(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024002540
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】回転電機および送風機
(51)【国際特許分類】
F04D 29/58 20060101AFI20231228BHJP
F04D 29/00 20060101ALI20231228BHJP
H02K 11/33 20160101ALI20231228BHJP
【FI】
F04D29/58 Q
F04D29/00 B
H02K11/33
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022101784
(22)【出願日】2022-06-24
(71)【出願人】
【識別番号】000228730
【氏名又は名称】ニデックアドバンスドモータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【弁理士】
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】香川 義久
(72)【発明者】
【氏名】旦野 太郎
(72)【発明者】
【氏名】木戸間 敏
(72)【発明者】
【氏名】阿部 孝則
【テーマコード(参考)】
3H130
5H611
【Fターム(参考)】
3H130AA13
3H130AB13
3H130AB26
3H130AB54
3H130AC19
3H130BA32A
3H130BA97A
3H130CA23
3H130DA02Z
3H130DB08Z
3H130EA07A
3H130EB01A
3H130EB04A
5H611BB01
5H611BB06
5H611TT01
5H611UA04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】半田付けによって接続ピンを回路基板に接続する際に、ハウジングが熱溶融することを抑制できる構造を有する回転電機および送風機を提供すること。
【解決手段】回転電機は、ロータと、軸受と、軸受を保持するスリーブと、ロータと径方向に対向し、スリーブを保持するステータと、回路基板と、ステータと回路基板とを接続する接続ピンと、回路基板に配置される底壁部を有するハウジングとを備え、回路基板は、接続ピンが軸方向に通される基板孔部を有し、接続ピンは、半田によって回路基板と接続される。底壁部は、スリーブと固定される底壁孔と、底壁部を軸方向に貫通し、底壁孔の径方向外側に配置され、接続ピンの端部を内部に収容する収容孔と、底壁孔と収容孔との間に、スリーブを保持するスリーブ保持部と、を有する。スリーブ保持部の接続ピンと対向する面は、軸方向他方側に向かうにしたがって、接続ピンから遠ざかる向きに傾斜する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸を中心に回転するロータと、
前記ロータを回転自在に支持する軸受と、
前記軸受を保持するスリーブと、
前記ロータと径方向に対向し、前記スリーブを保持するステータと、
前記ステータの軸方向一方側にて、板面を軸方向に向いて配置される回路基板と、
前記ステータと前記回路基板とを接続する接続ピンと、
前記回路基板の軸方向一方側に配置される底壁部を有するハウジングと、
を備え、
前記回路基板は、前記接続ピンが軸方向に通される基板孔部を有し、
前記接続ピンは、半田によって前記回路基板と接続され、
前記底壁部は、
前記スリーブが軸方向に通され、前記スリーブと固定される底壁孔と、
前記底壁部を軸方向に貫通し、前記底壁孔の径方向外側に配置され、前記接続ピンの軸方向一方側の端部を内部に収容する収容孔と、
前記底壁孔と前記収容孔との間に、前記スリーブを保持するスリーブ保持部と、
を有し、
前記スリーブ保持部の前記接続ピンと対向する第1内側面は、軸方向他方側に向かうにしたがって、前記接続ピンから遠ざかる向きに傾斜する、回転電機。
【請求項2】
前記収容孔は軸方向から見て矩形状であり、前記第1内側面は径方向外側を向く、請求項1に記載の回転電機。
【請求項3】
前記第1内側面には、前記接続ピンから遠ざかる向きに窪む切り欠き部が設けられ、
軸方向に見て、前記切り欠き部の少なくとも一部は、前記中心軸と前記接続ピンとの両方を通る第1仮想直線上に配置される、請求項1に記載の回転電機。
【請求項4】
軸方向に見て、前記切り欠き部は、円弧状である、請求項3に記載の回転電機。
【請求項5】
軸方向に見て、前記底壁孔は前記中心軸を中心とする円形状であり、
軸方向に見て、前記第1内側面と直交し前記中心軸を通る第2仮想直線と、前記切り欠き部の径方向内側の端部と前記中心軸を通る第3仮想直線とは、互いに周方向にずれる、請求項3に記載の回転電機。
【請求項6】
2個の前記接続ピンを備え、
前記回路基板は、
2個の前記接続ピンそれぞれが軸方向に通される2個の前記基板孔部と、
2個の前記基板孔部それぞれの周縁部に配置されるランド部
を有し、
前記底壁部は、2個の前記接続ピンそれぞれの軸方向一方側の端部が収容される、2個の前記収容孔を有し、
