(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025508
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】車両用空調設備のフィルター清掃装置
(51)【国際特許分類】
B60H 3/06 20060101AFI20240216BHJP
B60H 1/00 20060101ALI20240216BHJP
F24F 8/90 20210101ALI20240216BHJP
F24F 13/28 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
B60H3/06 611A
B60H3/06 D
B60H1/00 102E
F24F8/90 130
F24F8/90 140
F24F13/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022129009
(22)【出願日】2022-08-12
(71)【出願人】
【識別番号】391044797
【氏名又は名称】株式会社コーワ
(72)【発明者】
【氏名】桑原 龍也
(72)【発明者】
【氏名】横山 広
(72)【発明者】
【氏名】高井 勉
(72)【発明者】
【氏名】町田 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】吉田 知弘
(72)【発明者】
【氏名】山崎 朋香
【テーマコード(参考)】
3L211
【Fターム(参考)】
3L211BA13
3L211DA04
3L211DA75
3L211GA04
3L211GA75
(57)【要約】
【課題】 フィルター面に付着した塵埃を除去するために、簡易な構成で車内に導入される外気を利用することができ、製造コストの低減を図ることができる車両用空調設備のフィルター清掃装置を提供する。
【解決手段】 フィルター清掃装置40は、フィルター1を備えたフィルター体と、外気を車内に導入する導入路4a、4bと、外気を車外へ排出する排出路4cとを備えた送風路4と、送風路4の一部を遮蔽する遮蔽板14aとを有し、フィルター体と遮蔽板14aは連動して、外気を車内に導入する外気導入モードと、外気を車外へ排出する外気排出モードとに切り替え可能であって、外気導入モード時に、遮蔽板14aが排出路4cを遮蔽する位置に配置され、外気排出モード時に、フィルター1が、排出路4c内であって、該排出路4c内に流入した外気を利用してフィルター1に付着した塵埃を除去可能な位置に配置される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用空調設備のフィルターに付着した塵埃を除去するための清掃装置であって、
前記清掃装置は、車両用空調設備に設置されるフィルターを備えたフィルター体と、
外気を車内に導入する導入路と、外気を車外へ排出する排出路と、を備えた送風路と、
前記送風路の一部を遮蔽する遮蔽板と、を有し、
前記フィルター体と前記遮蔽板は連動して、外気を車内に導入する外気導入モードと、外気を車外へ排出する外気排出モードとに切り替え可能であって、
前記外気導入モード時に、前記遮蔽板が前記排出路を遮蔽する位置に配置され、
前記外気排出モード時に、前記フィルターが、前記排出路内であって、該排出路内に流入した外気を利用して前記フィルターに付着した塵埃を除去可能な位置に配置されることを特徴とする車両用空調設備のフィルター清掃装置
【請求項2】
車両用空調設備のフィルターに付着した塵埃を除去するための清掃装置であって、
前記清掃装置は、車両用空調設備に設置されるフィルターを備えたフィルター体と、
外気を車内に導入する導入路と、外気を車外へ排出する排出路と、を備えた送風路と、
前記送風路の一部を遮蔽する遮蔽板と、を有し、
前記フィルター体と前記遮蔽板は連動して、外気を車内に導入する外気導入モードと、外気を車外へ排出する外気排出モードとに切り替え可能であって、
前記外気排出モード時に、前記遮蔽板が前記導入路を遮蔽する位置に配置されると共に、前記フィルターが、前記排出路内であって、該排出路内に流入した外気を利用して前記フィルターに付着した塵埃を除去可能な位置に配置されることを特徴とする車両用空調設備のフィルター清掃装置
【請求項3】
車両用空調設備のフィルターに付着した塵埃を除去するための清掃装置であって、
前記清掃装置は、車両用空調設備に設置されるフィルターを備えたフィルター体と、
外気を車内に導入する導入路と、外気を車外へ排出する排出路と、を備えた送風路と、
前記送風路の一部を遮蔽する遮蔽板と、を有し、
