(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025665
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】圧側スラッシュ面に隣接する平坦面を持つタービンノズル
(51)【国際特許分類】
F01D 9/04 20060101AFI20240216BHJP
F01D 9/02 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
F01D9/04
F01D9/02 104
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023106090
(22)【出願日】2023-06-28
(31)【優先権主張番号】17/818,760
(32)【優先日】2022-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 8, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(72)【発明者】
【氏名】ジェイコブ ジョン キトルソン
【テーマコード(参考)】
3G202
【Fターム(参考)】
3G202GA07
3G202GA11
3G202GB05
3G202KK11
3G202KK20
3G202KK22
(57)【要約】 (修正有)
【課題】サイドスラッシュ面に隣接する平面を持つタービンノズルを提供する。
【解決手段】ノズルは、エアフォイルの先端部及び前記ルート部のうちの一方においてエアフォイルに接続された端壁を含む。端壁は、前記端壁のそれぞれの円周方向エッジに設けられた第1及び第2の圧側スラッシュ面を含む。端壁は、前記第1の圧側スラッシュ面と前記第2の圧側スラッシュ面との間に延在する内側表面も含む。内側表面は、前記第1の圧側スラッシュ面に隣接する第1の平坦面部分、前記第2の圧側スラッシュ面に隣接する第2の平坦面部分、及び前記第1の平坦面部分と前記第2の平坦面部分との間に延在する弧状面部分を含む。平坦面部分は、圧側スラッシュ面に沿って局所的に高温ガス経路の曲率を減少させることによってシュート高さを減少させ、これによって、隣り合うノズルの端壁の間に作動流体が取り込まれることを少なくする。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービンシステム(110)用のノズル(124)であって、前記ノズルは、
先端部(162)及びルート部(164)を含むエアフォイル(140)と、
前記先端部(162)及び前記ルート部(164)のうちの一方において前記エアフォイル(140)に接続された端壁(142)であって、端壁(142)は、
前記端壁(142)の第1の円周方向エッジ(190)に設けられた第1の圧側スラッシュ面(172)、
前記端壁(142)の、前記第1の円周方向エッジ(190)とは反対側の第2の円周方向エッジ(192)に設けられた第2の圧側スラッシュ面(174)、
前記第1の圧側スラッシュ面(172)と前記第2の圧側スラッシュ面(174)との間に延在する内側表面(300)であって、内側表面(300)は、前記第1の圧側スラッシュ面(172)に隣接する第1の平坦面部分(330)、前記第2の圧側スラッシュ面(174)に隣接する第2の平坦面部分(332)、及び前記第1の平坦面部分(330)と前記第2の平坦面部分(332)との間に延在する弧状面部分(334)を含む、内側表面(300)
を含む端壁(142)と
を含むノズル(124)。
【請求項2】
前記端壁(142)は、各圧側スラッシュ面(172、174)に、軸方向に画定されたシールポケット(212A、212B)を更に含み、前記シールポケット(212A、212B)は、前記シールポケットに配置されたシール(210)であって、隣り合うノズル(124A、124B)の間の隙間(204)に広がるシール(210)を収容するように構成されている、請求項1に記載のノズル(124)。
【請求項3】
各シールポケット(212A、212B)は円周方向範囲を有し、前記第1の圧側スラッシュ面(172)及び前記第2の圧側スラッシュ面(174)に隣接する第1の平坦面部分(330)及び第2の平坦面部分(332)の各々は、それぞれの圧側スラッシュ面(172、174)のそれぞれの円周方向エッジ(190、192)から、それぞれの第1及び第2のシールポケット(212A、212B)の円周方向範囲と半径方向に一致した円周方向位置まで、円周方向に延在する、請求項2に記載のノズル(124)。
【請求項4】
各シールポケット(212A、212B)は円周方向範囲を有し、前記第1の圧側スラッシュ面(172)及び前記第2の圧側スラッシュ面(174)に隣接する第1の平坦面部分(330)及び第2の平坦面部分(332)の各々は、それぞれの圧側スラッシュ面(172、174)のそれぞれの円周方向エッジ(190、192)から、それぞれの第1及び第2のシールポケット(212A、212B)の円周方向範囲よりも広い範囲まで円周方向に延在する、請求項2に記載のノズル(124)。
【請求項5】
各平坦面部分(330、332)は、前記シールポケット(212A、212B)に対して非平行に角度が付けられている、請求項2に記載のノズル(124)。
【請求項6】
前記端壁(142、144)は、第1の圧側スラッシュ面(172)に軸方向に画定された第1のシールポケット(212A)と、前記第2の圧側スラッシュ面(174)に軸方向に画定された第2のシールポケット(212B)と、それぞれのシールポケット(212A、212B)とそれぞれの平坦面(330、332)との間において前記第1及び第2の圧側スラッシュ面(172、174)の各々を貫通する少なくとも1つの通路(220)とを更に含む、請求項1に記載のノズル(124)。
【請求項7】
前記端壁(142)は内側端壁を含み、前記内側表面(300)は凸の弧状である、請求項1に記載のノズル(124)。
【請求項8】
前記端壁(142)は外側端壁を含み、前記内側表面(300)は凹の弧状である、請求項1に記載のノズル(124)。
【請求項9】
前記端壁(142、144)は、前記高温ガス経路(120)の円周方向において、円形範囲が7°より大きい角度で広がり、各平坦面部分(330、332)は、前記高温ガス経路(120)の円周方向において、円形範囲が1°以下の角度で広がる、請求項1に記載のノズル(124)。
【請求項10】
各平坦面部分(330、332)は、それぞれの圧側スラッシュ面(172、174)の円周方向エッジ(190、192)から5ミリメートル~50ミリメートルの範囲内で円周方向に延在する、請求項1に記載のノズル(124)。
【請求項11】
各平坦面部分(330、332)は、それぞれの圧側スラッシュ面(172、174)の全範囲に渡って軸方向に延在している、請求項1に記載のノズル(124)。
【請求項12】
タービンシステム(110)用のノズルアセンブリ(128、132、136)であって、前記ノズルアセンブリ(128、132、136)は、
環状アレイに配置され、高温ガス経路(120)を画定する複数のノズル(124)を含み、前記複数のノズル(124)の各々は、
先端部(162)及びルート部(164)を含むエアフォイル(140)と、
前記先端部(162)及び前記ルート部(164)のうちの一方において前記エアフォイル(140)に接続された端壁(142)であって、端壁(142)は、
前記端壁(142)の第1の円周方向エッジ(190)に設けられた第1の圧側スラッシュ面(172)、
前記端壁(142)の、前記第1の円周方向エッジ(190)とは反対側の第2の円周方向エッジ(192)に設けられた第2の圧側スラッシュ面(174)、
前記第1の圧側スラッシュ面(172)と前記第2の圧側スラッシュ面(174)との間に延在する内側表面(300)であって、内側表面(300)は、前記第1の圧側スラッシュ面(172)に隣接する第1の平坦面部分(330)、前記第2の圧側スラッシュ面(174)に隣接する第2の平坦面部分(332)、及び前記第1の平坦面部分(330)と前記第2の平坦面部分(332)との間に延在する弧状面部分(334)を含む、内側表面(300)
を含み、
前記端壁(142)の内側表面(300)は、隣のノズル(124)の端壁(142)の内側表面(300)と係合するように構成され、高温ガス経路(120)の実質的に湾曲した部分(302)を画定する、ノズルアセンブリ(128、132、136)。
【請求項13】