前記ランド部は、前記中心軸を対称軸として互いに点対称な形状であり、
2個の前記収容孔は、前記中心軸を対称軸として互いに点対称な形状である、請求項1に記載の回転電機。
【請求項7】
前記ロータは、周方向に沿って配置される磁石を有し、
前記ステータは、前記磁石の径方向内側に配置され、
前記ステータは、前記ロータと径方向に対向して配置されるステータコアと、前記ステータコアに装着される複数のコイルと、を有し、
前記ステータコアは、前記スリーブに固定され、
前記接続ピンは、複数の前記コイルと接続され、
複数の前記コイルは、互いに周方向に沿って配置され、
周方向において、前記接続ピンは、複数の前記コイル同士の間に配置される、請求項1に記載の回転電機。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の回転電機と、
前記ロータと接続され、前記中心軸を中心して回転可能なインペラ部と、
を備える送風機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転電機および送風機に関する。
【背景技術】
【0002】
家電機器、OA機器などの冷却および換気を行う送風機では、小型化の要望が高まっている。送風機は、周方向に配列された複数の羽根を備えるインペラと、インペラを回転させるモータと、を備える。例えば、特許文献1には、PCボードに設けられる固定子巻線端子用孔に端子ピンを挿入して、端子ピンをPCボードに半田付けするファンモータが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなモータでは、回路基板を保持するハウジングと接続ピンが挿入される回路基板の孔部との間の寸法を小さくすることによって、小型化を図ることがある。この場合、半田付けによって、孔部に挿入された接続ピンを回路基板に接続する際に、半田鏝の熱が回路基板を介してハウジングに伝わり易く、ハウジングが熱溶融する虞がある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みて、半田付けによって接続ピンを回路基板に接続する際に、ハウジングが熱溶融することを抑制できる構造を有する回転電機および送風機を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の回転電機の一つの態様は、中心軸を中心に回転するロータと、前記ロータを回転自在に支持する軸受と、前記軸受を保持するスリーブと、前記ロータと径方向に対向し、前記スリーブを保持するステータと、前記ステータの軸方向一方側にて、板面を軸方向に向いて配置される回路基板と、前記ステータと前記回路基板とを接続する接続ピンと、前記回路基板の軸方向一方側に配置される底壁部を有するハウジングと、を備える。前記回路基板は、前記接続ピンが軸方向に通される基板孔部を有する。前記接続ピンは、半田によって前記回路基板と接続される。前記底壁部は、前記スリーブが軸方向に通され、前記スリーブと固定される底壁孔と、前記底壁部を軸方向に貫通し、前記底壁孔の径方向外側に配置され、前記接続ピンの軸方向一方側の端部を内部に収容する収容孔と、前記底壁孔と前記収容孔との間に、前記スリーブを保持するスリーブ保持部と、を有する。前記スリーブ保持部の前記接続ピンと対向する第1内側面は、軸方向他方側に向かうにしたがって、前記接続ピンから遠ざかる向きに傾斜する。
【0007】
本発明の送風機の一つの態様は、上記の回転電機と、前記ロータと接続され、前記中心軸を中心して回転可能なインペラ部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一つの態様によれば、回転電機および送風機において、半田付けによって接続ピンを回路基板に接続する際に、ハウジングが熱溶融することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、一実施形態の送風機を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、一実施形態の送風機を示す断面図である。
【
図3】
図3は、一実施形態の送風機の一部を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、一実施形態の送風機の一部を示す下面図である。
【
図5】
図5は、一実施形態の収容孔を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、一実施形態の送風機の一部を示す断面図であって、
図4のVI-VI断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る送風機について説明する。なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせる場合がある。
【0011】