前記フィルター体と前記遮蔽板は連動して、外気を車内に導入する外気導入モードと、外気を車外へ排出する外気排出モードとに切り替え可能であって、
前記外気導入モード時に、前記遮蔽板が前記排出路を遮蔽する位置に配置され、
前記外気排出モード時に、前記遮蔽板が前記導入路を遮蔽する位置に配置されると共に、前記フィルターが、前記排出路内であって、該排出路内に流入した外気を利用して前記フィルターに付着した塵埃を除去可能な位置に配置されることを特徴とする車両用空調設備のフィルター清掃装置
【請求項4】
排出路内に、フィルターから落下した塵埃を収容する塵埃溜め部を有することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の車両用空調設備のフィルター清掃装置
【請求項5】
塵埃溜め部は、着脱可能なダストボックスを有することを特徴とする請求項4に記載の車両用空調設備のフィルター清掃装置
【請求項6】
排出路内に、外気の排出を促進するファンを有することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の車両用空調設備のフィルター清掃装置
【請求項7】
フィルター体は、フィルター面が走行時の風圧を受ける位置に配置されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の車両用空調設備のフィルター清掃装置
【請求項8】
外気排出モード時に、雨水又はワイパー洗浄液が、フィルターを通過して排出路から排出されることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の車両用空調設備のフィルター清掃装置
【請求項9】
外気導入モードから外気排出モードへの切り替え時の動作によって、フィルター体に振動が与えられて、フィルターに付着した塵埃が排出路に落下することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の車両用空調設備のフィルター清掃装置
【請求項10】
フィルター体は、プレフィルターを備えたプレフィルター体と、メインフィルターを備えたメインフィルター体とで構成され、前記プレフィルター体が遮蔽板と連動することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の車両用空調設備のフィルター清掃装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に自動車等の車両の空調設備に設置されるフィルターに付着している塵埃等を除去する車両用空調設備のフィルター清掃装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の車両用空気調和装置では、車外の新鮮な空気を車室内に取り入れる給気側の入り口流路に集塵フィルターをもうけて、車外のゴミや塵埃が車室内に侵入するのを防ぐものが知られている。(特許文献1)。
【0003】
特許文献1に記載の車両用空気調和装置は、集塵フィルターと、集塵フィルターで捕捉したダストを離脱させるダスト離脱部と、ダスト離脱部で離脱したダストを車両の外部に放出するダスト放出部とを有しており、ダスト放出部は、車両の走行風によってダストを放出するように構成されている。また、ダスト離脱部は、集塵フィルターを可動させる集塵フィルター可動部を備えて構成されており、集塵フィルター可動部によって、集塵フィルターを可動することでダストを離脱し、この離脱されたダストが車両の車室内へ流入することを防止するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上記特許文献1に記載の車両用空気調和装置は、車両の走行風がダストを放出するのみにしか活用されておらず、集塵フィルターからのダストの離脱は集塵フィルターを可動させることで行っているため、集塵フィルターからのダストの離脱に車内に導入される外気を利用することができないか、の検討が本発明においてなされた。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するものであり、フィルター面に付着した塵埃を除去するために、簡易な構成で車内に導入される外気を利用することができ、製造コストの低減を図ることができる車両用空調設備のフィルター清掃装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、請求項1の発明は、車両用空調設備のフィルターに付着した塵埃を除去するための清掃装置であって、前記清掃装置は、車両用空調設備に設置されるフィルターを備えたフィルター体と、外気を車内に導入する導入路と、外気を車外へ排出する排出路と、を備えた送風路と、前記送風路の一部を遮蔽する遮蔽板と、を有し、前記フィルター体と前記遮蔽板は連動して、外気を車内に導入する外気導入モードと、外気を車外へ排出する外気排出モードとに切り替え可能であって、前記外気導入モード時に、前記遮蔽板が前記排出路を遮蔽する位置に配置され、前記外気排出モード時に、前記フィルターが、前記排出路内であって、該排出路内に流入した外気を利用して前記フィルターに付着した塵埃を除去可能な位置に配置されることを特徴としている。
