(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025629
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】基板処理方法及び基板処理装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/02 20060101AFI20240216BHJP
H01L 21/027 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
H01L21/02 Z
H01L21/30 567
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023018163
(22)【出願日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】10-2022-0101049
(32)【優先日】2022-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】598123150
【氏名又は名称】セメス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SEMES CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】77,4sandan 5-gil,Jiksan-eup,Seobuk-gu,Cheonan-si,Chungcheongnam-do,331-814 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】イ,スン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】オ,ミュン ファン
【テーマコード(参考)】
5F146
【Fターム(参考)】
5F146KA04
5F146KA10
(57)【要約】
【課題】基板を処理する方法を提供する。
【解決手段】基板処理方法は、基板を加熱する加熱プレートに設置される複数のヒーターの温度を測定し、測定されたそれぞれのヒーターの測定温度とあらかじめモデリングされたそれぞれのヒーターのターゲット温度の差に基づいてヒーターの出力を調節して基板を加熱する際、第1時点での、ヒーターのうち第1ヒーターのターゲット温度は、第1時点より遅れた第2時点での前記第1ヒーターのターゲット温度より低く設定される。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する方法であって、
前記基板を加熱する加熱プレートに設置される複数のヒーターの温度を測定し、測定されたそれぞれの前記ヒーターの測定温度とあらかじめモデリングされたそれぞれの前記ヒーターのターゲット温度の差によって前記ヒーターの出力を調節して前記基板を加熱する際、
第1時点での前記ヒーターのうちで第1ヒーターのターゲット温度は、前記第1時点より遅れた第2時点での前記第1ヒーターのターゲット温度とは異なる温度に設定される、基板処理装置。
【請求項2】
前記第1時点での、前記ヒーターのうち第1ヒーターのターゲット温度は、前記第2時点での前記第1ヒーターのターゲット温度より低く設定される、請求項1に記載の基板処理方法。
【請求項3】
前記第1時点での、前記ヒーターのうち第2ヒーターのターゲット温度は、前記第2時点での前記第2ヒーターのターゲット温度とは異なる温度に設定される、請求項2に記載の基板処理方法。
【請求項4】
前記第1時点での、前記ヒーターのうち第2ヒーターのターゲット温度は、前記第2時点での前記第2ヒーターのターゲット温度より高く設定される、請求項3に記載の基板処理方法。
【請求項5】
前記第1ヒーターは、前記基板の前記加熱プレートへの安着時の温度の落幅が前記第2ヒーターより小さい、請求項4に記載の基板処理方法。
【請求項6】
前記第1時点での前記第1ヒーター及び前記第2ヒーターのターゲット温度は、前記第1ヒーター及び前記第2ヒーターの温度上昇速度、温度下降速度、および、前記基板の前記加熱プレートへの安着時の温度の落幅のうち、少なくとも一つ以上に基づいて設定される、請求項5に記載の基板処理方法。
【請求項7】
それぞれの前記ヒーターの前記測定温度は、前記ヒーターの抵抗値を測定することで測定された抵抗値に基づいて演算される、請求項1に記載の基板処理方法。
【請求項8】
前記基板は、前記基板上に感光液を塗布する塗布工程、および、前記塗布工程以後に遂行される露光工程を遂行した以後、前記加熱プレートに安着されて加熱される、請求項1に記載の基板処理方法。
【請求項9】
前記第1時点は前記基板を加熱する区間のうちで初期の過渡期に属し、前記第2時点は前記基板を加熱する区間のうちで後期の安定期に属する、請求項1に記載の基板処理方法。
【請求項10】
前記過渡期での前記ヒーターの温度変化幅は、前記安定期での前記ヒーターの温度変化幅より大きい、請求項9に記載の基板処理方法。
【請求項11】
基板処理装置を制御する方法であって、
加熱プレートに設置される複数のヒーターの温度を測定し、測定されたそれぞれの前記ヒーターの測定温度とあらかじめモデリングされたそれぞれの前記ヒーターのターゲット温度の差に基づいて前記ヒーターの出力を調節する際、
第1時点での前記ヒーターのうち第1ヒーターのターゲット温度と、前記第1時点と異なる第2時点での前記第1ヒーターのターゲット温度は異なる温度に設定される、基板処理装置の制御方法。
【請求項12】
前記第1時点は基板が前記加熱プレートに置かれた以後、前記基板を加熱する区間のうち初期の過渡期に属して、
前記第2時点は前記基板を加熱する区間のうち後期の安定期に属する、請求項11に記載の基板処理装置の制御方法。
【請求項13】
前記第1時点での前記ヒーターのうち第1ヒーターのターゲット温度は、前記第2時点での前記第1ヒーターのターゲット温度より低く設定される、請求項12に記載の基板処理装置の制御方法。
【請求項14】
前記第1時点での前記ヒーターのうち第2ヒーターのターゲット温度は、前記第2時点での前記第2ヒーターのターゲット温度より高く設定される、請求項13に記載の基板処理装置の制御方法。
