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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025655
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】グリース吐出装置
(51)【国際特許分類】
   F04B 15/02 20060101AFI20240216BHJP
【FI】
F04B15/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023082524
(22)【出願日】2023-05-18
(31)【優先権主張番号】P 2022128280
(32)【優先日】2022-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121142
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 恭一
(72)【発明者】
【氏名】萩原 秀郁
(72)【発明者】
【氏名】大鹿 正法
【テーマコード(参考)】
3H075
【Fターム(参考)】
3H075AA17
3H075BB03
3H075BB30
3H075CC36
3H075DA03
3H075DA04
3H075DB03
3H075DB22
3H075EE04
(57)【要約】
【課題】モータの出力を大きくして高圧域での高速吐出を可能とする。
【解決手段】グリースガン1は、モータ20と、モータ20の駆動によって動作するポンプ60と、モータ20を収容するモータハウジング部4と、ポンプ60を有して上下方向に延びるクランクハウジング45と、ポンプ60にグリースを供給するタンク54と、クランクハウジング45の前部に設けられる前筒部67と、を含む。そして、タンク54は、前端がポンプ60に接続されて前後方向に延びていると共に、モータ20は、ブラシレスモータである。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータと、
前記モータの駆動によって動作するポンプと、
前記モータを収容するモータハウジングと、
前記ポンプを有して上下方向に延びるポンプハウジングと、
前記ポンプにグリースを供給するタンクと、
前記ポンプハウジングの前部に設けられるグリースの吐出口と、を含み、
前記タンクは、前端が前記ポンプに接続されて前後方向に延びていると共に、前記モータは、ブラシレスモータであることを特徴とするグリース吐出装置。
【請求項2】
前記モータハウジングは、前記タンクの上方に配置されて前後方向に延びている一方、
前記モータは、ステータと、前記ステータの内側に配置されて回転軸を有するロータと、前記ロータの回転位置を検出するセンサ回路基板とを有して、前記回転軸が前後方向に伸びる向きで前記モータハウジング内に収容されていることを特徴とする請求項1に記載のグリース吐出装置。
【請求項3】
前記モータハウジングの上方に、前後方向に延びて前後両端が前記モータハウジングとループ状に繋がるグリップ部が形成されて、前記グリップ部に、前記モータを駆動させるトリガスイッチと、前記トリガスイッチを押し込み操作する操作部材とが設けられていることを特徴とする請求項2に記載のグリース吐出装置。
【請求項4】
前記モータハウジングと前記グリップ部との後端同士が結合される結合部に、バッテリパックが装着されるバッテリ保持部が形成されて、前記バッテリ保持部内に、前記センサ回路基板の検出信号に基づいて前記モータを制御するコントローラが収容されていることを特徴とする請求項3に記載のグリース吐出装置。
【請求項5】
前記コントローラは、前記操作部材による前記トリガスイッチの押し込み量に基づいて前記回転軸の回転数を制御し、前記ポンプによるグリースの吐出速度を変更可能であることを特徴とする請求項4に記載のグリース吐出装置。
【請求項6】
前記回転軸の回転数を前記コントローラに指示可能な操作部が設けられていることを特徴とする請求項5に記載のグリース吐出装置。
【請求項7】
前記ポンプの駆動に伴うグリースの吐出量を表示する吐出量表示部が設けられていることを特徴とする請求項5又は6に記載のグリース吐出装置。
【請求項8】
前記ポンプの駆動に伴うグリースの吐出量の総量を設定する吐出量設定部が設けられていることを特徴とする請求項5乃至7の何れかに記載のグリース吐出装置。
【請求項9】
前記回転軸には、ファンが取り付けられており、前記バッテリ保持部と前記モータハウジングとの何れか一方に、前記ファンの回転に伴って外気を吸引する吸気口が、他方に、吸引された空気を排出する排気口がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項4乃至8の何れかに記載のグリース吐出装置。
【請求項10】
前記コントローラは、前記吐出量設定部によって設定された前記吐出量の総量に達した場合に、前記モータを停止させることを特徴とする請求項8に記載のグリース吐出装置。
【請求項11】
モータと、
前記モータの駆動によって動作するポンプと、
前記モータを収容するモータハウジングと、
前記ポンプを有して上下方向に延びるポンプハウジングと、
前記ポンプにグリースを供給するタンクと、
前記ポンプハウジングに設けられるグリースの吐出口と、
前記グリースの吐出量を設定するための設定部、及び/又は、前記グリースの吐出量を表示する表示部と、を含み、
