(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025503
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20240216BHJP
【FI】
G08G1/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022129004
(22)【出願日】2022-08-12
(71)【出願人】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】糠野 友彦
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC04
5H181EE11
5H181FF04
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF27
5H181MC16
5H181MC19
5H181MC27
(57)【要約】
【課題】道路照明灯の照度状態を測定するシステムのコストを低減できる情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法を提供する。
【解決手段】実施形態に係る情報処理装置は、情報処理部を備える。情報処理部は、車両の走行中に車載カメラによって時系列に撮像される画像の明度の変化に基づいて、道路照明灯の照度を判定する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の走行中に車載カメラによって時系列に撮像される画像の明度の変化に基づいて、道路照明灯の照度を判定する情報処理部
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記情報処理部は、
前記画像における上半部分の画像の明度の変化に基づいて、前記道路照明灯の照度を判定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記情報処理部は、
前記道路照明灯の照度を判定してから所定期間経過後に、前記道路照明灯が設置されているエリアを車両が走行する場合に、前記道路照明灯の照度を再度判定し、今回の判定結果と前回の判定結果とに基づいて、前記道路照明灯の照度不足エリアを特定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記情報処理部は、
第1の前記画像と第2の前記画像との間で変化する前記画像の明度の変化率が閾値以上である場合に、第1の前記画像および第2の前記画像のうち、明度が低い方の前記画像が撮像されたエリアを前記道路照明灯の照度不足エリアとして特定する
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記道路照明灯が設置された位置を示す照明灯マップを記憶する記憶部
をさらに備え、
前記情報処理部は、
前記照度不足エリアを前記照明灯マップに付加する
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記情報処理部は、
前記道路照明灯の照度を判定する場合に、前記車載カメラの撮像パラメータを前記照度の判定用に予め定められる撮像パラメータに設定して前記画像を撮像させる
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記情報処理部は、
前記道路照明灯の照度を判定する場合に、前記画像を前記照度の判定用に予め定められる撮像パラメータが設定されたカメラにより撮像された照度判定用の画像に変換して道路照明灯の照度を判定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
車両の走行中に車載カメラによって時系列に撮像される画像をセンタ装置に送信する車載機と、
前記車載機から受信する前記画像の明度の変化に基づいて、道路照明灯の照度を判定するセンタ装置と
を含む情報処理システム。
【請求項9】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
車両の走行中に車載カメラによって時系列に撮像される画像の明度の変化に基づいて、道路照明灯の照度を判定する
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般道路、高速道路、およびトンネルなどに設置される道路照明灯は、時間経過と共に照明ランプの照度低下、ランプ切れ等が発生する。このため、車載カメラと照度センサとが設けられた車両によって道路照明灯の照度状態を測定するシステムがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしなら、上記したシステムでは、道路照明灯の照度状態を測定するために、車両に照度センサを設ける必要があり、コストが増大する。
【0005】
