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  • 特開-衣類カバー貼付具及び衣類提供方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025608
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】衣類カバー貼付具及び衣類提供方法
(51)【国際特許分類】
   A45C 9/00 20060101AFI20240216BHJP
   B65D 85/18 20060101ALI20240216BHJP
   A45C 5/03 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
A45C9/00 A
B65D85/18 A
A45C5/03
A45C9/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022168744
(22)【出願日】2022-10-21
(31)【優先権主張番号】U 2022002849
(32)【優先日】2022-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】522342123
【氏名又は名称】有限会社福屋クリーニング
(74)【代理人】
【識別番号】100187838
【弁理士】
【氏名又は名称】黒住 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100220892
【弁理士】
【氏名又は名称】舘 佳耶
(74)【代理人】
【識別番号】100205589
【弁理士】
【氏名又は名称】日野 和将
(72)【発明者】
【氏名】清水 光博
【テーマコード(参考)】
3B045
3E068
【Fターム(参考)】
3B045AA02
3B045CB05
3B045CE09
3B045DA04
3B045DA05
3B045DA08
3B045DA09
3B045EA01
3B045EB06
3B045EB11
3B045FA01
3B045GA01
3B045GB01
3B045GC01
3B045GD01
3E068AA13
3E068CC29
3E068CC30
3E068CE03
3E068DD30
3E068EE07
3E068EE13
(57)【要約】
【課題】
汚れ防止カバー等、衣類に予めかけられている衣類カバーに後付けすることで、その衣類カバーを、衣類とともに、持ち運びやすい手提げ状にすることができる衣類カバー用貼付具を提供する。
【解決手段】
ハンガー40に吊るされた状態で衣類カバー30に収容された衣類50を、衣類カバー30とともに折り返した状態で持ち運びできるようにするために、衣類カバー30に貼り付けて使用される衣類カバー用貼付具1を提供する。この衣類カバー用貼付具1は、カバー貼付部10とフック挿通部20とを備えている。衣類カバー30の折り返し側にカバー貼付部10を貼り付けて、ハンガー40のフック41をフック挿通部20に通すことで、ハンガー40及び衣類カバー30を、フック41を持ち手とした手提げ状にすることができる。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンガーに吊るされた状態で衣類カバーに収容された衣類を、衣類カバーとともに折り返した状態で持ち運びできるようにするために、衣類カバーに貼り付けて使用される衣類カバー用貼付具であって、
カバー貼付部とフック挿通部とを備え、
衣類カバーの折り返し側にカバー貼付部を貼り付けて、ハンガーのフックをフック挿通部に通すことで、ハンガー及び衣類カバーを、前記フックを持ち手とした手提げ状とすることができるようにした
ことを特徴とする衣類カバー用貼付具。
【請求項2】
カバー貼付部とフック挿通部とが、平面状を為す共通の平面材に形成された請求項1記載の衣類カバー用貼付具。
【請求項3】
前記平面材が合成紙とされた請求項2記載の衣類カバー用貼付具。
【請求項4】
カバー貼付部に、ゴム系粘着剤が塗布された請求項3記載の衣類カバー用貼付具。
【請求項5】
請求項1記載の衣類カバー用貼付具を衣類カバーに貼り付けた状態で衣類を顧客に提供する衣類提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類カバーに貼り付けて使用される衣類カバー貼付具と、それを用いた衣類提供方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
