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特開2024-25471センサ評価装置、センサ評価システム、センサ評価方法およびセンサ評価プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025471
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】センサ評価装置、センサ評価システム、センサ評価方法およびセンサ評価プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/26 20060101AFI20240216BHJP
   G01N 27/416 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
G01N27/26 371D
G01N27/26 391Z
G01N27/416 353Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022128944
(22)【出願日】2022-08-12
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古市 卓也
(72)【発明者】
【氏名】野田 直広
(72)【発明者】
【氏名】田原 雅哉
(72)【発明者】
【氏名】西田 洋司
(57)【要約】
【課題】水質センサは、簡易に且つ適切なタイミングで、正確に校正されるかまたは交換されることが好ましい。
【解決手段】一つ以上の参照船舶の状態を示す第1状態情報と、参照船舶が有する第1水質センサの第1水質測定値であって参照船舶が第1状態情報に示される状態である場合の第1水質測定値とを記憶する記憶部と、対象船舶の状態を示す第2状態情報と、第1状態情報および第1水質測定値とに基づいて、対象船舶が第2状態情報に示される状態である場合の水質基準値を生成する生成部と、対象船舶が有する第2水質センサの第2水質測定値と、水質基準値とに基づいて、第2水質センサを評価する評価部とを備えるセンサ評価装置を提供する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つ以上の参照船舶の状態を示す第1状態情報と、前記参照船舶が有する第1水質センサの第1水質測定値であって前記参照船舶が前記第1状態情報に示される状態である場合の第1水質測定値とを記憶する記憶部と、
対象船舶の状態を示す第2状態情報と、前記第1状態情報および前記第1水質測定値とに基づいて、前記対象船舶が前記第2状態情報に示される状態である場合の水質基準値を生成する生成部と、
前記対象船舶が有する第2水質センサの第2水質測定値と、前記水質基準値とに基づいて、前記第2水質センサを評価する評価部と、
を備えるセンサ評価装置。
【請求項2】
前記評価部による前記第2水質センサの評価結果に基づいて、前記第2水質センサの校正時期または交換時期を算出する算出部をさらに備える、請求項1に記載のセンサ評価装置。
【請求項3】
前記算出部は、前記第2水質センサの第2水質測定値の時間変化に基づいて、前記校正時期または前記交換時期を算出する、請求項2に記載のセンサ評価装置。
【請求項4】
前記算出部は、前記対象船舶の予定航路にさらに基づいて、前記校正時期または前記交換時期を算出する、請求項2に記載のセンサ評価装置。
【請求項5】
前記第1状態情報は、前記参照船舶の航海位置の情報を含み、
前記記憶部は、前記参照船舶の航海位置と、前記参照船舶が前記航海位置にある場合の前記第1水質測定値とを記憶し、
前記第2状態情報は、前記対象船舶の航海位置の情報を含み、
前記生成部は、前記対象船舶の前記航海位置と、前記参照船舶の前記航海位置と、前記参照船舶が前記航海位置にある場合の前記第1水質測定値とに基づいて、前記水質基準値を生成する、
請求項1から4のいずれか一項に記載のセンサ評価装置。
【請求項6】
前記第2状態情報は、前記対象船舶の航海位置の情報を含み、
前記生成部は、前記対象船舶の前記航海位置の情報に基づいて、前記水質基準値を生成する前記対象船舶の状態を選別し、前記対象船舶が、選別した前記状態である場合の前記水質基準値を生成する、
請求項2から4のいずれか一項に記載のセンサ評価装置。
【請求項7】
前記算出部は、算出した前記交換時期と前記対象船舶の前記航海位置の情報とに基づいて、前記第2水質センサを交換するための位置を決定する、請求項6に記載のセンサ評価装置。
【請求項8】
前記評価部による前記第2水質センサの評価結果に基づいて、前記第2水質センサを校正する校正部をさらに備える、請求項1に記載のセンサ評価装置。
【請求項9】
前記対象船舶は、第2液体および第2排ガスが導入され、前記第2排ガスを前記第2液体により処理し、前記第2排ガスを前記第2液体により処理した第2排液を排出する対象排ガス処理装置を有し、
一の前記第2水質センサは前記第2液体の水質を測定し、他の前記第2水質センサは前記第2排液の水質を測定し、
前記評価部は、一の前記第2水質センサの評価結果に基づいて、他の前記第2水質センサを評価する、
請求項1から4のいずれか一項に記載のセンサ評価装置。
【請求項10】
前記第1状態情報は、第1排ガスを排出する動力装置の出力値であって、前記第1排ガスは前記参照船舶が有する参照排ガス処理装置に導入される、出力値を含み、
前記記憶部には、
前記参照排ガス処理装置に導入される第1液体が、一の前記第1水質センサにより測定された一の前記第1水質測定値と、
前記第1排ガスが前記第1液体により処理され、前記参照排ガス処理装置により排出された第1排液が、他の前記第1水質センサにより測定された他の前記第1水質測定値と、
前記動力装置の出力値と、
が記憶され、
前記評価部は、一の前記第1水質測定値、他の前記第1水質測定値および前記動力装置の出力値と、一の前記第2水質センサの評価結果とに基づいて、他の前記第2水質センサを評価する、
請求項9に記載のセンサ評価装置。
【請求項11】
前記記憶部は、前記第1水質測定値および前記水質基準値と、前記第2水質センサの評価結果との関係を機械学習することにより、前記第2水質センサの第2水質測定値が入力された場合に、前記第2水質測定値に対する評価結果を示す評価推論データを出力する評価推論モデルを生成する評価学習部を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載のセンサ評価装置。
【請求項12】
請求項1から4のいずれか一項に記載のセンサ評価装置と、
前記対象船舶が有する第2送信部であって、前記第2送信部は、前記第2水質センサの第2水質測定値を前記センサ評価装置に送信する、第2送信部と、
を備え、
前記センサ評価装置は、前記評価部による前記第2水質センサの評価結果を前記対象船舶に送信する第1送信部を有する、
センサ評価システム。
【請求項13】
請求項5に記載のセンサ評価装置と、
前記対象船舶が有する位置情報取得部であって、前記位置情報取得部は前記対象船舶の前記航海位置の情報を取得する、位置情報取得部と、
前記対象船舶が有する第2送信部であって、前記第2送信部は、前記第2水質センサの第2水質測定値と、前記対象船舶の前記航海位置の情報とを前記センサ評価装置に送信する、第2送信部と、
を備え、
前記センサ評価装置は、前記評価部による前記第2水質センサの評価結果を前記対象船舶に送信する第1送信部を有する、
センサ評価システム。
【請求項14】
前記対象船舶が有する校正部であって、前記校正部は、前記評価部による前記第2水質センサの評価結果に基づいて前記第2水質センサを校正する、校正部をさらに備える、請求項13に記載のセンサ評価システム。
【請求項15】
記憶部が、一つ以上の参照船舶の状態を示す第1状態情報と、前記参照船舶が有する第1水質センサの第1水質測定値であって前記参照船舶が前記第1状態情報に示される状態である場合の第1水質測定値とを記憶する記憶ステップと、
生成部が、対象船舶の状態を示す第2状態情報と、前記第1状態情報および前記第1水質測定値とに基づいて、前記対象船舶が前記第2状態情報に示される状態である場合の水質基準値を生成する生成ステップと、
評価部が、前記対象船舶が有する第2水質センサの第2水質測定値と、前記水質基準値とに基づいて、前記第2水質センサを評価する評価ステップと、
