(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025583
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
F21S 43/245 20180101AFI20240216BHJP
F21S 43/14 20180101ALI20240216BHJP
F21S 43/237 20180101ALI20240216BHJP
F21S 43/247 20180101ALI20240216BHJP
F21S 43/15 20180101ALI20240216BHJP
F21W 103/00 20180101ALN20240216BHJP
F21W 103/20 20180101ALN20240216BHJP
F21W 103/35 20180101ALN20240216BHJP
F21W 103/55 20180101ALN20240216BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240216BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20240216BHJP
【FI】
F21S43/245
F21S43/14
F21S43/237
F21S43/247
F21S43/15
F21W103:00
F21W103:20
F21W103:35
F21W103:55
F21Y115:10
F21Y115:30
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022129128
(22)【出願日】2022-08-12
(71)【出願人】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100099999
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 隆
(72)【発明者】
【氏名】金塚 昌平
(72)【発明者】
【氏名】坂下 麻美
(72)【発明者】
【氏名】秋山 京平
(57)【要約】
【課題】導光体を備えた車両用灯具において、灯具点灯時の意匠性を高める。
【解決手段】導光体40に対して、その第1端面40aから入射した光源30からの出射光を、左右方向に導光しながら導光体40の背面40cに形成された複数の反射素子42s1、42s2、44As1、44As2、44Bで全反射させることにより、導光体40から灯具前方へ出射させる構成とする。その際、複数の反射素子42s1、42s2、44As1、44As2、44Bの構成として、左右方向に間隔をおいて配置された状態で上下方向に延びるように形成され、かつ、一部の反射素子42s2、44As2が上下方向に関して部分的に欠落した状態で形成されたものとする。これにより、灯具点灯時に、導光体40が左右方向の複数箇所において略均一な明るさでスジ状に光って見えるようにする。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、所要方向に延びるように形成された導光体と、を備えた車両用灯具において、
上記導光体は、上記導光体の第1端面から入射した上記光源からの出射光を、上記所要方向に導光しながら上記導光体の背面に形成された複数の反射素子で全反射させることにより、上記導光体から灯具前方へ出射させるように構成されており、
上記複数の反射素子は、上記所要方向に間隔をおいて配置された状態で、上記所要方向と交差する方向に延びるように形成されており、
上記複数の反射素子のうち少なくとも一部の反射素子は、上記所要方向と交差する方向に関して部分的に欠落した状態で形成されている、ことを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
上記導光体は、上記所要方向と直交する平面に沿った断面形状が非円形形状に設定されている、ことを特徴とする請求項1記載の車両用灯具。
【請求項3】
上記導光体は、上記第1端面の近傍に位置する入射部領域が、上記入射部領域以外の一般領域から上記第1端面へ向けて灯具後方側に湾曲して延びるように形成されており、
上記入射部領域は、上記第1端面寄りに位置する第1領域と上記一般領域寄りに位置する第2領域とを備えており、
上記複数の反射素子は、上記第1領域に位置する反射素子よりも上記第2領域に位置する反射素子の方が高密度な分布で配置されている、ことを特徴とする請求項1または2記載の車両用灯具。
【請求項4】
上記複数の反射素子は、上記一般領域に位置する反射素子よりも上記第2領域に位置する反射素子の方が高密度な分布で配置されている、ことを特徴とする請求項3記載の車両用灯具。
【請求項5】
上記複数の反射素子は、上記一般領域において、上記入射部領域から上記所要方向に離れるに従って高密度な分布になるように配置されている、ことを特徴とする請求項3記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、導光体を備えた車両用灯具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両用灯具の構成として、光源と、所要方向(例えば車幅方向)に延びるように形成された導光体と、を備えたものが知られている。
【0003】
「特許文献1」には、このような車両用灯具において、導光体に対してその第1端面から入射した光源からの出射光を、上記所要方向に導光しながら導光体の背面に形成された複数の反射素子で全反射させることにより、導光体から灯具前方へ出射させるように構成されたものが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の車両用灯具において、導光体に対してその第1端面から入射した光源からの出射光は、上記所要方向に導光される過程で徐々に光量が減少するので、複数の反射素子で全反射する光も第1端面から離れるに従って徐々に光量が減少する。
