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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025436
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H10B 12/00 20230101AFI20240216BHJP
   H01L 29/786 20060101ALI20240216BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
H01L27/108 625
H01L27/108 625C
H01L27/108 671C
H01L27/108 671Z
H01L29/78 626A
H01L29/78 613B
H01L29/78 617Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022128883
(22)【出願日】2022-08-12
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】弁理士法人サクラ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】青木 健
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 隆行
(72)【発明者】
【氏名】和田 政春
(72)【発明者】
【氏名】犬飼 貴士
【テーマコード(参考)】
5F083
5F110
【Fターム(参考)】
5F083AD03
5F083AD06
5F083AD17
5F083HA02
5F083JA02
5F083JA33
5F083JA37
5F083JA39
5F083JA40
5F083JA42
5F083JA60
5F083KA01
5F083KA05
5F083KA19
5F083LA12
5F083LA16
5F083LA19
5F083MA06
5F083MA16
5F083MA18
5F083PR03
5F083PR05
5F083PR21
5F083PR22
5F083PR40
5F110AA30
5F110BB06
5F110BB11
5F110CC09
5F110DD05
5F110DD15
5F110DD17
5F110EE04
5F110EE14
5F110EE44
5F110EE45
5F110FF02
5F110FF03
5F110FF04
5F110FF12
5F110FF28
5F110FF29
5F110GG01
5F110GG22
5F110GG43
5F110GG44
5F110HK02
5F110HK07
5F110HK33
5F110HK34
5F110NN03
5F110NN23
5F110NN24
5F110NN72
5F110QQ03
(57)【要約】
【課題】半導体装置の微細化に伴う信頼性の低下を抑制する
【解決手段】半導体装置は、半導体基板と、半導体基板の上方に設けられ、半導体基板の表面と交差する第1方向に延在する第1の電極と、第1の電極に対向する第2の電極と、を有するキャパシタと、キャパシタの上方に設けられ、第1方向と交差する第2方向に延在する第1の導電層と、第1の導電層を第1方向に貫通して設けられた半導体層と、第1の導電層の上または下に設けられ、第1の導電層に電気的に接続された第1の導電体と、第1の導電層と半導体層との間に設けられた第1の絶縁膜と、第2方向に延在し第1の導電体を介して第1の導電層に電気的に接続された第2の導電層と、を具備する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、
前記半導体基板の上方に設けられ、前記半導体基板の表面と交差する第1方向に延在する第1の電極と、前記第1の電極に対向する第2の電極と、を有するキャパシタと、
前記キャパシタの上方に設けられ、前記第1方向と交差する第2方向に延在する第1の導電層と、
前記第1の導電層を前記第1方向に貫通して設けられた半導体層と、
前記第1の導電層の上または下に設けられ、前記第1の導電層に電気的に接続された第1の導電体と、
前記第1の導電層と前記半導体層との間に設けられた第1の絶縁膜と、
前記第2方向に延在し前記第1の導電体を介して前記第1の導電層に電気的に接続された第2の導電層と、
を具備する、半導体装置。
【請求項2】
前記半導体層は、酸化物半導体を含む、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第2の導電層は、前記第1の導電層の上方に設けられる、請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第2の導電層は、前記第2の電極の下方に設けられ、
前記第2の電極を前記第1方向に貫通して設けられ、前記第1の導電体と前記第2の導電層とを電気的に接続する第1の電気伝導体をさらに具備する、請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1の電気伝導体と前記第2の電極との間に設けられた第2の絶縁膜をさらに具備する、請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1の電気伝導体と前記第1の電極とは同一の材料を含む、請求項4に記載の半導体装置。
【請求項7】
半導体基板と、
前記半導体基板の上方に設けられ、前記半導体基板の表面と交差する第1方向に延在する第1の電極と、前記第1の電極に対向する第2の電極と、を有するキャパシタと、
前記キャパシタの上方に設けられ、前記第1方向と交差する第2方向に延在する第1の導電層と、
前記第1の導電層を前記第1方向に貫通して設けられた半導体層と、
前記第1の導電層を前記第1方向に貫通して設けられ、前記第2の電極に電気的に接続された第1の導電体と、
前記第1の導電層と前記半導体層との間に設けられた第1の絶縁膜と、
前記第1の導電層と前記第1の導電体との間に設けられた第2の絶縁膜と、
前記第1の導電体を介して前記第2の電極に電気的に接続された第2の導電層と、
を具備する、半導体装置。
【請求項8】
前記半導体層は、酸化物半導体を含む、請求項7に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第1の導電体は、金属および金属化合物からなる群より選ばれる少なくとも一つを含む、請求項7または請求項8に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第1の導電体の下方に設けられ、前記第1の導電体と前記第2の電極とを電気的に接続する第1の電気伝導体をさらに具備する、請求項7または請求項8に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記第1の電気伝導体と前記第2の電極との間に設けられた第3の絶縁膜をさらに具備する、請求項10に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記第1の電気伝導体と前記第1の電極とは同一の材料を含む、請求項10に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ビット線、ワード線、およびこれらに接続されるメモリセル(トランジスタおよびキャパシタ)を有する半導体記憶装置が用いられている。ビット線とワード線を選択して、電圧を印加することで、メモリセルにデータを書き込み、読み出すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2012/0168858号公報