を備えるセンサ評価方法。
【請求項16】
コンピュータを、請求項1から4のいずれか一項に記載のセンサ評価装置として機能させるためのセンサ評価プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサ評価装置、センサ評価システム、センサ評価方法およびセンサ評価プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「本発明が提供しようとするものは、センサーの機能を監視する方法、および、機能監視のための集積系を具えたセンサーである。」と記載されている(段落0005)。
特許文献2には、「本開示は、電気化学センサーのモニタリングシステムに関するものであり、」と記載されている(要約書)。
特許文献3には、「pH計のドリフトや校正のずれが解消されないまま、水処理管理をすることが防止され、」と記載されている(要約書)。
特許文献4には、「ガスセンサについて、実際の使用寿命を予測してガス検知装置の正常動作状態を継続して維持することのできるガスセンサ使用寿命予測方法およびガス検知装置」と記載されている(要約書)。
特許文献5には、「被交換品の補修要請又は交換部品を適切に配送できる船舶用圧縮機の保守管理システムを提供する」と記載されている(段落0006)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特許第5096162号
[特許文献2] 米国特許出願公開第2021/0396710号明細書
[特許文献3] 特開2019-45455号公報
[特許文献4] 特開2015-94616号公報
[特許文献5] 特許第6786749号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
水質センサは、簡易に且つ適切なタイミングで、正確に校正されるかまたは交換されることが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様においては、センサ評価装置を提供する。センサ評価装置は、一つ以上の参照船舶の状態を示す第1状態情報と、参照船舶が有する第1水質センサの第1水質測定値であって参照船舶が第1状態情報に示される状態である場合の第1水質測定値とを記憶する記憶部と、対象船舶の状態を示す第2状態情報と、第1状態情報および第1水質測定値とに基づいて、対象船舶が第2状態情報に示される状態である場合の水質基準値を生成する生成部と、対象船舶が有する第2水質センサの第2水質測定値と、水質基準値とに基づいて、第2水質センサを評価する評価部とを備える。
【0005】
センサ評価装置は、評価部による第2水質センサの評価結果に基づいて、第2水質センサの校正時期または交換時期を算出する算出部をさらに備えてよい。
【0006】
算出部は、第2水質センサの第2水質測定値の時間変化に基づいて、校正時期または交換時期を算出してよい。
【0007】
算出部は、対象船舶の予定航路にさらに基づいて、校正時期または交換時期を算出してよい。
【0008】
第1状態情報は、参照船舶の航海位置の情報を含んでよい。記憶部は、参照船舶の航海位置と、参照船舶が航海位置にある場合の第1水質測定値とを記憶してよい。第2状態情報は、対象船舶の航海位置の情報を含んでよい。生成部は、対象船舶の航海位置と、参照船舶の航海位置と、参照船舶が航海位置にある場合の第1水質測定値とに基づいて、水質基準値を生成してよい。
【0009】
第2状態情報は、対象船舶の航海位置の情報を含んでよい。生成部は、対象船舶の航海位置の情報に基づいて、水質基準値を生成する対象船舶の状態を選別し、対象船舶が、選別した状態である場合の水質基準値を生成してよい。
【0010】
算出部は、算出した交換時期と対象船舶の航海位置の情報とに基づいて、第2水質センサを交換するための位置を決定してよい。
【0011】
センサ評価装置は、評価部による第2水質センサの評価結果に基づいて、第2水質センサを校正する校正部をさらに備えてよい。
【0012】
対象船舶は、第2液体および第2排ガスが導入され、第2排ガスを第2液体により処理し、第2排ガスを第2液体により処理した第2排液を排出する対象排ガス処理装置を有してよい。一の第2水質センサは第2液体の水質を測定し、他の第2水質センサは第2排液の水質を測定してよい。評価部は、一の第2水質センサの評価結果に基づいて、他の第2水質センサを評価してよい。
【0013】
第1状態情報は、第1排ガスを排出する動力装置の出力値であって、第1排ガスは参照船舶が有する参照排ガス処理装置に導入される、出力値を含んでよい。記憶部には、参照排ガス処理装置に導入される第1液体が、一の第1水質センサにより測定された一の第1水質測定値と、第1排ガスが第1液体により処理され参照排ガス処理装置により排出された第1排液が、他の第1水質センサにより測定された他の第1水質測定値と、動力装置の出力値とが記憶されてよい。評価部は、一の第1水質測定値、他の第1水質測定値および動力装置の出力値と、一の第2水質センサの評価結果とに基づいて、他の第2水質センサを評価してよい。
【0014】
記憶部は、第1水質測定値および水質基準値と、第2水質センサの評価結果との関係を機械学習することにより、第2水質センサの第2水質測定値が入力された場合に、第2水質測定値に対する評価結果を示す評価推論データを出力する評価推論モデルを生成する評価学習部を有してよい。
【0015】
本発明の第2の態様においては、センサ評価システムを提供する。センサ評価システムは、センサ評価装置と、対象船舶が有する第2送信部であって、第2送信部は、第2水質センサの第2水質測定値をセンサ評価装置に送信する、第2送信部とを備えてよい。センサ評価装置は、評価部による第2水質センサの評価結果を対象船舶に送信する第1送信部を有してよい。
【0016】
センサ評価システムは、センサ評価装置と、対象船舶が有する位置情報取得部であって、位置情報取得部は対象船舶の航海位置の情報を取得する、位置情報取得部と、対象船舶が有する第2送信部であって、第2送信部は、第2水質センサの第2水質測定値と、対象船舶の航海位置の情報とをセンサ評価装置に送信する、第2送信部とを備えてよい。センサ評価装置は、評価部による第2水質センサの評価結果を対象船舶に送信する第1送信部を有してよい。
【0017】
センサ評価システムは、対象船舶が有する校正部であって、校正部は、評価部による第2水質センサの評価結果に基づいて第2水質センサを校正する、校正部をさらに備えてよい。
【0018】
本発明の第3の態様においては、センサ評価方法を提供する。センサ評価方法は、記憶部が、一つ以上の参照船舶の状態を示す第1状態情報と、参照船舶が有する第1水質センサの第1水質測定値であって参照船舶が第1状態情報に示される状態である場合の第1水質測定値とを記憶する記憶ステップと、生成部が、対象船舶の状態を示す第2状態情報と、第1状態情報および第1水質測定値とに基づいて、対象船舶が第2状態情報に示される状態である場合の水質基準値を生成する生成ステップと、評価部が、対象船舶が有する第2水質センサの第2水質測定値と、水質基準値とに基づいて、第2水質センサを評価する評価ステップとを備える。
【0019】
本発明の第4の態様においては、センサ評価プログラムを提供する。センサ評価プログラムは、コンピュータをセンサ評価装置として機能させる。
【0020】
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】対象船舶200と、センサ評価装置100およびセンサ評価システム400との関係の一例を示す図である。
図2】参照船舶300とセンサ評価装置100との関係の一例を示す図である。
図3】一つ以上の参照船舶300と、センサ評価装置100との関係の一例を示す図である。
図4】本発明の一つの実施形態に係るセンサ評価装置100の一例を示すブロック図である。
図5】記憶部10による第1状態情報Is1および第1水質測定値Q1との記憶態様の一例を示す図である。
図6】第2水質センサ80により測定された第2液体74の水質Q2と経過時間tとの関係の一例を示す図である。
図7図6において水質基準値Qsの生成対象に選別された水質Q2の測定値に対する前処理後のデータの一例を示す図である。