【0006】
このため、点灯状態にある車両用灯具を観察したとき、導光体はその第1端面から離れるに従って徐々に暗くなるように見えてしまい、これにより灯具点灯時の意匠性が低下してしまう。
【0007】
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、導光体を備えた車両用灯具において、灯具点灯時の意匠性を高めることができる車両用灯具を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明は、導光体の構成に工夫を施すことにより、上記目的達成を図るようにしたものである。
【0009】
すなわち、本願発明に係る車両用灯具は、
光源と、所要方向に延びるように形成された導光体と、を備えた車両用灯具において、
上記導光体は、上記導光体の第1端面から入射した上記光源からの出射光を、上記所要方向に導光しながら上記導光体の背面に形成された複数の反射素子で全反射させることにより、上記導光体から灯具前方へ出射させるように構成されており、
上記複数の反射素子は、上記所要方向に間隔をおいて配置された状態で、上記所要方向と交差する方向に延びるように形成されており、
上記複数の反射素子のうち少なくとも一部の反射素子は、上記所要方向と交差する方向に関して部分的に欠落した状態で形成されている、ことを特徴とするものである。
【0010】
上記「光源」の種類は特に限定されるものではなく、例えば発光ダイオードや白熱バルブあるいはレーザーダイオード等が採用可能である。
【0011】
上記「導光体」は、所要方向に延びるように形成されていれば、その断面形状や外形形状等の具体的な構成は特に限定されるものではない。
【0012】
上記「所要方向」の具体的な方向は特に限定されるものではない。
【0013】
上記「複数の反射素子」は、上記所要方向に間隔をおいて配置されているが、その間隔の具体的な大きさは特に限定されるものではなく、また、上記所要方向と交差する方向に延びるように形成されていれば、その具体的な方向は特に限定されるものではない。
【0014】
上記「複数の反射素子のうち少なくとも一部の反射素子」は、上記所要方向と交差する方向に関して部分的に欠落した状態で形成されているが、この「部分的に欠落した状態」の具体的な態様は特に限定されるものではなく、例えば、反射素子の一端部または両端部が欠落した状態、反射素子の中間部が1箇所または複数箇所において欠落した状態等が採用可能である。
【発明の効果】
【0015】
本願発明に係る車両用灯具は、導光体に対してその第1端面から入射した光源からの出射光を、所要方向に導光しながら導光体の背面に形成された複数の反射素子で全反射させることにより、導光体から灯具前方へ出射させるように構成されており、かつ、複数の反射素子は、上記所要方向に間隔をおいて配置された状態で、これと交差する方向に延びるように形成されているので、灯具点灯時に導光体が上記所要方向の複数箇所においてスジ状に光って見えるようにすることができる。
【0016】
その上で、複数の反射素子のうち少なくとも一部の反射素子は、上記所要方向と交差する方向に関して部分的に欠落した状態で形成されているので、このように部分的に欠落した状態で形成された反射素子の配置およびその欠落した部分の比率を適宜設定することにより、灯具点灯時に導光体が上記所要方向の複数箇所において略均一な明るさで光って見えるようにすることができる。そしてこれにより灯具点灯時の意匠性を高めることができる。
【0017】
このように本願発明によれば、導光体を備えた車両用灯具において、灯具点灯時の意匠性を高めることができる。
【0018】
上記構成において、さらに、導光体として、上記所要方向と直交する平面に沿った断面形状が非円形形状に設定された構成とすれば、次のような作用効果を得ることができる。
【0019】
すなわち、導光体の断面形状を、非円形形状(例えば、楕円形、長円形、長方形等)に設定することにより、その断面形状が円形形状である場合に比して、複数の反射素子の各々の長さ寸法をより大きな値に設定することが容易に可能となる。そしてこれにより、複数の反射素子のうち少なくとも一部の反射素子を、上記所要方向と交差する方向に関して部分的に欠落した状態で形成することが容易に可能となる。したがって、灯具点灯時に導光体が上記所要方向の複数箇所において略均一な明るさで光って見えるようにすることが容易に可能となる。
【0020】
上記構成において、さらに、導光体として、第1端面の近傍に位置する入射部領域が、それ以外の一般領域から第1端面へ向けて灯具後方側に湾曲して延びるように形成されており、かつ、その入射部領域が、第1端面寄りに位置する第1領域と一般領域寄りに位置する第2領域とを備えている構成とした上で、複数の反射素子として、第1領域に位置する反射素子よりも第2領域に位置する反射素子の方が高密度な分布で配置されている構成とすれば、次のような作用効果を得ることができる。
【0021】
すなわち、導光体として、その入射部領域が第1端面へ向けて灯具後方側に湾曲して延びるように形成されている場合には、第1端面から入射部領域に入射した光源からの出射光が所要方向に導光される際、その第1領域の背面に到達する光に比してその第2領域の背面に到達する光の方が低密度な分布になりやすい。
【0022】
そこで、複数の反射素子として、第1領域に位置する反射素子よりも第2領域に位置する反射素子の方が高密度な分布で配置されている構成とすれば、灯具点灯時、入射部領域をその第1領域と第2領域とが略同様の明るさで光って見えるようにすることができる。
【0023】
