(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025465
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】開閉装置
(51)【国際特許分類】
E06B 9/15 20060101AFI20240216BHJP
E06B 9/17 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
E06B9/15 A
E06B9/17 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022128935
(22)【出願日】2022-08-12
(71)【出願人】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100101890
【弁理士】
【氏名又は名称】押野 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100098268
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 豊
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(74)【代理人】
【識別番号】100166420
【弁理士】
【氏名又は名称】福川 晋矢
(74)【代理人】
【識別番号】100150865
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 司
(72)【発明者】
【氏名】脇田 嵩朗
(57)【要約】
【課題】板材を折り曲げ加工することで前面側がフラットなパネル体を成形する場合等においても、必要な強度が得られ、且つその製造を効率よく行うことが可能なパネル体を備える開閉装置の提供。
【解決手段】複数のパネル体1がヒンジによって相互に回動可能に接続された開閉体を備える開閉装置であって、パネル体1が、前面が平面状に形成され、上端部折り返し部と、下端部折り返し部と、を有する前面部材11と、パネル体1の幅方向に複数配置される縦補強部材であって、前記上端部折り返し部及び前記下端部折り返し部と接合される縦補強部材13と、前面部材11と、縦補強部材13と、ヒンジと、を一体的に締結する締結部材PNと、を備えている、開閉装置。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のパネル体がヒンジによって相互に回動可能に接続された開閉体を備える開閉装置であって、
前記パネル体が、
前面が平面状に形成され、上端部折り返し部と、下端部折り返し部と、を有する前面部材と、
前記パネル体の幅方向に複数配置される縦補強部材であって、前記上端部折り返し部及び前記下端部折り返し部と接合される縦補強部材と、
前記前面部材と、前記縦補強部材と、前記ヒンジと、を一体的に締結する締結部材と、
を備えている、開閉装置。
【請求項2】
後面部材をさらに備え、前記締結部材が、前記前面部材と、前記縦補強部材と、前記後面部材と、前記ヒンジと、を一体的に締結する、請求項1に記載の開閉装置。
【請求項3】
前記後面部材に、前記パネル体の幅方向に沿って延びる凹部若しくは凸部が形成されており、前記縦補強部材に、前記凹部若しくは凸部と係合する係合部が形成されている、請求項2に記載の開閉装置。
【請求項4】
前記後面部材の後面側が平面状に形成されている、請求項2に記載の開閉装置。
【請求項5】
前記縦補強部材を相互に接続する横補強部材をさらに備える、請求項1から4の何れかに記載の開閉装置。
【請求項6】
複数のパネル体がヒンジによって相互に回動可能に接続された開閉体を備える開閉装置であって、
前記パネル体が、
前面が平面状に形成され、上端部折り返し部と、下端部折り返し部と、を有する前面部材と、
前記パネル体の幅方向に延びる横補強部材であって、前記上端部折り返し部と接合される上部横補強部材と、
前記パネル体の幅方向に延びる横補強部材であって、前記下端部折り返し部と接合される下部横補強部材と、
前記パネル体の幅方向に複数配置される縦補強部材であって、前記上部横補強部材及び前記下部横補強部材と接合される縦補強部材と、
前記前面部材と前記上部横補強部材と前記ヒンジとを、又は、前記前面部材と前記下部横補強部材と前記ヒンジとを、一体的に締結する締結部材と、