【0008】
請求項2の発明は、車両用空調設備のフィルターに付着した塵埃を除去するための清掃装置であって、前記清掃装置は、車両用空調設備に設置されるフィルターを備えたフィルター体と、外気を車内に導入する導入路と、外気を車外へ排出する排出路と、を備えた送風路と、前記送風路の一部を遮蔽する遮蔽板と、を有し、前記フィルター体と前記遮蔽板は連動して、外気を車内に導入する外気導入モードと、外気を車外へ排出する外気排出モードとに切り替え可能であって、前記外気排出モード時に、前記遮蔽板が前記導入路を遮蔽する位置に配置されると共に、前記フィルターが、前記排出路内であって、該排出路内に流入した外気を利用して前記フィルターに付着した塵埃を除去可能な位置に配置されることを特徴としている。
【0009】
請求項3の発明は、車両用空調設備のフィルターに付着した塵埃を除去するための清掃装置であって、前記清掃装置は、車両用空調設備に設置されるフィルターを備えたフィルター体と、外気を車内に導入する導入路と、外気を車外へ排出する排出路と、を備えた送風路と、前記送風路の一部を遮蔽する遮蔽板と、を有し、前記フィルター体と前記遮蔽板は連動して、外気を車内に導入する外気導入モードと、外気を車外へ排出する外気排出モードとに切り替え可能であって、前記外気導入モード時に、前記遮蔽板が前記排出路を遮蔽する位置に配置され、前記外気排出モード時に、前記遮蔽板が前記導入路を遮蔽する位置に配置されると共に、前記フィルターが、前記排出路内であって、該排出路内に流入した外気を利用して前記フィルターに付着した塵埃を除去可能な位置に配置されることを特徴としている。
【0010】
請求項1~3の発明では、送風路の一部を遮蔽する遮蔽板とフィルター体が連動して、外気を車内に導入する外気導入モードと、外気を車外へ排出する外気排出モードとに切り替え可能にすると共に、外気排出モード時に、フィルターが、排出路内であって、該排出路内に流入した外気を利用してフィルターに付着した塵埃を除去可能な位置に配置される構成としたので、フィルター面に付着した塵埃を除去するために、簡易な構成で車内に導入される外気を利用することができ、製造コストの低減を図ることができる。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1~3のいずれかの発明において、排出路内に、フィルターから落下した塵埃を収容する塵埃溜め部を有することを特徴としている。これにより、塵埃をまとめて外部へ排出することができる。
【0012】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、塵埃溜め部は、着脱可能なダストボックスを有することを特徴としている。これにより、塵埃を簡易にまとめて外部へ排出することができる。
【0013】
請求項6の発明は、請求項1~3のいずれかの発明において、排出路内に、外気の排出を促進するファンを有することを特徴としている。これにより、フィルターに付着している塵埃の剥離を促進させることができる。
【0014】
請求項7の発明は、請求項1~3のいずれかの発明において、フィルター体は、フィルター面が走行時の風圧を受ける位置に配置されていることを特徴としている。これにより、フィルターに付着している塵埃の剥離を促進させることができる。
【0015】
請求項8の発明は、請求項1~3のいずれかの発明において、外気排出モード時に、雨水又はワイパー洗浄液が、フィルターを通過して排出路から排出されることを特徴としている。これにより、フィルターに付着している塵埃の剥離を促進させることができる。
【0016】
請求項9の発明は、請求項1~3のいずれかの発明において、外気導入モードから外気排出モードへの切り替え時の動作によって、フィルター体に振動が与えられて、フィルターに付着した塵埃が排出路に落下することを特徴としている。これにより、フィルターに付着している塵埃の剥離を促進させることができる。
【0017】