図8図7における前処理後のデータと、水質基準値Qsとの関係の一例を示す図である。
図9図7における前処理後のデータと、水質基準値Qsとの関係の他の一例を示す図である。
図10】対象船舶200の航路の一例を示す図である。
図11】記憶部10による第1状態情報Is1および第1水質測定値Q1との記憶態様の他の一例を示す図である。
図12】対象船舶210と、センサ評価装置100およびセンサ評価システム400との関係の一例を示す図である。
図13】対象船舶200と、センサ評価装置100およびセンサ評価システム400との関係の他の一例を示す図である。
図14】評価推論モデル110の一例を示す図である。
図15】本発明の一つの実施形態に係るセンサ評価装置100の他の一例を示すブロック図である。
図16】本発明の一つの実施形態に係るセンサ評価方法の一例を示すフローチャートである。
図17】本発明の一つの実施形態に係るセンサ評価方法の一例を示すフローチャートである。
図18】本発明の一つの実施形態に係るセンサ評価装置100またはセンサ評価システム400が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0023】
図1は、対象船舶200と、センサ評価装置100およびセンサ評価システム400との関係の一例を示す図である。図1において、対象船舶200の範囲が一点鎖線で、センサ評価システム400の範囲が粗い破線で、それぞれ示されている。対象船舶200は、センサ評価装置100の評価対象である第2水質センサ80を有する船舶である。船舶の種類にかかわらず、全ての船舶が対象船舶200であり得る。船舶の当該種類とは、当該船舶が貨物船であるか旅客線であるか、当該船舶の大きさ、当該船舶のエンジンの排気量、等を指す。
【0024】
対象船舶200は、対象排ガス処理装置70を有する。対象排ガス処理装置70は、例えば船舶用スクラバである。対象排ガス処理装置70には、第2液体74および第2排ガス62が導入される。第2水質センサ80は、pHセンサであってよく、PAH(Polycyclic Aromatic Hydrocarbons)センサであってもよく、濁度センサであってもよい。
【0025】
対象船舶200は、動力装置60およびポンプ72を有してよい。動力装置60は、例えばエンジンである。動力装置60は、第2排ガス62を排出する。第2排ガス62には、硫黄酸化物、窒素酸化物等の有害物質が含まれ得る。ポンプ72は、第2液体74を対象排ガス処理装置70に導入する。第2液体74は、海水であってよい。
【0026】
対象排ガス処理装置70は、第2排ガス62を第2液体74により処理する。第2排ガス62を処理するとは、第2排ガス62に含まれる上述の有害物質を除去することを指す。対象排ガス処理装置70は、第2排ガス62を第2液体74により処理した第2排液76を排出する。第2排液76は、硫黄酸化物、窒素酸化物等の有害物質を含み得る。第2排液76は、対象排ガス処理装置70の外部に排出されてよい。対象排ガス処理装置70は、第2排ガス62が第2液体74により処理された排ガス64を排出する。
【0027】
対象船舶200は、制御部50、データ収集部52、第2送信部54、第2受信部56および位置情報取得部58を有してよい。制御部50は、動力装置60、データ収集部52、第2送信部54、第2受信部56および位置情報取得部58を制御する。制御部50は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。
【0028】
対象船舶200は、複数の第2水質センサ80を有してよい。本例においては、対象船舶200は二つの第2水質センサ80(第2水質センサ80-1および第2水質センサ80-2)を有する。本例において、一の第2水質センサ80(第2水質センサ80-1)は第2液体74の水質を測定し、他の第2水質センサ80(第2水質センサ80-2)は第2排液76の水質を測定する。対象船舶200は、ガスセンサ82を有してよい。ガスセンサ82は、排ガス64の有害物質の濃度を測定する。
【0029】
対象船舶200は、海洋を航海中であってよい。センサ評価装置100は、陸地に配置されていてよい。センサ評価装置100は、対象船舶200に搭載されていてもよい。
【0030】
位置情報取得部58は、対象船舶200の航海位置の情報を取得する。位置情報取得部58は、例えばGPS(Global Positioning System)である。位置情報取得部58により取得された、対象船舶200の航海位置の情報を、位置情報Ipとする。
【0031】
データ収集部52は、第2水質センサ80の水質測定値、ガスセンサ82の有害物質濃度測定値、動力装置60の出力および対象船舶200の位置情報Ipを収集する。データ収集部52により収集されたデータを、データDa1とする。
【0032】
第2送信部54は、データDa1をセンサ評価装置100に送信する。航海中の対象船舶200の第2送信部54が、陸地に配置されたセンサ評価装置100にデータDa1を送信してよい。第2送信部54は、データDa1をインターネット回線で送信してよい。第2受信部56は、センサ評価装置100による第2水質センサ80の評価結果のデータを受信する。当該データをデータDa2とする。
【0033】
第2受信部56は、センサ評価装置100の第1送信部20(後述)により送信されたデータDa2を受信してよい。第2受信部56は、データDa2をインターネット回線で受信してよい。
【0034】
センサ評価システム400は、センサ評価装置100と第2送信部54とを備えてよい。センサ評価システム400は、位置情報取得部58をさらに備えてよい。センサ評価システム400は、制御部50、データ収集部52および第2受信部56をさらに備えてよい。
【0035】
図2は、参照船舶300とセンサ評価装置100との関係の一例を示す図である。図2において、参照船舶300の範囲が一点鎖線で示されている。参照船舶300は、センサ評価装置100の評価対象である第2水質センサ80(図1参照)を評価するための参照データを提供し得る船舶である。対象船舶200と同様に、船舶の種類にかかわらず全ての船舶が参照船舶300であり得る。
【0036】
参照船舶300は、参照排ガス処理装置170を有する。参照排ガス処理装置170は、例えば船舶用スクラバである。参照排ガス処理装置170には、第1液体174および第1排ガス162が導入される。
【0037】
参照船舶300は、動力装置160およびポンプ172を有してよい。動力装置160は、例えばエンジンである。動力装置160は、第1排ガス162を排出する。第1排ガス162には、硫黄酸化物、窒素酸化物等の有害物質が含まれ得る。ポンプ172は、第1液体174を参照排ガス処理装置170に導入する。第1液体174は、海水であってよい。
【0038】
参照排ガス処理装置170は、第1排ガス162を第1液体174により処理する。参照排ガス処理装置170は、第1排ガス162を第1液体174により処理した第1排液176を排出する。第1排液176は、参照排ガス処理装置170の外部に排出されてよい。参照排ガス処理装置170は、第1排ガス162が第1液体174により処理された排ガス164を排出する。
【0039】
参照船舶300は、制御部150、データ収集部152、第2送信部154、第2受信部156および位置情報取得部158を有してよい。制御部150、データ収集部152、第2送信部154、第2受信部156および位置情報取得部158の機能は、それぞれ制御部50、データ収集部52、第2送信部54、第2受信部56および位置情報取得部58と同じであってよい。
【0040】
参照船舶300は、第1水質センサ180を有する。第1水質センサ180は、pHセンサであってよく、PAHセンサであってもよく、濁度センサであってもよい。参照船舶300は、複数の第1水質センサ180を有してよい。本例においては、参照船舶300は二つの第1水質センサ180(第1水質センサ180-1および第1水質センサ180-2)を有する。本例において、一の第1水質センサ180-1は第1液体174の水質を測定し、他の第1水質センサ180-2は第1排液176の水質を測定する。参照船舶300は、ガスセンサ182を有してよい。ガスセンサ182は、排ガス164の有害物質の濃度を測定する。
【0041】