を備えている、開閉装置。
【請求項7】
後面部材をさらに備え、前記締結部材が、前記前面部材と前記上部横補強部材と前記後面部材と前記ヒンジとを、又は、前記前面部材と前記下部横補強部材と前記後面部材と前記ヒンジとを、一体的に締結する、請求項6に記載の開閉装置。
【請求項8】
前記上部横補強部材と前記下部横補強部材が、反転して使用される共通の部材である、請求項6又は7に記載の開閉装置。
【請求項9】
前記後面部材の後面側が平面状に形成されている、請求項7に記載の開閉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のパネル体がヒンジによって相互に回動可能に接続された開閉体を備える開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
開口部を開閉するための開閉装置の一形態として、シャッターに代表されるように、開閉体が上下方向にスライドすることで開口部を開閉させるものがある。
このような開閉体が上下方向にスライドするものの一形態として、オーバーヘッドドアやオーバースライディングドアと呼称され、複数のパネル体が相互に回動可能に接続された開閉体を備える開閉装置があり、特許文献1にはこのような開閉装置に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のいわゆる「シャッター」と呼ばれる開閉装置は、基本的にはスチール(鋼材)で形成されており、面材としての強度を持たせるためにリブが形成されていた。
これに対し、特許文献1のオーバーヘッドドアのように、より意匠性を高めるために、前面側をフラットに形成した開閉装置も存在している。このような開閉装置の開閉体は、前面がフラットな複数のパネル体を相互に回動可能に連結することで形成されており、各パネル体は、アルミ押出材として形成されている。アルミ押出材によれば、成形の自由度が高いため、前面をフラットにすることで意匠性に優れたものとすると同時にリブなどの補強部材を有するように(3次元的な構造物として)成形することで強度を得ることも可能である。
一方で、板材を折り曲げ加工することでパネル体を成形する場合(例えば防火性能の向上を目的としてスチール板を採用する場合等)において、前面側をフラットに形成すると、強度が不足してベコツキ等が生じてしまうという問題がある。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑み、板材を折り曲げ加工することで前面側がフラットなパネル体を成形する場合等においても、必要な強度が得られ、且つその製造を効率よく行うことが可能なパネル体を備える開閉装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(構成1)
複数のパネル体がヒンジによって相互に回動可能に接続された開閉体を備える開閉装置であって、前記パネル体が、前面が平面状に形成され、上端部折り返し部と、下端部折り返し部と、を有する前面部材と、前記パネル体の幅方向に複数配置される縦補強部材であって、前記上端部折り返し部及び前記下端部折り返し部と接合される縦補強部材と、前記前面部材と、前記縦補強部材と、前記ヒンジと、を一体的に締結する締結部材と、を備えている、開閉装置。
【0007】
(構成2)
後面部材をさらに備え、前記締結部材が、前記前面部材と、前記縦補強部材と、前記後面部材と、前記ヒンジと、を一体的に締結する、構成1に記載の開閉装置。
【0008】
(構成3)
前記後面部材に、前記パネル体の幅方向に沿って延びる凹部若しくは凸部が形成されており、前記縦補強部材に、前記凹部若しくは凸部と係合する係合部が形成されている、構成2に記載の開閉装置。
【0009】
(構成4)
前記後面部材の後面側が平面状に形成されている、構成2に記載の開閉装置。
【0010】
(構成5)
前記縦補強部材を相互に接続する横補強部材をさらに備える、構成1から4の何れかに記載の開閉装置。
【0011】
(構成6)
複数のパネル体がヒンジによって相互に回動可能に接続された開閉体を備える開閉装置であって、前記パネル体が、前面が平面状に形成され、上端部折り返し部と、下端部折り返し部と、を有する前面部材と、前記パネル体の幅方向に延びる横補強部材であって、前記上端部折り返し部と接合される上部横補強部材と、前記パネル体の幅方向に延びる横補強部材であって、前記下端部折り返し部と接合される下部横補強部材と、前記パネル体の幅方向に複数配置される縦補強部材であって、前記上部横補強部材及び前記下部横補強部材と接合される縦補強部材と、前記前面部材と前記上部横補強部材と前記ヒンジとを、又は、前記前面部材と前記下部横補強部材と前記ヒンジとを、一体的に締結する締結部材と、を備えている、開閉装置。