以下の説明において図には、適宜、Z軸を示す。Z軸は、以下に説明する実施形態の送風機10の中心軸Jが延びる方向を示している。各図に示す中心軸Jは、仮想軸線である。以下の説明においては、中心軸Jが延びる方向、つまりZ軸と平行な方向を「軸方向」と呼ぶ。中心軸Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼ぶ。中心軸Jを中心とする周方向を単に「周方向」と呼ぶ。軸方向のうちZ軸の矢印が向く側と逆側(-Z側)を「軸方向一方側」と呼ぶ。軸方向のうちZ軸の矢印が向く側(+Z側)を「軸方向他方側」と呼ぶ。
【0012】
周方向は、各図において矢印θで示される。周方向のうち矢印θが向く側(+θ側)を「周方向一方側」と呼ぶ。周方向のうち矢印θが向く側と逆側(-θ側)を「周方向他方側」と呼ぶ。周方向一方側は、軸方向他方側から見て中心軸J回りに反時計回りに進む側である。周方向他方側は、軸方向他方側から見て中心軸J回りに時計回りに進む側である。
【0013】
図1に示す本実施形態の送風機10は、回転電機15と、インペラ部60と、を備える。本実施形態において、送風機10は、インペラ部60が中心軸Jを中心に回転することによって、空気を径方向外側に向かって送り出す遠心ファンである。
【0014】
図2に示すように、インペラ部60は、カップ部60aと、羽根64と、環状部65と、を有する。カップ部60aは、ロータ20およびステータ30を内部に収容する。カップ部60aは、インペラ天壁部61と、インペラ円筒部62と、曲面部63と、を有する。インペラ天壁部61は、後述するステータ30の軸方向他方側(+Z側)に配置される。インペラ天壁部61には、インペラ天壁部61を軸方向に貫通するインペラ貫通孔61aが設けられる。軸方向に見て、インペラ貫通孔61aは、中心軸Jを中心とする略円形状である。インペラ円筒部62は、中心軸Jを中心とする略円筒状である。インペラ円筒部62の軸方向他方側の端部は、インペラ天壁部61の軸方向一方側(-Z側)の端部と繋がる。曲面部63は、径方向内側に向けて凸となる曲面状である。曲面部63の軸方向他方側の端部は、インペラ円筒部62の軸方向一方側の端部と繋がる。
【0015】
図1に示すように、羽根64は、周方向に沿って間隔をあけて複数設けられる。
図2に示すように、各羽根64それぞれの径方向内側の端部のうち軸方向一方側(-Z側)の端部は、曲面部63の径方向外側の端部と繋がる。図示は省略するが、各羽根64は、軸方向に見て、径方向内側から径方向外側に向かうにしたがって、周方向一方側に位置する曲面状である。環状部65は、中心軸Jを中心とする円環状である。環状部65は、複数の羽根64の軸方向他方側の端部のうち径方向外側の部分と繋がる。本実施形態において、インペラ部60は、中心軸J回りに周方向一方側に向けて回転する。
【0016】
回転電機15は、ハウジング40と、スリーブ50と、ロータ20と、シャフト23と、ステータ30と、回路基板70と、接続ピン35と、を備える。
【0017】
ハウジング40は、スリーブ50、ロータ20、シャフト23、ステータ30、回路基板70、および接続ピン35を内部に収容する。本実施形態において、ハウジング40は、樹脂製である。ハウジング40は、第1ハウジング部材41と、第2ハウジング部材42と、底蓋部45と、を有する。
【0018】
第1ハウジング部材41は、第1側壁部41aと、天壁部41bと、第1開口部41cと、第1固定部41eと、を有する。第1側壁部41aは、軸方向に延びる略円筒状である。第1側壁部41aは、軸方向一方側(-Z側)に開口する。第1側壁部41aは、インペラ部60の軸方向他方側(+Z側)の部分を径方向外側から囲む。天壁部41bは、略円環板状である。天壁部41bの板面は、軸方向を向いている。天壁部41bの径方向外側の端部は、第1側壁部41aの軸方向他方側の端部と繋がる。天壁部41bには、吸気口41dが設けられる。吸気口41dは、天壁部41bを軸方向に貫通する孔である。
図1に示すように、第1開口部41cは、周方向一方側に開口する。第1固定部41eは、第1側壁部41aから径方向外側に突出する。
図2に示すように、第1ハウジング部材41の内面のうち、インペラ部60よりも径方向外側に位置する部分は、後述する送風路40aの軸方向他方側の部分を構成する。
【0019】
第2ハウジング部材42は、第2側壁部42aと、底壁部42cと、第2開口部42bと、第2固定部42tと、を有する。第2側壁部42aは、軸方向に延びる略円筒状である。第2側壁部42aは、軸方向他方側(+Z側)に開口する。第2側壁部42aは、インペラ部60の軸方向一方側(-Z側)の部分を径方向外側から囲む。第2側壁部42aの軸方向他方側の端部は、第1側壁部41aの軸方向一方側の端部と固定される。
【0020】
底壁部42cは、径方向に広がる略円環板状である。底壁部42cの径方向外側の端部は、第2側壁部42aの軸方向一方側の端部と繋がる。底壁部42cは、回路基板70の軸方向一方側に配置される。底壁部42cは、収容孔42eと、底壁孔42hと、スリーブ保持部42kと、を有する。
図3に示すように、底壁部42cは、基板固定部42nを有する。なお、第2ハウジング部材42の内面のうち、インペラ部60よりも径方向外側に位置する部分は、送風路40aの軸方向一方側の部分を構成する。
【0021】