位置情報取得部158は、参照船舶300の航海位置の情報を取得する。位置情報取得部158は、例えばGPSである。参照船舶300の航海位置の情報を、位置情報Ip'とする。
【0042】
データ収集部152は、第1水質センサ180の水質測定値、ガスセンサ182の有害物質濃度測定値、動力装置160の出力および参照船舶300の位置情報Ip'を収集する。データ収集部152により収集されたデータを、データDa1'とする。
【0043】
第2送信部154は、データDa1'をセンサ評価装置100に送信する。第2受信部156は、センサ評価装置100による第1水質センサ180の評価結果のデータを受信する。当該データをデータDa2'とする。
【0044】
図3は、一つ以上の参照船舶300と、センサ評価装置100との関係の一例を示す図である。本例においては、n個の参照船舶300のそれぞれが、データDa1'をセンサ評価装置100に送信し、データDa2'をセンサ評価装置100から受信する。
【0045】
図4は、本発明の一つの実施形態に係るセンサ評価装置100の一例を示すブロック図である。センサ評価装置100は、記憶部10、生成部12および評価部14を備える。センサ評価装置100は、制御部16、算出部18および校正部11を備えてよい。
【0046】
センサ評価装置100は、第1送信部20および第1受信部22を備えてよい。第1受信部22は、第2送信部54により送信されたデータDa1を受信する。第1受信部22は、第2送信部154により送信されたデータDa1'を受信する。第1送信部20は、データDa2を第2受信部56に送信する。第1送信部20は、データDa2'を第2受信部156に送信してよい。
【0047】
記憶部10は、一つ以上の参照船舶300(図2参照)の状態を示す第1状態情報と、第1水質センサ180の第1水質測定値とを記憶する。当該第1状態情報を、第1状態情報Is1とする。当該第1水質測定値を、第1水質測定値Q1とする。
【0048】
第1状態情報Is1は、動力装置160(図2参照)の出力Pwの値を含んでよい。第1状態情報Is1は、第1液体174の流量の情報または第1排液176の流量の情報を含んでよい。第1状態情報Is1は、参照船舶300(図2参照)の航海位置と、当該航海位置を航海中における動力装置160(図2参照)の出力と、参照船舶300の種類とを含んでよい。参照船舶300の航海位置とは、参照船舶300が航行している緯度および経度を指す。参照船舶300の種類とは、上述したとおり、参照船舶300が貨物船であるか旅客線であるか、等の情報を指す。
【0049】
第1水質測定値Q1は、参照船舶300(図2参照)が第1状態情報Is1に示される状態である場合の水質の測定値である。参照船舶300が第1状態情報Is1に示される状態である場合の水質の測定値とは、参照船舶300が、動力装置160(図2参照)の一の出力で一の航海位置を航海中において、第1水質センサ180(図2参照)により測定された第1液体174(図2参照)または第1排液176(図2参照)の水質測定値を指す。記憶部10には、海域ごと、時期ごと、天候ごとの第1水質測定値Q1が記憶されていてよい。
【0050】
図5は、記憶部10による第1状態情報Is1および第1水質測定値Q1との記憶態様の一例を示す図である。記憶部10は、参照船舶300の航海位置と、参照船舶300が当該航海位置にある場合の第1水質測定値Q1とを記憶してよい。本例においては、記憶部10は、n個の参照船舶300(図3参照)のそれぞれの状態を示すn個の第1状態情報Is1と、n個の参照船舶300のそれぞれの第1水質センサ180の第1水質測定値とが、対応付けられて記憶されている。図5は、第1水質測定値Q1がpHである場合の一例である。
【0051】
生成部12(図4参照)は、対象船舶200(図1参照)の状態を示す第2状態情報と、第1状態情報Is1および第1水質測定値Q1とに基づいて、水質基準値を生成する。当該第2状態情報を、第2状態情報Is2とする。当該水質基準値を、水質基準値Qsとする。
【0052】
第2状態情報Is2は、位置情報Ipを含んでよい。位置情報Ipは、対象船舶200(図1参照)の航海位置であってよい。第2状態情報Is2は、位置情報Ipと、対象船舶200が当該位置情報Ipの位置を航海中における動力装置60(図1参照)の出力と、対象船舶200の種類とが含まれてよい。位置情報取得部58は、対象船舶200の航海中に、対象船舶200の航海位置をリアルタイムで取得してよい。
【0053】
第2状態情報Is2は、対象船舶200(図1参照)の動力装置60の出力Pwを含んでよい。第2状態情報Is2は、第2液体74の流量の情報または第2排液76の流量の情報を含んでよい。第2状態情報Is2は、対象船舶200(図1参照)の航海位置と、当該航海位置を航海中における動力装置60(図1参照)の出力と、対象船舶200の種類とを含んでよい。データ収集部52(図1参照)は、位置情報取得部58により取得された対象船舶200の航海位置、当該航海位置を航海中における動力装置60の出力Pw、第2液体74の流量および第2排液76の流量をリアルタイムで取得してよい。
【0054】
図6は、第2水質センサ80により測定された第2液体74の水質Q2と経過時間tとの関係の一例を示す図である。本例において、第2水質センサ80はpHセンサである。図6における黒い丸印は、水質基準値Qsの生成対象である第2状態情報Is2に対応するデータである。当該データは、水質基準値Qsの生成対象に選別されるデータである。図6における白い四角印は、水質基準値Qsの生成対象ではない第2状態情報Is2に対応するデータである。当該データは、水質基準値Qsの生成対象から除外されるデータである。
【0055】
水質基準値Qsの生成対象ではない第2状態情報Is2には、動力装置60(図1参照)の出力がゼロの場合が含まれてよい。水質基準値Qsの生成対象ではない第2状態情報Is2には、第2液体74の流量または第2排液76の流量がゼロの場合が含まれてよい。第2水質センサ80がpHセンサの場合、除外される第2状態情報Is2には、pHが3.5以下と測定されたデータに対応する第2状態情報Is2がさらに含まれてよい。
【0056】
生成部12(図4参照)は、位置情報Ipに基づいて、水質基準値Qsを生成する対象船舶200の状態を選別してよい。位置情報取得部58(図1参照)は、対象船舶200の航海位置と、当該航海位置に最も近い陸地との距離を取得してよい。当該距離を、距離hとする。生成部12(図4参照)は、距離hに基づいて、水質基準値Qsを生成する対象船舶200の状態を選別してよい。
【0057】
距離hが閾値距離hth未満である場合、動力装置60(図1参照)は停泊に備え停止される場合がある。これにより、動力装置60の出力Pwはゼロになり得る。距離hが閾値距離hth未満である場合、対象排ガス処理装置70(図1参照)は、停泊に備えて停止される場合がある。これにより、第2液体74の流量および第2排液76の流量はゼロになり得る。これらにより、距離hが閾値距離hth未満である場合、第2液体74の水質Q2は不安定になりやすい。このため、距離hが閾値距離hth未満である場合のデータは、除外されるデータに含まれてよい。生成部12(図4参照)は、距離hが閾値距離hth未満である場合、水質基準値Qsを生成しなくてよい。
【0058】
距離hが閾値距離hth以上である場合、対象船舶200は沖合を航行しているので、動力装置60および対象排ガス処理装置70は、動作中であり得る。このため、第2液体74の水質Q2は安定しやすい。このため、生成部12(図4参照)は、距離hが閾値距離hth以上である場合、水質基準値Qsを生成してよい。
【0059】
生成部12(図4参照)は、対象船舶200(図1参照)が、選別した状態である場合の水質基準値Qsを生成してよい。本例においては、生成部12は、図6に示される黒い丸印のデータに基づいて水質基準値Qsを生成する。
【0060】
図7は、図6において水質基準値Qsの生成対象に選別された水質Q2の測定値に対する前処理後のデータの一例を示す図である。当該前処理は、例えば平均化処理である。前処理は、図6の黒い丸印のデータに対して実施されてよい。平均化処理は、水質Q2の12時間にわたる測定値を平均化する処理であってよい。平均化処理は、過去の予め定められた時点から現在までの期間にわたり、実施されてよい。過去の当該時点は、例えば4か月前である。図7において、前処理後のデータが黒い実線で示されている。