上記「高密度な分布で配置されている」とは、具体的には、例えば、複数の反射素子のうち少なくとも一部の反射素子の構成として、上記所要方向と交差する方向に関して欠落した部分の比率が小さい値に設定されていること、あるいは、これに加えて、複数の反射素子相互間における上記所要方向の間隔が狭い値に設定されていること等を意味するものである。
【0024】
さらに、その際、複数の反射素子として、一般領域に位置する反射素子よりも入射部領域の第2領域に位置する反射素子の方が高密度な分布で配置されている構成とすれば、次のような作用効果を得ることができる。
【0025】
すなわち、導光体として、その入射部領域が第1端面へ向けて灯具後方側に湾曲して延びるように形成されている場合には、第1端面から入射した光源からの出射光が所要方向に導光される際、その一般領域の背面に到達する光に比してその入射部領域の第2領域の背面に到達する光が低密度な分布になりやすい。
【0026】
そこで、複数の反射素子として、一般領域に位置する反射素子よりも第2領域に位置する反射素子の方が高密度な分布で配置されている構成とすれば、灯具点灯時、入射部領域の第1および第2領域と一般領域とが略同様の明るさで光って見えるようにすることができる。
【0027】
上記構成において、さらに、複数の反射素子として、導光体の一般領域において、導光体の入射部領域から上記所要方向に離れるに従って高密度な分布で配置されている構成とすれば、次のような作用効果を得ることができる。
【0028】
すなわち、導光体の一般領域において、複数の反射素子が均一な分布で配置されている場合には、反射素子で全反射して灯具前方へ出射する光は入射部領域から離れるに従って徐々に光量が減衰してしまい、これにより一般領域は入射部領域から離れるに従って徐々に暗くなるように見えてしまう。これに対し、複数の反射素子が入射部領域から離れるに従って高密度な分布で配置されている構成とすれば、一般領域が所要方向の複数箇所において略均一な明るさで光って見えるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本願発明の第1実施形態に係る車両用灯具を示す正面図
【
図2】上記車両用灯具の灯具ユニットをエクステンションパネルと共に示す、
図1のII-II線断面図
【
図4】上記灯具ユニットの要部を
図2のIV方向から見て示す斜視図
【
図5】(a)は、上記灯具ユニットを示す正面図、(b)は、上記灯具ユニットを点灯状態で示す正面図
【
図6】上記第1実施形態の第1~第3変形例を示す、
図5(a)と同様の図
【
図7】上記第1~第3変形例の作用を示す、
図5(b)と同様の図
【
図8】本願発明の第2実施形態に係る車両用灯具の灯具ユニットを示す正面図
【
図9】上記第2実施形態の灯具ユニットを点灯状態で示す正面図
【
図10】上記第2実施形態の変形例を示す、
図8と同様の図
【
図11】上記第2実施形態の変形例の作用を示す、
図9と同様の図
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。
【0031】
まず、本願発明の第1実施形態について説明する。
【0032】
図1は、本実施形態に係る車両用灯具10を示す正面図である。また、
図2は、車両用灯具10の灯具ユニット20を示す、
図1のII-II線断面図である。
【0033】
図1、2において、Xで示す方向が車両用灯具10としての「前方」(車両としては「後方」)であり、Yで示す方向が「右方向」(車両としても「右方向」)であり、Zで示す方向が「上方向」である。
図1、2以外の図においても同様である。
【0034】
図1、2に示すように、本実施形態に係る車両用灯具10は、車両の右後端部に配置されるテールランプであって、ランプボディ12とこれに取り付けられた素通し状の透光カバー14とで形成される灯室内に、光源30と導光体40とを備えた灯具ユニット20がエクステンションパネル16と共に収容された構成となっている。
【0035】
光源30は、矩形状の発光面30aを有する赤色発光ダイオード等の発光素子であって、基板32に搭載された状態でランプボディ12に支持されている。
【0036】
導光体40は、所要方向に延びるように形成された棒状導光体であって、ランプボディ12に支持されている。
【0037】
具体的には、導光体40は、縦長の長円形の断面形状を有しており、左右方向に延びるように形成されている。その際、導光体40は、その左側に位置する第2端面40bから右方向へ向けて灯具後方側(すなわち車両前方側)に傾斜した状態で直線状に延びた後、その途中から右側に位置する第1端面40aまで灯具後方側へ向けて凸曲線状に回り込むように形成されている。そして、導光体40は、その第1端面40aを灯具後方へ向けた状態で、かつ、その中心を光源30の発光面30aに正対させた状態で配置されている。
【0038】
エクステンションパネル16は、導光体40の灯具前方側において左右方向に延びるように配置された板状部材であって、ランプボディ12に支持されている。このエクステンションパネル16には、横長の開口部16aが形成されており、これにより灯具正面視において導光体40の左右両端部を除く主要部分を露出させるようになっている。
【0039】
導光体40の背面40cには、灯具正面視においてエクステンションパネル16の開口部16a内に位置する部分(すなわち主要部分)に複数の反射素子42s1、42s2、44As1、44As2、44Bsが形成されている。そして、導光体40は、その第1端面40aから入射した光源30からの出射光を、第2端面40bへ向けて左方向に導光しながら複数の反射素子42s1、42s2、44As1、44As2、44Bsで全反射させることにより、導光体40から灯具前方へ出射させるように構成されている。
【0040】
図3は、
図2の III部詳細図である。また、
図4は、灯具ユニット20の要部を