図2に示すように、底壁孔42hは、底壁部42cを軸方向に貫通する孔である。軸方向に見て、底壁孔42hは、中心軸Jを中心とする略円形状である。底壁孔42hの内周面には、径方向外側に窪む2個の溝42iが設けられる。各溝42iは、それぞれ、周方向に延びる。各溝42iは、互いに軸方向に並んで設けられる。
図3に示すように、基板固定部42nは、軸方向に突出する柱状である。本実施形態において、基板固定部42nは、2個設けられる。各基板固定部42nは、中心軸Jを挟んで互いに径方向に対向する位置に配置される。
【0022】
図2に示すように、収容孔42eは、底壁部42cを軸方向に貫通する孔である。収容孔42eは、回路基板70の軸方向一方側(-Z側)に設けられる。
図4に示すように、軸方向に見て、収容孔42eは、略矩形状の孔である。より詳細には、収容孔42eは、長辺が径方向と略直交し、短辺が長辺と略直交する略長方形状の孔である。本実施形態において、底壁部42cは、2個の収容孔42eを有する。2個の収容孔42eは、それぞれ、底壁孔42hの径方向外側に配置される。2個の収容孔42eは、底壁孔42hを挟んで設けられる。収容孔42eの構成については、後段で詳細に説明する。スリーブ保持部42kは、底壁部42cのうち、2個の収容孔42e同士の間に位置する部分である。スリーブ保持部42kは、底壁孔42hを有する。スリーブ保持部42kは、各収容孔42eの径方向内側に位置する。
【0023】
図1に示すように、第2開口部42bは、周方向一方側に開口する。軸方向に見て、第2開口部42bは、第1開口部41cと重なる。第1開口部41cと第2開口部42bは、排気口40bを構成する。送風路40aを周方向一方側に向けて流れる空気は、排気口40bを介して、送風機10の外部に流れ出る。第2固定部42tは、第2側壁部42aから径方向外側に突出する。
図2に示すように、底蓋部45は、底壁部42cの軸方向一方側(-Z側)を向く面に固定される。底蓋部45は、2つの収容孔42eおよび底壁孔42hを軸方向一方側から塞ぐ。
【0024】
スリーブ50は、軸方向に延びる略円筒状である。スリーブ50の軸方向一方側(-Z側)の端部は、底壁孔42hを軸方向に通され、底壁孔42hと固定される。スリーブ50は、スリーブ保持部42kに保持される。スリーブ50の内周面には、軸受91,92が保持され、軸受92とインペラ部60との間には、軸受92を軸方向一方側に押圧するコイルばね94が設けられる。
【0025】
ロータ20は、ロータケース21と、磁石22と、を備える。ロータ20は、中心軸Jを中心として回転可能である。ロータケース21は、中心軸Jを中心として軸方向に延びるケース円筒部21aと、ケース円筒部21aの軸方向他方側(+Z側)の端部から径方向内側に延びるケース円環部21bと、を有する。ロータケース21は、インペラ部60の内部に配置される。ケース円筒部21aの軸方向他方側の部分は、インペラ円筒部62の内周面に固定される。これにより、インペラ部60は、ロータ20と接続される。磁石22は、ケース円筒部21aの内周面に固定される。磁石22は、周方向に沿って複数の磁極が配置される。
【0026】
シャフト23は、中心軸Jに沿って軸方向に延びる略円柱状である。シャフト23の軸方向他方側の部分は、インペラ貫通孔61aに固定される。これにより、シャフト23は、インペラ部60と固定される。シャフト23は、軸受91,92によって、中心軸Jを中心として回転自在に支持される。これにより、シャフト23、インペラ部60、およびロータ20が、中心軸Jを中心として回転可能になる。
【0027】
インペラ部60が中心軸Jを中心として周方向一方側に向けて回転すると、吸気口41dを介して、空気が送風機10の内部に取り込まれ、空気は複数の羽根64によって、インペラ部60から径方向外側、かつ、周方向一方側に送り出され、
図1に示す、排気口40bを介して、送風機10の外部に送り出される。
【0028】
図2に示すように、ステータ30は、ロータ20の径方向内側に配置される。ステータ30は、ロータ20と径方向に対向して配置される。ステータ30は、ステータコア31と、インシュレータ32と、複数のコイル33と、を有する。
【0029】
ステータコア31は、中心軸Jを中心とする略円環状である。ステータコア31は、ロータ20と径方向に対向して配置される。ステータコア31は、コアバック部31aと、ティース部31bと、アンブレラ部31cと、を有する。コアバック部31aは、中心軸Jを中心とする略円筒状である。コアバック部31aの内周面は、スリーブ50の外周面に固定される。これにより、ステータ30はスリーブ50を保持する。また、ステータ30は、スリーブ50を介してハウジング40に固定される。
図3に示すように、ティース部31bは、コアバック部31aから径方向外側に突出する。ティース部31bは、コアバック部31aの外周面に沿って間隔をあけて複数設けられる。本実施形態において、ティース部31bは、4個設けられる。アンブレラ部31cは、各ティース部31bの径方向外側の端部から、周方向の両側に向けて突出する。
【0030】
インシュレータ32は、インシュレータ本体部32aと、インシュレータ筒状部32bと、を有する。インシュレータ本体部32aは、コアバック部31aおよび各ティース部31bを覆うようにステータコア31に装着される。インシュレータ筒状部32bは、軸方向に延びる円筒状である。インシュレータ筒状部32bは、軸方向一方側(-Z側)および軸方向他方側(+Z側)に開口する。
