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特開2024-25528電磁波透過カバー及びセンサモジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025528
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】電磁波透過カバー及びセンサモジュール
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/03 20060101AFI20240216BHJP
【FI】
G01S7/03 246
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022129040
(22)【出願日】2022-08-12
(71)【出願人】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】土屋 陽祐
(72)【発明者】
【氏名】深川 鋼司
(72)【発明者】
【氏名】平野 里彩
【テーマコード(参考)】
5J070
【Fターム(参考)】
5J070AC02
5J070AC06
5J070AF03
5J070AK25
5J070AK40
(57)【要約】
【課題】センサ装置の電磁波透過部に水及びゴミが付着するのを抑制する。
【解決手段】センサモジュール20におけるセンサ装置25は、車両10のボディ11に取り付けられ、電磁波透過カバー30は車両10のフロントグリル12に取り付けられる。センサ装置25は、電磁波透過部26aを通じて電磁波を送信及び受信する。電磁波透過カバー30は、センサ装置25を電磁波の送信方向における前方から覆うカバー本体部31を有する。電磁波透過カバー30は、カバー本体部31に取り付けられ、かつセンサ装置25及びカバー本体部31の間に配置されるシール部材40をさらに備える。シール部材40は、弾性材料を発泡させることにより形成され、かつ電磁波透過部26aを取り囲んだ状態でセンサ装置25に接触する発泡シール部41を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁波透過部を有し、かつ前記電磁波透過部を通じて電磁波を送信及び受信するセンサ装置が取り付けられた乗物に適用されるものであり、
前記乗物に取り付けられ、かつ前記センサ装置を前記電磁波の送信方向における前方から覆うカバー本体部を有する電磁波透過カバーであって、
前記カバー本体部に取り付けられ、かつ前記センサ装置及び前記カバー本体部の間に配置されるシール部材をさらに備え、
前記シール部材は、弾性材料を発泡させることにより形成され、かつ前記電磁波透過部を取り囲んだ状態で前記センサ装置に接触する発泡シール部を備える電磁波透過カバー。
【請求項2】
前記センサ装置は、向きを調整可能に構成されており、
前記シール部材は、前記カバー本体部と前記発泡シール部との間に配置され、かつ前記カバー本体部及び前記発泡シール部に対しそれぞれ結合された補助シール部をさらに備え、
前記補助シール部は、前記センサ装置の前記向きの調整に追従して伸縮することで形状が変化する蛇腹状の形状変化部を少なくとも一部に有している請求項1に記載の電磁波透過カバー。
【請求項3】
前記センサ装置は、向きを調整可能に構成されており、
前記向きの調整は、前記センサ装置が、前記送信方向に対し直交する面に沿い、かつ互いに直交する第1軸線及び第2軸線の少なくとも一方を中心として回転されることによりなされ、
前記センサ装置に接触する前記発泡シール部は、前記電磁波透過部を挟んだ状態で互いに前記第1軸線に沿う方向へ延びる一対の第1帯部と、前記電磁波透過部を挟んだ状態で互いに前記第2軸線に沿う方向へ延びる一対の第2帯部とを備え、
前記一対の第1帯部と前記一対の第2帯部とは連結部で連結され、
各第1帯部の幅及び厚みの少なくとも一方は、隣の前記第2帯部との連結部において、同第1帯部の前記第1軸線に沿う方向における中央部よりも大きく設定され、
各第2帯部の幅及び厚みの少なくとも一方は、隣の前記第1帯部との連結部において、同第2帯部の前記第2軸線に沿う方向における中央部よりも大きく設定されている請求項1又は2に記載の電磁波透過カバー。
【請求項4】
前記センサ装置に接触する各第1帯部の幅及び厚みの少なくとも一方は、前記第1軸線に沿う方向における前記中央部から隣の前記第2帯部との前記連結部に近づくに従い徐々に大きくなるように設定され、
前記センサ装置に接触する各第2帯部の幅及び厚みの少なくとも一方は、前記第2軸線に沿う方向における前記中央部から隣の前記第1帯部との前記連結部に近づくに従い徐々に大きくなるように設定されている請求項3に記載の電磁波透過カバー。
【請求項5】
乗物に取り付けられるとともに、電磁波透過部を有し、かつ前記電磁波透過部を通じて電磁波を送信及び受信するセンサ装置と、
前記乗物に取り付けられ、かつ前記センサ装置を前記電磁波の送信方向における前方から覆うカバー本体部を有する電磁波透過カバーと
を備えるセンサモジュールであって、
前記センサ装置及び前記カバー本体部の間に配置されるシール部材をさらに備え、
前記シール部材は、前記カバー本体部及び前記センサ装置の一方を取付対象とし、かつ他方を接触対象とし、
前記シール部材は、前記取付対象に取り付けられ、
前記シール部材は、弾性材料を発泡させることにより形成され、かつ前記電磁波透過部を取り囲んだ状態で前記接触対象に接触する発泡シール部を備えるセンサモジュール。
【請求項6】
前記センサ装置は、向きを調整可能に構成されており、
前記シール部材は、前記取付対象と前記発泡シール部との間に配置され、かつ前記取付対象及び前記発泡シール部に対しそれぞれ結合された補助シール部をさらに備え、
前記補助シール部は、前記センサ装置の前記向きの調整に追従して伸縮することで形状が変化する蛇腹状の形状変化部を少なくとも一部に有している請求項5に記載のセンサモジュール。
【請求項7】
前記センサ装置は、向きを調整可能に構成されており、
前記向きの調整は、前記センサ装置が、前記送信方向に対し直交する面に沿い、かつ互いに直交する第1軸線及び第2軸線の少なくとも一方を中心として回転されることによりなされ、
前記接触対象に接触する前記発泡シール部は、前記電磁波透過部を挟んだ状態で互いに前記第1軸線に沿う方向へ延びる一対の第1帯部と、前記電磁波透過部を挟んだ状態で互いに前記第2軸線に沿う方向へ延びる一対の第2帯部とを備え、
前記一対の第1帯部と前記一対の第2帯部とは連結部で連結され、
各第1帯部の幅及び厚みの少なくとも一方は、隣の前記第2帯部との連結部において、同第1帯部の前記第1軸線に沿う方向における中央部よりも大きく設定され、
各第2帯部の幅及び厚みの少なくとも一方は、隣の前記第1帯部との連結部において、同第2帯部の前記第2軸線に沿う方向における中央部よりも大きく設定されている請求項5又は6に記載のセンサモジュール。
【請求項8】
前記接触対象に接触する各第1帯部の幅及び厚みの少なくとも一方は、前記第1軸線に沿う方向における前記中央部から隣の前記第2帯部との前記連結部に近づくに従い徐々に大きくなるように設定され、
前記接触対象に接触する各第2帯部の幅及び厚みの少なくとも一方は、前記第2軸線に沿う方向における前記中央部から隣の前記第1帯部との前記連結部に近づくに従い徐々に大きくなるように設定されている請求項7に記載のセンサモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサ装置を電磁波の送信方向における前方から覆う電磁波透過カバー、及びそれらのセンサ装置及び電磁波透過カバーを備えるセンサモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