前記端壁(142)は、各圧側スラッシュ面(172、174)に、軸方向に画定されたシールポケット(212A、212B)を更に含み、前記端壁(142)は、隣接するノズル(124)の前記シールポケット(212A、212B)に配置されたシール(210)であって、隣り合うノズル(124)の間の隙間(204)に広がるシール(210)を更に含む、請求項12に記載のノズルアセンブリ(128、132、136)。
【請求項14】
各シールポケット(212A、212B)は円周方向範囲を有し、前記第1の圧側スラッシュ面(172)及び前記第2の圧側スラッシュ面(174)に隣接する第1の平坦面部分(330)及び第2の平坦面部分(332)の各々は、それぞれの圧側スラッシュ面(172、174)のそれぞれの円周方向エッジ(190、192)から、それぞれの第1及び第2のシールポケット(212A、212B)の円周方向範囲と半径方向に一致した円周方向位置まで、円周方向に延在する、請求項13に記載のノズルアセンブリ(128、132、136)。
【請求項15】
各シールポケット(212A、212B)が円周方向範囲を有し、前記第1の圧側スラッシュ面(172)及び前記第2の圧側スラッシュ面(174)に隣接する第1の平坦面部分(330)及び第2の平坦面部分(332)の各々は、それぞれの圧側スラッシュ面(172、174)のそれぞれの円周方向エッジ(190、192)から、それぞれの第1及び第2のシールポケット(212A、212B)の円周方向範囲よりも広い範囲まで、円周方向に延在する、請求項13に記載のノズルアセンブリ(128、132、136)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般には、ガスタービンシステムに関し、より詳細には、圧側スラッシュ面に隣接する平坦面部分を有する内側表面を有する端壁を有するタービンノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンシステムはノズルアセンブリを含み、各ノズルは、環状アレイに配置された複数のノズルであって、全体として高温ガス経路を画定する複数のノズルを含む。ノズルアセンブリの隣り合うノズルは、隣り合う圧側スラッシュ面の間に隙間を有しており、隙間は作動流体を取り込むことを防止するためにシールで封止される。作動流体(高温燃焼ガスなど)が取り込まれると、ノズルを早期に点検することになる。
【発明の概要】
【0003】
以下に記載するすべての態様、例、及び特徴は、技術的に可能な任意の方法で組み合わせることができる。
【0004】
本開示の一態様は、タービンシステム用のノズルを提供する。前記ノズルは、先端部及びルート部を含むエアフォイルと、前記先端部及び前記ルート部のうちの一方において前記エアフォイルに接続された端壁であって、端壁は、前記端壁の第1の円周方向エッジに設けられた第1の圧側スラッシュ面、前記端壁の、前記第1の円周方向エッジとは反対側の第2の円周方向エッジに設けられた第2の圧側スラッシュ面、前記第1の圧側スラッシュ面と前記第2の圧側スラッシュ面との間に延在する内側表面であって、内側表面は、前記第1の圧側スラッシュ面に隣接する第1の平坦面部分、前記第2の圧側スラッシュ面に隣接する第2の平坦面部分、及び前記第1の平坦面部分と前記第2の平坦面部分との間に延在する弧状面部分を含む、内側表面を含む端壁とを含む。
【0005】
本開示の別の態様は、上記の態様を含んでおり、前記端壁は、各圧側スラッシュ面に、軸方向に画定されたシールポケットを更に含み、前記シールポケットは、前記シールポケットに配置されたシールであって、隣り合うノズルの間の隙間に広がるシールを収容するように構成されている。
【0006】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、各シールポケットは第1の円周方向範囲を有し、前記第1の圧側スラッシュ面及び前記第2の圧側スラッシュ面に隣接する第1の平坦面部分及び第2の平坦面部分の各々は、それぞれの圧側スラッシュ面のそれぞれの円周方向エッジから第2の円周方向範囲まで、円周方向に延在し、前記第2の円周方向範囲は、それぞれの第1及び第2のシールポケットの第1の円周方向範囲よりも広い範囲である。
【0007】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、各シールポケットは第1の円周方向範囲を有し、前記第1の圧側スラッシュ面及び前記第2の圧側スラッシュ面に隣接する第1の平坦面部分及び第2の平坦面部分の各々は、それぞれの圧側スラッシュ面のそれぞれの円周方向エッジから、1つの軸方向位置においてそれぞれの第1及び第2のシールポケットの前記第1の円周方向範囲と半径方向に一致した円周方向位置まで、円周方向に延在する。
【0008】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、各平坦面部分は、前記シールポケットに対して非平行に角度が付けられている。
【0009】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、各平坦面部分は、それぞれのシールポケットの全範囲に渡って軸方向に延在している。
【0010】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、前記端壁は、第1のスラッシュ面に軸方向に画定された第1のシールポケットと、前記第2のスラッシュ面に軸方向に画定された第2のシールポケットと、それぞれのシールポケットとそれぞれの平坦面との間において前記第1及び第2の圧側スラッシュ面の各々を貫通する少なくとも1つの通路とを更に含む。
【0011】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、前記端壁は前記エアフォイルの先端部に接続された内側端壁を含み、前記内側表面は凸の弧状である。
【0012】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、前記端壁は前記エアフォイルのルート部に接続された外側端壁を含み、前記内側表面は凹の弧状である。
【0013】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、前記端壁は、前記高温ガス経路の円周方向において、円形範囲が7°より大きい角度で広がり、各平坦面部分は、前記高温ガス経路の円周方向において、円形範囲が2°以下の角度で広がる。
【0014】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、各平坦面部分は、それぞれの圧側スラッシュ面の円周方向エッジから5ミリメートル~50ミリメートルの範囲内で円周方向に延在する。
【0015】
本開示による一態様は、タービンシステム用のノズルアセンブリを含む。前記ノズルアセンブリは、環状アレイに配置され、高温ガス経路を画定する複数のノズルを含み、前記複数のノズルの各々は、先端部及びルート部を含むエアフォイルと、前記先端部及び前記ルート部のうちの一方において前記エアフォイルに接続された端壁であって、端壁は、前記端壁の第1の円周方向エッジに設けられた第1の圧側スラッシュ面、前記端壁の、前記第1の円周方向エッジとは反対側の第2の円周方向エッジに設けられた第2の圧側スラッシュ面、前記第1の圧側スラッシュ面と前記第2の圧側スラッシュ面との間に延在する内側表面であって、内側表面は、前記第1の圧側スラッシュ面に隣接する第1の平坦面部分、前記第2の圧側スラッシュ面に隣接する第2の平坦面部分、及び前記第1の平坦面部分と前記第2の平坦面部分との間に延在する弧状面部分を含む、内側表面を含み、前記端壁の内側表面は、隣のノズルの端壁の内側表面と対になるように構成され、高温ガス経路の実質的に湾曲した部分を画定する。
【0016】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、前記端壁は、各圧側スラッシュ面に、軸方向に画定されたシールポケットを更に含み、前記端壁は、隣接するノズルの前記シールポケットに配置されたシールであって、隣り合うノズルの間の隙間に広がるシールを更に含む。
【0017】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、各シールポケットは第1の円周方向範囲を有し、前記第1の圧側スラッシュ面及び前記第2の圧側スラッシュ面に隣接する第1の平坦面部分及び第2の平坦面部分の各々は、それぞれの圧側スラッシュ面のそれぞれの円周方向エッジから、1つの軸方向位置においてそれぞれの第1及び第2のシールポケットの前記第1の円周方向範囲と半径方向に一致した円周方向位置まで、円周方向に延在する。