【請求項15】
前記第1ヒーターは、前記基板の前記加熱プレートへの安着時の温度落幅が前記第2ヒーターより小さい、請求項14に記載の基板処理装置の制御方法。
【請求項16】
前記第1時点での前記第1ヒーター及び前記第2ヒーターのターゲット温度は、前記第1ヒーター及び前記第2ヒーターの温度上昇速度、温度下降速度、および、前記基板の前記加熱プレートへの安着時の温度の落幅のうち、少なくとも一つ以上に基づいて設定される、請求項15に記載の基板処理装置の制御方法。
【請求項17】
基板を処理する装置であって、
基板を液処理する液処理ユニットと、
前記液処理ユニットで処理された基板を加熱する加熱ユニットと、
前記加熱ユニットを制御する制御ユニットと、を含み、
前記加熱ユニットは、
加熱空間を形成するハウジングと、
前記加熱空間で基板を支持する加熱プレートと、
前記加熱プレートに設置される複数のヒーターと、
前記ヒーターに電力を印加する電源と、
前記電源が前記ヒーターに印加する電力を制御する温度制御機と、を含み、
前記制御ユニットは、
それぞれのヒーターに対応した、時間によるターゲット温度の変化であるターゲット温度プロファイルを記憶し、
前記ヒーターの温度を測定して前記ヒーターの測定温度と前記ヒーターのターゲット温度の差に基づいて前記ヒーターの出力を調節して基板を加熱するように前記温度制御機を制御する際、
前記ヒーターのうちで第1ヒーターと対応する第1ターゲット温度プロファイルは、
第1時点のターゲット温度が前記第1時点より遅れた第2時点でのターゲット温度より低く設定される、基板処理装置。
【請求項18】
前記ヒーターのうち第2ヒーターの第2ターゲット温度プロファイルは、
前記第1時点のターゲット温度が前記第2時点でのターゲット温度より高く設定される、請求項17に記載の基板処理装置。
【請求項19】
前記第1ヒーターは、基板の前記加熱プレートへの安着時の温度の落幅が前記第2ヒーターより小さなヒーターである、請求項18に記載の基板処理装置。
【請求項20】
前記第1時点での前記第1ヒーター及び前記第2ヒーターのターゲット温度は、前記第1ヒーター及び前記第2ヒーターの温度上昇速度、温度下降速度、および、基板の前記加熱プレートへの安着時の温度の落幅のうち少なくとも一つ以上に基づいて設定される、請求項18に記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理方法及び基板処理装置に関するものであり、より詳細には、基板を加熱して基板を処理する基板処理方法及び基板処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体素子または平板表示パネルを製造するためにフォトリソグラフィー工程、エッチング工程、アッシング工程、薄膜蒸着工程、そして、洗浄工程など多様な工程が遂行される。このような工程のうちでフォトリソグラフィー工程はウェハーなどの基板上にフォトレジストを供給して塗布膜を形成する塗布工程と、基板上に形成された塗布膜にマスクを利用して光を照射する露光工程と、そして、露光工程が遂行された塗布膜に現像液を供給して基板上に所望のパターンを得る現像工程を含む。
【0003】
また、基板上に形成された塗布膜及びパターンを安定化するために、塗布工程と露光工程との間、露光工程と現像工程との間、そして、現像工程以後に基板を加熱する熱処理工程が遂行されることができる。このような熱処理工程は熱を発生させるヒーターが設置された加熱プレート上に基板が置かれて、ヒーターが熱を発生させて基板を加熱する。
【0004】
一方、加熱プレートに設置されるヒーターが基板を一定の温度で加熱できるようにヒーターの出力はフィードバック制御されることができる。具体的に、ヒーターが基板を一定の温度で加熱できるように、ヒーターのターゲット温度は設定温度(例えば、80℃)に設定され、ヒーターの温度を単位時間ごとに測定し、測定されたヒーターの温度がターゲット温度と差が発生する場合ヒーターの出力を大きくするか、または小さくすることで、ヒーターの温度をターゲット温度に一定に維持させることができる。ヒーターがターゲット温度で一定なように維持される場合、基板に伝達される単位時間当り熱量も一定に維持されるので基板は一定な温度で加熱される。
【0005】
最近は基板を一定な温度で加熱することに加えて、基板を領域別に均一に加熱するように加熱プレートには複数のヒーターが設置される。それぞれのヒーターの出力は個別的に制御されることができる。
【0006】
図1は、複数のヒーターが設置される加熱プレートに基板が置かれる場合の、ヒーターの時間による温度変化を示したグラフである。
【0007】
図1を参照すれば、加熱プレートには複数のヒーターが設置されることができる。例えば、加熱プレートには第1ヒーター(H1)、第2ヒーター(H2)、そして、第3ヒーター(H3)が設置されることができる。第1ヒーター(H1)、第2ヒーター(H2)、そして、第3ヒーター(H3)はお互いに異なる位置に設置され、基板のお互いに異なる領域を加熱することができる。第1ヒーター(H1)乃至第3ヒーター(H3)のターゲット温度は一定な設定温度(TT)に設定されることができる。
【0008】
基板が加熱プレートに置かれる前区間である、処理前区間(S0、t0~t1)では上述したフィードバック制御によってヒーターら(H1、H2、H3)の温度はターゲット温度で一定に維持されることができる。
【0009】
基板が加熱プレートに置かれた以後の区間である、加熱区間(S1、t1~)は過渡期(S1a、t1~t2)と安定期(S1b、t2~)を含む。基板は加熱プレートより相対的に低い温度である状態で加熱プレートに置かれる。温度が低い基板が加熱プレートに置かれれば、ターゲット温度で一定に維持されたヒーター(H1、H2、H3)の温度は変動し得る。過渡期(S1a)にヒーター(H1、H2、H3)の温度は低い温度を有する基板によって設定温度(TT)からアンダーシュート(Undershoot)されてから、再び設定温度(TT)からオーバーシュート(Overshoot)される。以後、ヒーターら(H1、H2、H3)の温度は設定温度(TT)に再び調整されて安定期(S1b)に入ることができる。