センサ装置及び電磁波透過カバーを備えるセンサモジュールが、例えば、特許文献1に記載されている。
センサ装置は、車両に取り付けられて、近赤外線等の電磁波を車外に向けて送信する。センサ装置は、車外の物体に当たって反射された電磁波を受信する。センサ装置は、送信及び受信した電磁波に基づき、上記車外の物体の認識、車両と物体との距離の検出、車両と物体との相対速度の検出等を行なう。センサ装置の外殻部分を構成するケースの前端部には、電磁波透過部が形成されている。センサ装置では、この電磁波透過部を通じて電磁波の送信及び受信が行なわれる。
【0003】
電磁波透過カバーの骨格部分は、カバー本体部によって構成される。カバー本体部は、センサ装置を、電磁波の送信方向における前方から覆う。
さらに、上記特許文献1に記載されたセンサモジュールでは、センサ装置と電磁波透過カバーとが車両に別々に取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-79053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記特許文献1に記載されたセンサモジュールでは、センサ装置とカバー本体部との間の隙間に水及びゴミが入る。そして、水及びゴミが電磁波透過部に付着すると、電磁波がそれらの水及びゴミによって吸収される。そのため、センサ装置の検出性能が低下するおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための電磁波透過カバー及びセンサモジュールの各態様を記載する。
[態様1]電磁波透過部を有し、かつ前記電磁波透過部を通じて電磁波を送信及び受信するセンサ装置が取り付けられた乗物に適用されるものであり、前記乗物に取り付けられ、かつ前記センサ装置を前記電磁波の送信方向における前方から覆うカバー本体部を有する電磁波透過カバーであって、前記カバー本体部に取り付けられ、かつ前記センサ装置及び前記カバー本体部の間に配置されるシール部材をさらに備え、前記シール部材は、弾性材料を発泡させることにより形成され、かつ前記電磁波透過部を取り囲んだ状態で前記センサ装置に接触する発泡シール部を備える電磁波透過カバー。
【0007】
[態様5]乗物に取り付けられるとともに、電磁波透過部を有し、かつ前記電磁波透過部を通じて電磁波を送信及び受信するセンサ装置と、前記乗物に取り付けられ、かつ前記センサ装置を前記電磁波の送信方向における前方から覆うカバー本体部を有する電磁波透過カバーとを備えるセンサモジュールであって、前記センサ装置及び前記カバー本体部の間に配置されるシール部材をさらに備え、前記シール部材は、前記カバー本体部及び前記センサ装置の一方を取付対象とし、かつ他方を接触対象とし、前記シール部材は、前記取付対象に取り付けられ、前記シール部材は、弾性材料を発泡させることにより形成され、かつ前記電磁波透過部を取り囲んだ状態で前記接触対象に接触する発泡シール部を備えるセンサモジュール。
【0008】
上記[態様1]の構成を有する電磁波透過カバー、及び上記[態様5]の構成を有するセンサモジュールは、互いに同様の作用を奏する。なお、[態様1]におけるカバー本体部は、[態様5]では取付対象になり得る。また、[態様1]におけるセンサ装置は、[態様5]では接触対象になり得る。
【0009】
センサ装置及び電磁波透過カバーがそれぞれ乗物に取り付けられた状態では、センサ装置とカバー本体部との間に隙間が生ずる。しかし、カバー本体部(取付対象)に取り付けられたシール部材が、上記隙間に配置される。そして、シール部材における発泡シール部が、電磁波透過部を取り囲んだ状態でセンサ装置(接触対象)に接触する。発泡シール部は、柔らかくて復元性を有している。そのため、発泡シール部は、センサ装置(接触対象)の外形形状に合わせて変形することで、そのセンサ装置(接触対象)に対し、密着した状態で接触する。
【0010】
上記シール部材は、水及びゴミが、発泡シール部とセンサ装置(接触対象)との間を通って、上記隙間のうち、発泡シール部によって取り囲まれた領域へ侵入するのを規制する。従って、上記領域に位置する電磁波透過部に水及びゴミが付着しにくくなる。
【0011】
また、気泡を有する発泡シール部はクッション性能を発揮する。そのため、例えば、乗物の衝突等によって、電磁波透過カバーに対し、上記送信方向における前側から衝撃が加わった場合、その衝撃の少なくとも一部が発泡シール部によって吸収される。その吸収された分、センサ装置に伝わる衝撃が小さくなる。従って、衝撃がセンサ装置に伝わることで、そのセンサ装置の取り付け位置が、衝撃が加わる前の取り付け位置からずれる現象が抑制される。取り付け位置のずれが原因でセンサ装置の検知性能が低下する現象が抑制される。
【0012】
[態様2]前記センサ装置は、向きを調整可能に構成されており、前記シール部材は、前記カバー本体部と前記発泡シール部との間に配置され、かつ前記カバー本体部及び前記発泡シール部に対しそれぞれ結合された補助シール部をさらに備え、前記補助シール部は、前記センサ装置の前記向きの調整に追従して伸縮することで形状が変化する蛇腹状の形状変化部を少なくとも一部に有している[態様1]に記載の電磁波透過カバー。
【0013】
[態様6]前記センサ装置は、向きを調整可能に構成されており、前記シール部材は、前記取付対象と前記発泡シール部との間に配置され、かつ前記取付対象及び前記発泡シール部に対しそれぞれ結合された補助シール部をさらに備え、前記補助シール部は、前記センサ装置の前記向きの調整に追従して伸縮することで形状が変化する蛇腹状の形状変化部を少なくとも一部に有している[態様5]に記載のセンサモジュール。
【0014】
上記[態様2]の構成を有する電磁波透過カバー、及び上記[態様6]の構成を有するセンサモジュールは、互いに同様の作用を奏する。なお、[態様2]におけるカバー本体部は、[態様6]では取付対象になり得る。また、[態様2]におけるセンサ装置は、[態様6]では接触対象になり得る。
【0015】
センサ装置とカバー本体部との間の隙間にシール部材が配置された状態では、その隙間のセンサ装置(接触対象)側に発泡シール部が位置し、カバー本体部(取付対象)側に補助シール部が位置する。発泡シール部はセンサ装置(接触対象)に接触する。補助シール部は、カバー本体部(取付対象)及び発泡シール部に対しそれぞれ結合される。発泡シール部は、補助シール部を介してカバー本体部(取付対象)に間接的に取り付けられる。
【0016】
発泡シール部がセンサ装置(接触対象)の外形形状に合わせて変形することに加え、補助シール部における蛇腹状の形状変化部は、伸縮することで自身の形状を変化させることが可能である。従って、発泡シール部をセンサ装置(接触対象)に対し、より密着させた状態で接触させることが可能である。
【0017】
また、発泡シール部に加え、形状変化部もまたクッション性能を発揮する。そのため、シール部材が発泡シール部のみによって構成される場合に比べ、シール部材のクッション性能が高くなる。乗物の衝突等によって、電磁波透過カバーに対し、上記送信方向における前側から衝撃が加わった場合、その衝撃の少なくとも一部が、発泡シール部に加え形状変化部によっても吸収される。その形状変化部によって吸収された衝撃の分、センサ装置に伝わる衝撃が一層小さくなる。従って、衝撃がセンサ装置に伝わることで、そのセンサ装置の取り付け位置がずれる現象がさらに抑制される。取り付け位置のずれが原因でセンサ装置の検知性能が低下する現象が一層抑制される。
【0018】