【0018】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、各シールポケットが第1の円周方向範囲を有し、前記第1の圧側スラッシュ面及び前記第2の圧側スラッシュ面に隣接する第1の平坦面部分及び第2の平坦面部分の各々は、それぞれの圧側スラッシュ面のそれぞれの円周方向エッジから第2の円周方向範囲まで、円周方向に延在し、前記第2の円周方向範囲は、それぞれの第1及び第2のシールポケットの前記第1の円周方向範囲よりも広い範囲である。
【0019】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、各平坦面部分は、前記シールポケットに対して非平行に角度が付けられている。
【0020】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、各平坦面部分は、それぞれのシールポケットの全範囲に渡って軸方向に延在している。
【0021】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、前記端壁は前記エアフォイルの先端部に接続された内側端壁を含み、前記内側表面は凸の弧状である。
【0022】
本開示の別の態様は、上記の態様のうちのいずれかの態様を含み、前記端壁は前記エアフォイルのルート部に接続された外側端壁を含み、前記内側表面は凹の弧状である。
【0023】
本開示による一態様は、ガスタービンシステムに関する。ガスタービンシステムは、圧縮機部、燃焼部、及びタービン部を含む。タービン部は複数のタービン段を含み、前記複数のタービン段のうちの少なくとも1つのタービン段は、ノズルアセンブリを含む。前記ノズルアセンブリは、環状アレイに配置され、高温ガス経路を画定する複数のノズルを含み、前記複数のノズルアセンブリの各々は、先端部及びルート部を含むエアフォイルと、前記先端部及び前記ルート部のうちの一方において前記エアフォイルに接続された端壁であって、端壁は、前記端壁の第1の円周方向エッジに設けられた第1の圧側スラッシュ面、前記端壁の、前記第1の円周方向エッジとは反対側の第2の円周方向エッジに設けられた第2の圧側スラッシュ面、前記第1の圧側スラッシュ面と前記第2の圧側スラッシュ面との間に延在する内側表面であって、内側表面は、前記第1の圧側スラッシュ面に隣接する第1の平坦面部分、前記第2の圧側スラッシュ面に隣接する第2の平坦面部分、及び前記第1の平坦面部分と前記第2の平坦面部分との間に延在する弧状面部分を含む、内側表面を含み、前記端壁の内側表面は、隣のノズルの端壁の内側表面と対になるように構成され、高温ガス経路の実質的に湾曲した部分を画定する。
【0024】
本開示において説明される2つ以上の態様(本概要で記載されたものを含む)を組み合わせて、本明細書において特に説明されない実装態様を形成することができる。
【0025】
1つ以上の実施態様の詳細は、添付図面及び以下の発明を実施するための形態に記載されている。他の特徴、目的及び利点は、説明及び図面、ならびに特許請求の範囲から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本開示のこれらの特徴及び他の特徴は、本開示の様々な実施形態を示す添付の図面と併せて、本開示の様々な態様を含む以下の発明を実施するための形態から、より容易に理解される。
【
図1】本開示の実施形態による、タービンシステム(例えば、ガスタービンシステム)の概略図である。
【
図2】本開示の実施形態によるタービンシステムのタービン部の断面図である。
【
図3】本開示の実施形態による、端壁を含むノズルの斜視図である。
【
図4】従来の一対のノズルの内側端壁のスラッシュ面の対向領域の断面図である。
【
図5】本開示の実施形態による一対のノズルの内側端壁のスラッシュ面の対向領域の断面図である。
【
図6】本開示の他の実施形態による一対のノズルのスラッシュ面の対向領域の断面図である。
【
図7】本開示の様々な実施形態による、平坦面部分の概略上面図である。
【
図8】本開示の実施形態による一対のノズルの外側端壁のスラッシュ面の対向領域の断面図である。
【
図9】本開示の他の実施形態による一対のノズルの外側端壁のスラッシュ面の対向領域の断面図である。
【
図10】本開示の代替実施形態による一対のノズルの外側端壁のスラッシュ面の対向領域の断面図である。
【
図11】本開示の代替実施形態による一対のノズルの外側端壁のスラッシュ面の対向領域の断面図である。
【
図12】本開示の代替実施形態による一対のノズルの外側端壁のスラッシュ面の対向領域の断面図である。
【
図13】本開示の代替実施形態による一対のノズルの外側端壁のスラッシュ面の対向領域の断面図である。
【0027】
本開示の図面は必ずしも同一のスケールで拡大、縮小しているわけではないことに留意されたい。図面は、本開示の典型的な態様のみを示すことを意図しており、したがって、本開示の範囲を限定するものとして考慮されるべきではない。図面において、同様の番号は、図面間で同様の構成要素を表している。
【発明を実施するための形態】
【0028】
最初に、本技術を明確に説明するために、タービンシステム内の機械の構成要素に言及して説明するときに、特定の用語を選択することが必要になる。可能な限り、一般的な業界用語が、その業界で受け入れられている意味と一致する態様で使用され、採用される。特に明記しない限り、上記の用語は、本出願の文脈及び特許請求の範囲と一致する広い解釈が与えられるべきである。当業者は、多くの場合、特定の構成要素がいくつかの異なる用語又は重複する用語を使用して言及される場合があることを理解する。本明細書において単一の部品として説明されているものは、別の文脈では、複数の構成要素を含むことがあり、複数の構成要素を含むものとして言及されることがある。あるいは、本明細書において複数の構成要素を含むものとして説明されているものは、他の箇所では単一の部品として言及されることがある。
【0029】
更に、本明細書では、いくつかの記述用語が規則的に使用される場合があり、発明を実施するための形態の始めにこれらの用語を定義しておくことが有益である。これらの用語と用語の定義は、特に明記しない限り、以下の通りである。本明細書において、「下流」及び「上流」は、タービン部を流れる流体(作動流体など)の流れ、又は、例えば、燃焼器を流れる空気の流れ若しくはタービンの複数の構成要素システムのうちの1つを流れる冷却媒体の流れに関する方向を示す用語である。用語「下流」は流体の流れの方向に対応し、用語「上流」は、その流体の流れとは反対の方向を表す。用語「前方」及び「後方」は、他に特別なことがない限り、方向を表し、「前方」はシステムの前部側又は圧縮機端側を表し、「後方」はシステムの後部又はタービン端側を表す。
【0030】
中心軸に対して異なる半径方向の位置に配置された部品の説明を要求されることがある。用語「半径」は、軸に対して垂直の(例えば、タービンシャフトのX軸に対してZ方向の)動き又は位置を表す。第1の構成要素が第2の構成要素よりも軸の近くに存在している場合、本明細書では、第1の構成要素は、第2の構成要素の「半径方向内側」又は「内側」にあると記載される。一方、第1の構成要素が第2の構成要素よりも軸から遠くに存在する場合、本明細書では、第1の構成要素は第2の構成要素の「半径方向外側」又は「外側」にあると記載することができる。用語「軸の」は、軸(例えば、タービンシャフトのX軸)に対して平行の動き又は位置を表す。最後に、用語「円周の」は、軸の周りの(例えば、タービンシャフトのX軸に垂直なY面内の)動き又は位置を表す。このような用語は、タービンの中心軸に関連して適用できることが理解される。
【0031】
更に、本明細書では、以下に説明するように、いくつかの記述用語が規則的に使用される場合がある。用語「第1」、「第2」、及び「第3」は、ある構成要素を別の構成要素と区別するために互換可能に使用することができ、個々の構成要素の位置及び重要度を意味することを意図しているのではない。
【0032】
明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明することを目的としており、本開示を限定することを意図するものではない。本明細書において、単数形「1つ(a)」、「1つ(an)」、及び「この(the)」は、文脈が明らかに複数形を含むことを示していない限り、複数形を含むことを意図している。用語「含む」及び/又は「含んでいる」は、本明細書で使用される場合、言及された特徴、整数、工程、動作、要素、及び/又は構成要素が存在していることを特定しているが、1つ以上の他の特徴、整数、工程、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらのグループの存在及び追加を排除しないことが更に理解される。「任意選択の」又は「任意選択で」は、その後に記述される特徴若しくは要素が存在してもよいし存在しなくてもよいこと、及びその記述が、その特徴が存在する例と、その特徴が存在しない例とを含むことを意味する。