前記タンクは、前端が前記ポンプに接続されていると共に、前記モータは、ブラシレスモータであることを特徴とするグリース吐出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、グリースガン等のグリース吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
グリース吐出装置として、例えば特許文献1には、グリースを貯留するタンクと、タンクに接続されるハウジングと、ハウジングに収容されるモータと、モータによって駆動するポンプとを有するグリースガンが開示されている。このグリースガンでは、モータの駆動によってポンプのプランジャが往復動すると、タンク内のグリースが圧送されて吐出口から吐出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-102989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のグリースガンでは、動力源としてブラシ付きモータを利用している。ブラシ付きモータは、安価である反面、モータの出力制御に限界があり、出力を大きくして高圧域で高速吐出を行うのが難しかった。
【0005】
そこで、本開示は、モータの出力を大きくして高圧域での高速吐出が可能となるグリース吐出装置を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示の第1の構成は、グリース吐出装置であって、モータと、
モータの駆動によって動作するポンプと、
モータを収容するモータハウジングと、
ポンプを有して上下方向に延びるポンプハウジングと、
ポンプにグリースを供給するタンクと、
ポンプハウジングの前部に設けられるグリースの吐出口と、を含むものであってもよい。
そして、タンクは、前端がポンプに接続されて前後方向に延びていると共に、モータは、ブラシレスモータであってもよい。
上記目的を達成するために、本開示の第2の構成は、グリース吐出装置であって、モータと、
モータの駆動によって動作するポンプと、
モータを収容するモータハウジングと、
ポンプを有して上下方向に延びるポンプハウジングと、
ポンプにグリースを供給するタンクと、
ポンプハウジングに設けられるグリースの吐出口と、
グリースの吐出量を設定するための設定部、及び/又は、グリースの吐出量を表示する表示部と、を含むものであってもよい。
そして、タンクは、前端がポンプに接続されていると共に、モータは、ブラシレスモータであってもよい。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、モータの出力が大きくなり、高圧域での高速吐出が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例1のグリースガンの斜視図である。
図2】実施例1のグリースガンの側面図である。
図3】実施例1のグリースガンの中央縦断面図である。
図4】実施例2のグリースガンの斜視図である。
図5】実施例2のグリースガンの一部拡大平面図である。
図6】実施例2のグリースガンの中央縦断面図である。
図7図6におけるパネル保持部の拡大図である。
図8】操作パネルにおける表示例を示すもので、図8Aはモード切替の表示例を、図8Bは速度切替の表示例を、図8Cは吐出量の表示例をそれぞれ示している。
図9】レイアウトの変更例を示すグリースガンの説明図である。
図10】レイアウトの変更例を示すグリースガンの説明図である。
図11】レイアウトの変更例を示すグリースガンの説明図である。
図12】レイアウトの変更例を示すグリースガンの説明図である。
図13】レイアウトの変更例を示すグリースガンの説明図である。
図14】レイアウトの変更例を示すグリースガンの説明図である。
図15】レイアウトの変更例を示すグリースガンの説明図である。
図16】レイアウトの変更例を示すグリースガンの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の一実施形態において、モータハウジングは、タンクの上方に配置されて前後方向に延びている一方、
モータは、ステータと、ステータの内側に配置されて回転軸を有するロータと、ロータの回転位置を検出するセンサ回路基板とを有して、回転軸が前後方向に伸びる向きでモータハウジング内に収容されているものであってもよい。
この構成によれば、何れも前後方向に延びるタンクとモータハウジングとが上下に配置され、グリース吐出装置の左右幅がコンパクトになる。
本開示の一実施形態において、モータハウジングの上方に、前後方向に延びて前後両端がモータハウジングとループ状に繋がるグリップ部が形成されて、グリップ部に、モータを駆動させるトリガスイッチと、トリガスイッチを押し込み操作する操作部材とが設けられていてもよい。
この構成によれば、グリップ部もモータハウジングの上方で前後方向に延びて左右方向に一層コンパクト化すると共に、上方に位置するグリップ部によってグリース吐出装置の操作も容易に行える。
【0010】
本開示の一実施形態において、モータハウジングとグリップ部との後端同士が結合される結合部に、バッテリパックが装着されるバッテリ保持部が形成されて、バッテリ保持部内に、センサ回路基板の検出信号に基づいてモータを制御するコントローラが収容されていてもよい。
この構成によれば、前後のバランスが良くなってグリース吐出装置の取り回しが容易となる。
本開示の一実施形態において、コントローラは、操作部材によるトリガスイッチの押し込み量に基づいて回転軸の回転数を制御し、ポンプによるグリースの吐出速度を変更可能であってもよい。