クリーニング店では、クリーニング済みのジャケット等を、ハンガーに吊るし、「クリーニングカバー」と呼ばれる汚れ防止カバーに収容した状態のまま、プラスチック製のレジ袋に入れて、顧客に返却している。しかし、近年、SDGs(持続可能な開発目標)に対する社会的な関心もあってか、レジ袋の有料化が義務付けられた。このため、返却されたジャケット等を、レジ袋に入れずに、そのままの状態(ハンガーに吊るし、汚れ防止カバーに収容した状態)で引き取る顧客も多くなっている。この状態のジャケット等は、持ち運びにくい。腕を降ろした状態でそれを持ち運ぼうとすると、ジャケット等の裾を引きずるからである。なお、顧客の中には、マイバッグ等を持参する人もいるところ、マイバッグの寸法は様々あり、これにジャケット等をつめるのに手間取ることがある。このような問題は、クリーニング店だけでなく、アパレルショップ等でも生じうる。
【0003】
ところで、特許文献1には、スーツ等の衣類を持ち運びやすくするための折り畳み式被服携帯用カバーが提案されている。この折り畳み式被服携帯用カバーは、同文献の第1図に示されているように、カバー本体(カバー1)の上側及び下側に取手21,31を予め設けたものとなっている。このカバー1に衣類5を収容し、上下の取手21,31が合わさるようにそのカバー1を衣類5とともに折り畳むことで、同文献の第4図に示されるように、折り畳み式被服携帯用カバーを、取手付きの袋状にすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭58-185922号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の折り畳み式被服携帯用カバーは、レジ袋よりも構造が複雑で、価格が高く、レジ袋の代替品として不適格である。また、同文献の折り畳み式被服携帯用カバーは、ジャケット等の衣類の寸法や形態に応じた複数種類を用意する必要もある。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために為されたものであり、レジ袋を使用したり、特許文献1の携帯用衣類カバーのような高価なものを別途用意したりすることなく、ジャケット等の衣類を持ち運びやすくすることを目的とする。具体的には、汚れ防止カバー等、衣類に予めかけられている衣類カバーに後付けすることで、その衣類カバーを、衣類とともに、持ち運びやすい手提げ状にすることができる衣類カバー用貼付具を提供するものである。また、この衣類カバー用貼付具を用いた衣類提供方法を提供することも本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は、
ハンガーに吊るされた状態で衣類カバーに収容された衣類を、衣類カバーとともに折り返した状態で持ち運びできるようにするために、衣類カバーに貼り付けて使用される衣類カバー用貼付具であって、
カバー貼付部とフック挿通部とを備え、
衣類カバーの折り返し側にカバー貼付部を貼り付けて、ハンガーのフックをフック挿通部に通すことで、ハンガー及び衣類カバーを、前記フックを持ち手とした手提げ状とすることができるようにした
ことを特徴とする衣類カバー用貼付具
を提供することによって解決される。
【0008】
本発明の衣類カバー用貼付具を用いて、衣類を収容した衣類カバーを手提げ状にすることで、衣類を二つ折り等とし、その丈を短くすることができる。このため、衣類を、引きずることなく持ち運ぶことができる。また、衣類に予めかけられている衣類カバーを、有効利用することもできる。さらに、衣類をレジ袋やマイバッグ等に入れる必要性がなくなる。このため、クリーニング店等においては、衣類をどのように持ち帰るか(レジ袋に入れるか否か等)について顧客とやり取りする手間や、衣類をマイバッグに入れる手間を省くことができる。
【0009】
本発明の衣類カバー用貼付具においては、カバー貼付部とフック挿通部とを、平面状を為す共通の平面材に形成することが好ましい。これにより、複数枚の衣類カバー用貼付具を積み重ねることでき、省スペースで保管することができる。また、衣類カバー用貼付具を平面材で形成することで、衣類カバー用貼付具を裁断等によって容易に製造することもできる。
【0010】
このとき、平面材は、合成紙とすることが好ましい。これにより、衣類カバー用貼付具の耐久性や防水性等を高めることができる。このため、重い衣類を運ぶ際や、雨等に濡れた際にも、衣類カバー用貼付具を破れにくくすることができる。また、耐久性があるため、カバー貼付部に粘着剤を上塗り等すれば、衣類カバー用貼付具を、繰り返し使用することもできる。さらに、合成紙はプラスチック(ポリプロピレン等)を主原料としているため、衣類カバー用貼付具がリサイクルしやすくなる。加えて、インク乗りの良い合成紙を使用すれば、衣類カバー用貼付具に、店舗名やロゴマーク等を綺麗且つ容易に印刷することもできる。
