は、各ラックの各段に対応して設けられた複数のコンベアから構成されている。即ち、図1に示すように、本実施形態においては、1基の載置装置は、ラックの各段に対応して設けられた6つのコンベアから構成されている。
【0029】
載置装置に備えられた各コンベアは、昇降装置10a~10dとシャトル4との間で、荷物Cの中継を行うように構成されている。荷物Cを入庫する場合には、昇降装置から運ばれてきた荷物Cは、載置装置のコンベアに載せられ、所定の位置まで移動された後、シャトル4に移載される。また、荷物Cを出庫する場合には、保管場所16からシャトル4によって運ばれてきた荷物Cは、載置装置のコンベアに載せられ、所定の位置まで移動された後、昇降装置に移載される。
【0030】
図2に示すように、各昇降装置10a~10dは、各載置装置8a~8dに夫々隣接して配置され、荷物Cを昇降させるように構成されている。さらに、各昇降装置10a~10dに隣接して、出庫用コンベア、及び入庫用コンベアが夫々配置されている。即ち、昇降装置10aに隣接して出庫用コンベア18aが配置され、昇降装置10bに隣接して入庫用コンベア18bが配置されている。また、昇降装置10cに隣接して入庫用コンベア18cが配置され、昇降装置10dに隣接して出庫用コンベア18dが配置されている。さらに、出庫用コンベア18aにはメインラインコンベア20aが接続され、出庫用コンベア18dにはメインラインコンベア20bが接続されている。また、出庫用コンベア18aと入庫用コンベア18cの間には、戻しコンベア22aが設けられ、出庫用コンベア18dと入庫用コンベア18bの間には、戻しコンベア22bが設けられている。
【0031】
これにより、例えば、入庫用コンベア18cによって運ばれてきた荷物Cは昇降装置10cに移載され、その荷物Cを入庫すべき保管場所16のある段まで、昇降装置10cにより昇降される。目的とする段まで昇降された荷物Cは、昇降装置10cから載置装置8cのその段のコンベアに移載される。コンベアに移載された荷物Cは移載装置6によりシャトル4に移載され、シャトル4は目的とする保管場所16の前まで走行する。シャトル4が目的とする保管場所16に到達すると、荷物Cは、移載装置6により、ラックの保管場所16に移載される。同様に、入庫用コンベア18bによって運ばれてきた荷物Cも、昇降装置10b、載置装置8bを介して任意の保管場所16に保管することができる。
【0032】
一方、或る保管場所16に保管されている荷物Cを出庫する場合には、保管場所16から移載装置6により荷物Cをシャトル4に移載し、例えば、載置装置8dの前まで荷物Cを搬送する。ここで、移載装置6により荷物Cを載置装置8dのコンベアに移載し、このコンベアから昇降装置10dに荷物Cを移載する。昇降装置10dは、出庫用コンベア18dが設けられている高さまで荷物Cを昇降させた後、荷物Cを出庫用コンベア18dに送り出す。同様に、各保管場所16に保管されている荷物Cは、載置装置8a、昇降装置10aを介して出庫用コンベア18aへ送り出すことができる。
【0033】
出庫用コンベア18aへ送り出された荷物Cは、メインラインコンベア20aに送り込まれ、メインラインコンベア20aにより、作業員がピックアップ等の処理を行うピッキングステーション等(図示せず)に搬送される。同様に、出庫用コンベア18dへ送り出された荷物Cは、メインラインコンベア20cに送り込まれ、別の出庫ステーション等(図示せず)に搬送される。
【0034】
また、戻しコンベア22aは、出庫用コンベア18aによって搬送されている一部の荷物Cを、入庫用コンベア18cに搬送して戻すように構成されている。同様に、戻しコンベア22bは、出庫用コンベア18dによって搬送されている一部の荷物Cを、入庫用コンベア18bに搬送して戻すように構成されている。なお、戻しコンベア22a、22bの作用については後述する。
【0035】
コントローラ12は、各シャトル4、各移載装置6、各載置装置、各昇降装置に指令信号を送って、これらを制御し、入庫処理及び出庫処理を行うように構成されている。具体的には、コントローラ12は、マイクロプロセッサ、メモリ、インターフェイス回路、送受信器、及びこれらを作動させるソフトウェア等(以上、図示せず)により構成されている。本実施形態において、コントローラ12は、無線により各装置との間で信号を送受信しているが、有線で信号の送受信を行うように本発明を構成することもできる。
【0036】
次に、図3乃至図9を参照して、各シャトル4に備えられている移載装置6の構成及び作用を説明する。
図3は、移載装置6が設けられたシャトル4の上面図である。図4は、移載装置6により、シャトル4から第1のラック2aに荷物を移載する途中の状態を示す上面図である。図5は、移載装置6により、シャトル4から第1のラック2aに荷物を移載し終わった状態を示す上面図である。
【0037】