請求項10の発明は、請求項1~3のいずれかの発明において、フィルター体は、プレフィルターを備えたプレフィルター体と、メインフィルターを備えたメインフィルター体とで構成され、前記プレフィルター体が遮蔽板と連動することを特徴としている。これにより、車室内に送風される空気を確実に清浄なものとすることができる。
【発明の効果】
【0018】
請求項1~3の発明は、フィルター面に付着した塵埃を除去するために、簡易な構成で車内に導入される外気を利用することができ、製造コストの低減を図ることができる。また、請求項4及び5の発明は、塵埃をまとめて外部へ排出することができる。
【0019】
また、請求項6~9の発明は、フィルターに付着している塵埃の剥離を促進させることができる。また、請求項10の発明は、車室内に送風される空気を確実に清浄なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明に係る車両用空調設備のフィルター清掃装置が設置された自動車の一部を示す斜視図
【
図2】(a)車両用空調設備のフィルター清掃装置の第1実施形態に使用される回動体示す斜視図、(b)車両用空調設備のフィルター清掃装置の第2実施形態に使用される回動体示す斜視図、(c)車両用空調設備のフィルター清掃装置の第3実施形態に使用される回動体示す斜視図
【
図3】(a)、(b)車両用空調設備のフィルター清掃装置の第1実施形態を示す断面図
【
図4】(a)、(b)車両用空調設備のフィルター清掃装置の第2実施形態を示す断面図
【
図5】(a)、(b)車両用空調設備のフィルター清掃装置の第3実施形態を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。尚、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明に係る車両用空調設備のフィルター清掃装置が設置された自動車の一部を示す斜視図である。この図を用いて本発明に係る車両用空調設備のフィルター清掃装置が設置される自動車の空調設備の概要について説明する。
【0022】
自動車(車両)70は、フロントバンパー11の上部に形成されているラジエターグリル12から外気を取り込むことが可能となっており、送風路4には、車両70の走行時の走行風が導入される構成としている。これにより、車内に設置されている給気送風機13(
図3~
図5参照)の出力を小さくすることができる。また、送風路4は、外気送風路4aと、内気送風路4b(
図3参照)と、排出路4cとを有しており、後述する本発明に係るフィルター清掃装置は、外気送風路4aと排出路4cの近傍に設置された回動体10に設置されているプレフィルターを清掃するものである。これにより、外気に含まれている塵埃を確実に除去することができる。
【0023】
図2(a)は、本発明に係る車両用空調設備のフィルター清掃装置の第1実施形態に使用される回動体を示す斜視図である。第1実施形態に使用される回動体10は、フィルター1と枠体2aとを備えたフィルター体2と、遮蔽板14aと、回動軸6とで構成されており、フィルター1のフィルター面と遮蔽板14aの遮蔽面とが略垂直となるようにして各々回動軸6に固定されている。また、回動軸6は、電動モータによって回動する構成としている。尚、この回動体10は、後述するように、フィルター体2と遮蔽板14aが連動して、外気を車内に導入する外気導入モードと、外気を車外へ排出する外気排出モードとに切り替え可能とするための一例を示す構成であり、フィルター体2と遮蔽板14aが連動して、外気を車内に導入する外気導入モードと、外気を車外へ排出する外気排出モードとに切り替え可能な構成であれば、これも本発明に含まれる。
【0024】
図2(b)は、本発明に係る車両用空調設備のフィルター清掃装置の第2実施形態に使用される回動体を示す斜視図である。第2実施形態に使用される回動体20は、フィルター21と枠体22aとを備えたフィルター体22と、遮蔽板14bと、回動軸26とで構成されており、フィルター21のフィルター面と遮蔽板14bの遮蔽面とが略平行となるようにして各々回動軸26に固定されている。また、回動軸26は、電動モータによって回動する構成としている。尚、この回動体20は、後述するように、フィルター体22と遮蔽板14bが連動して、外気を車内に導入する外気導入モードと、外気を車外へ排出する外気排出モードとに切り替え可能とするための一例を示す構成であり、フィルター体22と遮蔽板14bが連動して、外気を車内に導入する外気導入モードと、外気を車外へ排出する外気排出モードとに切り替え可能な構成であれば、これも本発明に含まれる。
【0025】