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、道路照明灯の照度状態を測定するシステムのコストを低減できる情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の一態様に係る情報処理装置は、情報処理部を備える。情報処理部は、車両の走行中に車載カメラによって時系列に撮像される画像の明度の変化に基づいて、道路照明灯の照度を判定する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様に係る情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法は、道路照明灯の照度状態を測定するシステムのコストを低減できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、車載カメラによって撮像される画像の説明図である。
【
図2】
図2は、車載カメラによって撮像される画像の説明図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る情報処理方法の概要を示すタイミングチャートである。
【
図4】
図4は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る車載機の情報処理部が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、実施形態に係るセンタ装置の情報処理部が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、実施形態に係る車載機の情報処理部が実行する処理の変形例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、実施形態に係るセンタ装置の情報処理部が実行する処理の変形例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、情報処理装置、情報処理システム、および情報処理方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0010】
[1.車載カメラによって撮像される画像の説明]
道路照明灯の照度センサを備える点検専用の車両によって広いエリアの道路照明灯を頻繁に点検することは容易なことでない。このため、一般車両と連携して道路照明灯の点検を行うことが考えられる。しかしなら、この方法では、道路照明灯の照度状態を測定するために、一般車両に照度センサを設ける必要があり、コストが増大する。そこで、実施形態に係る情報処理システムでは、一般車両に照度センサを設けることなく、車載カメラによって撮像される車両周辺の画像を使用して道路照明灯の点検を可能とする。
【0011】
図1および
図2は、車載カメラによって撮像される画像の説明図である。
図1に示すように、車両が道路照明灯Lの真下を通過している場合、車載カメラの第1の画像P1は、明度が高い明るい画像になる。一方、
図2に示すように、車両が道路照明灯Lの下を通過し、次の道路照明灯Lの下に到達するまでは、車載カメラの第2の画像P3は、明度が低い暗い画像になる。
【0012】
そこで、実施形態に係る情報処理システムでは、情報処理装置は、車両の走行中に車載カメラによって時系列に撮像される画像の明度の変化に基づいて、道路照明灯の照度を判定する。例えば、情報処理装置は、例えば、故障していない道路照明灯Lの真下を走行する車両の車載カメラによって撮像された画像の正常な明度と、一般車両の車載カメラによって撮像された画像の明度とを比較することによって、道路照明灯Lの故障を判定する。
【0013】
これにより、実施形態に係る情報処理システムでは、一般車両に照度センサを設けることなく、車載カメラによって撮像される車両周辺の画像を使用して道路照明灯の点検を行うことができる。
【0014】
このとき、第1の画像P1における上半部分の画像P2、および、第2の画像P3における上半部分の画像P4の明度に、道路照明灯Lの照度が大きく反映される。このため、実施形態に係る情報処理装置は、第1の画像P1における上半部分の画像P2と、第2の画像P3における上半部分の画像P4とに基づいて、道路照明灯Lの照度を判定する。これにより、情報処理装置は、道路照明灯Lの照度をより正確に判定することができる。
【0015】
また、情報処理装置は、時系列に撮像された第1の画像P1と第2の画像P3との間で変化する画像の明度の変化率が予め定められる明度変化率閾値以上である場合に、第1の画像P1および第2の画像P3のうち、明度が低い方の画像が撮像されたエリアを道路照明灯の照度不足エリアとして特定することもできる。
【0016】
これにより、情報処理装置は、例えば、トンネル内で複数の隣接する道路照明灯Lが故障している場合に、照度センサを使用することなく、そのエリアを照度不足エリアとして特定することができる。
【0017】
[2.情報処理方法の概要]
次に、
図3を参照して、実施形態に係る情報処理方法の概要について説明する。
図3は、実施形態に係る情報処理方法の概要を示すタイミングチャートである。以下では、実施形態に係る情報処理装置が複数の車載機1と無線通信可能なセンタ装置2である場合について説明する。
【0018】
図3に示すように、実施形態に係る情報処理方法では、センタ装置2は、まず、既存の照明灯マップを記憶する(ステップS1)。既存の照明灯マップは、道路照明灯Lが設置された位置を示す地図情報である。