図3に示すように、移載装置6は、ラックに向けて進退可能な2本のアーム24と、これらのアーム24に夫々設けられ、互いに接近する方向に突出可能なフック26a、26bとを有する。各アーム24は、第1のラック2a、第2のラック2bの奥行き方向(図3におけるY方向)に延びるように向けられており、これらのアーム24の間のシャトル4上に荷物Cが積載される。なお、本実施形態において、自動倉庫1に保管される荷物C(を収容したコンテナ)は、大きさが規格化されており、取り扱われる荷物Cの幅(図3におけるX方向の長さ)はほぼ一定である。また、各アーム24は、ベースアーム24a及びトップアーム24bから構成されており、これらを互いにスライドさせることにより、アーム24を第1のラック2a、又は第2のラック2bに向けて進出させることができる(図4)。
【0038】
フック26a、26bは、トップアーム24bの両端に夫々設けられており、互いに接近する方向に突出可能に構成されている。なお、本実施形態において、トップアーム24bの一端に設けられたフック26aと、他端に設けられたフック26bの間の間隔は、取り扱う荷物C(を収容したコンテナ)の奥行(図3におけるY方向の長さ)の2倍よりも少し大きく構成されている。このため、フック26aとフック26bの間には、2つの荷物Cを奥行き方向(図3におけるY方向)に2つ並べて配置することができる。
【0039】
また、本実施形態において、フック26a、26bは、トップアーム24bの長手方向に延びるシャフト(図示せず)を中心として、トップアーム24bに対して回動可能に支持されている。そして、このシャフトを中心にフック26a、26bを回動させることにより、各フックを突出位置と、非突出位置に移動させることができる。
【0040】
突出位置にある状態では、対向して設けられたフックの先端が互いに接近するように突出し、この状態では、2本のアーム24の間に配置された荷物Cとフックが係合可能になる。一方、フックが非突出位置にある状態では、各フックは突出しておらず、各アーム24を進退させても、アーム24の間に配置された荷物Cとフックが係合することはない。
【0041】
さらに、各トップアーム24bの両端には、荷物センサ28が設けられている。一方のトップアーム24bに設けられた荷物センサ28は、対向して配置された他方のトップアーム24bに設けられた荷物センサ28に向けてレーザ光を射出するように構成されている。また、他方のトップアーム24bに設けられた荷物センサ28は、射出されたレーザ光を受光するように構成されている。このため、対向して配置された一方の荷物センサ28から射出されたレーザ光が、他方の荷物センサ28によって受光されるか否かにより、各荷物センサ28の間に荷物Cが存在するか否かを検知することができる。
【0042】
次に、図3において、シャトル4上に載置された荷物Cを、第1のラック2a上の保管場所16に移載する場合には、第1のラック2a側に設けられたフック26bを非突出位置とし、その反対側に設けられたフック26aを突出位置とする。この状態で、各アーム24を第1のラック2aに向けて進出させると、図4に示すように、各フック26aが、荷物Cの移動方向の後端(この場合にはEa)と係合して荷物Cが押され、第1のラック2aに向けて移動される。即ち、各フック26aの前面(各フック26aの移動方向に向けられた面)と荷物Cの後端Eaが接触(当接)することにより、荷物Cが押され、第1のラック2aに向けて移動される。ここで、シャトル4上の荷物Cの載置面の高さと、保管場所16が設けられた棚段14の高さは、ほぼ同じ高さにされている。このため、各フック26aによって押された荷物Cは、スライドしながらシャトル4上から棚段14の上に移動され、図5に示すように、シャトル4から第1のラック2aに移載される。また、シャトル4上から棚段14の上に荷物を移載し終わった後は、各アームを図3に示す状態まで後退させる。
【0043】
また、逆に、シャトル4上の荷物Cを、第2のラック2b上の保管場所16に移載する場合には、フック26bを突出位置とし、フック26aを非突出位置とする。この状態で各アーム24を第2のラック2bに向けて進出させることにより、各フック26bが荷物Cの移動方向の後端(この場合にはEb)と係合して、荷物Cが第2のラック2bに向けて移動され、第2のラック2b上の保管場所16に移載される。なお、上述したように、本実施形態において、第1、第2のラックには、奥行き方向に2列に荷物を保管することができるが、シャトル4からラックに移載された荷物Cは、常にラックの手前側(シャトル4に近い側)に移載される。
【0044】
次に、図6及び図7を参照して、ラックの既に荷物が保管されている保管場所に更なる荷物を移載する場合の作用を説明する。
図6は、既に荷物C1が保管されている第2のラック2b上の保管場所16に、更なる荷物C2を移載する途中の状態を示す図である。図7は、既に荷物C1が保管されていた保管場所16に、更なる荷物C2を移載し終わった状態を示す図である。
【0045】
シャトル4から荷物C2を第2のラック2b上の保管場所16に移載する場合には、フック26aを非突出位置とし、フック26bを突出位置とした状態で、アーム24を第2のラック2bの方へ進出させる。これにより、荷物C2の移動方向の後端(この場合にはE2b)とフック26bが係合し、荷物C2が第2のラック2bの方へ移動される。そして、荷物C2の移動方向の先端(この場合にはE2a)が保管場所16に進入すると、図6に示すように、荷物C2の先端E2aが、既に第2のラック2b上に保管されていた荷物C1の後端(この場合にはE1b)と当接する。