ここで、電磁波を送信及び受信するセンサ装置が取り付けられた乗物では、センサ装置を適正に作動させるために、センサ装置の向きを調整する、エーミングと呼ばれる調整作業が行なわれることがある。この点、上記の構成によれば、蛇腹状の形状変化部が、センサ装置の向きの調整に追従して伸縮することで、形状を変化させる。そのため、エーミングによりセンサ装置の向きが調整された場合にも、発泡シール部をセンサ装置(接触対象)に対し、密着させた状態で接触させることが可能である。水及びゴミが、発泡シール部とセンサ装置(接触対象)との間を通って、センサ装置とカバー本体部との間の上記隙間のうち、発泡シール部によって取り囲まれた領域へ侵入するのを規制する性能が高くなる。従って、上記領域に位置する電磁波透過部に水及びゴミが付着するのを抑制する性能が、センサ装置の向きが調整された場合にも得られる。
【0019】
[態様3]前記センサ装置は、向きを調整可能に構成されており、前記向きの調整は、前記センサ装置が、前記送信方向に対し直交する面に沿い、かつ互いに直交する第1軸線及び第2軸線の少なくとも一方を中心として回転されることによりなされ、前記センサ装置に接触する前記発泡シール部は、前記電磁波透過部を挟んだ状態で互いに前記第1軸線に沿う方向へ延びる一対の第1帯部と、前記電磁波透過部を挟んだ状態で互いに前記第2軸線に沿う方向へ延びる一対の第2帯部とを備え、前記一対の第1帯部と前記一対の第2帯部とは連結部で連結され、各第1帯部の幅及び厚みの少なくとも一方は、隣の前記第2帯部との連結部において、同第1帯部の前記第1軸線に沿う方向における中央部よりも大きく設定され、各第2帯部の幅及び厚みの少なくとも一方は、隣の前記第1帯部との連結部において、同第2帯部の前記第2軸線に沿う方向における中央部よりも大きく設定されている[態様1]又は[態様2]に記載の電磁波透過カバー。
【0020】
[態様7]前記センサ装置は、向きを調整可能に構成されており、前記向きの調整は、前記センサ装置が、前記送信方向に対し直交する面に沿い、かつ互いに直交する第1軸線及び第2軸線の少なくとも一方を中心として回転されることによりなされ、前記接触対象に接触する前記発泡シール部は、前記電磁波透過部を挟んだ状態で互いに前記第1軸線に沿う方向へ延びる一対の第1帯部と、前記電磁波透過部を挟んだ状態で互いに前記第2軸線に沿う方向へ延びる一対の第2帯部とを備え、前記一対の第1帯部と前記一対の第2帯部とは連結部で連結され、各第1帯部の幅及び厚みの少なくとも一方は、隣の前記第2帯部との連結部において、同第1帯部の前記第1軸線に沿う方向における中央部よりも大きく設定され、各第2帯部の幅及び厚みの少なくとも一方は、隣の前記第1帯部との連結部において、同第2帯部の前記第2軸線に沿う方向における中央部よりも大きく設定されている[態様5]又は[態様6]に記載のセンサモジュール。
【0021】
上記[態様3]の構成を有する電磁波透過カバー、及び上記[態様7]の構成を有するセンサモジュールは、互いに同様の作用を奏する。なお、[態様3]におけるセンサ装置は、[態様7]では接触対象になり得る。
【0022】
ここで、上記エーミングに際しては、センサ装置が第1軸線及び第2軸線の少なくとも一方を中心として回転される。
第2軸線を中心としてセンサ装置が回転されると、センサ装置とカバー本体部との間隔が、第1軸線に沿う方向におけるセンサ装置の一方の端部で中央部よりも大きくなり、他方の端部で中央部よりも小さくなる。
【0023】
この点、上記[態様3]の構成、及び上記[態様7]の構成によれば、各第1帯部の幅及び厚みの少なくとも一方が、隣の第2帯部との連結部において、同第1帯部の第1軸線に沿う方向における中央部よりも大きい。そのため、上記第2軸線を中心としてセンサ装置が回転されても、各第1帯部の第2帯部との連結部を、センサ装置(接触対象)に対し、隙間を生じさせることなく接触させることが可能である。
【0024】
また、第1軸線を中心としてセンサ装置が回転されると、センサ装置とカバー本体部との間隔が、第2軸線に沿う方向におけるセンサ装置の一方の端部で中央部よりも大きくなり、他方の端部で中央部よりも小さくなる。
【0025】
この点、上記の構成によれば、各第2帯部の幅及び厚みの少なくとも一方が、隣の第1帯部との連結部において、同第2帯部の第2軸線に沿う方向における中央部よりも大きい。そのため、上記第1軸線を中心としてセンサ装置が回転されても、各第2帯部の第1帯部との連結部を、センサ装置(接触対象)に対し、隙間を生じさせることなく接触させることが可能である。
【0026】
[態様4]前記センサ装置に接触する各第1帯部の幅及び厚みの少なくとも一方は、前記第1軸線に沿う方向における前記中央部から隣の前記第2帯部との前記連結部に近づくに従い徐々に大きくなるように設定され、前記センサ装置に接触する各第2帯部の幅及び厚みの少なくとも一方は、前記第2軸線に沿う方向における前記中央部から隣の前記第1帯部との前記連結部に近づくに従い徐々に大きくなるように設定されている[態様3]に記載の電磁波透過カバー。
【0027】
[態様8]前記接触対象に接触する各第1帯部の幅及び厚みの少なくとも一方は、前記第1軸線に沿う方向における前記中央部から隣の前記第2帯部との前記連結部に近づくに従い徐々に大きくなるように設定され、前記接触対象に接触する各第2帯部の幅及び厚みの少なくとも一方は、前記第2軸線に沿う方向における前記中央部から隣の前記第1帯部との前記連結部に近づくに従い徐々に大きくなるように設定されている[態様7]に記載のセンサモジュール。
【0028】
上記[態様4]の構成を有する電磁波透過カバー、及び上記[態様8]の構成を有するセンサモジュールは、互いに同様の作用を奏する。なお、[態様4]におけるセンサ装置は、[態様8]では、接触対象になり得る。
【0029】
第2軸線を中心としてセンサ装置が回転されると、センサ装置とカバー本体部との間隔が、第1軸線に沿う方向におけるセンサ装置の中央部から同方向へ遠ざかるに従い徐々に大きくなる、又は徐々に小さくなる。
【0030】
この点、[態様4]の構成、及び[態様8]の構成によれば、各第1帯部の幅及び厚みの少なくとも一方が、第1軸線に沿う方向における中央部から隣の第2帯部との連結部に近づくに従い徐々に大きくなる。そのため、上記第2軸線を中心としてセンサ装置が回転されても、各第1帯部の全体を、第1軸線に沿う方向における位置に拘らず、センサ装置(接触対象)に対し一様に接触させることが可能である。
【0031】
また、第1軸線を中心としてセンサ装置が回転されると、センサ装置とカバー本体部との間隔が、第2軸線に沿う方向におけるセンサ装置の中央部から同方向へ遠ざかるに従い徐々に大きくなる、又は徐々に小さくなる。
【0032】
この点、[態様4]の構成及び[態様8]の構成によれば、各第2帯部の幅及び厚みの少なくとも一方が、第2軸線に沿う方向における中央部から隣の第1帯部との連結部に近づくに従い徐々に大きくなる。そのため、上記第1軸線を中心としてセンサ装置が回転されても、各第2帯部の全体を、第2軸線に沿う方向における位置に拘らず、センサ装置(接触対象)に対し一様に接触させることが可能である。
【発明の効果】
【0033】
上記電磁波透過カバー及びセンサモジュールによれば、センサ装置の電磁波透過部に水及びゴミが付着するのを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】第1実施形態におけるセンサモジュールの斜視図である。
図2図1のセンサモジュールの分解斜視図である。
図3図1のセンサモジュールの正面図である。
図4図3の4-4線に沿った断面図(側断面図)である。
図5図3の5-5線に沿った断面図(平断面図)である。
図6図5におけるA部の拡大平断面図である。
図7図4に対応する図であり、電磁波透過カバー及びセンサ装置を分離して示す部分側断面図である。
図8図5に対応する図であり、電磁波透過カバー及びセンサ装置を分離して示す部分平断面図である。
図9】第2実施形態におけるセンサモジュールの正面図である。
図10】第2実施形態における電磁波透過カバーをセンサ装置とともに示す側断面図である。
図11】第2実施形態における電磁波透過カバーをセンサ装置とともに示す平断面図である。