【0012】
(構成7)
後面部材をさらに備え、前記締結部材が、前記前面部材と前記上部横補強部材と前記後面部材と前記ヒンジとを、又は、前記前面部材と前記下部横補強部材と前記後面部材と前記ヒンジとを、一体的に締結する、構成6に記載の開閉装置。
【0013】
(構成8)
前記上部横補強部材と前記下部横補強部材が、反転して使用される共通の部材である、構成6又は7に記載の開閉装置。
【0014】
(構成9)
前記後面部材の後面側が平面状に形成されている、構成7に記載の開閉装置。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、板材を折り曲げ加工することで前面側がフラットなパネル体を成形する場合等においても、必要な強度が得られ、且つその製造を効率よく行うことが可能なパネル体を備える開閉装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図9】実施形態2の縦補強部材及び横補強部材を示す図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化する際の一形態であって、本発明をその範囲内に限定するものではない。
【0018】
<実施形態1>
図1は、本発明に係る実施形態の開閉装置を示す図であり、屋内側から見た斜視図である。
開閉装置100は、例えば屋内と屋外を隔てる壁面に形成されている開口部を開閉する開閉装置であって、より具体的には、オーバーヘッドドアやオーバースライディングドア等と呼称される開閉装置である。
図1に示されるように、開閉装置100は、複数のパネル体1がヒンジ110,120(ヒンジ120はパネル体の幅方向の両端部においてローラ130を保持する機能も有するヒンジであり、ヒンジ110はパネル体の幅方向の中間に設けられるヒンジ)によって相互に回動可能に接続された開閉体を備えている。
開閉体の幅方向の両端のヒンジ120は、そのヒンジ軸が軸筒で構成され、当該軸筒にローラ130の軸が保持される。これにより、開閉体の幅方向の両端において上下方向に複数のローラ130が備えられている。また、開口部の両脇となる箇所には、ローラ130の移動を案内するガイドレール140が設けられている。これにより、開閉体は、
図1に示される閉状態と、開閉体が上部で略水平状態となる開状態との間で、ガイドレール140に沿って移動可能である。
なお、開閉装置100には、その他に、開閉体の開閉を駆動させるための駆動装置及びその機構、開閉動作を制御するための制御装置等(特に図示せず)が備えられるが、それらの構成は本発明に直接関係するものではないため、ここでのこれ以上の説明を省略する。
【0019】
図2は、本実施形態のパネル体1を示す断面図(パネル体の幅方向に垂直な面による断面図)である。
本実施形態のパネル体1は、
前面が平面状に形成されている前面部材11と、
後面が平面状に形成されている後面部材12と、
パネル体1の幅方向に複数配置される縦補強部材13と、
前面部材11と、縦補強部材13と、後面部材12と、ヒンジ110若しくはヒンジ120と、を一体的に締結させる締結部材であるポップナットPNと、
を備えている。
【0020】
図3は、前面部材11を示す図であり、
図3(a)は側面図(縦方向に一部省略している図)、
図3(b)は背面図(縦方向及び幅方向に一部省略している図)である。
前面部材11は、スチール材若しくはステンレス材等の鋼板を折り曲げることで形成され、その上端側に上端部折り返し部111を有し、下端側に下端部折り返し部112を有する。
上端部折り返し部111は、下端部折り返し部112と相互にあいじゃくり構造となるように、あいじゃくり凸部1111と、あいじゃくり凹部1112が形成されている。また、上端部折り返し部111は、締結部材取付穴111Hを有し、ヒンジ等の取り付け部となる後面部1113を有している。
同様に、下端部折り返し部112も、上端部折り返し部111と相互にあいじゃくり構造となるように、あいじゃくり凸部1121と、あいじゃくり凹部1122が形成されている。また、締結部材取付穴112Hを有し、ヒンジ等の取り付け部となる後面部1123を有している。
