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  • 特開-集積装置 図1
  • 特開-集積装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025575
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】集積装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 35/40 20060101AFI20240216BHJP
【FI】
B65B35/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022129115
(22)【出願日】2022-08-12
(71)【出願人】
【識別番号】000253019
【氏名又は名称】澁谷工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100156199
【弁理士】
【氏名又は名称】神崎 真
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】小嶋 諭史
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 忠司
【テーマコード(参考)】
3E054
【Fターム(参考)】
3E054AA12
3E054BA07
3E054CA06
3E054DA02
3E054DA03
3E054DB04
3E054DB08
3E054DC16
3E054DD01
3E054DD11
3E054EA01
3E054FA02
3E054FC02
3E054FC17
3E054FE08
3E054FE09
3E054GB01
(57)【要約】
【課題】 両端部にシール部が形成されたピロー包装品を安定して集積する。
【解決手段】 内部に物品1aを収容した袋体の両端部にシール部1bが形成されたピロー包装品1を集積する集積装置2に関する。
上記ピロー包装品1を長手方向に向けた状態で搬送する第1搬送手段3と、第1搬送手段3の搬送方向と交差するように配置された第2搬送手段4と、第1搬送手段3のピロー包装品1を第2搬送手段4に向けて押し出す押出手段5と、上記第2搬送手段4の下流側に設けられて上記ピロー包装品1を集積させる集積部とを備えている。
上記押出手段5は、上記第1搬送手段3から第2搬送手段4にピロー包装品1を押し出す際、第2搬送手段4において搬送方向に隣接するピロー包装品1のシール部1bが直線上に整列しないように押し出し、上記集積部においてピロー包装品1が千鳥状に集積されるようにした。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に物品を収容した袋体の両端部にシール部が形成されたピロー包装品を集積する集積装置であって、
上記ピロー包装品の長手方向を搬送方向に向けた状態で搬送する第1搬送手段と、第1搬送手段の搬送方向と交差するように配置され、ピロー包装品の短手方向を搬送方向に向けた状態で搬送する第2搬送手段と、第1搬送手段によって搬送されるピロー包装品を第2搬送手段に向けて押し出す押出手段と、上記第2搬送手段の下流側に設けられて上記ピロー包装品を集積させる集積部とを備え、
上記押出手段は、上記第1搬送手段から第2搬送手段にピロー包装品を押し出す際、第2搬送手段によって搬送される隣接したピロー包装品のシール部が直線上に整列しないように押し出し、上記集積部においてピロー包装品が千鳥状に集積されるようにしたことを特徴とする集積装置。
【請求項2】
上記千鳥状に集積された複数のピロー包装品を、上記長手方向から押圧して、上記ピロー包装品に収容された物品を整列させる整列手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の集積装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は集積装置に関し、詳しくは内部に物品を収容した袋体の両端部にシール部が形成されたピロー包装品を集積する集積装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の物品を箱詰めする際、複数個の物品を集積させてから箱詰めを行うことが行われており、このような物品を集積する集積装置として、物品を搬送する第1搬送手段と、第1搬送手段の搬送方向と交差するように配置された第2搬送手段と、第1搬送手段で搬送されている物品を第2搬送手段に向けて押し出す押出手段と、上記第2搬送手段の下流側に設けられて上記物品が集積される集積部とを備えたものが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭56-155115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、物品を包装する方法として、両端が開放された筒状の袋体の内部に物品を収容し、当該物品外側の部分を溶着することで、上記袋体の両端部にシール部を形成してピロー包装品とする方法が知られている。
このようなピロー包装品は、袋体の両端部分を溶着することから、上記シール部の長さが物品の幅よりも長くなっており、袋体に収容されている物品よりもシール部が幅方向に突出している。
このようなピロー包装品を上記集積装置によって集積しようとすると、隣接するピロー包装品のシール部同士が接触して、集積されたピロー包装品の姿勢が乱れてしまうことがあるという問題があった。
このような問題に鑑み、本発明は両端部にシール部が形成されたピロー包装品を安定して集積することが可能な集積装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち請求項1の発明にかかる集積装置は、内部に物品を収容した袋体の両端部にシール部が形成されたピロー包装品を集積する集積装置であって、
上記ピロー包装品の長手方向を搬送方向に向けた状態で搬送する第1搬送手段と、第1搬送手段の搬送方向と交差するように配置され、ピロー包装品の短手方向を搬送方向に向けた状態で搬送する第2搬送手段と、第1搬送手段によって搬送されるピロー包装品を第2搬送手段に向けて押し出す押出手段と、上記第2搬送手段の下流側に設けられて上記ピロー包装品を集積させる集積部とを備え、
上記押出手段は、上記第1搬送手段から第2搬送手段にピロー包装品を押し出す際、第2搬送手段によって搬送される隣接したピロー包装品のシール部が直線上に整列しないように押し出し、上記集積部においてピロー包装品が千鳥状に集積されるようにしたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
上記発明によれば、上記集積部においてピロー包装品を千鳥状に集積することで、図2(a)に示すように集積部に集積されたピロー包装品のシール部が、隣接するピロー包装品の物品が収容された部分に当接して、ピロー包装品を安定して集積することができる。
これに対し、図2(b)に示すようにピロー包装品のシール部が直線状に整列した状態で集積されると、シール部同士が重なり合ってしまうことがあり、ピロー包装品を安定して集積することができなかった。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態にかかる集積装置の平面図
図2】集積部に集積されるピロー包装品の状態を示した図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下図示実施形態について説明すると、図1は物品1aが収容されたピロー包装品1を集積する集積装置2を示しており、上記物品1aをピロー包装する包装装置と、集積されたピロー包装品1を箱詰めする図示しない箱詰め装置との間に設けられている。
上記物品1aは化粧品の容器などを収容した直方体からなる箱となっており、上記包装装置では、ビニール製の筒状の袋体の内部に物品1aを挿入したら、当該袋体における上記物品1aの近傍をヒートシーラなどの手段を用いて溶着することで、両端部がシール部1bによってシールされたピロー包装品1が得られるようになっている。
上記シール部1bは上記袋体を重ね合わせた状態で溶着したものであるため、当該シール部1bの長さは上記箱の幅よりも長く、またシール部1bは溶着によって袋体よりも硬化したものとなっている。
ここで以下の説明において、ピロー包装品1の一方のシール部1bと他方のシール部1bとを結んだ方向をピロー包装品1の長手方向と呼び、当該長手方向に対して直交する方向を短手方向と呼ぶこととする。
【0009】
