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特開2024-25667アイアン用の可変バウンスおよびヒールリリーフ
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  • 特開-アイアン用の可変バウンスおよびヒールリリーフ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024025667
(43)【公開日】2024-02-26
(54)【発明の名称】アイアン用の可変バウンスおよびヒールリリーフ
(51)【国際特許分類】
   A63B 53/04 20150101AFI20240216BHJP
   A63B 102/32 20150101ALN20240216BHJP
【FI】
A63B53/04 E
A63B102:32
【審査請求】有
【請求項の数】33
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023108700
(22)【出願日】2023-06-30
(31)【優先権主張番号】17/886,052
(32)【優先日】2022-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】523251334
【氏名又は名称】アキュッシュネット カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブライアー,ジョシュア ジー.
(72)【発明者】
【氏名】イネス,マルニ ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ウェゼンベック,ジョセフ ジョン
【テーマコード(参考)】
2C002
【Fターム(参考)】
2C002AA03
2C002CH02
(57)【要約】
【解決手段】本明細書には、改善されたソールプロファイルを備えたゴルフクラブヘッドが開示される。より具体的には、本発明は、ゴルフクラブヘッドの前方から後方にかけて測定されるソールのキャンバー半径がトゥ部から中心部を通ってヒール部に向かって変化する、トゥ部とヒール部と、それらの間の中心部を備えたウェッジを含む様々なタイプのアイアンを開示する。加えて、ゴルフクラブヘッドのバウンス角度もトゥ部から中心部を通ってヒール部に向かって変化する。結果として得られるゴルフクラブヘッドは、この新しいソールプロファイルによって、ソールの特定の部分がその位置でのニーズを満たすプロファイルを有し得るため、その性能が改善される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフクラブヘッドであって、
a)前記ゴルフクラブヘッドの前部に位置する打撃フェースであって、複数のスコアラインを有する打撃フェースと、
b)前記打撃フェースの反対側に位置する後部と、
c)前記ゴルフクラブヘッドの上部に位置するトップラインと、
d)前記ゴルフクラブヘッドの近位端に位置するヒール部と、
e)前記ヒール部および前記トップラインに隣接するホーゼルであって、長手方向軸を画定し、シャフトを受け入れるように構成されているホーゼルと、
f)前記ヒール部の反対側の、前記ゴルフクラブヘッドの遠位端に位置するトゥ部と、
g)前記ヒール部と前記トゥ部との間に位置する中心部と、
h)前記トップラインと反対側の前記ゴルフクラブヘッドの下部に位置するソールであって、キャンバー半径を有するソールと、
i)前記打撃フェースおよび前記ソールに隣接するリーディングエッジと、
j)前記後部および背部ソールに隣接するトレーリングエッジであって、前記キャンバー半径は、前記リーディングエッジから前記トレーリングエッジまで測定される、トレーリングエッジとを含み、
k)ここで、前記キャンバー半径は、前記トゥ部から前記ヒール部にかけて変化し、
l)前記リーディングエッジから前記トレーリングエッジへのバウンスラインは、前記ホーゼルの長手方向軸が地平面に対して垂直に配向されるときに前記地平面とのバウンス角度を画定し、およびバウンス角度は前記トゥ部から前記ヒール部にかけて変化する、ゴルフクラブヘッド。
【請求項2】
前記キャンバー半径は、前記トゥ部から前記ヒール部にかけて漸進的に増加する、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項3】
前記キャンバー半径は、前記トゥ部から前記ヒール部にかけて漸進的に減少する、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項4】
前記キャンバー半径は、前記トゥ部から前記中心部にかけて漸進的に増加し、その後、前記中心部から前記ヒール部にかけて漸進的に減少する、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項5】
前記キャンバー半径は、前記トゥ部から前記中心部にかけて漸進的に減少し、その後、前記中心部から前記ヒール部にかけて漸進的に増加する、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項6】
前記バウンス角度は、前記トゥ部から前記ヒール部にかけて漸進的に増加する、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項7】
前記バウンス角度は、前記トゥ部から前記ヒール部にかけて漸進的に減少する、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項8】
前記バウンス角度は、前記トゥ部から前記中心部にかけて漸進的に増加し、その後、前記中心部から前記ヒール部にかけて漸進的に減少する、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項9】
前記バウンス角度は、前記トゥ部から前記中心部にかけて漸進的に減少し、その後、前記中心部から前記ヒール部にかけて漸進的に増加する、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項10】
前記トゥ部で測定されるトゥバウンス角度の変化と前記トゥ部で測定されるトゥキャンバー半径の変化との第1の比は、約0.02:1~約0.2:1の範囲であり、前記中心部で測定される中心バウンス角度の変化と中心部で測定される中心キャンバー半径の変化との第2の比は、約0.02:1~約0.4:1の範囲であり、前記ヒール部で測定されるヒールバウンス角度の変化と前記ヒール部で測定されるヒールキャンバー半径の変化との第3の比は、約0:1~約0.4:1の範囲である、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項11】