【0010】
過渡期(S1a)にはヒーター(H1、H2、H3)の温度が急激に変化する。また、過渡期(S1a)にはヒーター(H1、H2、H3)間の温度偏差が大きい。過渡期(S1a)に発生するヒーター(H1、H2、H3)の温度変化は相対的に温度が低い基板が加熱プレートに置かれることによって発生する。過渡期(S1a)でヒーター(H1、H2、H3)の温度偏差は加熱プレートに置かれる基板の領域別温度がお互いに相異であるために発生することがあるし、基板の領域別温度が同一であってもヒーター(H1、H2、H3)それぞれが有する固有の物理的特性の差によって発生することがある。
【0011】
処理前区間(S0)で温度偏差がほとんどなく、設定温度(TT)で一定に維持されたヒーター(H1、H2、H3)は基板が加熱プレートに置かれることによってその温度がお互いに相異するように変化する。それぞれのヒーター(H1、H2、H3)はその温度が再びターゲット温度(TT)に調整されることができるように出力がそれぞれ制御される。
【0012】
ヒーター(H1、H2、H3)が基板の領域別に伝達する単位時間当り熱量がお互いに等しくなるためにはヒーター(H1、H2、H3)の温度変化がお互いに一致しなければならない。ヒーター(H1、H2、H3)の温度が再び設定温度(TT)に調整される時点であるt2以後にはヒーター(H1、H2、H3)それぞれが基板に伝達される単位時間当り熱量が等しくなる。しかし、ヒーター(H1、H2、H3)の温度が設定温度(TT)に調整される前にはヒーター(H1、H2、H3)の温度変化が一致せず、ヒーター(H1、H2、H3)それぞれが基板の領域別に単位時間当りの伝達する熱量が互いに異なる。
【0013】
ヒーター(H1、H2、H3)の温度変化が一致しない時間が長くなるようになれば、基板の領域別に単位時間当りに伝達される熱量が他の期間が長くなるようになって、これは基板を均一に処理することを難しくする。特に、高いCritical Dimension Uniformityを要求するArF、EUVなどを利用した露光工程の場合、高精密度を要求するため、ヒーター(H1、H2、H3)の温度変化が一致しない時間、すなわち、基板の領域別に温度偏差が相異な時間を最小化することが要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】韓国特許公開第10-2021-0011837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、基板を効率的に処理することができる基板処理方法及び基板処理装置を提供することを目的とする。
【0016】
また、本発明は、基板が加熱プレートに置かれた以後、ヒーターの温度プロファイルが速く一致することができるようにする基板処理方法及び基板処理装置を提供することを目的とする。
【0017】
また、本発明は、基板を均一に加熱することができる基板処理方法及び基板処理装置を提供することを目的とする。
【0018】
本発明が解決しようとする課題が上述した課題に限定されるものではなく、言及されない課題は本明細書及び添付された図面から本発明が属する技術分野において通常の知識を有した者に明確に理解されることができるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、基板を処理する方法を提供する。基板処理方法は、前記基板を加熱する加熱プレートに設置される複数のヒーターの温度を測定し、測定されたそれぞれの前記ヒーターの測定温度とあらかじめモデリングされたそれぞれの前記ヒーターのターゲット温度の差によって前記ヒーターの出力を調節して前記基板を加熱する際、第1時点での前記ヒーターのうちで第1ヒーターのターゲット温度は、前記第1時点より遅れた第2時点での前記第1ヒーターのターゲット温度より低く設定されることができる。
【0020】
一実施形態によれば、前記第1時点での前記ヒーターのうち第2ヒーターのターゲット温度は、前記第2時点での前記第2ヒーターのターゲット温度より高く設定されることができる。
【0021】
一実施形態によれば、前記第1ヒーターは、前記基板の前記加熱プレートへの安着時の温度の落幅が前記第2ヒーターより小さくし得る。
【0022】
一実施形態によれば、前記第1時点での前記第1ヒーター及び前記第2ヒーターのターゲット温度は、前記第1ヒーター及び前記第2ヒーターの温度上昇速度、温度下降速度、および、前記基板の前記加熱プレートへの安着時の温度の落幅のうち少なくとも一つ以上に基づいて設定されることができる。
【0023】
一実施形態によれば、それぞれの前記ヒーターの前記測定温度は、前記ヒーターの抵抗値を測定することで測定された抵抗値に根拠して演算されることができる。
【0024】
一実施形態によれば、前記基板は、前記基板上に感光液を塗布する塗布工程、および、前記塗布工程以後に遂行される露光工程を遂行した以後、前記加熱プレートに安着されて加熱されることができる。
【0025】
また、本発明は、基板を処理する装置を提供する。基板処理装置は、基板を液処理する液処理ユニットと、前記液処理ユニットで処理された基板を加熱する加熱ユニットと、前記加熱ユニットを制御する制御ユニットと、を含み、前記加熱ユニットは、加熱空間を形成するハウジングと、前記加熱空間で基板を支持する加熱プレートと、前記加熱プレートに設置される複数のヒーターと、前記ヒーターに電力を印加する電源と、前記電源が前記ヒーターに印加する電力を制御する温度制御機と、を含み、前記制御ユニットは、それぞれのヒーターに対応した、時間によるターゲット温度の変化であるターゲット温度プロファイルを記憶し、前記ヒーターの温度を測定して前記ヒーターの測定温度と前記ヒーターのターゲット温度の差に基づいて前記ヒーターの出力を調節して基板を加熱するように前記温度制御機を制御する際、前記ヒーターのうちで第1ヒーターと対応する第1ターゲット温度プロファイルは、第1時点のターゲット温度が前記第1時点より遅れた第2時点でのターゲット温度より低く設定されることができる。
【0026】
一実施形態によれば、前記ヒーターのうち第2ヒーターの第2ターゲット温度プロファイルは、前記第1時点でのターゲット温度が前記第2時点でのターゲット温度より高く設定されることができる。
