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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025556
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】センサ装置および路面状態判定装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/17 20060101AFI20240216BHJP
【FI】
G01N21/17 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022129074
(22)【出願日】2022-08-12
(71)【出願人】
【識別番号】390010054
【氏名又は名称】コイト電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】東田 憲
(72)【発明者】
【氏名】石川 恒
【テーマコード(参考)】
2G059
【Fターム(参考)】
2G059AA05
2G059BB20
2G059CC09
2G059EE02
2G059GG02
2G059GG03
2G059GG07
2G059HH01
2G059JJ11
2G059KK03
2G059MM05
(57)【要約】
【課題】路面状態を判定することができる距離をより拡張することが可能なセンサ装置および路面状況判定装置を提供する。
【解決手段】本発明の一形態に係るセンサ装置は、第1の発光素子と、第2の発光素子と、集光レンズと、第1の受光素子と、第2の受光素子と、受光レンズとを具備する。第1の発光素子は、第1の検出領域に第1の検出光を照射する。第2の発光素子は、第2の検出領域に第2の検出光を照射する。集光レンズは、第1の検出光を第1の検出領域に導き、第2の検出光を第2の検出領域に導く。第1の受光素子は、第1の検出光を受光する。第2の受光素子は、第2の検出光を受光する。受光レンズは、第1の検出光を第1の受光素子に導き、第2の検出光を第2の受光素子に導く。集光レンズは、受光レンズと隣接して配置され、集光レンズの長軸方向とは直交する短軸方向に受光レンズと隣接する隣接部を有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の検出領域に向けて第1の検出光を照射し、第1の面上に配置される第1の発光素子と、
前記第1の検出領域とは異なる第2の検出領域に向けて第2の検出光を照射し、前記第1の面上に配置される第2の発光素子と、
前記第1の発光素子から照射された前記第1の検出光を前記第1の検出領域に導き、前記第2の発光素子から照射された前記第2の検出光を前記第2の検出領域に導く集光レンズと、
前記第1の検出領域で反射された前記第1の検出光を受光し、前記第1の面上に配置される第1の受光素子と、
前記第2の検出領域で反射された前記第2の検出光を受光し、前記第1の面上に配置される第2の受光素子と、
前記第1の検出領域で反射された前記第1の検出光を前記第1の受光素子に導き、前記第2の検出領域で反射された前記第2の検出光を前記第2の受光素子に導く受光レンズと
を具備し、
前記集光レンズは、前記受光レンズと隣接して配置され、前記集光レンズの長軸方向とは直交する短軸方向に前記受光レンズと隣接する隣接部を有する
センサ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のセンサ装置であって、
前記隣接部は、前記長軸方向に平行である
センサ装置。
【請求項3】
請求項1に記載のセンサ装置であって、
前記第1の受光素子及び前記第2の受光素子の配列方向は、前記長軸方向と平行である
センサ装置。
【請求項4】
請求項1に記載のセンサ装置であって、
前記第1の検出領域及び前記第2の検出領域とは異なる第3の検出領域に向けて第3の検出光を照射し、前記第1の面上に配置される第3の発光素子と、前記第3の検出領域で反射された前記第3の検出光を受光し、前記第1の面上に配置される第3の受光素子と、をさらに具備し、
前記集光レンズは、前記第3の発光素子から照射された前記第3の検出光を前記第3の検出領域に導き、
前記受光レンズは、前記第3の検出領域で反射された前記第3の検出光を前記第3の受光素子に導き、
前記第1の発光素子と前記第2の発光素子と前記第3の発光素子及び前記第1の受光素子と前記第2の受光素子と前記第3の受光素子とは、前記長軸と平行である
センサ装置。
【請求項5】
第1の検出領域に向けて第1の検出光を照射し、第1の面上に配置される第1の発光素子と、
前記第1の検出領域とは異なる第2の検出領域に向けて第2の検出光を照射し、前記第1の面上に配置される第2の発光素子と、
前記第1の発光素子から照射された前記第1の検出光を前記第1の検出領域に導き、前記第2の発光素子から照射された前記第2の検出光を前記第2の検出領域に導く集光レンズと、
前記第1の検出領域で反射された前記第1の検出光を受光し、前記第1の面上に配置される第1の受光素子と、
前記第2の検出領域で反射された前記第2の検出光を受光し、前記第1の面上に配置される第2の受光素子と、
前記第1の検出領域で反射された前記第1の検出光を前記第1の受光素子へ導く第1の受光レンズと、
前記第2の検出領域で反射された前記第2の検出光を前記第2の受光素子へ導く第2の受光レンズと
を具備し、
前記第1の受光レンズ及び前記第2の受光レンズは、前記集光レンズの周方向に沿ってそれぞれ隣接して配置され、
前記集光レンズは、前記集光レンズの中心から第1の距離離れた周辺部と、前記集光レンズの中心から前記第1の距離よりも短い第2の距離離れた隣接部と、を有し、
前記隣接部は、前記第1の受光レンズ及び前記第2の受光レンズそれぞれと隣接する
センサ装置。
【請求項6】
請求項5に記載のセンサ装置であって、
前記第1の検出領域及び前記第2の検出領域とは異なる第3の検出領域に向けて第3の検出光を照射し、前記第1の面上に配置される第3の発光素子と、前記第3の検出領域で反射された前記第3の検出光を受光し、前記第1の面上に配置される第3の受光素子と、をさらに具備し、
前記集光レンズは、前記第3の発光素子から照射された前記第3の検出光を前記第3の検出領域に導き、
前記受光レンズは、前記第3の検出領域で反射された前記第3の検出光を前記第3の受光素子に導き、前記隣接部と隣接する第3の受光レンズをさらに有し、
前記第1の発光素子と前記第2の発光素子と前記第3の発光素子とは、前記集光レンズの中心を重心とした三角形の頂点にそれぞれ配置され、
前記隣接部は、前記三角形の3辺それぞれと対向する
センサ装置。
【請求項7】
第1の検出領域に向けて第1の検出光を照射し、第1の面上に配置される第1の発光素子と、
前記第1の検出領域とは異なる第2の検出領域に向けて第2の検出光を照射し、前記第1の面上に配置される第2の発光素子と、
前記第1の発光素子から照射された前記第1の検出光を前記第1の検出領域に導く第1の集光レンズと、
前記第2の発光素子から照射された前記第2の検出光を前記第2の検出領域に導く第2の集光レンズと
前記第1の検出領域で反射された前記第1の検出光を受光し、前記第1の面上に配置される第1の受光素子と、
前記第2の検出領域で反射された前記第2の検出光を受光し、前記第1の面上に配置される第2の受光素子と、
前記第1の検出領域で反射された前記第1の検出光を前記第1の受光素子に導き、前記第2の検出領域で反射された前記第2の検出光を前記第2の受光素子に導く受光レンズと
を具備し、
前記第1の集光レンズ及び前記第2の集光レンズは、前記受光レンズの周方向に沿ってそれぞれ隣接して配置される
センサ装置。
【請求項8】
請求項7に記載のセンサ装置であって、
前記受光レンズは、前記第1の集光レンズ及び前記第2の集光レンズそれぞれの径より大きい
センサ装置。
【請求項9】
検出領域に向けて検出光を照射する発光素子と、
前記検出領域で反射された前記検出光を受光する受光素子と、
前記受光素子と対向して配置され前記発光素子から照射された前記検出光を前記検出領域内に導き、前記検出領域で反射された前記検出光を前記受光素子に導くレンズと、