上記集積装置2は、上記ピロー包装品1を長手方向が搬送方向を向くように搬送する第1搬送手段3と、第1搬送手段3の搬送方向と交差するように配置されて、上記ピロー包装品1の短手方向が搬送方向を向くように搬送する第2搬送手段4と、第1搬送手段3で搬送されているピロー包装品1を第2搬送手段4に向けて押し出す押出手段5と、上記第2搬送手段4の下流側に設けられて上記ピロー包装品1を集積させる集積手段6と、当該集積手段6によって集積された複数のピロー包装品1を複数段に積層させる段積み手段7と、積層されたピロー包装品1に収容された物品1aの位置を整列させる整列手段8とを備え、これらはコンピュータなどからなる図示しない制御手段によって制御されるようになっている。
上記第1搬送手段3および第2搬送手段4はベルトコンベヤによって構成され、これらは図示しないサーボモータによって駆動され、また第1搬送手段は、図示しないエンコーダを備え、制御手段は当該エンコーダからの信号によって第1搬送手段3の搬送速度を認識可能となっている
上記第1搬送手段3の上流には、図示しないピロー包装品1の包装装置が設けられており、上記包装装置は上記ピロー包装品1を上記長手方向が搬送方向を向くように供給し、かつ隣接するピロー包装品1とピロー包装品1との間に所要の間隔が形成されるように供給するようになっている。
また第1搬送手段3には搬送中のピロー包装品1を検出するセンサ3aが設けられており、当該センサ3aがピロー包装品1を検出すると、制御手段は上記エンコーダによって当該ピロー包装品1の位置を認識するようになっている。
なお、上記包装装置に代えて、予めピロー包装されたピロー包装品1を供給する供給装置によって、ピロー包装品1を第1搬送手段3に供給するようにしてもよい。
【0010】
上記第2搬送手段4は上記第1搬送手段3の側方に設けられるとともに、第1搬送手段3に対して直交する方向に設けられている。上記押出手段5は第1搬送手段3によって搬送されるピロー包装品1を第1搬送手段3の側方に押し出すことで、当該ピロー包装品1を第2搬送手段4に乗り移らせるようになっている。
上記押出手段5によって第2搬送手段4に押し出されたピロー包装品1は、上記短手方向が搬送方向を向いた状態で、当該第2搬送手段4によって搬送されるようになっている。
また第2搬送手段4の上流端と第1搬送手段3の側方との間には、押し出されたピロー包装品1を乗り移らせるための移載テーブル11が設けられている。
そして上記第2搬送手段4の下流端には、複数のピロー包装品1を集積する集積部が形成され、当該集積部に上記集積手段6が設けられている。
【0011】
上記押出手段5は、上記第1搬送手段3のピロー包装品1を押圧する押出部材5aと、当該押出部材5aを移動させるベルトコンベヤ5bとによって構成されている。
上記押出部材5aは板状の部材によって構成され、ベルトコンベヤ5bによって第1搬送手段3の側方となる位置で、上記第1搬送手段3の搬送方向と平行な向きで待機している。
上記ベルトコンベヤ5bは上記第1搬送手段3の上方に設けられており、上記第1搬送手段3を搬送されるピロー包装品1は上記ベルトコンベヤ5bの下方を通過可能となっている。
上記押出部材5aはベルトコンベヤ5bによって当該ベルトコンベヤ5bの上方および下方を移動するが、上記押出部材5aがベルトコンベヤ5bの下方を移動する際に、上記ピロー包装品1を押圧するようになっている。
またベルトコンベヤ5bは第1搬送手段3の搬送方向に対して斜めに設けられており、上記押出部材5aを上記第1搬送手段3の搬送方向に移動させつつ、第2搬送手段4に向けて移動させるようになっている。
上記押出部材5aがベルトコンベヤ5bの下方を移動する間、当該押出部材5aの方向は第1搬送手段3の搬送方向と平行を維持するようになっており、これにより、第1搬送手段3によって搬送されているピロー包装品1は、長手方向が第1搬送手段3の搬送方向を向いたまま、徐々に第2搬送手段4へと押し出されるようになっている。
そして押出部材5aはピロー包装品1の姿勢を維持したまま第2搬送手段4に押し出すことから、第2搬送手段4では、上記ピロー包装品1は上記短手方向が第2搬送手段4の搬送方向を向くようになっている。
【0012】
上記ベルトコンベヤ5bはサーボモータによって駆動され、上記制御手段によってその動作が制御されるようになっており、上記押出部材5bを移動させてピロー包装品1を押圧するタイミングを早めと遅めで交互に異ならせて、第1搬送手段3から第2搬送手段4へと乗り移らせるようになっている。
