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  • 特開-充電システム及び充電方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025397
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】充電システム及び充電方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20240216BHJP
   B60L 53/14 20190101ALI20240216BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20240216BHJP
   B60L 58/10 20190101ALI20240216BHJP
   B60L 53/30 20190101ALI20240216BHJP
【FI】
H02J7/00 P
B60L53/14
B60L50/60
B60L58/10
B60L53/30
H02J7/00 303C
H02J7/00 302A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022128802
(22)【出願日】2022-08-12
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 一人
(72)【発明者】
【氏名】高瀬 竣也
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA04
5G503BA01
5G503BB01
5G503CA11
5G503FA06
5H125AA20
5H125AC12
5H125AC24
5H125BC21
5H125BE02
5H125DD02
5H125EE23
5H125FF14
(57)【要約】
【課題】煩わしい作業を要することなく、電動作業車に搭載されている蓄電装置の充電を行えるようにすることが要望されていた。
【解決手段】電動作業車1に搭載された第一蓄電装置4と、電気自動車50に搭載された第二蓄電装置51と、第一蓄電装置4と第二蓄電装置51との夫々に対して通電接続が可能、かつ、第二蓄電装置51からの第一電力を第一蓄電装置4が受電可能な第二電力に変換して第一蓄電装置4へ送電可能な変換装置52と、が備えられ、第一蓄電装置4は第二電力にて充電が可能である。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動作業車に搭載された第一蓄電装置と、
電気自動車に搭載された第二蓄電装置と、
前記第一蓄電装置と前記第二蓄電装置との夫々に対して通電接続が可能、かつ、前記第二蓄電装置からの第一電力を前記第一蓄電装置が受電可能な第二電力に変換して前記第一蓄電装置へ送電可能な変換装置と、が備えられ、
前記第一蓄電装置は前記第二電力にて充電が可能である充電システム。
【請求項2】
前記変換装置に、前記第二蓄電装置から直流の前記第一電力を受電する受電部と、直流の前記第一電力を交流電力へ変換する第一交直変換部と、前記第一交直変換部によって変換された前記交流電力の電圧を前記第一蓄電装置が受電可能な電圧へ変圧する変圧部と、前記変圧部によって変圧された前記交流電力を直流の前記第二電力へ変換する第二交直変換部と、直流の前記第二電力を前記第一蓄電装置へ送電する送電部と、が備えられている請求項1に記載の充電システム。
【請求項3】
前記変換装置に、前記第一電力を受電する際の受電電圧を検出する検出部が備えられ、
前記変圧部は、前記検出部によって検出された前記受電電圧に対応して前記第一蓄電装置が受電可能な電圧へ変圧可能である請求項2に記載の充電システム。
【請求項4】
電動作業車に搭載された第一蓄電装置の充電方法であって、
電気自動車に搭載された第二蓄電装置からの第一電力を変換装置にて受電し、前記変換装置にて前記第一電力を前記第一蓄電装置が受電可能な第二電力に変換し、前記第二電力で前記第一蓄電装置を充電する充電方法。
【請求項5】