【0033】
ある要素又は層が、別の要素又は層「に接触する」、「に係合されている」、「に接続されている」、又は「に結合されている」ものとして言及されている場合、他の要素又は層に、直接的に接触、係合、接続、又は結合していてもよいし、介在する要素又は層が存在していてもよい。対照的に、ある要素が、別の要素又は層「に直接的に接触」、「に直接的に結合」、「に直接的に接続」、又は「に直接的に結合」しているものとして言及されている場合、介在する要素又は層は存在していない。要素間の関係を説明するために使用される他の言葉は、同じように解釈されるべきである(例えば、「間に」と「直接的に間に」、「隣接する」と「直接的に隣接する」など)。本明細書において、用語「及び/又は」は、列挙された関連する複数の項目のうちの1つ以上の項目のあらゆる組合せを含む。
【0034】
上記のように、ノズル、ノズルアセンブリ、及びノズルを含むガスタービンシステムが提供される。前記ノズルは、先端部及びルート部を含むエアフォイルを含む。ノズルは、前記先端部及び前記ルート部のうちの一方において前記エアフォイルに接続された端壁も含む。端壁は、前記端壁の第1の円周方向エッジに設けられた第1の圧側スラッシュ面と、前記端壁の第2の円周方向エッジに設けられた第2の圧側スラッシュ面とを含む。端壁は、前記第1の圧側スラッシュ面と前記第2の圧側スラッシュ面との間に延在する内側表面も含む。内側表面は、前記第1の圧側スラッシュ面に隣接する第1の平坦面部分、前記第2の圧側スラッシュ面に隣接する第2の平坦面部分、及び前記第1の平坦面部分と前記第2の平坦面部分との間に延在する弧状面部分を含む。
【0035】
前記端壁の内側表面は、隣のノズルの端壁の内側表面と対になるように構成され、高温ガス経路の実質的に湾曲した部分を画定する。「シュート」は、端壁の弧状内側表面部分によって画定される高温ガス経路と、隣り合うノズルの圧側スラッシュ面の間の隙間に広がるシールとの間の空間である。平坦面部分は、圧側スラッシュ面に沿って局所的に高温ガス経路の曲率を減少させることによってシュート高さを減少させ、圧側スラッシュ面の1つ以上のシールポケットの位置に概ね一致する。シュート高さを低くすることにより、ノズルの早期点検を必要とするような隣り合うノズルの端壁の間に作動流体が取り込まれることを少なくする。平坦面部分は、ノズルの内側端壁及び/又は外側端壁に適用することができる。
【0036】
図1は、例示的なタービンシステム110(ガスタービンシステムなど)の概略図である。本開示のタービンシステム110は、ガスタービンシステム110である必要はなく、任意の適切なタービンシステム(蒸気タービンシステム、ジェットエンジン、又は他の適切なシステムなど)であってもよいことが理解されるべきである。タービンシステム110は、圧縮機部112、燃焼器部114、及びタービン部116を含むことができる。圧縮機部112とタービン部116は、シャフト118によって結合することができる。シャフト118は、単一のシャフトであってもよいし、複数のシャフトセグメントが結合されてシャフト118を形成してもよい。シャフトは、タービンシステム110のX軸(
図2では「タービン軸」を表す「TA」と表示されている)を画定する。
【0037】
当該技術分野において一般に知られているように、空気又は他の適切な作動流体が圧縮機部112を流れ、圧縮機部112で圧縮される。圧縮された作動流体は、燃焼器部114に供給され、燃焼器部114で燃料と化合して燃焼し、高温燃焼ガスが生成される。高温燃焼ガスは、燃焼器部114を流れた後、タービン部116に流入し、タービン部116を通過する。
【0038】
図2は、本開示によるタービン部116の一部分の一実施形態を示す。高温ガス経路120がタービン部116内に画定されている。高温ガス経路の様々な構成要素(シュラウド122、静止ノズル124、及び回転ブレード126など)は、少なくとも部分的に高温ガス経路120に配置することができる。例えば、図示のように、タービン部116は、複数のノズル124及び複数のブレード126を含むことができる。更に、複数のノズル124及び複数のブレード126は、1つ以上の環状アレイに配置することができ、各環状アレイは、高温ガス経路120の一部分を画定することができる。
【0039】
タービン部116は、複数のタービン段を含むことができる。各段は、環状アレイに配置された複数のノズル124と、環状アレイに配置された複数のブレード126とを含むことができる。例えば、
図2に示すように、一実施形態では、タービン部116は、3つの段を有することができる。例えば、タービン部116の第1の段は、第1の段のノズルアセンブリ128と、第1の段のブレードアセンブリ130とを含むことができる。ノズルアセンブリ128は、シャフト118に対して円周方向に配置され固定された複数のノズル124を含むことができる。ブレードアセンブリ130は、シャフト118に対して円周方向に配置された複数のブレード126であって、シャフト118に結合された複数のブレード126を含むことができる。
【0040】
タービン部116の第2の段は、第2の段のノズルアセンブリ132及び第2の段のブレードアセンブリ134を含むことができる。ノズルアセンブリ132に含まれるノズル124は、シャフト118の円周方向に配置し、固定することができる。ブレードアセンブリ134に含まれるブレード126は、シャフト118の円周方向に配置し、シャフト118に結合することができる。したがって、第2の段のノズルアセンブリ132は、高温ガス経路120において、第1の段のブレードアセンブリ130と第2の段のブレードアセンブリ134との間に配置される。
【0041】
タービン部116の第3の段は、第3の段のノズルアセンブリ136及び第3の段のブレードアセンブリ138を含むことができる。ノズルアセンブリ136に含まれるノズル124は、シャフト118の円周方向に配置し、固定することができる。ブレードアセンブリ138に含まれるブレード126は、シャフト118の円周方向に配置し、シャフト118に結合することができる。したがって、第3の段のノズルアセンブリ136は、高温ガス経路120において、第2の段のブレードアセンブリ134と第3の段のブレードアセンブリ138との間に配置される。
【0042】
タービン部116は3段に限定されず、任意の段数が本開示の範囲内及び本開示の趣旨の範囲内にあることが理解されるべきである。本開示によるノズル124は、タービン部116の構成要素に限定されないことが理解されるべきである。ノズル124は、タービンシステム110の圧縮機部112又は他の適切な部分の流路に少なくとも部分的に配置された構成要素であってもよい。更に、ノズルアセンブリ128、132、及び136のノズル124は、シャフト118を取り囲むタービンケーシング(図示せず)に固定的に結合できることが理解されるべきである。
【0043】
図3は、タービンシステム110(
図1)の隣接する一対のシングレットノズル124A、124Bの実施形態の側面斜視図である。ノズル124はシングレットとして示されているが、複数のノズル124のセグメント(例えば、ダブレット又はトリプレット)を形成するために、複数のエアフォイル140が各端壁142、144に結合されてもよいことが認識される。説明を簡単にするために、シングレットノズル124のみが図示されている。本開示は、それぞれの端壁142、144に結合された複数のノズル124を含む複数のノズルセグメントに等しく適用可能であることを教示していることが強調される。いずれにせよ、例示的な実施形態におけるノズル124は、第1段のノズル124として使用することができ、したがって、第1段のノズルアセンブリ128(
図2)で利用することができる。しかしながら、他の実施形態では、ノズル124は、第2段のノズルアセンブリ132(
図2)で利用される第2段のノズル124とすることができる。更に他の実施形態では、ノズル124は、第3段のノズルアセンブリ138で利用される第3段のノズル124、又はタービン部116、圧縮機部112、又は他の部分の適切な段若しくは他のアセンブリで利用される他の適切なノズルとすることができる。
【0044】