前記発光素子から照射された前記検出光を前記レンズへ反射させ、前記検出領域で反射され前記レンズを通過した前記検出光を前記受光素子側へ透過させるハーフミラーと
を具備するセンサ装置。
【請求項10】
第1の検出領域に向けて第1の検出光を照射し、第1の面上に配置される第1の発光素子と、
前記第1の検出領域とは異なる第2の検出領域に向けて第2の検出光を照射し、前記第1の面上に配置される第2の発光素子と、
前記第1の発光素子から照射された前記第1の検出光を前記第1の検出領域に導き、前記第2の発光素子から照射された前記第2の検出光を前記第2の検出領域に導く集光レンズと、
前記第1の検出領域で反射された前記第1の検出光を受光し、前記第1の面上に配置される第1の受光素子と、
前記第2の検出領域で反射された前記第2の検出光を受光し、前記第1の面上に配置される第2の受光素子と、
前記第1の検出領域で反射された前記第1の検出光を前記第1の受光素子に導き、前記第2の検出領域で反射された前記第2の検出光を前記第2の受光素子に導く受光レンズと
を有し、
前記集光レンズは、前記受光レンズと隣接して配置され、前記集光レンズの長軸方向とは直交する短軸方向に前記受光レンズと隣接する隣接部を有する
センサ装置と、
前記センサ装置の出力に基づいて、前記路面の状態を判定する判定部と
を具備する路面状態判定装置。
【請求項11】
請求項10に記載の路面状態判定装置であって、
前記路面の温度を検出する路温計と、前記センサ装置の周囲の温度を検出する温度計とをさらに具備し、
前記判定部は、前記センサ装置と前記路温計と前記温度計との出力に基づいて前記路面の状態を判定する
路面状態判定装置。
【請求項12】
第1の検出領域に向けて第1の検出光を照射し、第1の面上に配置される第1の発光素子と、
前記第1の検出領域とは異なる第2の検出領域に向けて第2の検出光を照射し、前記第1の面上に配置される第2の発光素子と、
前記第1の発光素子から照射された前記第1の検出光を前記第1の検出領域に導き、前記第2の発光素子から照射された前記第2の検出光を前記第2の検出領域に導く集光レンズと、
前記第1の検出領域で反射された前記第1の検出光を受光し、前記第1の面上に配置される第1の受光素子と、
前記第2の検出領域で反射された前記第2の検出光を受光し、前記第1の面上に配置される第2の受光素子と、
前記第1の検出領域で反射された前記第1の検出光を前記第1の受光素子へ導く第1の受光レンズと、
前記第2の検出領域で反射された前記第2の検出光を前記第2の受光素子へ導く第2の受光レンズと
を有し、
前記第1の受光レンズ及び前記第2の受光レンズは、前記集光レンズの周方向に沿ってそれぞれ隣接して配置され、
前記集光レンズは、前記集光レンズの中心から第1の距離離れた周辺部と、前記集光レンズの中心から前記第1の距離よりも短い第2の距離離れた隣接部と、を有し、
前記隣接部は、前記第1の受光レンズ及び前記第2の受光レンズそれぞれと隣接する
センサ装置と、
前記センサ装置の出力に基づいて、前記路面の状態を判定する判定部と
を具備する路面状態判定装置。
【請求項13】
請求項12に記載の路面状態判定装置であって、
前記路面の温度を検出する路温計と、前記センサ装置の周囲の温度を検出する温度計とをさらに具備し、
前記判定部は、前記センサ装置と前記路温計と前記温度計との出力に基づいて前記路面の状態を判定する
路面状態判定装置。
【請求項14】
第1の検出領域に向けて第1の検出光を照射し、第1の面上に配置される第1の発光素子と、
前記第1の検出領域とは異なる第2の検出領域に向けて第2の検出光を照射し、前記第1の面上に配置される第2の発光素子と、
前記第1の発光素子から照射された前記第1の検出光を前記第1の検出領域に導く第1の集光レンズと、
前記第2の発光素子から照射された前記第2の検出光を前記第2の検出領域に導く第2の集光レンズと
前記第1の検出領域で反射された前記第1の検出光を受光し、前記第1の面上に配置される第1の受光素子と、
前記第2の検出領域で反射された前記第2の検出光を受光し、前記第1の面上に配置される第2の受光素子と、
前記第1の検出領域で反射された前記第1の検出光を前記第1の受光素子に導き、前記第2の検出領域で反射された前記第2の検出光を前記第2の受光素子に導く受光レンズと
を有し、
前記第1の集光レンズ及び前記第2の集光レンズは、前記受光レンズの周方向に沿ってそれぞれ隣接して配置される
センサ装置と、
前記センサ装置の出力に基づいて、前記路面の状態を判定する判定部と
を具備する路面状態判定装置。
【請求項15】
請求項14に記載の路面状態判定装置であって、
前記路面の温度を検出する路温計と、前記センサ装置の周囲の温度を検出する温度計とをさらに具備し、
前記判定部は、前記センサ装置と前記路温計と前記温度計との出力に基づいて前記路面の状態を判定する
路面状態判定装置。
【請求項16】
検出領域に向けて検出光を照射する発光素子と、
前記検出領域で反射された前記検出光を受光する受光素子と、
前記受光素子と対向して配置され前記発光素子から照射された前記検出光を前記検出領域内に導き、前記検出領域で反射された前記検出光を前記受光素子に導くレンズと、
前記発光素子から照射された前記検出光を前記レンズへ反射させ、前記検出領域で反射され前記レンズを通過した前記検出光を前記受光素子側へ透過させるハーフミラーと
を有するセンサ装置と、
前記センサ装置の出力に基づいて、前記路面の状態を判定する判定部と
を具備する路面状態判定装置。
【請求項17】
請求項16に記載の路面状態判定装置であって、
前記路面の温度を検出する路温計と、前記センサ装置の周囲の温度を検出する温度計とをさらに具備し、
前記判定部は、前記センサ装置と前記路温計と前記温度計との出力に基づいて前記路面の状態を判定する
路面状態判定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、路面の状態を判定可能なセンサ装置および路面状況判定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、路面状態を検知する路面状態検知システムが知られている。例えば特許文献1には、複数の光源を有する光源部から出射された測定光を路面に向けて照射し、路面から反射して戻ってくる測定光を複数の受光部により受光し、複数の受光部により受光された測定光の情報に基づいて、路面の状態を検知する路面状態検知システムについて記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-106443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら特許文献1では、光源部と受光部との交差角が大きいため、路面状態を判定することができる距離を拡張することが難しく様々な道路幅(路側、歩道など)に対応することが難しいという問題があった。
【0005】
以上のような事情を鑑み、本発明の目的は、路面状態を判定することができる距離をより拡張することが可能なセンサ装置および路面状況判定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態に係るセンサ装置は、第1の発光素子と、第2の発光素子と、集光レンズと、第1の受光素子と、第2の受光素子と、受光レンズとを具備する。
上記第1の発光素子は、第1の検出領域に向けて第1の検出光を照射し、第1の面上に配置される。
上記第2の発光素子は、上記第1の検出領域とは異なる第2の検出領域に向けて第2の検出光を照射し、上記第1の面上に配置される。
上記集光レンズは、上記第1の発光素子から照射された上記第1の検出光を上記第1の検出領域に導き、上記第2の発光素子から照射された上記第2の検出光を上記第2の検出領域に導く。
上記第1の受光素子は、上記第1の検出領域で反射された上記第1の検出光を受光し、上記第1の面上に配置される。
上記第2の受光素子は、上記第2の検出領域で反射された上記第2の検出光を受光し、上記第1の面上に配置される。