【0027】
一実施形態によれば、前記第1ヒーターは、基板の前記加熱プレートへの安着時の温度の落幅が前記第2ヒーターより小さなヒーターであることができる。
【0028】
一実施形態によれば、前記第1時点での前記第1ヒーター及び前記第2ヒーターのターゲット温度は、前記第1ヒーター及び前記第2ヒーターの温度上昇速度、温度下降速度、および、基板の前記加熱プレートへの安着時温度の落幅のうち少なくとも一つ以上に基づいて設定されることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の一実施形態によれば、基板を効率的に処理することができる。
【0030】
また、本発明の一実施形態によれば、基板が加熱プレートに置かれた以後、ヒーターの温度プロファイルが速く一致させることができる。
【0031】
また、本発明の一実施形態によれば、基板を均一に加熱することができる。
【0032】
本発明の効果が上述した効果に限定されるものではなくて、言及されない効果は本明細書及び添付された図面から本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者に明確に理解されることができるであろう
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】複数のヒーターが設置される加熱プレートに基板が置かれる場合の、ヒーターの時間による温度変化を示したグラフである。
【
図2】本発明の一実施形態による基板処理装置を概略的に示した図面である。
【
図4】
図3の加熱プレートの領域別に設置されるヒーターの設置位置を説明するための図面である。
【
図5】本発明の一実施形態による基板処理方法を概略的に示したフローチャートである。
【
図6】
図5のモデリング段階及び加熱段階を説明するためのブロック図である。
【
図7】
図5のモデリング段階で生成されるターゲット温度プロファイルのモデリング方法を説明するためのグラフである。
【
図8】
図7で説明したモデリング方法によって生成される第1ヒーターの第1ターゲット温度プロファイルを概略的に示したグラフである。
【
図9】
図7で説明したモデリング方法によって生成される第2ヒーターの第2ターゲット温度プロファイルを概略的に示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下では添付した図面を参照にして本発明の実施形態に対して本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明する。しかし、本発明は、様々な相異なる形態で具現されることができ、ここで説明する実施形態に限定されない。また、本発明の望ましい実施形態を詳細に説明する際において、関連される公知機能または構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要に不明確にすることがあると判断される場合にはその詳細な説明を略する。また、類似機能及び作用をする部分に対しては図面全体において等しい符号を使用する。
【0035】
ある構成要素を‘包含'することは、特に反対の記載がない限り他の構成要素を除くことではなく、他の構成要素をさらに含むことができるということを意味する。具体的に,“含む”または“有する”などの用語は明細書上に記載した特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとすることであって、一つまたは1つ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加可能性をあらかじめ排除しないものとして理解されなければならない。
【0036】
単数の表現は文脈上明白に異なるように示さない限り、複数表現を含む。また、図面で要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0037】
第1、第2などの用語は多様な構成要素を説明するのに使用されることができるが、当該構成要素は当該用語によって限定されない。当該用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的で使用されることができる。例えば、本発明の権利範囲から外れずに第1構成要素は第2構成要素で命名されることができるし、同様に第2構成要素も第1構成要素で命名されることができる。
【0038】
ある構成要素が異なる構成要素に“連結されて”いるか、または“接続されて”いると言及された時には、その他の構成要素に直接的に連結されているか、または接続されていることもあるが、中間に他の構成要素が存在することもあると理解されなければならない。反対に、ある構成要素が異なる構成要素に“直接連結されて”いるか、または“直接接続されて”いると言及された時には、中間に他の構成要素が存在しないことと理解されなければならない。構成要素との関係を説明する他の表現、すなわち“~間に”と“すぐ~間に”または“~に隣合う”と“~に直接隣合う”なども同じように解釈されなければならない。
【0039】
異なるように定義されない限り、技術的であるか科学的な用語を含み、ここで使用されるすべての用語は、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解される意味と等しい意味である。一般に使用される、前もって定義されているもののような用語は、関連技術の文脈上有する意味と同じ意味であることと解釈されなければならないし、本明細書で明確に定義されない限り、理想的または過度に形式的な意味で解釈されない。
【0040】
以下、
図2乃至
図9を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0041】
図2は、本発明の一実施形態による基板処理装置を概略的に示した図面である。
【0042】