【0061】
図8は、図7における前処理後のデータと、水質基準値Qsとの関係の一例を示す図である。第2水質センサ80による水質Q2の測定値は、第2水質センサ80自身のドリフトにより、経過時間tに伴い変化し得る。本例においては、水質Q2の測定値は、経過時間tとともに低下している。本例においては、水質Q2の測定値の時間変化率は、経過時間tにかかわらず一定である。
【0062】
生成部12(図4参照)は、第2状態情報Is2と、第1状態情報Is1(図5参照)および第1水質測定値Q1(図5参照)とに基づいて、水質基準値Qsを生成してよい。記憶部10に記憶された第1状態情報Is1は、参照船舶300の過去の状態を示す情報であってよい。記憶部10に記憶された第1水質基準値Q1は、参照船舶300の第1水質センサ180により測定された過去の第1液体174の水質および第1排液176の水質の少なくとも一方であってよい。第1状態情報Is1は、航海中の参照船舶300の現在の状態を示す情報であってもよい。第1水質基準値Q1は、航海中の参照船舶300の第1水質センサ180により測定された現在の第1液体174の水質および第1排液176の水質の少なくとも一方であってもよい。水質基準値Qsは、対象船舶200(図1参照)が第2状態情報Is2に示される状態である場合の水質の基準値である。
【0063】
生成部12(図4参照)は、対象船舶200(図1参照)の位置情報Ipと、参照船舶300(図2参照)の航海位置と、参照船舶300が当該航海位置にある場合の第1水質測定値Q1とに基づいて、水質基準値Qsを生成してよい。図8に示される一の時刻t1において、対象船舶200が一の出力Pw1で一の航海位置Ps1を航行中であるとする。対象船舶200が第2状態情報Is2に示される状態である場合の水質の基準値とは、一つ以上の参照船舶300が、同じ出力Pw1で同じ航海位置Ps1を航行中であった場合の第1水質測定値Q1(図5参照)であってよい。
【0064】
評価部14(図4参照)は、第2水質センサ80(図1参照)の第2水質測定値Q2と、水質基準値Qsとに基づいて、第2水質センサ80を評価する。第2水質測定値Q2と水質基準値Qsとの差分を、差分dとする。評価部14は、差分dに基づいて第2水質センサ80を評価してよい。評価部14は、差分dが予め定められた閾値dth未満である場合、第2水質センサ80を正常と評価してよい。評価部14は、差分dが閾値dth以上である場合、第2水質センサ80を校正または交換すべきと評価してよい。
【0065】
参照船舶300と対象船舶200とは、異なる船舶であってよく、同じ船舶であってもよい。参照船舶300と対象船舶200とが同じ船舶である場合とは、評価部14(図4照)が当該船舶の現在の第2水質センサ80を、当該船舶の過去の水質基準値Qsに基づいて評価する場合である。当該水質基準値Qsは、当該船舶の過去の第1状態情報Is1および過去の第1水質基準値Q1に基づいて生成された水質基準値Qsである。参照船舶300が複数である場合、対象船舶200は、複数の参照船舶300のいずれとも異なる船舶であってよく、複数の参照船舶300のうち一の参照船舶300と同じ船舶であってもよい。
【0066】
第2水質センサ80(図1参照)により測定される水質Q2の経過時間tに伴う変化の態様は、第2水質センサ80が設置される環境に依存し得る。対象船舶200(図1参照)においては、第2水質センサ80は、高温、多湿且つ振動の多い環境に設置され得る。第2水質センサ80が設置される環境は、対象船舶200ごとに異なり得る。このため、経過時間tに伴う水質Q2の変化の態様は、第2水質センサ80ごとに異なり得る。評価部14は、水質基準値Qsに基づいて第2水質センサ80を評価する。このため、信頼性の高い、第2水質センサ80の評価結果が得られ得る。
【0067】
第2水質センサ80を個別に評価する場合、対象排ガス処理装置70から取り外された第2水質センサ80を評価することが好ましい。このため、第2水質センサ80を個別に評価する場合、対象排ガス処理装置70は停止され得る。このため、対象船舶200が航海中に第2水質センサ80を個別に評価することは困難である。センサ評価装置100では、評価部14(図4参照)は第2水質センサ80(図1参照)の第2水質測定値Q2と水質基準値Qsとに基づいて、第2水質センサ80を評価する。このため、対象船舶200が航海中であっても、第2水質センサ80の評価が可能である。
【0068】
水質Q2の下限値を下限水質Qminとする。水質Q2がpHである場合、下限水質Qminは、例えばpH=3.5である。
【0069】
評価部14(図4参照)による第2水質センサ80(図1参照)の評価結果を、評価結果Rsとする。算出部18(図4参照)は、評価結果Rsに基づいて、第2水質センサ80の校正時期または交換時期を算出してよい。算出部18は、差分dに基づいて、第2水質センサ80の校正時期または交換時期を算出してよい。算出部18は、評価結果Rsに基づいて、水質Q2が、下限水質Qminに達する時刻tfを算出してよい。時刻tfは、第2水質センサ80の交換時期であってよい。
【0070】
算出部18は、評価結果Rsに基づいて、第2水質センサ80の校正時期tcを算出してよい。本例においては、算出部18は、校正時期tc1および校正時期tc2を算出する。校正時期tcは、時刻t1と時刻tdとの間の任意の時刻であってよい。算出部18は、評価結果Rsに基づいて、交換時期tfまでの残日数を算出してよい。図8において、当該残日数が両矢印にて示されている。
【0071】
算出部18により算出された校正時期tcおよび交換時期tfは、第1送信部20(図4参照)により対象船舶200(図1参照)に送信されてよい。第1送信部20は、校正時期tcおよび交換時期tfをインターネット回線で対象船舶200に送信してよい。
【0072】
算出部18(図4参照)が第2水質センサ80の校正時期tcまたは交換時期tfを算出することにより、対象船舶200の船員は、第2水質センサ80の校正時期tcまたは交換時期tfを、時刻t1において予め認知できる。第2水質センサ80は、算出された校正時期tcに、校正基準液により校正されてよい。これにより、第2水質センサ80が長寿命化される。対象船舶200の船員が、当該校正基準液により第2水質センサ80を校正してよい。
【0073】
校正部11(図4参照)は、評価結果Rsに基づいて第2水質センサ80を校正してよい。第1送信部20は、評価結果Rsに基づく第2水質センサ80の校正情報を第2受信部56へ送信してよい。当該校正情報は、第2水質センサ80による測定された水質Q2の測定値を、水質Q2の真値に近付けるための校正に係る情報である。当該校正情報は、水質Q2の指示値であってよく、水質Q2の校正量であってもよい。
【0074】
校正部11は、対象船舶200が航海中に第2水質センサ80をリアルタイムで校正してよい。校正部11が第2水質センサ80を校正する場合、対象船舶200の船員は、校正基準液により第2水質センサ80を校正しなくてよい。
【0075】
図9は、図7における前処理後のデータと、水質基準値Qsとの関係の他の一例を示す図である。本例においては、水質Q2の測定値の時間変化率は、経過時間tに伴い大きくなっている。図9において、図8に示される水質基準値Qsと経過時間tとの関係が粗い破線で示されている。
【0076】
算出部18(図4参照)は、水質Q2の時間変化に基づいて、校正時期tfまたは交換時期tcを算出してよい。水質Q2の当該時間変化は、時間変化率であってよい。これにより、対象船舶200の船員は、第2水質センサ80の校正時期tcまたは交換時期tfを、時刻t1において予め認知できる。
【0077】
図10は、対象船舶200の航路の一例を示す図である。対象船舶200は、港Aから港Bへ向かっているとする。対象船舶200は、港Bに停泊した後、港Cへ向かう予定であるとする。対象船舶200の現在位置は、位置Pであるとする。対象船舶200は、位置Pから港Bまで、航路Aまたは航路Bを航海し得るとする。本例において、センサ評価装置100は港Aの陸地に配置されている。
【0078】