【特許文献2】米国特許第10964710号公報
【特許文献3】米国特許第8716773号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施形態の発明が解決しようとする課題は、半導体装置の微細化に伴う信頼性の低下を抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の半導体装置は、半導体基板と、半導体基板の上方に設けられ、半導体基板の表面と交差する第1方向に延在する第1の電極と、第1の電極に対向する第2の電極と、を有するキャパシタと、キャパシタの上方に設けられ、第1方向と交差する第2方向に延在する第1の導電層と、第1の導電層を第1方向に貫通して設けられた半導体層と、第1の導電層の上または下に設けられ、第1の導電層に電気的に接続された第1の導電体と、第1の導電層と半導体層との間に設けられた第1の絶縁膜と、第2方向に延在し第1の導電体を介して第1の導電層に電気的に接続された第2の導電層と、を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】メモリセルアレイの回路構成例を説明するための回路図である。
図2】メモリセルアレイの構造例を説明するための平面模式図である。
図3】メモリセルアレイの構造例を説明するための断面模式図である。
図4】メモリセルアレイの第1の構造例を説明するための平面模式図である。
図5】メモリセルアレイの第1の構造例を説明するための断面模式図である。
図6】第1の構造例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図7】第1の構造例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図8】第1の構造例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図9】第1の構造例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図10】第1の構造例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図11】第1の構造例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図12】第1の構造例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図13】第1の構造例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図14】第1の構造例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図15】第1の構造例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図16】第1の構造例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図17】第1の構造例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図18】第1の構造例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図19】第1の構造例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図20A】第1の構造例の他の例を説明するための断面模式図である。
図20B】第1の構造例の別の他の例を説明するための断面模式図である。
図21】第1の構造例の他の例を説明するための平面模式図である。
図22】第1の構造例の他の例を説明するための平面模式図である。
図23】第1の構造例の他の例を説明するための平面模式図である。
図24】第1の構造例の変形例を説明するための断面模式図である。
図25】第1の構造例の変形例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図26】第1の構造例の変形例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図27】第1の構造例の変形例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図28】第1の構造例の変形例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図29】第1の構造例の変形例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図30】第1の構造例の変形例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図31】第1の構造例の変形例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図32】メモリセルアレイの第2の構造例を説明するための平面模式図である。
図33】メモリセルアレイの第2の構造例を説明するための断面模式図である。
図34】第2の構造例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図35】第2の構造例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図36】第2の構造例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図37】第2の構造例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図38】第2の構造例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図39】第2の構造例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図40】第2の構造例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図41】第2の構造例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
図42】第2の構造例の製造方法例を説明するための断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。図面に記載された各構成要素の厚さと平面寸法との関係、各構成要素の厚さの比率等は現物と異なる場合がある。上下方向は、重力加速度に従った上下方向と異なる場合がある。また、実施形態において、実質的に同一の構成要素には同一の符号を付し適宜説明を省略する。
【0008】
本明細書において「接続」とは物理的な接続だけでなく電気的な接続も含み、特に指定する場合を除き、直接接続だけでなく間接接続も含む。
【0009】
実施形態の半導体装置は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)であって、メモリセルアレイを有する。
【0010】