【0046】
ここで、図6に示すように、荷物C2の先端E2aと荷物C1の後端E1bが当接した状態では、各トップアーム24bの先端部は、荷物C1の先端E1aよりも奥側まで突出する。このため、各トップアーム24bの先端部に夫々設けられた荷物センサ28(フック26aに隣接して夫々設けられた荷物センサ28)も荷物C1の先端E1aよりも奥側に位置する。この状態では、対向して設けられた2つの荷物センサ28の間に障害物がなく、一方の荷物センサ28から射出されたレーザ光が他方の荷物センサ28によって受光される。これにより、既に保管場所16に保管されていた荷物C1よりも奥側(図6における下方)には荷物が存在しないことを確認することができる。
【0047】
仮に、荷物C2を移載しようとしている保管場所16に、既に荷物が2つ保管されていた場合には、荷物C2と荷物C1が十分に接近(当接)した状態(図6の状態)でも、依然として荷物センサ28によって荷物が検出される(対向する荷物センサ28の間に障害物が存在する)こととなる。このような場合には、荷物C2を更に移動させると、荷物を損傷したり、既に保管場所16に保管されていた荷物をラックから落下させる虞があるため、コントローラ12は移載装置6を異常停止させる。即ち、コントローラ12は、既に荷物が保管されている保管場所16に、シャトル4から更なる荷物を移載する場合において、シャトル4から移載される荷物が、既に保管されている荷物に対して所定距離以内に接近しても、依然として荷物センサ28によって荷物が検出されている場合には、移載装置6を停止させる。なお、荷物C1の奥側に荷物が存在しないことの確認は、移載しようとしている荷物C2と、保管されていた荷物C1が接触する直前に行うことが好ましい。
【0048】
また、上記のように各荷物センサ28は、それらの間に荷物(障害物)が存在するか否かを検知しているが、これに加えて、各トップアーム24bの先端部には前方の障害物を検知することができる前方荷物センサ(図示せず)も備えられている。即ち、前方荷物センサ(図示せず)は、アーム24の進出方向(図6のY方向)にレーザ光を射出するように構成されており、アーム24がラックに向けて進出する前方に荷物が(障害物)が存在するか否かを検知可能に構成されている。例えば、何らかの原因で保管場所16に保管されている荷物の位置がずれていると、ラックに向けて進出するアーム24の前方に荷物が位置する場合がある。このような場合に、そのままアーム24を進出させてしまうと、トップアーム24bの先端で荷物を奥行き方向に押してしまい、荷物を破損したり、ラックから落下させてしまう虞がある。コントローラ12は、進出するアーム24の前方に障害物が検知されると、移載装置6を異常停止させる。なお、保管場所16における荷物の位置ずれを防止するため、保管場所16に、荷物の位置ずれを防止するガイド(図示せず)を設けることもできる。
【0049】
続いて、図6の状態から、各アーム24を第2のラック2bの方へ更に進出させると、第2のラック2bに既に保管されていた荷物C1が、シャトル4から第2のラック2bに移動させる荷物C2によって押し込まれる。そして、図7に示すように、シャトル4から移載された荷物C2全体が、第2のラック2bの棚段14上に載置されるようになる。この状態では、保管場所16に既に保管されていた荷物C1が第2のラック2bの奥側(シャトル4から遠い側)に載置され、新たにシャトル4から移載された荷物C2が第2のラック2bの手前側(シャトル4に近い側)に載置される。また、図7に示すように、保管場所16には、荷物C1と荷物C2が互いに当接した状態で保管される。
【0050】
ここで、本実施形態において、シャトル4から第1のラック2a又は第2のラック2bへ荷物を移載する際の移載装置6自体の動作は、図3乃至図5に示した、荷物が保管されていない保管場所16に荷物Cを移載する場合も、図6及び図7に示した、荷物C1が保管されている保管場所16に荷物C2を移載する場合も同じである。
【0051】
次に、図8及び図9を参照して、ラックに保管されている荷物をシャトル4に移載する場合における移載装置6の動作を説明する。
例えば、第1のラック2aの1つの保管場所16の奥行き方向に2つ並べて保管されている荷物C1、C2をシャトル4に移載する場合には、図8に示すように、各フック26bを非突出位置とした状態で、各アーム24を第1のラック2aの方へ進出させる。各フック26bは非突出位置にされているため、各フック26bと荷物が干渉することはなく、各トップアーム24bの先端は荷物の両側を通過することができる。
【0052】
次いで、図9に示すように、各トップアーム24bの先端が、第1のラック2aの奥側に保管されている荷物C2の後端E2bよりも奥まで(図9における上方まで)進出すると、コントローラ12は、各フック26bを想像線で示す突出位置に回動させる。この状態で各アーム24を後退させることにより、各フック26bが荷物C2の移動方向の後端E2bと係合し、各アーム24の後退と共に荷物C1、C2が、保管場所16からシャトル4に移載される。