前記中心部で測定される中心バウンス角度と中心キャンバー半径との第1の比は、前記トゥ部で測定されるトゥバウンス角度とトゥキャンバー半径との第2の比よりも大きく、および前記ヒール部で測定されるヒールバウンス角度とヒールキャンバー半径との第3の比よりも大きい、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項12】
前記中心部と比較して前記トゥ部で測定される前記バウンス角度の変化率は、前記中心部と比較して前記トゥ部で測定される前記キャンバー半径の変化率の約25%~約100%である、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項13】
前記中心部と比較して前記トゥ部で測定される前記バウンス角度の変化率は、前記中心部と比較して前記トゥ部で測定される前記キャンバー半径の変化率の約100%~約125%である、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項14】
前記ヒール部と比較して前記中心部で測定される前記バウンス角度の変化率は、前記ヒール部と比較して前記中心部で測定される前記キャンバー半径の変化率の約45%~約80%である、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項15】
前記ヒール部と比較して前記中心部で測定される前記バウンス角度の変化率は、前記ヒール部と比較して前記中心部で測定される前記キャンバー半径の変化率の約100%~約650%である、請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項16】
ゴルフクラブヘッドであって、
a)前記ゴルフクラブヘッドの前部に位置する打撃フェースであって、複数のスコアラインを有する打撃フェースと、
b)前記打撃フェースの反対側に位置する後部と、
c)前記ゴルフクラブヘッドの上部に位置するトップラインと、
d)前記ゴルフクラブヘッドの近位端に位置するヒール部と、
e)前記ヒール部および前記トップラインに隣接するホーゼルであって、シャフトを受け入れるように構成されているホーゼルと、
f)前記ヒール部の反対側の、前記ゴルフクラブヘッドの遠位端に位置するトゥ部と、
g)前記ヒール部と前記トゥ部との間に位置する中心部と、
h)前記トップラインの反対側の、前記ゴルフクラブヘッドの下部に位置するソールと、
i)前記打撃フェースおよび前記ソールに隣接するリーディングエッジと、
j)前記後部および前記ソールに隣接するトレーリングエッジとを含み、
k)ここで、前記ソールは、前記リーディングエッジから前記トレーリングエッジまでのキャンバー半径を画定し、キャンバー半径は、前記ヒール部から測定される場合と比較して、前記トゥ部から測定される場合に変化する、ゴルフクラブヘッド。
【請求項17】
前記キャンバー半径は、前記トゥ部から前記ヒール部にかけて漸進的に増加する、請求項16に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項18】
前記キャンバー半径は、前記トゥ部から前記ヒール部にかけて漸進的に減少する、請求項16に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項19】
前記キャンバー半径は、前記トゥ部から前記中心部にかけて漸進的に増加し、その後、前記中心部から前記ヒール部にかけて漸進的に減少する、請求項16に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項20】
前記キャンバー半径は、前記トゥ部から前記中心部にかけて漸進的に減少し、その後、前記中心部から前記ヒール部にかけて漸進的に増加する、請求項16に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項21】
前記中心部から前記ヒール部までの前記キャンバー半径の変化は、前記トゥ部から前記中心部までの前記キャンバー半径の変化の約15%~約60%である、請求項16に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項22】
前記中心部から前記ヒール部までの前記キャンバー半径の変化は、前記トゥ部から前記中心部までの前記キャンバー半径の変化の約110%~約150%である、請求項16に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項23】
前記中心部で測定される前記キャンバー半径は、前記ヒール部で約5%~約50%減少する、請求項16に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項24】
前記トゥ部で測定される前記キャンバー半径は、前記中心部で約20%~約60%減少する、請求項16に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項25】
前記ゴルフクラブヘッドであって、
a)ゴルフクラブヘッドの前部に位置する打撃フェースであって、複数のスコアラインを有する打撃フェースと、
b)前記打撃フェースの反対側に位置する後部と、
c)前記ゴルフクラブヘッドの上部に位置するトップラインと、
d)前記ゴルフクラブヘッドの近位端に位置するヒール部と、
e)前記ヒール部および前記トップラインに隣接するホーゼルであって、長手方向軸を画定し、シャフトを受け入れるように構成されているホーゼルと、
f)前記ヒール部の反対側の、前記ゴルフクラブヘッドの遠位端に位置するトゥ部と、
g)前記ヒール部と前記トゥ部との間に位置する中心部と、
h)前記トップラインの反対側の、前記ゴルフクラブヘッドの下部に位置するソールと、
i)前記打撃フェースおよび前記ソールに隣接するリーディングエッジと、
j)前記後部および前記ソールに隣接するトレーリングエッジとを含み、
k)ここで、前記リーディングエッジから前記トレーリングエッジへのバウンスラインは、前記ホーゼルが地平面に対して垂直に配向されるときに前記地平面とのバウンス角度を画定し、およびバウンス角度は前記トゥ部から前記ヒール部まで変化する、ゴルフクラブヘッド。
【請求項26】
前記バウンス角度は、前記トゥ部から前記ヒール部にかけて漸進的に増加する、請求項25に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項27】
前記バウンス角度は、前記トゥ部から前記ヒール部にかけて漸進的に減少する、請求項25に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項28】