図示されるように、本開示によるノズル124は、エアフォイル140、内側端壁142、及び外側端壁144を含む。端壁142、144は、側壁とも呼ぶことができる。エアフォイル140は、内側端壁142と外側端壁144との間に延在し、これらの端壁に接続される。エアフォイル140は、正圧面152、負圧面154、前縁156、及び後縁158を画定する外面を含む。一般に知られているように、正圧面152及び負圧面154の各面は、概ね、前縁156と後縁158との間を延在している。更に、エアフォイル140は、先端部162及びルート部164を画定し、先端部162とルート部164との間を延在している。内側端壁142は先端部162においてエアフォイル140に接続され、外側端壁144はルート部164においてエアフォイル140に接続される。
【0045】
前述のように、端壁142、144は、エアフォイル140に接続される。一部の実施形態では、ノズル124は、鋳造又は付加製造などによって、単一の一体部品として形成され、したがって、端壁142、144及びエアフォイル140は、一体的に接続される。他の実施形態では、エアフォイル140及び端壁142、144は、別々に形成され、互いに接合される。これらの実施形態では、エアフォイル140及び端壁142、144は、溶接されてもよいし、機械的に固定されてもよいし、他の方法で互いに接続されてもよい。前述のように、各ノズル124は、1つ以上のエアフォイル140を含む。各エアフォイル140は、端壁142と端壁144との間を延在し、端壁142、144に接続される。ノズル124は、1つのエアフォイル140(図示の例)又は2つ以上のエアフォイル140を含むこともできるが、本明細書で説明する例示的なシングレットについては、1つのエアフォイルのみが示されている。
【0046】
更に、前述のように、ノズル124は、ノズルアセンブリ(例えば、符号128、132、136)としてノズル124の環状アレイに含むことができる。本開示の実施形態では、多くの数(48個など)のノズルよりも少ない数(例えば、36個)で大きいサイズのノズルを含むノズルアセンブリに対して特有の応用可能なことを見つけることができる。この場合、各ノズル124は、環状アレイにおいて8°よりも広い範囲を円弧状に延在する端壁142、144を含むことができる。一実施例では、第1段のノズルアセンブリ128(
図2)及び/又は第2段のノズルアセンブリ132(
図2)が、このようなノズル124を有している。
【0047】
図3に示されるように、内側端壁142は周縁部170を含む。周縁部170は、内側端壁142の周縁を画定する。したがって、例示的な実施形態では、周縁部170は、ノズル124の様々な表面に対応する様々な面を含み、当該様々な面を画定することができる。例えば、図示されるように、内側端壁142の周縁部170は、正圧側スラッシュ面172、負圧側スラッシュ面174、前縁面176、及び後縁面178を画定することができる。圧側スラッシュ面172、174は、それぞれ、内側端壁142の円周方向エッジ190、192、すなわち、内側端壁142の円周方向に最も離れて延在する縁部に位置する。
【0048】
同様に、
図3にも示されているように、外側端壁144は周縁部180を含む。周縁部180は外側端壁144の周縁を画定する。例示的な実施形態では、外側端壁144の周縁部180は、ノズル124の様々な表面に対応する様々な面を含み、当該様々な面を画定することができる。例えば、図示されるように、周縁部180は、正圧側スラッシュ面182、負圧側スラッシュ面184、前縁面186、及び後縁面188を画定することができる。したがって、各端壁142、144は、それぞれ、端壁の第1の円周方向エッジ190において第1の(正)圧側スラッシュ面172、182と、第1の円周方向エッジ190に対して反対側の端壁の第2の円周方向エッジ192において第2の(負)圧側スラッシュ面174、184とを含む。
【0049】
引き続き
図3を参照すると、各ノズル124は、外側端壁144をタービン部116のケーシングに取り付けるための既知の又は将来的に開発される取付けシステム194を含むことができる。各ノズル124は、内側端壁142の半径方向内側及び外側端壁144の半径方向外側のうちの少なくとも一方の側に、円周方向に延在する既知の又は将来的に開発される補強部材(図示せず)を含むこともできる。
【0050】
図4は、隣接するノズル124A、124Bの内側端壁142A、142Bの概略断面図を示し、内側端壁の圧側スラッシュ面172、174は従来の方法で形成されている図、
図5~
図6は、隣接するノズル124A、124Bの内側端壁142A、142Bの概略断面図を示し、内側端壁の圧側スラッシュ面172、174が本開示の実施形態に従って形成されている図である。
図4~
図6は、ノズル124A、124Bの上流からの(
図3の左側からの)構造を示す図である。
図4~
図6の図示の範囲は、エアフォイル140が
図4~
図6の図示の範囲に含まれないように示されている。
【0051】
前述したように、内側端壁142は、内側端壁正圧側スラッシュ面172及び内側端壁負圧側スラッシュ面174を含み、各端面172及び174は、内側端壁142の対応する円周方向エッジ190、192に配置されている。
図4~
図6において、2つの隣り合うノズル124A、124Bは、隣り合う内側端壁142A、142Bの隣り合う圧側スラッシュ面172、174を含む。より詳細には、ノズル124Aの正圧側スラッシュ面172は、ノズル124Bの負圧側スラッシュ面174の隣りに位置している。内側端壁142A、142Bは、先端部162(
図3)においてエアフォイル140に接続されている。
【0052】
図4に示すように、各内側端壁(例えば、ノズル124Aの内側端壁142A)は、端壁(例えば、隣のノズル124Bの端壁142B)の内側表面200と係合するように構成された内側表面200を含み、高温ガス経路120の湾曲部分202を画定する。内側端壁142の場合、内側表面200の湾曲部分202は凸の弧状であるため、所与のノズルアセンブリは、全体として、高温ガス経路120の半径方向内側の範囲を画定する半径方向外向きの実質的に円形又は楕円形の壁を形成する。この文脈において、「実質的に円形」は、スラッシュ面172、174の間の隙間の位置及びエアフォイル140が存在する場所(及び本開示の実施形態に従って平坦面部分330、332が存在する場所)におけるわずかなズレを除いて、所与のノズルアセンブリにわたる内側表面200が円形であることを示す。
【0053】
従来の配置では、
図4に示すように、内側表面200は、圧側スラッシュ面172、174まで、連続した凸の弧状で広がっており、圧側スラッシュ面172、174の間の隙間又は空間224が内側表面を分断している。すなわち、内側表面200は、エアフォイル140が接続されている部分を除いて、内側端壁142の圧側スラッシュ面172、174の間において内側表面の全範囲に渡って凸の弧状である。高温ガス経路120から燃焼ガスが取り込まれることを防止するために、シール210が、隣り合うノズル124A、124Bの圧側スラッシュ面172、174の間に広がっている。シール210は、スラッシュ面172、174の内側に軸方向に画定されたそれぞれのシールポケット212A、212Bに配置される。圧側スラッシュ面172、174の所与のシールポケット212A、212B内に、任意の数のシール210を使用することができる。更に、所与の圧側スラッシュ面172、174に対して、所与の圧側スラッシュ面172、174の軸方向範囲において、シールとシールポケットとの1つ以上の組み合わせを使用することができる。
【0054】
特定の実施形態では、少なくとも1つの通路220が、任意選択で、ホイールスペース222から、圧側スラッシュ面172、174を貫通して、圧側スラッシュ面172、174の間の隙間又は空間224まで延在することができる。任意の数の通路220を、圧側スラッシュ面172、174に沿うように軸方向に間隔をあけて(
図4のページの中に向かう方向又は
図4のページの外に向かう方向に)配置することができる。通路220は、圧側スラッシュ面172、174を冷却するため、及び/又は高温ガス経路120から高温燃焼ガスが取り込まれることを防止するために、流体(空気など)を圧側スラッシュ面172、174に送ることができる。「シュート高さ」CH1は、隣り合うノズル124A、124Bの隣り合う圧側スラッシュ面172、174の内側表面200と、シール210が配置されているシールポケット212A、212Bの半径方向外側エッジ(すなわち、シール210の半径方向の位置)との間の高さとして画定される。したがって、シュート高さCH1は、圧側スラッシュ面172、174の半径方向に延在する長さである。
【0055】
シュート高さCH1を低くすると、高温ガス経路120から高温燃焼ガスが取り込まれる量を低下させるのに有益であることが分かっている。
図5~