【0021】
図4は、後面部材12を示す図であり、
図4(a)は側面図(縦方向に一部省略している図)、
図4(b)は背面図(縦方向及び幅方向に一部省略している図)である。
後面部材12は、スチール材若しくはステンレス材等の鋼板を折り曲げることで形成され、上端及び下端が略直角に前面側に折り曲げられることにより、側面視で略コ字状の形状を有している。
平面状に形成されている後面には、前面部材11の各締結部材取付穴111Hに対応する位置に形成された締結部材取付穴121Hと、前面部材11の各締結部材取付穴112Hに対応する位置に形成された締結部材取付穴122Hが形成されている。
なお、後面部材12の上端及び下端の折り曲げ部は必ずしも必要ないが、折り曲げ部を形成することによって、部材の強度が向上されるため好ましい。また、折り曲げ部を形成することによって、部材の切断面がパネル体の接合部の間となる箇所となり、ユーザが触ること(切断面で指を切る等のおそれ)が低減される点でも好ましい。
【0022】
図5は、縦補強部材13を示す斜視図である。
縦補強部材13は、パネル体1の幅方向に複数配置される補強部材であり、本実施形態では、パネル体1の両端付近とその中間に3本の合計5本の縦補強部材13が設けられている。
縦補強部材13は、その基本態様が上面視でコ字状の部材(C型チャネル)であり、後面側の、上部側に締結部材取付穴131H、下部側に締結部材取付穴132Hが形成されている。
また、上部の前面側に切欠き部133が形成され、下部の前面側に切欠き部134が形成されている。これは、
図2からも理解されるように、前面部材11の上端部折り返し部111のあいじゃくり構造に沿った形状に形成されているものである。なお、下端側の切欠き部134は、上端側と同様の構造(対称形状)とすることによって、縦補強部材13を反転して使用することができるようにしているものである。これにより、共通の縦補強部材13によって、パネル体1の両端部において右側面及び左側面を形成することができる。なお、パネル体1の側面部は基本的に人目に触れる部分ではないため、縦補強部材13を反転して使用させる構成としないもの(下端側の切欠き部134を形成しないもの、或いは、前面部材11の下端部折り返し部112のあいじゃくり構造に沿った形状に形成するもの)であってもよい。
【0023】
パネル体1は、
図2に示されるように、前面部材11と後面部材12の内部に縦補強部材13が配置された状態で構成され、これらの3つの部材がポップナットPNによって相互に締結される。
より具体的には、前面部材11の上端部折り返し部111に形成された締結部材取付穴111H(及び後面部材12に形成された締結部材取付穴121H)と重なる位置に、縦補強部材13の締結部材取付穴131Hが位置合わせされ、また、前面部材11の下端部折り返し部112に形成された締結部材取付穴112H(及び後面部材12に形成された締結部材取付穴122H)と重なる位置に、縦補強部材13の締結部材取付穴132Hが位置合わせされ、これらの位置合わせされた取り付け穴に挿通されるポップナットPNがカシメられることにより、3つの部材が一体的に締結される。
なお、縦補強部材13の前面側及び後面側にそれぞれ接着剤若しくは接着テープを貼付しておくことにより、前面部材11と縦補強部材13及び後面部材12と縦補強部材13をそれぞれ接着することが好ましい。
【0024】
図6は、ヒンジ120によるパネル体1の接続部分を示す図である。
図に示されるように、ポップナットPNにボルトBを螺合することにより、ヒンジ120が取り付けられている。なお、ここではヒンジ120(軸筒にローラ130の軸が保持されるもの(ローラ130は不図示))を示しているが、ヒンジ110の取り付け構造も同様である。
即ち、一組の締結部材であるポップナットPN(及びこれに締結されるボルトB)によって、前面部材11と、縦補強部材13と、後面部材12と、ヒンジ110若しくはヒンジ120と、が一体的に締結されるものである。
【0025】
以上のごとく、本実施形態の開閉装置100によれば、パネル体1の内部に補強部材である縦補強部材13が備えられるため、板材を折り曲げ加工することで前面側をフラットにしたパネル体を形成する場合においても、強度が不足してベコツキ等が生じてしまうという問題を防止することができる。