【0019】
センタ装置2は、照明灯マップを基に作成する撮像指示条件を車載機1に送信する(ステップS2)。撮像指示条件には、道路照明灯Lの設置個所、画像を撮像する時間帯、照度の判定用に予め定められる車載カメラ10の撮像パラメータなどの情報が含まれる。撮像パラメータは、例えば、撮像する画像のホワイトバランス、黒レベル、およびシャッタースピードなどを定めるパラメータが含まれる。
【0020】
車載機1は、センタ装置2から撮像指示条件が成立した場合(ステップS3)、照度判定用の撮像パラメータを車載機1に設定する(ステップS4)。車載機1は、例えば、撮像指示条件に含まれる道路照明灯Lの設置個所を、撮像指示条件に含まれる時間帯に車両101が走行する場合に、撮像指示条件が成立したと判定する。
【0021】
その後、車載機1は、照度判定用の撮像パラメータが設定された車載カメラ10によって撮像される車両101の周辺の画像を取得する(ステップS5)。その後、車載機1は、取得した画像と、画像の撮像時間および撮像場所とを対応付けた撮像情報をセンタ装置2に送信する(ステップS6)。
【0022】
センタ装置2は、車載機1から受信する撮像情報に基づいて、道路照明灯Lの照度を判定する(ステップS7)。そして、センタ装置2は、照度の判定結果に基づいて、道路照明灯Lの照度が不足している照度不足エリアを特定する(ステップS8)。
【0023】
その後、センタ装置2は、照度不足エリアを照明灯マップに対応付けて記憶する(ステップS9)。これにより、センタ装置2は、例えば、照度不足エリアが対応付けられた照明灯マップを、道路照明灯Lを管理する行政機関に提供することによって、故障した道路照明灯Lの早期な修理を促すことができる。
【0024】
[3.情報処理システムの構成]
次に、
図4を参照して、実施形態に係る情報処理システム100の構成について説明する。
図4は、実施形態に係る情報処理システム100の構成例を示すブロック図である。
【0025】
図4に示すように、情報処理システム100は、複数の車両101にそれぞれ搭載される車載機1と、センタ装置2とを含む。各車載機1とセンタ装置2とは、例えば、インターネットなどの通信ネットワークNを介して、相互に無線通信可能に接続される。
【0026】
車載機1は、車載カメラ10に接続される。車載カメラ10は、例えば、車両101の周囲を撮像するイメージセンサである。車載機1は、情報処理部11と、記憶部12とを備える。記憶部12は、例えば、データフラッシュ等の情報記憶デバイスであり、前述した照明灯マップ13と、撮像指示条件14と、撮像情報15とを記憶する。
【0027】
情報処理部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有するマイクロコンピュータや各種の回路を含む。情報処理部11は、CPUがROMに記憶されたプログラムを、RAMを作業領域として使用して実行することにより車載機1の動作を制御する。
【0028】
なお、情報処理部11は、一部または全部がASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成されてもよい。情報処理部11は、GPS(Global Positioning System)によって車両101の位置を測位する機能を備える。
【0029】
情報処理部11は、予め既存の照明灯マップ13を記憶部12に記憶させている。車載カメラ10から車両101の周囲が撮像された画像を取得する。情報処理部11は、取得した画像と、画像の撮像時間および撮像場所とを対応付けた撮像情報15を記憶部に記憶させる。
【0030】
また、情報処理部11は、センタ装置2から撮像指示条件24を受信する場合に、受信した撮像指示条件24に基づいて、記憶部12に記憶されている撮像指示条件14を更新する。情報処理部11は、記憶部12に記憶させた撮像情報15をセンタ装置2に送信する。情報処理部11は、例えば、車両101のIG(イグニッションスイッチ)がオフされた場合に、撮像情報15をセンタ装置2に送信する。
【0031】
情報処理部11は、センタ装置2との通信状態が良好な場合に、撮像情報15をセンタ装置2に送信することもできる。情報処理部11は、車載カメラ10から画像を取得する毎に、撮像情報15をセンタ装置2に送信することもできる。
【0032】
情報処理部11は、撮像指示条件14が成立した場合に、車載カメラ10から画像を取得する。撮像指示条件14は、車両101が道路照明灯Lの設置されたエリアを走行する場合に成立する。つまり、情報処理部11は、車両101が道路照明灯Lの設置されたエリアを走行する場合に、車載カメラ10から車両101の周囲が撮像された画像を取得する。
【0033】
センタ装置2は、情報処理部21と、記憶部22とを備える。記憶部22は、例えば、データフラッシュ等の情報記憶デバイスであり、前述した照明灯マップ23と、撮像指示条件24と、撮像情報25とを記憶する。
【0034】
情報処理部21は、CPU、ROM、RAMなどを有するマイクロコンピュータや各種の回路を含む。情報処理部11は、CPUがROMに記憶されたプログラムを、RAMを作業領域として使用して実行することによりセンタ装置2の動作を制御する。
【0035】