図2に示すように、径方向において、インシュレータ筒状部32bは、コアバック部31aと、アンブレラ部31cとの間に配置される。
図3に示すように、インシュレータ筒状部32bは、周方向に互いに隣り合うティース部31b同士の間に配置される。インシュレータ筒状部32bの径方向内側の端部は、インシュレータ本体部32aと繋がる。本実施形態において、インシュレータ筒状部32bの少なくとも2個は、接続ピン35を備える。本実施形態では、2個のインシュレータ筒状部32bが接続ピン35を備える。
図2に示すように、係る2個のインシュレータ筒状部32bは、中心軸Jを挟んで互いに径方向に対向する位置に配置される。
【0031】
複数のコイル33は、それぞれ、ティース部31bに、インシュレータ本体部32aを介して装着される。つまり、複数のコイル33は、それぞれ、ステータコア31に装着される。
図3に示すように、複数のコイル33は、それぞれ、互いに周方向に沿って配置される。本実施形態において、コイル33は、4個設けられる。コイル33の軸方向他方側(+Z側)の部分からは、コイル引出線33aが引き出される。コイル引出線33aは、接続ピン35に接続される。これにより、ステータ30と接続ピン35とが接続される。
【0032】
回路基板70は、複数のコイル33に供給される電流を制御する。
図2に示すように、回路基板70は、ステータ30の軸方向一方側(-Z側)に配置される。回路基板70は径方向に広がる板状である。回路基板70は、板面を軸方向に向いて配置される。回路基板70は、収容孔42eの軸方向他方側(+Z側)に配置される。回路基板70は、シャフト23およびスリーブ50を径方向外側から囲む。回路基板70は、第1貫通孔70dを有する。
図3に示すように、回路基板70は、貫通部70eおよび第2貫通孔70fを有する。
図4に示すように、回路基板70は、基板孔部72およびランド部73を有する。
【0033】
図2に示すように、第1貫通孔70dは、回路基板70を軸方向に貫通する孔である。軸方向に見て、第1貫通孔70dは、中心軸Jを中心とする円形状である。第1貫通孔70dには、スリーブ50およびシャフト23が軸方向に通される。
図3に示すように、貫通部70eおよび第2貫通孔70fは、それぞれ、回路基板70を軸方向に貫通する孔である。なお、貫通部70eおよび第2貫通孔70fは、それぞれ、軸方向に凹む凹部であってもよい。貫通部70eおよび第2貫通孔70fそれぞれには、基板固定部42nが圧入される。これにより、回路基板70は、ハウジング40に固定される。
【0034】
図2に示すように、基板孔部72は、回路基板70を軸方向に貫通する孔である。基板孔部72は、第1貫通孔70dの径方向外側に設けられる。本実施形態において、回路基板70は、2個の基板孔部72を有する。
図4に示すように、軸方向に見て、一方の基板孔部72は、一方の収容孔42eと重なる。軸方向に見て、他方の基板孔部72は、他方の収容孔42eと重なる。2個の基板孔部72は、中心軸Jを径方向に挟んで配置される。ランド部73は、回路基板70の軸方向一方側(-Z側)を向く面に設けられる。本実施形態において、ランド部73は2個設けられる。各ランド部73は、それぞれ、基板孔部72の周縁部に設けられる。各ランド部73は、それぞれ、基板孔部72から、周方向他方側に向けて延びる。本実施形態において、各ランド部73は、中心軸Jを対称軸として互いに点対称な形状である。本実施形態において、ランド部73は、銅箔によって構成される。なお、各ランド部73は、中心軸Jを対称軸として互いに点対称な形状でなくてもよい。
【0035】
図2に示すように、接続ピン35は、軸方向に延びる棒状である。接続ピン35は、インシュレータ筒状部32bの内部を軸方向に通される。本実施形態において、回転電機15は、2個の接続ピン35を備える。径方向において、各接続ピン35は、コアバック部31aとアンブレラ部31cとの間に配置される。
図3に示すように、各接続ピン35は、それぞれ、複数のコイル33同士の間に配置される。各接続ピン35の軸方向他方側(+Z側)の部分は、インシュレータ筒状部32bから軸方向他方側に突出し、コイル引出線33aと接続される。これにより、各接続ピン35は、ステータ30と接続される。
【0036】
図2に示すように、2個の接続ピン35は、中心軸Jを径方向に挟んで配置される。各接続ピン35の軸方向一方側(-Z側)の部分は、それぞれ、基板孔部72を軸方向に通される。各接続ピン35の軸方向一方側の端部は、それぞれ、各収容孔42eの内部に収容される。各接続ピン35は、それぞれ、半田によって回路基板70と接続される。これにより、各接続ピン35は、それぞれ、ステータ30と回路基板70とを接続する。よって、本実施形態によれば、接続ピン35のみを介する簡易な構成でステータ30と回路基板70を接続できる。したがって、回転電機15および送風機10の部品点数および製造コストが増大することを抑制できる。
【0037】
