(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025493
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】衣服に装着することができる装身具およびその装着方法
(51)【国際特許分類】
A44C 1/00 20060101AFI20240216BHJP
【FI】
A44C1/00
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022128984
(22)【出願日】2022-08-12
(71)【出願人】
【識別番号】522322929
【氏名又は名称】宮本 知香
(74)【代理人】
【識別番号】100224203
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 玄一郎
(72)【発明者】
【氏名】宮本 知香
【テーマコード(参考)】
3B114
【Fターム(参考)】
3B114AA02
3B114AA11
3B114AA25
3B114CC11
(57)【要約】
【課題】任意の衣服に簡単に装着することができる装身具を提供する。
【解決手段】チェーンに2つの装着金具を備える装身具であって、装着金具が、基部、針部、取付環および着脱可能な留具を備えており、2つの装着金具が、20cm以上の間隔でチェーンに取り付けられていることを特徴とする装身具。さらに、装着金具の針部を衣服に刺通し、留具によって固定することにより装身具を衣服の肩部に装着する方法であって、装着金具の一方を衣服の右肩部に、他方を左肩部に装着する方法。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チェーンに2つの装着金具を備える装身具であって、
前記装着金具が、基部、針部、取付環および着脱可能な留具を備えており、
前記2つの装着金具が、前記チェーンに20cm以上の間隔で取り付けられていることを特徴とする、装身具。
【請求項2】
前記装着金具の針部を衣服に刺通し、留具によって固定することにより請求項1記載の装身具を衣服の肩部に装着する方法であって、前記装着金具の一方を衣服の右肩部に、他方を左肩部に装着する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣服に装着することができる装身具およびその装着方法に関する。
【背景技術】
【0002】
衣服を装飾するために、金属製等の装身具が衣服に備えられているものがある。装身具が衣服に直接縫い付けて固定されているものが一般的であるが、装身具を装着するための輪が糸や紐などによって衣服に備えられていることにより、装身具が着脱可能となっているものもある。さらに、アクセサリーを装着するための穴が衣服に形成されているものもあり(特許文献1)、これにより装身具を衣服に装着することができる。
【0003】
また、ネックレス等の装身具は、金、銀、プラチナ等の金属で造られていることが多く、首にかけることにより、直接肌に触れる。しかし、人によっては、ネックレスが直接触れている部分の肌が金属アレルギーにより炎症を起こすことがある。金属アレルギーによる炎症の発症を抑える装身具として、純チタンやサージカルステンレスを原料として使用されているものが存在するが、これらは比較的高価であることに加え、それらの原料を用いた市販の装身具のデザインバリエーションも比較的少ない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2004-270120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
衣服に装着する装身具は、特定の衣服専用の装身具であることが一般的であり、当該装身具を任意の衣服に装着することができないという課題がある。また、装着したいネックレスが存在しても、金属アレルギー等の理由で装着できるネックレスのバリエーションが少なく、高価な素材の装身具しか選択肢が存在しないという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面は、チェーンに2つの装着金具を備える装身具であって、
前記装着金具が、基部、針部、取付環および着脱可能な留具を備えており、
前記2つの装着金具が、20cm以上の間隔で前記チェーンに取り付けられていることを特徴とする、装身具に関する。
【0007】
本発明の別の側面は、前記装着金具の針部を衣服に刺通し、留具によって固定することにより前記装身具を衣服の肩部に装着する方法であって、前記装着金具の一方を衣服の右肩部に、他方を左肩部に装着する方法に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る装身具によれば、ネックレスのように直接当該装身具が肌に触れることなく、任意の衣服に簡単に装着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2b】針穴が貫通していない留具を備える取付金具の拡大図
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る装身具およびその装着方法の実施形態について例を挙げて説明するが、本発明は以下で説明する例に限定されない。
【0011】
本発明の装身具は、
図1に示すように、チェーン1に2つの装着金具10を備えており、当該装着金具10は、基部11、針部12、取付環13および着脱可能な留具14を備えている。
【0012】
当該2つの装着金具10は、20cm以上の間隔を空けて当該チェーンに取り付けられている。より好ましい間隔は30cm以上である。一方の装着金具10は、衣服の右肩部に装着し、他方の装着金具10は、衣服の左肩部に装着するものである。
【0013】