この構成によれば、切替弁を設けなくても吐出速度の切替が可能となる。
本開示の一実施形態において、回転軸の回転数をコントローラに切替指示可能な操作部が設けられていてもよい。
この構成によれば、操作部を操作してグリースの吐出速度の変更が容易に行える。
【0011】
本開示の一実施形態において、ポンプの駆動に伴うグリースの吐出量を表示する吐出量表示部が設けられていてもよい。
この構成によれば、センサ回路基板によって回転数検知を行うブラシレスのモータの機能を利用してグリースの吐出量を容易に知ることができる。
本開示の一実施形態において、ポンプの駆動に伴うグリースの吐出量の総量を設定する吐出量設定部が設けられていてもよい。
この構成によれば、必要な吐出量のみを吐出でき、グリースの無駄がなくなる。
本開示の一実施形態において、回転軸には、ファンが取り付けられており、バッテリ保持部とモータハウジングとの何れか一方に、ファンの回転に伴って外気を吸引する吸気口が、他方に、吸引された空気を排出する排気口がそれぞれ設けられていてもよい。
この構成によれば、コントローラ及びモータの冷却が効果的に行える。
本開示の一実施形態において、コントローラは、吐出量設定部によって設定された吐出量の総量に達した場合に、モータを停止させるものであってもよい。
この構成によれば、グリースの無駄な吐出を確実に停止することができる。
【実施例0012】
以下、本開示の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、グリース吐出装置の一例である充電式のグリースガンを示す斜視図である。図2はグリースガンの側面図、図3は、グリースガンの中央縦断面図である。
グリースガン1は、ハウジング2を有する。ハウジング2は、左右の半割ハウジング2a,2bを複数のネジ3,3・・によって組み付けてなる。ハウジング2の上下方向の中央部には、筒状のモータハウジング部4が前後方向に形成されている。ハウジング2の上部には、グリップ部5が前後方向に形成されている。モータハウジング部4の前側には、前結合部6が形成されている。前結合部6には、下向きに折曲するグリップ部5の前端が結合される。モータハウジング部4の後側は、上向きに立ち上がる後結合部7となっている。グリップ部5の後端は、後結合部7に結合されてループ状となっている。
【0013】
グリップ部5内には、トリガスイッチ8が収容されている。トリガスイッチ8は、下向きに突出するトリガ9に接続されている。グリップ部5の前面には、LEDを用いたライト10が設けられている。グリップ部5の前部上面には、ライト10をON/OFF操作するライトスイッチ11が設けられている。トリガ9の前方でグリップ部5には、トリガ9の押し込み状態を維持できるロックオンボタン12が設けられている。ロックオンボタン12の下方でトリガ9の前方には、トリガ9の押し込みを規制するロックオフボタン13が設けられている。
後結合部7の後側には、バッテリ保持部14が形成されている。バッテリ保持部14の後側に、バッテリパック(例えば定格電圧36V)15が上方からスライド装着可能となっている。バッテリ保持部14内には、装着されたバッテリパック15が電気的に接続される端子台16が上下方向に設けられている。端子台16の前側でバッテリ保持部14内には、コントローラ17が上下方向に設けられている。コントローラ17は、マイコンやスイッチング素子等を搭載した制御回路基板18を備えて、ライト10及び後述するモータ20の作動を制御する。
【0014】
モータハウジング部4内には、モータ20が収容されている。モータ20は、ステータ21と、ステータ21の内側に位置するロータ22とを有するインナロータ型のブラシレスモータである。
ステータ21は、前後端面に設けたインシュレータ23A,23Bを介して巻回される複数(ここでは6つ)のコイル24,24を有している。後側のインシュレータ23Bは、各コイル24を形成するワイヤがヒュージングされる図示しない端子と、短絡部材25とを備えている。短絡部材25は、三相の電源線27,27・・がそれぞれ接続される3つの短絡金具26,26・・をインサート成形している。各短絡金具26を各端子に接続することで、各コイル24は三相結線される。インシュレータ23Bと短絡部材25との間には、センサ回路基板28が設けられている。センサ回路基板28には、ロータ22の回転位置を取得する回転検出素子(例えばホール素子)が搭載されて、複数の信号線29,29・・が接続されている。電源線27と信号線29とは、バッテリ保持部14側へ引き出されて、コントローラ17の制御回路基板18に接続されている。
【0015】
ロータ22は、軸心に回転軸30を備えている。回転軸30の周囲には、複数の永久磁石31,31・・が埋め込まれている。回転軸30の前部には、ファン32が直交状に取り付けられている。
後結合部7の左右の側面には、複数の吸気口33,33・・・・が形成されている。吸気口33は、ファン32の回転により外部の空気を吸い込む。モータハウジング部4における左右の側面には、複数の排気口34,34・・が形成されている。排気口34は、ファン32の径方向外側及びその前方に位置して、モータハウジング部4内に吸い込んだ空気を外部に排出する。
短絡部材25の後方で後結合部7内には、回転軸30の後端を支持する軸受35が設けられている。
【0016】
モータ20の前方には、ギヤハウジング40が設けられている。ギヤハウジング40は筒状で、後端開口には、ブラケット板41が取り付けられている。回転軸30の前端は、ブラケット板41を貫通してギヤハウジング40内に突出している。ブラケット板41は、回転軸30を支持する軸受42を保持している。