図12】第3実施形態におけるセンサモジュールの分解斜視図である。
図13】第3実施形態におけるセンサモジュールの正面図である。
図14図13の14-14線に沿った部分側断面図である。
図15図13の15-15線に沿った部分平断面図である。
図16】第1実施形態の変更例を示す図であり、電磁波透過カバーの背面図である。
図17】第1実施形態の変更例を示す図であり、電磁波透過カバーの背面図である。
図18】第2実施形態の変更例を示す図であり、電磁波透過カバーの背面図である。
図19】第2実施形態の変更例を示す図であり、電磁波透過カバーの背面図である。
図20図15に対応する図であり、第3実施形態の変更例を示すセンサモジュールの部分平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
(第1実施形態)
以下、車両用のセンサモジュールに具体化した第1実施形態について、図1図8を参照して説明する。
【0036】
なお、以下の記載に関し、車両10の前進方向を前方とし、後進方向を後方として説明する。また、上下方向は車両10の上下方向を意味し、左右方向は車幅方向であって車両10の前進時の左右方向と一致するものとする。
【0037】
図1に示すように、車両10には、センサ装置25及び電磁波透過カバー30を備えるセンサモジュール20が搭載されている。次に、センサモジュール20を構成する各部について説明する。
【0038】
<センサ装置25>
図2及び図4に示すように、車両10のボディ11の前端部には、フロントグリル12が配置されている。センサ装置25は、ボディ11のうち、フロントグリル12の後方となる箇所に取り付けられている。センサ装置25は、第1実施形態では、前方監視用の近赤外線センサによって構成されている。近赤外線センサは、電磁波のうち、700nm~2500nmの波長を有する近赤外線を車両10の前方における所定の角度範囲へ向けて送信し、かつ先行車両、歩行者等を含む車外の物体に当たって反射された近赤外線を受信する。センサ装置25では、送信及び受信した電磁波に基づき、車外の上記物体を認識するとともに、車両10と上記物体との距離、相対速度等を検出する。
【0039】
なお、上述したように、センサ装置25が車両10の前方に向けて電磁波(近赤外線)を送信することから、センサ装置25による電磁波の送信方向は、車両10の後方から前方へ向かう方向である。電磁波の送信方向における前方は、車両10の前方と概ね合致し、同送信方向における後方は車両10の後方と概ね合致する。そのため、以後の記載では、電磁波の送信方向における前方を単に「前方」、「前」等といい、同送信方向における後方を単に「後方」、「後」等というものとする。
【0040】
図1及び図2に示すように、センサ装置25の外殻部分は、ケース26によって構成されている。第1実施形態では、ケース26は、上下方向の寸法よりも前後方向及び左右方向の各寸法が大きな直方体状をなしている。ケース26の内部には、電磁波を送信する送信部と、電磁波を受信する受信部とが配置されている。なお、図4図8では、センサ装置25の内部構造の図示が省略されている。この点は、第2実施形態を示す図10及び図11、第3実施形態を示す図14及び図15についても同様である。さらに、上記の点は、変更例を示す図20についても同様である。
【0041】
図4図6において二点鎖線で示すように、ケース26の前端部には、電磁波(近赤外線)の透過性を有する電磁波透過部26aが形成されている。電磁波の上記送信及び受信は、この電磁波透過部26aを通じて行なわれる。
【0042】
<電磁波透過カバー30>
図1及び図2に示すように、電磁波透過カバー30の骨格部分は、カバー本体部31によって構成されている。カバー本体部31は、上記センサ装置25の前方に配置された板状部32を備えている。図3に示すように、板状部32は、上下方向よりも左右方向の寸法が大きな長方形の板状をなしている。上記板状部32を有するカバー本体部31は、センサ装置25を前方から覆って、衝撃等から保護する機能を有するほかに、車両10の前端部を装飾するガーニッシュとしての機能も有している。
【0043】
板状部32は、電磁波の透過性を有する単一の層によって構成されてもよい。この場合、板状部32は、例えば、PC(ポリカーボネート)樹脂によって形成されてもよい。なお、板状部32は、それぞれ電磁波の透過性を有する複数の層が前後方向に積層されてなる層構造を有してもよい。この場合、複数の層には、加飾層が含まれていてもよい。
【0044】
電磁波透過カバー30は、カバー本体部31において、図示しないねじ締結、爪嵌合等によってフロントグリル12に取り付けられている。
<シール構造>
図4図6に示すように、センサモジュール20には、センサ装置25とカバー本体部31との間の隙間G1に水及びゴミが侵入するのを規制するシール構造が設けられている。シール構造は、上記隙間G1をシールするシール部材40を備えている。シール部材40は、カバー本体部31及びセンサ装置25の一方を、シール部材40が直接的又は間接的に取り付けられる取付対象とし、かつ他方を、シール部材40が接触される接触対象としている。第1実施形態では、カバー本体部31が取付対象とされ、センサ装置25が接触対象とされている。
【0045】
図7及び図8に示すように、シール部材40をカバー本体部31に取り付けるために、板状部32の後面の周縁部には、被着部33が二色成形法等の樹脂成形法によって形成されている。この被着部33は、上記板状部32とともに上記カバー本体部31を構成している。被着部33は、板状部32の後面の周縁部に重ね合わされた状態で接合された四角枠状の基部34と、基部34の内縁部から後方へ突出する四角環状の突部35とを備えている。被着部33は、PC樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合樹脂)、AES樹脂(アクリロニトリル-エチレン-スチレン共重合樹脂)、ASA樹脂(アクリロニトリル-スチレン-アクリレート共重合樹脂)等によって形成されている。また、被着部33は、PC樹脂と、ABS樹脂、AES樹脂、ASA樹脂等とを混合した、いわゆるポリマーアロイによって形成されてもよい。
【0046】
シール部材40は、発泡シール部41によって構成されている。発泡シール部41は、ウレタン樹脂、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)等の弾性材料を発泡させることによって形成されている。発泡シール部41は、例えば、突部35に設けられた被係止部(図示略)に係止されることによって、突部35に取り付けられている。図4に示すように、センサ装置25がボディ11に取り付けられ、かつ電磁波透過カバー30がフロントグリル12に取り付けられた状態では、発泡シール部41は、センサ装置25に対し、弾性変形した状態で接触する。
【0047】
なお、図7及び図8は、センサ装置25がボディ11に対し、また電磁波透過カバー30がフロントグリル12に対し、それぞれ取り付けられる前の状態で図示されている。この段階では、発泡シール部41はセンサ装置25から離れていて、弾性変形していない。
【0048】
さらに、第1実施形態では、図6に示すように、四角環状をなす突部35の一部、例えば、左右方向における両側部のそれぞれに、突部35によって囲まれた領域の内部と外部とを連通させる連通孔36が形成されている。各連通孔36は左右方向に延びて、突部35の内面及び外面において開口している。上記突部35の内面及び外面の少なくとも一方において、連通孔36の開口部分を塞ぐ箇所には、空気及び水蒸気の通過を許容するが、水の通過を阻止する通気性粘着テープ37が貼り付けられている。
【0049】
次に、上記のように構成された第1実施形態の作用について説明する。