【0011】
ところで、汚れ防止カバー等の衣類カバーでは、通気性を確保するために、その一部又は全部を不織布で形成することがある。不織布に対しては、一般的な粘着剤が強固に粘着しないことがある。このため、一般的な粘着剤をカバー貼付部に用いると、衣類カバー用貼付具が衣類カバーにしっかりと貼り付かないおそれがある。したがって、本発明の衣類カバー用貼付具においては、カバー貼付部に、ゴム系粘着剤を塗布すること好ましい。これにより、衣類カバーにおける不織布の部分に対しても、衣類カバー用貼付具をしっかりと貼り付けることができる。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明によって、汚れ防止カバー等、衣類に予めかけられている衣類カバーに後付けすることで、その衣類カバーを、衣類とともに、持ち運びやすい手提げ状にすることができる衣類カバー用貼付具を提供することが可能となる。また、この衣類カバー用貼付具を用いた衣類提供方法を提供することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の衣類カバー用貼付具を衣類カバーに貼り付けた状態を示した図である。
図2】本発明の衣類カバー用貼付具を用いて、衣類カバーを手提げ状にした状態を示した図である。
図3】本発明の衣類カバー用貼付具を用いて、衣類カバーを手提げ状にした状態の別の例を示した図である。
図4】本発明の衣類カバー用貼付具の正面図である。
図5】本発明の衣類カバー用貼付具の背面図である。
図6】本発明の衣類カバー用貼付具の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の衣類カバー用貼付具について、図面を用いてより具体的に説明する。しかし、以下で述べる構成は、飽くまで好適な実施形態であり、本発明の衣類カバー用貼付具の技術的範囲は、以下で述べる構成に限定されない。本発明の衣類カバー用貼付具には、発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更を施すことができる。
【0015】
1. 衣類カバー用貼付具の使用方法
図1は、本発明の衣類カバー用貼付具1を衣類カバー30に貼り付けた状態を示した図である。図2は、本発明の衣類カバー用貼付具1を用いて、衣類カバー30を手提げ状にした状態を示した図である。図2(a)は、手提げ状にした衣類カバー30を正面から見たときの図であり、図2(b)は、それを横から見たときの図である。
【0016】
クリーニング店等では、ジャケット等の衣類50を、ハンガー40に吊るし、「クリーニングカバー」と呼ばれる汚れ防止カバーに収容した状態のまま、顧客に引き渡している。本発明の衣類カバー用貼付具1は、図1に示すように、衣類50に予めかけられている汚れ防止カバー(衣類カバー30)に貼り付けて使用される。これにより、図2(a),(b)に示すように、その衣類カバー30を、衣類50とともに、折り返した状態とすることができる。このような手提げ状にすることで、衣類50の丈が短くなり、衣類50を引きずることなく持ち運ぶことができる。また、レジ袋等を使う必要性がなくなるため、環境にかかる負荷を少なくでき、SDGsの達成に貢献することも可能となる。
【0017】
この衣類カバー用貼付具1は、カバー貼付部10とフック挿通部20とで構成される。カバー貼付部10は、衣類カバー30に貼り付けるための部分である。フック挿通部20は、ハンガー40のフック41を通すための部分である。
【0018】
衣類カバー用貼付具1を用いて衣類カバー30を手提げ状にする手順は、例えば、次のような手順とすることができる。すなわち、最初に、ハンガー40に吊るされた状態で衣類カバー30に収容された衣類50を、その丈が短くなるように折り返す。ここでは、図2(a),(b)に示すように、衣類カバー30及び衣類50を二つ折りにする。
【0019】
次に、衣類カバー30の折り返し側(ハンガー40に対して折り返される側)31に、衣類カバー用貼付具1のカバー貼付部10を貼り付ける。ここでは、図2(a),(b)に示すように、衣類カバー30における折り返し側31の上端部(ハンガー40に近い箇所)に、衣類カバー用貼付具1を上向き(フック挿通部20が上側に配される向き)で貼り付ける。なお、衣類カバー30を広げた際における衣類カバー貼付具1の向き及び貼り付け箇所は、図1に示すようになる。