図6に示されるように、本開示の実施形態に従って、内側端壁142は、エアフォイル140が端壁に接続される場所を除いて、第1及び第2の圧側スラッシュ面172、174の間に内側表面300を含むことができる。内側表面300は、第1の圧側スラッシュ面172の隣の第1の平坦面部分330と、第2の圧側スラッシュ面174の隣の第2の平坦面部分332とを含む。すなわち、平坦面部分330、332は、圧側スラッシュ面172、174とすぐ近くで(直に)隣接している。
【0056】
また、内側表面300は、第1及び第2の平坦面部分330、332の間に延在する弧状面部分334を含む。内側端壁142の場合、弧状面部分334は凸の弧状である。したがって、内側表面300は、全体として、所与のノズルアセンブリに対して、高温ガス経路120の半径方向内側の範囲を画定する半径方向外向きの円形壁を形成するように、概ね凸の弧状である。ここで、弧状面部分334は、圧側スラッシュ面172、174の間を連続的に広がっているのではなく、圧側スラッシュ面172、174(及びエアフォイル140(
図3))に隣接する平坦面部分330、332によって分断されている。したがって、内側表面300は、圧側スラッシュ面172、174の近くの部分と、エアフォイル140(
図3)が設けられる場所とを除いて、内側表面の範囲のほとんどにわたって凸の弧状である。内側端壁142の内側表面300は、隣のノズル124の内側端壁142の内側表面300と係合するように構成され、平坦面部分330、332が存在する場所を除いて、高温ガス経路120の実質的に湾曲した部分302(
図5~
図6)を画定する。
【0057】
内側端壁142は、各圧側スラッシュ面172、174に軸方向に画定されたシールポケット212A、212Bを更に含むことができる。内側端壁142は、それぞれのシールポケット212A、212Bにシール210を含むこともできる。前述のように、圧側スラッシュ面172、174の所与のシールポケット212A、212B内に、任意の数のシール210を使用することができ、所与の圧側スラッシュ面172、174に対して、所与の圧側スラッシュ面172、174の軸方向範囲において、シールとシールポケットとの1つ以上の組み合わせを使用することができる。平坦面330、332が使用される場合、
図4のシュート高さCH1よりも低いシュート高さCH2は、(平坦面330、332によって画定された)内側表面300と、シール210が配置されているシールポケット212A、212Bの半径方向外側エッジ(すなわち、シール210の半径方向の位置)との間の高さとして画定される。シュート高さから除去される範囲は、複数の要因(特定のノズルアセンブリのノズル124の数、使用されるタービン部116の段、シュート高さの以前のサイズ、及び/又は通路220の有無などであるが、これらに限定されることはない)に基づいて変化させることができる。非限定的な一例では、平坦面部分330、332を設けることにより、シュート高さの半径方向の範囲を、平坦面部分330、332を設けていない内側表面300と比較して、約0.127ミリメートル~約2.54ミリメートル減少させることができる。シュート高さCH2、すなわち、各平坦面部分330、332から対応するシールポケット212A、212Bまでの半径方向距離は、0.508ミリメートル~10.16ミリメートルの範囲内である。
【0058】
図7は、本開示の様々な実施形態による平坦面部分330、332を上からみた概略図である。平坦面部分330、332の円周方向範囲は、多くの要因(特定のノズルアセンブリのノズル124の数、使用されるタービンセクション116の段、シュート高さの必要な減少量、シュート高さの以前のサイズ、及び/又は通路220の有無などがあるが、これらに限定されることはない)に基づいて変化する。更に、
図5~
図7に示すように、平坦面部分330、332の円周方向範囲は、所与の圧側スラッシュ面172、174の軸方向範囲内において軸方向に変化させることができる。平坦面部分330、332は、それぞれ、圧側スラッシュ面172、174において、1つ以上のシールポケット212A、212Bと大部分が重なるようにすることができ、平坦面部分330、332は、典型的には、圧側スラッシュ面172、174の軸方向範囲全体に広がっているわけではない。シールポケット212A、212Bの各々は、それぞれ、圧側スラッシュ面172、174の円周方向エッジ190、192から、シールポケット212A、212Bの円周方向内側エッジ又は側面214までの間で画定される円周方向範囲CE1を有する。
【0059】
図5に示される特定の実施形態では、各平坦面部分330、332は、圧側スラッシュ面172、174のそれぞれの円周方向エッジ190、192から、それぞれのシールポケット212A、212Bよりも広い範囲まで円周方向に延在する。すなわち、平坦面部分330、332の円周方向範囲CE2は、それぞれのシールポケット212A、212Bの円周方向範囲CE1よりも広い。
【0060】
特定の実施形態では、
図6に示すように、1つの軸方向位置370において、平坦面330、332は、圧側スラッシュ面172、174のそれぞれの円周方向エッジ190、192から、それぞれのシールポケット212A、212Bの円周方向範囲CE1と半径方向に一致した1つの軸方向位置370における円周方向位置まで、円周方向に延在することができる。すなわち、平坦面部分330、332の円周方向範囲CE2は、それぞれのシールポケット212A、212Bの円周方向範囲CE1に等しい。他の実施形態では、平坦面部分330、332の円周方向範囲CE2は、2つ以上の軸方向位置(例えば、平坦面部分330、332がCE1を2回以上横切る位置)において、それぞれのシールポケット212A、212Bの円周方向範囲CE1に等しい。
【0061】
他の実施形態では、端壁142は、高温ガス経路120の円周方向において、円形範囲が7°より大きい角度で広がり、各平坦面部分330、332は、高温ガス経路120の円周方向において、円形範囲が2°以下の角度で広がることができる。他の実施形態では、各平坦面部分330、332は、それぞれの圧側スラッシュ面172、174の円周方向エッジ190、192から5ミリメートル~50ミリメートルの範囲内で円周方向に延在することができる。
図5及び
図6は、所定の軸方向断面における各平坦面部分330、332の異なる円周方向範囲を示しているが、
図7の上から見た概略図に示すように、各平坦面部分330、332の円周方向範囲(CE)は、例えば、所与のシールポケット212A、212Bに対して所望のシュート高さCH2が維持されるように、任意の方法で、それぞれのスラッシュ面172、174の軸方向範囲に沿って変化してもよい。圧側スラッシュ面172、174の軸方向範囲内で、任意の数の平坦面部分330、332を使用することができ、例えば、2つの平坦面部分330、332が、圧側スラッシュ面172、174に沿って軸方向に間隔を空けて設けられ、各平坦面部分が、対応するスロットポケット212A、212Bの上に存在するようにすることができる。
【0062】
図5及び
図6に示すように、少なくとも1つの通路220は、任意選択で、ホイールスペース222から、圧側スラッシュ面172、174を貫通して、圧側スラッシュ面172、174の間の隙間又は空間224及び平坦面部分330、332まで延在することができる。任意の数の通路220を、圧側スラッシュ面172、174に沿って軸方向に間隔をあけて(
図5のページの中に向かう方向又は
図5のページの外に向かう方向に)配置することができる。
【0063】
図5~
図6では、端壁は、平坦面部分330、332又はエアフォイル140が存在する場所を除いて、内側端壁142が実質的に凸の弧状である内側表面300を有するものとして説明されてきた。本開示の教示は、外側端壁144にも適用することができる。
【0064】
図8及び
図9は、隣り合うノズル124A、124Bの概略断面図を示し、外側端壁144の圧側スラッシュ面182、184が本開示の実施形態に従って形成されている。
図8及び
図9は、ノズル124A、124Bの上流から(
図3の左から)構造を見た図である。
図8~
図9の範囲では、エアフォイル140は図中に示されていない。
図8~
図9において、隣り合う2つのノズル124A、124Bは、隣り合う外側端壁144A、144Bの隣り合う圧側スラッシュ面182、184を含む。より詳細には、ノズル124Aの正圧側スラッシュ面182は、ノズル124Bの負圧側スラッシュ面184の隣りに位置している。外側端壁144A、144Bは、ルート部164(
図3)においてエアフォイル140に接続される。外側端壁144は、外側端壁の正圧側スラッシュ面182と、外側端壁の負圧側スラッシュ面184とを含んでおり、端面182及び184は、外側端壁144のそれぞれの円周方向エッジ490、492に位置している。