図1は、メモリセルアレイの回路構成例を説明するための回路図である。図1は、複数のメモリセルMCと、複数のワード線WL(ワード線WL、ワード線WLn+1、ワード線WLn+2、nは整数)と、複数のビット線BL(ビット線BL、ビット線BLm+1、ビット線BLm+2、mは整数)と、電源線VPLと、を図示する。
【0011】
複数のメモリセルMCは、行列方向に配列され、メモリセルアレイを形成する。それぞれのメモリセルMCは、電界効果トランジスタ(FET)であるメモリトランジスタMTRと、メモリキャパシタMCPと、を備える。メモリトランジスタMTRのゲートは対応するワード線WLに接続され、ソースまたはドレインの一方は対応するビット線BLに接続される。ワード線WLは、例えばロウデコーダに接続される。ビット線BLは、例えばセンスアンプに接続される。メモリキャパシタMCPの第1の電極はメモリトランジスタMTRのソースまたはドレインの他方に接続され、第2の電極は特定の電位を供給する電源線VPLに接続される。電源線VPLは、例えば電源回路に接続される。メモリセルMCは、ワード線WLによるメモリトランジスタMTRのスイッチングによりビット線BLからメモリキャパシタMCPに電荷を蓄積してデータを保持できる。複数のメモリセルMCの数は、図1に示す数に限定されない。
【0012】
図2は、メモリセルアレイの構造例を説明するための平面模式図である。図3は、メモリセルアレイの構造例を説明するための断面模式図である。図2および図3は、X軸と、Y軸と、Z軸と、を示す。X軸、Y軸、およびZ軸は、互いに直交する。Z軸は、半導体基板10の表面と交差する方向である。図2は、X-Y平面の一部を示す。図3は、X-Z断面の一部を示す。
【0013】
メモリセルアレイは、導電体21と、導電層22と、電気伝導体23と、絶縁体24と、導電層31と、導電性酸化物層32と、酸化物半導体層41と、導電層42と、絶縁膜43と、導電性酸化物層51と、導電層52と、導電層71と、を具備する。なお、図2は、便宜のため、酸化物半導体層41と、導電層42と、絶縁膜43と、導電層71と、を示し、その他の構成要素については便宜のため図示を省略している。
【0014】
メモリトランジスタMTRおよびメモリキャパシタMCPは、図3に示すように、半導体基板10の上の絶縁層11の上方に設けられる。半導体基板10には、ロウデコーダやセンスアンプ、電源回路等の周辺回路が形成される。周辺回路は、例えばPチャネル型電界効果トランジスタ(Pch-FET)、Nチャネル型電界効果トランジスタ(Nch-FET)の電界効果トランジスタを有する。電界効果トランジスタは、例えば単結晶シリコン基板等の半導体基板10を用いて形成可能であり、Pch-FETおよびNch-FETは、半導体基板10にチャネル領域とソース領域とドレイン領域とを有する。なお、半導体基板10はP型の導電型を有していてもよい。絶縁層11は、半導体基板10の上に設けられ、例えばシリコン(Si)と、酸素(O)または窒素(N)と、を含む。絶縁層11は、積層膜であってもよい。
【0015】
導電体21、導電層22、電気伝導体23、および絶縁体24は、メモリキャパシタMCPを形成する。メモリキャパシタMCPは、いわゆるピラー型キャパシタ、シリンダー型キャパシタ等の3次元キャパシタである。
【0016】
導電体21は、絶縁層11を挟んで半導体基板10の上方に設けられる。導電層22は、導電体21の一部の上に設けられる。導電体21および導電層22は、メモリキャパシタMCPの第2の電極を形成する。導電体21は、Z軸方向から見て複数の電気伝導体23と重なるように延在する。導電体21は、プレート電極ともいう。電気伝導体23は、絶縁体24を挟んで導電体21の上方に設けられ、Z軸方向に延在し、メモリキャパシタMCPの第1の電極を形成する。絶縁体24は、導電体21および導電層22と、電気伝導体23と、の間に設けられ、メモリキャパシタMCPの誘電体を形成する。
【0017】
導電体21および導電層22は、例えばタングステン、窒化チタン等の材料を含む。電気伝導体23は、例えばタングステン、窒化チタン、アモルファスシリコン等の材料を含む。絶縁体24は、例えば酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム等の材料を含む。
【0018】
導電層31は、電気伝導体23の上に設けられ、電気伝導体23に電気的に接続される。導電層31は、例えば銅を含む。なお、導電層31は、必ずしも形成されなくてもよい。
【0019】
導電性酸化物層32は、導電層31の上に設けられる。導電性酸化物層32は、例えばインジウム-錫-酸化物(ITO)等の金属酸化物を含む。
【0020】
導電層31および導電性酸化物層32は、導電体30aを形成する。導電体30aは、複数の電気伝導体23に対して複数設けられる。複数の導電体30aの間には、絶縁層33が形成される。絶縁層33は、例えばシリコンと、酸素または窒素と、を含む。
【0021】
酸化物半導体層41、導電層42、および絶縁膜43は、メモリトランジスタMTRを形成する。メモリトランジスタMTRは、メモリキャパシタMCPの上方に設けられる。メモリトランジスタMTRは、複数のメモリキャパシタMCPに対応して複数設けられる。複数のメモリトランジスタMTRの間には、絶縁層44および絶縁層45が形成される。絶縁層44および絶縁層45は、例えばシリコンと、酸素または窒素と、を含む。
【0022】
酸化物半導体層41は、例えばZ軸方向に延在する柱状体である。酸化物半導体層41は、導電層42をZ軸方向に貫通する。酸化物半導体層41は、メモリトランジスタMTRのチャネルを形成する。酸化物半導体層41は、例えばインジウム(In)を含む。酸化物半導体層41は、例えば、酸化インジウムと酸化ガリウム、酸化インジウムと酸化亜鉛、又は、酸化インジウムと酸化スズを含む。一例として、インジウム、ガリウム、及び、亜鉛を含む酸化物(インジウム-ガリウム-亜鉛-酸化物)、いわゆるIGZO(InGaZnO)を含む。
【0023】
酸化物半導体層41のZ軸方向の一端は、導電性酸化物層32を介して導電層31に接続され、メモリトランジスタMTRのソースまたはドレインの他方として機能する。導電性酸化物層32は、メモリキャパシタMCPの電気伝導体23とメモリトランジスタMTRの酸化物半導体層41との間に設けられ、メモリトランジスタMTRのソース電極またはドレイン電極の他方として機能する。導電性酸化物層32は、メモリトランジスタMTRの酸化物半導体層41と同様に金属酸化物を含むため、メモリトランジスタMTRとメモリキャパシタMCPとの間の接続抵抗を低減できる。
【0024】
導電層42は、X―Y平面において絶縁膜43を挟んで酸化物半導体層41に対向する部分を含む。導電層42は、メモリトランジスタMTRのゲート電極を形成するとともに、配線としてワード線WLを形成する。導電層42は、例えば金属、金属化合物、または、半導体を含む。導電層42は、例えば、タングステン(W)、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、モリブデン(Mo)、コバルト(Co)、およびルテニウム(Ru)からなる群より選ばれる少なくとも一つの材料を含む。
【0025】
なお、図2において、導電層42は、Y軸方向から見てメモリトランジスタMTRと重なる領域よりもメモリトランジスタMTRと重ならない領域の方がY軸方向の幅が狭いが、これに限定されず、導電層のY軸方向の幅は、一定の値であってもよい。
【0026】