上記受光レンズは、上記第1の検出領域で反射された上記第1の検出光を上記第1の受光素子に導き、上記第2の検出領域で反射された上記第2の検出光を上記第2の受光素子に導く。
上記集光レンズは、上記受光レンズと隣接して配置され、上記集光レンズの長軸方向とは直交する短軸方向に上記受光レンズと隣接する隣接部を有する。
【0007】
集光レンズは集光レンズの長軸方向とは直交する短軸方向に受光レンズと隣接する隣接部を有する。これによりセンサ装置は、集光レンズと受光レンズとの距離を縮めることが可能となり、その縮めた分交差角が小さくなり、測定可能距離を拡張することができる。
【0008】
上記隣接部は、上記長軸方向に平行であってもよい。
【0009】
上記第1の受光素子及び上記第2の受光素子の配列方向は、上記長軸方向と平行であってもよい。
【0010】
上記第1の検出領域及び上記第2の検出領域とは異なる第3の検出領域に向けて第3の検出光を照射し、上記第1の面上に配置される第3の発光素子と、上記第3の検出領域で反射された上記第3の検出光を受光し、上記第1の面上に配置される第3の受光素子と、をさらに具備してもよい。
その場合、上記集光レンズは、上記第3の発光素子から照射された上記第3の検出光を上記第3の検出領域に導き、
上記受光レンズは、上記第3の検出領域で反射された上記第3の検出光を上記第3の受光素子に導き、
上記第1の発光素子と上記第2の発光素子と上記第3の発光素子及び上記第1の受光素子と上記第2の受光素子と上記第3の受光素子とは、上記長軸方向と平行である。
【0011】
本発明の一形態に係るセンサ装置は、第1の発光素子と、第2の発光素子と、集光レンズと、第1の受光素子と、第2の受光素子と、第1の受光レンズと、第2の受光レンズとを具備する。
上記第1の発光素子は、第1の検出領域に向けて第1の検出光を照射し、第1の面上に配置される。
上記第2の発光素子は、上記第1の検出領域とは異なる第2の検出領域に向けて第2の検出光を照射し、上記第1の面上に配置される。
上記集光レンズは、上記第1の発光素子から照射された上記第1の検出光を上記第1の検出領域に導き、上記第2の発光素子から照射された上記第2の検出光を上記第2の検出領域に導く。
上記第1の受光素子は、上記第1の検出領域で反射された上記第1の検出光を受光し、上記第1の面上に配置される。
上記第2の受光素子は、上記第2の検出領域で反射された上記第2の検出光を受光し、上記第1の面上に配置される。
上記第1の受光レンズは、上記第1の検出領域で反射された上記第1の検出光を上記第1の受光素子へ導く。
上記第2の受光レンズは、上記第2の検出領域で反射された上記第2の検出光を上記第2の受光素子へ導く。
上記第1の受光レンズ及び上記第2の受光レンズは、上記集光レンズの周方向に沿ってそれぞれ隣接して配置され、
上記集光レンズは、上記集光レンズの中心から第1の距離離れた周辺部と、上記集光レンズの中心から上記第1の距離よりも短い第2の距離離れた隣接部と、を有し、
上記隣接部は、上記第1の受光レンズ及び上記第2の受光レンズそれぞれと隣接する。
【0012】
上記第1の検出領域及び上記第2の検出領域とは異なる第3の検出領域に向けて第3の検出光を照射し、上記第1の面上に配置される第3の発光素子と、上記第3の検出領域で反射された上記第3の検出光を受光し、上記第1の面上に配置される第3の受光素子と、をさらに具備してもよい。
その場合、上記集光レンズは、上記第3の発光素子から照射された上記第3の検出光を上記第3の検出領域に導き、
上記受光レンズは、上記第3の検出領域で反射された上記第3の検出光を上記第3の受光素子に導き、上記隣接部と隣接し、
上記第1の発光素子と上記第2の発光素子と上記第3の発光素子とは、上記集光レンズの中心を重心とした三角形の頂点にそれぞれ配置され、
上記隣接部は、上記三角形の3辺それぞれと対向する。
【0013】
本発明の一形態に係るセンサ装置は、第1の発光素子と、第2の発光素子と、第1の集光レンズと、第2の集光レンズと、第1の受光素子と、第2の受光素子と、受光レンズとを具備する。
上記第1の発光素子は、第1の検出領域に向けて第1の検出光を照射し、第1の面上に配置される。
上記第2の発光素子は、上記第1の検出領域とは異なる第2の検出領域に向けて第2の検出光を照射し、上記第1の面上に配置される。
上記第1の集光レンズは、上記第1の発光素子から照射された上記第1の検出光を上記第1の検出領域に導く。
上記第2の集光レンズは、上記第2の発光素子から照射された上記第2の検出光を上記第2の検出領域に導く。
上記第1の受光素子は、上記第1の検出領域で反射された上記第1の検出光を受光し、上記第1の面上に配置される。
上記第2の受光素子は、上記第2の検出領域で反射された上記第2の検出光を受光し、上記第1の面上に配置される。
上記受光レンズは、上記第1の検出領域で反射された上記第1の検出光を上記第1の受光素子に導き、上記第2の検出領域で反射された上記第2の検出光を上記第2の受光素子に導く。
上記第1の集光レンズ及び上記第2の集光レンズは、上記受光レンズの周方向に沿ってそれぞれ隣接して配置される。
【0014】
上記受光レンズは、上記第1の集光レンズ及び上記第2の集光レンズそれぞれの径より大きくてもよい。
【0015】
本発明の一形態に係るセンサ装置は、発光素子と、受光素子と、レンズと、ハーフミラーとを具備する。
上記発光素子は、検出領域に向けて検出光を照射する。
上記受光素子は、上記検出領域で反射された上記検出光を受光する。
上記レンズは、上記受光素子と対向して配置され上記発光素子から照射された上記検出光を上記検出領域内に導き、上記検出領域で反射された上記検出光を上記受光素子に導く。
上記ハーフミラーは、上記発光素子から照射された上記検出光を前記レンズへ反射させ、上記検出領域で反射され上記レンズを通過した上記検出光を上記受光素子側へ透過させる。
【0016】
本発明の一形態に係る路面状態判定装置は、センサ装置と、判定部とを具備する。
上記センサ装置は、第1の発光素子と、第2の発光素子と、集光レンズと、第1の受光素子と、第2の受光素子と、受光レンズとを具備する。
上記第1の発光素子は、第1の検出領域に向けて第1の検出光を照射し、第1の面上に配置される。
上記第2の発光素子は、上記第1の検出領域とは異なる第2の検出領域に向けて第2の検出光を照射し、上記第1の面上に配置される。
上記集光レンズは、上記第1の発光素子から照射された上記第1の検出光を上記第1の検出領域に導き、上記第2の発光素子から照射された上記第2の検出光を上記第2の検出領域に導く。
上記第1の受光素子は、上記第1の検出領域で反射された上記第1の検出光を受光し、上記第1の面上に配置される。
上記第2の受光素子は、上記第2の検出領域で反射された上記第2の検出光を受光し、上記第1の面上に配置される。
上記受光レンズは、上記第1の検出領域で反射された上記第1の検出光を上記第1の受光素子に導き、上記第2の検出領域で反射された上記第2の検出光を上記第2の受光素子に導く。
上記集光レンズは、上記受光レンズと隣接して配置され、上記集光レンズの長軸方向とは直交する短軸方向に上記受光レンズと隣接する隣接部を有する。
上記判定部は、上記センサ装置の出力に基づいて、上記路面の状態を判定する。
【0017】
上記路面の温度を検出する路温計と、上記センサ装置の周囲の温度を検出する気温計とをさらに具備してもよい。
その場合、上記判定部は、上記センサ装置と上記路温計と上記気温計との出力に基づいて上記路面の状態を判定する。
【0018】
本発明の一形態に係る路面状態判定装置は、センサ装置と、判定部とを具備する。
上記センサ装置は、第1の発光素子と、第2の発光素子と、集光レンズと、第1の受光素子と、第2の受光素子と、第1の受光レンズと、第2の受光レンズとを具備する。
上記第1の発光素子は、第1の検出領域に向けて第1の検出光を照射し、第1の面上に配置される。
上記第2の発光素子は、上記第1の検出領域とは異なる第2の検出領域に向けて第2の検出光を照射し、上記第1の面上に配置される。
上記集光レンズは、上記第1の発光素子から照射された上記第1の検出光を上記第1の検出領域に導き、上記第2の発光素子から照射された上記第2の検出光を上記第2の検出領域に導く。