【0065】
図8~
図9に示すように、各外側端壁(例えば、ノズル124Aの外側端壁144A)は、高温ガス経路120の湾曲部分402を画定するように、隣のノズル124Bの端壁(例えば、隣のノズル124Bの端壁144B)の内側表面400と係合するように構成された内側表面400を含む。外側端壁144の場合、内側表面400の湾曲部分402は凹の弧状であり、所与のノズルアセンブリに対して、全体として、高温ガス経路120の半径方向外側の範囲を画定する半径方向内向きの実質的に円形の壁を形成する。この文脈において、「実質的に円形」は、スラッシュ面182、184の間の隙間の位置及びエアフォイル140が存在する場所(及び、本開示の実施形態に従って平坦面部分430、432が存在する場所)におけるわずかなズレを除いて、所与のノズルアセンブリにわたる内側表面200が円形であることを示す。
【0066】
従来の配置では、内側表面400は、圧側スラッシュ面182、184まで、連続して凹の弧状で広がっており、圧側スラッシュ面182、184の間の隙間404が内側表面を分断している。すなわち、内側表面400は、外側端壁144のそれぞれの圧側スラッシュ面182、184の間において内側表面の全範囲に渡って凹の弧状である。シール410は、隣り合うノズル124A、124Bの圧側スラッシュ面182、184の間に広がっており、高温ガス経路120から燃焼ガスが取り込まれることを防止する。シール410は、スラッシュ面182、184の内側に軸方向に画定されたそれぞれのシールポケット412A、412Bに配置される。圧側スラッシュ面182、184の所与のシールポケット412A、412B内に、任意の数のシール410を使用することができる。更に、所与の圧側スラッシュ面182、184に対して、所与の圧側スラッシュ面182、184の軸方向範囲において、シールとシールポケットとの1つ以上の組み合わせを使用することができる。特定の実施形態において、少なくとも1つの通路420は、任意選択で、ケーシング空間422から、圧側スラッシュ面182、184を貫通して、圧側スラッシュ面182、184の間の空間424まで延在することができる。任意の数の通路420を、圧側スラッシュ面182、184に沿うように軸方向に間隔をあけて(
図4のページの中に向かう方向又は
図4のページの外に向かう方向に)配置することができる。通路420は、圧側スラッシュ面182、184を冷却するため、及び/又は高温ガス経路120から高温燃焼ガスが取り込まれることを防止するために、流体(空気など)を圧側スラッシュ面182、184に送ることができる。
【0067】
シュート高さCH3を低くすると、高温ガス経路120から高温燃焼ガスが取り込まれる量を低下させるのに有益である。
図8~
図9に示されるように、本開示の実施形態に従って、外側端壁144は、第1及び第2の圧側スラッシュ面182、184の間に内側表面400を含むことができる。内側表面400は、第1の圧側スラッシュ面182の隣の第1の平坦面部分430と、第2の圧側スラッシュ面184の隣の第2の平坦面部分432とを含む。すなわち、平坦面部分430、432は、圧側スラッシュ面182、184とすぐ近くで隣接している。
【0068】
また、内側表面400は、第1及び第2の平坦面部分430、432の間に延在する弧状面部分434を含む。外側端壁144に対して、弧状面部分434は凹の弧状である。したがって、内側表面400は、所与のノズルアセンブリに対して、全体として、高温ガス経路120の半径方向外側の範囲を画定する半径方向内向きの円形壁を形成するように、概ね凹の弧状である。ここで、弧状面部分434は、圧側スラッシュ面182、184の間に連続的には延在せず、圧側スラッシュ面182、184(及びエアフォイル140(
図3))に隣接する平坦面部分430、432によって分断される。したがって、内側表面400は、圧側スラッシュ面182、184の近くを除いて、内側表面の範囲のほとんどにわたって凹の弧状である。外側端壁144の内側表面400は、隣のノズル124の外側端壁144の内側表面400と係合するように構成され、平坦面部分430、432が存在する場合を除いて、高温ガス経路120の実質的に湾曲した部分402を画定する。
【0069】
外側端壁144は、各圧側スラッシュ面182、184に軸方向に画定されたシールポケット412A、412Bを更に含むことができる。外側端壁144は、それぞれのシールポケット412A、412Bにシール410を含むこともできる。前述のように、圧側スラッシュ面182、184の所与のシールポケット412A、412B内に、任意の数のシール410を使用することができ、所与の圧側スラッシュ面182、184に対して、所与の圧側スラッシュ面182、184の軸方向範囲において、シールとシールポケットとの1つ以上の組み合わせを使用することができる。平坦面430、432が使用される場合、平坦面部分430、432がない場合のシュート高さよりも低いシュート高さCH3は、(平坦面430、432によって画定された)内側表面400と、シール410が配置されているシールポケット412A、412Bの半径方向内側エッジ(すなわち、シール410の半径方向の位置)との間の高さとして画定される。シュート高さCH3は、圧側スラッシュ面182、184の間において半径方向の高さである。
【0070】
シュート高さから除去される範囲及び平坦面部分430、432の円周方向範囲は、複数の要因(特定のノズルアセンブリのノズル124の数、使用されるタービン部116の段、シュート高さの以前のサイズ、及び/又は通路420の有無などであるが、これらに限定されることはない)に基づいて変化させることができる。非限定的な一例では、平坦面部分430、432を設けることにより、シュート高さCH3の半径方向の範囲を、平坦面部分430、432を設けていない場合のシュート高さと比較して、約0.127ミリメートル~約2.54ミリメートル減少させることができる。シュート高さCH3、すなわち、各平坦面部分430、432から対応するシールポケット412A、412Bまでの半径方向距離は、0.508ミリメートル~10.16ミリメートルの範囲内である。
【0071】
また、
図7は、本開示の様々な実施形態による平坦面部分430、432の上から見た概略図である。平坦面部分430、432の円周方向範囲は、複数の要因(特定のノズルアセンブリのノズル124の数、使用されるタービン部116の段、シュート高さの所望の減少量、シュート高さの以前のサイズ、及び/又は通路220の有無などであるが、これらに限定されることはない)に基づいて変化させることができる。更に、
図7~
図9に示すように、平坦面部分430、432の円周方向範囲は、所与の圧側スラッシュ面182、184の軸方向範囲内で、軸方向に沿って変化させることができる。平坦面部分430、432は、それぞれ、圧側スラッシュ面182、184の1つ以上のシールポケット412A、412Bと大部分が重なるようにすることができ、平坦面部分430、432は、典型的には、圧側スラッシュ面182、184の軸方向範囲全体に広がっているわけではない。シールポケット412A、412Bの各々は、それぞれ、圧側スラッシュ面182、184の円周方向エッジ490、492から、シールポケット412A、412Bの円周方向内側エッジ又は側面414までの範囲で確定される円周方向範囲CE3を有する。
【0072】
図8に示される特定の実施形態では、平坦面部分430、432の大部分は、圧側スラッシュ面182、184のそれぞれの円周方向エッジ490、492から、それぞれのシールポケット412A、412Bよりも広い範囲まで円周方向に延在する。すなわち、平坦面部分430、432の円周方向範囲CE4は、それぞれのシールポケット412A、412Bの円周方向範囲CE3よりも広い。特定の実施形態では、
図9に示すように、1つの軸方向位置470において、平坦面部分430、432は、圧側スラッシュ面182、184のそれぞれの円周方向エッジ490、492から、それぞれのシールポケット412A、412Bの1つの軸方向位置470における円周方向範囲と半径方向に一致した円周方向位置まで、円周方向に延在することができる。すなわち、平坦面部分430、432の円周方向範囲CE4は、それぞれのシールポケット412A、412Bの円周方向範囲CE3に等しい。他の実施形態では、平坦面部分430、432の円周方向範囲CE4は、2つ以上の軸方向位置(例えば、平坦面部分430、432がCE3を2回以上横切る位置)において、それぞれのシールポケット412A、412Bの円周方向範囲CE3に等しい。
【0073】