[装着金具]
本発明の装身具には、装着金具10が2つ備えており、各装着金具は、同じ形態でも異なる形態でもよい。
【0014】
基部11、針部12および取付環13は、金、銀、プラチナ、チタン、サージカルステンレス、ファインセラミック、ポリカーボネイト、シリコン等の材質からなる。留具14は、金属、ポリカーボネイト等の樹脂、ゴム、シリコン等の材質からなり、好ましくはシリコンである。また、複数の素材からなるものでもよい。
【0015】
基部11の形状は任意の形状でよく、
図2のような球体形状に限定されず、複数の部材を組み合わせた形状でもよい。基部11に、針部12および取付環13が備えられている。
【0016】
針部12の直径は、0.5mmから2.0mmであり、好ましくは、0.6mmから1.5mmである。直径が0.5mm以上であることにより針部の強度を保つことができる。一方、直径が2.0mm以下であることにより、針部12を衣服20に貫通させた際に形成される穴の形跡が残りにくくなる。
【0017】
針部12の長さは、5mmから15mmであり、好ましくは、6mmから10mmである。長さが5mm以上であることにより、衣服20の厚みに加え、留具14を装着することができる。長さが15mm以下であることにより、衣服20に装着したとき装着金具10が邪魔になることを防ぐことができる。
【0018】
取付環13の形状は、チェーン1に結合している接続環3を取り付けることができるものであれば任意の形状でよく、口径1mm以上の穴を備えていればよい。
【0019】
留具14は、針部12を通すための針穴15を有していればどのような形状でもよい。当該針穴15は貫通していてもよく、針部12の先端を留具14内で保持するために針穴15が貫通していなくてもよい。針穴15内で針部12の先端を留めておくことで、衣服20に本発明の装身具を装着した際に、針部12の先端が身体に接触することなく、皮膚を傷付けることを防ぐことができる。
【0020】
留具14は、市販のピアス留具(ピアスキャッチ)を使用してもよい。
【0021】
2つの装着金具のチェーンへの取付位置はチェーン1に20cm以上の間隔で取り付けられていればよい。これにより、衣服の両肩部にそれぞれの取付金具を装着することができる。また、取付金具のチェーンの取付間隔は、1m以下が好ましい。2つの装着金具は、チェーン1の両端に取り付けることがより好ましい。
【0022】
[チェーン]
チェーン1の素材は、金、銀、プラチナ、チタン、サージカルステンレス、ファインセラミック、ポリカーボネイト、綿、化学繊維、ゴム等の任意の材質でよい。
【0023】
チェーン1の形状は、鎖状、紐状、編物状等、特に限定されず、それらの組み合わせでもよい。
【0024】
チェーン1の長さは、20cm以上であることが好ましく、1m以下であることが好ましい。
【0025】
チェーン1の本数は1本に限定されず、複数のチェーンを備えることができる。同じ長さのチェーンを2本以上備えていてもよく、互いに異なる長さのチェーンを2本以上備えていてもよい。複数のチェーンを備える場合、各チェーンのデザインは同じでも異なっていてもよい。
【0026】
チェーン1の両端には、
図1に表すように、装着金具10の取付環13と連結するための1以上の接続環3を備える。2以上の接続環を備える場合、任意の接続環3に取付環13を連結してもよい。
【0027】
接続環3は、取付環13を接続可能な形状であればよく、1つの丸カン(1つの切れ目の入った金属製の環状金具)でもよく、複数の丸カンが鎖状(直鎖状または分岐状)に連結したものでもよい。
【0028】
接続環3は、丸カンの他、部材を指で押すことで輪を開閉して取付環13の取り外しが容易な、いわゆるカニカンでも良い。
【0029】
[チャーム]
チャーム2は、装身具の装飾具を構成するものであり、本発明の装身具はチャームを必須の構成とせず、任意の構成物である。
【0030】
チャームの形状、大きさおよび個数は特に限定されない。複数のチャームを組み合わせたものを備えてもよい。
【0031】
チャーム2は、チェーン1に固定されていても、チェーン1から容易に取り外し可能な金具(例えば、カニカン)を備えていてもよい。
【0032】
チャーム2は、チェーン1の任意の位置に備えることができる。好ましくは、チェーン1上の2つの取付金具の中間位置に取り付けることが好ましい。
【0033】
次に、装身具の衣服への装着方法について説明する。
【0034】
ピンの留具14を針部12から取り外し、針部12を衣服20の肩部21の任意の位置に刺通し、衣服の裏地側に出てきた針部12に留具14を装着することで、本発明の装身具を衣服20に取り付けることができる。
【0035】
衣服の肩部21は、
図3に表すように、肩の稜線22に対して垂直に前後10cmの領域をいう。
【0036】
特に、
図4に示すように、衣服の肩の稜線22部位に形成された生地の縫目23部分に取付金具10の針部12を刺すことで、衣服20に穴を開けて形跡を残すことなく、装着することができる。
【0037】
図5に示すように、装着金具10の一方を衣服の右肩部に、他方を左肩部に装着することで、本発明の装飾具をネックレス状に衣服に装着することができる。
【0038】
前記のとおり、装着金具10の一方を衣服の右肩部に、他方を左肩部に装着した状態で、チェーン1およびチャーム2は胸側に位置していても、背中側に位置していてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0039】
衣服に穴の形跡を残すことなく装着することができ、直接肌に触れることなく装飾することができる装身具等に有用である。
【符号の説明】
【0040】
1 チェーン
2 チャーム
3 接続環
10 取付金具
11 基部
12 針部
13 取付環
14 留具
15 針穴
20 衣服
21 肩部
22 稜線
23 縫目