ギヤハウジング40内には、減速機構43が収容されている。減速機構43は、遊星歯車を利用して回転軸30の回転を三段階に減速し、前端に設けたスピンドル44に出力する。ギヤハウジング40の前側には、上下方向に延びるクランクハウジング45が設けられている。スピンドル44は、ギヤハウジング40からクランクハウジング45内に突出している。
クランクハウジング45内でスピンドル44の前端には、クランク盤46が一体に設けられている。クランク盤46は、前方へ突出する偏心ピン47を備えている。クランク盤46の前方には、左右方向の長孔49を備えたスライダ48が設けられている。スライダ48は、クランクハウジング45内で上下動可能に支持されて、長孔49に偏心ピン47が挿入している。スライダ48の下端中央には、上下方向に延びる棒状のプランジャ50の上端が連結されている。
よって、スピンドル44と共にクランク盤46が回転すると、偏心ピン47が偏心運動する。すると、偏心ピン47の上下方向のストロークでスライダ48が上下動してプランジャ50が一体に上下動する。
【0017】
クランクハウジング45の下部には、円筒状の前ホルダ51が形成されている。モータハウジング部4の下部で前ホルダ51の後方には、下方へ突出する後ホルダ52が設けられている。後ホルダ52は、前後に脚部53,53を有している。
前ホルダ51及び後ホルダ52によって、タンク54が支持されている。タンク54は、前端を開口して後ホルダ52を後方から貫通し、前端が前ホルダ52の後面に螺合される。この状態でタンク54は、モータハウジング部4の下方で前後方向に延びる姿勢で前ホルダ51に連結される。
タンク54内には、前端にピストン56を備えたロッド55が、前後方向へ移動可能に収容されている。ロッド55の後端は、タンク54の後端から突出し、ハンドル57が設けられている。タンク54内でピストン56の後方には、コイルバネ58が設けられて、ピストン56を前方へ付勢している。タンク54内でピストン56の前側には、グリースを充填した図示しないカートリッジが収容される。カートリッジは、コイルバネ58の付勢によって前進するピストン56に押圧されて、グリースを前ホルダ51内に供給する。
【0018】
前ホルダ51内には、ポンプ60が設けられている。ポンプ60は、プランジャ50の上下動によってタンク54から供給されるグリースを圧力を持って吐出する。ポンプ60は、プランジャ50に加え、上筒部61と下筒部62とを含んでなる。上筒部61と下筒部62との隙間がタンク54と連通している。下筒部62内には、縦吐出路63が形成されている。縦吐出路63の下部には、逆止弁64が設けられている。下筒部62の左側には、図示しない切替弁が設けられている。切替弁は、前ホルダ51の側面に設けた操作ツマミ65の回転操作により、グリースの吐出量を高低二段階に切替可能となっている。
下筒部62には、縦吐出路63と連通する横吐出路66が前向きに形成されている。前ホルダ51の前面には、前方へ突出する前筒部67が形成されている。横吐出路66は、前筒部67の中心に形成されて前端を開口させている。前筒部67には、ホース68が接続されている。前筒部67の右側には、リリーフ弁69が設けられている。リリーフ弁69は、横吐出路66内のグリースの圧力が所定圧以上となるとグリースを外部に逃がすものである。
【0019】
以上の如く構成されたグリースガン1では、カートリッジを収容したタンク54を前ホルダ51に連結した状態でトリガ9を押し込み操作する。すると、トリガスイッチ8の信号を検出した制御回路基板18がモータ20に給電して回転軸30を回転させる。すなわち、制御回路基板18のマイコンが、センサ回路基板28の回転検出素子から出力される回転検出信号を得てロータ22の回転状態を取得する。そして、マイコンは、取得した回転状態に応じて各スイッチング素子のON/OFFを制御し、ステータ21の各コイル24に対し順番に三相電流を流すことでロータ22を回転させる。
回転軸30の回転は、減速機構43で減速されてスピンドル44に伝わり、スピンドル44と共にクランク盤46を減速回転させる。これにより、偏心ピン47が偏心運動してスライダ48が上下動し、プランジャ50を上下に往復動させる。よって、ポンプ60では、下筒部62の縦吐出路63内を下方に押し込まれたグリースが、横吐出路66に流入し、そのままホース68を介して吐出される。この吐出動作は、プランジャ50の往復動に伴って繰り返される。但し、回転軸30の回転数(グリースの吐出速度)は、トリガ9の押し込み量(引き代)に応じて変更するようになっている。
【0020】
一方、回転軸30の回転に伴い、ファン32が回転する。すると、バッテリ保持部14の左右の吸気口33から外気が吸引される。吸い込まれた空気は、コントローラ17に接触してコントローラ17を冷却する。その後空気は、バッテリ保持部14内で電源線27及び信号線29に接触して電源線27及び信号線29を冷却する。その後空気は、モータハウジング部4に流れてモータ20を通過し、モータ20を冷却する。そして、空気は排気口34から外部に排出される。前側の排気口34から排出される空気は、ギヤハウジング40に接触してギヤハウジング40を冷却した後、外部に排出される。クランクハウジング45も冷却される。
【0021】