図2のIV方向から見て示す斜視図である。
【0041】
図3、4にも示すように、複数の反射素子42s1、42s2、44As1、44As2、44Bsは、左右方向に間隔をおいて配置された状態で上下方向に延びるように形成されている。具体的には、複数の反射素子42s1、42s2、44As1、44As2、44Bsは、灯具正面視において左右方向に等間隔をおいて同一の左右幅で形成されており、かつ、その上下両端縁がいずれも同じ位置になるように形成されている。ただし、複数の反射素子42s1、42s2、44As1、44As2、44Bsのうち一部の反射素子42s2、44s2については、その上下方向の中間部が欠落した状態で形成されている。
【0042】
導光体40は、その主要部分(すなわち灯具正面視においてエクステンションパネル16の開口部16a内に位置する部分)として、第2端面40bの近傍から右方向へ向けて直線状に延びる一般領域42と、この一般領域42の右端位置から第1端面40aへ向けて灯具後方側に湾曲して延びる入射部領域44とを備えており、さらに入射部領域44は、第1端面40a寄りに位置する第1領域44Aと一般領域42寄りに位置する第2領域44Bとを備えている。
【0043】
入射部領域44においては、第1領域44Aに位置する複数の反射素子44As1、44As2よりも第2領域44Bに位置する複数の反射素子44Bsの方が高密度な分布で配置されている。具体的には、第1領域44Aにおいては、上下方向の全長にわたって延びる反射素子44As1と上下方向の中間部が欠落した反射素子44As2とが交互に配置されており、一方、第2領域44Bにおいては、上下方向の全長にわたって延びる反射素子44Bsのみが連続的に配置されている。
【0044】
また、一般領域42に位置する複数の反射素子42s1、42s2よりも入射部領域44の第2領域44Bに位置する反射素子44Bsの方が高密度な分布で配置されている、具体的には、一般領域42においては、上下方向の全長にわたって延びる複数の反射素子42s1と上下方向の中間部が欠落した複数の反射素子42s2とが交互に配置されている。
【0045】
さらに、一般領域42においては、複数の反射素子42s1、42s2が、入射部領域44から左方向に離れるに従って高密度な分布になるように配置されている。具体的には、入射部領域44から左方向に離れるに従って、上下方向の中間部が欠落した複数の反射素子42s2における中間部の欠落幅が徐々に狭くなるように設定されている。
【0046】
図5(a)は、灯具ユニット20を示す正面図であり、
図5(b)は、灯具ユニット20を点灯状態で示す正面図である。
【0047】
図5(a)に示すように、複数の反射素子42s1、42s2、44As1、44As2、44Bsは、入射部領域44においては、第1領域44Aに位置する複数の反射素子44As1、44As2よりも第2領域44Bに位置する複数の反射素子44Bsの方が高密度な分布で配置されており、また、一般領域42に位置する複数の反射素子42s1、42s2よりも入射部領域44の第2領域44Bに位置する反射素子44Bsの方が高密度な分布で配置されており、さらに、一般領域42においては、複数の反射素子42s1、42s2が、入射部領域44から左方向に離れるに従って高密度な分布になるように配置されているので、光源30の非点灯時には、上記分布に従った疎密状態のまま見える。
【0048】
一方、
図5(b)に示すように、光源30の点灯時には、複数の反射素子42s1、42s2、44As1、44As2、44Bsは、略均一な明るさで光って見える。これは以下の理由によるものである。
【0049】
すなわち、導光体40は、入射部領域44が一般領域42との接続位置から第1端面40aへ向けて灯具後方側に湾曲して延びるように形成されているので、
図3に示すように、第1端面40aから入射部領域44に入射した光源30からの出射光が左方向に導光される際、第1端面40a寄りに位置する第1領域44Aの背面40cに到達する光に比して第2領域44Bの背面40cに到達する光の方が低密度な分布になりやすい。しかしながら、第1領域44Aに位置する反射素子44As1、44As2よりも第2領域44Bに位置する反射素子44Bsの方が高密度な分布で配置されているので、入射部領域44は第1領域44Aと第2領域44Bとが略同様の明るさで光って見える。
【0050】
また、導光体40に対して第1端面40aから入射した光源30からの出射光が左方向に導光される際、一般領域42の背面40cに到達する光に比して入射部領域44の第2領域44Bの背面40cに到達する光の方が低密度な分布になりやすい。しかしながら、一般領域42に位置する反射素子42s1、42s2よりも第2領域44Bに位置する反射素子44Bsの方が高密度な分布で配置されているので、導光体40は入射部領域44の第1および第2領域44A、44Bと一般領域42とが略同様の明るさで光って見える。
【0051】
さらに、導光体40の一般領域42においては、複数の反射素子42s1、42s2が、入射部領域44から上記所要方向に離れるに従って高密度な分布になるように配置されているので、複数の反射素子42s1、42s2で全反射して灯具前方へ出射する光の量が入射部領域44から離れるに従って徐々に減衰しまうのが抑制され、これにより一般領域42は左右方向の複数箇所において略均一な明るさで光って見える。
【0052】
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
【0053】