複数の導電層42は、図2に示すように、X軸方向に延在するとともに、互いに平行に配置される。各導電層42は、X軸方向において、複数のメモリセルMCに重なり接続される。
【0027】
絶縁膜43は、X―Y平面において、酸化物半導体層41と導電層42との間に設けられる。絶縁膜43は、メモリトランジスタMTRのゲート絶縁膜を形成する。絶縁膜43は、例えば、シリコンと、酸素または窒素と、を含む。
【0028】
メモリトランジスタMTRは、ゲート電極がチャネルを囲んで配置される、いわゆるSurrounding Gate Transistor(SGT)である。SGTにより半導体装置の面積を小さくできる。
【0029】
酸化物半導体を含むチャネル層を有する電界効果トランジスタは、半導体基板10に設けられた電界効果トランジスタよりもオフリーク電流が低い。よって、例えばメモリセルMCに保持されたデータを長く保持できるため、リフレッシュ動作の回数を減らすことができる。また、酸化物半導体を含むチャネル層を有する電界効果トランジスタは、低温プロセスで形成可能であるため、メモリキャパシタMCPに熱ストレスを与えることを抑制できる。
【0030】
導電性酸化物層51は、酸化物半導体層41の上に設けられる。導電性酸化物層51は、例えばインジウム-錫-酸化物(ITO)等の金属酸化物を含む。
【0031】
導電層52は、導電性酸化物層51の上に設けられ、導電性酸化物層51に電気的に接続される。導電層52は、例えば銅を含む。
【0032】
導電性酸化物層51および導電層52は、導電体50aを形成する。導電体50aは、ビット線BLを介してセンスアンプに電気的に接続される。導電体50aは、例えばメモリトランジスタMTRとビット線BLと接続するための導電性パッドとしての機能を有する。導電体50aは、複数のメモリトランジスタMTRに対応して複数設けられる。複数の導電体50aの間には、絶縁層53が形成される。絶縁層53は、例えば、シリコンと、酸素または窒素と、を含む。
【0033】
酸化物半導体層41のZ軸方向の他端は、導電性酸化物層51を介して導電層52に接続され、メモリトランジスタMTRのソースまたはドレインの一方として機能する。導電性酸化物層51は、メモリトランジスタMTRのソース電極またはドレイン電極の一方として機能する。導電性酸化物層51は、メモリトランジスタMTRの酸化物半導体層41と同様に金属酸化物を含むため、メモリトランジスタMTRとビット線BLとの間の接続抵抗を低減できる。
【0034】
導電層71は、導電層52の上に設けられ、導電体50aに接続される。導電層71は、配線としてビット線BLを形成する。複数の導電層71の間には絶縁層72が形成される。絶縁層72は、例えば、シリコンと、酸素または窒素と、を含む。
【0035】
複数の導電層71(ビット線BL)は、図2に示すように、Y軸方向に延在するとともに、互いに平行に配置される。各導電層71は、Z軸方向から見て、複数のメモリセルMCに重なり接続される。
【0036】
複数のメモリセルMCは、図2に示すように、X-Y平面において千鳥配置を形成する。複数のワード線WLの一つに接続されたメモリセルMCは、隣接するワード線WLに接続されたメモリセルMCに対してX軸方向にずれて配置される。これにより、メモリセルMCの集積度を高めることができる。
【0037】
メモリセルMCの微細化に伴い、例えばワード線WLの配線幅(Y軸方向の幅)を狭くすることが考えられる。しかしながら、図2および図3に示す構造において、ワード線WLの配線幅を狭くすると、細線効果に起因して特にメモリセルMCの部分において配線抵抗が大きくなる。これは、半導体装置の信頼性の低下の原因となる。
【0038】
また、メモリキャパシタMCPは、プレート電極を電源線VPLに接続する必要があるが、メモリセルアレイの端部でプレート電極と電源線VPLとを接続する必要があるため、プレート電極のノイズの抑制が困難である。電源線VPLに接続される電源回路は、プレート電極の負荷容量が大きくなると、応答速度が遅くなる。これは、電源回路の低消費電力化に伴い顕著となる。これも、半導体装置の信頼性の低下の原因となる。
【0039】
そこで、実施形態の半導体装置の一つは、ワード線WLと異なる層に設けられ、メモリセルアレイ内に設けられた導電体を介してワード線WLに電気的に接続された補助配線を有する。これにより、ワード線WLの配線抵抗の増加の抑制を図る。
【0040】
また、実施形態の半導体装置の他の一つは、メモリセルアレイの上方に設けられ、メモリセルアレイ内に設けられた導電体を介してプレート電極に電気的に接続された電源線VPLを有する。これにより、プレート電極へのノイズの抑制を図る。
【0041】
これらの実施形態の半導体装置の具体的な構造例について以下に説明する。
【0042】
(メモリセルアレイの第1の構造例)
図4は、メモリセルアレイの第1の構造例を説明するための平面模式図である。図5は、メモリセルアレイの第1の構造例を説明するための断面模式図である。図4は、X-Y平面の一部を示す。図5は、X-Z断面の一部を示す。以下では図2および図3と異なる部分について説明し、その他の部分については、図2および図3の説明を適宜援用できる。
【0043】
メモリセルアレイの第1の構造例は、導電体46と、導電性酸化物層54と、導電層55と、導電層73と、導電体81と、導電層91と、をさらに具備する。なお、図4は、便宜のため、酸化物半導体層41と、導電層42と、絶縁膜43と、導電体46と、導電層71と、導電層73と、導電層91と、を示し、その他の構成要素については便宜のため図示を省略している。
【0044】
導電体46は、X軸方向において、複数のメモリセルMCの間に設けられる。導電体46は、導電層42の上に設けられる。導電体46の上方および下方には、図5に示すように、メモリトランジスタMTRおよびメモリキャパシタMCPが形成されない。図4は、複数の導電層42に対応して設けられた複数の導電体46を示す。複数の導電体46は、複数のメモリセルMCとともに千鳥配置を形成する。導電体46は、例えば導電層42に適用可能な材料を含む。
【0045】
導電性酸化物層54は、導電体46の上に設けられ、導電体46に電気的に接続される。導電性酸化物層54は、例えば導電性酸化物層51に適用可能な材料を含む。
【0046】
導電層55は、導電性酸化物層54の上に設けられ、導電性酸化物層54に電気的に接続される。導電層55は、例えば導電層52に適用可能な材料を含む。なお、導電性酸化物層54および導電層55の一つは、必ずしも設けられなくてもよい。
【0047】
導電性酸化物層54および導電層55は、導電体50bを形成する。導電体50bは、複数の導電層42に対応して複数設けられる。複数の導電体50bの間および導電体50aと導電体50bとの間には、絶縁層53が形成される。
【0048】
導電層73は、図4に示すように、Z軸方向から見て、複数のメモリセルMCの間に設けられ、複数の導電体50aの一つを介して導電体46に接続される。導電層73は、導電層71と同一層に設けられ、導電層55の上に設けられる。導電層73は、導電性パッドとしての機能を有する。導電層73は、導電層71に適用可能な材料を含む。導電層73は、複数の導電層42に対応して複数設けられる。複数の導電層73の間および導電層71と導電層73の間には、絶縁層72が形成される。
【0049】
導電体81は、導電層73の上に設けられ、絶縁層72内をZ軸方向に延在する。導電体81は、導電層91と導電層73とを電気的に接続する。導電体81は、例えば銅を含む。導電体81は、複数の導電層73に対応して複数設けられる。複数の導電体81の間には、絶縁層72が形成される。