他の実施形態では、端壁144は、高温ガス経路120の円周方向において、円形範囲が7°より大きい角度で広がり、各平坦面部分430、432は、高温ガス経路120の円周方向において、円形範囲が2°以下の角度で広がることができる。他の実施形態では、各平坦面部分430、432は、それぞれの圧側スラッシュ面182、184の円周方向エッジ490、492から5mm~50mmの範囲内で円周方向に延在することができる。
【0074】
図8及び
図9は、所定の軸方向断面における各平坦面部分430、432の異なる円周方向範囲を示しているが、
図7の上から見た概略図に示すように、各平坦面部分430、432の円周方向範囲(CE)は、例えば、所与のシールポケット412A、412Bに対して所望のシュート高さCH3が維持されるように、任意の方法で、それぞれのスラッシュ面182、184の軸方向範囲に沿って変化してもよい。圧側スラッシュ面182、184の軸方向範囲内で、任意の数の平坦面部分430、432を使用することができ、例えば、2つの平坦面部分430、432が、圧側スラッシュ面182、184に沿って軸方向に間隔を空けて設けられ、各平坦面部分が、対応するスロットポケット412A、412Bの上に存在するようにすることができる。
【0075】
図7は、円周方向範囲(CE)が変動する平坦面部分330、332、430、432を説明するための内側端壁142及び外側端壁144を上から見た簡略概略図を示していることを注記する。様々な構造(エアフォイル140の断面形状など)の中でも特に、平坦面部分330、332、430、432の実際のパターン(円周方向範囲)及び弧状部分334、434の実際のパターンは、各特定の端壁142、144に対して異なっている、すなわち、これらのパターンは図示された構造と同一ではないことが認識される。
【0076】
図8及び
図9に示すように、少なくとも1つの通路420は、任意選択で、ケーシング空間422から、圧側スラッシュ面182、184を貫通して、圧側スラッシュ面182、184と平坦面部分430、432との間の空間424まで延在することができる。任意の数の通路420を、圧側スラッシュ面182、184に沿うように軸方向に間隔をあけて(
図7及び
図8のページの中に向かう方向又は
図7及び
図8のページの外に向かう方向に)配置することができる。
【0077】
図10~
図13は、代替実施形態の断面図を示す。
図10~
図13は、平坦面部分330、332、430、432がそれぞれのシールポケット212A、212B、412A、412Bに向かって角度が付けられていることを除いて、
図5、6、8及び9と同様である。
図10及び
図11において、平坦面部分330、332は、それぞれ、角度αでシールポケット212A、212Bに向かって半径方向内側に向かって角度が付けられており、
図12及び
図13において、平坦面部分430、432は、角度βでシールポケット412A、412Bに向かって半径方向外側に向かって角度が付けられている。
【0078】
図10及び
図11において、角度αは、シールポケット412Aの円周方向において一番端の角部340とシールポケット412Aの半径方向内側の表面342に対して、又はシールポケット412Bの円周方向において一番端の角部344とシールポケット412Bの半径方向内側の表面346に対して画定されている。各角部は、円周方向範囲CE1に位置する。
図10及び
図11に示すように、平坦面部分330、332は、平坦面部分の位置に示された角度線に平行である。このようにして、各平坦面部分330、332は、それぞれのシールポケット212A、212Bに対して非平行に角度が付けられており、シールポケットは、平坦面部分と半径方向に並んでいる。
【0079】
図12及び
図13において、角度βは、シールポケット412Aの円周方向において一番端の角部440とシールポケット412Aの半径方向外側の表面442に対して、又はシールポケット412Bの円周方向において一番端の角部444とシールポケット412Bの半径方向外側の表面446に対して画定されている。各角部は、円周方向範囲CE3に位置する。
図12及び
図13に示すように、平坦面部分430、432は、平坦面部分の位置に示された角度線に平行である。このようにして、各平坦面部分430、432は、それぞれのシールポケット412A、412Bに対して非平行に角度が付けられており、シールポケットは、平坦面部分と半径方向に並んでいる。角度α及び角度βは、例えば、5°から15°の間とすることができる。角度が付けられた平坦面部分330、332、430、432は、湾曲流路とエアフォイルフィレットとの相互作用がより大きい大型のGTシステム(例えば、GeneralElectricHAモデルシステム)に対して利点がある。
【0080】
特定の実施形態では、平坦面部分330、332、430、432は、タービン部116の所与の段のノズルアセンブリにおいて、内側端壁142の対になる圧側スラッシュ面172、174及び/又は外側端壁144の圧側スラッシュ面182、184の全てのセットに適用することができる。他の実施形態では、平坦面部分330、332、430、432は、タービン部116の或る段のノズルアセンブリにおいて、内側端壁142の対になる圧側スラッシュ面172、174及び/又は外側端壁144の圧側スラッシュ面182、184の選択されたセットに適用することができる。この場合、他のセットは、連続的に弧状である(すなわち、平坦面330、332、430、432が無い)内側表面300、400を含むことができる。
【0081】
図面をわかりやすくするために図示されていないが、本開示の実施形態によるノズル124は、熱障壁コーティング又は類似のコーティングなど、既知の又は将来的に開発される保護コーティングを含むことができる。そのような保護コーティングが存在する場合、保護コーティングは、平坦面330、332、430、432を含む内側表面300、400の全体に適用される。
【0082】
本開示の実施形態は、様々な技術的利点及び商業的利点を提供し、これらの利点の例が本明細書に記載される。端壁の平坦面部分は、シュート高さを局所的に低くすることによって、シングレットノズルのスラッシュ面及びコードに沿ったホットギャップを減少させる。シュート高さを低くすると、シールを高温ガス経路に可能な限り近くに移動させて、冷却に必要な通路を少なくすることもできる。
【0083】
本明細書及び特許請求の範囲において使用される近似を表す文言は、関連する基本的機能に変化をもたらすことなく、許容範囲内で変動し得る任意の量的表現を修飾するために適用することができる。したがって、「およそ」、「約」、及び「実質的に」などの用語によって修飾された値は、明記された厳密な値に限定されるものではない。少なくとも一部の例では、近似を表す文言は、値を測定するための機器の精度に対応することができる。本明細書及び特許請求の範囲において、範囲の限定は組合せ及び/又は置き換えが可能であり、文脈又は文言が特に指示しない限り、このような範囲は識別され、それに包含されるすべての部分範囲を含む。範囲の特定の値に適用される「約」は、当該範囲の両端の値に適用され、値を測定する機器の精度に依存しない限り、記載された値の+/-110%を示すことができる。
【0084】
以下の特許請求の範囲におけるミーンズプラスファンクション又はステッププラスファンクションの全ての要素の対応する構造、材料、動作、及び均等物は、具体的に請求された他の請求要素と組み合わせてその機能を実施するための、任意の構造、材料、又は動作を包含することを意図している。本開示の記述は、例示及び説明の目的で提示されており、可能な全てのものを含んでいることを意図するものではなく、開示された形態で本開示に限定することを意図するものでもない。当業者には、本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく多くの修正及び変形が明らかである。本開示の原理及び実際の用途が最適に説明され、他の当業者が、本開示を理解して、特定の使用に適する修正形態を更に予期できるように、本実施形態を選択し、説明した。
【符号の説明】
【0085】
110 タービンシステム
120 高温ガス経路
124 ノズル
124A ノズル
124B ノズル
128 ノズルアセンブリ
132 ノズルアセンブリ
136 ノズルアセンブリ
140 エアフォイル
142 端壁
162 先端部
164 ルート部
172 圧側スラッシュ面
174 圧側スラッシュ面
190 円周方向エッジ
192 円周方向エッジ
204 隙間
210 シール
212A シールポケット
212B シールポケット
220 通路
300 内側表面
330 平端面部分
332 平端面部分
334 弧状面部分
【外国語明細書】