本実施形態に係る車両用灯具10は、導光体40に対してその第1端面40aから入射した光源30からの出射光を、左右方向(所要方向)に導光しながら導光体40の背面40cに形成された複数の反射素子42s1、42s2、44As1、44As2、44Bで全反射させることにより、導光体40から灯具前方へ出射させるように構成されており、かつ、複数の反射素子42s1、42s2、44As1、44As2、44Bは、左右方向に間隔をおいて配置された状態で、上下方向(所要方向と交差する方向)に延びるように形成されているので、灯具点灯時に導光体40が左右方向の複数箇所においてスジ状に光って見えるようにすることができる。
【0054】
その上で、複数の反射素子42s1、42s2、44As1、44As2、44Bのうち一部の反射素子42s2、44As2は、上下方向に関して部分的に欠落した状態で形成されているので、このように部分的に欠落した状態で形成された反射素子42s2、44As2の配置およびその欠落した部分の比率が本実施形態のように適切に設定された構成とすることにより、灯具点灯時に導光体40が左右方向の複数箇所において略均一な明るさで光って見えるようにすることができる。そしてこれにより灯具点灯時の意匠性を高めることができる。
【0055】
このように本実施形態によれば、導光体40を備えた車両用灯具10において、灯具点灯時の意匠性を高めることができる。
【0056】
その際、本実施形態においては、導光体40の鉛直断面形状が縦長長円形(非円形形状)に設定されているので、その鉛直断面形状が円形形状である場合に比して、複数の反射素子42s1、42s2、44As1、44As2、44Bの各々の長さ寸法をより大きな値に設定することが容易に可能となる。そしてこれにより、複数の反射素子42s1、42s2、44As1、44As2、44Bのうちの一部の反射素子42s2、44As2を、上下方向に関して部分的に欠落した状態で形成することが容易に可能となる。したがって、灯具点灯時に導光体40が左右方向の複数箇所において略均一な明るさで光って見えるようにすることが容易に可能となる。
【0057】
しかも、このように導光体40の断面形状が非円形形状に設定されている場合には、その断面形状が円形形状である場合に比して、導光体40に対してその第1端面40aから入射した光源30からの出射光が導光途中で不均一な分布になりやすい。したがって本実施形態のように、複数の反射素子42s1、42s2、44As1、44As2、44Bのうちの一部の反射素子42s2、44As2が、上下方向に関して部分的に欠落した状態で形成された構成とすることによって、灯具点灯時に導光体40が左右方向の複数箇所において略均一な明るさで光って見える構成とすることが特に効果的である。
【0058】
さらに本実施形態においては、導光体40として、第1端面40aの近傍に位置する入射部領域44が、それ以外の一般領域42から第1端面40aへ向けて灯具後方側に湾曲して延びるように形成されており、かつ、その入射部領域44が、第1端面40a寄りに位置する第1領域44Aと一般領域42寄りに位置する第2領域44Bとを備えており、その上で、第1領域44Aに位置する反射素子44As1、44As2よりも第2領域44Bに位置する反射素子44Bsの方が高密度な分布で配置された構成となっているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0059】
すなわち、導光体40の入射部領域44が第1端面40aへ向けて灯具後方側に湾曲して延びている場合には、第1端面40aから入射部領域44に入射した光源30からの出射光が左方向に導光される際、第1領域44Aの背面40cに到達する光に比して第2領域44Bの背面40cに到達する光の方が低密度な分布になりやすい。
【0060】
そこで本実施形態のように、第1領域44Aに位置する反射素子44As1、44As2よりも第2領域44Bに位置する反射素子44Bsの方が高密度な分布で配置された構成とすることにより、灯具点灯時、入射部領域44をその第1領域44Aと第2領域44Bとが略同様の明るさで光って見えるようにすることができる。
【0061】
しかも本実施形態においては、一般領域42に位置する反射素子42s1、42s2よりも入射部領域44の第2領域44Bに位置する反射素子44Bsの方が高密度な分布で配置された構成となっているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0062】
すなわち、導光体40の入射部領域44が第1端面40aへ向けて灯具後方側に湾曲して延びている場合には、第1端面40aから入射した光源30からの出射光が左方向に導光される際、一般領域42の背面40cに到達する光に比して入射部領域44の第2領域44Bの背面40cに到達する光が低密度な分布になりやすい。
【0063】
そこで本実施形態のように、一般領域42に位置する反射素子42s1、42s2よりも第2領域44Bに位置する反射素子44Bsの方が高密度な分布で配置された構成とすることにより、灯具点灯時、入射部領域44の第1および第2領域44A、44Bと一般領域42とが略同様の明るさで光って見えるようにすることができる。
【0064】
さらに本実施形態においては、導光体40の一般領域42に位置する反射素子42s1、42s2が、入射部領域44から左方向に離れるに従って高密度な分布になるように配置されているので、次のような作用効果を得ることができる。
【0065】
すなわち、導光体40の一般領域42において、複数の反射素子42s1、42s2が均一な分布で配置されているとした場合には、反射素子42s1、42s2で全反射して灯具前方へ出射する光は入射部領域44から離れるに従って徐々に光量が減衰してしまい、これにより一般領域42は入射部領域44から離れるに従って徐々に暗くなるように見えてしまう。これに対し、複数の反射素子42s1、42s2が入射部領域44から離れるに従って高密度な分布になるように配置された構成とすることにより、一般領域42が左右方向の複数箇所において略均一な明るさで光って見えるようにすることができる。
【0066】