前記バウンス角度は、前記トゥ部から前記中心部にかけて漸進的に増加し、その後、前記中心部から前記ヒール部にかけて漸進的に減少する、請求項25に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項29】
前記バウンス角度は、前記トゥ部から前記中心部にかけて漸進的に減少し、その後、前記中心部から前記ヒール部にかけて漸進的に増加する、請求項25に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項30】
前記トゥ部で測定される前記バウンス角度は、前記中心部で約15%~約60%減少する、請求項25に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項31】
前記中心部で測定される前記バウンス角度は、前記ヒール部で約5%~約70%減少する、請求項25に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項32】
前記トゥ部で測定される前記バウンス角度は、前記中心部で約10%~約40%増加する、請求項25に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項33】
前記中心部で測定される前記バウンス角度は、前記ヒール部で約5%~約30%増加する、請求項25に記載のゴルフクラブヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改善されたソール部を備えたゴルフクラブヘッドに関し、より具体的には、トゥ部からヒール部まで変化するキャンバー半径および/またはバウンス角度を有するゴルフクラブヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフの試合では、ゴルファーがゴルフクラブを振ってゴルフボールを打撃する。ゴルフクラブは、ゴルフボールを打撃するヘッドおよび、ゴルファーが把持して振るシャフトを備えている。クラブの基本的な種類は3種であり、主としてヘッドの種類およびゴルフボールの打球状況によって分けられる。これらは以下の:高いティーから長距離にゴルフボールを打つウッドクラブ、制御された高度でより短く、より制御された距離にゴルフボールを打つ(ウェッジを含む)アイアン、および、高度な制御で、地面に沿った短い距離でゴルフボールを打つパターである。本発明は主にアイアンに関する。
【0003】
ゴルファーは、一般的に、シャフトに対するゴルフクラブのフェースのロフト角に応じて変化するアイアンのセットを有し、ロフト角の増加に関連付けられる指定番号が増加する。使用されるアイアンの選択は、ゴルフボールが打撃される距離に依存する。しかし、いずれの場合でも、ゴルフボールは地面に置かれ、ゴルフクラブは高速で振らされ、クラブヘッドは高い力でボールに衝突する。アイアンの使用は、それらをウッドの使用と区別され、ウッドの場合、ゴルフボールは高いティーから打撃され、その結果、ヘッドは地面と接触しないかまたはほとんど接触しない、一方、スイングの速度が比較的小さいパターの使用とも区別される。
【0004】
アイアンゴルフクラブヘッドのフロントフェースまたは打撃フェースは、ゴルフボールを上向きの軌道上に投げ出すために、地面上にあるゴルフボールに、正面からまたはゴルフボールのわずかに下から衝突する。「ソール」と称される、アイアンクラブヘッドの底側は、草、芝土、砂、または既存の窪みであり得る地面をかするか、またはゴルフボールが打たれるときに実際にわずかに地面に食い込むかのいずれかである。
【0005】
ゴルファーが滑らかなスイングを行うのを支持するために、アイアンのヘッドが地面と接触しても、アイアンのソール部は、バウンス、すなわち、フェースがソールと接するリーディングエッジと、ソールがゴルフクラブヘッドの後部と接するトレーリングエッジとの間の下向きまたは下降の角度で設計される。
【0006】
ゴルフクラブがそのスイングのアークを通過し、リーディングエッジがボールをアンダーカットすると、ソールは地面に当たる。すなわち、バウンスは、結果として生じる力およびコントロールの損失を伴う、フェースのリーディングエッジが、ゴルフボールが置かれている表面に食い込むことを防止するために役立ち得る。正のバウンス角度では、合力がクラブヘッドを上向きに付勢して表面から「バウンス」を生じさせる。この作用は、典型的には「マッフル」ショットおよび一般的に芝土に食い込んだディボットを引き起こすクラブヘッドのフェースが芝土に食い込むことを防ぐのに役立つ。
【0007】
バウンスを改善するための先行技術の試みは、ソール全体にわたって、すなわちヒールからトゥまでわずかで、均一な凸状曲率を有するアイアンが製造業者によって形成されることにつながった。平坦な表面よりもむしろ均一な凸状曲率の使用がバウンス特性を改善することが見出されているが、当技術分野ではさらなる改善の余地が残っている。当技術分野において必要とされるのは、バウンスを増大させる改善された幾何学的形状である。そのような改善された幾何学形状はさらに、どんな特定のアイアンでも汎用性増加させ、およびアイアンが不均一な位置(lies)からでもよりよく機能し、最小限の抵抗で芝土を振り抜くことができるようにアイアンを微調整する。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、ゴルフクラブヘッドのソールのキャンバー半径を変化させること、および/またはトゥ部から中心部を通ってヒール部までのバウンスを変化させることによって、不均一な位置からより良好に機能し、かつ最小限の抵抗で地面を通過するために微調整されるゴルフクラブヘッドを対象とする。したがって、いくつかの実施形態では、トゥ部で測定されるキャンバー半径は、中心部で測定されるキャンバー半径とは異なり得、中心部で測定されるキャンバー半径は、ヒール部で測定されるキャンバー半径とは異なり得る。同様に、いくつかの実施形態では、トゥ部で測定されるバウンス角度は、中心部で測定されるバウンス角度とは異なり得、中心部で測定されるバウンス角度は、ヒール部で測定されるキャンバー半径とは異なり得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、トゥ部で測定されたキャンバー半径およびバウンス角度の両方は、中心部で測定されたキャンバー半径およびバウンス角度とそれぞれ異なっていてもよく、中心部で測定されたキャンバー半径およびバウンス角度は、ヒール部で測定されたキャンバー半径およびバウンス角度それぞれと異なっていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の例示的な実施形態に係るゴルフクラブヘッドの斜視図を示す。
図2】添付図面のうちの図2は、本発明の例示的な実施形態に係るトゥ部からのゴルフクラブヘッドの側面図を示す。