図2を参照すれば、本発明の一実施形態による基板処理装置10はロードポートユニット100、インデックスユニット200、バッファーユニット300、返送ユニット400、液処理ユニット500、加熱ユニット600、インターフェースユニット700、そして、制御ユニット900を含むことができる。以下では、ロードポートユニット100、そして、インデックスユニット200が配列される方向を第1方向(X)で、上側基板処理装置10を眺める時、第1方向(X)に垂直した方向を第2方向(Y)で、そして、第1方向(X)及び第2方向(Y)に垂直した方向を第3方向(Z)で定義することができる。
【0043】
ロードポートユニット100はウェハーなどの基板が収納された容器が置かれることができる。ロードポートユニット100はFOUPのような基板が収納された容器が置かれることができる。ロードポートユニット100は複数のロードポートを有することができる。複数のロードポートは上側で基板処理装置10を眺める時第2方向(Y)に沿って配列されることができる。
【0044】
オーバーヘッドトランスポート(Overhead Transport、OHT)のような返送車両が容器をロードポートユニット100が有するロードポートに返送することができる。また、オートビークルロボット(Auto Vehicle Robot、AVR)のような返送ロボットが容器をロードポートユニット100が有するロードポートに返送することができる。
【0045】
インデックスユニット200はロードポートユニット100と後述するバッファーユニット300の前方バッファーユニット310との間に配置されることができる。インデックスユニット200にはロードポートユニット100のロードポートに安着された容器から基板を搬出して後述する前方バッファーユニット310に返送するインデックスロボット(図示せず)が具備されることができる。
【0046】
バッファーユニット300は前方バッファーユニット310と後方バッファーユニット320を含むことができる。前方バッファーユニット310はインデックスユニット200と後述する返送ユニット400との間に配置されることができる。後方バッファーユニット320は後述する返送ユニット400と後述するインターフェースユニット700との間に配置されることができる。前方バッファーユニット310と後方バッファーユニット320は複数の基板を臨時保管することができる保管棚(図示せず)を含むことができる。保管棚は第3方向(Z)に沿って配置される複数の支持部材を含むことができる。また、前方バッファーユニット310と後方バッファーユニット320は保管棚の第1位置に安着された基板を保管棚の第1位置と相異なる位置(例えば、相異な高さ)である第2位置に返送するバッファーロボット(図示せず)を含むことができる。
【0047】
返送ユニット400は基板を返送することができる。返送ユニット400は前方バッファーユニット310、後述する液処理ユニット500、後述する加熱ユニット600、そして、後方バッファーユニット320との間で基板を返送することができる。返送ユニット400は前方バッファーユニット310に臨時保管された基板を搬出して液処理ユニット500に返送することができる。返送ユニット400は液処理ユニット500から基板を搬出して加熱ユニット600に返送することができる。返送ユニット400は加熱ユニット600から基板を搬出して後方バッファーユニット320に返送することができる。反対に、後方バッファーユニット320で加熱ユニット600にも基板を返送することができる。また、加熱ユニット600で液処理ユニット500にも基板を返送することができる。また、加熱ユニット600で前方バッファーユニット310に基板を返送することができる。
【0048】
返送ユニット400は基板が置かれるハンド、ハンドの位置を変更させるアーム、アームの位置を移動レールを具備することができる。移動レールはアームの位置を第1方向(X)及び/または第3方向(Z)に沿って変更させることができる。
【0049】
液処理ユニット500は基板を液処理することができる。液処理ユニット500は回転する基板に液を供給して基板を処理することができる。液処理ユニット500は複数個が具備されることができる。液処理ユニット500は第1方向(X)に沿って配置されることができる。また、液処理ユニット500は第3方向(Z)に沿って積層されて提供されることができる。液処理ユニット500は返送ユニット400の一側に配置されることができる。
【0050】
液処理ユニット500は回転する基板の中央領域に処理液を供給して基板を処理することができる。液処理ユニット500のうちで少なくとも一つ以上は回転する基板の中央領域に感光液(Photoresist)を供給し、基板上に塗布膜を形成する塗布工程を遂行することができる。また、液処理ユニット500のうちで少なくとも一つ以上は回転する基板の中央領域に現像液を供給する現像工程を遂行することができる。
【0051】
加熱ユニット600は基板を加熱することができる。加熱ユニット600は塗布工程と露光工程との間、露光工程と現像工程との間、そして、現像工程以後に基板を加熱する加熱工程を遂行することができる。加熱ユニット600の詳細な説明は後述する。
【0052】
インターフェースユニット700は基板処理装置10と外部の露光装置(図示せず)を連結することができる。インターフェースユニット700は後方バッファーユニット320と外部の露光装置との間で基板を返送するインターフェースロボットを含むことができる。
【0053】
制御ユニット900は基板処理装置10が有する構成を制御することができる。例えば、制御ユニット900はロードポートユニット100、インデックスユニット200、バッファーユニット300、返送ユニット400、液処理ユニット500、加熱ユニット600、そして、インターフェースユニット700のうちで少なくとも一つ以上を制御することができる。また、制御ユニット900は基板処理装置10が有する構成の制御を行うマイクロプロセッサー(コンピューター)で成されるプロセスコントローラーと、オペレーターが基板処理装置10を管理するためにコマンド入力操作などを行うキーボードや、基板処理装置10の稼働状況を可視化して表示するディスプレイなどで成されるユーザーインターフェースと、基板処理装置10で実行される処理をプロセスコントローラーの制御で行うための制御プログラムや、各種データ及び処理条件によって各構成部に処理を実行させるためのプログラム、すなわち、処理レシピが記憶された記憶部を具備することができる。また、ユーザーインターフェース及び記憶部はプロセスコントローラーに接続され得る。処理レシピは記憶部の中で記憶媒体に記憶されることができ、記憶媒体は、ハードディスクでも良く、CD-ROM、DVDなどの可搬性ディスクや、フラッシュメモリーなどの半導体メモリーであってもよい。