なお、情報処理部21は、一部または全部がASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成されてもよい。
【0036】
情報処理部21は、予め既存の照明灯マップ23を記憶部22に記憶させる。情報処理部21は、車載機1から撮像情報15を受信すると、撮像情報15を記憶部22に記憶された撮像情報25に追加して記憶させる。
【0037】
また、情報処理部21は、受信する撮像情報15に含まれ画像に基づいて、画像中の道路照明灯Lの照度を判定する。そして、情報処理部21は、照度の判定結果に基づいて、照度不足エリアを特定し、照度不足エリアを照明灯マップ23に対応付けて記憶部22に記憶させる。
【0038】
これにより、情報処理部21は、照度センサを使用することなく、車載カメラ10を備える一般車両から取得する画像に基づいて、照度不足エリアが対応付けられた照明灯マップ23を生成することができる。
【0039】
さらに、情報処理部21は、例えば、新たに道路照明灯Lが設置された場合などに、そのエリアを撮像指示条件24に付加して撮像指示条件24を更新する。これにより、撮像指示条件24には、道路照明灯Lが設置された場所の最新情報が含まれる。撮像指示条件24には、前述したように、照度の判定用に予め定められる車載カメラ10の撮像パラメータが含まれる。
【0040】
情報処理部21は、かかる撮像指示条件24を車載機1に送信する。車載機1は、撮像指示条件24に含まれる撮像パラメータを車載カメラ10に設定し、撮像された画像を取得してセンタ装置2へ送信する。
【0041】
このように、情報処理部21は、道路照明灯Lの照度を判定する場合に、車載カメラ10の撮像パラメータを照度の判定用に予め定められる撮像パラメータに設定して画像を撮像させる。
【0042】
これにより、センタ装置2は、複数の車載機1から同一の撮像パラメータが設定された車載カメラ10によって撮像された画像を受信して、道路照明灯Lの照度を判定できる。したがって、センタ装置2は、同じ条件で撮像された画像を基に、道路照明灯Lの照度を正確に判定できる。
【0043】
また、情報処理部21は、道路照明灯Lの照度を判定してから所定期間経過後に、道路照明灯Lが設置されているエリアを車両101が走行する場合に、道路照明灯Lの照度を再度判定し、今回の判定結果と前回の判定結果とに基づいて、道路照明灯Lの照度不足エリアを特定するように構成されてもよい。
【0044】
これにより、センタ装置2は、車載カメラ10が搭載された複数の車両101を使用することで、道路照明灯Lの定期検査と同様の検査を実施することが可能になる。以下、実施形態に係る車載機1およびセンタ装置2が実行する処理について具体的に説明する。
【0045】
[4.車載機およびセンタ装置が実行する処理]
次に、
図5および
図6を参照して、実施形態に係る車載機1およびセンタ装置2が実行する処理について説明する。
【0046】
図5は、実施形態に係る車載機1の情報処理部11が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図6は、実施形態に係るセンタ装置2の情報処理部21が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0047】
車載機1の情報処理部11は、車両101のIGがオンされると、
図5に示す処理を実行する。具体的には、情報処理部11は、車両101のIGがオンされると、まず、センタ装置2から撮像指示条件24を受信したか否かを判定する(ステップS101)。
【0048】
情報処理部11は、撮像指示条件24を受信しないと判定した場合(ステップS101,No)、処理をステップS103へ移す。また、情報処理部11は、撮像指示条件24を受信したと判定した場合(ステップS101,Yes)、受信した撮像指示条件24に基づいて、記憶部12に記憶されている撮像指示条件14を更新する(ステップS102)。
【0049】
続いて、情報処理部11は、撮像指示条件14が成立したか否かを判定する(ステップS103)。撮像指示条件14には、車載カメラ10によって撮像させる場所および時間が含まれる。
【0050】
情報処理部11は、車両101が撮像指示条件14に含まれる時間に、撮像指示条件14に含まれる場所を走行する場合に、撮像指示条件14が成立したと判定する。情報処理部11は、撮像指示条件14が成立しないと判定した場合(ステップS103,No)、処理をステップS107へ移す。
【0051】
また、情報処理部11は、撮像指示条件14が成立したと判定した場合(ステップS103,Yes)、道路照明灯の照度判定用の撮像パラメータを車載カメラ10に設定する(ステップS104)。続いて、車載カメラ10から撮像された画像を取得する(ステップS105)。
【0052】
そして、情報処理部11は、取得した画像と撮像指示条件14とを対応付けた撮像情報15を記憶部12に記憶させ(ステップS106)、IGがオフされたか否かを判定する(ステップS107)。
【0053】
情報処理部11は、IGがオフされていないと判定した場合(ステップS107,No)、処理をステップS101へ移す。また、情報処理部11は、IGがオフされたと判定した場合(ステップS107,Yes)、撮像情報15を記憶部12から読み出してセンタ装置2に送信し(ステップS108)、処理を終了する。