上記第1実施形態においては、導光体40が縦長の長円形の断面形状を有しているものとして説明したが、これ以外の非円形(例えば縦長の楕円形や長方形等)の断面形状を採用することも可能である。
【0067】
上記第1実施形態においては、複数の反射素子42s1、42s2、44As1、44As2、44B相互間における左右方向の間隔およびその各々の左右幅が一定の値に設定されているものとして説明したが、これらが互いに異なる値に設定された構成とすることも可能である。
【0068】
上記第1実施形態においては、複数の反射素子42s1、42s2、44As1、44As2、44Bが上下方向に延びるように形成されているものとして説明したが、上下方向に対して傾斜した方向に延びるように形成された構成とすることも可能である。
【0069】
上記第1実施形態においては、車両用灯具10がテールランプである場合について説明したが、これ以外にも、ストップランプ、ターンシグナルランプ、クリアランスランプ、デイタイムランニングランプ等、車両に設けられる箇所や機能にかかわらず、上記第1実施形態と同様の構成を採用することにより上記第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0070】
次に、上記第1実施形態の変形例について説明する。
【0071】
まず、上記第1実施形態の第1変形例について説明する。
【0072】
図6(a)は、本変形例に係る車両用灯具の灯具ユニット120を示す、
図5(a)と同様の図である。
【0073】
図6(a)に示すように、本変形例の基本的な構成は上記第1実施形態の場合と同様であるが、上下1対の光源130を備えている点で上記第1実施形態の場合と異なっている。
【0074】
上下1対の光源130は、いずれも上記第1実施形態の光源30と同様の構成を有しており、導光体40の第1端面40aに正対した状態で基板132に搭載されている。
【0075】
図7(a)は、灯具ユニット120を点灯状態で示す正面図である。
【0076】
図7(a)に示すように、本変形例の構成を採用した場合においても、灯具点灯時に導光体40が左右方向の複数箇所において略均一な明るさでスジ状に光って見えるようにすることができ、かつ、上記第1実施形態の場合よりも明るく光って見えるようにすることができる。
【0077】
次に、上記第1実施形態の第2変形例について説明する。
【0078】
図6(b)は、本変形例に係る車両用灯具の灯具ユニット220を示す、
図5(a)と同様の図である。
【0079】
図6(b)に示すように、本変形例の基本的な構成は上記第1実施形態の場合と同様であるが、導光体240の構成が上記第1実施形態の場合と一部異なっている。
【0080】
すなわち、本変形例の導光体240も、その基本的な構成は上記第1実施形態の導光体40と同様であるが、その一般領域242の背面240cに形成された複数の反射素子242s1、242s2の形状が上記第1実施形態の場合と異なっている。
【0081】
具体的には、本変形例の導光体240においても、その一般領域242の背面240cには、複数の反射素子242s1、242s2が灯具正面視において左右方向に一定の間隔をおいて交互に配置されている。そして、複数の反射素子242s2は、入射部領域244から左方向に離れるに従って上下方向の中間部の欠落幅が徐々に狭くなるように形成されており、一方、複数の反射素子242s1は、入射部領域244に近づくに従って上下方向の長さが短くなるように形成されている。その際、複数の反射素子242s2における上下方向の中間部の欠落幅は、上記第1実施形態の複数の反射素子42s2における上下方向の中間部の欠落幅よりも狭い値に設定されている。
【0082】
そしてこれにより、本変形例の導光体240においても、その一般領域242に位置する複数の反射素子242s1、242s2が、入射部領域244から左方向に離れるに従って高密度な分布になるように配置されている。
【0083】
なお、導光体240の入射部領域244における第1領域244Aに位置する反射素子244As1、244As2および第2領域244Bに位置する反射素子244Bの構成については上記第1実施形態の場合と同様である。
【0084】
図7(b)は、灯具ユニット220を点灯状態で示す正面図である。
【0085】
図7(b)に示すように、灯具ユニット220は、光源30の点灯によって導光体240が左右方向の複数箇所において略均一な明るさでスジ状に光って見える。
【0086】
このように本変形例の構成を採用した場合においても、導光体240は、光源30の非点灯時には、複数の反射素子242s1、242s2、244As1、244As2、244Bsの分布に従った疎密状態のまま見えるが、光源30の点灯時には、複数の反射素子242s1、242s2、244As1、244As2、244Bsが略均一な明るさで光って見えるようにすることができる。
【0087】
次に、上記第1実施形態の第3変形例について説明する。
【0088】
図6(c)は、本変形例に係る車両用灯具の灯具ユニット320を示す、
図5(a)と同様の図である。
【0089】
図6(c)に示すように、本変形例の基本的な構成は上記第1実施形態の場合と同様であるが、導光体340の構成が上記第1実施形態の場合と一部異なっている。
【0090】
すなわち、本変形例の導光体340も、その基本的な構成は上記第1実施形態の導光体40と同様であるが、その一般領域342の上下幅が左方向へ向けて徐々に狭くなるように形成されており、これに伴い一般領域342の背面340cに形成された複数の反射素子342s1、342s2の形状が上記第1実施形態の場合と異なっている。
【0091】
具体的には、本変形例の導光体340は、一般領域342と入射部領域344との境界位置においては第1端面340aと同じ縦長の長円形の断面形状を有しているが、その第2端面340bにおいては円形の断面形状を有しており、これにより一般領域342は左方向へ向けて上下幅が徐々に狭くなるように形成されている。