前記変換装置にて直流の前記第一電力を交流電力へ変換し、前記交流電力の電圧を前記第一蓄電装置が受電可能な電圧へ変圧し、変圧された前記交流電力を直流の前記第二電力へ変換する請求項4に記載の充電方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体の走行駆動や作業装置の駆動が可能な電動駆動機構と駆動用電力を供給するための蓄電装置(バッテリー)とを備えた電動作業車に対して、充電を行うための充電システム及び充電方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電動作業車の一例としての電動トラクタにおいては、例えば、特許文献1に記載されるように、蓄電装置の電力が消費されると、接続用コネクタを介して接続された外部の給電装置から充電が行われる。そして、充電を行う際には、電動作業車を外部の給電装置が設置されている場所まで移動して、給電装置に接続して充電を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記外部の給電装置は、所定位置にて固定状態で設置されるものであり、電動作業車に対して充電を行う際には、電動作業車を外部の給電装置が設置されている場所まで移動させて、給電装置に接続して充電を行う必要がある。
【0005】
例えば、電動トラクタ等の電動作業車は、単に移動走行するだけでなく、圃場等において駆動負荷の大きい対地作業等を行う場合があり、そのような場合には、電力消費量が過大になるおそれがあり、蓄電装置の充電量が使用者の予想よりも早く消費されることがある。
【0006】
しかし、従来構成では、作業途中で蓄電装置の充電量が残り少なくなると、電動作業車を外部の給電装置が設置されている場所まで移動させる等の煩わしい作業が必要となる等の不利な面があった。
【0007】
そこで、煩わしい作業を要することなく、電動作業車に搭載されている蓄電装置の充電を行えるようにすることが要望されていた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る充電システムの特徴構成は、電動作業車に搭載された第一蓄電装置と、電気自動車に搭載された第二蓄電装置と、前記第一蓄電装置と前記第二蓄電装置との夫々に対して通電接続が可能、かつ、前記第二蓄電装置からの第一電力を前記第一蓄電装置が受電可能な第二電力に変換して前記第一蓄電装置へ送電可能な変換装置と、が備えられ、前記第一蓄電装置は前記第二電力にて充電が可能である点にある。
【0009】
本発明によれば、電動作業車に搭載された第一蓄電装置に対して充電を行う場合、変換装置を電動作業車に搭載された第一蓄電装置と電気自動車に搭載された第二蓄電装置との夫々に接続する。変換装置は、第二蓄電装置からの第一電力を第二電力に変換して、第一蓄電装置へ送電することができる。
【0010】
例えば、圃場等において電動作業車の第一蓄電装置の充電量が残り少なくなったような場合であっても、電気自動車と変換装置とを電動作業車に近い箇所まで移動させたのち、電気自動車に搭載された第二蓄電装置から電動作業車の第一蓄電装置に対して充電を行うことができる。
【0011】
従って、電動作業車を固定状態で設置される給電装置の近くまで移動させなくても、電気自動車に搭載されている第二蓄電装置の電力を利用することにより、煩わしい作業を要することなく、第一蓄電装置の充電を行うことが可能となる。
【0012】
本発明においては、前記変換装置に、前記第二蓄電装置から直流の前記第一電力を受電する受電部と、前記直流の第一電力を交流電力へ変換する第一交直変換部と、前記第一交直変換部によって変換された前記交流電力の電圧を前記第一蓄電装置が受電可能な電圧へ変圧する変圧部と、前記変圧部によって変圧された前記交流電力を直流の前記第二電力へ変換する第二交直変換部と、直流の前記第二電力を前記第一蓄電装置へ送電する送電部と、が備えられていると好適である。
【0013】
本構成によれば、変換装置により、受電部にて受電した第二蓄電装置からの直流の第一電力を第一交直変換部にて交流電力に変換する。そのような変換された交流電力を変圧部にて第一蓄電装置に適した電圧の交流電力に変化したのち、第二交直変換部にて直流に変換する。そして、送電部から第一蓄電装置へ送電する。
【0014】
その結果、第二蓄電装置にて使用される電圧と第一蓄電装置にて使用される電圧とが異なっていても、変圧し易い交流電力に変換したのち第一蓄電装置に適した電圧にて変化でき、良好に充電処理を行うことができる。
【0015】
本発明においては、前記変換装置に、前記第一電力を受電する際の受電電圧を検出する検出部が備えられ、前記変圧部は、前記検出部によって検出された前記受電電圧に対応して前記第一蓄電装置が受電可能な電圧へ変圧可能であると好適である。
【0016】
本構成によれば、変換装置が第二蓄電装置に接続されると、検出部にて自動的に受電電圧を検出して、変圧部がその検出結果に対応して適切な電圧に変圧する。その結果、電気自動車に搭載される第二蓄電装置の電圧を予め計測して、その電圧に応じて変圧部の動作を調整する等の煩わしい作業が不要であり、能率よく充電作業を行える。
【0017】