【0054】
一方、センタ装置2の情報処理部21は、起動されると、
図6に示す処理を繰り返し実行する。具体的には、
図6に示すように、情報処理部21は、起動されると、まず、車載機1から撮像情報15を受信したか否かを判定する(ステップS201)。
【0055】
情報処理部21は、撮像情報15を受信しないと判定した場合(ステップS201,No)、今回の処理を終了する。また、情報処理部21は、撮像情報15を受信したと判定した場合(ステップS201,Yes)、受信した撮像情報15を記憶部22に記憶されている撮像情報25に追加して記憶させる(ステップS202)。
【0056】
続いて、情報処理部21は、撮像情報15に基づいて、道路照明灯の照度が不足している照度不足エリアを特定する(ステップS203)。そして、情報処理部21は、照度不足エリアがあるか否かを判定する(ステップS204)。情報処理部21は、照度不足エリアがないと判定した場合(ステップS204,No)、今回の処理を終了する。
【0057】
また、情報処理部21は、照度不足エリアがあると判定した場合(ステップS204,Yes)、照度不足エリアを照明灯マップ23に対応付ける(ステップS205)。続いて、情報処理部21は、撮像指示条件24を更新する(ステップS206)。
【0058】
例えば、情報処理部21は、照度不足エリアとして特定したエリアを撮像指示条件から除外し、道路照明灯の照度の判定が必要な場所および時間を撮像指示条件24に追加して撮像指示条件24を更新する。その後、情報処理部21は、更新した撮像指示条件24を車載機1に送信して(ステップS207)、今回の処理を終了する。
【0059】
[5.車載機およびセンタ装置が実行する処理の変形例]
次に、
図7および
図8を参照して、実施形態に係る車載機1およびセンタ装置2が実行する処理の変形例について説明する。
【0060】
図7は、実施形態に係る車載機1の情報処理部11が実行する処理の変形例を示すフローチャートである。
図8は、実施形態に係るセンタ装置2の情報処理部21が実行する処理の変形例を示すフローチャートである。
【0061】
図5および
図6に示す処理では、車載機1が撮像指示条件14に含まれる場所および時間において車載カメラ10から画像を取得してセンタ装置2に送信し、センタ装置2が受信する画像に基づいて照度不足エリアを特定したが、これは一例である。
【0062】
情報処理システム100では、車載機1が車載カメラ10から常時画像を取得し、画像から照度不足エリアの可能性があると判定した場合に、画像をセンタ装置2に送信してセンタ装置2が照度不足エリアを特定することもできる。
【0063】
この場合、
図7に示すように、車載機1の情報処理部11は、IGがオンされると、まず、センタ装置2から明度変化率閾値を受信したか否かを判定する(ステップS301)。情報処理部11は、明度変化率閾値を受信しないと判定した場合(ステップS301,No)、処理をステップS303へ移す。
【0064】
情報処理部11は、明度変化率閾値を受信したと判定した場合(ステップS301,Yes)、撮像指示条件14に含まれる明度変化率閾値を更新し(ステップS302)、車載カメラ10から車両101の周囲が撮像された画像を取得する(ステップS303)。
【0065】
続いて、情報処理部11は、画像の明度の変化率が明度変化率閾値以上か否かを判定する(ステップS304)。情報処理部11は、画像の明度の変化率が明度変化率閾値以上でないと判定した場合(ステップS304,No)、処理をステップS306へ移す。
【0066】
情報処理部11は、画像の明度の変化率が明度変化率閾値以上であると判定した場合(ステップS304,Yes)、画像と、撮像場所、撮像日時、および撮像パラメータを対応付けた撮像情報を記憶部12に記憶させる(ステップS305)。
【0067】
その後、情報処理部11は、IGがオフされたか否かを判定する(ステップS306)。情報処理部11は、IGがオフされていないと判定した場合(ステップS306,No)、処理をステップS301へ移す。
【0068】
情報処理部11は、IGオフされたと判定した場合(ステップS306、Yes)、撮像情報15を記憶部12から読み出して、センタ装置2へ送信し(ステップS307)、処理を終了する。
【0069】
一方、センタ装置2の情報処理部21は、起動されると、
図8に示す処理を繰り返し実行する。具体的には、
図8に示すように、情報処理部21は、起動されると、まず、車載機1から撮像情報15を受信したか否かを判定する(ステップS401)。
【0070】
続いて、情報処理部21は、撮像情報15を受信しないと判定した場合(ステップS401,No)、今回の処理を終了する。また、情報処理部21は、撮像情報15を受信したと判定した場合(ステップS401,Yes)、受信した画像を照度判定用の画像に変換する(ステップS402)。
【0071】
このとき、情報処理部21は、画像を照度の判定用に予め定められる撮像パラメータが設定されたカメラにより撮像された照度判定用の画像に変換して道路照明灯の照度を判定する。これにより、情報処理部21は、同一の撮像撮像パラメータが設定された車載カメラ10の画像と同様に、同じ条件にて道路照明灯の照度を判定できる。