上記第1の受光素子は、上記第1の検出領域で反射された上記第1の検出光を受光し、上記第1の面上に配置される。
上記第2の受光素子は、上記第2の検出領域で反射された上記第2の検出光を受光し、上記第1の面上に配置される。
上記第1の受光レンズは、上記第1の検出領域で反射された上記第1の検出光を上記第1の受光素子へ導く。
上記第2の受光レンズは、上記第2の検出領域で反射された上記第2の検出光を上記第2の受光素子へ導く。
上記第1の受光レンズ及び上記第2の受光レンズは、上記集光レンズの周方向に沿ってそれぞれ隣接して配置され、
上記集光レンズは、上記集光レンズの中心から第1の距離離れた周辺部と、上記集光レンズの中心から上記第1の距離よりも短い第2の距離離れた隣接部と、を有し、
上記隣接部は、上記第1の受光レンズ及び上記第2の受光レンズそれぞれと隣接する。
上記判定部は、上記センサ装置の出力に基づいて、上記路面の状態を判定する。
【0019】
上記路面の温度を検出する路温計と、上記センサ装置の周囲の温度を検出する気温計とをさらに具備してもよい。
その場合、上記判定部は、上記センサ装置と上記路温計と上記気温計との出力に基づいて上記路面の状態を判定する。
【0020】
本発明の一形態に係る路面状態判定装置は、センサ装置と、判定部とを具備する。
上記センサ装置は、第1の発光素子と、第2の発光素子と、第1の集光レンズと、第2の集光レンズと、第1の受光素子と、第2の受光素子と、受光レンズとを有する。
上記第1の発光素子は、第1の検出領域に向けて第1の検出光を照射し、第1の面上に配置される。
上記第2の発光素子は、上記第1の検出領域とは異なる第2の検出領域に向けて第2の検出光を照射し、上記第1の面上に配置される。
上記第1の集光レンズは、上記第1の発光素子から照射された上記第1の検出光を上記第1の検出領域に導く。
上記第2の集光レンズは、上記第2の発光素子から照射された上記第2の検出光を上記第2の検出領域に導く。
上記第1の受光素子は、上記第1の検出領域で反射された上記第1の検出光を受光し、上記第1の面上に配置される。
上記第2の受光素子は、上記第2の検出領域で反射された上記第2の検出光を受光し、上記第1の面上に配置される。
上記受光レンズは、上記第1の検出領域で反射された上記第1の検出光を上記第1の受光素子に導き、上記第2の検出領域で反射された上記第2の検出光を上記第2の受光素子に導く。
上記第1の集光レンズ及び上記第2の集光レンズは、上記受光レンズの周方向に沿ってそれぞれ隣接して配置される。
上記判定部は、上記センサ装置の出力に基づいて、上記路面の状態を判定する。
【0021】
上記路面の温度を検出する路温計と、上記センサ装置の周囲の温度を検出する気温計とをさらに具備してもよい。
その場合、上記判定部は、上記センサ装置と上記路温計と上記気温計との出力に基づいて上記路面の状態を判定する。
【0022】
本発明の一形態に係る路面状態判定装置は、センサ装置と、判定部とを具備する。
上記センサ装置は、発光素子と、受光素子と、レンズと、ハーフミラーとを具備する。
上記発光素子は、路面に向けて検出光を照射する。
上記受光素子は、上記路面で反射された上記検出光を受光する。
上記レンズは、上記受光素子と対向して配置され上記発光素子から照射された上記検出光を上記路面内に導き、上記路面で反射された上記検出光を上記受光素子に導く。
上記ハーフミラーは、上記発光素子から照射された上記検出光を前記レンズへ反射させ、上記路面で反射され上記レンズを通過した上記検出光を上記受光素子側へ透過させる。
上記判定部は、上記センサ装置の出力に基づいて、上記路面の状態を判定する。
【0023】
上記路面の温度を検出する路温計と、上記センサ装置の周囲の温度を検出する気温計とをさらに具備してもよい。
その場合、上記判定部は、上記センサ装置と上記路温計と上記気温計との出力に基づいて上記路面の状態を判定する。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、路面状態を判定することができる距離をより拡張することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の第1の実施形態に係る路面状態判定装置が路側に設置された図である。
図2】路面状態判定装置のブロック図である。
図3】センサ装置の光路を示す図である。
図4】検出領域側から見たセンサ装置が筐体内に配置された図である。
図5】センサ装置の発光タイミングを示す図である。
図6】従来のセンサ装置を示す図である。
図7】センサ装置の測定範囲を示す図であり、(A)は、従来のセンサ装置の測定範囲を示す図、(B)は、従来のセンサ装置の測定範囲を遠方に伸ばした図、(C)は、本実施形態に係るセンサ装置の測定範囲を示す図である。
図8】路面状態判定装置が路側に設置された図であり、(A)は、路側幅が狭い場合の図であり、(B)は、路側幅が広い場合の図である。
図9】変形例1に係るセンサ装置を示す図である。
図10】本発明の第2の実施形態に係るセンサ装置を示す図である。
図11】本発明の第3の実施形態に係るセンサ装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る路面状態判定装置1が路側Rに設置された図である。図2は、路面状態判定装置1のブロック図である。図3は、センサ装置20の光路を示す図である。図4は、センサ装置20の発光タイミングを示す図である。各図においてX軸、Y軸およびZ軸は相互に直交する3軸方向を示している。
【0027】
<第1の実施形態>
路面状態判定装置1は、筐体10と、センサ装置20と、路温計30と、気温計40と、制御装置50と、を備える。図1に示すように路側Rに設置された路側Rの地面から高さHを有する支柱Pに対して設けられている。高さHは特に限られないが、本実施形態では、おおよそ5mである。
【0028】
(筐体)
筐体10は、路面状態判定装置1における筐体であり、支柱Pに設けられており、センサ装置20(後述)と、路温計30(後述)と、制御装置50(後述)とを収容し、筐体10の外側面に気温計40(後述)が取り付けられている。
【0029】
筐体10は、遮光性の材料から形成されている。これにより、外光が筐体10内に入射するのを抑制することができる。具体的には、筐体10は、複数の受光素子21B(図3参照)が受光する光に対して遮光性を有する樹脂材料又は金属材料から形成されている。
【0030】
筐体10の外壁には、複数の開口が設けられており、これらの開口に発光ユニット20Aの集光レンズ23Aと、受光ユニット20Bの受光レンズ23Bと、路温計30とが取り付けられている。
【0031】
(路温計)
路温計30は、筐体10内に取り付けられており、道路Dを臨むように設置されている。本実施形態では路温計30は、道路Dの温度を非接触で測定する遠赤外線式非接触温度計であるが、遠赤外線に限らず、近赤外線であってもよい。また非接触式に限らず、埋設式の路温計であってもよい。
【0032】
路温計30は、制御装置50の判定部54と電気的に接続されており、検出結果(道路D上の温度)を判定部54に出力する。もちろん、これに限らず、通信部51を介して判定部54に検出結果を送信してもよい。
【0033】
(気温計)
気温計40は、センサ装置20の周囲の温度を検出する。気温計40は、上述したように筐体10の外側面に取り付けられており、筐体10外の外気温を検出する。
【0034】
気温計30は、制御装置50の判定部54と電気的に接続されており、検出結果(センサ装置20の周囲の温度)を判定部54に出力する。もちろん、これに限らず、通信部51を介して判定部54に検出結果を送信してもよい。
【0035】
[センサ装置]
センサ装置20は、筐体10内に取り付けられ、道路D上の水分量を検出する光学式のセンサである。センサ装置20は、道路Dに向けて検出光L1~L3を照射するように配置されている。センサ装置20は、発光ユニット20Aと、受光ユニット20Bと、を有する。
【0036】
(発光ユニット)
発光ユニット20Aは、複数の発光素子21Aと、発光基板22Aと、集光レンズ23Aと、を有する。