本発明に係る充電方法の特徴は、電動作業車に搭載された第一蓄電装置の充電方法であって、電気自動車に搭載された第二蓄電装置からの第一電力を変換装置にて受電し、前記変換装置にて前記第一電力を前記第一蓄電装置が受電可能な第二電力に変換し、前記第二電力で前記第一蓄電装置を充電する点にある。
【0018】
本方法によれば、電気自動車に搭載された第二蓄電装置からの第一電力が変換装置によって受電され、第一電力を第二電力に変換したのち、その第二電力にて第一蓄電装置を充電することができる。
【0019】
従って、電動作業車を固定状態で設置される給電装置の近くまで移動させなくても、電気自動車に搭載されている第二蓄電装置の電力を利用することにより、煩わしい作業を要することなく、第一蓄電装置の充電を行うことが可能となる。
【0020】
本発明においては、前記変換装置にて直流の前記第一電力を交流電力へ変換し、前記交流電力の電圧を前記第一蓄電装置が受電可能な電圧へ変圧し、変圧された前記交流電力を直流の前記第二電力へ変換すると好適である。
【0021】
本構成によれば、直流の第一電力を変圧が容易な交流電力へ変換して第一蓄電装置が受電可能な電圧へ変圧したのち直流の第二電力へ変換することで、良好な状態で第一蓄電装置を充電することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】トラクタの左側面図である。
図2】インバータ等の配置を示す左側面図である。
図3】動力伝達の流れを示す図である。
図4】充電用の構成を示すブロック図である。
図5】充電システムを示す図である。
図6】変換装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明を実施するための形態について、図面に基づき説明する。尚、以下の説明においては、特に断りがない限り、図中の矢印Fの方向を「前」、矢印Bの方向を「後」として、矢印Lの方向を「左」、矢印Rの方向を「右」とする。図中の矢印Uの方向を「上」、矢印Dの方向を「下」とする。
【0024】
〔電動トラクタの全体構成〕
以下では、本発明に係る電動作業車の一例としての電動トラクタ1について説明する。図1に示すように、電動トラクタ1は、車体走行装置としての左右の前車輪10及び左右の後車輪11、カバー部材12を備えている。
【0025】
電動トラクタ1は、機体フレーム2及び運転部3を備えている。機体フレーム2は、左右の前車輪10及び左右の後車輪11に支持されている。
【0026】
カバー部材12は、機体前部に配置されている。そして、運転部3は、カバー部材12の後方に設けられている。言い換えれば、カバー部材12は、運転部3の前方に配置されている。
【0027】
運転部3は、保護フレーム30、運転座席31、ステアリングホイール32を有している。オペレータは、運転座席31に着座可能である。これにより、オペレータは、運転部3に搭乗可能である。ステアリングホイール32の操作によって、左右の前車輪10は操向操作される。オペレータは、運転部3において、各種の運転操作を行うことができる。
【0028】
電動トラクタ1は、走行用バッテリー4(第一蓄電装置の一例)を備えている。カバー部材12は、機体左右方向に沿う開閉軸芯Q周りに揺動可能に構成されている。これにより、カバー部材12は、開閉可能に構成されている。カバー部材12が閉状態であるとき、走行用バッテリー4は、カバー部材12に覆われている。
【0029】
図2に示すように、電動トラクタ1は、インバータ14及び電動モータMを備えている。走行用バッテリー4は、インバータ14へ電力を供給する。インバータ14は、走行用バッテリー4からの直流電力を交流電力に変換して電動モータMへ供給する。そして、電動モータMは、インバータ14から供給される交流電力により駆動する。
【0030】
図2及び図3に示すように、電動トラクタ1は、静油圧式無段変速装置15及びトランスミッション16を備えている。図3に示すように、静油圧式無段変速装置15は、油圧ポンプ15a及び油圧モータ15bを有している。
【0031】
油圧ポンプ15aは、電動モータMからの回転動力により駆動する。油圧ポンプ15aが駆動することにより、油圧モータ15bから回転動力が出力される。尚、静油圧式無段変速装置15は、油圧ポンプ15aと油圧モータ15bとの間で回転動力が変速されるように構成されている。静油圧式無段変速装置15は、変速比を無段階に変更可能に構成されている。
【0032】
油圧モータ15bから出力された回転動力は、トランスミッション16に伝達される。トランスミッション16に伝達された回転動力は、トランスミッション16の有するギヤ式変速機構によって変速され、左右の前車輪10及び左右の後車輪11へ分配される。これにより、左右の前車輪10及び左右の後車輪11が駆動する。