【0050】
導電層91は、導電体81の上および絶縁層72の上に設けられ、図4に示すように、X軸方向に延在する。導電層91は、ワード線WLの補助配線を形成する。導電層91は、例えば金属、金属化合物、または、半導体を含む。導電層91は、例えば、タングステン、チタン、窒化チタン、モリブデン、コバルト、およびルテニウムからなる群より選ばれる少なくとも一つの材料を含む。導電層91は、複数の導電層42に対応して複数設けられる。複数の導電層91の間には、絶縁層が形成されてもよい。
【0051】
以上のように、第1の構造例では、複数のメモリセルMCの上方に導電層91が形成される。導電体46、導電体50b、導電層73、および導電体81を介して導電層42と導電層91とを電気的に接続することにより、ワード線WLの配線幅を狭くしても配線抵抗の増加を抑制できる。これにより、半導体装置の微細化に伴う信頼性の低下を抑制できる。
【0052】
次に、第1の構造例の製造方法例について図6ないし図19を参照して説明する。図6ないし図19は、第1の構造例の製造方法例を説明するための断面模式図である。図6ないし図19は、X-Z断面の一部を示す。なお、ここでは、周辺回路を形成してからメモリセルアレイを形成するまでの製造工程について説明する。
【0053】
図6に示すように、半導体基板10上の絶縁層11の上に導電体21を形成し、導電体21の上に絶縁層201を形成する。導電体21は、例えばスパッタリング、ALDを用いて導電膜を形成後、例えばレジストマスクを用いたエッチングにより導電膜を部分的に除去することにより形成可能である。絶縁層201は、例えばシリコンと、窒素と、を含む。絶縁層201は、例えば化学気相成長法(CVD)や塗布法を用いて形成可能である。
【0054】
次に、図7に示すように、絶縁層201を部分的に除去し、導電体21の上面を部分的に露出させるとともに、後に電気伝導体23および絶縁体24が形成される複数の部分201aを残存させる。絶縁層201は、例えばレジストマスクを用いたエッチングにより部分的に除去可能である。
【0055】
次に、図8に示すように、導電体21の上に導電層22を形成し、導電層22を厚さ方向に部分的に除去して複数の部分201aの上面を露出させる。これにより、導電層22が複数の部分201aの間に残存する。導電層22は、例えばスパッタリングや、原子層堆積法(ALD)を用いて形成可能である。導電層22は、例えば反応性イオンエッチング(RIE)や、化学機械研磨(CMP)により部分的に除去可能である。
【0056】
次に、図9に示すように、複数の部分201aを除去して導電層22をZ軸方向に貫通する開口22aを形成する。部分201aは、例えばエッチングにより除去可能である。
【0057】
次に、導電層22の上に絶縁体24を形成し、絶縁体24を厚さ方向に部分的に除去して導電層22の上面を露出させる。これにより、図10に示すように、開口22aの内面に絶縁体24が残存する。絶縁体24は、例えばCVDや、ALDを用いて形成可能である。
【0058】
次に、導電層22の上および絶縁体24の上に電気伝導体23を形成し、電気伝導体23を厚さ方向に部分的に除去して導電層22の上面を露出させる。これにより、図11に示すように、開口22aの内部に電気伝導体23が残存する。電気伝導体23は、例えばスパッタリングや、ALDを用いて形成可能である。電気伝導体23は、例えばRIEや、CMPにより部分的に除去可能である。
【0059】
次に、図12に示すように、導電層31、導電性酸化物層32、および絶縁層33を形成する。導電層31および導電性酸化物層32は、例えばスパッタリングや、ALDを用いて積層膜を形成後、例えばレジストマスクを用いたエッチングにより積層膜を部分的に除去することにより形成可能である。絶縁層33は、例えばCVDや、ALDを用いて絶縁膜を形成後、絶縁膜を厚さ方向に部分的に除去して導電性酸化物層32の上面を露出させることにより形成可能である。絶縁層33は、例えばRIEや、CMPにより部分的に除去可能である。
【0060】
次に、図13に示すように、導電性酸化物層32の上および絶縁層33の上に絶縁層44、導電層42、および絶縁層45を順に形成する。導電層42は、例えばスパッタリングや、ALDを用いて導電膜を形成後、例えばレジストマスクを用いたエッチングにより導電膜を部分的に除去することにより形成可能である。絶縁層44および絶縁層45は、例えばCVDや、ALDを用いて形成可能である。
【0061】
次に、図14に示すように、絶縁層44、導電層42、および絶縁層45の積層体をZ軸方向に貫通する開口401を形成して導電性酸化物層32の上面を部分的に露出させる。開口401は、例えばレジストマスクを用いたエッチングにより上記積層体を厚さ方向に部分的に除去することにより形成可能である。
【0062】
次に、図15に示すように、開口401の内面に絶縁膜43および酸化物半導体層41を順に形成する。絶縁膜43は、例えばCVDや、ALDを用いて開口401に絶縁膜を形成後、RIEにより絶縁膜を厚さ方向に部分的に除去して導電性酸化物層32の上面を部分的に露出させることにより形成される。酸化物半導体層41は、例えばスパッタリングや、ALDを用いて絶縁膜43の上に酸化物半導体膜を形成後、RIEにより酸化物半導体膜を厚さ方向に部分的に除去して絶縁層45の上面を露出させることにより形成される。
【0063】
次に、図16に示すように、導電層42の上に導電体46を形成する。導電体46は、例えば絶縁層45を部分的に除去して導電層42の上面を部分的に露出させる開口を形成し、開口に導電膜を形成後、RIEやCMPにより導電膜を厚さ方向に部分的に除去して絶縁層45の上面を露出させることにより形成される。
【0064】
次に、図17に示すように、導電性酸化物層51、導電層52、絶縁層53、導電性酸化物層54、および導電層55を形成する。導電性酸化物層51、導電層52、導電性酸化物層54、および導電層55は、同一工程で形成可能であり、例えばスパッタリング、ALDを用いて積層膜を形成後、例えばレジストマスクを用いたエッチングにより積層膜を部分的に除去することにより形成可能である。絶縁層53は、例えば、導電層52の上、導電層55の上、および絶縁層45の上にCVDや、ALDを用いて絶縁膜を形成後、絶縁膜を厚さ方向に部分的に除去して導電層52の上面および導電層55の上面を露出させることにより形成可能である。
【0065】
次に、図18に示すように、導電層71および導電層73を形成する。導電層71および導電層73は、同一工程で形成可能であり、例えばスパッタリングや、ALDを用いて導電膜を形成後、例えばレジストマスクを用いたエッチングにより導電膜を部分的に除去することにより形成可能である。
【0066】
次に、図19に示すように、絶縁層72、導電体81、および導電層91を順に形成する。絶縁層72は、例えばCVDや、ALDを用いて形成可能である。導電体81は、例えば絶縁層72を部分的に除去して導電層73の上面を部分的に露出させる開口を形成し、開口に導電膜を形成後、RIEやCMPにより導電膜を厚さ方向に部分的に除去して絶縁層72の上面を露出させることにより形成される。導電層91は、例えばスパッタリングや、ALDを用いて絶縁層72の上および導電体81の上に導電膜を形成後、例えばレジストマスクを用いたエッチングにより導電膜を部分的に除去することにより形成可能である。以上が第1の構造例の製造方法例の説明である。
【0067】