図2(c)は、本発明に係る車両用空調設備のフィルター清掃装置の第3実施形態に使用される回動体を示す斜視図である。第3実施形態に使用される回動体30は、フィルター31と枠体32aとを備えたフィルター体32と、第1遮蔽板14cと、第2遮蔽板14dと、回動軸36とで構成されており、フィルター31のフィルター面と第1遮蔽板14cの遮蔽面とが略垂直となるようにし、フィルター31のフィルター面と第2遮蔽板14dの遮蔽面とが略平行となるようにして各々回動軸36に固定されている。また、回動軸36は、電動モータによって回動する構成としている。尚、この回動体30は、後述するように、フィルター体32と第1遮蔽板14c及び第2遮蔽板14dとが連動して、外気を車内に導入する外気導入モードと、外気を車外へ排出する外気排出モードとに切り替え可能とするための一例を示す構成であり、フィルター体32と第1遮蔽板14c及び第2遮蔽板14dとが連動して、外気を車内に導入する外気導入モードと、外気を車外へ排出する外気排出モードとに切り替え可能な構成であれば、これも本発明に含まれる。
【0026】
図3(a)及び
図3(b)は、本発明に係る車両用空調設備のフィルター清掃装置の第1実施形態を示す断面図であり、
図3(a)は、外気を車内に導入する外気導入モードを示し、
図3(b)は、外気を車外へ排出する外気排出モードを示している。これらの図を用いてフィルター清掃装置の第1実施形態を以下に説明する。
【0027】
フィルター清掃装置40は、外気を車内に導入する導入路(外気送風路)4aと、外気を車外へ排出する排出路4cと、内気を車内に送風する内気送風路4bとを備えた送風路4と、車両用空調設備に設置されるフィルター1(1a)を備えたフィルター体2(
図2(a)参照)と、送風路4の一部を遮蔽する遮蔽板14aとを備えた回動体10とを有しており、フィルター体2と遮蔽板14aは連動して、外気を車内に導入する外気導入モードと、外気を車外へ排出する外気排出モードとに切り替え可能であって、外気導入モード時には、遮蔽板14aが排出路4cを遮蔽する位置に配置されている。また、フィルター体2は、フィルター面が走行時の風圧を受ける位置に配置されている。尚、回動遮蔽板15aは、回動可能な遮蔽板であって、
図3(a)の状態から図面上、反時計回りに略90度回転させた
図3(b)に示す外気排出モード時には、導入路4aを遮蔽する位置に配置されている。これにより、給気送風機13によって車室内の空気を循環させることができる。
【0028】
また、
図3(a)の状態から回動体10を図面上、反時計回りに略90度回転させた
図3(b)に示す外気排出モード時には、フィルター1が、排出路4c内であって、排出路4c内に流入した外気を利用してフィルター1に付着した塵埃を除去可能な位置に配置されている。また、外気排出モード時には、雨水又はワイパー洗浄液が、フィルター1を通過して排出路から排出される構成としている。また、外気導入モードから外気排出モードへの切り替え時の動作によって、フィルター体2に振動が与えられて、フィルター1に付着した塵埃が排出路4cに落下する構成としている。具体的には、排出路4cに凸部5が形成されており、外気導入モードから外気排出モードへの切り替え時の動作によって、凸部5にフィルター体2の枠体2aが衝突することによってフィルター体2に振動が与えられる構成としている。
【0029】
また、フィルター体は、プレフィルター1aを備えたプレフィルター体2と、メインフィルター1bを備えたメインフィルター体とで構成されており、プレフィルター体2が遮蔽板14aと連動する構成としている。これにより、メインフィルター1bの清掃頻度又は、交換頻度を減少させることができる。また、プレフィルター1aは、メインフィルター1bよりも細かな塵埃を捕捉可能な構成としている。具体的には、プレフィルター1aの網目の大きさをメインフィルター1bの網目の大きさよりも小さくしている。これにより、プレフィルター1aによって、車外から運ばれてくる大きな塵埃から小さな塵埃までを捕捉することができるので、メインフィルター1bの清掃頻度又は、交換頻度を一層減少させることができる。尚、プレフィルター1a及びメインフィルター1bは、プリーツ状やメッシュ状など、形状によることなく本発明に含まれる。
【0030】
図4(a)及び
図4(b)は、本発明に係る車両用空調設備のフィルター清掃装置の第2実施形態を示す断面図であり、
図4(a)は、外気を車内に導入する外気導入モードを示し、
図4(b)は、外気を車外へ排出する外気排出モードを示している。これらの図を用いてフィルター清掃装置の第2実施形態を以下に説明する。
【0031】