【0054】
図3は、
図2の加熱ユニットの断面図であり、
図4は、
図3の加熱プレートの領域別に設置されるヒーターの設置位置を説明するための図面である。
【0055】
図3および
図4を参照すれば、本発明の一実施形態による加熱ユニット600はハウジング610、昇降アセンブリー620、加熱プレート630、ヒーター(H)、電源640、そして、温度制御機650を含むことができる。
【0056】
ハウジング610は基板(W)が加熱される加熱空間613を形成することができる。ハウジング610は上部ハウジング611と下部ハウジング612を含むことができる。上部ハウジング611と下部ハウジング612はお互いに組合されて加熱空間613を形成することができる。上部ハウジング611は下部が開放された桶形状を有することができるし、下部ハウジング612は上部が開放された桶形状を有することができる。
【0057】
昇降アセンブリー620は加熱空間613を開放するか、または密閉し得るる。昇降アセンブリー620は上部ハウジング611と下部ハウジング612のうちで何れか一つを昇降移動させることができるように構成されることができる。例えば、昇降アセンブリー620は上部ハウジング611を上下方向に移動させ、加熱空間613を開放するか、または密閉させることができる。
【0058】
加熱空間613の開放は、基板(W)の加熱空間613に搬入または搬出時になされることができる。加熱空間613の密閉は基板(W)に対する加熱工程が遂行されるときになされることができる。加熱空間613への基板(W)搬入及び/または搬出は返送ユニット400または加熱ユニット600が追加で具備することができる返送アセンブリー(図示せず)によってなされることができる。
【0059】
加熱プレート630は基板(W)を支持することができる。加熱プレート630には基板(W)の下面と接触される複数の支持ピン631が配置されることができる。複数の支持ピン631は基板(W)を安定的に支持できるように加熱プレート630の上面にお互いに離隔されて配置されることができる。加熱プレート630は加熱プレート630に設置される複数の支持ピン631を通じて基板(W)を安定的に支持することができる。
【0060】
また、加熱ユニット600は基板(W)を昇降させることができるリフトピンアセンブリー(図示せず)をさらに含むことができる。加熱プレート630にはリフトピンアセンブリーのリフトピンが上下方向に移動することができるリフトピンホールが形成され得る。
【0061】
加熱プレート630は熱伝導性が優秀な素材で提供されることができる。例えば、加熱プレート630は金属を含む素材で提供されることができる。加熱プレート630には少なくとも一つ以上のヒーター(H)が設置されることができる。ヒーター(H)は熱を発生させることができる素材で提供されることができる。ヒーター(H)は後述する電源640から電力の伝達を受けて発熱される熱線で提供されることができる。加熱プレート630には複数のヒーター(H)が設置されることができる。複数のヒーター(H)は基板(W)のお互いに異なる領域を加熱できるように配置されることができる。
【0062】
例えば、加熱プレート630に設置されるヒーター(H)は第1ヒーター(H1)乃至第15ヒーター(H1)5)を含むことができる。第1ヒーター(H1)は基板(W)の領域のうちで第1領域(Z1)と対応する位置に設置されて基板(W)の第1領域(Z1)を加熱するように構成されることができる。これと同様に、第2ヒーター(H2)乃至第15ヒーター(H5)はそれぞれ基板(W)の第2領域(Z2)乃至第15領域(Z15)と対応する位置に設置されてそれぞれ対応する基板(W)の領域を加熱するように構成されることができる。
【0063】
電源640はヒーター(H)に電力を印加することができる。電源640はヒーター(H)に電力を印加するDCまたはAC電源であり得る。
【0064】
温度制御機650は電源640がヒーター(H)に印加する電力を制御することができる。例えば、制御機650はそれぞれのヒーター(H)に対応する複数のスイッチを有することができる。温度制御機650は制御ユニット900から伝達を受ける制御信号に基づいて、それぞれのスイッチをオン/オフすることで、各ヒーター(H)に対し電力を印加するかしないかを制御することができる。
【0065】
また、温度制御機650はヒーター(H)に電力が印加される時間を調節してヒーター(H)の温度を制御することができる。例えば、第1ヒーター(H1)の温度を高めようとする場合、第1ヒーター(H1)と対応するスイッチをオン(On)する時間を長くして第1ヒーター(H1)の温度を高めることができる。第1ヒーター(H1)の温度を低めようとする場合、第1ヒーター(H1)と対応するスイッチにオン(On)する時間を短くするか、または、スイッチオフ(Off)して第1ヒーター(H1)の温度を低めることができる。
【0066】
前述した例では温度制御機650が複数のスイッチを含み、スイッチがオン(On)される時間を調節してヒーター(H)の温度を調節することを例で挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、温度制御機650はそれぞれのヒーター(H)に対応する複数の可変抵抗を含む回路を含むことができるし、可変抵抗の大きさを調節してそれぞれのヒーター(H)に伝達される電流の大きさを変更してヒーター(H)の温度を調節することもできる。
【0067】