【0037】
(発光素子)
本実施形態では複数の発光素子21Aは、第1の発光素子211A、第2の発光素子212A、第3の発光素子213Aを有する。もちろん発光素子の数は、3つに限定されるものではなく、2つや4つ以上であってもよい。本実施形態では複数の発光素子21Aは、波長がおおよそ850nmの近赤外線である検出光を照射するがこれに限らない。複数の発光素子21Aが照射する光の波長は同一のものに限らず、それぞれ異なっていてもよい。また複数の発光素子21Aは本実施形態ではLED(Light Emitting Diode)光源である。もちろんこれに限らず、レーザー等の光源であってもよい。また本実施形態では複数の発光素子21Aは直線状に配置され、第2の発光素子212AはZ軸上から見て後述する集光レンズ23Aの中心に位置するが、もちろんこれに限られない。
【0038】
(発光基板)
XY平面上である発光基板22Aの一方の面(第1の面)221Aには、複数の発光素子21Aが一直線上に取り付けられており、XY平面上である他方の面は、筐体10内に取り付けられている(図3、4参照)。発光基板22Aは後述する受光基板22Bを介して制御装置50の光源制御部52から出力された制御信号が入力される。これにより、複数の発光素子21Aの発光タイミング等が制御される。
【0039】
(集光レンズ)
集光レンズ23Aは、一方の面221A上から垂直なZ軸の正方向の所定位置に複数の発光素子21Aと対向して配置され、複数の発光素子21Aが照射した検出光L1~L3を道路Dに対して集光するレンズである。レンズの形状は凸レンズ(フレネルレンズ)であるが、これに限らない。また集光レンズ23Aは、筐体10に固定されているがこれに限らず、発光基板22A上に搭載され、複数の発光素子21Aを覆う形状のレンズであってもよい。集光レンズ23Aの形状については後述する。
【0040】
(受光ユニット)
受光ユニット20Bは、複数の受光素子21Bと、受光基板22Bと、受光レンズ23Bと、を有する。
【0041】
(受光素子)
本実施形態では複数の受光素子21Bは、第1の受光素子211B、第2の受光素子212B、第3の受光素子213Bを有する。もちろん発光素子の数は、3つに限定されるものではなく、2つや4以上であってもよい。本実施形態では複数の受光素子21Bは、赤外光に対して受光感度を有するフォトダイオード(Photo Diode)により構成されている。また複数の受光素子21Bは直線状に配置され、第2の受光素子212Bは後述する受光レンズ23Bの中心に位置する(Z軸上から見て)が、もちろんこれに限られない。
【0042】
(受光基板)
受光基板22Bの一方の面221Bには、複数の受光素子21Bが複数の発光素子21Aの配置方向と平行となるように一直線上に取り付けられており、他方の面は、筐体10内に取り付けられている(図4参照)。受光基板22Bの一方の面221Bは、上述した発光基板22Aの一方の面221Aと同一平面(第1の面)上に配置されている。受光基板22Bは後述する制御装置50の光源制御部52から出力された制御信号が入力される。本実施形態では発光基板22Aと受光基板22Bとは同一面上に配置されているが、もちろんこれに限らず、Z軸方向に異なる位置に配置されてもよい。
【0043】
(受光レンズ)
受光レンズ23Bは、道路Dによって反射した検出光L1~L3を複数の受光素子21Bに集光するレンズである。受光レンズ23Bは、一方の面221B上からZ軸の正方向の上記所定の位置に複数の受光素子21Bと対向して配置される。受光レンズ23Bは、検出領域W1~W3(Z軸上)から見て円形状の周縁部231Bを有するレンズ(すなわち円形状のレンズ)である。受光レンズ23Bは例えば、焦点が複数の受光素子21Bの受光面に位置するように筐体10に固定されている。レンズは凸レンズ(フレネルレンズ)であるが、これに限らない。また受光レンズ23Bは、筐体10に固定されているがこれに限らず、受光基板22B上に搭載され、複数の受光素子21Bを覆う形状のレンズであってもよい。受光レンズ23Bは、本実施形態では径が80mmの円形状である。本実施形態では集光レンズ23Aと受光レンズ23BとはZ軸方向の所定の位置のXY平面上に配置されているが、もちろんこれに限られず、Z軸方向に異なる位置に配置されてもよい。
【0044】
(発光ユニットと受光ユニット)
図1~3に示すように、本実施形態においてセンサ装置20の複数の発光素子21Aが検出光L1~L3を照射する検出領域は、第1の検出領域W1と第2の検出領域W2と第3の検出領域W3とである。本実施形態では発光素子が3つであるため、検出領域が3箇所であったが、検出領域として検出する領域の数は3つに限られず、発光素子の数に応じて適宜設定可能である。
【0045】
また本実施形態では路側Rの支柱Pから道路Dまでの路側幅RWは、おおよそ1.5mである。道路Dの車線幅(一車線分)D0は、おおよそ3.5mであり、路側Rから第3の検出領域W3の中心までの距離D1は、おおよそ0.75m、第3の検出領域W3の中心から第2の検出領域W2の中心までの距離D2は、おおよそ1.0m、第2の検出領域W2の中心から第1の検出領域W1の中心までの距離D3は、おおよそ1.0mである。
【0046】
図3に示すように、センサ装置20の第1の発光素子211Aが照射した第1の検出光L1は、集光レンズ23Aを介して第1の検出領域W1に照射される。第1の検出領域W1に照射され、反射された第1の検出光L1は受光レンズ23Bを介して第1の受光素子211Bに導かれる。ここで、第1の発光素子211Aの第1の検出光L1の光路長(第1の発光素子211Aから第1の検出領域W1までの距離)はおおよそ8mである。
【0047】
センサ装置20の第2の発光素子212Aが照射した第2の検出光L2は、集光レンズ23Aを介して第2の検出領域W2に照射される。第2の検出領域W2に照射され、反射された第2の検出光L2は受光レンズ23Bを介して第2の受光素子212Bに導かれる。ここで、第2の発光素子212Aの第2の検出光L2の光路長(第2の発光素子212Aから第2の検出領域W2までの距離)はおおよそ6.5mである。
【0048】
センサ装置20の第3の発光素子213Aが照射した第3の検出光L3は、集光レンズ23Aを介して第3の検出領域W3に照射される。第3の検出領域W3に照射され、反射された第3の検出光L3は受光レンズ23Bを介して第3の受光素子213Bに導かれる。ここで、第3の発光素子213Aの第3の検出光L3の光路長(第3の発光素子213Aから第3の検出領域W3までの距離)はおおよそ5mである。
【0049】
図4は、検出領域W1~W3側からみたセンサ装置20が筐体10内に配置された図である。図4に示されるように、発光ユニット20Aと受光ユニット20Bとは筐体10内において鉄板11を隔ててX軸方向に隣接(対向)している。集光レンズ23A(発光ユニット20A)は、複数の受光素子21Bの配列方向(Y軸方向)と直交する位置(X軸方向)に配置される。鉄板11は、本実施形態では厚さ10mmで構成され、複数の発光素子21Aから照射される検出光L1~L3が直接複数の受光素子21Bへ照射されないようにするためである。
【0050】
(集光レンズの形状)
集光レンズ23Aは、Y軸方向と平行な長軸と、上記長軸とは直交し長軸よりも短いX軸方向と平行な短軸を有する。集光レンズ23Aの形状は例えば楕円または略楕円形状である。ここでいう略楕円形状とは、楕円形状の一部の形状を変更した形状である。一部の形状を変更した形状とは、一部を直線的または楕円形状が有する曲線とは異なる曲線状に変更した形状であり、後述するDカット形状(ダブルDカット形状)が例として挙げられる。集光レンズ23Aは、複数の発光素子21Aの配列方向(Y軸方向)である長軸の方向(集光レンズ23Aの長さ方向)に対向する集光レンズ23Aの弧部分である2つの第1の周縁部232Aと、第1の周縁部232Aとの間に形成され集光レンズ23Bの幅方向である短軸の方向(X軸方向)に対向し上記配列方向と平行な2つの隣接部231A(第2の周縁部)とを有する。ここで長軸とはZ軸上から見て集光レンズ23Aの中心を通り、かつY軸方向に沿った軸である。また短軸とは、Z軸上から見て集光レンズ23Aの中心を通り、かつX軸方向に沿った軸である。