図4図6に示すように、ボディ11に取り付けられたセンサ装置25と、フロントグリル12に取り付けられたカバー本体部31との間には隙間G1が生ずる。しかし、この隙間G1において、電磁波透過部26aを取り囲む箇所には、シール部材40が配置されている。シール部材40は、弾性材料を発泡させてなる発泡シール部41によって構成されている。発泡シール部41は、カバー本体部31に取り付けられている。また、発泡シール部41は、電磁波透過部26aを取り囲んだ状態でセンサ装置25の前面に接触している。発泡シール部41は、柔らかくて復元性を有している。そのため、発泡シール部41は、センサ装置25の外形形状に合わせて変形することで、そのセンサ装置25に対し、密着した状態で接触する。シール部材40は、水及びゴミが、上記隙間G1であって、シール部材40によって取り囲まれた領域へ侵入するのを規制する。
【0050】
また、気泡を有する発泡シール部41はクッション性能を発揮する。そのため、例えば、車両10の衝突等によって、電磁波透過カバー30に対し、前側から衝撃が加わった場合、その衝撃の少なくとも一部が発泡シール部41によって吸収される。その発泡シール部41によって吸収された衝撃の分、センサ装置25に伝わる衝撃が小さくなる。衝撃がセンサ装置25に伝わることで、そのセンサ装置25の取り付け位置が、衝撃が加わる前の取り付け位置からずれる現象が抑制される。
【0051】
また、隙間G1のうち、シール部材40によって取り囲まれた領域の湿度が高くなった場合、水蒸気(湿気)が、連通孔36及び通気性粘着テープ37を通過して、領域の外部へ排出される。また、車両走行中にセンサモジュール20に泥水がかかったり、洗車時にセンサモジュール20に洗浄水がかかったりしても、それらの泥水、洗浄水等は上記領域に入り込むことを、通気性粘着テープ37によって妨げられる。
【0052】
次に、第1実施形態の効果について説明する。
(1-1)第1実施形態では、図2に示すように、弾性材料を発泡させることによって形成した発泡シール部41をシール部材40とし、これを、センサ装置25及びカバー本体部31の間に配置している。シール部材40をカバー本体部31に取り付けるとともに、電磁波透過部26aを取り囲んだ状態で発泡シール部41をセンサ装置25の前面に接触させている。
【0053】
そのため、シール部材40によって隙間G1(図4図6)をシールできる。電磁波透過部26aに水及びゴミが付着するのを規制し、付着に起因するセンサ装置25の検出性能低下を抑制できる。
【0054】
(1-2)また、第1実施形態では、電磁波透過カバー30に対し前側から衝撃が加わった場合に、発泡シール部41にクッション性能を発揮させることで、センサ装置25の取り付け位置がずれるのを抑制できる。取り付け位置のずれが原因でセンサ装置25の検知性能が低下するのを抑制できる。
【0055】
(1-3)第1実施形態では、図6に示すように、突部35に連通孔36を形成し、連通孔36の開口部分を通気性粘着テープ37によって塞いでいる。そのため、シール部材40によって取り囲まれた領域内の湿度が高くなるのを抑制し、電磁波透過部26a及び板状部32が曇るのを抑制できる。また、泥水や洗浄水が、連通孔36を通って上記領域内に入り込むのを通気性粘着テープ37によって妨げることができる。
【0056】
(第2実施形態)
次に、車両用のセンサモジュール20に具体化した第2実施形態について、図9図11を参照して説明する。
【0057】
第1実施形態では説明を割愛したが、センサ装置25は、向きを調整可能に構成されている。この調整は、図9に示すように、送信方向に対し直交する面に沿い、かつ互いに直交する第1軸線L1及び第2軸線L2の少なくとも一方を中心として、センサ装置25が回転されることによりなされる。なお、ここでは、板状部32の前面を、上記送信方向に対し直交しているものとし、便宜上、この面上に第1軸線L1及び第2軸線L2を図示している。
【0058】
上記向きの調整は、電磁波を送信及び受信するセンサ装置25を適正に作動させるために行なわれるものであり、一般にエーミングと呼ばれる。エーミングは、センサ装置25の組み付け時、車両10の整備時、センサ装置25の点検時、センサ装置25の検出精度低下時等に行なわれる。
【0059】
第2実施形態では、左右方向に延びる仮想の線が第1軸線L1とされ、上下方向へ延びる仮想の線が第2軸線L2とされている。センサ装置25は、上記面を基準とし、第1軸線L1を中心として、正逆両方向へ回転されることで、各方向へ最大で2°程度ずつ向きを調整することが可能である。また、センサ装置25は、上記面を基準とし、第2軸線L2を中心として、正逆両方向へ回転されることで、各方向へ最大で2°程度ずつ向きを調整することが可能である。
【0060】
発泡シール部41は、一対の第1帯部42と、一対の第2帯部44とを備えている。一対の第1帯部42は、電磁波透過部26aを挟んだ状態で、互いに第1軸線L1に沿う方向へ延びている。第2実施形態では、一対の第1帯部42は、互いに平行な状態で左右方向へ延びている。一対の第2帯部44は、電磁波透過部26aを挟んだ状態で互いに第2軸線L2に沿う方向へ延びている。第2実施形態では、一対の第2帯部44は、互いに平行な状態で上下方向へ延びている。第2帯部44毎の両端部は、それぞれ隣の第1帯部42の両端部のうち、最寄りの端部に連結されている。隣り合う第1帯部42及び第2帯部44は連結部46を介して繋がっている。表現を変えると、一対の第1帯部42と一対の第2帯部44とは、連結部46で連結されている。発泡シール部41は、両第1帯部42及び両第2帯部44により、全体として、上下方向よりも左右方向に細長い長方形の環状をなしている。発泡シール部41は、四隅に連結部46を有している。
【0061】
ここで、図11に示すように、前後方向における各第1帯部42の寸法を「厚みT1」という。図10に示すように、前後方向における各第2帯部44の寸法を「厚みT2」というものとする。
【0062】
図11に示すように、各第1帯部42の厚みT1は、隣の第2帯部44との連結部46において、同第1帯部42の第1軸線L1に沿う方向(左右方向)における中央部43よりも大きく設定されている。第2実施形態では、各第1帯部42の厚みT1は、中央部43において最小となり、連結部46に近づくに従い徐々に大きくなるように設定されている。
【0063】
第2軸線L2を中心としてセンサ装置25が回転されると、センサ装置25と第1帯部42との間隔が、第1軸線L1に沿う方向(左右方向)における一方の端部で小さく、他方の端部で大きくなる。間隔が最も大きい箇所でも各第1帯部42をセンサ装置25に接触させるには、連結部46での厚みT1cが、中央部43での厚みT1mに対し、120%以上に設定されることが好ましい。ただし、厚みT1cが厚みT1mに対し過剰に大きいと、上記間隔が小さい箇所では第1帯部42がセンサ装置25によって過剰に圧縮され、それに伴い大きな反力がセンサ装置25に作用する。そのため、厚みT1cを大きくするにも限度がある。
【0064】
また、図10に示すように、各第2帯部44の厚みT2は、隣の第1帯部42との連結部46において、同第2帯部44の第2軸線L2に沿う方向(上下方向)における中央部45よりも大きく設定されている。第2実施形態では、各第2帯部44の厚みT2は、中央部45において最小となり、連結部46に近づくに従い徐々に大きくなるように設定されている。
【0065】
第1軸線L1を中心としてセンサ装置25が回転されると、センサ装置25と第2帯部44との間隔が、第2軸線L2に沿う方向(上下方向)における一方の端部で小さく、他方の端部で大きくなる。間隔が最も大きい箇所でも各第2帯部44をセンサ装置25に接触させるには、連結部46での厚みT2cが、中央部45での厚みT2mに対し、120%以上に設定されることが好ましい。ただし、厚みT2cが厚みT2mに対し過剰に大きいと、間隔が小さい箇所では第2帯部44がセンサ装置25によって過剰に圧縮され、それに伴い大きな反力がセンサ装置25に作用する。そのため、厚みT2cを大きくするにも限度がある。