また、一組の締結部材であるポップナットPN(及びこれに締結されるボルト)によって、前面部材11と、縦補強部材13と、後面部材12と、ヒンジ110若しくはヒンジ120と、が一体的に締結されるものであるため、効率よく製造することが可能であり、締結部材が集約、共通化されていることにより、低コスト化も図られる。
さらに、本実施形態の開閉装置100によれば、各ヒンジの接続部分に縦補強部材13が設けられることになり、可動部分が補強さることになるため、パネル体の屈曲動作の安定化も図られる。
加えて、本実施形態の開閉装置100によれば、前面側だけでなく、後面側もフラットに形成されるため、意匠性に優れる。
【0026】
なお、縦補強部材13の骨組みとしての強度をさらに向上させるために、各縦補強部材13を相互に接続する横補強部材を備えさせるようにしてもよい。
また、同様の趣旨で、後面部材に、パネル体の幅方向に沿って延びる凹部若しくは凸部を形成し、縦補強部材に、この凹部若しくは凸部と係合する係合部を形成するようにしてもよい。
図7は、このようなパネル体の一例を示した図(パネル体の幅方向に垂直な面による断面図)である。
図7のパネル体1-1では、後面部材12-1に、パネル体の幅方向に沿って延びる凹部12-11が形成されており、縦補強部材13-1に、凹部12-11と係合する係合部31-11が形成されている。凹部12-11と各縦補強部材13-1の係合部31-11が係合することにより(接着されることがより好ましい)、横補強部材によって縦補強部材が相互に接続されているのと同様の効果を得ることができる。
【0027】
<実施形態2>
図8は、実施形態2の開閉装置のパネル体を示す断面図(パネル体の幅方向に垂直な面による断面図)である。
本実施形態の開閉装置の基本的構成は実施形態1と同様であり、また、複数のパネル体がヒンジによって相互に回動可能に接続されることで開閉体が構成される点も同様であるため、ここでの説明を省略する。
また、実施形態1と同様の構成になるものについては実施形態1と同一の符号を使用し、ここでの説明を省略若しくは簡略化する。
【0028】
本実施形態のパネル体1-2は、
前面部材11と、
後面部材12と、
パネル体の幅方向に延びる上部横補強部材14-1と、
パネル体の幅方向に延びる下部横補強部材14-2と、
パネル体の幅方向に複数配置される縦補強部材であって、上部横補強部材14-1及び下部横補強部材14-2と接合される縦補強部材13-2と、
前面部材11と上部横補強部材14-1と後面部材12とヒンジ110若しくはヒンジ120とを、又は、前面部材11と下部横補強部材14-2と後面部材12とヒンジ110若しくはヒンジ120とを、一体的に締結する締結部材であるポップナットPNと、
を備えている。
【0029】
前面部材11と、後面部材12は、実施形態1と同様の構成であるため、ここでの説明を省略する。
【0030】
上部横補強部材14-1は、パネル体の幅方向に延びて、前面部材11の上端部折り返し部111と接合される部材である。
下部横補強部材14-2は、パネル体の幅方向に延びて、前面部材11の下端部折り返し部112と接合される部材である。
また、縦補強部材13-2は、パネル体の幅方向に複数配置されて、その上端側が上部横補強部材14-1と接合され、下端側が下部横補強部材14-2と接合される。
これらにより、格子状の骨組み構造が構成される。
【0031】
図9は、上部横補強部材14-1と下部横補強部材14-2と縦補強部材13-2の、一部を示す分解斜視図である。
【0032】
上部横補強部材14-1は、
前面部材11の各締結部材取付穴111Hに対応する位置に形成された締結部材取付穴14-1H2を有する後面部と、
上端部折り返し部111のあいじゃくり凸部1111の上面に沿うように形成された上面部と、
縦補強部材13-2の上端部をネジ止めするためのネジを挿通させる穴14-1H1が幅方向に所定間隔で(縦補強部材を配置する位置に)形成されている底面部と、
底面部と接続された前面部と、を備えている。
【0033】
下部横補強部材14-2は、
前面部材11の各締結部材取付穴112Hに対応する位置に形成された締結部材取付穴14-2H2を有する後面部と、
下端部折り返し部112のあいじゃくり凸部1121の底面に沿うように形成された底面部と、
縦補強部材13-2の下端部をネジ止めするためのネジを挿通させる穴14-2H1が幅方向に所定間隔で(縦補強部材を配置する位置に)形成されている上面部と、
上面部と接続された前面部と、を備えている。