上記実施例1のグリースガン1は、モータ20と、モータ20の駆動によって動作するポンプ60と、モータ20を収容するモータハウジング部4(モータハウジングの一例)と、ポンプ60を有して上下方向に延びるクランクハウジング45(ポンプハウジングの一例)と、ポンプ60にグリースを供給するタンク54と、クランクハウジング45の前部に設けられる前筒部67(グリースの吐出口の一例)と、を含む。
そして、タンク54は、前端がポンプ60に接続されて前後方向に延びていると共に、モータ20は、ブラシレスモータである。
この構成によれば、モータ20の出力が大きくなり、高圧域での高速吐出が可能となる。
【0022】
モータハウジング部4は、タンク54の上方に配置されて前後方向に延びている一方、モータ20は、ステータ21と、ステータ21の内側に配置されて回転軸30を有するロータ22と、ロータ22の回転位置を検出するセンサ回路基板28とを有して、回転軸30が前後方向に伸びる向きでモータハウジング部4内に収容されている。
よって、何れも前後方向に延びるタンク54とモータハウジング部4とが上下に配置され、グリースガン1の左右幅がコンパクトになる。
モータハウジング部4の上方に、前後方向に延びて前後両端がモータハウジング部4とループ状に繋がるグリップ部5が形成されて、グリップ部5に、モータ20を駆動させるトリガスイッチ8と、トリガスイッチ8を押し込み操作するトリガ9(操作部材)とが設けられている。
よって、グリップ部5もモータハウジング部4の上方で前後方向に延びて左右方向に一層コンパクト化すると共に、上方に位置するグリップ部5によってグリースガン1の操作も容易に行える。
【0023】
モータハウジング部4とグリップ部5との後端同士が結合される後結合部7(結合部の一例)に、バッテリパック15が装着されるバッテリ保持部14が形成されて、バッテリ保持部14内に、センサ回路基板28の検出信号に基づいてモータ20を制御するコントローラ17が収容されている。
よって、前後のバランスが良くなってグリースガン1の取り回しが容易となる。
回転軸30には、ファン32が取り付けられており、バッテリ保持部14に、ファン32の回転に伴って外気を吸引する吸気口33が、モータハウジング部4に、吸引された空気を排出する排気口34がそれぞれ設けられている。
よって、コントローラ17及びモータ20の冷却が効果的に行える。
【実施例0024】
次に、本開示の別の実施例を説明する。但し、先の実施例1と同じ構成部には同じ符号を付して重複する説明を省略し、異なる構成部を中心に説明する。
図4は、グリースガンの斜視図、図5は、グリースガンの一部拡大平面図、図6は、グリースガンの中央縦断面図である。
このグリースガン1Aにおいて、前ホルダ51には、切替弁が設けられていない。
コントローラ17は、センサ回路基板28に設けた回転検出素子によってモータ20の回転数を検知できる。よって、回転数からプランジャ50の往復回数を計測してグリースの吐出量を計測可能となる。このためグリースガン1Aでは、グリースの吐出速度の切替及び吐出量の設定が可能な操作パネル80が設けられている。
グリップ部5の前部上面には、平面視が横長矩形状のパネル保持部75が形成されている。パネル保持部75は、上面前側に横長の開口部76を備えている。操作パネル80は、パネル保持部75の上部に設けられている。
【0025】
操作パネル80は、図7にも示すように、回路基板81と、その上側の樹脂板82と、その上側の表示シール83とを備えている。
回路基板81は、パネル保持部75内に収まる平面視横長矩形状で、上面に、3つの7セグメントディスプレイ84,84・・と、3つのボタンスイッチ85,85・・とを備えている。7セグメントディスプレイ84は、回路基板81の前側で左右方向に並設されている。ボタンスイッチ85は、7セグメントディスプレイ84の後側で左右方向に並設されている。回路基板81は、図示しないリード線によりコントローラ17と電気的に接続されている。
樹脂板82は、パネル保持部75内で回路基板81を上方から覆っている。樹脂板82は、パネル保持部75の開口部76を介して上方へ突出する表示板部86を備えている。表示板部86は、3つの四角孔87,87・・と、3つの弾性片88,88・・とを備えている。各四角孔87は、各7セグメントディスプレイ84の上側に配置されて7セグメントディスプレイ84の表示を透過可能としている。各弾性片88は、各ボタンスイッチ85の上側に配置されて、上下方向へ弾性変形可能となっている。弾性片88が下方へ押圧されると、ボタンスイッチ85をON動作させることができる。
【0026】
表示シール83は、透光性を有し、表示板部86の上面に貼り付けられて各四角孔87及び各弾性片88を上方から覆っている。弾性片88,88・・の上側には、円形操作部89A~89Cがそれぞれ表示されている。
図5に示すように、左側の円形操作部89Aは、モードの切替用ボタンとなっている。モードは、例えば吐出速度の切替、吐出量の表示、吐出量の設定がある。中央の円形操作部89Bは、7セグメントディスプレイ84の数値を増加させるインクリメント(増加用)ボタンとなっている。右側の円形操作部89Cは、7セグメントディスプレイ84の数値を減少させるディクリメント(減少用)ボタンとなっている。以下、89A~89Cを、それぞれモード切替ボタン、インクリメントボタン、ディクリメントボタンと称して説明する。但し、モード切替ボタン89Aはライトスイッチと兼用されている。長押し等によって機能の切り替えが可能である。
【0027】