【0092】
本変形例の導光体340においても、一般領域342に位置する複数の反射素子342s1、342s2は灯具正面視において左右方向に一定の間隔をおいて交互に配置されている。これら複数の反射素子342s1、342s2は、上記第1実施形態における複数の反射素子42s1、42s2の同様、入射部領域344から左方向に離れるに従って高密度な分布になるように配置されている。ただし本変形例においては、一般領域342の上下幅が左方向へ向けて徐々に狭くなるのに従って、複数の反射素子342s1、342s2の上下方向の全長が左方向へ向けて徐々に短くなっている。
【0093】
なお、導光体340の入射部領域344における第1領域344Aに位置する反射素子344As1、344As2および第2領域344Bに位置する反射素子344Bの構成については上記第1実施形態の場合と同様である。
【0094】
図7(c)は、灯具ユニット320を点灯状態で示す正面図である。
【0095】
図7(c)に示すように、灯具ユニット320は、光源30の点灯によって導光体340が左右方向の複数箇所において略均一な明るさでスジ状に光って見える。
【0096】
本変形例の構成を採用した場合においても、導光体340は、光源30の非点灯時には、複数の反射素子342s1、342s2、344As1、344As2、344Bsの分布に従った疎密状態のまま見えるが、光源30の点灯時には、複数の反射素子342s1、342s2、344As1、344As2、344Bsが略均一な明るさで光って見えるようにすることができる。
【0097】
次に、本願発明の第2実施形態について説明する。
【0098】
図8は、本実施形態に係る車両用灯具の灯具ユニット520を示す正面図である。
【0099】
図8に示すように、本実施形態の灯具ユニット520は、所要方向に延びるように形成された導光体540と4つの光源530を備えた構成となっている。
【0100】
具体的には、導光体540は、鉛直面に沿って左右方向に延びる板状導光部542と、この板状導光部542の右端位置から中間遷移部544を介して上下4段で灯具後方側へ向けて延びるように形成された柱状導光部546とが一体的に形成された構成となっている。
【0101】
導光体540は、その右側に位置する第1端面540aが、上下4段で配置された柱状導光部546の端面によって構成されている。すなわち、この第1端面540aは、灯具後方を向いた円形の端面が上下4段で配置された構成となっている。
【0102】
また、導光体540は、その左側に位置する第2端面540bが、板状導光部542の端面によって縦長の矩形状端面として構成されている。
【0103】
そして、導光体540は、その中間遷移部544において板状導光部542の縦長矩形状の断面形状から上下4段で配置された円形状の断面形状に徐々に変化するように構成されている。
【0104】
4つの光源530は、いずれも矩形状の発光面530aを有する赤色発光ダイオード等の発光素子であって、上下4段で配置された第1端面540aの中心位置において発光面530aを第1端面540aに正対させた状態で、共通の基板532に搭載されている。
【0105】
板状導光部542は、一定の板厚で形成されており、かつ、灯具正面視において横長矩形状に形成されている。この板状導光部542の背面542cには、複数の反射素子542s1、542s2、542s3、542s4、542s5、542s6、542s7、542s8、542s9が、左右方向に間隔をおいて配置された状態で上下方向に延びるように形成されている。
【0106】
その際、これら複数の反射素子542s1~542s9は、灯具正面視において左右方向に等間隔をおいて形成されており、かつ、その上下両端縁がいずれも同じ位置になるように形成されているが、中間遷移部544から左方向に離れるに従って高密度な分布になるように配置されている。
【0107】
具体的には、複数の反射素子542s1~542s9は、中間遷移部544から左方向に離れるに従って、その左右幅が広くなるように形成されており、かつ、上下方向の中間部の欠落箇所が少なくなるように形成されている。
【0108】
すなわち、最も中間遷移部544寄り(すなわち右側)に位置する4本の反射素子542s1は、最も細幅でかつ上下方向の中間部の欠落箇所が最も多くなっている。具体的には、各反射素子542s1における上下方向の中間部の欠落箇所は8箇所に設定されており、その欠落幅は残存部の長さよりも小さい値(例えば半分程度の値)に設定されている。
【0109】
4本の反射素子542s1の左側に隣接する4本の反射素子542s2は、反射素子542s1よりも僅かに広幅で形成されており、かつ、上下方向の中間部の欠落箇所が1つ少なくなっており、その欠落幅は残存部の長さの半分程度である。
【0110】
以下同様にして、4本の反射素子542s3~542s8は、その右側に隣接する4本の反射素子542s2~542s7よりも僅かに広幅で形成されており、かつ、上下方向の中間部の欠落箇所が1つ少なくなっており、その欠落幅は残存部の長さの半分程度である。そして、4本の反射素子542s8の左側に隣接する(すなわち最も左側に位置する)4本の反射素子542s9は、反射素子542s8よりも僅かに広幅で形成されており、かつ、上下方向の中間部に欠落箇所が存在していない。
【0111】
このようにして9種類の反射素子542s1~542s9が配置されていることにより、4つの光源530の非点灯時には、板状導光部542は上記分布に従った疎密状態のまま見える。
【0112】
図9は、灯具ユニット520を点灯状態で示す正面図である。
【0113】