なお、上記説明からも理解されるように、上部横補強部材14-1と下部横補強部材14-2は、同一部材を反転させて使用させることもできる。上部横補強部材14-1と下部横補強部材14-2を共通部材とすることにより、コスト低減や生産性の向上をすることが可能である。
【0034】
縦補強部材13-2は、上面視が略コ字状の部材(C型チャネル)に対して、上面部と底面部が接合された構造を有している。
上面部には、上部横補強部材14-1と接続するためのネジを挿通させる穴13-2H1が形成されており、底面部には、下部横補強部材14-2と接続するためのネジを挿通させる穴13-2H2が形成されている。
なお、縦補強部材13-2に、前面部をさらに設けるようにしてもよい。若しくは、側面部の何れかを設けずに前面部を形成する(縦補強部材13-2を90°回転させて、前面部と後面部と側面部の何れか一方を形成する)ようにしてもよい。
【0035】
パネル体1-2の組み立ては、先ず、上部横補強部材14-1と下部横補強部材14-2を複数の縦補強部材13-2によって接続して、格子状の骨組みを形成する。各部材の接続は本実施形態ではネジ止め(ボルトナット)を例としているが、接着や溶接など、任意の固定方法を用いるものであってよい。
次に、前面部材11に対して、上記で形成した格子状の骨組みをはめ込んで、これにさらに後面部材12を被せる。この際に、それぞれの部材の締結部材取付穴の位置合わせを行う。より具体的には、前面部材11の上端部折り返し部111に形成された締結部材取付穴111H(及び後面部材12に形成された締結部材取付穴121H)と重なる位置に、上部横補強部材14-1の締結部材取付穴14-1H2が位置合わせされ、また、前面部材11の下端部折り返し部112に形成された締結部材取付穴112H(及び後面部材12に形成された締結部材取付穴122H)と重なる位置に、下部横補強部材14-2の締結部材取付穴14-2H2が位置合わせされる。
これらの位置合わせされた取り付け穴にポップナットPNを挿通して、これをカシメることにより、各部材が一体的に締結される。なお、ポップナットPNに替えて、リベットによる各部材の締結も可能ではあるが、この場合、ヒンジをねじ止めするためのねじ穴を別途形成しなければならなくなるため、本実施形態のようにポップナットを用いることが好適である。
なお、骨組みと、前面部材11、後面部材12を接着することが好ましい(相互の接触個所を全面的に接着するものであってもよいし、各部材の一部を接着するもの等であってもよい)。
ヒンジ110、120によるパネル体1-2の接続については、実施形態1で説明したものと同様であり、一組の締結部材により、前面部材11と上部横補強部材14-1と後面部材12とヒンジ110若しくはヒンジ120とが、又は、前面部材11と下部横補強部材14-2と後面部材12とヒンジ110若しくはヒンジ120とが、一体的に締結される。
【0036】
以上のごとく、本実施形態によれば、実施形態1と同様の効果を得ることができ、また、上部横補強部材14-1と下部横補強部材14-2を縦補強部材13-2によって上述のような格子状の骨組みが構成されるため、より強度が高いパネル体とすることができる。
【0037】
なお、縦補強部材13-2は、実施形態1と同様に、ヒンジが接続される箇所にそれぞれ設けるものであってもよいが、ヒンジの位置とは無関係に設けるものであってもよい。
例えば、実施形態の開閉装置100では、幅方向に5つのヒンジが設けられているが、縦補強部材13-2を3本とするもの等であってよい。
【0038】
各実施形態では、パネル体の上端部及び下端部が、Z字状のあいじゃくり構造となるものを例としたが、本発明をこれに限るものではなく、上下のパネル体の接合部で相互に一部重なる部分を形成することが可能な任意の形状とすることができる。当該形状の相違に応じて、縦補強部材の上下端の形状や、上部横補強部材や下部横補強部材の形状を、対応した形状にすればよいものである。
【0039】
各実施形態では、パネル体が前面及び後面を有するものを例としたが、本発明をこれに限るものではなく、後面部材が無いものであってもよい。
【符号の説明】
【0040】
1...パネル体
11...前面部材
111...上部折り返し部
112...下部折り返し部
12...後面部材
13...縦補強部材
14-1...上部横補強部材
14-2...下部横補強部材
100...開閉装置
110、120...ヒンジ
PN...ポップナット(締結部材)