【0066】
上記以外の構成は、第1実施形態と同様である。そのため、第2実施形態において、第1実施形態で説明したものと同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0067】
次に、第2実施形態の作用について説明する。
上記エーミングに際し、センサ装置25が第2軸線L2を中心として回転されると、センサ装置25とカバー本体部31との間隔が、第1軸線L1に沿う方向(左右方向)におけるセンサ装置25の一方の端部で中央部43よりも大きくなる。上記間隔は、センサ装置25の他方の端部で中央部43よりも小さくなる(図11参照)。
【0068】
この点、第2実施形態では、各第1帯部42の厚みT1が、隣の第2帯部44との連結部46において、同第1帯部42の第1軸線L1に沿う方向における中央部43よりも大きい。そのため、各第1帯部42の連結部46が、センサ装置25に対し、隙間を生ずることなく接触する。
【0069】
特に、第2軸線L2を中心とするセンサ装置25の回転により、上記間隔が、第1軸線L1に沿う方向におけるセンサ装置25の中央部43から同方向へ遠ざかるに従い徐々に大きくなる、又は徐々に小さくなる。
【0070】
この点、第2実施形態では、各第1帯部42の厚みT1が、隣の第2帯部44との連結部46に近づくに従い徐々に大きくなる、又は徐々に小さくなる。そのため、各第1帯部42の全体が、第1軸線L1に沿う方向における位置に拘らず、センサ装置25に対し、一様に接触する。
【0071】
また、上記エーミングに際し、センサ装置25が第1軸線L1を中心として回転されると、センサ装置25とカバー本体部31との間隔が、第2軸線L2に沿う方向(上下方向)におけるセンサ装置25の一方の端部で中央部45よりも大きくなる。上記間隔は、センサ装置25の他方の端部で中央部45よりも小さくなる(図10参照)。
【0072】
この点、第2実施形態では、各第2帯部44の厚みT2が、隣の第1帯部42との連結部46において、同第2帯部44の第2軸線L2に沿う方向における中央部45よりも大きい。そのため、各第2帯部44の連結部46が、センサ装置25に対し、隙間を生ずることなく接触する。
【0073】
特に、第1軸線L1を中心とするセンサ装置25の回転により、上記間隔が、第2軸線L2に沿う方向におけるセンサ装置25の中央部43から同方向へ遠ざかるに従い徐々に大きくなる、又は徐々に小さくなる。
【0074】
この点、第2実施形態では、各第2帯部44の厚みT2が、隣の第1帯部42との連結部46に近づくに従い徐々に大きくなる、又は徐々に小さくなる。そのため、各第2帯部44の全体が、第2軸線L2に沿う方向における位置に拘らず、センサ装置25に対し、一様に接触する。
【0075】
従って、第2実施形態によると、第1実施形態における上記(1-1)~(1-3)と同様の効果が得られるほか、次の効果も得られる。
(2-1)第2実施形態では、各第1帯部42の厚みT1が、連結部46において中央部43よりも大きい(図11参照)。各第2帯部44の厚みT2が、連結部46において中央部45よりも大きい(図10参照)。そのため、第1軸線L1及び第2軸線L2の少なくとも一方を中心としてセンサ装置25が回転されても、センサ装置25とカバー本体部31との間隔が最大となる箇所に位置する各連結部46を、センサ装置25に接触させることができる。この接触により、水及びゴミが、上記隙間G1であって、発泡シール部41によって取り囲まれた領域へ侵入するのを規制できる。水及びゴミの電磁波透過部26aに対する付着を規制し、付着に起因するセンサ装置25の検出性能低下を抑制できる。
【0076】
(2-2)第2実施形態では、各第1帯部42の厚みT1が、中央部43において最小であり、中央部43から連結部46に近づくに従い徐々に大きくなる(図11参照)。各第2帯部44の厚みT2が、中央部45において最小であり、中央部45から連結部46に近づくに従い徐々に大きくなる(図10参照)。そのため、第1軸線L1及び第2軸線L2の少なくとも一方を中心としてセンサ装置25が回転されても、各第1帯部42の全体と、各第2帯部44の全体とをセンサ装置25に対し接触させることができる。水及びゴミが、上記隙間G1であって、発泡シール部41によって取り囲まれた領域へ侵入するのを規制するシール性能を高めることができる。電磁波透過部26aに水及びゴミが付着するのを規制し、付着に起因するセンサ装置25の検出性能低下を抑制する効果を高めることができる。
【0077】
(第3実施形態)
次に、車両用のセンサモジュール20に具体化した第3実施形態について、図12図15を参照して説明する。
【0078】
第3実施形態は、シール部材40が発泡シール部41及び補助シール部51によって構成されている点で、発泡シール部41のみによって構成されている第1実施形態と異なっている。カバー本体部31を取付対象とし、センサ装置25を接触対象としている点は、第1実施形態と同様である。
【0079】
補助シール部51は、カバー本体部31と発泡シール部41との間に配置されている。補助シール部51は、電磁波透過部26aを取り囲むことのできる大きさの四角環状をなしている。補助シール部51は、形状変化部52を少なくとも自身の一部に有している。形状変化部52は、山折り部と谷折り部とが前後方向に交互に配置された蛇腹状をなしている。第3実施形態では、補助シール部51の全体が形状変化部52によって構成されている。
【0080】
補助シール部51は、例えば、熱可塑性エラストマー(TPE)によって形成されることが好ましい。カバー本体部31及び補助シール部51は、例えば、二色成形法等の樹脂成形法によって形成される。カバー本体部31がPC樹脂によって形成される場合、カバー本体部31に対し補助シール部51を密着させた状態で形成する観点からは、補助シール部51は、例えば、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPC)によって形成されることが好ましい。
【0081】
なお、補助シール部51が、押出し成形法等の樹脂成形法によってカバー本体部31とは別に形成された場合には、補助シール部51は、両面接着テープ、接着剤等によってカバー本体部31の例えば突部35に貼り付けられてもよい。一方、補助シール部51は、発泡シール部41に対しては、両面接着テープ、接着剤等によって貼り付けられてもよい。このようにして、補助シール部51は、カバー本体部31及び発泡シール部41に対しそれぞれ結合されている。発泡シール部41は、取付対象であるカバー本体部31に対し、補助シール部51を介して間接的に取り付けられている。
【0082】
上記以外の構成は、第1実施形態と同様である。そのため、第3実施形態において、第1実施形態で説明したものと同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0083】
次に、第3実施形態の作用について説明する。
図14及び図15に示すように、センサ装置25とカバー本体部31との間の隙間G1にシール部材40が配置された状態では、その隙間G1のセンサ装置25側に発泡シール部41が位置し、カバー本体部31側に補助シール部51が位置する。発泡シール部41はセンサ装置25の前面に接触している。補助シール部51は、カバー本体部31及び発泡シール部41に対しそれぞれ結合されている。
【0084】
発泡シール部41がセンサ装置25の外形形状に合わせて変形することに加え、補助シール部51における蛇腹状の形状変化部52は、伸縮することで自身の形状を変化させる。
【0085】