【0020】
衣類カバー用貼付具1を衣類カバーに貼り付ける際には、その内側面(図2(b)における破線で囲まれた面31a)に貼り付けてもよいし、その外側面(図2(b)における破線で囲まれた面31b)に貼り付けてもよい。ただし、衣類カバー用貼付具1を内側面に貼り付けると、重量バランスが悪くなって、手提げ状にした衣類カバー30が持ち運びにくくなるおそれがある。また、衣類カバー30の折り返し側31が垂れ下がって見た目が悪くなるおそれもある。このため、衣類カバー用貼付具1は、衣類カバー30の外側面に貼り付けることが好ましい。
【0021】
最後に、ハンガー40のフック41を、衣類カバー用貼付具1のフック挿通部20に通す。これにより、衣類カバー30を、ハンガー40のフック41を持ち手とした手提げ状にすることができる。ここでは、フック挿通部20にハンガー40のフック41を通すことで、衣類カバー30が二つ折りの手提げ状になる。
【0022】
以上では、衣類カバー30及び衣類50を折り返した後に、衣類カバー30に衣類カバー用貼付具1を貼り付ける手順を説明したが、衣類カバー30及び衣類50を折り返す前に、衣類カバー30に衣類カバー用貼付具1を貼り付けてもよい。この場合には、衣類カバー用貼付具1(カバー貼付部10)を、衣類カバー30における図1に示す箇所に貼り付けた後に、衣類カバー30を二つ折りにして、フック挿通部20にハンガー40のフック41を通す。このような手順でも、衣類カバー30を手提げ状とすることができる。
【0023】
また、以上では、衣類カバー用貼付具1を用いて、衣類カバー30を二つ折りの手提げ状にする手順を説明したが、衣類カバー30を三つ折り以上の状態にすることも可能である。例えば、図3に示すように、衣類カバー30を三つ折りにした状態で、その折り返し側31の上端部に衣類カバー用貼付具1を貼り付ければ、衣類カバー30を三つ折りの手提げ状にすることができる。これにより、ロングコート等、丈の長い衣類でも引きずることなく持ち運ぶことができる。図3は、衣類カバー用貼付具を用いて、衣類カバーを手提げ状にした状態の別の例を示した図である。図3(a)は、手提げ状にした衣類カバー30を正面から見たときの図であり、図3(b)は、それを横から見たときの図である。
【0024】
衣類カバー用貼付具1を適用できる衣類50の種類は、ジャケットやロングコート等に限定されない。例えば、ワイシャツ等、ジャケットやロングコート以外の上衣や、ズボンやスカート等の下衣に対しても、衣類カバー用貼付具1を適用することが可能である。また、衣類カバー用貼付具1は、クリーニング店だけでなく、アパレルショップや衣類レンタル店等でも使用することができる。
【0025】
2. 衣類カバー用貼付具の構造
以下、図4~6を参照して、衣類カバー用貼付具1の構造をより詳細に説明する。図4~6は、ぞれぞれ、衣類カバー用貼付具1の正面図、背面図及び断面図である。
【0026】
衣類カバー用貼付具1は、既に述べたように、カバー貼付部10とフック挿通部20とで構成される。カバー貼付部10及びフック挿通部20は、それぞれ別個の部材を組み合わせた構造にすることもできるが、本実施形態では、カバー貼付部10及びフック挿通部20を、平面状を為す共通の平面材αに形成している。これにより、衣類カバー用貼付具1を、シンプルな構造にできるだけでなく、裁断等で容易に作製することができる。また、衣類カバー用貼付具1を積み重ねることで、衣類カバー用貼付具1を省スペースで保管することができる。
【0027】
平面材αは、長持ちするように、耐久性があるものとすることが好ましい。しかし、ボール紙や厚紙等は、雨等に濡れると、強度が落ちて、最悪の場合には破れるおそれがある。このため、平面材αは、耐久性に加え、防水性も有していることが好ましい。このような素材としては、例えば、プラスチックシートや合成紙等、樹脂を主原料とするシート材が挙げられる。特に、平面材αにインク乗りのよい合成紙を用いれば、カバー貼付部10の正面側等に、店舗名やロゴマーク等を印刷することが可能となる。本実施形態では、「ユポ紙」と呼ばれる合成紙を平面材αに採用している。
【0028】
平面材αの厚さは、特に限定されないが、平面材αが薄すぎると、平面材αが破れやすくなる。このため、平面材αの厚さは、0.1mm以上にすることが好ましく、0.2mm以上にすることがより好ましく、0.3mm以上にすることがさらに好ましい。一方、平面材αが厚すぎると、柔軟性がなくなって扱いにくくなるおそれや、価格が高くなるおそれがある。このため、平面材αの厚さは、3mm以下にすることが好ましく、2mm以下にすることがより好ましく、1mm以下にすることがさらに好ましい。本実施形態では、平面材αの厚さを、約0.5mmとしている。