【0053】
このように、本実施形態において、コントローラ12は、第1のラック2aの、複数の荷物C1、C2が保管されている保管場所16から、荷物C1、C2をシャトル4に移載する場合には、その保管場所16の最も奥側に保管されている荷物C2の後端に移載装置6のフック26bを係合させ、複数の荷物C1、C2を一時に第1のラック2aからシャトル4へ移動させるように、移載装置6を制御する。同様に、第2のラック2bに保管されている荷物を保管場所16からシャトル4に移載する場合には、第2のラック2bの方に各アーム24を進出させた後、各フック26aを突出位置に回動させる。この状態で、各アーム24を後退させることにより、一時に複数の荷物を第2のラック2bからシャトル4へ移載する。
【0054】
なお、図8及び図9では、1つの保管場所16に2つの荷物が保管されている状態で、ラックからシャトル4へ荷物を移載する場合について説明したが、本実施形態においては、1つの保管場所16に荷物が1つ保管されている場合にも、移載装置6自体は全く同じ動作をする。このように、1つの保管場所16に荷物が1つ保管されている場合も、複数の荷物が保管されている場合も、全く同じ移載装置6の動作で、ラックからシャトル4へ荷物が移載されるので、シンプルな装置構造、制御により、ラックの奥行き方向に複数の荷物を並べて保管することができる。
【0055】
また、上記のように本実施形態においては、1つの保管場所16に奥行き方向に並べて保管されていた複数の荷物が、一時に保管場所16からシャトル4へ移載される。しかしながら、1つの保管場所16に保管されている複数の荷物は、必ずしも同時に出庫が必要になることはなく、1つの保管場所16に保管されている荷物のうちの1つだけ出庫が必要となる場合もある。このような場合には、1つの保管場所16からシャトル4へ移載された2つの荷物を出庫用コンベアによって搬送している途中で、2つの荷物のうちの出庫の必要がない荷物が戻しコンベアに移載される。
【0056】
即ち、図2に示すように、出庫用コンベア18aによって搬送されている荷物のうち、出庫する必要がない荷物は戻しコンベア22aに移載され、入庫用コンベア18cに搬送される。具体的には、出庫用コンベア18aに隣接して、出庫する必要がない荷物を止めるための出退式ストッパ(図示せず)、及び止めた荷物を戻しコンベア22aへ移動させるための出退式ローラコンベア(図示せず)が配置されており、これらの装置により、出庫する必要がない荷物が入庫用コンベア18cに搬送される。戻しコンベア22aによって搬送された荷物は、入庫用コンベア18cに移載され、昇降装置10c、載置装置8c、及びシャトル4を介して、その荷物が保管されていた保管場所16に戻される。同様に、出庫用コンベア18dによって搬送されている荷物のうち、出庫する必要がない荷物は戻しコンベア22bに移載され、入庫用コンベア18bに搬送される。戻しコンベア22bによって搬送された荷物は、入庫用コンベア18bに移載され、昇降装置10b、載置装置8b、及びシャトル4を介して、その荷物が保管されていた保管場所16に戻される。これにより、同じ保管場所16に保管されていた荷物のうち、出庫すべき荷物のみをメインラインコンベア20aに送り出し、出庫しない荷物を元の保管場所に戻すことができる。
【0057】
次に、図10及び図11を参照して、コントローラ12による保管場所の選択を説明する。
図10は、本発明の実施形態によるシャトル式の自動倉庫の一例を示す平面図である。図11は、コントローラ12による保管場所の選択手順を示すフローチャートである。なお、図10に示されている自動倉庫1の各構成は、図2に示す同一の符号を付した構成と同一のものである。また、図11に示すフローチャートは、メインラインコンベアから自動倉庫に入庫すべき荷物が搬送されてきたとき、コントローラ12により実行される。
【0058】
図10に示す自動倉庫1において、荷物は、メインラインコンベア20b、入庫用コンベア18b、昇降装置10b、載置装置8bを介してシャトル4に移載され、第1のラック2a又は第2のラック2bの保管場所16に保管される。また、第1のラック2a及び第2のラック2bの各保管場所16に保管された荷物は、シャトル4、載置装置8a、昇降装置10a、出庫用コンベア18aを介してメインラインコンベア20aに送り出される。
【0059】
ここで、図10に例示する自動倉庫1に保管される荷物は、2つずつの荷物がペアとして管理される。その2つの荷物のうちの出庫順が先である荷物を先出荷物Iとし、出庫順が後である荷物を後出荷物IIとする。これらの荷物は、先出荷物Iと後出荷物IIが、同時に、この順序でメインラインコンベア20aに送り出される。このように、送り出す順序が決められた2種類の荷物を効率良く、入庫及び出庫するために、図11に示すフローチャートにより、入庫する荷物を保管する保管場所16が選択される。なお、以下の説明では、メインラインコンベア20aの下流側(図10における上側)に位置するラックを第1のラック2aとし、上流側(図10における下側)に位置するラックを第2のラック2bとする。また、本明細書においては、自動倉庫1から一時に出庫された2つの荷物のうち、メインラインコンベア20a上に先に流れる荷物を「出庫順が先」と言い、メインラインコンベア20a上に後から流れる荷物を「出庫順が後」と言うものとする。