【0051】
集光レンズ23Aは、検出領域W1~W3側(Z軸上)からみて円形状のレンズから受光レンズ23BとX軸方向に対向する所定の周縁部分を除去した形状である。上記所定の周縁部分は、円形レンズの弧部分を直線状に切断した、Dカット形状を有する。具体的には、検出領域W1~W3側(Z軸上)からみて径が80mmの円形状のレンズの両端から10mm直線的にカットされた形状(ダブルDカット形状)である隣接部231Aを有する。本実施形態では、集光レンズ23Aは、ダブルDカット形状を有しているが、受光レンズ23Bと対向する部分だけがDカット形状を有する形態であってもよい。本実施形態では集光レンズ23Aは、楕円形または略楕円形状であるがもちろんこれに限られない。
【0052】
隣接部231Aは、受光レンズ23Bと対向するように配置され、複数の発光素子21A及び複数の受光素子21Bの配列方向に平行な直線形状を有する。隣接部231Aは、鉄板11を隔てて受光レンズ23Bと隣接(対向)する。また隣接部231Aは、X軸方向から見て、また受光レンズ23B側からみて、平面形状を有する。複数の発光素子21Aから複数の受光素子21Bまでの距離Xは、おおよそ100mmである。ここで距離Xとは、X軸方向に沿った第1の発光素子211Aと第1の発光素子211Bとの距離、第2の発光素子212Aと第2の受光素子212B、第3の発光素子213Aと第3の受光素子213Bとの距離である。
【0053】
本実施形態では集光レンズ23Aは、径が80mmの円形状のレンズの両端から10mm分カットした形状であるが、これに限らない。例えば複数の受光素子21Bの発光範囲S(破線で示された範囲)までカットすることができる。また本実施形態では受光レンズ23Bは、隣接部231Aに相当する形状(Dカット形状)を有していないが、これに限られず、受光レンズ23Bも隣接部231Aに相当する形状を有してもよい。
【0054】
[制御装置]
制御装置50は、通信部51と、光源制御部52と、水分検知部53と、判定部54と、を有する。制御装置50は、発光ユニット20Aの複数の発光素子21Aを点灯制御するとともに、受光ユニット20Bの複数の受光素子21Bから出力された電気信号を処理し、道路Dの状態を判定する。図5は、センサ装置20の発光タイミングを示す図である。
【0055】
制御装置50は、本実施形態では筐体10内に取り付けられているが、これに限らず、筐体10の外側面に取り付けられていてもよいし、筐体10とは別の外部装置(例えば支柱Pに筐体10とは異なる高さ位置)に取り付けられてもよい。
【0056】
(通信部)
通信部51は、後述する光源制御部52および水分検知部53とセンサ装置20とを有線通信または無線通信によって送受信可能にする。本実施形態では通信部51は、光源制御部52が生成した制御信号を、受光基板22Bを介して発光基板22Aへ伝達するように構成されているが、これに限られない。例えば通信部51は、光源制御部52が生成した制御信号を、直接発光基板22Aへ伝達するように構成されてもよい。
【0057】
(光源制御部)
光源制御部52は、CPU(Central Processing Unit)やメモリを含むコンピュータ(情報処理装置)で構成される。上記メモリには、CPUにより後述する各種機能を実行させるためのプログラムや各種パラメータが格納される。
【0058】
光源制御部52は、複数の発光素子21Aの点灯及び消灯が所定の周期で繰り返されるように発光ユニット20Aを制御する。具体的には、本実施形態のように発光素子が3つの場合、図5に示すように、第1の発光素子211Aに対して光源制御部52は、所定の周波数(例えば10kHz)で30ms間発光させ、その60ms後に再度所定の周波数(例えば10kHz)で再度30ms間発光させる。第2の発光素子212Aに対して光源制御部52は、第1の発光素子211Aの発光後、第1の発光素子211Aと同様に所定の周波数(例えば10kHz)で30ms間発光させ、その60ms後に再度所定の周波数(例えば10kHz)で30ms間発光させる。また第3の発光素子213Aに対して光源制御部52は、第2の発光素子212Aの発光後、所定の周波数(例えば10kHz)で30ms間発光させ、その60ms後に再度所定の周波数(例えば10kHz)で30ms間発光させる。
【0059】
これにより、受光素子に対して対応しない発光素子の検出光(例えば第1の発光素子211Aに対して第2の受光素子212B)が照射されることを防ぐことができる。本実施形態では、対応する受光素子と発光素子とは、第1の発光素子211Aと第1の受光素子211B、第2の発光素子212Aと第2の受光素子212B、第3の発光素子213Aと第3の受光素子213Bである。
【0060】
(水分検知部)
水分検知部53は、受光ユニット20Bから出力された電気信号に基づいて、道路D上の水分量を検出する。具体的には水分検知部53は、基準となる電気信号の電圧レベルと受信した電気信号の電圧レベルとを比較して道路D上の水分量を検出する。例えば道路Dが乾燥した状態を基準とすると、道路D(路面)が水で濡れている場合、道路Dが乾燥している場合に比べて発光素子21Aから発せられた光は正反射しやすくなる。そのため、複数の受光素子21Bが受光する光量が減少し、水分検知部53が受信する電圧レベルは、低くなる。また道路D上に積雪がある場合積雪によって光の乱反射の程度は、道路Dが乾燥している場合に比べて大きくなるため、受光素子21Bが受光する光量は、道路Dが乾燥している場合に比べて増加し、水分検知部53が受信する電圧レベルは高くなる。
【0061】
水分検知部53は、所定回数(例えば8回)同じ判定(積雪)をした場合、その判定結果(積雪)であると判定し、判定部54へ出力する。これにより、複数の発光素子21Aが検出光L1~L3を照射した場所に車両が存在した場合であっても道路Dの水分を正確に検知することができる。
【0062】
(判定部)
判定部54は、水分検知部53と、路温計30と、気温計40とに基づいて、道路Dの状態を判定する。判定部54は、以下表1に示すように判定される。
【0063】
【表1】
【0064】
表1によれば、気温計40、路温計30の示す温度によらず、水分検知部53の検知結果が水分無しである場合、道路Dが乾燥していると判定する。次に気温計40が0℃以上、路温計30が0℃以上を示し、水分検知部53の検知結果が水分少又は多いである場合、道路Dが湿潤状態であると判定する。次に気温計40が0℃未満、路温計30が0℃未満を示し、水分検知部53の検知結果が水分少である場合、道路Dが凍結していると判定する。また気温計40の示す温度によらず、路温計30が0℃未満を示し、水分検知部53の検知結果が水分多である場合、道路D上に雪が積もっている(積雪)と判定する。もちろんこの表1はあくまでも例示であり、これ以外の判定結果や判定条件(入力条件)があってもよい。
【0065】
これにより、道路D上の状態を判定することができる。また判定した結果や判定に使用したデータ等を図示しない送信部によってシリアル通信により気象観測装置(不図示)に伝送し、また光回線にて上位装置に伝送することで、例えば道路Dに除雪作業を行う必要があるかないかを判断する材料とすることができる。
【0066】
(従来のセンサ装置と本発明との比較)
ここで従来のセンサ装置20'について説明する。図6は従来のセンサ装置20'であり、図6に示すように、センサ装置20'は筐体10内に配置されている。発光ユニット20A'は、一方の面221A上に配置された複数の発光素子21Aと、発光基板(図示略)と、集光レンズ23A'とを有し、筐体10内の一画に配置されている。受光ユニット20Bは、一方の面221B上に配置された複数の受光素子21Bと、受光基板(図示略)と、受光レンズ23Bとを有し、鉄板11を隔てて発光ユニット20A'に隣接して配置されている。
【0067】