また、温度制御機650はヒーター(H)の抵抗を測定することができる抵抗測定回路を含むことができる。例えば、ヒーター(H)の抵抗を測定することができる抵抗測定回路は、それぞれのヒーター(H)と対応されるように提供され、各ヒーター(H)とともに閉回路を構成することができる。閉回路に流れる電流の大きさに根拠してヒーター(H)の抵抗値を測定することができる。ヒーター(H)の抵抗値はヒーター(H)の温度と比例関係(例えば、ヒーター(H)が金属素材で提供される場合温度が増加すれば抵抗が増加する量の温度係数特性を持っている)または、反比例関係(例えば、ヒーター(H)が半導体または酸化物素材で提供される場合温度が増加すれば、抵抗が減少する量の温度係数特性を持っている)を持っているが、ヒーター(H)の素材及び測定されたヒーター(H)の現在抵抗値に根拠してヒーター(H)の現在温度を演算して導出することができる。測定されたヒーター(H)の抵抗値に根拠したヒーター(H)の現在温度演算は温度制御機650が遂行してもよく、ヒーター(H)の抵抗値の伝達を、制御ユニット900が受けて、制御ユニット900に記憶されたプログラムによって演算されることもできる。
【0068】
図5は、本発明の一実施形態による基板処理方法を概略的に示したフローチャートであり、
図6は
図5のモデリング段階及び加熱段階を説明するためのブロック図である。
【0069】
図3乃至
図6を参照すれば、本発明の一実施形態による基板処理方法はモデリング段階(S10)及び加熱段階(S20)を含むことができる。
モデリング段階(S10)は後述する加熱段階(S20)で使われるそれぞれのヒーター(H)のターゲット温度プロファイルをモデリングする段階であり得る。モデリング段階(S10)には複数の温度センサーが設置され、被処理対象である基板(W)と同一または類似な形状を有するウェハー型センサーを利用することができる。モデリング段階(S10)にはウェハー型センサーを加熱プレート630に安着させ、ウェハー型センサーから得られるウェハー型センサーの時間による領域別温度変化(ウェハー温度情報)、および、温度制御機650及び/または制御ユニット900を通じて獲得される各ヒーター(H)の時間による温度変化に関する情報(ヒーター温度情報)を獲得することができる。モデリング段階(S100)には獲得されたウェハー温度情報及びヒーター温度情報は、何回かにかけて複数個が収集されることができる。
【0070】
モデリング段階(S10)で生成されるターゲット温度プロファイルはそれぞれのヒーター(H)ごとに生成されることができる。例えば、モデリング段階(S10)では第1ヒーター(H1)と対応する第1ターゲット温度プロファイル、第2ヒーター(H2)と対応する第2ターゲット温度プロファイル、…、第15ヒーター(H51)と対応する第15ターゲット温度プロファイルを生成することができる。
【0071】
加熱段階(S20)にはモデリング段階(S10)で生成された各ヒーター(H)のターゲット温度プロファイルに基づいてヒーター(H)の温度を制御することができる。例えば、加熱段階(S20)にはヒーター(H)の温度を単位間隔で測定し、測定されたヒーター(H)の温度がヒーター(H)のターゲット温度プロファイルのターゲット温度と差が存在する場合、制御ユニット900はヒーター(H)の温度がターゲット温度プロファイルのターゲット温度に至るように温度制御機650を制御する制御信号を発生させることができる。ヒーター(H)の温度を測定し、測定された温度がターゲット温度と差が存在する場合ヒーター(H)の温度を制御する制御動作は一定時間間隔ごとに遂行されることができる。ヒーター(H)の温度を高めるために当該時間間隔でスイッチがオン(On)される時間を長くし、ヒーター(H)の温度を相対的に低めるためには該当時間間隔でスイッチがオン(On)される時間を短くすることができる。
【0072】
加熱段階(S20)は液処理ユニット500が基板(W)上に感光液を塗布する塗布工程、および、外部の露光装置によって遂行される露光工程を遂行した以後、遂行されることができる。露光工程は、ArF、EUVを利用した露光工程であることができる。
【0073】
図7は、
図5のモデリング段階で生成されるターゲット温度プロファイルのモデリング方法を説明するためのグラフである。
図7ではヒーター(H)のターゲット温度を設定温度(TT)で一定に維持させる場合、時間に対するヒーター(H)の温度変化、時間に対する基板の温度変化、時間に対する基板の領域別温度偏差変化を示す。
【0074】
図3、
図4、そして、
図7を参照すれば、以下では、基板(W)が加熱プレート630に置かれる前区間を処理前区間(S200、t0~t1)と定義し、基板(W)を加熱する加熱段階(S20)が遂行される区間のうちで初期の過渡期を第1区間(S201、t1~t2)と定義し、基板(W)を加熱する加熱段階(S20)が遂行される区間のうちで後期の安定期を第2区間(S202、t2~)と定義する。
【0075】
時間に対する基板(W)の温度変化のグラフでは基板(W)の平均温度が図示されてい得る。時間に対する基板の領域別温度偏差変化のグラフでは、一つの基板(W)で最大温度と、最低温度の差が図示されている。時間によるヒーター(H)の温度変化のグラフでは各ヒーター(H)の時間による温度変化を図示されている。説明の便宜のためにヒーター(H)のうちで第1ヒーター(H1)及び第2ヒーター(H2)の時間による温度変化のみを図示し、第3ヒーター(H3)乃至第15ヒーター(H5)の時間による温度変化は省略した。
【0076】
時間に対する基板(W)の温度変化のグラフを参照すれば、相対的に温度が低い基板(W)が加熱プレート630に安着されれば、基板(W)はヒーター(H)から熱の伝達を受けて、基板(W)の温度は持続的に上昇してから、目標とする温度に至り、基板(W)の温度は比較的一定に維持される。
【0077】
時間に対する基板(W)の領域別温度偏差変化グラフを参照すれば、基板(W)の領域別温度偏差は第2区間(S202)では相対的に小さいが、ヒーター(H)の温度が急激に変化する第1区間(S201)では基板(W)の領域別温度偏差が相対的に大きい。
【0078】
時間に対するヒーター(H)の温度変化グラフを参照すれば、基板(W)が加熱プレート630に置かれると、相対的に温度が低い基板(W)が加熱プレート630に置かれることで、加熱プレート630に設置されたヒーター(H)の温度も下降し得る。例えば、第1区間(S201)の第1時点(PT1)で、第1ヒーター(H1)の温度落幅は第2ヒーター(H2)の温度落幅より大きくなり得る。ヒーター(H)の温度落幅は基板(W)の温度に影響を受け得る。