具体的には、押出手段5を早めに作動させると、ピロー包装品1を第1搬送手段3の搬送方向上流側に偏った位置で第2搬送手段4に押し出すことができ、押出手段5を遅れて作動させると、ピロー包装品1を搬送方向下流側に偏った位置で第2搬送手段4へと押し出すことが可能となっている。
これにより、上記第1搬送手段3から第2搬送手段4に押し出されたピロー包装品1は、第2搬送手段4の図示左側もしくは右側に偏った位置で交互に搬送されることとなり、第2搬送手段4において搬送されるピロー包装品1のシール部1bは、第2搬送手段4の搬送方向において直線状に整列しないようになっている。
【0013】
そして上記第2搬送手段4の下流端は、複数のピロー包装品1が集積される集積部となっており、当該集積部にはピロー包装品1を集積する集積手段6が設けられている。
上記集積手段6は、上記第2搬送手段4の下流端に設けられたストッパ部材6aと、第2搬送手段4に沿って移動するとともに上記ストッパ部材6aとの間で複数のピロー包装品1を挟持する集積部材6bと、当該集積部材6bを移動させる移動手段とを備えている。
上記ストッパ部材6aは第2搬送手段4によって搬送されたピロー包装品1に対して下流側から当接するように設けられ、当該ストッパ部材6aによってせき止められたピロー包装品1によって、さらにその上流側から搬送されるピロー包装品1がせき止められるようになっている。
上記集積部材6bは板状の部材となっており、上記移動手段は、上記集積部材6bを図示しない駆動手段によって上記第2搬送手段4に沿って移動させる水平方向スライダ6cと、上記スライダ6cによって移動するとともに上記集積部材6bを昇降させる垂直方向シリンダ6dとを備えている。
【0014】
上記集積手段6の動作を説明すると、制御手段は上記移動手段を制御して、上記集積部材6bを第2搬送手段4の上流側に位置させるとともに当該集積部材6bを第2搬送手段4の上方に位置させておく。
その状態で、上記押出手段5が第1搬送手段3から第2搬送手段4にピロー包装品1を押し出すと、第2搬送手段4によって搬送されるピロー包装品1が押出部材5aの下方を通過する。
一方、第2搬送手段4によって搬送されたピロー包装品1は下流端に設けられた上記ストッパ部材6aによってせき止められ、後述するように、上記集積部において千鳥状に整列するようになっている。
その後、6個のピロー包装品1が集積部材6bの下方を通過すると、集積部材6bが下降するとともに、上記ピロー包装品1に同期して第2搬送手段4の搬送方向に移動する。
そして集積部材6bとストッパ部材6aとの間で6個のピロー包装品1を挟持し、上記ピロー包装品1における物品1aを包装する袋体やシール部を圧縮して、上記物品1aと物品1aとを密着させた状態に集積するようになっている。
【0015】
上記段積み手段7は、上記ピロー包装品1を積層した状態で収容する収容部12と、第2搬送手段4上に集積された複数のピロー包装品1を上記収容部12に向けて押し出す段積み部材13と、当該段積み部材13を移動させる図示しない移動手段とを備えている。
上記収容部12は上記第2搬送手段4の集積部に隣接した位置に設けられており、図示しない昇降手段によって昇降可能に設けられている。上記第2搬送手段4と収容部12との間には、第2搬送手段4の搬送面の高さに移載テーブル14が設けられている。
上記収容部12はピロー包装品1を載置する載置プレート12aと、当該載置プレート12aにおける上記第2搬送手段4に面する部分を除いた3方に設けられた側壁12bとから構成されている。
側壁12bのうち、上記第2搬送手段4の搬送方向と同じ方向に対向して設けられた側壁12bは、その間隔が上記集積手段6によって集積された6個のピロー包装品1の幅と同じに設定されている。
また上記収容部12の昇降手段は、収容部12にピロー包装品1が収容されていない状態では上記載置プレート12aを第2搬送手段4の搬送面と同じ高さに位置させており、当該載置プレート12aに6個のピロー包装品1が収容されると、載置プレート12aを下降させて、収容されたピロー包装品1の上面の高さを第2搬送手段4の搬送面と同じ高さに位置させるようになっている。