集光レンズ23A'および受光レンズ23Bは、検出領域W1~W3から見て径が90mmの円形状であり、第2の発光素子212Aと第2の発光素子212Bとの距離Yはおおよそ120mmである。また第1の発光素子211Aと第1の発光素子211Bとの距離、第3の発光素子213Aと第3の受光素子213Bとの距離は、ともに距離Yに等しい。ここで距離Yとは、Y軸方向に沿った第1の発光素子211Aと第1の受光素子211Bとの距離、第2の発光素子212Aと第2の受光素子212B、第3の発光素子213Aと第3の受光素子213Bとの距離である。
【0068】
図7は、センサ装置の測定範囲を示す図であり、(A)は、従来のセンサ装置20'の測定範囲を示す図、(B)は、従来のセンサ装置20'の測定範囲を遠方に伸ばした図、(C)は、本実施形態に係るセンサ装置20の測定範囲を示す図である。
【0069】
図7(A)に示される測定範囲D1とは、第1の発光素子211Aの発光面積RS1と第1の受光素子211Bの受光面積LS1とが重なる範囲のことであり、本実施形態では、第1の発光素子211Aの発光面積RS1と第1の受光素子211Bの受光面積LS1とがそれぞれ半分以上重なる範囲である。しかしながら、もちろん測定範囲の定め方はこれに限られない。図7(B)に示される測定範囲D2、図7(C)に示される測定範囲D3についても同様である。図7(A)~(C)の説明では、複数の発光素子21Aのうち第1の受光素子211Aを、複数の受光素子21Bのうち第1の受光素子211Bを選択して説明する。
【0070】
図7(A)に示すように、従来のセンサ装置20'では、測定範囲D1は、光路長(第1の発光素子211Aから照射される検出光L1の進む距離)でおおよそ5m~8mであった。また図7(B)に示すように、従来のセンサ装置20'の測定範囲D1を遠方に伸ばした測定範囲D2は、光路長でおおよそ7m~10mである。
【0071】
ここで従来では路面状態判定装置1を支柱Pに設置する高さHや路側Rの路側幅RWなどの情報は、予め提示されているためその情報を基に測定範囲等を設定するが、実際取り付け作業を行う際、その高さHや路側幅RWが事前情報とは異なることがある。例えば事前情報から図7(A)のように測定範囲がD1であったが、実際取り付け作業を行う際に図7(B)のように測定範囲がD2であった場合、再度センサ装置20'の調整を行う必要があり、作業者にとって手間がかかっていた。
【0072】
これに対して、本発明は、図7(C)に示すように、測定範囲D3を光路長でおおよそ5m~10mと拡張することで上述した問題を解消することができる。つまり、上述したようにセンサ装置20の集光レンズ23Aの両端をカットし、隣接部231Aを形成することで、その分、集光レンズ23Aと受光レンズ23Bとの距離を近く(短く)することができ、それにより第1の発光素子211Aと第1の受光素子211Bとの距離が近くなる。これにより、発光面積LS3と受光面積RS3との重なる範囲が広くなる(第1の発光素子211Aと第1の発光素子211Bとの交差角が小さくなる)ため、測定範囲D3も広くなる。したがって、予め提示された支柱Pに設置する高さHや路側Rの路側幅RWなどの情報が実際取り付け作業時に異なっていたとしても作業者は手間をかけずに取り付け作業を行うことができる。
【0073】
図8は、路面状態判定装置1が路側に設置された図であり、(A)は、路側幅RWが狭い場合の図であり、(B)は、路側幅RW'が広い場合の図である。図8(A)に示される路側幅RWはおおよそ1.5m、車線幅(一車線分)D0はおおよそ3.5m、距離D1はおおよそ0.75m、距離D2はおおよそ1.0m、距離D3はおおよそ1.0mである。また図8(B)に示される路側幅RW'はおおよそ3.5mである。つまり、本実施形態では、図8(A)を想定して路面状態判定装置1を製造していたが、実際は図8(B)のような道路幅(路側幅)であった場合であっても適応することが可能である。
【0074】
また集光レンズ23Aをカットし小型化したことで、路面状態判定装置1自体も小型化、軽量化することが可能となり、路面状態判定装置1を設置する作業者にとって作業効率向上につながる。
【0075】
上述したように受光レンズ23Bは円形状であったが、これに限らず、隣接部231Aと対向する位置に隣接部231Aと同様の形状(直線的にカットされた形状)を形成してもよい。これにより、複数の発光素子21Aと複数の受光素子21Bとの距離がさらに近くなるため、測定範囲をさらに広くすることができる。
【0076】
(変形例1)
図9は、本発明の変形例1に係るセンサ装置200Aを示す図である。上記実施形態と同様の構成についての説明は、省略または簡略することがある。上記実施形態との相違点として、変形例1では発光ユニット20A'を中心に受光ユニット201B、202B、203Bがその周囲に配置されている点が挙げられる。
【0077】
受光ユニット201Bは、一方の面221B上に配置された第1の受光素子211BとZ軸方向の所定の位置に配置された第1の受光レンズ231B'とを有し、受光ユニット202Bは、一方の面221B上に配置された第2の受光素子212BとZ軸方向の所定の位置に配置された第2の受光レンズ232B'とを有し、受光ユニット203Bは、一方の面221B上に配置された第3の受光素子213BとZ軸方向の所定の位置に配置された第3の受光レンズ233B'とを有する。
【0078】
また図9に示されるように、発光ユニット20A'は、Z軸方向の所定の位置に配置された集光レンズ23A''と、一方の面221A上に配置された第1の発光素子211Aと第2の発光素子212Aと第3の発光素子213Aとを有する。集光レンズ23A''は、検出領域W1~W3(Z軸上)からみて円形状のうち、受光レンズ231B'、232B'、233B'とXY平面内に対向(隣接)する位置に隣接部231A(第2の周縁部)を有する。本実施形態では、発光素子が3つであるため、隣接部231Aも3箇所設けられる。もちろん隣接部231Aの数は3に限られず、対向する受光レンズの数に応じて適宜設定可能である。本変形例では一方の面221Aと一方の面221Bとは同一平面上に存在する。
【0079】
集光レンズ23A''は、第1の周縁部232Aと隣接部231Aとを有する。第1の周縁部232Aは、集光レンズ23A''の中心(Z軸上からみて)から第1の距離離れた弧部分であり、本実施形態では第1の距離は半径であり円周上に3つ存在する。隣接部231Aは、第1の周縁部232Aと対向する位置に形成され、第1の距離より短い第2の距離離れた直線状の部分であり、本実施形態では第1の周縁部232Aとの間に1辺ずつ合計3辺存在する。また本実施形態では隣接部231Aそれぞれは受光レンズ231B'、232B'、233B'から見て平面形状を有するがもちろんこれに限られない。
【0080】
第1の発光素子211Aと第2の発光素子212Aと第3の発光素子213Aとは、集光レンズ23A''の中心を重心とした三角形の頂点にそれぞれ配置され、第1の発光素子211Aと第2の発光素子212Aと第3の受光素子213Aとは、それぞれ周辺部232Aと対向するように配置される。上記三角形の各辺は、3つの隣接部231Aそれぞれと対向する。また第1の受光素子211Bと第2の受光素子212Bと第3の受光素子213Bとは隣接部231Aと隣接し、三角形状を有する。
【0081】
また対応する発光素子と受光素子の位置関係(第1の発光素子211Aと第1の受光素子211B、第2の発光素子212Aと第2の受光素子212B、第3の発光素子213Aと第3の受光素子213B)はこれに限らず、適宜設定可能である。さらに発光素子211A~213Aは本変形例では三角形状の配置であるがもちろんこれに限らず、一直線上に配置されてもよい。また図示していないが、集光レンズ23Aと受光レンズ231B'、232B'、233B'とのそれぞれの間には鉄板11が設けられており、複数の発光素子211A~213Aから直接複数の受光素子211B~213Bへ検出光L1~L3が照射されないようにすることが可能である。
【0082】
上述したような第1の発光素子211Aと第2の発光素子212Aと第3の発光素子213Aとを三角形状に配置し、その3辺に対向する位置に第1の受光素子211Bと第2の受光素子212Bと第3の受光素子213Bとを配置(三角形の頂点にあたる配置)することで発光素子と受光素子との間の距離を短くすることができる。