【0033】
図2及び図3に示すように、電動トラクタ1は、動力取り出し軸としてのミッドPTO軸17及びリヤPTO軸18を備えている。電動モータMから出力された回転動力は、油圧ポンプ15a、ミッドPTO軸17、リヤPTO軸18へ分配される。これにより、ミッドPTO軸17及びリヤPTO軸18が回転する。
【0034】
ミッドPTO軸17又はリヤPTO軸18に外部装置としての作業装置が接続されていれば、ミッドPTO軸17又はリヤPTO軸18の回転動力により、作業装置が駆動することとなる。例えば、図2に示すように、本実施形態では、ミッドPTO軸17に草刈装置19が接続されている。ミッドPTO軸17の回転動力により、草刈装置19が駆動する。
【0035】
〔モータの制御に係る構成〕
図4に示すように、電動モータMの制御に係る構成は、アクセル装置33と、電動モータMの作動を制御する制御装置34と、インバータ14と、を備えている。アクセル装置33は、ステアリングホイール32の近傍に備えられている。アクセル装置33は、図示はしないが、揺動操作可能なレバーと、レバーの揺動操作によって操作されるポテンショメータとを備えている。アクセル装置33は制御装置34と接続されている。制御装置34は、信号用ハーネス35を介してインバータ14と接続されている。制御装置34は、アクセル装置33の指令に応じて、インバータ14に指令するように構成されている。インバータ14は、制御装置34の指令に応じて、走行用バッテリー4から電動モータMに供給される電力を調整して電動モータMの出力を制御するように構成されている。
【0036】
〔充電に係る構成〕〔1〕
図4に示すように、走行用バッテリー4は、外部の給電装置KDにより充電可能である。この給電装置は、所定の場所に予め位置固定状態で設置されるものであり、充電を行う場合には、電動トラクタを給電装置が設置される場所まで移動させる必要がある。
【0037】
電動トラクタ1には、給電装置KDの給電用コネクタ36が接続可能な充電用接続部37が備えられている。充電用接続部37は、カバー部材12の内部に備えられ、カバー部材12を揺動開放すると、外方に露出する。制御装置34は、電動モータMの作動を制御するとともに、給電装置KDによる充電状態を制御する。
【0038】
充電用接続部37は、一般的に使用される標準的な規格(チャデモ規格、CCS規格等)に準拠したものである。給電用コネクタ36が充電用接続部37に接続された状態で、電力供給線39を介して走行用バッテリー4に対する充電が行われる。走行用バッテリー4は、電力供給線39を介して高電圧(例えば、数十ボルト~数百ボルト)の電力をインバータ14、走行用電動モータMに供給する。
【0039】
電動トラクタ1には、走行用バッテリー4の他に、制御装置34及びその他の電装品に電力を供給する電装品用バッテリー41が備えられている。電装品用バッテリー41は、電装品を駆動するために低電圧(12ボルト)の電力を供給する。電装品用バッテリー41は、DC/DCコンバータ42を介して走行用バッテリー4から供給される電力にて充電される。操作パネル43には、例えば、車体の走行状態、作業状態、バッテリーの情報(充電量や温度)等を表示するメータパネル48が備えられている。メータパネル48は、制御装置34に接続され、制御装置34にて作動が制御されている。
【0040】
制御装置34、インバータ14、走行用バッテリー4、DC/DCコンバータ42、メータパネル48、及び、充電用接続部37等は、CAN(Controller Area Network)方式の信号用ハーネス35を介してデータを通信可能に接続されている。制御装置34は、充電通信用ハーネス49及び充電用接続部37を介して給電装置KDとの間で信号が通信可能に構成されている。
【0041】
制御装置34は、給電用コネクタ36が充電用接続部37に接続されている状態で、動作可能状態に切り換えられると、充電モードに切り換わる。そして、充電モードにおいて、給電装置KDにより走行用バッテリー4への充電を行うように構成されている。
【0042】
〔充電に係る構成〕〔2〕
この電動トラクタ1は、給電装置KDによる充電以外にも、一般的に使用されている乗用車である電気自動車50に搭載されるバッテリー51(第二蓄電装置の一例)からの電力によっても充電が可能に構成されている。
【0043】
図5に、電気自動車50に搭載されるバッテリー51(以下、第二バッテリーという)から電動トラクタ1の走行用バッテリー4(以下、第一バッテリーという)に対して充電を行うための充電システムが記載されている。
【0044】