上述のように、軸方向に見て、収容孔42eは、矩形状の孔である。底壁部42cは、底壁孔42hと収容孔42eとの間に、スリーブ50を保持するスリーブ保持部42kを有する。スリーブ保持部42kの接続ピン35と対向する第1内側面42fは、径方向外側を向いている。収容孔42eの内側面のうち、径方向外側を向く面は、第1内側面42fである。
【0038】
図6に示すように、第1内側面42fは、スリーブ保持部42kが接続ピン35と対向する面である。また、第1内側面42fは、スリーブ保持部42kの面のうち径方向外側を向く外側面でもあり、収容孔42eの内側面のうち接続ピン35と対向する面でもある。第1内側面42fは、軸方向他方側(+Z側)に向かうにしたがって、接続ピン35から遠ざかる向きに傾斜する。本実施形態において、収容孔42eの内側面のうち、第1内側面42f以外の内側面は、軸方向に沿って延びる面であってもよいし、軸方向に対して傾斜する傾斜面であってもよい。なお、
図6は、
図2に対して、軸方向に反転した状態の送風機10を示している。
【0039】
図5に示すように、第1内側面42fの軸方向一方側(-Z側)の部分には、切り欠き部42gが設けられる。切り欠き部42gは、第1内側面42fから径方向内側に向けて窪む。切り欠き部42gは、接続ピン35から遠ざかる向きに窪む。切り欠き部42gは、スリーブ保持部42kの径方向外側を向く面に設けられる。本実施形態によれば、
図4に示すように、軸方向に見て、切り欠き部42gは、円弧状である。よって、第2ハウジング部材42を、樹脂成型する際に、切り欠き部42g近傍における樹脂の流れを円滑にできる。したがって、切り欠き部42gの形状を精度良く成形できる。また、切り欠き部42gが円弧状であるため、回転電機15および送風機10を駆動する際に、スリーブ50を介して、シャフト23およびステータ30からスリーブ保持部42kに伝わる応力が、切り欠き部42gの一部分に集中することを抑制できる。よって、回転電機15および送風機10を駆動する際に、スリーブ保持部42kに保持されるスリーブ50の径方向の位置が安定し、軸受91,92の径方向の位置を安定させることができる。したがって、ロータ20およびインペラ部60を安定して中心軸J回りに回転させることができる。
【0040】
本実施形態において、2個の収容孔42eそれぞれは、中心軸Jを対称軸として互いに点対称な形状である。軸方向に見て、切り欠き部42gの少なくとも一部は、中心軸Jと2個の接続ピン35とを通る第1仮想直線L1上に配置される。軸方向に見て、第1内側面42fと直交し、中心軸Jを通る第2仮想直線L2と、切り欠き部42gの径方向内側の端部と中心軸Jを通る第3仮想直線L3とは、互いに周方向にずれる。よって、本実施形態によれば、第1内側面42fから径方向内側に窪む切り欠き部42gによって、スリーブ保持部42kの径方向の最小寸法が小さくなることを抑制できる。したがって、径方向における、スリーブ保持部42kの強度が低下することを抑制できる。
【0041】
次に、本実施形態において、半田付けによって、2個の接続ピン35を回路基板70に接続する接続ピン接続工程について説明する。接続ピン接続工程は、回転電機15および送風機10の製造工程の一部である。接続ピン接続工程は、回路基板70の基板孔部72に2個の接続ピン35を軸方向に通す第1工程と、半田付けによって、2個の接続ピン35を回路基板70に接続する第2工程と、を含む。なお、本明細書において「作業者等」とは、各作業を行う作業者および組立装置等を含む。各作業は、作業者のみによって行われてもよいし、組立装置のみによって行われてもよいし、作業者と組立装置とによって行われてもよい。
【0042】
なお、
図6に示すように、接続ピン接続工程において、第2ハウジング部材42は底壁部42cの軸方向一方側(-Z側)を向く面が鉛直方向上側を向いて、図示しない治具等に保持される。以下の接続ピン接続工程の説明では、軸方向一方側を鉛直方向上側と呼び、軸方向他方側(+Z側)を鉛直方向下側と呼ぶ場合がある。
【0043】
第1工程では、作業者等は、予め、回路基板70、スリーブ50、およびステータ30が固定された第2ハウジング部材42の鉛直方向下側から、2個の接続ピン35を鉛直方向上側(-Z側)に移動させて、各接続ピン35をインシュレータ筒状部32bの内部に通す。
図6に示すように、各接続ピン35が基板孔部72を軸方向に通され、各接続ピン35の鉛直方向上側の端部が収容孔42eの内部に位置すると、第1工程が終了する。
【0044】
第2工程では、作業者等は、まず、半田付けによって、一方の接続ピン35と回路基板70とを接続する。なお、本実施形態では、半田鏝96は、図示しない半田付け装置に保持される。半田付け装置は、半田鏝96を、軸方向に移動可能である。半田鏝96を移動させる手段はこれに限定されず、作業者が半田鏝96を移動させてもよい。
【0045】
作業者等は、第2ハウジング部材42の鉛直方向上側(-Z側)から、半田鏝96を鉛直方向下側(+Z側)に移動させ、
図4および
図6に示すように、半田鏝96を、一方のランド部73に接触させる。このとき、作業者等は、半田鏝96を、一方の切り欠き部42gの径方向外側を通過させつつ、鉛直方向下側に向けて移動させる。その後、作業者等は、半田鏝96を、一方の切り欠き部42gの径方向外側を通過させつつ、鉛直方向上側に向けて移動させて、半田鏝96を一方のランド部73から離間する。これらの作業により、半田によって一方の接続ピン35が回路基板70に接続される。