操作パネル80において、モード切替ボタン89Aを押すと、7セグメントディスプレイ84が現在のモードを表す箇所に□を点灯(例えば数字の8の上半分のみを点灯)させる。すなわち、速度切替モードの場合は、図8Aに示すように左側の7セグメントディスプレイ84に□を表示する。吐出量表示モードの場合は中央の7セグメントディスプレイ84に□を表示する。吐出量設定モードの場合は右側の7セグメントディスプレイ84に□を表示する。もう一度モード切替ボタン89Aを押すと、次のモードに切り替わる。例えば、左側の7セグメントディスプレイ84に□を表示している速度切替モードの状態でモード切替ボタン89Aを押すと、中央の7セグメントディスプレイ84に□を表示して吐出量表示モードに切り替わる。さらに押すと次のモードに切り替わり、さらに押すと最初のモードに戻る。このようにモード切替ボタン89Aを押す度に7セグメントディスプレイ84の□の位置が左→中央→右→左・・の順に切り替わり、□の位置に対応したモードに切り替えることができる。なお、表示シール83において、3つの7セグメントディスプレイ84の前側には、各モードを表示するアイコンがそれぞれ表示されている。操作者は、□の位置とアイコンとの対応によって選択したモードを認識することができる。
【0028】
速度切替モードの状態でインクリメントボタン89Bを押すと、7セグメントディスプレイ84の数字が1増加する。(例えば、図8Bに示すように右側の7セグメントディスプレイ84に1が表示された状態でインクリメントボタン89Bを押すと、右側の7セグメントディスプレイ84に2が表示される)。また、速度切替モードの状態でディクリメントボタン89Cを押すと、7セグメントディスプレイ84の数字が1減少する。(例えば、右側の7セグメントディスプレイ84に2が表示された状態でディクリメントボタン89Cを押すと、右側の7セグメントディスプレイ84に1が表示される)。速度切替モードで表示されている数字から、モータ20の回転速度、すなわちグリースの吐出速度をあらかじめ設定された範囲で切り替えられる。設定した吐出速度でトリガ9の押し込み量を変更すると、各段階ごとに予め設定された範囲で吐出速度が変更される。
【0029】
吐出量表示モードの状態では、設定した吐出速度およびトリガ9の押し込み量に伴ってグリースが吐出された量だけ7セグメントディスプレイ84の表示が増える。右側の7セグメントディスプレイ84は、1から9まで増えた後、図8Cに示すように、中央の7セグメントディスプレイ84が1、右側の7セグメントディスプレイ84が0となり、10を示す。このようにして999まで表示される。数字の1は、1g(或いは1オンス)を表している。吐出量表示モードでは、グリースの吐出量を知ることができる。
また、吐出量表示モードの状態でインクリメントボタン89Bあるいはディクリメントボタン89Cを押すと、表示している数字をリセットし、右側の7セグメントディスプレイ84に0を表示する。
【0030】
吐出量設定モードの状態でインクリメントボタン89Bを押すと、右側の7セグメントディスプレイ84の数字が1増加する(例えば、右側の7セグメントディスプレイ84に1が表示された状態でインクリメントボタン89Bを押すと、右側の7セグメントディスプレイ84に2が表示される)。右側の7セグメントディスプレイ84は、1から9まで増えた後、図8Cと同様に、中央の7セグメントディスプレイ84が1、右側の7セグメントディスプレイ84が0となり、10を示す。また、吐出量設定モードの状態でディクリメントボタン89Cを押すと、右側の7セグメントディスプレイ84の数字が1減少する(例えば、右側の7セグメントディスプレイ84に2が表示された状態でディクリメントボタン89Cを押すと、右側の7セグメントディスプレイ84に1が表示される)。右側の7セグメントディスプレイ84は、9から1まで減った後、中央の7セグメントディスプレイ84が1減り、右側の7セグメントディスプレイ84が0となる。なお、インクリメントボタン89Bあるいはディクリメントボタン89Cを長押しすると、数字が増減するスピードが速くなる。このようにして0から200まで設定可能である。数字の1は、1g(或いは1オンス)を表す。よって、200からトリガ9を押し込み操作して1g吐出すると、表示は199に変わる。すなわち、トリガ9を押した分だけグリースが吐出されて表示が減っていくことになる。表示が0になると、トリガ9を押し込んでいても、モータ20は停止する。吐出量表示モードにより、設定した吐出量(総量)のみを吐出させることができる。
【0031】
このように、上記実施例2のグリースガン1Aにおいても、ブラシレスモータであるモータ20の採用により、出力が大きくなり、高圧域での高速吐出が可能となる。
特に、コントローラ17は、トリガ9(操作部材の一例)によるトリガスイッチ8の押し込み量に基づいて回転軸30の回転数を制御し、ポンプ60によるグリースの吐出速度を変更可能である。
よって、切替弁を設けなくても吐出速度の切替が可能となる。
回転軸30の回転数をコントローラ17に切替指示可能な操作パネル80(操作部の一例)が設けられている。
よって、操作パネル80を操作してグリースの吐出速度の変更が容易に行える。
操作パネル80には、ポンプ60の駆動に伴うグリースの吐出量を表示する機能(第1の構成の吐出量表示部及び第2の構成の表示部の一例)が設けられている。
よって、センサ回路基板28によって回転数検知を行うブラシレスのモータ20の機能を利用してプランジャ50の往復回数を計測し、グリースの吐出量を容易に知ることができる。
操作パネル80には、ポンプ60の駆動に伴うグリースの吐出量の総量を設定する機能(第1の構成の吐出量設定部及び第2の構成の設定部の一例)が設けられている。
よって、必要な吐出量のみを吐出でき、グリースの無駄がなくなる。