【0029】
2.1 カバー貼付部
カバー貼付部10は、既に述べたように、衣類カバー30に貼り付けるための部分である。カバー貼付部10の背面側には、衣類カバー30に貼り付けるための接着剤11が塗布されている。本実施形態では、接着剤11に埃等が付着して粘着力が落ちないように、接着剤11を剥離紙12で覆っている。
【0030】
接着剤11の種類は、特に限定されず、アクリル系接着剤やシリコーン系接着剤等、一般的な接着剤を接着剤11に採用することができる。しかし、衣類カバー30には、ビニール製のものが多いものの、その一部又は全部を不織布で形成したものもある。この点、一般的な接着剤は、不織布に貼り付きにくいことがある。このため、カバー貼付部10に塗布する接着剤11は、ゴム系接着剤とすることが好ましい。これにより、衣類カバー30における不織布で形成された部分にも、衣類カバー用貼付具1をしっかりと貼り付けることができる。
【0031】
カバー貼付部10の形状は、特に限定されない。例えば、カバー貼付部10を、三角形等の多角形状や、円形状や、楕円形状等とすることができる。また、星型やハート型等の異形にすることもできる。さらに、これらの形状を組み合わせた形状にすることも可能である。本実施形態では、カバー貼付部10を、長方形状にしている。
【0032】
カバー貼付部10の面積も、特に限定されない。ただし、その面積を小さくしすぎると、粘着力が弱くなって、衣類カバー用貼付具1が衣類カバー30から剥がれやすくなるおそれがある。また、衣類カバー30に力が局所的に加わるようになり、衣類カバー30が破れるおそれもある。このため、カバー貼付部10の面積は、50cm以上とすることが好ましく、100cm以上とすることがより好ましく、150cm以上とすることがさらに好ましい。カバー貼付部10の面積に特に上限はないが、その面積は、通常、500cm以下とされる。本実施形態では、カバー貼付部10の面積を、約180cm(横20cm×縦9cm)としている。
【0033】
2.2 フック挿通部
フック挿通部20は、既に述べたように、ハンガー40のフック41を通すための部分である。フック挿通部20の形状は、フック挿通部20にハンガー40のフック41を通すことができれば特に限定されず、例えば、多角形状や円形状や星形等、様々な形状とすることができる。本実施形態では、フック挿通部20を、円形状の開口としている。ただし、ハンガー40のフック41を通しやすくするために、フック挿通部20を、左右方向に長いスリット状の開口としてもよい。
【0034】
フック挿通部20の面積は、特に限定されない。ただし、その面積が小さすぎると、フック挿通部20にハンガー40のフック41を通しにくくなる。このため、フック挿通部20の面積は、5cm以上にすること好ましく、10cm以上にすることがより好ましい。一方、その面積が大きすぎると、ハンガー40のフック41がフック挿通部20から外れやすくなる。このため、フック挿通部20の面積は、50cm以下とすることが好ましく、25cm以下とすることがより好ましい。本実施形態では、フック挿通部20の面積を、約13cm(直径約4cm)としている。
【0035】
フック挿通部20の位置も、特に限定されないが、カバー貼付部10の近傍とすることが好ましい。これにより、衣類カバー30を手提げ状にしたときに、衣類カバー30をコンパクトにまとめることができる。本実施形態では、フック挿通部20を、カバー貼付部10の上側に近接して設けている。
【0036】
ところで、フック挿通部20の周辺部(特に上側)には、ハンガー40のフック41を介して、衣類50の荷重がかかるようになっている。この点、フック挿通部20の周辺部の強度を確保するために、その幅Wは狭くしすぎないことが好ましい。具体的には、幅Wを、0.5cm以上にすることが好ましく、1cm以上にすることがより好ましい。フック挿通部20の周辺部の幅Wに特に上限はないが、その幅Wは、通常、5cm以下とされる。本実施形態では、フック挿通部20の周辺部の幅Wを、約1.5cmとしている。また、フック挿通部20の周辺部の強度を確保するために、フック挿通部20の周辺部に、補強テープを巻く等、補強部材を設けてもよい。
【符号の説明】
【0037】
1 衣類カバー用貼付具
10 カバー貼付部
11 接着剤
12 剥離紙
20 フック挿通部
30 衣類カバー(汚れ防止カバー)
31 衣類カバーの折り返し側
40 ハンガー
41 フック
50 衣類(ジャケット)
α 平面材
図1
図2
図3
図4
図5
図6