図3図1に示される断面線3-3に沿った、本発明の例示的な実施形態に係るゴルフクラブヘッドのトゥ部を通しての断面図を示す。
図4図1に示される断面線4-4に沿った、本発明の例示的な実施形態に係るゴルフクラブヘッドの中心部を通しての断面図を示す。
図5図1に示される断面線5-5に沿った、本発明の例示的な実施形態に係るゴルフクラブヘッドのヒール部を通しての断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
添付された図面に関して以下に記された詳細な記載は、本発明の現在好ましい実施形態の説明として意図されたものであり、本発明が構築あるいは利用されることもある唯一の形態を表すことを意図するものではない。本記載は、例証された実施形態に関して本発明を構築および操作するための工程の機能と順序を示す。しかしながら、同じあるいは等価な機能および順序は、本発明の精神と範囲内に包含されるように意図される様々な実施形態によって達成され得ることを理解されたい。さらに、様々な発明の特徴が以下で説明され、それぞれは、相互から独立して、または他の特徴と組み合わせて使用され得る。
【0012】
図1は、本発明の例示的な実施形態に係るゴルフクラブヘッド(100)の正面図を示す。ゴルフクラブヘッド(100)は、3番アイアン、4番アイアン、5番アイアン、6番アイアン、7番アイアン、8番アイアン、9番アイアン、ピッチングウェッジ、サンドウェッジなど、ゴルフの試合で使用される(ウェッジおよびハイブリッドを含む)様々なアイアンのいずれかであり得る。ゴルフクラブヘッド(100)は、図1に示されたように、一般的に、ソール(102)、ソール(102)の反対側のトップライン(104)、ソール(102)およびトップライン(104)に隣接するトゥ部(106)、トゥ部(106)の反対側の、かつソール(102)およびトップライン(104)に隣接するヒール部(108)、ソール(102)、トップライン(104)、トゥ部(106)およびヒール部(108)に隣接する打撃フェース(112)、打撃フェース(112)のの反対側の、かつソール(102)、トップライン(104)、トゥ部(106)およびヒール部(108)に隣接する後部(114)、ならびに、ヒール部(108)およびトップライン(104)に隣接するホーゼル(110)を備え得る。ホーゼル(110)は、長手方向軸シャフト軸(A)を画定し、シャフトを受け入れるように構成されている。打撃フェース(112)は、ゴルフクラブヘッド(100)の打撃フェース(112)と接するゴルフボールのスピンを制御するのに役立つ複数の水平スコアライン(118)をさらに特徴とする。
【0013】
説明を容易にするために、打撃フェース部は、ゴルフクラブヘッド(100)の前側と称される。したがって、打撃フェース部(102)はゴルフクラブヘッド(100)の前部に位置する。その結果、後部(114)は、打撃フェース部(112)の反対側に位置し、トップライン(104)は、ゴルフクラブヘッド(100)の上部に位置し、ヒール部(108)は、ゴルフクラブヘッド(100)の近位端に位置し、トゥ部(106)は、ヒール部(108)の反対側のゴルフクラブヘッド(100)の遠位端に位置し、中心部(116)はヒール部(108)とトゥ部(106)の間に位置し、およびソール(102)は、トップライン(104)の反対側のゴルフクラブヘッド(100)の下部に位置する。提供される例において、ゴルフクラブヘッド(100)に対するx-y-z方向を示す原点軸(201)が提供される(説明の容易さおよび明瞭さのためだけに参照される)。
【0014】
図2は、本発明の例示的な実施形態に係るゴルフクラブヘッド(100)のトゥ側面図を示す。図2に示されるように、ゴルフクラブヘッド(100)は、およそ打撃フェース(112)がソール(102)と接する場所に位置するリーディングエッジ(120)であって、リーディングエッジ半径を画定するリーディングエッジ(120)、後部(114)およびソール(102)に隣接し、トレーリングエッジ半径を有するトレーリングエッジ(122)、ならびにリーディングエッジ(120)とトレーリングエッジ(122)との間にあるソール(102)であって、リーディングエッジ(120)からトレーリングエッジ(122)まで概して測定されるキャンバー半径(C)を有するソール(102)を含む。
【0015】
リーディングエッジ(120)は、本出願では、図2に示されるように、ゴルフクラブヘッド(100)のほぼ最も前方のエッジとして画定することができ、ホーゼル(110)は、地平面(200)から直立90度(垂直)の位置(前後方向のz軸方向)にある。(地平面(200)は、ゴルフクラブヘッド(100)の最下部に位置して接触する仮想平面であり、ゴルフボールが置かれる地面の表面を模倣する。)その後、このリーディングエッジ(120)は、概して打撃フェース(112)がソール(102)と接するZ軸(原点軸(201)によって示される)に沿ったほぼ最前方のエッジとして画定される。リーディングエッジ(120)の例示に加えて、図2は、ゴルフクラブヘッド(100)のソール部(106)のほぼ最後方のエッジとして画定されるトレーリングエッジ(122)を示し、ここでもホーゼル(110)は、地平面(200)から90度(垂直)の位置(前後方向のz軸方向)にある。その場合、トレーリングエッジ(122)は、ソール(102)と後部(114)とが概ね接する、(原点(201)を再び参照)z軸に沿ったソール部(106)のほぼ最も後方のエッジとして画定される。
【0016】
当技術分野において既知のように、リーディングエッジ(120)およびトレーリングエッジ(122)は、図2に示されるように、ホーゼル(110)が地平面(200)から90度(垂直)の位置(前後のz軸方向)にあるとき、地平面(200)に対してクラブのバウンス角度(B)を特徴づけるために使用することができる。一般的に、バウンス角度(B)は、リーディングエッジ(120)からトレーリングエッジ(122)まで(すなわち、Z軸方向)延在し、かつスコアライン(118)(x軸方向)に垂直な仮想直線(L)(本明細書ではバウンス線と称される)によって地平面(200)に対してなされる角度として定義される。
【0017】