この充電システムは、電動トラクタ1に搭載された第一バッテリー4と、電気自動車50に搭載された第二バッテリー51と、第一バッテリー4と第二バッテリー51との夫々に対して通電接続が可能、かつ、第二バッテリー51からの第一電力を第一バッテリー4が受電可能な第二電力に変換して第一バッテリー4へ送電可能な変換装置52と、が備えられ、第一バッテリー4は第二電力にて充電が可能に構成されている。
【0045】
図6に示すように、変換装置52には、第二バッテリー51から直流の第一電力を受電する受電部53と、第二バッテリー51から第一電力を受電する際の受電電圧を検出する検出部54と、直流の第一電力を交流電力へ変換する第一交直変換部55と、第一交直変換部55によって変換された交流電力の電圧を第一バッテリー4が受電可能な電圧へ変圧する変圧部56と、変圧部56によって変圧された交流電力を直流の第二電力へ変換する第二交直変換部57と、直流の第二電力を第一バッテリー4へ送電する送電部58と、が備えられている。変圧部56は、検出部54によって検出された受電電圧に対応して第一バッテリー4が受電可能な電圧へ変圧可能に構成されている。
【0046】
変換装置52には、給電装置KDの給電用コネクタ36と同様な第一給電用コネクタ59が備えられ、電動トラクタ1の充電用接続部37に接続可能である。変換装置52には、電動トラクタ1に対する給電用コネクタ36と同様な構成の電気自動車用の第二給電用コネクタ60が備えられ、電気自動車50には、第二給電用コネクタ60が接続可能な充電用接続部61が備えられている。充電用接続部61は、一般的に使用される標準的な規格に準拠したものである。
【0047】
この充電システムを用いて充電する場合には、電動トラクタ1、電気自動車50と、変換装置52とを接続可能な近い位置に位置させて、変換装置52の第一給電用コネクタ59を電動トラクタ1の充電用接続部37に接続し、変換装置52の第二給電用コネクタ60を電気自動車50の充電用接続部61に接続する。
【0048】
電気自動車50に搭載された第二バッテリー51からの第一電力を変換装置52の受電部53にて受電し、直流の第一電力を第一交直変換部55により交流電力へ変換する。変圧部56によって交流電力の電圧を第一バッテリー4が受電可能な電圧へ変圧し、第二交直変換部57によって変圧された交流電力を直流の第二電力へ変換する。このとき、変圧部56は検出部54にて検出された第一電力の電圧に応じて、第一バッテリー4が受電可能な電圧へ自動的に変圧する。変換された直流の第二電力を送電部58及び第一給電用コネクタ59を介して電動トラクタ1の第一バッテリー4に供給して充電を行なう。
【0049】
変換装置52は、例えば、運搬トラック等に積載して任意の場所に移動することが可能である。また、電気自動車50も任意の場所に移動することが可能である。従って、電動トラクタ1が圃場にて作業している途中で充電量が減少した場合であっても、電気自動車50及び変換装置52を電動トラクタ1が存在する場所まで移動して充電を行なうことが可能である。
【0050】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、変換装置52に第一交直変換部55と、変圧部56と、第二交直変換部57と、が備えられ、直流の電力を交流に変換して電圧値を変換するようにしたが、このような構成に代えて、直流の電力をそのまま電圧値が異なる直流の電力に変換することが可能な直流電圧変換装置を備える構成としてもよい。
【0051】
(2)上記実施形態では、変換装置52に、検出部54が備えられ、変圧部56が、検出された受電電圧に対応して第一バッテリー4が受電可能な電圧へ変圧可能な構成としたが、このような構成に代えて、予め、電圧値が判明している第二バッテリー51を搭載した電気自動車50を用いるようにして、変圧部56による変圧比が常に一定に設けられる構成としてもよい。
【0052】
(3)上記実施形態では、電動トラクタ1を示したが、本発明は電動トラクタに限らず、電動コンバインや電動田植え機をはじめとする各種の電動作業車に適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、車体の走行駆動や作業装置の駆動が可能な電動駆動機構と駆動用電力を供給するための蓄電装置(バッテリー)とを備えた電動作業車に対して、充電を行うための充電システムに適用できる。
【符号の説明】
【0054】
1 電動作業車
4 第一バッテリー(第一蓄電装置)
50 電気自動車
51 第二バッテリー(第二蓄電装置)
52 変換装置
53 受電部
54 検出部
55 第一交直変換部
56 変圧部
57 第二交直変換部
58 送電部
図1
図2
図3
図4
図5
図6