第1の構造例において、図20Aに示すように、導電体46の下方に絶縁体25を形成してもよい。絶縁体25は、導電層22をZ軸方向に貫通するように延在する柱状体である。絶縁体25は、複数のメモリキャパシタMCPの間に設けられる。絶縁体25は、複数の導電体46に対応して複数設けられてもよい。絶縁体25は、例えばシリコンと、酸素または窒素と、を含む。絶縁体25は、例えば図9に示す開口22aを形成する工程において、複数のメモリキャパシタMCPの間にも開口を形成し、当該開口に例えばCVDや、ALDを用いて絶縁膜を形成後、RIEやCMPにより絶縁膜を厚さ方向に部分的に除去して導電層22の上面を露出させることにより形成可能である。絶縁体25を形成することにより、ワード線WLとプレート電極との間の寄生容量を小さくできる。
【0068】
第1の構造例において、図20Bに示すように、導電体46の下方にメモリキャパシタMCPおよび導電体30aを形成し、導電体30aと導電体46との間に絶縁体441を形成してもよい。導電体46は、導電層42の内部をZ軸方向に延在し、導電層42に接続される。絶縁体441は、絶縁層44をZ軸方向に貫通する柱状体である。絶縁体441は、導電層42の内部に延在してもよい。絶縁体441は、例えば絶縁層44に適用可能な材料を含んでもよく、絶縁層44と異なる材料を含んでいてもよい。図20Bに示す構造例は、例えば図14に示す工程でメモリキャパシタMCPおよび導電体30aの上に形成された複数の開口401の少なくとも一つの内部にCVDや、ALDを用いて絶縁体441と導電体46とを順に形成することにより形成可能である。図20Bに示す構造例は、開口401を利用して形成可能であるため、製造工程数の増加を抑制できるという点で好適である。
【0069】
第1の構造例において、図21に示すように、導電層91の代わりに、導電層91aと、導電層91bと、を具備してもよい。図21は、X-Y平面の一部を示す。導電層91aは、例えば偶数行のワード線WLに対応して複数設けられる。導電層91aは、図4および図5に示すメモリセルアレイと同様に、導電体46、導電体50b、導電層73、および導電体81を介して導電層42と電気的に接続される。導電層91bは、例えば奇数行のワード線WLに対応して複数設けられる。導電層91bは、図4および図5に示すメモリセルアレイと同様に、導電体46、導電体50b、導電層73、および導電体81を介して導電層42と電気的に接続される。導電層91aおよび導電層91bのそれぞれの長さは、導電層91の長さよりも短い。導電層91aは、例えばロウデコーダに設けられた複数のセグメントワード線駆動回路の一つに接続される。導電層91bは、例えばロウデコーダに設けられた複数のセグメントワード線駆動回路の他の一つに接続される。セグメントワード線駆動回路は、一つのメモリセルアレイに対して複数設けられる。2以上のセグメントワード線駆動回路は、メインワード線駆動回路に接続される。半導体装置は、メインワード線駆動回路によりセグメントワード線駆動回路を選択し、選択されたセグメントワード線駆動回路によりワード線WLを選択することによりメモリセルアレイの行を選択する。導電層91aおよび導電層91bのその他の説明は、導電層91の説明を適宜援用できる。導電層91の代わりに導電層91aおよび導電層91bを設けることにより、X-Y平面において、補助配線間の寄生容量を複数の導電層91を形成する場合よりも小さくできる。
【0070】
第1の構造例において、図22に示すように、X-Y平面における導電層71と導電層73の間に導電層74を具備していてもよい。図22は、X-Y平面の一部を示す。導電層74は、ダミー配線としての機能を有する。複数の導電層74は、Y軸方向に沿って、複数の導電層71と平行に延在する。導電層74は、導電層71と同一の材料および同一の工程により形成可能である。導電層74を設けることにより、ビット線BLにおけるカップリング容量の値を調整できる。
【0071】
第1の構造例において、複数のビット線BLおきに、導電体46、導電体50b、導電層73、および導電体81を介して導電層42と導電層91とを電気的に接続してもよい。図23は、X軸方向において、複数の導電体46の間および複数の導電層73の間に複数のビット線BLを有するX-Y平面の一部を示す。複数の導電層73の間に複数のビット線BLを形成し、複数のビット線BLおきに導電体46、導電体50b、導電層73、および導電体81を介して導電層42と導電層91とを電気的に接続することにより、メモリセルMCの集積度を高めることができる。
【0072】
(第1の構造例の変形例)
図24は、メモリセルアレイの第1の構造例の変形例を説明するための断面模式図である。図24は、X-Z断面の一部を示す。図24に示すメモリセルアレイは、導電体21の下方に導電層92を具備するとともに、電気伝導体26と、絶縁体27と、導電層34と、導電性酸化物層35と、導電体47と、をさらに具備し、導電体46、導電性酸化物層54、導電層55、導電層73、導電体81、および導電層91を具備しない。以下では図2ないし図5と異なる部分について説明し、その他の部分については、図2ないし図5の説明を適宜援用できる。
【0073】
導電層92は、半導体基板10と導電体21との間に設けられ、図24に示すように、X軸方向に延在する。導電層92は、ワード線WLの補助配線を形成する。導電層92は、例えば導電層91に適用可能な材料を含む。導電層92は、導電層91と同様に、複数の導電層42に対応して複数設けられる。複数の導電層92の間および導電層92と導電体21との間には、絶縁層12が形成される。絶縁層12は、例えば、シリコンと、酸素または窒素と、を含む。
【0074】
電気伝導体26は、絶縁層12、導電体21、および導電層22をZ軸方向に貫通し、導電層92に達する。電気伝導体26は、例えば導電層42や電気伝導体23に適用可能な材料を含む。例えば電気伝導体26と導電層42とは、同一の材料を含んでいてもよい。電気伝導体26は、複数設けられる。
【0075】
絶縁体27は、例えばX-Y平面において、絶縁層12、導電体21、および導電層22と、電気伝導体26と、の間に設けられる。絶縁体27は、例えば、シリコンと、酸素または窒素と、を含む。絶縁体24に適用される材料を含んでもよい。
【0076】
導電層34は、電気伝導体26の上に設けられ、電気伝導体26に電気的に接続される。導電層34は、例えば導電層31に適用可能な材料を含む。
【0077】
導電性酸化物層35は、導電層34の上に設けられる。導電性酸化物層35は、例えば導電性酸化物層32に適用可能な材料を含む。
【0078】
導電層34および導電性酸化物層35は、導電体30bを形成する。導電体30bは、複数の電気伝導体26に対応して複数設けられる。複数の導電体30bの間および導電体30aと導電体30bとの間には、絶縁層33が形成される。導電層34および導電性酸化物層35の一つは、必ずしも形成されなくてもよい。
【0079】
導電体47は、導電層42と導電性酸化物層35とを電気的に接続する。導電体47は、例えば導電層42に適用可能な材料を含む。導電体47は、複数の電気伝導体26に対応して複数設けられる。
【0080】
次に、第1の構造例の変形例の製造方法例について図25ないし図31を参照して説明する。図25ないし図31は、第1の構造例の変形例の製造方法例を説明するための断面模式図である。図25ないし図31は、X-Z断面の一部を示す。なお、ここでは、周辺回路を形成してからメモリセルアレイを形成するまでの製造工程について説明する。
【0081】