本出願の発明は、ゴルフクラブヘッド(100)の性能を劇的に改善する新規かつ革新的なソールプロフィールを組み込む。革新的なソール(102)は、キャンバー半径(C)および/またはバウンス角度(B)が、トゥ部(106)からヒール部(108)に向かって変化するソールプロファイルを含む。言い換えれば、トゥからヒールまでキャンバー半径が同じままである従来技術のゴルフクラブとは異なり、本発明では、トゥ部(106)で測定されるキャンバー半径(C)は、中心部(116)で測定されるキャンバー半径(C)と異なり得、これは、ヒール部(108)で測定されるキャンバー半径(C)と異なり得る。同様に、トゥ部(106)で測定されたバウンス角度(B)は、中心部(116)で測定されたバウンス角度(B)とは異なり得、これは、ヒール部(108)で測定されたバウンス角度(B)とは異なり得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、キャンバー半径(C)および/またはバウンス角度(B)の変化は、トゥ部(106)からヒール部(108)に向かって連続的か、または漸進的であり得る。いくつかの実施形態では、キャンバー半径(C)およびバウンス角度(B)の変化は、識別可能な変曲点なしであり得る。トゥ部(106)からヒール部(108)に向かってこの連続的な可変キャンバー半径(C)および/またはバウンス角度(B)は、ゴルフクラブヘッド(100)の性能を改善するのに役立つように、様々な異なるポイントでソール(102)の特定のニーズに適応するように、特定のソール(102)のより微調整された調節を可能にする。
【0019】
したがって、リーディングエッジ(120)は、トゥリーディングエッジ(120)、中心リーディングエッジ(120)およびヒールリーディングエッジ(120)から構成されるものとして特徴付けることができる。一般的に、トゥリーディングエッジ(120)は、打撃フェース(112)およびソール(102)に隣接するトゥ部(106)に位置し、中心リーディングエッジ(120)は、一般的に、打撃フェース(112)およびソール(102)に隣接する中心部(116)に位置し、およびヒールリーディングエッジ(120)は、一般的に、打撃フェース(112)およびソール(102)に隣接するヒール部(108)に位置する。
【0020】
同様に、トレーリングエッジ(122)は、トゥトレーリングエッジ(122)、中心トレーリングエッジ(122)、およびヒールトレーリングエッジ(122)を含むものとして特徴付けることができる。トゥトレーリングエッジ(122)は、一般的に、後部(114)およびソール(102)に隣接するトゥ部(106)に位置し、中心トレーリングエッジ(122)は、一般的に、後部(114)およびソール(102)に隣接する中心部(116)に位置し、およびヒールトレーリングエッジ(122)は、一般的に、後部(114)およびソール(102)に隣接するヒール部(108)に位置する。
【0021】
したがって、トゥリーディングエッジ(120)の上の点からトゥトレーリングエッジ(122)の上の点までスコアライン(118)に垂直に引かれたバウンスライン(L)は、トゥバウンス角度(B)を画定するために使用され得る。同様に、中心リーディングエッジ(120)の上の点から中心トレーリングエッジ(122)の上の点までスコアライン(118)に垂直に引かれたバウンスライン(L)は、中心バウンス角度(B)を画定するために使用され得る。同様に、ヒールリーディングエッジ(120)の上の点からヒールトレーリングエッジ(122)の上の点までスコアライン(118)に垂直に引かれたバウンスライン(L)は、ヒールバウンス角度(B)を画定するために使用され得る。
【0022】
図3図5それぞれは、トゥ部(106)を通る断面線3-3(図3)、中心部(116)を通る断面線4-4(図4)、およびヒール部(108)を通る断面線5-5(図5)に沿った、図1に示されるゴルフクラブヘッド(100)の断面図を示す。ゴルフクラブヘッド(100)のこれらの断面図は、本発明に係る革新的なソール(102)のより良い例示を可能にする。線3-3は、(トゥ部(106)に隣接する、概して底部の最も長いスコアライン(118)であるメインスコアライン(118)の概して端部にあるトゥ方向位置に配置される、y-z平面に沿った切断を概して示す。線4-4は、一般的にメインスコアライン(118)の間の中心位置に(x軸に沿って)配置されたy-z平面に沿った切断を概して示す。線5-5は、ヒール部(108)に隣接するメインスコアライン(118)の端部に一般的にあるヒール方向位置に配置されたy-z平面に沿った切断を概して示す。
【0023】
典型的なゴルフクラブは、トゥ部(106)から中心部(116)を通ってヒール部(108)まで同じキャンバー半径および同じバウンス角度を有するように設計されている。しかし、本出願の発明では、キャンバー半径(C)は、ソール(102)に沿ってトゥ部(106)から中心部(116)を通ってヒール部(108)に向かって(すなわち、x軸に沿って)変化する。例えば、いくつかの実施形態では、キャンバー半径(C)は、トゥ部(106)からヒール部(108)にかけて漸進的に増加する。いくつかの実施形態では、キャンバー半径(C)は、トゥ部(106)からヒール部(108)にかけて漸進的に減少する。いくつかの実施形態では、キャンバー半径(C)は、トゥ部(106)から中心部(116)まで漸進的に増加し、その後、中心部(116)からヒール部(108)まで減少する。いくつかの実施形態では、キャンバー半径(C)は、トゥ部から中心部(116)まで漸進的に減少し、その後、中心部(116)からヒール部(108)まで増加する。
【0024】
ほんの一例として、4番アイアンでは、トゥ部(106a)の遠位端で測定されたトゥキャンバー半径(C)は、約64mmであり得る。中心部(116)に近づくと、中心キャンバー半径(C)は、打撃フェース(112)の中心点(116a)(例えば、最低スコアライン(118)の中心点)の周りで約30mmまで減少し得る。ヒール部(108)にさらに近づくと、ヒールキャンバー半径(C)は、ヒール部(108)の最近位点で約27mmまでさらに減少し得る。ほんの一例として、表1は、トゥ部(106)(トゥ部(106)の最遠位点)、中心部(116)(最低スコアライン(118)の中心)、およびヒール部(108)(ヒール部(108)の最近位点)で測定されるキャンバー半径(C)の変化(ミリメートルで示される値)を示す様々なゴルフクラブヘッド(100)のチャートを示す。
【0025】
【表1】
【0026】
好ましい実施形態では、トゥ部(106)から中心部(116)までのキャンバー半径(C)の変化は、漸進的に減少する。例えば、キャンバー半径(C)は、トゥ部(106)から中心部(116)まで約20%~約60%減少し得る。好ましくは、キャンバー半径(C)は、トゥ部(106)から中心部(116)まで約25%~約55%減少し得る。より好ましくは、キャンバー半径(C)は、トゥ部(106)から中心部(116)まで約40%~約50%減少し得る。これらの例では、トゥ部(106)から中心部(116)までのキャンバー半径の減少率は、方程式(1)に反映されている:
【0027】
【数1】
【0028】