【0046】
次に、作業者等は、図示は省略するが、中心軸Jを中心として、第2ハウジング部材42を180°回転させる。その後、作業者等は、半田鏝96を、他方の切り欠き部42gの径方向外側を通過させつつ、鉛直方向下側に向けて移動させて、半田鏝96を他方のランド部73に接触させる。その後、作業者等は、半田鏝96を、他方の切り欠き部42gの径方向外側を通過させつつ、鉛直方向上側に向けて移動させて、半田鏝96を他方のランド部73から離間する。これらの作業により、半田によって他方の接続ピン35が回路基板70に接続される。2個の接続ピン35が回路基板70に接続されると第2工程は終了し、接続ピン接続工程は終了する。
【0047】
本実施形態によれば、回路基板70は、接続ピン35が軸方向に通される基板孔部72を有し、接続ピン35は、半田によって回路基板70と接続され、底壁部42cは、スリーブ50を保持するスリーブ保持部42kと、底壁部42cを軸方向に貫通する収容孔42eと、を有する。収容孔42eは、スリーブ保持部42kの径方向外側に配置され、接続ピン35の軸方向一方側(-Z側)の端部は、収容孔42eの内部に収容され、収容孔42eの内側面のうち、接続ピン35との距離が最も近い第1内側面42fは、軸方向他方側(+Z側)に向かうにしたがって接続ピン35から遠ざかる向きに傾斜する。よって、
図6に示すように、第1内側面42fの軸方向他方側の端部と、回路基板70の基板孔部72との間の距離を大きくできるため、第2工程において、半田鏝96によって回路基板70の軸方向一方側を向く面に設けられるランド部73を加熱する際に、回路基板70を介して、半田鏝96から第1内側面42fの軸方向他方側の端部に与えられる熱量を抑制できる。したがって、第1内側面42fの軸方向他方側の端部が熱溶融することを抑制できる。つまり、半田付けによって接続ピン35を回路基板70に接続する際に、ハウジング40が熱溶融することを抑制できる。
【0048】
また、本実施形態では、スリーブ保持部42kの径方向の寸法が、軸方向一方側(-Z側)に向かうにしたがって大きくなるため、スリーブ保持部42kの径方向の強度が低下することを抑制できる。したがって、回転電機15および送風機10を駆動する際に、スリーブ保持部42kに保持されるスリーブ50の径方向の位置が安定するため、軸受91,92の径方向の位置を安定させることができ、ロータ20およびインペラ部60を安定して中心軸J回りに回転させることができる。
【0049】
さらに、本実施形態では、上述のように、スリーブ保持部42kの径方向の強度が低下することを抑制できるため、収容孔42eの軸方向他方側(+Z側)の部分を底壁孔42hに近づけて配置でき、接続ピン35をより径方向内側に配置し易くなる。そのため、本実施形態では、接続ピン35を、コアバック部31aとアンブレラ部31cとの間に配置しやすく、接続ピン35がステータ30よりも径方向外側に配置される場合と比較して、径方向において、回転電機15および送風機10の小型化を図ることができる。
【0050】
本実施形態によれば、
図4に示すように、第1内側面42fの軸方向一方側(-Z側)の部分には、接続ピン35から遠ざかる向きに窪む切り欠き部42gが設けられ、軸方向に見て、切り欠き部42gの少なくとも一部は、中心軸Jと接続ピン35との両方を通る第1仮想直線L1上に配置される。よって、
図6に示すように、第2工程において、半田鏝96を基板孔部72の周縁部に配置されるランド部73に接触させる際に、半田鏝96を、容易に切り欠き部42gの径方向外側を通過させつつ、鉛直方向下側(+Z側)に向けて移動できる。また、半田鏝96をランド部73から離間させる際に、半田鏝96を、容易に切り欠き部42gの径方向外側を通過させつつ、鉛直方向上側(-Z側)に向けて移動できる。そのため、第1内側面42fが軸方向一方側に向かうにしたがって接続ピン35に近づく向きに傾斜する傾斜面であるにも関わらず、半田鏝96と第1内側面42fの軸方向一方側の部分との間の空間距離を長くできる。したがって、第2工程において、半田鏝96を鉛直方向下側および鉛直方向上側に向けて移動させる際に、半田鏝96の熱が第1内側面42fに伝わりづらくなり、第1内側面42fの軸方向一方側の部分が熱溶融することを好適に抑制できる。
【0051】
また、本実施形態によれば、