フィルター清掃装置50は、外気を車内に導入する導入路(外気送風路)4aと、外気を車外へ排出する排出路4cと、内気を車内に送風する内気送風路4bとを備えた送風路4と、車両用空調設備に設置されるフィルター21を備えたフィルター体22(
図2(b)参照)と、送風路4の一部を遮蔽する遮蔽板14bとを備えた回動体20とを有しており、フィルター体22と遮蔽板14bは連動して、外気を車内に導入する外気導入モードと、外気を車外へ排出する外気排出モードとに切り替え可能な構成としている。また、フィルター体22は、フィルター面が走行時の風圧を受ける位置に配置されている。尚、回動遮蔽板15bは、回動可能な遮蔽板であって、
図4(b)の状態から図面上、反時計回りに略90度回転させた
図4(a)に示す外気導入モード時には、排出路4cを遮蔽する位置に配置されている。これにより、給気送風機13によって外気の車室内への送風を高めることができる。
【0032】
また、
図4(a)の状態から回動体20を図面上、反時計回りに略90度回転させた
図4(b)に示す外気排出モード時には、遮蔽板14bが導入路4aを遮蔽する位置に配置されると共に、フィルター21が、排出路4c内であって、該排出路4c内に流入した外気を利用してフィルター21に付着した塵埃を除去可能な位置に配置されている。尚、排出路4c内には、フィルター21から落下した塵埃を収容する塵埃溜め部7が設けられており、この塵埃溜め部7には、排出路4cから着脱可能なダストボックス7aが備えられている。その他の構成は第1実施形態と同様なので説明は省略する。尚、ダストボックス7aは外気が通過するメッシュ形状が好適であるが、ダストボックス7a自体は外気が通過しない構造であっても、排出路内を外気が流れる構造であれば、本発明に含まれる。
【0033】
図5(a)及び
図5(b)は、本発明に係る車両用空調設備のフィルター清掃装置の第3実施形態を示す断面図であり、
図5(a)は、外気を車内に導入する外気導入モードを示し、
図5(b)は、外気を車外へ排出する外気排出モードを示している。これらの図を用いてフィルター清掃装置の第3実施形態を以下に説明する。
【0034】
フィルター清掃装置60は、外気を車内に導入する導入路(外気送風路)4aと、外気を車外へ排出する排出路4cと、内気を車内に送風する内気送風路4bとを備えた送風路4と、車両用空調設備に設置されるフィルター31を備えたフィルター体32(
図2(c)参照)と、送風路4の一部を遮蔽する第1遮蔽板14c及び第2遮蔽板14dとを備えた回動体30とを有しており、フィルター体32と第1遮蔽板14c及び第2遮蔽板14dは連動して、外気を車内に導入する外気導入モードと、外気を車外へ排出する外気排出モードとに切り替え可能であって、外気導入モード時には、第1遮蔽板14cが排出路4cを遮蔽する位置に配置されている。また、フィルター体32は、フィルター面が走行時の風圧を受ける位置に配置されている。
【0035】
また、
図5(a)の状態から回動体30を図面上、反時計回りに略90度回転させた
図5(b)に示す外気排出モード時には、第2遮蔽板14dが導入路4aを遮蔽する位置に配置されると共に、フィルター31が、排出路4c内であって、該排出路4c内に流入した外気を利用してフィルター31に付着した塵埃を除去可能な位置に配置されている。尚、排出路4c内には、外気の排出を促進するファン13aが備えられている。また、排出路4c内には、フィルター31から落下した塵埃を収容する塵埃溜め部7が設けられており、この塵埃溜め部7には、排出路4cから着脱可能なダストボックス7aが備えられている。その他の構成は第1実施形態と同様なので説明は省略する。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明に係る車両用空調設備のフィルター清掃装置は、主に自動車等の車両の空調設備に設置されるフィルターに付着している塵埃等を除去する清掃装置として利用される。
【符号の説明】
【0037】
1、21、31 フィルター
1a プレフィルター
1b メインフィルター
2、22、32 フィルター体(プレフィルター体)
2a、22a、32a 枠体
4 送風路
4a 導入路(外気送風路)
4b 内気送風路
4c 排出路
5、25、35 凸部
6、26、36 回動軸
7 塵埃溜め部
7a ダストボックス
10、20、30 回動体
11 フロントバンパー
12 ラジエターグリル
13 給気送風機
13a ファン
14a、14b 遮蔽板
14c 第1遮蔽板
14d 第2遮蔽板
15a、15b 回動遮蔽板
40、50、60 フィルター清掃装置
70 自動車(車両)