【0079】
第1ヒーター(H1)の温度落幅が大きいことから第1ヒーター(H1)と対応する基板(W)の第1領域(Z1)の温度が低いということを推定することができる。これと同様に、第2ヒーター(H2)の温度落幅が小さいことから第2ヒーター(H2)と対応する基板(W)の第2領域(Z2)の温度が高いということを推定することができる。
【0080】
ヒーター(H)のターゲット温度が一定な設定温度(TT)に設定される場合、それぞれのヒーター(H)はお互いの間に温度変化差が発生することを考慮せず、その温度が設定温度(TT)に至るようにフィードバック制御されるため、ヒーター(H)の温度変化の傾きに差が発生する。ヒーター(H)の温度変化の傾きに差が発生することは、ヒーター(H)ごとに単位時間当り基板(W)に伝達する熱量に差が発生することを意味し、これは基板(W)の領域別に温度偏差が大きい時間が長くなるようにして基板(W)を均一に処理することを難しくする。
【0081】
本発明の一実施形態によれば、ヒーター(H)のターゲット温度を一定な設定温度(TT)で設定せず、ターゲット温度を第1区間(S201)と第2区間(S202)で異なるように設定して上述した問題点を解消する。
【0082】
例えば、前述したところのように第1ヒーター(H1)の温度落幅は、第2ヒーター(H2)の温度落幅より大きい。これは、第1ヒーター(H1)と対応する基板(W)の第1領域(Z1)の温度が低いことを意味し得る。第1領域(Z1)は温度が相対的に低い温度であるため、第1領域(Z1)は他の領域(例えば、第2領域(Z2))よりさらに加熱する必要がある。このために、第1区間(S201)に属する第1時点(PT1)では第1ヒーター(H1)のターゲット温度を設定温度(TT)より高い第1ターゲット温度(TT1)にモデリングする(
図8参照)。このようにモデリングする場合、第1ターゲット温度(TT1)と第1ヒーター(H1)の測定温度間の差がさらに大きくなるようになるので、制御ユニット900は第1ヒーター(H1)の温度がさらに上がるように温度制御機650を制御し得る。
【0083】
逆に、第2ヒーター(H2)の温度落幅は第1ヒーター(H1)の温度落幅より小さい。これは、第2ヒーター(H2)と対応する基板(W)の第2領域(Z2)の温度が相対的に高いことを意味し得る。第2領域(Z2)は温度が相対的に高い温度であるため、第2領域(Z2)は他の領域(例えば第1領域(Z1))より少なく加熱される必要がある。このために、第1区間(S201)に属する第1時点(PT1)では第2ヒーター(H2)のターゲット温度を設定温度(TT)より低い第2ターゲット温度(TT2)でモデリングする(
図9参照)。このようにモデリングする場合、第2ターゲット温度(TT2)と第2ヒーター(H2)の測定温度間の差がさらに大きくなるようになるので、制御ユニット900は第2ヒーター(H2)の温度が比較的上がらないように温度制御機650を制御することができる。
【0084】
安定期である第2区間(S202)に属する第2時点(PT2)では、第1ヒーター(H1)及び第2ヒーター(H2)のターゲット温度を設定温度(TT)に設定することができる。
【0085】
また、第1ターゲット温度(TT1)の温度を過度に高く設定するか、または、第2ターゲット温度(TT2)が過度に低く設定する場合、ヒーター(H)の温度が過度に変化してヒーター(H)間の温度偏差がさらに大きくなり得る。また、ヒーター(H)ごとに単位時間当り温度が上昇、下降する速度が互いに異なることがある。本発明の一実施形態によれば、第1区間(S201)に属する第1時点(PT1)でのヒーター(H)のターゲット温度は、それぞれのヒーター(H)の温度上昇速度、温度下降速度、そして、基板(W)の加熱プレート630への安着時温度の落幅のうちで少なくとも一つ以上をパラメーターにして設定することができる。
【0086】
本発明の一実施形態によれば、ヒーター(H)のターゲット温度を一定にしないで、第1時点(PT1)と第1時点(PT1)より遅れた第2時点(PT2)で異なるようにすることで、基板(W)が加熱プレート630に置かれることによって発生するヒーター(H)の間温度変化の傾きの差を最大限に早く最小化することができる。ヒーター(H)間の温度変化の傾きの差が速く解消されることによって、ヒーター(H)は比較的速い時間に同じ温度変化の傾きを有することができるようになる。これによってヒーター(H)間の基板(W)に伝達する単位時間当り熱量に差が発生する時間を短縮させて基板(W)を均一に処理することを助ける。
【0087】
以上の詳細な説明は本発明を例示するものである。また、上述した内容は本発明の望ましい実施形態を示して説明するものであり、本発明は多様な他の組合、変更及び環境で使用することができる。すなわち、本明細書に開示された発明の概念の範囲、著わした開示内容と均等な範囲及び/または当業界の技術または知識の範囲内で変更または修正が可能である。上述した実施形態は本発明の技術的思想を具現するための最善の状態を説明するものであり、本発明の具体的な適用分野及び用途で要求される多様な変更も可能である。したがって、以上の発明の詳細な説明は開示された実施状態で本発明を制限しようとする意図ではない。また、添付された請求範囲は他の実施状態も含むものと解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0088】
10 基板処理装置、
100 ロードポートユニット、
200 インデックスユニット、
300 バッファーユニット、
310 前方バッファーユニット、
320 後方バッファーユニット、
400 返送ユニット、
500 液処理ユニット、
600 加熱ユニット、
610 ハウジング、
611 上部ハウジング、
612 下部ハウジング、
613 加熱空間、
620 昇降アセンブリー、
630 加熱プレート、
631 支持ピン、
H ヒーター、
640 電源、
650 温度制御機、
700 インターフェースユニット、
900 制御ユニット、
S10 モデリング段階、
S20 加熱段階。