【0060】
まず、図11のステップS1においては、メインラインコンベア20bから搬送されてきた荷物が先出荷物Iであるか否かが判断され、先出荷物Iであった場合にはステップS2に進み、後出荷物IIであった場合にはステップS3に進む。
【0061】
次いで、ステップS2においては、第2のラック2bの中に、先出荷物Iのペアとなる荷物である後出荷物IIが保管されている保管場所16が存在するか否かが判断される。後出荷物IIが保管されている保管場所16が存在する場合にはステップS4に進み、そのような保管場所16が存在しない場合にはステップS5に進む。図10に示す例においては、後出荷物IIが保管されている保管場所16が存在するためステップS4に進む。
【0062】
ステップS4においては、第2のラック2bの、ペアとなる後出荷物IIが保管されている保管場所16が、コントローラ12により選択される(図10の例では、第2のラック2bの左から3番目の保管場所16)。次いで、昇降装置10b、載置装置8b、及びシャトル4は、コントローラ12によって選択された保管場所16に先出荷物Iを搬送し、移載装置6はその保管場所16に先出荷物Iを移載する。これにより、第2のラック2bの選択された保管場所16には、奥側に後出荷物II、手前側に先出荷物Iが保管され、図11のフローチャートの1回の処理を終了する。
【0063】
一方、ステップS2において、ペアとなる後出荷物IIが保管されている保管場所16が存在しない場合には、ステップS5に進む。ステップS5においては、第1のラック2aの空いている保管場所16(荷物が1つも保管されていない保管場所16)が、コントローラ12により選択される。次いで、昇降装置10b、載置装置8b、及びシャトル4は、コントローラ12によって選択された保管場所16に先出荷物Iを搬送し、移載装置6はその保管場所16に先出荷物Iを移載する。これにより、第1のラック2aの選択された保管場所16には、手前側に先出荷物Iが保管され、図11のフローチャートの1回の処理を終了する。
【0064】
なお、第1のラック2aに空いている保管場所16が複数存在する場合には、その中から所定の規則に従って、保管場所16が選択される。例えば、第1のラック2aの空いている保管場所16のうち、載置装置8aに最も近い保管場所16を選択することができる。このように、図11のフローチャートによって保管場所16を選択することにより、先出荷物Iのみが保管されている保管場所16は、必ず第1のラック2aに存在する。
【0065】
一方、ステップS1において、メインラインコンベア20bから搬送されてきた荷物が後出荷物IIであった場合にはステップS3に進む。ステップS3においては、第1のラック2aの中に、後出荷物IIのペアとなる先出荷物Iが保管されている保管場所16が存在するか否かが判断される。ペアとなる先出荷物Iが保管されている保管場所16が存在する場合にはステップS6に進み、そのような保管場所16が存在しない場合にはステップS7に進む。図10に示す例においては、ペアとなる先出荷物Iが保管されている保管場所16が存在するためステップS6に進む。
【0066】
ステップS6においては、第1のラック2aの、ペアとなる先出荷物Iが保管されている保管場所16が、コントローラ12により選択される(図10の例では、第1のラック2aの左から2番目の保管場所16)。次いで、コントローラ12によって選択された保管場所16に後出荷物IIを搬送し、移載装置6はその保管場所16に後出荷物IIを移載する。これにより、第1のラック2aの選択された保管場所16には、奥側に先出荷物I、手前側に後出荷物IIが保管され、図11のフローチャートの1回の処理を終了する。
【0067】
一方、ステップS3において、先出荷物Iが保管されている保管場所16が存在しない場合には、ステップS7に進む。ステップS7においては、第2のラック2bの空いている保管場所16(荷物が1つも保管されていない保管場所16)が、コントローラ12により選択される。次いで、昇降装置10b、載置装置8b、及びシャトル4は、コントローラ12によって選択された保管場所16に後出荷物IIを搬送し、移載装置6はその保管場所16に後出荷物IIを移載する。これにより、第2のラック2bの選択された保管場所16には、手前側に後出荷物IIが保管され、図11のフローチャートの1回の処理を終了する。
【0068】
なお、第2のラック2bに空いている保管場所16が複数存在する場合には、その中から所定の規則に従って、保管場所16が選択される。例えば、第2のラック2bの空いている保管場所16のうち、載置装置8aに最も近い保管場所16を選択することができる。このように、図11のフローチャートによって保管場所16を選択することにより、後出荷物IIのみが保管されている保管場所16は、必ず第2のラック2bに存在する。