【0072】
続いて、情報処理部21は、変換後の画像から照度不足エリアを特定する(ステップS403)。そして、情報処理部21は、変換後の画像から照度不足エリアがあるか否かを判定する(ステップS404)。情報処理部21は、照度不足エリアがないと判定した場合(ステップS404,No)、今回の処理を終了する。
【0073】
情報処理部21は、照度不足エリアがあると判定した場合(ステップS404,Yes)、照度不足エリアを照明灯マップ23に対応付け(ステップS405)、撮像指示条件24に含まれる明度変化率閾値を更新する(ステップS406)。
【0074】
例えば、情報処理部21は、車載機1によって、画像の明度の変化率が明度変化率閾値以上と判定された画像から、照度不足エリアを特定できなかった場合には、明度変化率閾値をさらに大きくするように、明度変化率閾値を更新する。これにより、照度不足エリアの特定精度を向上できる。その後、情報処理部21は、更新した明度変化率閾値を車載機1に送信して(ステップS407)、今回の処理を終了する。
【0075】
記した実施形態では、車載機1とセンタ装置2とが協働して、照明灯マップ13,23を更新したが、本実施形態によれば、複数の車両101に搭載される車載機1同士を連携させることによって、照明灯マップ13を更新することも可能である。
【0076】
この場合、例えば、
図5および
図6を示す処理、または、
図7および
図8に示す処理を各車載機1が実行すればよい。このとき、ステップS101で受信する撮像指示条件14の送信元が他の車載機1になり、ステップS108で送信する撮像情報15の送信先が他の車載機1になる。
【0077】
また、ステップS201で受信する撮像情報15の送信元が他の車載機1になり、ステップS207で送信する撮像指示条件24の送信先が他の車載機1になる。また、ステップS301で受信する明度変化率閾値の送信元が他の車載機1になり、ステップS307で送信する撮像情報15の送信先が他の車載機1になる。
【0078】
また、ステップS401で受信する撮像情報の送信元が他の車載機1になり、ステップS407で送信する明度変化率閾値の送信先が他の車載機1になる。これにより、各車載機1は、他の車載機1と連携することにより、実環境に応じて照明灯マップ13を更新することができる。
【0079】
[6.付記]
付記として、本発明の特徴を以下の通り示す。
(1)
車両の走行中に車載カメラによって時系列に撮像される画像の明度の変化に基づいて、道路照明灯の照度を判定する情報処理部
を備える情報処理装置。
(2)
前記情報処理部は、
前記画像における上半部分の画像の明度の変化に基づいて、前記道路照明灯の照度を判定する
前記(1)に記載の情報処理装置。
(3)
前記情報処理部は、
前記道路照明灯の照度を判定してから所定期間経過後に、前記道路照明灯が設置されているエリアを車両が走行する場合に、前記道路照明灯の照度を再度判定し、今回の判定結果と前回の判定結果とに基づいて、前記道路照明灯の照度不足エリアを特定する
前記(1)または(2)に記載の情報処理装置。
(4)
前記情報処理部は、
第1の前記画像と第2の前記画像との間で変化する前記画像の明度の変化率が閾値以上である場合に、第1の前記画像および第2の前記画像のうち、明度が低い方の前記画像が撮像されたエリアを前記道路照明灯の照度不足エリアとして特定する
前記(3)に記載の情報処理装置。
(5)
前記道路照明灯が設置された位置を示す照明灯マップを記憶する記憶部
をさらに備え、
前記情報処理部は、
前記照度不足エリアを前記照明灯マップに付加する
前記(3)~(4)のいずれか一つに記載の情報処理装置。
(6)
前記情報処理部は、
前記道路照明灯の照度を判定する場合に、前記車載カメラの撮像パラメータを前記照度の判定用に予め定められる撮像パラメータに設定して前記画像を撮像させる
前記(1)~(5)のいずれか一つに記載の情報処理装置。
(7)
前記情報処理部は、
前記道路照明灯の照度を判定する場合に、前記画像を前記照度の判定用に予め定められる撮像パラメータが設定されたカメラにより撮像された照度判定用の画像に変換して道路照明灯の照度を判定する
前記(1)~(5)のいずれか一つに記載の情報処理装置。
(8)
車両の走行中に車載カメラによって時系列に撮像される画像をセンタ装置に送信する車載機と、
前記車載機から受信する前記画像の明度の変化に基づいて、道路照明灯の照度を判定するセンタ装置と
を含む情報処理システム。
(9)
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
車両の走行中に車載カメラによって時系列に撮像される画像の明度の変化に基づいて、道路照明灯の照度を判定する
情報処理方法。
【0080】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0081】
1 車載機
2 センタ装置
10 車載カメラ
11 情報処理部
12 記憶部
13 照明灯マップ
14 撮像指示条件
15 撮像情報
21 情報処理部
22 記憶部
23 照明灯マップ
24 撮像指示条件
25 撮像情報
100 情報処理システム
101 車両
L 道路照明灯
N 通信ネットワーク