算出部18(図4参照)は、対象船舶200の予定航路に基づいて、校正時期tcまたは交換時期tfを算出してよい。算出部18は、複数の予定航路のそれぞれの場合の校正時期tcまたは交換時期tfを算出してよい。本例においては、算出部18は、航路Aの場合の校正時期tcまたは交換時期tf、および、航路Bの場合の校正時期tcまたは交換時期tfを、それぞれ算出する。記憶部10(図4参照)に、参照船舶300の位置ごとの第1水質測定値Q1が記憶されている場合(図5参照)、算出部18(図4参照)は、航路ごとに校正時期tcまたは交換時期tfを算出できる。対象船舶200の船員は、算出された校正時期tcまたは交換時期tfに基づいて、複数の予定航路のいずれかを選択してよい。
【0079】
算出部18(図4参照)は、算出した交換時期tfと対象船舶200(図1参照)の位置情報Ipとに基づいて、第2水質センサ80(図1参照)を交換するための位置を決定してよい。第2水質センサ80を交換するための位置とは、対象船舶200が停泊予定の位置であってよい。本例においては、算出部18は、交換時期tfと対象船舶200の位置Pとに基づいて、港Bおよび港Cのいずれで第2水質センサ80を交換するかを決定する。
【0080】
第2水質センサ80(図1参照)を交換する場合、対象排ガス処理装置70(図1参照)は停止されることが好ましい。このため、第2水質センサ80は、対象船舶200(図1参照)が停泊中に交換されることが好ましい。交換時期tfが第2水質センサ80の評価結果Rsに基づいて算出されることにより、算出部18は、港Bおよび港Cのいずれで第2水質センサ80を交換するかを、対象船舶200の航海中に決定できる。対象船舶200の船員は、算出部18により決定された港に、交換用の第2水質センサ80を予め用意するように連絡できる。
【0081】
図11は、記憶部10(図4参照)による第1状態情報Is1および第1水質測定値Q1との記憶態様の他の一例を示す図である。本例においては、記憶部10には、一の第1水質センサ180-1(図2参照)により測定された第1液体174(図2参照)の水質Q11と、他の第1水質センサ180-2により測定された第1排液176(図2参照)の水質Q12とが記憶されている。
【0082】
評価部14(図4参照)は、一の第2水質センサ80-1(図1参照)の評価結果Rsに基づいて、他の第2水質センサ80-2を評価してよい。評価部14は、一の第1水質測定値Q11、他の第1水質測定値Q12および動力装置160(図2参照)の出力Pw値と、一の第2水質センサ80-1の評価結果Rsとに基づいて、他の第2水質センサ80-2を評価してよい。
【0083】
一の第2水質センサ80-1(図1参照)により測定される水質Qを水質Q21とし、他の第2水質センサ80-2により測定される水質Qを水質Q22とする。対象船舶200(図1参照)が一の出力Pw1で一の航海位置Ps1を航行中である場合の水質Q21と水質Q22との関係は、参照船舶300(図2参照)が、同じ出力Pw1で同じ航海位置Ps1を航行中であった場合の第1水質測定値Q11と第1水質測定値Q12との関係に近くなりやすい。このため、評価部14(図4参照)は、一の第1水質測定値Q11、他の第1水質測定値Q12および動力装置の出力Pw値と、一の第2水質センサ80-1の評価結果Rsとに基づいて、他の第2水質センサ80-2を評価できる。
【0084】
図12は、対象船舶210と、センサ評価装置100およびセンサ評価システム400との関係の一例を示す図である。図12において、対象船舶210の範囲が一点鎖線で、センサ評価システム400の範囲が粗い破線で、それぞれ示されている。対象船舶210は、切替部90および切替部92を有する点で、対象船舶200(図1参照)と異なる。切替部92は、第2排液76が対象排ガス処理装置70の外部に排出されるか、または、第2排液76が対象排ガス処理装置70に再び導入されるかを切替える。切替部90は、対象排ガス処理装置70に第2液体74が導入されるか、または、第2排液76が導入されるかを切替える。切替部90および切替部92は、例えば三方弁である。
【0085】
第2排液76が対象排ガス処理装置70に再び導入される場合、第2排液76は、ポンプ72、対象排ガス処理装置70、切替部92および切替部90を循環する。第2排液76がこのように循環する方式は、所謂クローズドループ方式と称される。第2排液76が循環しない方式は、所謂オープンループ方式と称される。
【0086】
評価部14(図4参照)は、一の第2水質センサ80-1の評価結果Rsに基づいて、他の第2水質センサ80-2を評価してよい。クローズドループ方式の場合、第2排液76の水質Qは、第2排液76の循環に伴い劣化しやすい。このため、他の第2水質センサ80-2は、一の第2水質センサ80-1の評価結果Rsに基づいて評価されることが好ましい。
【0087】
図13は、対象船舶200と、センサ評価装置100およびセンサ評価システム400との関係の他の一例を示す図である。本例においては、対象船舶200は校正部11を有する。本例においては、センサ評価装置100は校正部11を有さなくてよい。
【0088】
センサ評価装置100の第1送信部20(図4参照)は、評価部14(図4参照)による第2水質センサ80の評価結果Rsを対象船舶200に送信する。第2受信部56は、当該評価結果Rsを受信する。本例においては、対象船舶200の校正部11が、当該評価結果Rsに基づいて第2水質センサ80を校正する。校正部11は、対象船舶200が航海中に第2水質センサ80をリアルタイムで校正してよい。
【0089】
図14は、評価推論モデル110の一例を示す図である。評価推論モデル110は、第1水質測定値Q1および水質基準値Qsと、第2水質センサ80の評価結果Rsとの関係を機械学習することにより、第2水質センサ80の第2水質測定値Q2が入力された場合に、第2水質測定値Q2に対する評価結果Rsを示す評価推論データを出力する。
【0090】
図15は、本発明の一つの実施形態に係るセンサ評価装置100の他の一例を示すブロック図である。本例において、記憶部10は評価学習部19を有する。評価学習部19は、評価推論モデル110(図14参照)を生成する。評価推論モデル110は、第1水質測定値Q1および水質基準値Qsと、第2水質センサ80の評価結果Rsとの関係を機械学習している。このため、第2水質測定値Q2に対する評価結果Rsの信頼性が向上しやすくなる。
【0091】
図16は、本発明の一つの実施形態に係るセンサ評価方法の一例を示すフローチャートである。本発明の一つの実施形態に係るセンサ評価方法を、図2に示される参照船舶300およびセンサ評価装置100を例に説明する。センサ評価方法は、記憶ステップS100を備える。センサ評価方法は、第1状態情報取得ステップS200、状態選別ステップS202、データ処理ステップS204、第1水質測定値算出ステップS206および判断ステップS208を備えてよい。
【0092】
第1状態情報取得ステップS200は、第1受信部22(図4参照)が、一つ以上の参照船舶300の状態を示す第1状態情報Is1を参照船舶300から取得するステップである。状態選別ステップS202は、生成部12(図4参照)が、第1水質測定値Q1の算出対象である第1状態情報Is1を選別するステップである。
【0093】
第1水質基準値Q1の算出対象ではない第1状態情報Is1には、動力装置160(図2参照)の出力がゼロの場合が含まれてよい。第1水質基準値Q1の生成対象ではない第1状態情報Is1には、第1液体174の流量または第1排液176の流量がゼロの場合が含まれてよい。第1水質センサ180がpHセンサの場合、除外される第1状態情報Is1には、pHが3.5以下と測定されたデータに対応する第1状態情報Is1がさらに含まれてよい。
【0094】
状態選別ステップS202は、位置情報取得部158(図2参照)が参照船舶300の位置情報Ip'を取得するステップを含んでよい。状態選別ステップS202は、位置情報取得部158(図2参照)が、参照船舶300の航海位置と、当該航海位置に最も近い陸地との距離を取得するステップを含んでよい。状態選別ステップS202は、生成部12(図4参照)が当該距離に基づいて、第1水質測定値Q1の算出対象である第1状態情報Is1を選別するステップであってよい。
【0095】