そして段積み部材13は、上記移動手段によって第2搬送手段4の搬送方向に対して直交する方向に移動し、上記集積手段6によって集積された6個のピロー包装品1を長手方向(図示右方)に押圧することで、押圧されたピロー包装品1は上記移載テーブル14を介して、上記載置プレート12aに移載されるか、もしくはすでに収容されているピロー包装品1の上部に積層されるようになっている。
【0016】
上記整列手段8は、上記段積み手段7によって上記収容部12に積層されたピロー包装品1の物品1aを長手方向に押圧する整列部材8aと、上記整列部材8aとの間でピロー包装品1を挟持する支持部材8bとを備えている。
本実施形態では、上記段積み部材13が千鳥状に整列した6個のピロー包装品1を第2搬送手段4から上記収容部12に押し出すと、ピロー包装品1は千鳥状に整列した状態を維持したまま上記収容部12に収容されるようになっている。
上記整列部材8aは上記段積み部材13の移載テーブル14の下方に設けられており、上記収容部12に所要の段数だけピロー包装品1が積層され、これに伴って上記収容部12が下降すると、整列部材8aは図示しない移動手段によって第2搬送手段4の搬送方向に対して直交する方向に移動するようになっている。
上記支持部材8bは、複数段のピロー包装品1が載置された収容部12が下降した高さに合わせて設けられており、上記整列部材8aが収容部12に集積された複数段のピロー包装品1を押圧すると、押し出されたピロー包装品1を支持するようになっている。
ここで、載置プレート12aに積層された複数段のピロー包装品1は千鳥状に整列しているところ、ピロー包装品1を当該整列部材8aと支持部材8bとの間で挟持することで、ピロー包装品1が長手方向に圧縮され、ピロー包装品1に収容された物品1aが整列部材8aおよび支持部材8bとによって挟持されることから、物品1aの端部の位置が揃えられるようになっている。
【0017】
以下、上記構成を有する集積装置2の動作について説明する。
最初に、上記第1搬送手段3は上記ピロー包装品1を長手方向が搬送方向を向くように搬送し、第1搬送手段3に設けられたセンサ3aがピロー包装品1を検出すると、制御手段は第1搬送手段3を搬送される当該ピロー包装品1の位置を認識する。
上記ピロー包装品1が上記押出手段5の位置に到達すると、制御手段は押出手段5を制御して、ピロー包装品1を第1搬送手段3から第2搬送手段4へと押し出すようになっている。
このとき、制御手段はピロー包装品1を第2搬送手段4へと押し出すタイミングを一つおきに異ならせ、早いタイミングで押し出したピロー包装品1は第2搬送手段4の図示左側に、遅いタイミングで押し出したピロー包装品1は第2搬送手段4の図示右側に位置するようになっている。
これにより、第2搬送手段4を搬送される隣接したピロー包装品1のシール部1bは、第2搬送手段4の搬送方向において直線状に整列しないようになっている。
その後、第2搬送手段4によって搬送されたピロー包装品1は、第2搬送手段4の下流端に設けられた集積部まで移動すると、ストッパ部材6aによってせき止められるようになっている。
【0018】
図2は上記集積部に集積されるピロー包装品1の整列状態を説明する図であり、図2(a)は本実施形態を、図2(b)は本実施形態を採用しなかった場合の状態を示している。
図2(a)に示すように、上記押出手段5が第1搬送手段3から第2搬送手段4へとピロー包装品1を押し出すタイミングを異ならせることで、隣接するピロー包装品1のシール部1bが第2搬送手段4の搬送方向に直線上に整列しないようにしている。
上述したように、ピロー包装品1の両端部に位置するシール部1bは、上記物品1aに対して第2搬送手段4の搬送方向前後方向に突出しており、また溶着によって若干硬化したものとなっている。
このため、ピロー包装品1がストッパ部材6aによってせき止められ、その上流側に順次ピロー包装品1が集積されても、上記シール部1bは変形することなく、隣接するピロー包装品1の物品1aが収容された部分に接触するようになっている。
例えば第2搬送手段4によって図示左側を搬送されたピロー包装品1の右側のシール部1bは、図示右側を搬送されたピロー包装品1の物品1aに当接し、当該図示右側を搬送されたピロー包装品1の左側のシール部1bは、図示左側を搬送されたピロー包装品1の物品1aに当接することとなる。
その結果、上記集積部に6個のピロー包装品1が集積されても、上記シール部1bは変形せずに形状を維持し、ピロー包装品1に収容された上記物品1aは平行を維持したまま、図示左右にずれた千鳥状に整列するようになっている。