同様に、中心部(116)からヒール部(108)までのキャンバー半径(C)の変化は、漸進的に減少し得る。例えば、キャンバー半径(C)は、中心部(116)からヒール部まで約5%~約50%減少し得る。好ましくは、キャンバー半径(C)は、中心部(116)からヒール部まで約8%~約40%減少し得る。より好ましくは、キャンバー半径(C)は、中心部(116)からヒール部まで約10%~約25%減少し得る。いくつかの実施形態では、キャンバー半径(C)は、中心部(116)からヒール部(108)まで約10%~約15%減少し得る。これらの例では、中心部(116)からトゥ部(106)までのキャンバー半径の減少率は、方程式(2)に反映されている:
【0029】
【数2】
【0030】
好ましい実施形態では、トゥ部(106)から中心部(116)までのキャンバー半径(C)の変化は、概して、中心部(116)からヒール部(108)までのキャンバー半径(C)の変化より大きくなる場合がある。例えば、中心部(116)からヒール部(108)までのキャンバー半径(C)の変化量は、トゥ部(106)から中心部(116)までのキャンバー半径(C)の変化量の約15%~約60%であり得る。好ましくは、中心部(116)からヒール部(108)までのキャンバー半径(C)の変化量は、トゥ部(106)から中心部(116)までのキャンバー半径(C)の変化量の約18%~約40%であり得る。より好ましくは、中心部(116)からヒール部(108)までのキャンバー半径(C)の変化量は、トゥ部(106)から中心部(116)までのキャンバー半径(C)の変化量の約20%~約40%であり得る。
【0031】
いくつかの実施形態では、中心部(116)からヒール部(108)までのキャンバー半径(C)の変化量は、トゥ部(106)から中心部(116)までのキャンバー半径(C)の変化量より大きくなる場合がある。例えば、中心部(116)からヒール部(108)までのキャンバー半径(C)の変化量は、トゥ部(106)から中心部(116)までのキャンバー半径(C)の変化量の約110%~約150%であり得る。好ましくは、中心部(116)からヒール部(108)までのキャンバー半径(C)の変化量は、トゥ部(106)から中心部(116)までのキャンバー半径(C)の変化量の約120%~約140%であり得る。より好ましくは、中心部(116)からヒール部(108)までのキャンバー半径(C)の変化量は、トゥ部(106)から中心部(116)までのキャンバー半径(C)の変化量の約125%~約135%であり得る。
【0032】
同様に、バウンス角度(B)は、ソール(102)に沿ってトゥ部(106)から中心部(116)を通ってヒール部(108)に向かって変化することができる。例えば、いくつかの実施形態では、バウンス角度(B)は、トゥ部(106)からヒール部(108)にかけて漸進的に増加する。いくつかの実施形態では、バウンス角度(B)は、トゥ部(106)からヒール部(108)にかけて漸進的に減少する。いくつかの実施形態では、バウンス角度(B)は、トゥ部(106)の中心部(116)にかけて漸進的に増加し、その後、中心部(116)からヒール部(108)にかけて減少する。いくつかの実施形態では、バウンス角度(B)は、トゥ部(106)の中心部(116)にかけて漸進的に減少し、その後、中心部(116)からヒール部(108)にかけて増加する。
【0033】
ほんの一例として、4番アイアンでは、トゥ部(106)で測定されたトゥバウンス角度(B)は、約2度であり得る。中心部(116)に近づくと、中心バウンス角度(B)は、約1度まで漸進的に減少し得る。ヒール部(108)に向かってさらに近づくと、ヒールバウンス角度(B)は、約0度までさら減少し得る。トゥ部(106)から中心部(116)を通ってヒール部(108)まで、それぞれ3度から2度まで、1度までに減少し得る。
【0034】
バウンス角度(B)の増加の例は、トゥ部(106)から中心部(116)まで約3度から約4度までに増加バウンス角度(B)を有する4番アイアンによって実証される。7番アイアンでは、バウンス角度(B)は、トゥ部(106)から中心部(116)まで約6度から約7度まで増加し得る。ピッチングウェッジ(PW)では、バウンス角度(B)は、トゥ部(106)から中心部(116)まで約9度から約10度まで増加し得る。
【0035】
中心部(116)からヒール部(108)に向かって増加するバウンス角度(B)の例は、中心部(116)からヒール部に向かって4度から5度まで変化するバウンス角度(B)を有する4番アイアンを含む。7番アイアンでは、バウンス角度(B)は、中心部(116)からヒール部(108)まで約7度から約8度まで増加し得る。ピッチングウェッジでは、バウンス角度(B)は、中心部(116)からヒール部(108)まで約10度から約11度まで増加し得る。
【0036】
表2は、表1と同じゴルフクラブヘッドのチャートを示すが、ここで、トゥ部(106)(トゥ部(106)の最遠位点)、中心部(116)(最低スコアライン(118)の中心)、およびヒール部(108)(ヒール部(108)の最近位点)で測定されるバウンス角度(B)の変化(度で示される値)を示す。
【0037】
【表2】
【0038】
したがって、トゥ部(106)から中心部(116)まで、および/または中心部(116)からヒール部(108)までのバウンス角度(B)の変化(増加または減少のいずれか)は、各領域において約0.25度~約5度の範囲であり得る。好ましくは、トゥ部(106)から中心部(116)まで、および/または中心部(116)からヒール部(108)までのバウンス角度(B)の変化(増加または減少のいずれか)は、各領域において約0.5度~約4度の範囲であり得る。より好ましくは、トゥ部(106)から中心部(116)まで、および/または中心部(116)からヒール部(108)までのバウンス角度(B)の変化(増加または減少のいずれか)は、各領域において約1度~約3度の範囲であり得る。
【0039】
一般的に、トゥ部(106)から中心部(116)までのバウンス角度(B)は、(トゥ部(106)に対して)約10%~約60%減少し得る。いくつかの実施形態では、トゥ部(106)から中心部(116)までのバウンス角度(B)は、約15%~約50%減少し得る。いくつかの実施形態では、トゥ部(106)から中心部(116)までのバウンス角度(B)は、約20%~約35%減少し得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、トゥ部(106)から中心部(116)までのバウンス角度(B)は、約10%~約40%増加し得る。いくつかの実施形態では、トゥ部(106)から中心部(116)までのバウンス角度(B)は、約17%~約33%増加し得る。いくつかの実施形態では、トゥ部(106)から中心部(116)までのバウンス角度(B)は、約20%~約30%増加し得る。これらの例では、トゥ部(106)から中心部(116)までのバウンス角度(B)の変化率(増加または減少のいずれか)は、方程式(3)に反映されている:
【0041】
【数3】
【0042】
同様に、中心部(116)からヒール部(108)までのバウンス角度(B)は、約5%~約70%減少し得る。いくつかの実施形態では、中心部(116)からヒール部(108)までのバウンス角度(B)は、約10%~約60%減少し得る。いくつかの実施形態では、中心部(116)からヒール部(108)までのバウンス角度(B)は、約18%~約50%減少し得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、中心部(116)からヒール部(108)までのバウンス角度(B)は、約5%~約30%増加し得る。いくつかの実施形態では、中心部(116)からヒール部(108)までのバウンス角度(B)は、約10%~約25%増加し得る。いくつかの実施形態では、中心部(116)からヒール部(108)までのバウンス角度(B)は、約14%~約20%増加し得る。これらの例では、中心部(116)からヒール部(108)までのバウンス角度(B)の変化率(増加または減少のいずれか)は、方程式(4)に反映されている:
【0044】
【数4】
【0045】
本出願の発明は、バウンス角度(B)とキャンバー半径(C)との関係をさらに特徴とすることができる。いくつかの実施形態では、トゥバウンス角度(B)とトゥキャンバー半径(C)との比(B:C)は、約0.02:1~約0.2:1の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、トゥバウンス角度(B)とトゥキャンバー半径(C)との比(B:C)は、約0.03:1~約0.17:1の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、トゥバウンス角度(B)とトゥキャンバー半径(C)との比(B:C)は、約0.04:1~約0.15:1の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、トゥバウンス角度(B)とトゥキャンバー半径(C)との比(B:C)は、約0.05:1~約0.1:1の範囲であり得る。
【0046】
いくつかの実施形態では、中心バウンス角度(B)と中心キャンバー半径(C)との比(B:C)は、約0.02:1~約0.4:1の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、中心バウンス角度(B)と中心キャンバー半径(C)との比(B:C)は、約0.03:1~約0.30:1の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、中心バウンス角度(B)と中心キャンバー半径(C)との比(B:C)は、約0.05:1~約0.18:1の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、中心バウンス角度(B)と中心キャンバー半径(C)との比(B:C)は、約0.06:1~約0.15:1の範囲であり得る。
【0047】
いくつかの実施形態では、ヒールバウンス角度(B)とヒールキャンバー半径(C)との比(B:C)は、約0:1~約0.4:1の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、ヒールバウンス角度(B)とヒールキャンバー半径(C)との比(B:C)は、約0.02:1~約0.37:1の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、ヒールバウンス角度(B)とヒールキャンバー半径(C)との比(B:C)は、約0.04:1~約0.27:1の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、ヒールバウンス角度(B)とヒールキャンバー半径(C)との比(B:C)は、約0.07:1~約0.22:1の範囲であり得る。
【0048】
好ましい実施形態では、中心でのバウンス(B)とキャンバー(C)との比(B:C)は、トゥ(B:C)またはヒール(B:C)でのバウンス(B)とキャンバー(C)との比よりも大きい。いくつかの実施形態では、ヒールでのバウンス(B)とキャンバー(C)との比(B:C)は、中心でのバウンス(B)とキャンバー(C)との比(B:C)よりも大きくなり得る。
【0049】
本出願の発明は、バウンス角度(B)の変化とキャンバー半径(C)の変化との関係をさらに特徴とすることができる。例えば、好ましい実施形態では、トゥ部(106)から中心部(116)までのバウンス角度(B)の変化率は、トゥ部(106)から中心部(116)までのキャンバー半径(C)の変化率よりも概して小さい。いくつかの実施形態では、トゥ部(106)から中心部(116)までのバウンス角度(B)の変化(変化が増加であるか、または減少であるかにかかわらず)は、同じまたは対応するトゥ部(106)から中心部(116)までのキャンバー半径(C)の変化の約25%~約100%であり得る。例えば、トゥ部(106)から中心部(116)までのキャンバー半径(C)の変化が40%であり、対応するトゥ部(106)および中心部(116)で測定されるバウンス角度(B)の変化が10%である場合、バウンス角度(B)の変化は、トゥ部(106)から中心部(116)までのキャンバー半径(C)の変化の25%となる。同様に、トゥ部(106)から中心部(116)までのキャンバー半径(C)の変化が25%であり、同じトゥ部(106)から中心部(116)までのバウンス角度(B)の変化が25%である場合、バウンス角度(B)の変化は、トゥ部(106)から中心部(116)までのキャンバー半径(C)の変化の100%となる。いくつかの実施形態では、トゥ部(106)から中心部(116)までのバウンス角度(B)の変化(変化が増加であるか、または減少であるかにかかわらず)は、対応するトゥ部(106)から中心部(116)までのキャンバー半径(C)の変化の約35%~約95%であり得る。いくつかの実施形態では、トゥ部(106)から中心部(116)までのバウンス角度(B)の変化(変化が増加であるか、または減少であるかにかかわらず)は、同じまたは対応するトゥ部(106)から中心部(116)までのキャンバー半径(C)の変化の約40%~約80%であり得る。いくつかの実施形態では、トゥ部(106)から中心部(116)までのバウンス角度(B)の変化(変化が増加であるか、または減少であるかにかかわらず)は、同じまたは対応するトゥ部(106)から中心部(116)までのキャンバー半径(C)の変化の約43%~約65%であり得る。
【0050】