【0069】
以上のように、コントローラ12は、荷物が保管されていない保管場所16に荷物を移載する場合には、移載すべき荷物が先出荷物Iであるときは第1のラック2aを選択(ステップS5)し、後出荷物IIであるときは第2のラック2bを選択(ステップS7)して荷物を移載する。一方、コントローラ12は、荷物が既に保管されている保管場所16に更なる荷物を移載する場合には、移載すべき荷物が先出荷物Iであるときは第2のラック2bを選択(ステップS4)し、後出荷物IIであるときは第1のラック2aを選択(ステップS6)して荷物を移載する。
【0070】
このように、図11のフローチャートに従って、第1のラック2a及び第2のラック2bに荷物を入庫することにより、第1のラック2aの保管場所16には、奥側に先出荷物I、手前側に後出荷物IIが保管される。また、第2のラック2bの保管場所16には、奥側に後出荷物II、手前側に先出荷物Iが保管される。
【0071】
第1のラック2a及び第2のラック2bから荷物を出庫する場合には、先出荷物I及び後出荷物IIが保管されている1つの保管場所16から、一時にこれらの荷物が出庫される。また、2つの荷物が出庫される際、各荷物は、保管されていた際の位置関係を保ったまま、シャトル4、載置装置8a、昇降装置10a、及び出庫用コンベア18aによって搬送され、メインラインコンベア20aに送り出される。これにより、メインラインコンベア20aには、先出荷物I及び後出荷物IIが同時に、この順序で送り出される。
【0072】
このように、荷物が保管されていない保管場所16に荷物を移載する場合には、先出荷物Iに対しては第1のラック2aが選択され、後出荷物IIに対しては第2のラック2bが選択され、荷物が既に保管されている保管場所16に更なる荷物を移載する場合には、先出荷物Iに対しては第2のラック2bが選択され、後出荷物IIに対しては第1のラック2aが選択される。この結果、第1のラック2aには、先出荷物Iが奥側、後出荷物IIが手前側に保管され、これに対向して配置された第2のラック2bには、先出荷物Iが手前側、後出荷物IIが奥側に保管される。このため、ラックからシャトル4に移載される荷物の並び順が、第1のラック2aから移載された場合も、第2のラック2bから移載された場合も同じになり、荷物を常に一定の順序で自動倉庫1から送り出すことができる。これにより、出庫処理の効率を向上させることができる。
【0073】
また、図10及び図11により説明した例では、2種類の荷物を出庫する順序が決められていた。これに対して、出庫する順序が決められていない場合であっても、出荷先が同一の荷物を、同時に出庫する必要がある場合には、所定の規則に従って保管場所を選択することにより、荷物を効率良く、入庫及び出庫することができる。
【0074】
即ち、第1のラック2a又は第2のラック2bの既に荷物が保管されている保管場所16に、更なる荷物を移載する場合には、コントローラ12は、更なる荷物と出荷先が同じ荷物が保管されている保管場所16を優先的に選択して、更なる荷物を移載する。このように、更なる荷物と出荷先が同じ荷物が保管されている保管場所が優先的に選択されるので、出荷先が同じ荷物がラックの奥行き方向に並べて保管される確率が高くなる。このため、出荷先が同じ荷物を一括して出庫できる確率が高くなり、ラックからの出庫処理の効率を向上させることができる。
【0075】
また、シャトル4から第1のラック2a又は第2のラック2bに移動させるべき荷物と出荷先が同じ荷物がラックに保管されていない場合には、荷物が保管されていない保管場所16を選択して、その保管場所16に荷物を移載する。このように出荷先が同じ荷物がラックに保管されていない場合には、荷物が保管されていない保管場所16が選択されるので、出荷先が異なる荷物がラックの奥行き方向に並べて保管される確率が低くなる。この結果、同じ出荷先に出荷される荷物を、奥行き方向に並べられる確率が高くなり、ラックからの出庫処理の効率を向上させることができる。
【0076】
本発明の第1実施形態の自動倉庫1によれば、入出庫台車であるシャトル4から第1のラック2a又は第2のラック2bに移動させる荷物C2によって、既に保管されていた荷物C1を押し込み(図6図7)、これにより、複数の荷物をラックの奥行き方向に並べて保管することが可能になる。この結果、複雑な構成や制御を必要とすることなく、シンプルな装置構造、制御により、ラックの奥行き方向に複数の荷物を並べて保管することができる。
【0077】
また、本実施形態の自動倉庫1によれば、複数の荷物が保管されている保管場所16から、荷物をシャトル4に移載する場合(図9)には、その保管場所16の最も奥側に保管されている荷物C2の後端E2bに移載装置6のフック26bを係合させ、複数の荷物を一時にラックからシャトル4へ移動させる。このため、保管場所16に荷物が1つ保管されている場合と同様の動作で、ラックからシャトル4へ荷物を移動させることができ、シンプルな制御で、奥行き方向に複数の荷物が保管されている保管場所16から荷物を移載することができる。
【0078】