コントローラ17は、操作パネル80によって設定された吐出量の総量に達した場合に、モータ20を停止させる。
よって、グリースの無駄な吐出を確実に停止することができる。
【0032】
上記実施例2において、操作パネルの形態は適宜変更できる。
上記例では、7セグメントディスプレイを前側、ボタンスイッチを後側に配置しているが、これと逆に、7セグメントディスプレイを後側、ボタンスイッチを前側に配置してもよい。樹脂板と表示シールもこれに合わせて前後逆となる。
操作パネルの表示は7セグメントディスプレイによるものに限らない。液晶やランプ等による表示も可能である。コントローラに通信機能を付加して、操作をスマートフォン等の外部端末に設けた連動アプリで行うことも考えられる。
吐出速度、吐出量の表示、吐出量の設定は、上記例以外の設定方法及び表示方法で行ってもよい。何れか1つ又は2つを省略することもできる。
【0033】
設定した総吐出量になった場合にモータを停止する際に電気的にブレーキをかけるが、モータが止まるまでに時間がかかるため、設定した量よりグリースが多めに出る可能性がある。また、上記実施例2に記載のモータは、トリガの押し込み量ないし操作パネルによってモータの回転数を調整できるため、ブレーキによるモータの停止時間を制御しないと設定した量に対してグリースの量が増減する可能性がある。
そこで、設定した吐出量で精度よく止めるための方法として、下記のような方法が考えられる。
(1)モータの回転数(回転速度)に対応した、(機械的・電気的に負荷がかかりにくい)ブレーキをかけてから停止するまでの時間について、前もってコントローラに記憶しておき、操作者の使用状況(トリガの押し込み量ないし操作パネルでの設定)に応じて、ブレーキをかけ始める時間を制御する。この方法によれば、設定した吐出量で精度よく止められる。
(2)設定された吐出量、つまり設定されたモータの総回転数で精度よく止めるために、総回転数に到達する手前(本来ブレーキをかけ始めるより早め)で速度を落とし始める。この方法によれば、狙いの総回転数で止められるようになる。
【0034】
以下、実施例1,2に共通する変更例について説明する。
バッテリ保持部は、グリップ部及びモータハウジング部と一体に形成する構造に限らない。例えば、バッテリ保持部をグリップ部及びモータハウジング部と別体に形成して、バッテリ保持部とグリップ部及びモータハウジング部との間にゴム等の緩衝部材を介在させてもよい。このようにすれば、バッテリパックへ加わる衝撃を緩和してバッテリパックに大きい外力が加わることを効果的に防止できる。バッテリ保持部への衝撃も緩和される。
ハウジングの後部に、バッテリ保持部に装着されたバッテリパックの下側に位置し、バッテリパックの下面に近接又は当接する受け部を設けてもよい。この構成によれば、運搬や作業の際に落下させたりしてバッテリパックに外力が加わった際の衝撃を緩和できる。
バッテリパックは、複数であってもよい。但し、グリース吐出装置は、バッテリパックを用いないAC機であってもよい。
グリース吐出装置は、リリーフ弁によって吐出路内の圧力を逃がすものに限らない。例えば、リリーフ弁に代えて、モータに流れる電流をコントローラが監視し、吐出路内の圧力が、リリーフ弁が作動する吐出圧力に相当する所定の電流値に達すると、コントローラがモータの回転を停止させる制御を行うものであってもよい。
【0035】
モータ等の構成部のレイアウトも適宜変更できる。以下、レイアウトの変更例を説明する。
各図において、グリースガンの構成部は四角枠で概略表示し、ハウジングは二点鎖線で示している。実線は配線を示し、点線はファンの回転に伴う風の流れを示している。
図9に示すグリースガン1Bでは、ファン32をモータ20の後側に配置し、コントローラ17をハウジング2の前部に配置した例を示している。コントローラ17には、ダイヤル100が設けられている。このダイヤル100は、ハウジング2の側面に露出して外部から回転操作可能となっている。ダイヤル100は、吐出量設定ボタンに代わるもので、回転操作によって吐出量の総量を設定することができる。
ファン32がハウジング2の後部にあることで、コントローラ17の前側に吸気口33が設けられ、ファン32の後方又は径方向外側に排気口34が設けられている。よって、ファン32の回転に伴い、点線矢印F1で示すように吸気口33から吸引された外気は、コントローラ17に接触して冷却した後、モータハウジング部4内をF2,F3の順に流れて減速機構43、モータ20をそれぞれ冷却し、排気口34からF4として排出される。
【0036】
図10に示すグリースガン1Cでは、コントローラを前後に分離させている。前側のコントローラ17Aには、図9と同様にマイコンやダイヤル100等が搭載されている。後側のコントローラ17Bは、センサ回路基板28の後側に配置されている。コントローラ17Bには、スイッチング素子が搭載されている。ここではファン32はモータ20の前側に配置されて、吸気口33がコントローラ17Bの後方に、排気口34がファン32の径方向外側に配置されている。よって、ファン32の回転に伴い、F1で示すように吸気口33から吸引された外気は、コントローラ17Bを冷却した後、モータハウジング部4内をF2として流れてモータ20を冷却し、排気口34からF3として排出される。
【0037】
図11に示すグリースガン1Dでは、モータ20をハウジング2の前部でポンプ60を含むポンプハウジング101の上側に配置している。ポンプハウジング101の前側に減速機構43が配置されて、ファン32を前部に有する回転軸30からは、ギヤ102,102による回転伝達が行われる。