図9に示すように、4つの光源530の点灯時には、柱状導光部546および中間遷移部544を介して板状導光部542に入射した光によって、9種類の反射素子542s1~542s9が略均一な明るさでスジ状に光って見える。これは以下の理由によるものである。
【0114】
すなわち、導光体540の板状導光部542においては、複数の反射素子542s1~542s9が、中間遷移部544から左方向に離れるに従って高密度な分布になるように配置されているので、複数の反射素子542s1~542s9で全反射して灯具前方へ出射する光の量が中間遷移部544から離れるに従って徐々に減衰しまうのが抑制され、これにより板状導光部542は左右方向の複数箇所において略均一な明るさで光って見える。この点において、上記第1実施形態における導光体40の一般領域42と同様である。
【0115】
このように本実施形態においても、灯具点灯時に導光体540の板状導光部542が左右方向の複数箇所においてスジ状に光って見えるようにすることができる。
【0116】
その上で、複数の反射素子542s1~542s9のうち一部の反射素子542s1~542s8は、上下方向に関して部分的に欠落した状態で形成されているので、このように部分的に欠落した状態で形成された反射素子542s1~542s8の配置およびその欠落した部分の比率が本実施形態のように適切に設定された構成とすることにより、灯具点灯時に板状導光部542が左右方向の複数箇所において略均一な明るさで光って見えるようにすることができる。そしてこれにより灯具点灯時の意匠性を高めることができる。
【0117】
また本実施形態においては、導光体540の第1端面540aが、上下4段で配置された柱状導光部546の端面によって構成されており、4つの光源530からの出射光を、これら柱状導光部546および中間遷移部544を介して板状導光部542に導く構成となっているので、板状導光部542における導光が略均一に行われるようにすることが容易に可能となる。
【0118】
次に、上記第2実施形態の変形例について説明する。
【0119】
図10は、本変形例に係る車両用灯具の灯具ユニット620を示す正面図である。
【0120】
図10に示すように、本変形例の基本的な構成は上記第2実施形態の場合と同様であるが、導光体640における板状導光部642の構成が上記第2実施形態の場合と一部異なっている。
【0121】
すなわち、本変形例の導光体640においても、その板状導光部642の背面642cには、9種類の反射素子642s1、642s2、642s3、642s4、642s5、642s6、642s7、642s8、642s9が、左右方向に間隔をおいて配置された状態で上下方向に延びるように形成されているが、これら9種類の反射素子642s1~642s9が2本ずつ離散的に配置されている点で上記第2実施形態の場合と異なっている。
【0122】
その際、これら9種類の反射素子642s1~642s9は、上記第2実施形態における9種類の反射素子542s1~542s9と同様、その上下両端縁がいずれも同じ位置になるように形成されており、かつ、中間遷移部644から左方向に離れるに従って高密度な分布になるように配置されている。
【0123】
なお、本変形例の導光体640も、その柱状導光部646および中間遷移部644の構成に関しては上記第2実施形態の場合と同様である。
【0124】
図11は、本変形例の灯具ユニット620を点灯状態で示す正面図である。
【0125】
図11に示すように、4つの光源530の点灯時には、9種類の反射素子642s1~642s9が略均一な明るさでスジ状に光って見える。これは上記第2実施形態の場合と同様の理由によるものである。
【0126】
その際、本変形例においては、9種類の反射素子642s1~642s9が2本ずつ離散的に配置されているので、板状導光部642は9種類の反射素子642s1~642s9毎に離散的に光って見え、かつ、その各々が上記第2実施形態の場合よりも明るく光って見える。
【0127】
このように本変形例においても、灯具点灯時に導光体640の板状導光部642が左右方向の複数箇所においてスジ状に光って見えるようにすることができ、かつ、その光り方を上記第2実施形態の場合とは異なったものとすることができる。
【0128】
なお、上記第1および第2実施形態およびその変形例において諸元として示した数値は一例にすぎず、これらを適宜異なる値に設定してもよいことはもちろんである。
【0129】
また、本願発明は、上記第1および第2実施形態およびその変形例に記載された構成に限定されるものではなく、これ以外の種々の変更を加えた構成が採用可能である。
【符号の説明】
【0130】
10 車両用灯具
12 ランプボディ
14 透光カバー
16 エクステンションパネル
16a 開口部
20、120、220、320 灯具ユニット
30、130 光源
30a 発光面
32、132 基板
40、240、340 導光体
40a、340a 第1端面
40b、340b 第2端面
40c、240c、340c 背面
42、242、342 一般領域
42s1、42s2、44As1、44As2、44Bs、242s1、242s2、244As1、244As2、244Bs、342s1、342s2、344As1、344As2、344Bs 反射素子
44、244、344 入射部領域
44A、244A、344A 第1領域
44B、244B、344B 第2領域
520、620 灯具ユニット
530 光源
530a 発光面
532 基板
540、640 導光体
540a 第1端面
540b 第2端面
542、642 板状導光部
542c、642c 背面
542s1、542s2、542s3、542s4、542s5、542s6、542s7、542s8、542s9、642s1、642s2、642s3、642s4、642s5、642s6、642s7、642s8、642s9 反射素子
544、644 中間遷移部
546、646 柱状導光部