さらに、本実施形態の自動倉庫1によれば、移載される荷物C2が所定距離以内に接近した状態(図6)でも、依然として荷物センサ28によって荷物が検出されている場合において、移載装置6が停止されるので、荷物の破損や、落下を防止することができる。
【0079】
次に、図12及び図13を参照して、本発明の第2実施形態による自動倉庫を説明する。
本発明の第2実施形態の自動倉庫は、シャトルに設けられた移載装置の構成及び作用が上述した第1実施形態とは異なる。従って、以下では、本発明の第2実施形態の、第1実施形態とは異なる部分のみ説明し、同様の構成及び作用については説明を省略する。図12及び図13は、移載装置により、保管場所に2つ目の荷物を移載した後の状態を示す図である。
【0080】
本実施形態の自動倉庫に備えられている移載装置106は、第1実施形態における図7のように、シャトル4からラックの保管場所16に2つ目の荷物C2を所定位置に押し込むまでは、第1実施形態と同様に作動する。本実施形態においては、2つ目の荷物C2を移載した後、図12に示すように、各アーム124を所定の位置まで後退させる。即ち、各トップアーム124bの先端が、第2のラック2bの手前側に移載された荷物C2の後端E2aよりも手前側に位置するまで、各トップアーム124b及び各ベースアーム124aを後退させる。
【0081】
次いで、図13に示すように、移載装置106の各アーム124は、互いに接近する方向(図13におけるX方向)に移動される。これにより、第2のラック2bの手前側に移載された荷物C2が、2つのアーム124の間に挟まれる。次に、荷物C2を2つのアーム124の間に挟んだ状態で、各アーム124を所定距離後退させる。これにより、保管場所16に保管されていた荷物C1と、シャトル4から第2のラック2bの手前側に移載された荷物C2の間に、所定距離だけ隙間が生じる。なお、アーム124を後退させる所定距離は、荷物C1と荷物C2の間にフック126aを挿入することができるように、フック126aの厚さに、所定のクリアランスを加えた距離に設定することが好ましい。
【0082】
各アーム124を所定距離後退させた後、各アーム124は、互いに離間する方向(図13におけるX方向)に移動され、さらに、元の位置(図3に示す位置)まで後退される。これにより、ラックの保管場所16には、2つの荷物C1、C2が奥行き方向に並べて保管されると共に、荷物C1と荷物C2の間には、所定距離の間隔が形成される。
【0083】
さらに、本実施形態において、1つの保管場所16に保管されている2つの荷物を出庫する場合には、第1実施形態と同様に、2つの荷物が一時に保管場所16からシャトル4へ移載され、出庫される。また、1つの保管場所16に保管されている2つの荷物のうち、手前側に保管されている荷物(図13における荷物C2)だけを出庫する必要がある場合には、荷物C1と荷物C2の間に形成された間隔の中に、フック126aを突出させる。その後、この状態で各アーム124を後退させることにより、手前側の荷物C2だけを保管場所16からシャトル4へ移載することができる。
【0084】
本発明の第2実施形態の自動倉庫によれば、ラックに既に保管されていた荷物C1とシャトル4からラックに移動された荷物C2の間に間隔が形成されるので、ラックの手前側に保管されている荷物C2のみをシャトル4に移載することも、容易に実現することが可能になる。
【0085】
次に、図14を参照して、本発明の第3実施形態による自動倉庫を説明する。
本発明の第3実施形態の自動倉庫は、スタッカクレーン式の自動倉庫である点が、上述した第1実施形態とは異なる。従って、以下では、本発明の第3実施形態の、第1実施形態とは異なる点のみを説明し、同様の構成、作用、効果については説明を省略する。図14は、本発明の第3実施形態によるスタッカクレーン式の自動倉庫の概略構成を示す正面図である。
【0086】
図14に示すように、本発明の第3実施形態による自動倉庫201は、第1のラック(図示せず)と、これに対向して配置された第2のラック202bと、これらのラックの間に、ラックの長さ方向(図14におけるX方向)に沿って走行可能な入出庫台車であるスタッカクレーン204と、スタッカクレーン204の昇降台210に設けられた移載装置206と、を有する。さらに、自動倉庫201は、各ラックの両端に設けられた載置装置208a、208bと、スタッカクレーン204、移載装置206、及び各載置装置を制御するコントローラ212と、を有する。さらに、載置装置208aには入庫用コンベア218aが接続され、載置装置208bには出庫用コンベア218bが接続されている。
【0087】
第1のラック(図示せず)、第2のラック202bは、荷物Cを保管するための棚であり、本実施形態において、各ラックは、図14に示すように6段の棚段214を備えている。また、各ラックの各棚段214には、荷物Cを保管するための保管場所216がラックの長さ方向に沿って複数の並べて設けられており、各保管場所216には、複数の荷物Cをラックの奥行き方向(図14におけるY方向)に並べて保管することができる。本実施形態において、各棚段214には、8つの保管場所216が設けられており、各保管場所216には、ラックの奥行き方向に2つの荷物Cを並べて保管することができる。