コントローラ17は、モータ20の後側に配置されて、吸気口33は、コントローラ17の左右外側或いは上側に設けられている。排気口34は、ファン32の径方向外側に設けられている。よって、ファン32の回転に伴い、F1で示すように吸気口33から吸引された外気は、コントローラ17を冷却した後、ハウジング2内をF2として流れてモータ20を冷却し、排気口34からF3として排出される。
【0038】
図12に示すグリースガン1Eでは、コントローラがトリガスイッチと一体化されたスイッチユニット103が採用されている点が図11と異なる。また、吸気口33は、端子台16の前側と、ポンプハウジング101の後側とにそれぞれ設けられている。よって、ファン32の回転に伴い、F1で示すように後側の吸気口33から吸引された外気は、ハウジング2内をF2として流れてスイッチユニット103を通過して冷却した後、ハウジング2内をF3として流れてモータ20を冷却し、排気口34からF4として排出される。F5で示すように前側の吸気口33から吸引された外気は、ポンプハウジング101内を上昇し、F3と合流してモータ20を冷却した後、排気口34からF4として排出される。
図13に示すグリースガン1Fでは、コントローラ17が端子台16の前側に配置されている点が図11と異なる。吸気口33は、コントローラ17の上側及び/又は左右と、ポンプハウジングの後側とにそれぞれ設けられている。よって、ファン32の回転に伴い、F1で示すように後側の吸気口33から吸引された外気は、コントローラ17を冷却した後、ハウジング2内をF2,F3の順に流れてトリガスイッチ8、モータ20を順に冷却し、排気口34からF4として排出される。F5で示すように前側の吸気口33から吸引された外気は、ポンプハウジング101内を上昇し、F3と合流してモータ20を冷却した後、排気口34からF4として排出される。
【0039】
図14に示すグリースガン1Gでは、グリップ部5内にモータ20と減速機構43とが配置されている点が上記実施例及び各変更例と異なる。グリップ部5は、後方へ向かうに従って外径が徐々に小さくなる後細り形状となっている。モータ20は、グリップ部5内の後側に、センサ回路基板28を後側に、ファン32を前側にした向きで前後方向に収容されている。グリップ部5の後端には、上下方向に延びるバッテリ保持部14が形成されている。バッテリ保持部14内で端子台16の前側には、コントローラ17が上下方向に収容されている。吸気口33は、コントローラ17の下部前側でバッテリ保持部14に形成されている。
減速機構43は、グリップ部5内でモータ20の前側に配置されている。減速機構43の下方でポンプ60の後側には、トリガスイッチ8が配置されている。グリップ部5の前部正面には、実施例と同様に操作パネル80が、前下がり傾斜姿勢で配置されている。
よって、ファン32の回転に伴い、F1で示すように後側の吸気口33から吸引された外気は、コントローラ17を冷却した後、グリップ部5内をF2のように前方へ流れる。その後、空気は、センサ回路基板28、モータ20の順に通過してそれぞれ冷却した後、排気口34からF3として排出される。
【0040】
図15に示すグリースガン1Hでは、モータ20の向きが前後逆になる点と、コントローラ17が操作パネル80の下側で同じ前下がり傾斜姿勢で配置されている点とが図14と異なる。よって、吸気口33は、グリップ部5の前部におけるコントローラ17の左右の側面側に設けられている。排気口34は、グリップ部5の後端に設けられている。
よって、ファン32の回転に伴い、F1で示すように前側の吸気口33から吸引された外気は、コントローラ17を冷却した後、グリップ部5内をF2のように後方へ流れる。その後、空気は、センサ回路基板28、モータ20の順に通過してそれぞれ冷却した後、排気口34からF3として排出される。
【0041】
図16に示すグリースガン1Iでは、グリップ部5の前端に、ポンプ60よりも前方へ突出するモータハウジング部4が前後方向に形成されている点が上記実施例及び各変更例と異なる。グリップ部5内の中間部には、トリガスイッチ8が収容されて、その前側にコントローラ17が前後方向に収容されている。吸気口33は、コントローラ17の上側に設けられている。
モータハウジング4内の前部には、モータ20が、後側がセンサ回路基板28、前側がファン32となる前後の向きで配置されている。減速機構43は、モータハウジング部4内でモータ20の後側に配置されている。
よって、ファン32の回転に伴い、F1で示すように後側の吸気口33から吸引された外気は、コントローラ17を冷却した後、グリップ部5内をF2、F3のように前方へ流れる。その後、空気は、減速機構43、センサ回路基板28、モータ20の順に通過してそれぞれを冷却した後、排気口34からF4として排出される。
【符号の説明】
【0042】
1,1A~1I・・グリースガン、2・・ハウジング、4・・モータハウジング部、5・・グリップ部、6・・前結合部、7・・後結合部、8・・トリガスイッチ、9・・トリガ、10・・ライト、17・・コントローラ、18・・制御回路基板、20・・モータ、21・・ステータ、22・・ロータ、30・・回転軸、32・・ファン、43・・減速機構、44・・スピンドル、50・・プランジャ、54・・タンク、60・・ポンプ、75・・パネル保持部、80・・操作パネル、81・・回路基板、82・・樹脂板、83・・表示シール、86・・表示板部、89A~89C・・円形操作部。
図1
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