図4に示すように、2個の基板孔部72それぞれの周縁部に配置されるランド部73は、中心軸Jを対称軸として互いに点対称な形状であり、2個の収容孔42eそれぞれは、中心軸Jを対称軸として互いに点対称な形状である。よって、第2工程において、半田鏝96から見て、一方の基板孔部72、一方のランド部73、および一方の切り欠き部42gそれぞれ位置は、第2ハウジング部材42を中心軸J回りに180°回転させたときの、他方の基板孔部72、他方のランド部73、および他方の切り欠き部42gそれぞれの位置と同じ位置である。そのため、第2工程では、一方の接続ピン35を回路基板70に接続した後に、第2ハウジング部材42を中心軸J回りに180°回転させる作業と、半田鏝96を鉛直方向下側(+Z側)および鉛直方向上側(-Z側)に移動させる作業のみによって、半田鏝96を2個のランド部73それぞれに接触させることができる。また、半田鏝96を鉛直方向下側および鉛直方向上側に移動させる作業のみによって、半田鏝96を、2個の切り欠き部42gそれぞれの径方向外側を通過させつつ、鉛直方向下側および鉛直方向上側に向けて移動できる。よって、第2工程において、半田鏝96を径方向および周方向に移動させる作業が不要であるため、第2工程の工数が増大することを抑制できるとともに、半田付け装置の簡略化を図ることができ、回転電機15および送風機10の製造コストが増大することを抑制できる。
【0052】
以上に、本発明の一実施形態を説明したが、実施形態における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはない。例えば、上述した実施形態に示した回転電機、送風機の用途は、特に限定されない。
【0053】
例えば、送風機が備える接続ピンの個数は2個に限定されず、3個以上であってもよい。その場合、接続ピンの個数と同じ個数の収容孔を設けてもよいし、1つの収容孔に2個以上の接続ピンが収容されてもよい。
また、送風機は、遠心ファンに限定されず、例えば、軸方向に空気を流す軸流ファン等の他の構成の送風機であってもよい。
本明細書において説明した各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
【0054】
なお、本技術は以下のような構成をとることが可能である。
(1) 中心軸を中心に回転するロータと、前記ロータを回転自在に支持する軸受と、前記軸受を保持するスリーブと、前記ロータと径方向に対向し、前記スリーブを保持するステータと、前記ステータの軸方向一方側にて、板面を軸方向に向いて配置される回路基板と、前記ステータと前記回路基板とを接続する接続ピンと、前記回路基板の軸方向一方側に配置される底壁部を有するハウジングと、を備え、前記回路基板は、前記接続ピンが軸方向に通される基板孔部を有し、前記接続ピンは、半田によって前記回路基板と接続され、前記底壁部は、前記スリーブが軸方向に通され、前記スリーブと固定される底壁孔と、前記底壁部を軸方向に貫通し、前記底壁孔の径方向外側に配置され、前記接続ピンの軸方向一方側の端部を内部に収容する収容孔と、前記底壁孔と前記収容孔との間に、前記スリーブを保持するスリーブ保持部と、を有し、前記スリーブ保持部の前記接続ピンと対向する第1内側面は、軸方向他方側に向かうにしたがって、前記接続ピンから遠ざかる向きに傾斜する、回転電機。
(2) 前記収容孔は軸方向から見て矩形状であり、前記第1内側面は径方向外側を向く、(1)に記載の回転電機。
(3) 前記第1内側面には、前記接続ピンから遠ざかる向きに窪む切り欠き部が設けられ、軸方向に見て、前記切り欠き部の少なくとも一部は、前記中心軸と前記接続ピンとの両方を通る第1仮想直線上に配置される、(1)または(2)に記載の回転電機。
(4) 軸方向に見て、前記切り欠き部は、円弧状である、(3)に記載の回転電機。
(5) 軸方向に見て、前記底壁孔は前記中心軸を中心とする円形状であり、軸方向に見て、前記第1内側面と直交し前記中心軸を通る第2仮想直線と、前記切り欠き部の径方向内側の端部と前記中心軸を通る第3仮想直線とは、互いに周方向にずれる、(3)または(4)に記載の回転電機。
(6) 2個の前記接続ピンを備え、前記回路基板は、2個の前記接続ピンそれぞれが軸方向に通される2個の前記基板孔部と、2個の前記基板孔部それぞれの周縁部に配置されるランド部を有し、前記底壁部は、2個の前記接続ピンそれぞれの軸方向一方側の端部が収容される、2個の前記収容孔を有し、前記ランド部は、前記中心軸を対称軸として互いに点対称な形状であり、2個の前記収容孔は、前記中心軸を対称軸として互いに点対称な形状である、(1)から(5)のいずれか一項に記載の回転電機。
(7) 前記ロータは、周方向に沿って配置される磁石を有し、前記ステータは、前記磁石の径方向内側に配置され、前記ステータは、前記ロータと径方向に対向して配置されるステータコアと、前記ステータコアに装着される複数のコイルと、を有し、前記ステータコアは、前記スリーブに固定され、前記接続ピンは、複数の前記コイルと接続され、複数の前記コイルは、互いに周方向に沿って配置され、周方向において、前記接続ピンは、複数の前記コイル同士の間に配置される、(1)から(6)のいずれか一項に記載の回転電機。
(8) (1)から(7)のいずれかに記載の回転電機と、前記ロータと接続され、前記中心軸を中心して回転可能なインペラ部と、を備える送風機。
【符号の説明】
【0055】
10…送風機、15…回転電機、20…ロータ、22…磁石、30…ステータ、31…ステータコア、33…コイル、35…接続ピン、40…ハウジング、42c…底壁部、42e…収容孔、42f…第1内側面、42g…切り欠き部、42h…底壁孔、42k…スリーブ保持部、50…スリーブ、60…インペラ部、70…回路基板、72…基板孔部、73…ランド部、91…軸受、92…軸受、J…中心軸、L1…第1仮想直線、L2…第2仮想直線、L3…第3仮想直線