【0088】
スタッカクレーン204は、第1のラック(図示せず)と第2のラック202bの間を、ラックの長さ方向に沿って走行するように構成されている。また、スタッカクレーン204は、第1のラック(図示せず)と第2のラック202bの間の床面上、及び建屋の天井面に夫々延びるレール204a、204bに沿って走行するように構成されている。また、図14に示すように、各レール204a、204bは、第1のラック(図示せず)、第2のラック202bの両端に夫々配置された載置装置208a、208bを接続するように延びている。これにより、スタッカクレーン204は、各ラックの各保管場所216と、各載置装置208a、208bとの間で荷物Cを搬送することができる。
【0089】
さらに、スタッカクレーン204は、床面に敷設されたレール204bに沿って走行する台車204cと、この台車204cから鉛直上方に延びるマスト204dと、このマスト204dの上端に設けられた摺動車204eと、を有する。摺動車204eは、天井面に設けられたレール204aに沿って摺動可能に構成され、スタッカクレーン204の上端を支持している。
【0090】
また、昇降台210はマスト204dに沿って昇降可能に構成され、昇降台210上に載置された荷物を、ラックの各棚段214に対応した高さに昇降させることができる。さらに、昇降台210には移載装置206が設けられており、この移載装置206は、昇降台210が棚段214に対応する高さに昇降された状態で、昇降台210から棚段214上の保管場所216に荷物を移載するように構成されている。なお、昇降台210に設けられた移載装置206の構成、作用は、本発明の第1実施形態の自動倉庫1に備えられていた移載装置6と同様であるため、説明を省略する。或いは、本実施形態における移載装置206として、第2実施形態の自動倉庫に備えられていた移載装置106を適用することもできる。
【0091】
このように構成された本実施形態の自動倉庫201においては、入庫用コンベア218aによって運ばれてきた荷物Cは載置装置208aに移載され、さらに、載置装置208aからスタッカクレーン204の昇降台210に移載される。次いで、昇降台210は、その荷物Cを入庫すべき保管場所216のある段まで、マスト204dに沿って上昇される。荷物Cが目的とする段まで上昇すると、スタッカクレーン204の台車204cがレール204b上を走行し、入庫すべき保管場所216の前まで荷物Cを移動させる。荷物Cが目的とする保管場所216の前に到達すると、移載装置206により、ラックの保管場所216に荷物Cが移載される。
【0092】
一方、或る保管場所216に保管されている荷物Cを出庫する場合には、保管場所216対応する位置までスタッカクレーン204を走行させ、保管場所216のある棚段214の高さまで、昇降台210を昇降させる。次いで、移載装置206により、荷物Cを保管場所216から昇降台210に移載する。この状態で、昇降台210を載置装置208bの高さまで下降させ、スタッカクレーン204を載置装置208bまで走行させる。ここで、移載装置206により荷物Cを載置装置208bのコンベアに移載し、このコンベアを介して出庫用コンベア218bへ荷物Cを送り出すことができる。
【0093】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述した実施形態に種々の変更を加えることができる。特に、上述した実施形態においては、ラックの奥行き方向に荷物が2列並べて保管されていたが、ラックの奥行き方向に3つ以上の荷物を並べて保管する自動倉庫に本発明を適用することもできる。また、上述した実施形態においては、シャトル又はスタッカクレーンの両側にラックが設けられていたが、ラックが片側のみに設けられている自動倉庫に本発明を適用することもできる。
【符号の説明】
【0094】
1 自動倉庫
2a 第1のラック
2b 第2のラック
4 シャトル(入出庫台車)
4a レール
6 移載装置
8a~8d 載置装置
10a~10d 昇降装置
12 コントローラ
14 棚段
16 保管場所
18a 出庫用コンベア
18b 入庫用コンベア
18c 入庫用コンベア
18d 出庫用コンベア
20a メインラインコンベア
20b メインラインコンベア
22a 戻しコンベア
22b 戻しコンベア
24 アーム
24a ベースアーム
24b トップアーム
26a、26b フック
28 荷物センサ
106 移載装置
124 アーム
124a ベースアーム
124b トップアーム
126a フック
201 自動倉庫
202b 第2のラック
204 スタッカクレーン(入出庫台車)
204a、204b レール
204c 台車
204d マスト
204e 摺動車
206 移載装置
208a、208b 載置装置
210 昇降台
212 コントローラ
214 棚段
216 保管場所
218a 入庫用コンベア
218b 出庫用コンベア
図1
図2
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図14