【0019】
これに対し、図2(b)は、上記押出手段5が同じタイミングで第2搬送手段4へとピロー包装品1を押し出した場合における、上記集積部でのピロー包装品1の集積状態を示したものとなっている。
上記押出手段5が同じタイミングでピロー包装品1を押し出すと、ピロー包装品1は例えば第2搬送手段4の中央を搬送されることとなり、これにより隣接するピロー包装品1の上記シール部1bは第2搬送手段4の搬送方向に直線上に整列することとなる。
このままこれらのピロー包装品1がストッパ部材6aによってせき止められると、シール部1bが溶着によって扁平に形成されていることから、これらシール部1b同士が重なり合う場合がある。
両端に形成されたシール部1bのうち、一方のシール部1bで重なりが発生すると、上流側に隣接するピロー包装品1の向きが傾いてしまい、当該ピロー包装品1のさらに上流側にピロー包装品1が集積されると、この傾きが増大することとなる。
このようにピロー包装品1が傾いた状態で集積手段6を作動させると、隣接するピロー包装品1に収容された物品1a同士の位置関係がランダムとなってしまい、安定してピロー包装品1を集積することができない場合があった。
【0020】
図2(a)に示すようにピロー包装品1が集積部に集積されると、上記集積手段6が集積部材6bを作動させて、6個のピロー包装品1をストッパ部材6aと集積部材6bとの間で挟持する。
これにより、ピロー包装品1のシール部1bが物品1aと物品との間で圧縮されて変形し、物品1a同士が密接した集積状態となる。またこのとき、集積されたピロー包装品1は、収容された物品1aが第2搬送手段4の図示右側と図示左側とに偏倚した千鳥状の状態で整列することとなる。
【0021】
この状態から、上記段積み手段7が作動し、段積み部材13は上記ストッパ部材6aと上記集積部材6bとの間から、上記収容部12へと6個の千鳥状に整列したピロー包装品1を押し出すようになっている。
このようにして収容部12にピロー包装品1が収容されると、収容部12は昇降手段によって下降し、収容されたピロー包装品1の上面の高さを第2搬送手段4の搬送面に一致させる。
その後、上述した動作を繰り返すことにより、上記収容部12には複数段のピロー包装品1を積層させた状態で収容することができる。ただし、このときピロー包装品1は千鳥状に整列した状態を維持している。
その後、積層されたピロー包装品1が整列手段8の整列部材8aにより収容部12から押し出され、支持部材8bとの間で挟持することにより、物品1aの両端部の位置が揃えられるようになっている。
その後、ピロー包装品1は整列かつ積層された状態で、梱包装置等に移載され、箱等に収容されるようになっている。
【0022】
以上のように、本実施形態の集積装置2によれば、上記押出手段5によって第1搬送手段3から第2搬送手段4へとピロー包装品1を押し出す際、第2搬送手段4において搬送されるピロー包装品1のシール部1b同士が第2搬送手段4の搬送方向に整列しないようにしている。
このようにすることで、図2(a)に示すように集積部においてピロー包装品1が集積された際に、ピロー包装品1が千鳥状に安定した状態で整列することから、その後集積手段6によってピロー包装品1を安定して集積することが可能となる。
なお本実施形態では、段積み手段7はピロー包装品1が千鳥状に整列したままの状態で収容部12に収容し、整列手段8が千鳥状に整列したピロー包装品1を押圧して物品1aの端部を整列させるようになっているが、この整列手段8を上記段積み手段7によって兼用してもよい。
つまり、上記段積み手段7の収容部に、上記段積み部材13と対向した位置に上記支持部材8bを設けて、千鳥状に集積されたピロー包装品1を段積み部材13と支持部材8bとの間で挟持することにより、ピロー包装品1を収容部12に積層した状態で整列させることが可能となる。
【0023】
なお上記実施形態においては、押出手段5はピロー包装品1を第2搬送手段4へと押し出すタイミングを一つおきに異ならせて、第2搬送手段4の図示左側または図示右側に位置させるようになっているが、これらに追加して第2搬送手段4の中央にピロー包装品1が位置するように押し出してもよい。
【符号の説明】
【0024】
1 ピロー包装品 1a 物品
1b シール部 2 集積装置
3 第1搬送手段 4 第2搬送手段
5 押出手段 6 集積手段
7 段積み手段 8 整列手段
図1
図2