図25に示すように、半導体基板10の上方の絶縁層11の上に導電層92を形成し、導電層92の上に絶縁層12を形成する。導電層92は、例えばスパッタリングや、ALDを用いて絶縁層11の上に導電膜を形成後、例えばパターンを有するレジストマスクを用いたエッチングにより導電膜を部分的に除去することにより形成可能である。絶縁層12は、例えばCVDや、ALDを用いて形成可能である。
【0082】
次に、図26に示すように、図6図7図8、および図9と同様の工程を経て、開口22aを形成するとともに、複数の開口22aの間に開口22bを形成する。開口22bは、開口22aと同一工程により形成可能である。
【0083】
次に、図27に示すように、開口22bにおいて導電体21および絶縁層12を部分的に除去して導電層92の上面を部分的に露出させる。例えばレジストマスクを用いたエッチングにより開口22bにおいて導電体21および絶縁層12を部分的に除去可能である。なお、導電体21および絶縁層12は、複数のエッチングにより別々に加工されてもよい。
【0084】
次に、図28に示すように、開口22aに絶縁体24を形成し、開口22bに絶縁体27を形成する。絶縁体24および絶縁体27は、同一工程で形成可能であり、例えばCVDや、ALDを用いて絶縁膜を形成後、絶縁膜を厚さ方向に部分的に除去して導電層22の上面を露出させることにより形成可能である。絶縁体24および絶縁体27は、例えばCMPを用いて部分的に除去可能である。
【0085】
次に、図29に示すように、開口22bにおいて、絶縁体27を部分的に除去し、導電層92の上面を部分的に露出させる。例えばパターンを有するレジストマスクを用いたエッチングにより開口22bにおいて絶縁体27を部分的に除去可能である。
【0086】
次に、図30に示すように、開口22aにおいて絶縁体24の上に電気伝導体23を形成し、開口22bにおいて、絶縁体27および導電層92の上に電気伝導体26を形成する。電気伝導体23および電気伝導体26は、同一工程により形成可能であり、例えばスパッタリングや、ALDを用いて膜を形成後、RIEにより膜を厚さ方向に部分的に除去して導電層22の上面を露出させることにより形成される。
【0087】
次に、図31に示すように、図12に示す工程と同様に、同一の工程により導電層31、導電性酸化物層32、導電層34、および導電性酸化物層35を形成する。さらに、絶縁層33を形成し、絶縁層44および導電体47を形成する。絶縁層44および導電体47は、絶縁層44を形成後、例えば絶縁層44を部分的に除去して導電性酸化物層35の上面を部分的に露出させる開口を形成し、開口に導電膜を形成後、RIEやCMPにより導電膜を厚さ方向に部分的に除去して絶縁層44の上面を露出させることにより形成される。
【0088】
その後、図14図15図17図18、および図19に示す工程と同様に、酸化物半導体層41、導電層42、絶縁膜43、絶縁層45、導電性酸化物層51、導電層52、絶縁層53、導電層71、および絶縁層72を形成する。以上が第1の構造例の変形例の製造方法例の説明である。なお、開口22b、絶縁体27、および電気伝導体26の形成工程を、開口22a、絶縁体24、および電気伝導体23の形成工程とは別工程で行うこともできる。この場合、絶縁体24と絶縁体27を互いに異なる材料とすることができ、電気伝導体23と電気伝導体26を互いに異なる材料とすることができる。
【0089】
(メモリセルアレイの第2の構造例)
図32は、メモリセルアレイの第2の構造例を説明するための平面模式図である。図33は、メモリセルアレイの第2の構造例を説明するための断面模式図である。図32は、X-Y平面の一部を示す。図33は、X-Z断面の一部を示す。以下では図2ないし図5と異なる部分について説明し、その他の部分については、図2ないし図5の説明を適宜援用できる。
【0090】
メモリセルアレイの第2の構造例は、電気伝導体28と、絶縁体29と、導電層34と、導電性酸化物層35と、導電体48と、絶縁膜49と、導電性酸化物層54と、導電層55と、導電層75と、導電体82と、導電層93と、をさらに具備し、導電層73、導電体81、および導電層91を具備しない。なお、図32は、便宜のため、酸化物半導体層41と、導電層42と、絶縁膜43と、導電体48と、絶縁膜49と、導電層71と、導電層75と、導電層93と、を示し、その他の構成要素については便宜のため図示を省略している。
【0091】
電気伝導体28は、導電層22をZ軸方向に貫通し、導電体21に達する。電気伝導体28は、例えば電気伝導体23や導電層42に適用可能な材料を含む。電気伝導体28は、複数設けられる。
【0092】
絶縁体29は、例えばX-Y平面において、導電層22と電気伝導体28との間に設けられる。絶縁体29は、例えば絶縁体24に適用可能な材料を含む。なお、絶縁体29は、絶縁体24に含まれる材料と異なる材料を含んでいてもよい。
【0093】
導電層34は、電気伝導体28の上に設けられ、電気伝導体28に電気的に接続される。導電層34は、例えば導電層31に適用可能な材料を含む。
【0094】
導電性酸化物層35は、導電層34の上に設けられる。導電性酸化物層35は、例えば導電性酸化物層32に適用可能な材料を含む。
【0095】
導電層34および導電性酸化物層35は、導電体30bを形成する。導電体30bは、複数の電気伝導体28に対応して複数設けられる。複数の導電体30bの間および導電体30aと導電体30bとの間には、絶縁層33が形成される。導電層34および導電性酸化物層35の一つは、必ずしも形成されなくてもよい。
【0096】
導電体48は、例えばZ軸方向に延在する柱状体である。導電体48は、導電層42をZ軸方向に貫通する。導電体48は、例えば導電層42に適用可能な材料を含む。なお、導電体48は、導電層42に含まれる材料と異なる材料を含んでいてもよい。
【0097】
絶縁膜49は、X―Y平面において、導電体48と導電層42との間に設けられる。絶縁膜49は、例えば、絶縁膜43に適用可能な材料を含むが、これに限られず絶縁膜43に含まれる材料と異なる材料を含んでいてもよい。
【0098】
導電性酸化物層54は、導電体48の上に設けられる。導電性酸化物層54は、例えば導電性酸化物層51に適用可能な材料を含む。
【0099】
導電層55は、導電性酸化物層54の上に設けられ、導電性酸化物層54に電気的に接続される。導電層55は、例えば導電層52に適用可能な材料を含む。なお、導電性酸化物層54および導電層55の一つは、必ずしも設けられなくてもよい。
【0100】
導電性酸化物層54および導電層55は、導電体50bを形成する。導電体50bは、複数の導電体48に対応して複数設けられる。複数の導電体50bの間および導電体50aと導電体50bとの間には、絶縁層53が形成される。
【0101】
導電層75は、X軸方向において複数の導電層71の間に設けられ、Y軸方向に延在する。導電層75は、Z軸方向から見て、Y軸方向に沿って、複数の導電体48および複数の導電体50bと重なるように設けられる。導電層75は、複数の導電体50bを介して複数の導電体48に接続される。導電層75は、導電層71と同一層に設けられ、導電層55の上に設けられる。導電層75は、導電層71に適用可能な材料を含む。導電層75は、複数設けられてもよい。
【0102】
導電体82は、導電層75の上に設けられ、絶縁層72内をZ軸方向に延在する。導電体82は、導電層93と導電層75とを電気的に接続する。導電体82は、例えば導電体81に適用可能な材料を含む。導電体82は、複数設けられてもよい。