データ処理ステップS204は、第1水質センサ180により測定された第1液体174または第1排液176の水質測定データに対し、評価部14(図4参照)が前処理を実施するステップである。当該前処理は、第1液体174または第1排液176の水質測定データに対する平均化処理であってよい。平均化処理は、水質Q1の12時間にわたる測定値を平均化する処理であってよい。平均化処理は、過去の予め定められた時点から現在までの期間にわたり、実施されてよい。過去の当該時点は、例えば4か月前である。
【0096】
第1水質測定値算出ステップS206は、参照船舶300が第1状態情報Is1に示される状態である場合の第1水質測定値Q1を算出するステップである。第1水質測定値算出ステップS206は、算出部18(図4参照)が、データ処理ステップS204においてデータ処理された第1液体174または第1排液176の水質測定データから、第1水質測定値Q1を算出するステップであってよい。
【0097】
記憶ステップS100は、記憶部10(図4参照)が、第1状態情報Is1と、第1水質測定値算出ステップS206において算出された第1水質測定値Q1とを記憶するステップである。記憶ステップS100は、複数の参照船舶300ごとの第1状態情報Is1と第1水質測定値Q1とを記憶するステップであってよい。記憶ステップS100において、第1状態情報Is1と第1水質測定値Q1とは、図5または図11に示される態様で記憶されてよい。
【0098】
判断ステップS208は、制御部16(図4参照)が、第1水質センサ180による第1液体174または第1排液176の水質測定を継続するかを判断するステップである。判断ステップS208は、評価ステップS104(後述)において第2水質センサ80を評価するのに十分な、第1液体174または第1排液176の水質データが取得済みかを、制御部16が判断するステップであってよい。
【0099】
判断ステップS208において水質測定を継続すると判断された場合、センサ評価方法は第1状態情報取得ステップS200に戻る。判断ステップS208において水質測定を継続しないと判断された場合、センサ評価方法は第1液体174または第1排液176の水質測定を終了する。
【0100】
図17は、本発明の一つの実施形態に係るセンサ評価方法の一例を示すフローチャートである。本発明の一つの実施形態に係るセンサ評価方法を、図1に示される対象船舶200およびセンサ評価装置100を例に説明する。センサ評価方法は、記憶ステップS100、生成ステップS102および評価ステップS104を備える。センサ評価方法は、第2状態情報取得ステップS90、状態選別ステップS92およびデータ処理ステップS94を備えてよい。
【0101】
第2状態情報取得ステップS90は、第1受信部22(図4参照)が、対象船舶200の状態を示す第2状態情報Is2を対象船舶200から取得するステップである。状態選別ステップS92は、生成部12(図4参照)が、水質基準値Qsの生成対象である第2状態情報Is2を選別するステップである。
【0102】
状態選別ステップS92は、位置情報取得部58(図1参照)が対象船舶200の位置情報Ipを取得するステップを含んでよい。状態選別ステップS92は、位置情報取得部58が、対象船舶200の航海位置と、当該航海位置に最も近い陸地との距離を取得するステップを含んでよい。状態選別ステップS92は、生成部12(図4参照)が当該距離に基づいて、水質基準値Qsの生成対象である第2状態情報Is2を選別するステップであってよい。
【0103】
データ処理ステップS94は、状態選別ステップS92において選別された対象船舶200の状態において、第2水質センサ80(図1参照)により測定された第2液体74(図1参照)または第2排液76(図1参照)の水質測定データに対し、評価部14(図4参照)がデータ処理を実施するステップである。当該データ処理は、第2液体74または第2排液76の水質測定データに対する平均化処理が含まれてよい。
【0104】
生成ステップS102は、第2状態情報Is2と、記憶ステップS100において記憶された第1状態情報Is1および第1水質測定値Q1とに基づいて、対象船舶200が第2状態情報Is2に示される状態である場合の水質基準値Qsを生成するステップである。評価ステップS104は、評価部14(図4参照)が、第2水質センサ80(図1参照)の第2水質測定値Q2と、水質基準値Qsとに基づいて、第2水質センサ80を評価するステップである。
【0105】
評価ステップS104は、評価部14(図4参照)が、第2水質センサ80(図1参照)を校正すべきかを判定するステップであってよい。評価部14は、差分d(図8参照)に基づいて第2水質センサ80を評価してよい。差分dは、上述したとおり第2水質測定値Q2と水質基準値Qsとの差分である。本例においては、評価ステップS104において差分dが予め定められた閾値dth以上と評価された場合、センサ評価方法は通知ステップS106に進み、評価ステップS104において差分dが予め定められた閾値dth未満と評価された場合、センサ評価方法は算出ステップS108に進む。
【0106】
通知ステップS106は、制御部16(図4参照)が、第2水質センサ80(図1参照)を校正すべき旨の警告を通知するステップである。当該警告は、対象船舶200の船員に対し通知されてよい。通知ステップS106の後、センサ評価方法は算出ステップS108に進む。
【0107】
算出ステップS108は、算出部18(図4参照)が、評価ステップS104における第2水質センサ80(図1参照)の評価結果Rsに基づいて、第2水質センサ80の校正時期tc(図8参照)または交換時期tf(図8参照)を算出するステップである。算出ステップS108は、評価部14(図4参照)が、データ処理ステップS204(図16参照)において平均化処理された第1液体174または第1排液176の水質測定データに、第2水質センサ80により測定された第2液体74または第2排液76の水質測定データを追加するステップと、追加後の水質測定データに対し再度平均化処理を実施するステップとを含んでよい。
【0108】
算出ステップS108は、算出部18(図4参照)が、再度平均化処理された当該水質測定データに基づいて、第2水質センサ80の校正時期tc(図8参照)または交換時期tf(図8参照)を算出するステップであってよい。算出ステップS108は、算出部18が、評価結果Rsに基づいて交換時期tfまでの残日数を算出するステップを含んでよい。算出ステップS108の後、センサ評価方法は判断ステップS110に進む。
【0109】
判断ステップS110は、評価部14(図4参照)が、算出ステップS108において算出された校正時期tcまたは交換時期tfに基づいて、第2水質センサ80(図1参照)を校正または交換すべきかを判断するステップであってよい。判断ステップS110において第2水質センサ80を校正または交換すべきと判断された場合、センサ評価方法は通知ステップS112に進む。判断ステップS110において第2水質センサ80を校正または交換すべきと判断されない場合、センサ評価方法は第2水質センサ80の評価を終了する。
【0110】
通知ステップS112は、制御部16(図4参照)が、第2水質センサ80(図1参照)を校正または交換すべき旨の警告を通知するステップである。当該警告は、対象船舶200の船員に対し通知されてよい。第2水質センサ80を交換すべき旨の警告には、新たな第2水質センサ80を用意すべき旨の通知が含まれてよい。通知ステップS112の後、センサ評価方法は第2水質センサ80の評価を終了する。
【0111】
図18は、本発明の一つの実施形態に係るセンサ評価装置100またはセンサ評価システム400が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の一例を示す図である。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係るセンサ評価装置100またはセンサ評価システム400に関連付けられる操作、または、センサ評価装置100またはセンサ評価システム400の一または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該一または複数のセクションを実行させることができ、またはコンピュータ2200に、本発明のセンサ評価方法に係る各段階(図16および図17参照)を実行させることができる。当該プログラムは、コンピュータ2200に本明細書に記載されたフローチャート(図16および図17)およびブロック図(図1図4図12図13および図15)におけるブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