【0083】
これにより、上記実施形態と同様に、複数の発光素子211A~213Aと複数の受光素子211B~213Bとの距離を近く(短く)することができ、発光面積LS3と受光面積RS3との重なる範囲が広くなるため、測定範囲D3も広くなる。したがって、予め提示された支柱Pに設置する高さHや路側Rの路側幅RWなどの情報が実際取り付け作業時に異なっていたとしても作業者は手間をかけずに取り付け作業を行うことができる。
【0084】
また集光レンズ23Aをカットし小型化したことで、路面状態判定装置1自体も小型化、軽量化することが可能となり、路面状態判定装置1を設置する作業者にとって作業効率向上につながる。
【0085】
本変形では受光レンズ231B'~233B'は検出領域W1~W3からみて円形状であったが、これに限らず、隣接部231Aと対向する位置に隣接部231Aと同様の形状(直線的にカットされた形状)を形成してもよい。これにより、複数の受光素子211A~213Aと複数の受光素子211B~213Bとの距離がさらに近くすることができるため、測定範囲をさらに広くすることができる。また本変形例では一方の面221Aと一方の面221Bとは同一平面上であるが、これに限らず、Z軸方向に異なる位置に配置されてもよい。集光レンズ23A''と受光レンズ231B'~233B'とはZ軸方向に同一の高さ位置に配置されているが、これに限らず、Z軸方向に異なる位置に配置されてもよい。
【0086】
<第2の実施形態>
図10は、本発明の第2の実施形態に係るセンサ装置200Bを示す図である。なお、上記実施形態に係る構成と同様の構成について説明を簡略または省略する場合がある。第1の実施形態との相違点として、第2の実施形態は受光ユニット20Bを中心に複数の発光素子21Aがその周囲に配置されている点が挙げられる。
【0087】
発光ユニット201Aは、一方の面221A上に配置された第1の発光素子211AとZ軸方向の所定の位置に配置された第1の集光レンズ231A'とを有し、発光ユニット202Aは、一方の面221A上に配置された第2の発光素子212AとZ軸方向の所定の位置に配置された第2の集光レンズ232A'とを有し、発光ユニット203Aは、一方の面221A上に配置された第3の発光素子213AとZ軸方向の所定の位置に配置された第3の発光レンズ233A'とを有する。また図10に示されるように、筐体10内に検出領域W1~W3(Z軸上)からみて円形状の受光レンズ23Bを中心にその周囲(周縁)に発光ユニット201A~203Aが配置されている。第1の集光レンズ231A'、第2の集光レンズ232A'、第3の集光レンズ233A'のレンズ径の大きさは、受光レンズ23Bよりも小さい。
【0088】
また対応する発光素子と受光素子の位置関係(第1の発光素子211Aと第1の受光素子211B、第2の発光素子212Aと第2の受光素子212B、第3の発光素子213Aと第3の受光素子213B)はこれに限らず、適宜設定可能である。さらに受光素子211A~213Aは本実施形態では一直線上の配置であるがもちろんこれに限らず、三角形状に配置されてもよい。また図示していないが、集光レンズ231A'~233A'と受光レンズ23Bとのそれぞれの間には鉄板11が設けられており、発光素子211A~213Aから直接受光素子211B~213Bへ検出光L1~L3が照射されないようにすることが可能である。
【0089】
受光レンズ23Bの周囲に集光レンズ231A'~233A'を配置することで、発光素子211A~213Aと受光素子211B~213Bとの距離を近くすることができ、発光面積LS3と受光面積RS3との重なる範囲が広くなるため、測定範囲D3も広くなる。したがって、予め提示された支柱Pに設置する高さHや路側Rの路側幅RWなどの情報が実際取り付け作業時に異なっていたとしても作業者は手間をかけずに取り付け作業を行うことができる。
【0090】
また集光レンズ231A'~233A'を小型化し受光ユニット20Bの周囲に配置したことで、より発光素子211A~213Aと受光素子211B~213Bとの距離を近く(短く)することができ、発光面積LS3と受光面積RS3との重なる範囲がより広くなるため、測定範囲D3もより広くなる。さらに集光レンズ231A'~233A'の小型化に伴って路面状態判定装置1自体も小型化、軽量化することが可能となり、路面状態判定装置1を設置する作業者にとって作業効率向上につながる。
【0091】
本変形では受光レンズ23BはZ軸上からみて円形状であったが、これに限らず、発光ユニット201A~203Aと対向する位置に上述した隣接部231Aと同様の形状(直線的にカットされた形状)を形成してもよい。これにより、発光素子211A~213Aと受光素子211B~213Bとの距離がさらに近く(短く)なるため、測定範囲をさらに広くすることができる。もちろんこれに限らず、集光レンズ231A'~233A'が受光レンズ23Bと対向する位置に隣接部231Aを有してもよい。
【0092】
<第3の実施形態>
図11は、本発明の第3の実施形態に係るセンサ装置200Cを示す図ある。なお、上記実施形態に係る構成と同様の構成について説明を簡略または省略する場合がある。第1の実施形態の相違点として、第3の実施形態はハーフミラーMを備え、複数の発光素子21Aと複数の受光素子21Bとが共通のレンズを用いる点が挙げられる。
【0093】
センサ装置200Cは、複数の発光素子21Aと、Z軸方向にそって配置された発光基板22Aと、複数の発光素子21Bと、XY平面上に配置された受光基板22Bと、受光基板22Bに対して垂直なZ軸方向に配置されたレンズ23Cと、レンズ23Cと受光基板22Bとの間に配置されたハーフミラーMと、を備える。
【0094】
レンズ23Cは、複数の受光素子21Bと対向して配置されている。またレンズ23Cは複数の発光素子21Aから照射された検出光Lを道路D上に導き、道路Dで反射された検出光Lを複数の受光素子21Bに導く機能を有する。レンズ23Cは例えば凸レンズ(フレネルレンズ)であるが、これに限らない。また複数の発光素子21A及び発光基板22Aは、複数の受光素子21B及び受光基板22Bに対して垂直な面に設けられる。本実施形態では発光素子及び受光素子は複数であったが、もちろんこれに限らず、単数であってもよい。
【0095】
ハーフミラーMは、複数の発光素子21Aから照射された検出光Lをレンズ23Cへ反射させ、道路Dで反射されレンズ23Cを通過した検出光Lを複数の受光素子21B側へ透過させる。つまり、複数の発光素子21Aから照射された検出光Lは直接複数の受光素子21へ照射されることはない。
【0096】
これにより、発光面積LS3と受光面積RS3との交差角が小さくなり、発光面積LS3と受光面積RS3との重なる範囲が広くなるため、測定範囲D3も広くなる。したがって、予め提示された支柱Pに設置する高さHや路側Rの路側幅RWなどの情報が実際取り付け作業時に異なっていたとしても作業者は手間をかけずに取り付け作業を行うことができる。
【0097】
<その他の変形例>
本発明の各実施形態及び変形例について上に説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば道路Dの乾燥、湿潤、凍結、積雪状態に限らず、道路D上にタイヤなどの落下物がないかどうかを検知したりしてもよい。
【符号の説明】
【0098】
1…路面状態判定装置
10…筐体
20…センサ装置
20A…発光ユニット
20B…受光ユニット
21A…発光素子
21B…受光素子
22A…発光基板
22B…受光基板
23A…集光レンズ
23B…受光レンズ
30…路温計
40…気温計
50…制御装置
51…通信部
52…光源制御部
53…水分検知部
54…判定部
D…道路
R…路側
W1…第1の検出領域
W2…第2の検出領域
W3…第3の検出領域
L1…第1の検出光
L2…第2の検出光
L3…第3の検出光
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11