【0103】
導電層93は、導電体82の上および絶縁層72の上に設けられ、図32に示すように、X軸方向に延在する。導電層93は、配線として電源線VPLを形成する。導電層93は、導電層91に適用可能な材料を含む。導電層93は、導電体21に対応して少なくとも一つ設けられる。
【0104】
以上のように、第2の構造例では、複数のメモリセルMCの上方に導電層93が設けられ、電気伝導体28、導電体30b、導電体48、導電体50b、導電層75、および導電体82を介して導電体21と導電層93とが電気的に接続されることにより、プレート電極へのノイズの影響を抑制するとともに、プレート電極の負荷容量を低減できる。これにより、半導体装置の微細化に伴う信頼性の低下を抑制できる。
【0105】
次に、第2の構造例の製造方法例について図34ないし図42を参照して説明する。図34ないし図42は、第2の構造例の製造方法例を説明するための断面模式図である。なお、ここでは、周辺回路を形成してからメモリセルアレイを形成するまでの製造工程について説明する。
【0106】
まず、図6図7図8、および図9と同様の工程を経て、図26に示す工程と同様に、開口22aとともに開口22bを形成する。
【0107】
次に、図34に示すように、開口22aに絶縁体24を形成し、開口22bに絶縁体29を形成する。絶縁体24および絶縁体29は、同一工程で形成可能であり、例えばCVDや、ALDを用いて絶縁膜を形成後、絶縁膜を厚さ方向に部分的に除去して導電層22の上面を露出させることにより形成可能である。
【0108】
次に、図35に示すように、開口22bにおいて、絶縁体29を部分的に除去し、導電体21の上面を部分的に露出させる。例えばパターンを有するレジストマスクを用いたエッチングにより開口22bにおいて絶縁体29を部分的に除去可能である。
【0109】
次に、図36に示すように、開口22aにおいて絶縁体24の上に電気伝導体23を形成し、開口22bにおいて、導電体21の上に電気伝導体28を形成する。電気伝導体23および電気伝導体28は、同一工程により形成可能であり、例えばスパッタリングや、ALDを用いて膜を形成後、RIEにより膜を厚さ方向に部分的に除去して導電層22の上面を露出させることにより形成される。
【0110】
次に、図12に示す工程と同様に、導電層31、導電性酸化物層32、導電層34、導電性酸化物層35、および絶縁層33を形成し、図13に示す工程と同様に、導電性酸化物層32の上、絶縁層33の上、および導電性酸化物層35の上に絶縁層44、導電層42、および絶縁層45を順に形成する。
【0111】
次に、図14に示す工程と同様に、開口401を形成するとともに、図37に示すように、絶縁層44、導電層42、および絶縁層45の積層体をZ軸方向に貫通して導電性酸化物層35に達する開口402を形成して導電性酸化物層35の上面を部分的に露出させる。開口402は、例えば開口401と同一工程で形成可能である。
【0112】
次に、図38に示すように、開口401の内面に絶縁膜43を形成し、開口402の内面に絶縁膜49を形成する。絶縁膜43および絶縁膜49は、同一工程で形成可能であり、例えばCVDや、ALDを用いて開口401および開口402に絶縁膜を形成後、RIEにより絶縁膜を厚さ方向に部分的に除去して導電性酸化物層32の上面および導電性酸化物層35の上面を部分的に露出させることにより形成される。
【0113】
次に、図39に示すように、開口402に絶縁層403を形成する。絶縁層403は、例えばCVDや、ALDを用いて絶縁膜を形成後、パターンを有するレジストマスクを用いたエッチングにより、絶縁膜を部分的に除去し、当該絶縁膜を後に導電体48が形成される部分に残存させることにより形成される。絶縁層403は、例えばシリコンと、窒素と、を含む。絶縁層403は、例えばCVDやALDを用いて形成可能である。
【0114】
次に、図40に示すように、開口401に酸化物半導体層41を形成する。酸化物半導体層41は、例えばスパッタリングや、ALDを用いて絶縁膜43の上に酸化物半導体膜を形成後、RIEにより酸化物半導体膜を厚さ方向に部分的に除去して絶縁層45の上面を露出させることにより形成される。
【0115】
次に、図41に示すように、絶縁層403を除去する。絶縁層403は、例えばパターンを有するレジストマスクを用いたエッチングにより除去可能である。
【0116】
次に、図42に示すように、開口402に導電体48を形成する。導電体48は、例えばスパッタリングや、ALDを用いて導電膜を形成後、例えばパターンを有するレジストマスクを用いたエッチングにより導電膜を部分的に除去することにより形成可能である。
【0117】
その後、図17図18、および図19に示す工程と同様の工程により、導電性酸化物層51、導電層52、絶縁層53、導電性酸化物層54、導電層55、導電層71、絶縁層72、および導電層75を形成し、導電体82および導電層93を形成する。導電層75は、導電層71と同一工程により形成可能である。導電体82は、導電体81と同様の工程により形成可能である。導電層93は、導電層91と同様の工程により形成可能である。以上が第2の構造例の製造方法例の説明である。なお、上述した工程において、開口402を形成した後でかつ絶縁膜49を形成する前に開口402に絶縁層403を形成しても良い。この場合には絶縁層403を除去した後に開口402に絶縁膜49を形成することができ、絶縁膜49の材料を絶縁膜43の材料と異なるものとすることができる。また、開口22aおよび開口22bを形成した後に同様に工程を採用することもでき、この場合、絶縁体24と絶縁体29を互いに異なる材料とすることができ、電気伝導体23と電気伝導体28を互いに異なる材料とすることができる。
【0118】
第2の構造例は、第1の構造例と適宜組み合わせることができる。例えば第2の構造例において、導電層71と導電層75との間に図22に示すようにダミー配線としての機能を有する導電層74を形成してもよい。また、第2の構造例において、図23に示すように、複数の導電層75の間に複数のビット線BLを形成し、電気伝導体28、導電体30b、導電体48、導電体50b、導電層75、および導電体82を介して導電体21と導電層93とを電気的に接続していてもよい。
【0119】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0120】
10…半導体基板、11…絶縁層、12…絶縁層、21…導電体、22…導電層、22a…開口、22b…開口、23…電気伝導体、24…絶縁体、25…絶縁体、26…電気伝導体、27…絶縁体、28…電気伝導体、29…絶縁体、30a…導電体、30b…導電体、31…導電層、32…導電性酸化物層、33…絶縁層、34…導電層、35…導電性酸化物層、41…酸化物半導体層、42…導電層、42…絶縁膜、43…絶縁膜、44…絶縁層、45…絶縁層、46…導電体、47…導電体、48…導電体、49…絶縁膜、50a…導電体、50b…導電体、51…導電性酸化物層、52…導電層、53…絶縁層、54…導電性酸化物層、55…導電層、71…導電層、72…絶縁層、73…導電層、74…導電層、75…導電層、81…導電体、82…導電体、91…導電層、91a…導電層、91b…導電層、92…導電層、93…導電層、201…絶縁層、201a…部分、401…開口、402…開口、403…絶縁層、441…絶縁体。
図1
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