【0112】
本発明の一つの実施形態に係るコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216およびディスプレイデバイス2218を含む。CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216およびディスプレイデバイス2218は、ホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200は、通信インターフェース2222、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226およびICカードドライブ等の入出力ユニットをさらに含む。通信インターフェース2222、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226およびICカードドライブ等は、入出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータは、ROM2230およびキーボード2242等のレガシの入出力ユニットをさらに含む。ROM2230およびキーボード2242等は、入出力チップ2240を介して入出力コントローラ2220に接続されている。
【0113】
CPU2212は、ROM2230およびRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作することにより、各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等またはRAM2214の中に、CPU2212によって生成されたイメージデータを取得することにより、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
【0114】
通信インターフェース2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD-ROMドライブ2226は、プログラムまたはデータをDVD-ROM2201から読み取り、読み取ったプログラムまたはデータを、RAM2214を介してハードディスクドライブ2224に提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取るか、または、プログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0115】
ROM2230は、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、または、コンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ2240は、様々な入出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ2220に接続してよい。
【0116】
プログラムが、DVD-ROM2201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、またはROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ2200の使用に従い、情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
【0117】
例えば、通信がコンピュータ2200および外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インターフェース2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インターフェース2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROM2201またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0118】
CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226(DVD-ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM2214に読み取られるようにしてよい。CPU2212は、RAM2214上のデータに対し、様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は、次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0119】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理されてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示に記載された、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索または置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は、結果をRAM2214に対しライトバックしてよい。
【0120】
CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、第2の属性値を読み取ることにより、予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0121】
上述したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上またはコンピュータ2200のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能である。プログラムは、当該記録媒体によりコンピュータ2200に提供されてよい。
【0122】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0123】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0124】
10・・・記憶部、11・・・校正部、12・・・生成部、14・・・評価部、16・・・制御部、18・・・算出部、19・・・評価学習部、20・・・第1送信部、22・・・第1受信部、50・・・制御部、52・・・データ収集部、54・・・第2送信部、56・・・第2受信部、58・・・位置情報取得部、60・・・動力装置、62・・・第2排ガス、64・・・排ガス、70・・・対象排ガス処理装置、72・・・ポンプ、74・・・第2液体、76・・・第2排液、80・・・第2水質センサ、82・・・ガスセンサ、90・・・切替部、92・・・切替部、100・・・センサ評価装置、110・・・評価推論モデル、150・・・制御部、152・・・データ収集部、154・・・第2送信部、156・・・第2受信部、158・・・位置情報取得部、160・・・動力装置、162・・・第1排ガス、164・・・排ガス、170・・・参照排ガス処理装置、172・・・ポンプ、174・・・第1液体、176・・・第1排液、180・・・第1水質センサ、182・・・ガスセンサ、200・・・対象船舶、210・・・対象船舶、300・・・参照船舶、400・・・センサ評価システム、2200・・・コンピュータ、2201・・・DVD-ROM、2210・・・ホストコントローラ、2212・・・CPU、2214・・・RAM、2216・・・グラフィックコントローラ、2218・・・ディスプレイデバイス、2220・・・入出力コントローラ、2222・・・通信インターフェース、2224・・・ハードディスクドライブ、2226・・・DVD-ROMドライブ、2230・・・ROM、2240・・・入出力チップ、2242・・・キーボード
図1
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