また、発泡シール部41に加え、形状変化部52もまたクッション性能を発揮する。そのため、シール部材40が発泡シール部41のみによって構成される場合に比べ、シール部材40のクッション性能が高くなる。
【0086】
そのため、車両10の衝突等によって、電磁波透過カバー30に対し前側から衝撃が加わった場合、その衝撃の少なくとも一部が、発泡シール部41に加え形状変化部52によっても吸収される。その形状変化部52によって吸収された衝撃の分、センサ装置25に伝わる衝撃が一層小さくなる。衝撃がセンサ装置25に伝わることで、そのセンサ装置25の取り付け位置が、衝撃が加わる前の取り付け位置からずれる現象がさらに抑制される。
【0087】
また、エーミングに際し、図13に示す第1軸線L1及び第2軸線L2の少なくとも一方を中心としてセンサ装置25が回転された場合、蛇腹状の形状変化部52が、センサ装置25の向きの調整に追従して伸縮することで、形状を変化させる。
【0088】
従って、第3実施形態によると、第1実施形態における上記(1-1)~(1-3)と同様の効果が得られるほか、次の効果も得られる。
(3-1)第3実施形態では、図14及び図15に示すように、カバー本体部31と発泡シール部41との間に、蛇腹状の形状変化部52を有する補助シール部51を配置している。発泡シール部41及び補助シール部51によってシール部材40を構成している。
【0089】
そのため、シール部材40が発泡シール部41のみによって構成されている場合に比べ、発泡シール部41をセンサ装置25に対し、より密着させた状態で接触させることができる。
【0090】
また、電磁波透過カバー30に対し前側から衝撃が加わった場合に、シール部材40のクッション性能を高めることができる。センサ装置25の取り付け位置がずれる現象をさらに抑制できる。取り付け位置のずれが原因でセンサ装置25の検知性能が低下する現象を一層抑制できる。
【0091】
また、センサ装置25に対しエーミングが行なわれた場合にも、発泡シール部41をセンサ装置25に密着させた状態で接触させることができる。水及びゴミが、発泡シール部41とセンサ装置25との間を通って、上記隙間G1のうち、発泡シール部41によって取り囲まれた領域へ侵入するのを規制する性能を高めることができる。従って、上記領域に位置する電磁波透過部26aに水及びゴミが付着するのを抑制する性能を、エーミングが行なわれた場合にも得ることができる。
【0092】
(3-2)第3実施形態では、上述したように、シール部材40を発泡シール部41及び補助シール部51によって構成している。そのため、隙間G1が大きい場合であっても、隙間G1のうち、電磁波透過部26aを取り囲む四角環状の領域を、シール部材40によって埋めて、シールすることができる。
【0093】
なお、上記実施形態は、これを以下のように変更した変更例として実施することもできる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0094】
<発泡シール部41に関する事項>
図9において、発泡シール部41における各第1帯部42が第1軸線L1に沿う方向であることを条件に、同第1軸線L1に対し、斜めに交差する方向へ延びてもよい。同様に、発泡シール部41における各第2帯部44が第2軸線L2に沿う方向であることを条件に、同第2軸線L2に対し、斜めに交差する方向へ延びてもよい。
【0095】
図16に示すように、第1~第3実施形態の各変更例として、発泡シール部41の下部(第2実施形態では、下側の第1帯部42)の多くの部分に切り欠き部47が設けられてもよい。この変更例によると、カバー本体部31とセンサ装置25との間の隙間G1であって、シール部材40によって取り囲まれた領域に仮に水が侵入しても、その水を自重により切り欠き部47から排出できる。また、上記領域に面する電磁波透過部26a及び板状部32が曇るのを抑制できる。この場合には、連通孔36及び通気性粘着テープ37を省略可能である。
【0096】
・また、図17に示すように、第1~第3実施形態の各変更例として、発泡シール部41の下部(第2実施形態では、下側の第1帯部42)の1箇所又は複数箇所に、上記切り欠き部47よりも小さな切り欠き部48が設けられてもよい。この変更例によっても、上記領域に侵入した水を自重により切り欠き部48から排出できる。また、電磁波透過部26a及び板状部32が曇るのを抑制できる。この場合にも、連通孔36及び通気性粘着テープ37を省略可能である。
【0097】
図18及び図19に示すように、上下方向における各第1帯部42の寸法を「幅W1」といい、左右方向における各第2帯部44の寸法を「幅W2」というものとする。
第2実施形態の変更例として、図18及び図19に示すように、各第1帯部42の幅W1は、隣の第2帯部44との連結部46において、同第1帯部42の第1軸線L1に沿う方向(左右方向)における中央部43よりも大きく設定されてもよい。特に、図18の変更例に示すように、各第1帯部42の幅W1は、中央部43において最小となり、連結部46に近づくに従い徐々に大きくなるように設定されてもよい。
【0098】
上述したように、第2軸線L2を中心としたセンサ装置25の回転に伴い、センサ装置25と第1帯部42との間隔が、第1軸線L1に沿う方向における一方の端部で小さく、他方の端部で大きくなる。間隔が最も大きい箇所でも各第1帯部42をセンサ装置25に接触させるには、連結部46での幅W1cが、中央部43での幅W1mに対し、120%以上に設定されることが好ましい。ただし、幅W1cが幅W1mに対し過剰に大きいと、上記間隔が小さい箇所では第1帯部42がセンサ装置25によって過剰に圧縮され、それに伴い大きな反力がセンサ装置25に作用する。そのため、幅W1cを大きくするにも限度がある。
【0099】
また、図18及び図19に示すように、各第2帯部44の幅W2は、隣の第1帯部42との連結部46において、同第2帯部44の第2軸線L2に沿う方向(上下方向)における中央部45よりも大きく設定されてもよい。特に、図18の変更例に示すように、各第2帯部44の幅W2は、中央部45において最小となり、連結部46に近づくに従い徐々に大きくなるように設定されてもよい。
【0100】
上述したように、第1軸線L1を中心としたセンサ装置25の回転に伴い、センサ装置25と第2帯部44との間隔が、第2軸線L2に沿う方向における一方の端部で小さく、他方の端部で大きくなる。間隔が最も大きい箇所でも各第2帯部44をセンサ装置25に接触させるには、連結部46での幅W2cが、中央部45での幅W2mに対し、120%以上に設定されることが好ましい。ただし、幅W2cが幅W2mに対し過剰に大きいと、上記間隔が小さい箇所では第2帯部44が過剰に圧縮され、それに伴い大きな反力がセンサ装置25に作用する。そのため、幅W2cを大きくするにも限度がある。
【0101】
図18及び図19のいずれの変更例でも、第2実施形態と同様の効果が得られる。
すなわち、各第1帯部42の幅W1が、連結部46において、中央部43よりも大きく、すなわち幅広に設定されている。表現を変えると、各第1帯部42では、センサ装置25との接触可能な面積が、連結部46において中央部43よりも大きい。そのため、上記第2軸線L2を中心としてセンサ装置25が回転されても、各第1帯部42の連結部46を、センサ装置25に対し接触させることができる。
【0102】
また、各第2帯部44の幅W2が、連結部46において中央部45よりも大きく、すなわち幅広に設定されている。表現を変えると、各第2帯部44では、センサ装置25との接触可能な面積が、連結部46において中央部45よりも大きい。そのため、上記第1軸線L1を中心としてセンサ装置25が回転されても、各第2帯部44の連結部46を、センサ装置25に対し接触させることができる。
【0103】