いくつかの実施形態では、トゥ部(106)から中心部(116)までのバウンス角度(B)の変化率は、トゥ部(106)から中心部(116)までのキャンバー半径(C)の変化率よりも大きくなり得る。例えば、トゥ部(106)から中心部(116)までのバウンス角度が約33%変化し、対応するトゥ部(106)から中心部(116)までのキャンバー半径が約29%変化したクラブでは、バウンス角度(B)の変化は、キャンバー半径(C)の変化の約114%となる。いくつかの実施形態では、トゥ部(106)から中心部(116)までのバウンス角度(B)の変化(変化が増加であるか、または減少であるかにかかわらず)は、同じまたは対応するトゥ部(106)から中心部(116)までのキャンバー半径(C)の変化の最大で約125%であり得る。いくつかの実施形態では、トゥ部(106)から中心部(116)までのバウンス角度(B)の変化(変化が増加であるか、または減少であるかにかかわらず)は、同じまたは対応するトゥ部(106)から中心部(116)までのキャンバー半径(C)の変化の最大で約120%であり得る。いくつかの実施形態では、トゥ部(106)から中心部(116)までのバウンス角度(B)の変化(変化が増加であるか、または減少であるかにかかわらず)は、同じまたは対応するトゥ部(106)から中心部(116)までのキャンバー半径(C)の変化の最大で約116%であり得る。
【0051】
中心部(116)からヒール部(108)までについては、中心部(116)からヒール部(108)までのバウンス角度(B)の変化率は、対応する中心部(116)からヒール部(108)までのキャンバー半径(C)の変化率より小さく、または大きくなり得る。例えば、中心部(116)からヒール部(108)までのキャンバー半径(C)の変化が14%であり、対応する中心部(116)からヒール部(108)までで測定されるバウンス角度(B)の変化が10%である場合、バウンス角度(B)の変化は、中心部(116)からヒール部(108)までのキャンバー半径(C)の変化の70%となる。いくつかの実施形態では、中心部(116)からヒール部(108)までのバウンス角度(B)の変化(変化が増加であるか、または減少であるかにかかわらず)は、同じまたは対応する中心部(116)からヒール部(108)までのキャンバー半径(C)の変化の約45%~約80%であり得る。いくつかの実施形態では、中心部(116)からヒール部(108)までのバウンス角度(B)の変化(変化が増加であるか、または減少であるかにかかわらず)は、対応する中心部(116)からヒール部(108)までのキャンバー半径(C)の変化の約50%~約70%であり得る。いくつかの実施形態では、中心部(116)からヒール部(108)までのバウンス角度(B)の変化(変化が増加であるか、または減少であるかにかかわらず)は、対応するトゥ部(106)から中心部(116)までのキャンバー半径(C)の変化の約55%~約65%であり得る。
【0052】
いくつかの実施形態では、中心部(116)からヒール部(108)までのバウンス角度(B)の変化率は、対応する中心部(116)からヒール部(108)までのキャンバー半径(C)の変化率よりも大きくなり得る。例えば、中心部(116)からヒール部(108)までのバウンス角度が約50%変化し、かつ対応する中心部(116)からヒール部(108)までのキャンバー半径が約10%変化したクラブでは、バウンス角度(B)の変化は、キャンバー半径(C)の変化の約500%となる。いくつかの実施形態では、中心部(116)からヒール部(108)までのバウンス角度(B)の変化(変化が増加であるか、または減少であるかにかかわらず)は、対応する中心部(116)からヒール部(108)までのキャンバー半径(C)の変化の約100%~約1000%であり得る。いくつかの実施形態では、中心部(116)からヒール部(108)までのバウンス角度(B)の変化(変化が増加であるか、または減少であるかにかかわらず)は、対応する中心部(116)からヒール部(108)までのキャンバー半径(C)の変化の約110%~約650%であり得る。いくつかの実施形態では、中心部(116)からヒール部(108)までのバウンス角度(B)の変化(変化が増加であるか、または減少であるかにかかわらず)は、対応する中心部(116)からヒール部(108)までのキャンバー半径(C)の変化の約200%~約600%であり得る。
【0053】
好ましくは、バウンス角度(B)が中心部(116)からヒール部(108)にかけて減少するとき、バウンス角度(B)の変化率は、対応する位置でのキャンバー半径(C)の変化率よりも大きい。反対に、バウンス角度(B)が中心部(116)からヒール部(108)にかけて増加するとき、バウンス角度(B)の変化率は、対応する位置でのキャンバー半径(C)の変化率よりも小さい。
【0054】
ヒール部(108)に向かってバウンス角度(B)を減少させることによって、またヒールリリーフももたらされる。ヒール部(108)中のリリーフは、クラブヘッド(100)が、最小限の抵抗で、草、芝土、砂などをどの程度よく通過するかを改善することができる。
【0055】
本発明のゴルフクラブヘッド(100)は、チタン、鋼、炭素繊維、およびアイアンの製造に使用される他の典型的な金属などの材料を使用して、本明細書に開示される仕様による鋳造または鍛造技術を使用して製造することができる。
【0056】
操作例以外、または別段の明示がない限り、本明細書の前述の部分における曲率半径、角度、およびその他に関するものなどの数値範囲、量、値、および割合のすべては、用語「約」が値、量、または範囲に明示的に現れないことがあるとしても、用語「約」または「およそ」が前置きされるかのように読まれ得る。従って、反対のことが示されない限り、上記明細書および添付の請求項に記載される数値のパラメーターは、本発明によって得られるよう求められる所望の特性に依存して変わり得る概数である。しかしながら、以下なる数値は、それぞれの試験測定値に見られた標準偏差に必然的に起因する特定の誤差を本質的に含んでいる。さらに、様々な範囲の数値範囲が本明細書に記載されている場合、列挙された値を含むこれらの値の任意の組み合わせ、および列挙された任意の範囲の間の任意の値が使用され得ることが企図される。
【0057】
本発明の好ましい実施形態の前述の記載は、例示および説明の目的で示されている。それは、網羅的であること、または本発明を開示された開示されたとおりの形状へ制限することを、意図していない。上記の教示に照らして、多くの修正および変形が可能である。本発明の範囲は、この詳細な説明によってではなく、添付の特許請求の範囲および特許請求の範囲の均等物によって限定されることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
【外国語明細書】