特に、図18の変更例では、各第1帯部42の幅W1が中央部43から連結部46に近づくに従い徐々に大きくなる。そのため、第2軸線L2を中心としてセンサ装置25が回転されても、各第1帯部42の全体を、第1軸線L1に沿う方向における位置に拘らず、センサ装置25に対し一様に接触させることができる。また、各第2帯部44の幅W2が、中央部45から連結部46に近づくに従い徐々に大きくなる。そのため、第1軸線L1を中心としてセンサ装置25が回転されても、各第2帯部44の全体を、第2軸線L2に沿う方向における位置に拘らず、センサ装置25に対し一様に接触させることができる。
【0104】
・図示はしないが、各第1帯部42の幅W1及び厚みT1の両方が、連結部46において中央部43よりも大きく設定され、各第2帯部44の幅W2及び厚みT2の両方又は一方が、連結部46において中央部45よりも大きく設定されてもよい。
【0105】
また、図示はしないが、各第1帯部42の幅W1及び厚みT1の両方又は一方が、連結部46において中央部43よりも大きく設定され、各第2帯部44の幅W2及び厚みT2の両方が、連結部46において中央部45よりも大きく設定されてもよい。
【0106】
上記いずれの場合にも、連結部46での厚みT1cが、中央部43での厚みT1mに対し、120%以上に設定されることが好ましい。連結部46での厚みT2cが、中央部45での厚みT2mに対し、120%以上に設定されることが好ましい。
【0107】
また、連結部46での幅W1cが、中央部43での幅W1mに対し、120%以上に設定されることが好ましい。連結部46での幅W2cが、中央部45での幅W2mに対し、120%以上に設定されることが好ましい。
【0108】
これらの変更例によると、第2実施形態、上記図18の変更例及び図19の変更例と同様の効果が得られる。
すなわち、第2軸線L2を中心としてセンサ装置25が回転されても、また、第1軸線L1を中心としてセンサ装置25が回転されても、全ての連結部46を、センサ装置25に対し接触させることができる。
【0109】
・さらに、図示はしないが、センサ装置25に接触する各第1帯部42の幅W1及び厚みT1の両方、あるいは一方は、中央部43から連結部46に近づくに従い徐々に大きくなるように設定されてもよい。また、センサ装置25に接触する各第2帯部44の幅W2及び厚みT2の両方、あるいは一方は、中央部45から連結部46に近づくに従い徐々に大きくなるように設定されてもよい。
【0110】
これらの変更例によると、第2実施形態、上記図18の変更例及び図19の変更例と同様の効果が得られる。
すなわち、第2軸線L2を中心としてセンサ装置25が回転されても、各第1帯部42の全体を、第1軸線L1に沿う方向における位置に拘らず、センサ装置25に対し一様に接触させることができる。また、第1軸線L1を中心としてセンサ装置25が回転されても、各第2帯部44の全体を、第2軸線L2に沿う方向における位置に拘らず、センサ装置25に対し一様に接触させることができる。
【0111】
<シール部材40の取付対象及び接触対象について>
・シール部材40は、カバー本体部31及びセンサ装置25の一方を取付対象とし、かつ他方を接触対象とすればよい。従って、センサ装置25が取付対象とされ、カバー本体部31が接触対象とされてもよい。
【0112】
例えば、シール部材40が発泡シール部41のみによって構成される第1及び第2実施形態では、図示しないが、発泡シール部41がセンサ装置25に直接取り付けられてもよい。また、発泡シール部41は、センサ装置25に対し、別部材を介して間接的に取り付けられてもよい。発泡シール部41の前面がカバー本体部31の後面、例えば、被着部33における突部35に接触されてもよい。
【0113】
また、シール部材40が発泡シール部41及び補助シール部51によって構成される第3実施形態では、図20に示す態様でシール部材40が配置されてもよい。なお、図20の変更例において、第3実施形態で説明したものと同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0114】
図20の変更例では、補助シール部51は、電磁波透過部26aを取り囲んだ状態でセンサ装置25のケース26に取り付けられる。発泡シール部41は、補助シール部51に結合される。表現を変えると、発泡シール部41は補助シール部51を介してセンサ装置25に間接的に取り付けられる。発泡シール部41は、電磁波透過部26aを取り囲んだ状態で被着部33(図20では突部35)に接触させられる。なお、この場合、被着部33が省略されて、発泡シール部41が板状部32に接触させられてもよい。
【0115】
上述した第1~第3実施形態のそれぞれに対応するいずれの変更例でも、シール部材40の取付対象と接触対象との関係が、第1~第3実施形態と逆になる。しかし、いずれの変更例も、センサ装置25とカバー本体部31との間の隙間G1に、電磁波透過部26aを取り囲んだ状態でシール部材40が配置される点で、第1~第3実施形態と共通する。そのため、シール部材40は、水及びゴミが隙間G1のうち、シール部材40によって取り囲まれた領域へ侵入するのを規制する。
【0116】
従って、上記の各変更例によっても、第1~第3実施形態と同様の効果を得ることができる。
<補助シール部51に関する事項>
・第3実施形態及び上記図20の変更例における補助シール部51は、蛇腹状の形状変化部52を一部にのみ有していてもよい。
【0117】
・第3実施形態における補助シール部51が、第2実施形態、及び図16図19の各変更例において、発泡シール部41とともにシール部材40を構成する部材として用いられてもよい。
【0118】
<発泡シール部41及び補助シール部51に関する事項>
・発泡シール部41及び補助シール部51のうち、少なくとも発泡シール部41は、電磁波透過部26aを取り囲むことのできる大きさの環状であることを条件に、四角環状とは異なる形状の環状に形成されてもよい。この形状としては、例えば、楕円環状及び円環状が挙げられるほか、三角形、五角形等、四角形とは異なる多角形の環状も挙げられる。
【0119】
<その他の事項>
・センサ装置25及び電磁波透過カバー30の車両10に対する取付箇所が、上記各実施形態とは異なる箇所に変更されてもよい。例えば、センサ装置25が電磁波透過カバー30と同様、フロントグリル12に取り付けられてもよい。
【0120】
・上記電磁波透過カバー30は、車外の物体を検出するための電磁波を送信及び受信するセンサ装置25が搭載された車両10であれば適用可能である。この場合、センサ装置25が送信及び受信する電磁波には、近赤外線のほかにも、ミリ波が含まれる。電磁波がミリ波の場合、ミリ波レーダ装置がセンサ装置25として機能する。
【0121】
・車外の物体を検出するための電磁波を送信及び受信するセンサ装置25は、前方監視用以外にも、後方監視用、前側方監視用、又は後側方監視用の装置であってもよい。この場合、電磁波透過カバー30は、電磁波の送信方向におけるセンサ装置25の前方に配置される。
【0122】
・上記電磁波透過カバー30は、エンブレム、オーナメント、マーク等の車両用外装品を兼ねてもよい。
・センサモジュール20は、車両10とは異なる種類の乗物、例えば、航空機、船舶等の乗物にも搭載可能である。
【符号の説明】
【0123】
10…車両(乗物)
20…センサモジュール
25…センサ装置
26a…電磁波透過部
30…電磁波透過カバー
31…カバー本体部
40…シール部材
41…発泡シール部
42…第1帯部
43,45…中央部
44…第2帯部
46…連結部
51…補助シール部
52…形状変化部
L1…第1軸線
L2…第2軸線
T1,T1c,T1m,T2,T2c,T2m…厚み
W1,W1c,W1m,W2,W2c,W2m…幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図20